後味の悪い話 その12 ..
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724:本当にあった怖い名無し
11/03/04 01:46:23.68 ovmFshrU0
街を歩いていた主人公は、鳥が飼われている店の前をまた通りかかった。
よく見てみれば、鳥をつなぐ紐は途中でぷっつりと切れており、縛めの体をなしていなかった。
自然に劣化して切れたようだった。それでも鳥は逃げるそぶりを見せず、不思議がる主人公に愛想をふりまいてきた。
鳥は紐でつながれているからその場にいるのではなく、店や客を愛するからこそ望んで居着いていたのだった。
主人公は、鳥とは違って望んで男に飼われているわけではないし、
しかし同じように、覚悟さえあれば逃げる事なんていつでもできたのだと気づき、やがて一人で逃亡した。

主人公は、旅芸人が向かったという土地を訪れた。
そこは荒廃しており、傷ついた様子の人々がわずかに暮らしているだけだった。
その中には旅芸人の姿もあった。ひどい暴力を受けた末に寝かされている旅芸人は死にかけていた。
噂は嘘で、噂を聞きつけて集まった部族の生き残りを、反乱の恐れがあるからと始末するための罠だったのだという。
旅芸人はやがて死んだ。他の人たちは、旅芸人はまだなんとか歩けた頃に、ビワ(?)の種を植えていたと話した。
ビワの種を植えると早死にするという迷信があるのだという。
仲間たちが次々と殺され、旅芸人も拷問を受け、きっと早く死にたかったのだろうと彼らは言った。
旅芸人をそんな風に追い詰めて去っていた軍は、青年が率いるものだった。

十数年が経ち、主人公はかつて暮らしていた街をふと訪れた。
主人公が飼われていた家は、先の負け戦によって没落し、跡取り息子も亡くなったのだという。
周囲の街も荒み、鳥が飼われていた店もなくなっていた。
歩いていた主人公は、向こう側から自分を飼っていた男が歩いてくる事に気づいた。
恐怖を感じたが、長い時間の間に面差しが変わった主人公に男は気づかないようだった。
それに、男は幼児のように尿を漏らしながら歩いており、正気を失って他人に関心を持っていないようだった。
彼は泣きながら、息子はどこへいったのだと一人でつぶやいていた。
主人公は、もうあんな男は怖くないと思いながら、最後まで対等な存在にはなれなかった青年の事を思った。


断片的にしか覚えてないが読んでて気分が悪くなった覚えがある


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