【長編】−−−−−【小説】Part6 at EROACADEMY
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945:運命の人2
10/12/28 01:38:18 ThUq/p9E
>>933
サリが腹が減ったというので、高速を途中で降りて食堂に入った。
「えとこのトゥブチョンゴルと、あっこれも!太刀魚の煮付け、それと〜」
久しぶりの韓国料理にすっかりテンションが上がっているサリが次から次へとオーダーしている。
「あ、あとソジュ下さい!」
「一人で飲むつもりかよ!」
「だって!知ってる?オーストラリアじゃソジュすごく高いんだから!チャンミンは運転頼むね」
「・・・・・・」
温かい店内に入ったら、昼間のレッスンの疲れがどっと押し寄せて眠気が襲って来た。
サリを迎えに来たのを少し後悔しはじめた俺の目の前で、古ぼけたテーブル一面に乱暴に料理が並べられていく。
手酌しようとしたサリの手から、ソジュの瓶を奪い取った。
「女の子がはしたないだろ」そう言いながらサリのグラスに注いでやった。
「いいのに、別に」
「俺が嫌なの。お前がよくても。」
サリはぐびっと一息に飲み干すと、空いたグラスを俺の前に差し出した。
「サリに酌をしてやるなんて、なんか変な感じ」
「知らない間に大人になったねーお互い・・・ぷはー」また一気に飲んで酌を促す。
「おい、いい加減にしろよ。潰れても面倒みないからな」俺は瓶に蓋をしてサリから遠ざけた。
恨めしそうな目で俺を一瞥すると、今度はスプーンを持って鍋にがっつきだした。これには俺も便乗した。
「それで、何しに帰ってきたの?」
「ん?両親がソウルのマンションを引き払うっていうから、荷物の整理にきたのよ」
「マンションってあの蚕室の?」
「そう。チャンミンは今どこ住んでるの?」
「今、押鴎亭だよ。」
「一人で?」
「ううん二人で」
「二人!?」サリが鍋の中にスプーンをぽとりと落とした。
「あ、違うよ、違う。今ユノヒョンと二人なんだよ」
「びっくりした!結婚でもしたかと思ったじゃん!でもなんで二人?」
「え?いいよもう、俺の話は。」…サリは何も知らないんだろうか。
本当にただ困って俺を呼んだだけ?何も知らないなんて、俺のことなんて思い出すことなく暮らしてたの?
「チャンミン?」なんだか少し拗ねた気持ちになって、鍋の中の豆腐を弄びながらしばらく黙っていた。


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