【長編】−−−−−【 ..
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891:ホウセンカ[31]
10/10/01 01:12:21 N5DrH06q
>>885
・・・ミリョン
ミリョン・・・ミリョンのところに行かなきゃ・・

「・・ジェジュン・・・ジェジュン・・」

あぁ・・ミリョンが僕を呼んでる・・行かなくちゃ

「ジェジュンさん!キム・ジェジュンさん!わかりますか?
先生!ジェジュンさんの意識が戻りました!すぐ来てください!」
ジェジュンの目には無機質な病室の天井と、顔を覗き込む看護士が写った。
「・・・ここは?」
「ここは漢陽大学病院です。あなたは交通事故に遭ったんですよ。思い出せますか?」
ジェジュンはまだ半分夢うつつといった目で視線を泳がせる。
「・・・僕行かなきゃ・・・っ!?」
ジェジュンは起き上がろうとするが身体は全く言うことを聞かず、まるで他人の身体のようだった。
「あなたが自力で起き上がれるようになるには、まずリハビリが必要です。
8ヶ月も眠った状態だったんですから無理もありません。」
駆けつけた医師が冷静な口調で言った。
「君、ご家族に連絡を」「はいっ」
医師が淡々と脈拍や瞳孔を診る中、ぼんやりしていた意識は急激に冴えてジェジュンは青ざめた。
「先生、今なんて?8ヶ月眠ってたって!?」
「そうです。今日は2011年6月2日です。内蔵の損傷や他の怪我は既に完治しています。
後はリハビリをして運動機能が回復すれば、元の生活に戻れますよ。リハビリの前にいくつか検査をします。
詳しいことは、また説明しましょう。」
そう言うと医師は立ち去った。
ジェジュンの視界の隅に、だらしなく開いた自分の右手が見えた。
どれだけ動かそうとしてみても、指先がかすかに震えるだけだった。


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