【長編】−−−−−【 ..
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627:乙支路ノスタルジー[12]
10/06/16 03:50:18 sLYTXGOl
>>626
「・・・あ、ユノさんに質問です。ユノさんがこのミュージカルで伝えたいこと、表現したいことはなんでしょうか」
「・・・そうですね、このお話の魅力は生まれや育った環境の違う二人が出会い、影響しあって成長してくことだと思います。
このお話は恋愛がベースにありますが、僕も今まで色んな人と出会い影響を受けて励まされてここまで活動して来ました。
ですので、そういった人と人との巡り合わせと、それによる葛藤や喜び、そういったものを表現できたらと思います。」
ユノはまっすぐ私の目を見て、きれいなソウル言葉で話した。
「ありがとうございます」

「ジニさーん!」
取材陣で混みあうロビーで帰り支度をしていると、皇太子姿のままユノが走り寄ってきた。
「ユノ・・・」久しぶりに話すユノは、八重歯もなく訛りもなく、洗練された大人の男だった。
「久しぶりだね。どうして何も言わずに行くの?せっかく会えたのに」
周りの目を気にする様子もなく、ユノは私をじっとみつめる。
「フッ、フフフフッ」
「どうしたの?」
「・・・だって、乙支路の駅で寝てた奴が、次に会ったら王子様なんだもん!」
「ハハッたくさん時間が流れたねジニ」ユノはもう一歩歩み寄り、耳元で言った。
「チャジャン麺でも食べに行かんかぁ?」
「ユノのおごりで?」
「ええでぇ。何杯でも食べたらええわぁ」
「フフフ」
またあの乙支路の中華屋から、私たちは始まるのかもしれない。

終わり


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