【長編】−−−−−【 ..
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496:On-line Angel 33
10/05/21 20:06:18 GFAylvHa
>>492
一瞬チャンミンの表情が曇ったのを、由梨奈は見逃していなかった。
オルゴールの音色は止む事なく、舌の絡まる音を邪魔する。
「んっ…出なきゃ…心配するんじゃない?」
オルゴールの着信が彼女からの電話だと気が付いてた由梨奈がキスを遮り、携帯を拾いに歩く。
「あ・・・ごめんねマナーモードにしてなかった…」気まずい顔をするチャンミンに
「はい、どぉーぞ!」と満面の笑みで携帯を渡した。
チャンミンは小声の韓国語で、申し訳なさそうに口元を隠しながら話し出す。
『ヨボセヨ?』
由梨奈はチャンミンの左腕を掴み、ブラブラと揺らして無邪気に遊んでいる。
彼女からの電話だと分かっていても、聞き慣れない韓国語での会話では嫉妬のしようがない。

そもそも、2人が親密になったのは2年ほど前、由梨奈の働くクラブへチャンミンがスタッフに連れられて来た時からだ。
商売女の見え透いた媚びの売り方に嫌気がさして黙り込むチャンミンに、女達はどうしていいか分からないでいた。
そのうちチャンミンは、端に追いやられ一人でぽつんと座っていた。
そこへ由梨奈が現れた。
話しかけることもなく、隣に寄り添ってチャンミンの太ももをトントンと叩いたり、指で突いてみたり。
その度に、満面の笑顔でチャンミンを見つめていた。
由梨奈の吸い込まれるようなキレイな瞳を見ていると、何故だかホッとした。
チャンミンはクラブという慣れない場所ながら、スタッフに付いて何回か由梨奈に会いに来た。
その時に、韓国にいる彼女についての悩みなどを打ち明けてくれたり、相談にも乗っていたのだが、
次第に今のような関係になってからは、お互いにその事についてはあまり触れていなかった。
嫉妬をしたところで、自分の立場が分かっていた由梨奈は何も聞かないし言わなかった。


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