科学関係ぶっちゃけス ..
266:,
08/09/06 10:34:26
, '´  ̄ ̄ ` 、 >>265は、後はエンジニアや学者どもの仕事だ、、、
i r-ー-┬-‐、i
| |,,_ _,{| ちゃんとやっておけよ、、、
N| "゚'` {"゚`lリ
ト.i ,__''_ !
/i/ l\ ー .イ|、
,.、-  ̄/ | l  ̄ / | |` ┬-、
/ ヽ. / ト-` 、ノ- | l l ヽ.
/ ∨ l |! | `> | i
/ |`二^> l. | | <__,| |
_| |.|-< \ i / ,イ____!/ \
.| {.| ` - 、 ,.---ァ^! | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l
__{ ___|└―ー/  ̄´ |ヽ |___ノ____________|
}/ -= ヽ__ - 'ヽ -‐ ,r'゙ l |
__f゙// ̄ ̄ _ -' |_____ ,. -  ̄ \____|
| | -  ̄ / | _ | ̄ ̄ ̄ ̄ / \  ̄|
___`\ __ / _l - ̄ l___ / , / ヽi___.|
 ̄ ̄ ̄ | _ 二 =〒  ̄ } ̄ / l | ! ̄ ̄|
_______l -ヾ ̄ l/ l| |___|
267:,
08/09/06 10:44:04
〃 i, ,. -‐
r' ィ=ゝー-、-、、r=‐ヮォ.〈 /
! :l ,リ|} |. } /
. {. | ′ | } l
レ-、{∠ニ'==ァ 、==ニゞ< |
!∩|.}. '"旬゙` ./''旬 ` f^| |
l(( ゙′` ̄'" f::` ̄ |l.| |
. ヽ.ヽ {:. lリ |
. }.iーi ^ r' ,' ノ
!| ヽ. ー===- / ⌒ヽ
. /} \ ー‐ ,イ l
__/ ‖ . ヽ、_!__/:::|\ ヽ 、、、命令だ、、、、!
268:,打つ理(ぶつり)学
08/09/06 10:49:16
/! ,.::'::::::::::::::::::::::::::::::ヽ ヽ、:::::::::::::::::::::|
,.イ | /::::::::::::;: ‐''"´ ̄ ̄``'、ヾヽ ,,.. `''‐、_::::::::|
/::| レ':::::::::::/ ___. ゙、、_ノ7/,/::(_ ,. -‐''"::::i
,'!::::! ヽ:::::::/ ,.ィ':::::::::::゙,``'i、;;;;ノノハ;__::::`‐...,,_', \::::::::::/
.!|::::::゙, \ / !::::::::::::i. |/ /ヘ''' '=、-、ヽ ヽ:;ノ、
l l::::::::ヽ `''‐-r'′ l:::::::::::::| l7 /  ̄ /rへ,i
.i '、:::::::::\ | |:::::::::::::| ! _,.` /f i } ||.
゙, ヽ::::::::::::`ヽ.、_,l !::::::::::::;' / `トヽ ̄ /ィ ノ ,.ノ
ヽ \:::::::::::::::::::/ /:::::::::::// ノ/ニニ二ヽ /、_,.r'"
\ `ヽ:、:::/ /:::::::::::/ /_`` 'ゝヽ /
` 、,../ ,/::::::::;:∠-‐'′ ``'ー-‐'゙` ,. /
` ‐-;-'--‐ <. ヽ、 ,.. - '" /
__ ,,.. -─一¬ヾ´ヽ
、;;;;;;;;;;;``;;;.、 `''ー---‐ ''"´ /ヽ、
例、MV+mv=MV’+mv’=一定 運動量保存則
1/2MV2+1/2mv2=一定 エネルギー保存則 ←F=MdV/dt の両辺に速度をかけると得られる式
269:,
08/09/06 10:53:48
>>266 出来たら ちゃんと解るように教えてくれよ エンジニアや学者様よぉ、、、
r‐-、._ ,,. r─-、.,
/" ミミ/⌒ ヽ、\
< 〃⌒ヾ ⌒~ \ )
x 〃⌒ヾ / ⌒ \))ソl
ドミ~ト⌒ ⌒ヾノ/~イ彡;、
Yミ! ((⌒ :ヽリ/ |〃イ
(ミ| .Yi⌒ )),ソ i彡゙;)
_l!ミ! r─-.V、, ,,.ノrェ--- j彡ィ
!ヘl;|. ぐ世! t(イ,ィ '"世ン 「ヽ.
!(,ヘ!  ̄'" |:::.`  ̄ ,ドリ
ヾ、! !; ,レソ
`| ^'='^ ム'′
,rト、 ー- ─-: /|
_../ i| \ === ,イ.:ト、
/ i| ゙、\ ; /リ.:;!:::\、_.
゙! ゙、 `ー─''゙:::;:'::::|::::::::::\ 。
゙、 :::/::::::|::::::
`ヽ、 ゙、 ./ .| ,-、、
270:,
08/09/06 15:13:41
,='´,',/ィ´‐'´ ̄  ̄`二 二 `ニ`ー-、`-、ヽ `ミミミヾ、
`-、_,r三-‐',,!,'ィニ´... ー - - 、__`ヽ`ヽヽ `ミミミヾ `ー、
r'´i',',' ,' l', ,iiilllli‐、 ,,,iiiiiii,,,,,,,,,ヽ ` ` ` 、ミミミミ、、. ヽ
,イ lii'/ ,', l' '"´ " `、 ';'ミミミミミヾ、
!ヽ lヘ ,',! _r==、_ 、 =‐-、 ! ミヾ、ミミミミミミヾ
`ノ ,! ,.k''てヾ、 .) / _r'7‐iヾヽ ! `ミミミミミミミミミミヾ`
_,.-'ソ i ,',l /`ニニン ,! ヽヾ二ニニ´ ー ';,;ミミミミミミミミミヾ、
ノ /7j'l, .l 彡`ー‐'´ / ` `ー-、_・`,、_ ・ ';ソiヾ/`li`ミミヾヾ
ノ '' !i,','l' ・ ,.-/ ヾ ヽ、 ` ゛ i ノ "ソ´ ,ノミヾ`!liliト、
'´ '´ ー'´ノ l , i! ' `i 、 ヾ, ) ,!、`、ヾjlililト、
`ー、_,=ニ,' l i ,,,,,,`ー--'´`` ' ヽ . ・ !. , ' " Yノミ`、`ソjlillil!
ノl l! ,;'" ""''''""""''''''':;,,ヽ . :; ' l丶 j´ソミソ'彡j!jl!
. l i."';,,.,,.,,.,,.,,.,,.,,,,...,.,, "';, ,:; ノ`=' "゛゛='ソ jliソ
ヽ ヽ / i "ツ'';,.,,;'. ,! , ,ィ´ ``ー-
__,.....ヽヽ l i'´,ィ ; / ,ィ´
__,...--‐'''''´ ̄ .ヽヽ l / i´.ィ , /,ィ´
_ヽi ヽ ! .,! ,! ,.ィ´
__,..-‐''´ `!、!、____,イ _,'-'
_,.-''´ ヽ _,ィ´
271:,ミジンコ
08/09/06 15:40:21
______
,.ィ'´ ̄ `ヽ
,ィ´ _,........_ `!
i´ i´ ``ー‐-、ヽ
l l !. l
l ノ _,,,,,,,_ _,,,_l l
ト、 l -'´_,...._ i'_,.._ l!
l `! ー , i i 、ー- l
l ( ー、 ,ィ !、__, i、 ,!
ヽ、、 ヽ 、 , 'l < 、、、、ハルヒの予感、、、
,.ィi ヽ '--‐‐‐' ノスレリンク(utu板:280番)
_,....、___,...--'´ ヽ `ー、 ´ ` ,ィ´ヽ_スレリンク(sm板:568番)
,ィ'´ ヽ `ー ‐ / `ー-、_ ざぶとん いっぱい持ってきなさい
,ィ ヽ / `ー、_
l ヽ / ___________ ヽ
l ヽ_/.-‐''´ ``ー-、_ ヽ
,! _,ィ´ `ー、ヽ
/ \ ヾ、
l \ ヽ
l \ ヽ
/ \,.ィ i i l l , , , ヽ
,! `ー‐‐‐‐----、___________________,--‐‐-、__-= l
,! ,! `ー-ニつ__,......--‐‐''"l´
,! / `) l
272:,ミジンコ
08/09/06 15:50:14
スレリンク(uwasa板:570-577番)
.:/ .:! .:.: / l|l.:.. _lゝ:.ヘ.:.:.. |: l:. | ト ヽ
.:.:.:j .:.:.! .:.: , -|=-T:.:´j、ヽ:ヽ:.:. .ト! l:.:. .l:. ヽ l ヽl
.:.:.:.:.l .:.:.:!.:.:.:. / | ,z,弐ヽト ヾト:.:. .:jイハヽ :!:.: | | ||
:.:.:.:,' .:.:.:.!:.:.:.:. |: レ' {ぅiハ.:|` l.:.:/フヾ l.:.:ハ.:.:. |:| l′
.:.:/ .:.:.:.|.:.:.:.:.:. l_ィ_l{ ヽ-' |, |/ {jハl{/:.l:l:.:. ハl
:/ .:.:.l.:.:.!:.:.:.:.:. l:. !: lヽ rーr 彡 / 、 、`,.ィ{.:./:.l:.:i j′
' .:.:.:.|.:.:.:l.:.:.:.:.:. |、:ヽ.l ーjj´ `i ´lV:,〈 }:l ′
.:.:.:.j.:.|:.:.!:.:.:.:.:.: l ヽ:.ヽ、li / /イ: lソ′
.:.:.:.:/|:.:|:.:ハ:.:.:.:.:.:. l ヽ.ヽl!、 __ , ,リ:. l l
:.:.:/.:.|:.:l.:.:.:.ト:.:.:.:.:. l \ヽ i´‐´ ̄j /!:.:.ハ !
 ̄ ` l:.:ト、:.:.: ヽ:.:.: ヽ ` ー ー‐ ニ / }:/j j/
ヽトヽ:.: l:.:ヽ: l ヽ、 / j'://
ヽ、 ヽ: ト\lヽ、 `丶 / /´
` i: l ヽト、 ` ァiー---` 、_j-i<
l l | / |:.:|:.:.:.:.:.:.:. ! ヽ
|:| / !:.lヽ.:.:.:.:.:.: ! ',
273:,
08/09/06 16:04:52
>>264 続き
これは誰も(プランク本人でさえ)信じなかった。だが1905年、特許局に勤めるアルバート・アイン
シュタインという若者が、プランクの考え方で光電効果という問題が解決できると指摘した。金属
板に光が当たると、表面から電子が放出される。ここで光量を上げる(たとえば電球を6
0ワットから150ワットに替える)と、放出される電子の速度が速くなると思われるかもしれ
ない。そうではなく、単に電子の数が増えるのである。まるで光は金属板に向かって放た
れた銃弾のようなのだ。つまり、その銃弾が量子である。
この概念はまったくの不評だった。アインシュタインが正しいという可能性をプランクが認めるまでに
は数年を要した。そしてやがては、光の振る舞いは波と粒子の両方の特徴をそなえている
と認めなくてはならなくなる。しかし、波が粒子であったり、またその逆であったりとい
うことがどうして可能なのだろうか? だしぬけに万物の法則は実現までの道のりが遠
そうに見え始めた。
だが少なくとも粒子説は、新しい原始像を構築する助けにはなった。1908年、アーネスト・ラザ
フォードがクリスマスプディング像の反証を示した。金の薄片にアルファ粒子をあてたところ、大部分が
通り抜けてしまったのだ。これは金の原子はおもに空間で出来ているという証拠になる。
ラザフォードは続けて、原始は回転木馬のように中心にプラスの電荷を帯びた核があり、その周
囲のどこかに電子があると主張した。そして1913年には若きデンマーク人物理学者ニールス・
ボーアがこの原始像を改善する。原始とはミニチュア太陽系のようなもので、太陽を巡る惑星のよ
うに原子核の周囲を電子が回っているが、惑星と違って電子はエネルギーを(量子の形態で)
吸収もしくは放出でき、内側や外側の軌道へ飛び移ることが出来るというのだ。
Wikipedia項目リンク原子
Wikipedia項目リンク電子
Wikipedia項目リンク光
Wikipedia項目リンク電磁場
Wikipedia項目リンク光電効果
Wikipedia項目リンクプランク定数
Wikipedia項目リンク粒子説・波動説
274:,
08/09/06 16:26:08
これで、原始の内部で何が起きているかを調べるかなり簡単な方法が出来た。熱せられた元
素(たとえば水素)から発せられた光がプリズムを通過すると、非常にはっきりしたスペ
クトルが現れる。このスペクトルは軌道上の電子の振動によるものなので、その軌道についての情
報を知ることが出来るのだ。スペクトル中の輝線と暗線(放出線と吸集線という)は個々の元
素に対応しているので、恒星がどんな元素で出来ているかすら調べることが可能になる。
ボーアは水素原子のスペクトルの知識を用いて、水素原子の内部で何が起きているかを説明した。
それでもまだのこされた問題は多かった。ニュートンがその著書「プリンピキア―自然哲学の数学
的原理」の中で太陽系を説明したときには、その数字で惑星運行の有様を正確に描写でき
た。だがボーアの数学では、そこまで正確に原始内部の電子の挙動を説明できなかった。ドイ
ツの物理学者アノルト・ゾンマーフェルトが電子軌道を楕円と考えたほうがうまく原始を説明できると
したときでさえ、問題解決にはならなかった。その後の12年間、量子理論は混沌とした
ままで、一歩進んで二歩下がるか、あるいは運が良くてせいぜい現状維持という状態だっ
た。1922年、ボーアは優秀な若き学生ヴェルナー・ハイゼンベルクと出会い、手詰まりを認めた。
原始はものではないのだ、とハイゼンベルクにいった。
275:,
08/09/06 16:28:20
では原始とは何者なのか? 1923年、ソルボンヌ大学のルイ・ドブロイという学生が一見途方
も無いアイデアを思いついた。もし光波が粒子のように振舞うのなら、粒子が波のような挙動
をして悪いはずが無いのでは? 物質波というアイデアは文句なしの矛盾のように思える。だ
が原始が もの でないのなら、電子だって もの ではないということになる。電子が
小さな硬いボールのようなものでなければ、原始内部の波のようなもので、円形に曲げたスプ
リングもしくは自分の尾に咬みついたヘビのようなものかもしれない。これで電子に軌道があ
る理由が説明できる。というのもかぎられた波長だけが真円に当てはまるからだ。それと
もひょっとしたら、とドブロイは後知恵で付け加えた。電子は波に関連した粒子で出来てい
るのかもしれない。このアイデアに対する周囲の反応はさらにそっけないものだった。
Wikipedia項目リンクプリズム
Wikipedia項目リンクスペクトル
Wikipedia項目リンク量子論
Wikipedia項目リンクハイゼンベルク
Wikipedia項目リンクドブロイ
にもかかわらず、水晶に電子を打ち込んでみると、ドブロイの物質波が確認された。水晶の
層は実質的には一連のスリットで、光線が曲がる(屈折する)のはこのスリットのせいである。電
子ビームはあたかも光束のように屈折したのだ。また後に行われた実験では中性子も同様に
屈折した。素粒子の挙動はまさに波と同じだったのだ。
Wikipedia項目リンク素粒子
276:,
08/09/06 16:50:09
1927年までには、ボーアの手詰まりを解決した量子理論は3つも出されていた。ヴェルナー・ハイ
ゼンベルク、ポール・デュラック、エルヴィンシュレディンガーが別々に提唱した理論である。
1925年、ヘリゴランドで休暇を過ごしていたハイゼンベルクは、ボーアの太陽系型原始は忘れて数
字に集中することに決めた。彼は原子をオシログラフ、あるいは電気マッサージ機―と
いうより、筋肉をリラックスさせるマットレスとして思い描いた。ハイゼンベルクが知りたかったのは、振
動と光のスペクトルに現れる線との関連性だった。そして最終的に、原子内部の状態をすべて
表現する数式を見つけるのに成功した。ハイゼンベルクはスペクトルの暗号を解いたのである。興奮
のあまり、彼は夜中の3時に家を出て夜が明けるまで高い岩のてっぺんに座っていた。
ハイゼンベルクの悩みの種が一つあった。かれの量子論では、p×q=q×pにはならな
いのだが、これは明らかに算数の規則に反していた(pとqは素粒子の位置と運動量をあ
らわしている)。この問題が解決したのは、ハイゼンベルクが突破口を開いたというニュートンをケンブ
リッジの大学院生ポール・デュラックが耳にしたときだった。優秀な数学者であるデュラックは、この
パラドックスが19世紀ダブリンの数学者ウィリアム・ローワン・ハミルトンの式で解決できることをすぐさま
看破した。ハミルトンも光は波か粒子かという問題に取り組んでおり、波もしくは粒子の運動を
表す一組の方程式を作り上げていたのだが、この方程式でもAかけるBがBかけるAと等
しくならなかったのだ。
Wikipedia項目リンクボーア模型
Wikipedia項目リンクポーる・ディラック
Wikipedia項目リンクシュレディンガー
Wikipedia項目リンクオシログラフ
Wikipedia項目リンクハミルトン
277:,
08/09/06 17:00:44
>>274-275【
Wikipedia項目リンク ヤングの実験
Wikipedia項目リンク(%E7%89%A9%E7%90%86%E5%AD%A6) 干渉 】
278:,
08/09/06 17:10:44
エルヴィン・シュレディンガーは古いタイプの物理学者で、量子力学をこみいった代数学に変質させ
ようという当時の傾向に不満で、原子の視覚的な考察は可能だという確固たる信念を持っ
ていた。1925年のクリスマス休暇をチロルで当時の愛人と過ごしていたシュレディンガーに(彼は有名な
おんなったらしだった)、ふと閃きが走った。ドブロイの物質波について考え込んだとき、あ
る波の方程式を思いついたのだ。シュレディンガーがギリシア文字のプシ、ψで表現したこの式は、
電子の波を池の水面の波と同様に表すことが出来た。というより、パン生地のやわらかいボ
ールがシンコペーションのかかった音楽にあわせて踊りだし、ソノリズムに合わせて波打つ出すところを
想像してもらえばいいかもしれない。これがおおざっぱなシュレディンガーの原子像である。シュレ
ディンガーの波動関数は量子物理学史上最大の進歩とみなされている。
一見するとこの3つの突破口は矛盾するように思えた。実際にはシュレディンガー自身、この3
つが同じ基本概念の3通りの表現だと理解していた。
次に大きな突破口を開いたのはデュラックの<代数量子論>である。ディラックの方程式の中の、
光速近くで運動をする電子を扱った式は、利点も欠点もあったものの、プラスの電荷を持つ
電子に似た粒子(電子の電荷はマイナス)の存在を予言しているらしかったのだ。やがて実験
室で陽電子が発見され、ディラックはノーベル症を受賞する。
Wikipedia項目リンク波動力学
Wikipedia項目リンク陽電子
Wikipedia項目リンク光速度
279:,
08/09/06 17:24:42
だがそのときすでにハイゼンベルクによって、量子物理学に不可欠な原理がもう一つ発見されて
いた。有名な<不確定性原理>である。表面的には、この原理はあまりたいしたものに見
えない。1927年当時にハイゼンベルグが発表したのは、素粒子の位置とスピード(運動量)を同
時には測定できないというだけのことだったのだ。これが大したものに見えないのは、そ
れが実践上の限界に過ぎないように思えたからだ。ビリヤードの球の位置とスピードを測定する
には、その球に光をあてて(でなければ球が見えない)、AからBにいくのにかかる時間を
測るだけでよい。電子に光をあてるわけにはいかないが、これは電子が小さすぎるためだ。
できるのはせいぜい光子一つをぶつけるぐらいだが、これはビリヤードの球にゴルフボールをぶつ
けるようなもので、測定結果に影響を及ぼしてしまうのは明らかだからである。
日常生活の中で実例をあげれば分かりやすいかもしれない。行動科学者が人間の行動につ
いての本を書こうとしているところを想像して欲しい(古典物理学は一種の行動科学であ
る)。セックスを説明する章にさしかかり、セックスとは飲食と同様の欲求だと説明したとする。だ
が、この比喩を使ったところで、性欲と食欲には異なる部分もあることに気付く。書き状
態の人間は死んでしまうかもしれないが、セックスに飢えたからといってセックス欠乏症で死んだ
りはしないのだ。この理解を出発点として、この科学者は最終的に、食欲とは違ってセックス
の90パーセントは心の中の出来事であり、純粋に身体的な欲求とはみなせないという理解
に到達するかもしれない。彼の立場は、原子を もの とはみなせないと理解した理解し
たボーアになぞらえるだろう。
Wikipedia項目リンク量子物理学
Wikipedia項目リンク不確定性原理
Wikipedia項目リンク光子
280:,
08/09/06 17:37:10
同じ年の1927年、ニールス・ボーアはハイゼンベルクの不確定性原理を詳細に説明した。ハイゼンベルクと
の議論の中から<コペンハーゲン解釈>、すなわち<相補性原理>が生まれたのだ。彼の議論は
せんじつめればこうなる。「電子波か粒子かなど忘れよう。電子に今いる位置(粒子の性質)
はとたずねれば、粒子としての答えが返ってくる。運動量(こちらは波の性質)をたずね
れば、彼としての答えが返ってくる。どちらが正しいという問いはやめて、2つの答えが互
いに補い合うものだと理解しようじゃないか」
言いかえれば、素粒子の位置と速度を同時に測定できないのは単なる実践上の限界などで
はないということだ。現実そのものに内在する性質なのである。
もう一人の量子物理学者マックス・ボルンは、シュレディンガーの波動関数ψを、電子が何らかの位置
をとる蓋然性と解釈した。シュレディンガーは異議を唱え、青酸カリのカプセルとネコの入った箱の有
名な話で主張の正しさを示そうとした。放射性崩壊などの量子論的なプロセスがカプセルが壊し
て猫を殺す引き金となるかもしれないし、ならないかもしれないというあの譬えである。
シュレディンガーはこう主張した―ボルンによれば、箱をあけるまではネコは生きているとも死ん
でいるとも特定できないという状態にあるというが、そんなことは明らかにばかげている
ではないか、と。
Wikipedia項目リンクコペンハーゲン解釈
Wikipedia項目リンク相補性
Wikipedia項目リンクシュレディンガーのネコ
だがある意味では、<コペンハーゲン解釈>が言っているのはまさにそれなのだ。素粒子レベルの
プロセスを観察することで波動関数は崩壊し、粒子の状態になる。だが、波動関数が崩壊する
前には、電子は蓋然性の状態にあり、それ以上正確には特定できないのである。
281:,
08/09/06 17:44:14
だがある意味では、<コペンハーゲン解釈>が言っているのはまさにそれなのだ。素粒子レベルの
プロセスを観察することで波動関数は崩壊し、粒子の状態になる。だが、波動関数が崩壊する
前には、電子は蓋然性の状態にあり、それ以上正確には特定できないのである。
アインシュタインは苦々しげに異議を唱えた。シュレディンガーと同意見だったからだ。実験場の限界で
発見できないとしても、原子内部で何かが起こっているのは間違いないと主張した。「神は
サイコロを振らない」とは憤慨したアインシュタインの言葉である。
アインシュタインはボーアを論ぱくするための思考実験を案出した。アインシュタイン=ポドルスキ=ローゼン・パラ
ドックス、つまりEPRである。高速度の電子がふたつ衝突し、互いに反対方向に跳ね返った
としよう。片方の速度を測定し、もう一方の位置を測定することは可能なはずではないか。
そしてこのふたつの電子は逆方向に飛んでいるのを別にすれば、事実上同一なのだから、
これで不確定性原理を論ぱくできることになるではないか。
そうはいえない、とボーアは反論した。2つの電子は同じ系の一部なのだから、片方の波動関
数を崩壊させれば、同時に両方の波動関数を崩壊させることになる、と。
いや、とアインシュタイン。ふたつの電子は高速で移動しており、また光速を超えることは不可能
なのだから、お互い他方に何がおきているかは分からない筈だ。
Wikipedia項目リンク アインシュタイン=ポドルスキー=ローゼンのパラドックス(EPRパラドックス)
282:,
08/09/06 17:54:36
スレリンク(uwasa板:567-569番)
スレリンク(uwasa板:633-636番)
ほほほほw、、、クケケケッ、、、、アヒャッヒャッヒャッヒャ、、、、、。
, : ‐ : ̄: ̄:`ー: 、―:<:. :. \
_/:. :. :.‐-、:. :.\:. :. :. \:. :..ヽ:. :. :.\
/:. :|:. :|:. 、:. :. ヽ:. :.:ヽ:. :. :.:ヽ:. ∧::::. |:.|
/:. :. :.:}:|:.:ヽ:. \:斗―‐-|:. :. :. :V/∧:::: :|:.|
//: :. :.i:|:ハ:. \く ァテテミ:ハ: :. :. :.レ: :. |:::ヽ:\
|.|:. |:. :|:レ',ニミヽミ_>ト-ソ.}_./ |:. :. :.:|:: :. :|::::::ヽ:.:\
|:|:. |:. :|:V トrヘ. " ̄ /: :.:/イ }:: .:|:::::|:ハト、_:>
|:ハ:.|:..:.ト:|. ゞ'^、 /_:.イ:. :レ::::: :. |V|::| |
ヾ>、::> ィ } |:. :.:|:::::::: ∧:∨
/ハ:|:. :ト、 ヽノ /|:. : ハ::::::. :∧:.\__ 体験において対等でない
VV|:. :V ヽ、 / /:. :./::∧::::: :∧ー'´ おかしくなっっちゃう、、、。
|:. :|: :. :::::|`::ーr'´ /. :.:/:::::::∧::::: :.\
ヽ、_」:. :.`ー‐::::|::::::」 /イ/ ̄ ̄ ̄ヽ: :. : :.\
ゝ:. .>--ァく|L_/ / ヽ:. ).:. :\
/:.:/ / 辷シ' / ∨:. : :. :.ハ
/:./ / ノ _,, -へ、 へ. ',:.: :. :./: |
|/, へ===" ̄ \. \ ∨:./:. :.|
// .:::::::::... :.ヽ ∧ ∨:. :. }
283:,282の111だった
08/09/06 18:05:29
だが、この議論に勝ったのはボーアだった。1982年、アラン・あすぺの率いるパリの一派がこの
ふたつの粒子の実験を行い、ボーアが正しいことを発見したのだ。光子の片方の進路を45度
の角度で上に曲げると、もう一方の光子の進路は下に45度だけまがった。高速度運動中で
さえこのふたつの光子はまるで一卵性双生児のようにふるまい、一種の絆があるように見
えたのだ。これはまた、ベルファストの科学者ジョン・S・ベルの研究の裏づけにもなった。ベルは
数字を用いて同じ結論に到達していたのである(これは一般には<ベルの不等式>として知
られている)。
Wikipedia項目リンクアラン・アスペ
Wikipedia項目リンクベルの不等式
この議論にはもう一つ段階があった。この段階は一般読者には、問題全体を救いようの無
い混乱に投げ込むと思われかねないが、この段階のおかげで、もう一度UFOの本質とい
う問題に帰っていくことができるのだ。
ここに、量子力学上の不思議な国のアリス的パラドックスの重要性を示す、とりわけ不可解な実験
がある。ごく単純化して二重スリットの実験と呼ばれている実験だ。細いスリットに光をあててその
向こうにスクリーンを置くと、スクリーンには細い光の線ができる。このスリットの横にもう一本スリットを開
けると、スクリーンには重なり合った2本の光の帯ができる。だが、この重なり合った部分には暗
い線がある。これは干渉、つまり1つの波の山をもう一つの並みの谷が打ち消すためにできるものだ。
>>277
Wikipedia項目リンク二重スリット実験
284:君たちはイデオロギーを克服できるか?
08/09/06 18:17:03
スレリンク(baby板:692-705番)
スレリンク(baby板:734-738番)
最悪の邪道外道の軍事を徹底的に追求するスレッド スレリンク(army板:258-262番)
/ / : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ,i: : : : : : : : : : : : : : : :「|
l″: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :./ : ,イ.: : : : : : : : : : : : : :!
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,. !'" ゝ、|: : : : : ,!: : ::|.l / l .! l ` \
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/ .r‐ー、 .` / :_.〃/:,、: : :_,!.. -¬'''''''''''''''ブ / .l .l, |.
285:Nanashi_et_al.
08/09/06 18:47:35
Wikipedia項目リンク イデオロギー
Wikipedia項目リンク過渡回折格子法
Wikipedia項目リンク解析格子
Wikipedia項目リンクブラッグの法則
関係ないか、、、、↑?
さてここで光を弱めていって、両方のスリットを通る光子が一度に1個だけになったとしよう。
そしてスクリーンの代わりに写真乾板を置いたとする。長い時間が経過した後には乾板に二本の
光帯ができるが、光子が1つでは自分に干渉しようがないので、干渉による暗線はできない
はずだと思われるだろう。実際にこの実験をやってみると、やはり二本の光の帯と干渉
による線ができるのである。
もっと奇妙なことがある。このふたつのスリットに光子計数器を置いて、おのおのの光子がど
ちらかのスリットを通るか調べようとすると、まるで光子が見られているから行儀よくしよう
とでも思ったかのように、緩衝効果はたちどころに消えてしまう。
どうしてこんなことになるのだろうか? 光子はふたつに分裂するのだろうか?それとも
どういうわけか波が二手に分かれ、両方のスリットを通り抜けるのだろうか?もしそうなら、
スクリーンの一定の場所にあるのはなぜなのだろうか?それに観察していないときは波のよう
に振る舞い、観察されると粒子のように振舞うのはなぜなのか?
286:、
08/09/06 20:40:54
1950年代、物理学者ジョン・ホイーラーの弟子ヒュー・エヴェレットが、首をかしげたくなるような発言を
した。光子が見られているときだけ固体になるという事実が示しているのは、見られてい
ないときにはボルンの蓋然性の波の形態をとり、両方の穴を同時に通り抜けられるというこ
とである。そしてこのふたつの蓋然性の波が互いに干渉するというのだ。まるでシュレディンガ
ーの猫が同時につた角宇宙に存在し、片方は死んでいてもう一方は生きているといっている
ようなものである。箱を開けると同時にこの二つの可能性は我々の実態のある宇宙で合体
し、生きているか死んでいるかのどちらかの状態になるのだ。
Wikipedia項目リンクジョン・ホイーラー
Wikipedia項目リンクヒュー・エヴェレット
Wikipedia項目リンクボルン
だが、宇宙はたった二つだけなのだろうか?エヴェレットによれば、光子が波と粒子のどちらか
の形態を選択するとき、実のところ光子は本当に選択しているのではなく、平行宇宙にま
たがってその両方を選択しているのだという。そして電子の波は写真乾板、あるいは他の
電子と衝突するたびに合体するのだから、これはそのたびに新しい平行宇宙を意味し―
何千、いやじつは何百億という平行宇宙が存在するというのである。
Wikipedia項目リンク 平行宇宙
Wikipedia項目リンク写真乾板
Wikipedia項目リンク 光検出器
287:、
08/09/06 20:43:46
まるで冗談のような概念である。だが、多くの科学者がこれを真剣に受け止めている。た
とえば量子物理学界本流の若手デヴィッド・ドイッチュは、「現実の構造」(1977年)の中でまる
一章を割いてこの二重スリットの実験を説明し、われわれの宇宙に存在する光子を実在の光子、
平行宇宙に存在するほうを陰の光子と呼んだ。
アリストテレスがポテンシアと呼んだ概念は、可能性と現実とのはざまの不可思議な不可思議な領域を
指していた。電子(そして猫も)は、この領域にぴったりの存在になり始めた観がある。
Wikipedia項目リンクアリストテレス
量子力学にわざわざ回り道した目的は、好むと好まざるとにかかわらず、われわれは現実
を見るまったく異なる方法をまなねばならないと指摘するためである。われわれの美的感
覚、ユーモア、性的嗜好のように、現実は観察者の中にあるのだ。物理学者ジョン・ホイーラーなどは
さらに(いわゆる当事者としての人間原理の中で)、我々は知的活動によって宇宙を創り出
しているのだとまでいっている。
これはとりもなおさずアインシュタインが、憤懣やるかたない思いで異を唱えた概念である。だが、
この観察者こそ不可欠だという新たな物理学的宇宙の構築に中心的役割を果たしたのは、
アインシュタインその人にほかならない。エネルギーに関するプランクの量子は正しいと認めたときアインシュタ
インは雪崩を引き起こし、やがてはその雪崩に自らも、罵り声を上げ、拳を振り上げながら
押し流されていくことになったのだ。
288:、
08/09/06 20:59:15
さて、こんな革命など私にも、また読者の方々にも無縁だと言われれば、確かにその通り
だ。あたかも我々はいまだに19世紀物理学の旧弊な確固たる宇宙にいるかのように、日々
の雑事に精を出している(事実、ある調査によればイギリスとアメリカ国民の3分の一が、いまだ
に地球が太陽の周りを回っているのか、また逆なのかさえ知らないという)。だが、すでに
胸中穏やかならざる思いにとらわれてしまった人々もいる。フリチョフカプラやフレッド・アラン・ウルフ
のような物理学者が「タオ自然学」(1975年)や「平行宇宙」(1988年)といった著作中で傾
倒している科学は、日に日に東洋の神秘主義めいた様相を呈しつつある。大量のLSDを
投与されたスタニスラフ・グロフの患者が、現実の本質について古典的な東洋神秘主義めいた洞察
をえたことを思い起こさせる人もいるかもしれない。ゲーリー・ズーコフも「踊る物理学者たち」
(1979年)で同じ趣旨のことを書いている。まだ気付かれていないが、我々の歩き回って
いる宇宙はまったく別種の、いわゆる常識とはまったく無縁の宇宙なのだ。我々の立場は
まるでウォルト・ディズニーのキャラクターのようなもので、がけっぷちを超えてその先まで歩いてしま
い、下を見て初めて落ち始めるのだ。
Wikipedia項目リンクフリッチョフ・カプラ
289:、
08/09/06 21:00:16
こっけいであると同時に皮肉なのは、こうした一切合切が先に述べた問題の結果起こった
ということである。つまり、進化の過程のどこかで人類は左脳の道、実用的な進歩の道を
選択し、神秘主義や心霊能力を部族の呪術師にゆだねてしまった。この選択の結果生まれ
たのが現代の科学であり文明だった。視野狭窄(トンネル・ヴィジョン)であり無力感だった。そ
して今になって、なんとも滑稽なことにその現代科学が、我々は視野狭窄にかかっており、
宇宙を理解したければ目隠しをはずすことだと言い出しているのである。
さて読者は覚えておいでだろうが、UFO問題に導かれた先もまた、まったく同じ場所だ
った。最初は実に確実として理解可能に思えた。ケネス・アーノルドの空飛ぶ円盤から沸き起こっ
た疑問はこうだった。われわれは他の惑星からの訪問者に観察されているのだろうか?エイリ
アンが大挙して地球へ着陸するための心構えをさせているということなどありえるのだろう
か?
この問いに直面したジャック・ヴァレとジョン・キールは、最も異様な現象が進行中だという結論に
すぐさま到達した。ヴァレは、これはコントロール現象だと結論した―つまり、この現象で重要
なのは我々に及ぼす影響のほうだというのである。まるで古典物理学の問題が量子物理学
の問題へと変質したかのようではないか。
290:、挿入
08/09/07 09:54:42
スレリンク(esp板:146-155番)
291:、
08/09/07 10:14:46
、、、?、、、本文が長い? >>273や>>259や>>257は、どういうことか?まぁ、試してみるか、、
292:、
08/09/07 10:15:43
すでに書いたように、物理学者ジョン・ホイーラーはさらにその先を行っている。光子は観察され
て始めて実体になるというところから出発して、2重スリットの実験を遠くの恒星からの光(何
百万年も前に発せられた光)で行ってみてはと指摘する。もし観察によって波動関数が崩
壊するまでは光が、蓋然性の波であるなら、その光が観察されるまで星(生物がすんでい
ないとして)もまた蓋然性の波でしかないと見なさなくてはならない。
これはもちろん、18世紀初頭にビショップ・バークレーがとった立場であり、バークレーは、この世
界を「創造している」のはわれわれの五感だが、その存在を支えるのは神だとした。読者
がもしこの立場を、ジョンソン博士同様(博士は反証として石を蹴って見せたものだ)あまり
ありそうもないと思われるなら、ホイーラーの説には納得しがたいだろう。
さて、もう一人の高名な物理学者デヴィッド・ホイーラーも、この新手のバークレーは受け入れがたい
という意見だった。当時マルクス主義者であったボームは、<コペンハーゲン解釈>をいささか神秘主
義が過ぎると感じ、アインシュタイン支持に傾いていた。とはいえボームは、ばりばりの古典的物理
学者ではなかった。1943年、ボームがローレンス・バークレー放射線研究所でプラズマを研究してい
たときのことだ。プラズマとは超高温の気体で、その構成原子のほとんどは外側の電子がは
ぎとられてしまい、自由に飛び回っている。ボームは、プラズマが多くの面で生き物のように
振舞うのに気付いていた。「プラズマは常に再生を繰り返し、不純物をすべて殻の中に閉じ込
めて完全に分離してしまう」(量子論の意味―デヴィッド・ボームを讃えるエッセイ)B・J・ハイ
リー&F・D・ビート編、1991年)。これは人体がウィルスに対処するのと同じ仕組みである。プ
293:、
08/09/07 10:17:15
リンストン大学で金属中の電子についての研究に取り組んでいたときも、同じことに気付いた。
まるで粒子がそれぞれ仲間の粒子を意識している、生きた海を相手にしているような気がしたのである。
Wikipedia項目リンクローレンス・バークレー国立研究所
Wikipedia項目リンクプラズマ
Wikipedia項目リンクプラズマ物理
294:、ミジンコ
08/09/07 10:20:59
>>291-293 、、、? 、、理由が解らない、、、、。
プラズマといったらかなりのレベルの高い話であって、大学院でなら学習はあり得るレベルであるとは
聞いていますけど、、、、
295:、ミジンコ
08/09/07 10:29:03
>>294 誤解されないようにはっきり言っておけば、292-293の一まとまりの文章が、
長すぎると言う事で掲載されないが、それくらいの長さであれば掲載されている文もあると思われるといっている。
296:、
08/09/07 10:33:26
アインシュタインと対話したことで、<コペンハーゲン解釈>に対するボームの不満はいっそうつのった。
アインシュタインと同じく、単なる蓋然性や不確定性の奥に何かがあると思いたかったボームは、隠
れた変数なるアイデアを持ち出した。これは電子の運動に影響を及ぼすもっと小さな粒子であ
る。のちに量子ポテンシャルという一種の場を提案したが、これはその中で粒子が泳ぐという、
どちらかといえば19世紀のエーテル的な概念だった。こうした説に力を得て、ジョン・ベルは<
不等式の定理>を考え出し、これがきっかけとなって、互いに光速ではなれていく光子も
なんらかの連係を保っているという現象が確認されることになる。
ボームがこうした着想を得たのは、BBCテレビ番組で目にした実演が示すメタファーだった。Gリセ
リンを満たしたガラス瓶の中にインクの滴が入っている。瓶の中心からハンドルのついたシロンダーが下
がっており、ハンドルを時計回りに回すとインクの滴は筋状になり、少しずつグリセリンと混じり合
って見えなくなった。だが、ハンドルの動きを逆方向にすると、この筋は逆方向に流れ始め、
元通りに集まってインクの滴にもどったのだ。インクの滴の秩序は明らかに分散してしまったは
ずだ―ところがそのあいだもずっと存在し、たんにハンドルが反時計回りになるのをまって
いただけなのではないか。
たとえば、とボームは考え始めた。宇宙にも同じような秩序が、プラズマのスープの中の電子を
司るような秩序が潜在しているとしたらどうだろうか。
やがてボームはホログラムという概念に出会い、さらにうまいマタファーを手に入れた。ホログラフ映画は
一見したところ無意味な干渉縞にしか見えないが、光束を通すと空中に画像が現れる。
おそらく宇宙自体もホログラムであり、潜在する現実から飛び出てくるという息をのむような
アイデアがそこからうまれた。子供のころボームは、流し台の穴に流れ込んでいく水が作り出す
渦に感銘を受けたことがある。よどんだ水とはまったく違って見えたのだ。だが、水はた
だ隠れた法則にしたがっているに過ぎないボームはこの法則を内蔵秩序、つまりホログラムに織
り込まれた法則と呼んだ。
297:、
08/09/07 10:42:29
だがもちろん、ホログラムをこれほど魅惑的なものにしているのは、ホログラフ・プレートのあらゆる
部分が全体のイメージを持っているという特性である。宇宙はばらばらの部品の寄せ集め
ではなく、そこには通底する「相互関連性がある」。個人意識がプレート上の波を有意味な
現実に変換する上で主役を果たしているのは明らかだ。
そこでボームは、アインシュタインの<コペンハーゲン解釈>への異議申し立て、「神はサイコロを好まない」
に、自分なりの答えを作り出したのだ。サイコロという概念は幻想に過ぎない。そこには通底
する法則が存在するのだ。
ボームが結論を発表した「全体性と内蔵秩序」が出版されたのは1980年のことだ。どん
な奇怪な理由があったかいまだに分からないのだが、出版社はこの本の校正刷りを私に送
ってきて、木のカバーに載せる推薦文を欲しいといってきた。ボームが途方も無く刺激的な思
索家で、意味の哲学と科学の橋渡し役たらんと努力していることは明白だった。そこで私
はそう書き、やがて本のカバーには私の言葉が(引用は私の文章だけだった)載ったとい
う訳である。だというのに、自分が進めたあの本の独創性に富んだ重要性を認識したのは、
その後何年もたってからだった。
この本の191ページで私は謎めいた概念に出くわし、困惑した。「こういってもいいかも
しれない、、、、我々の五感には空っぽと思える空間に実は物質が充満しており、それこそが
万物の存在の基礎となっているのだ」。その空間を満たすものはゼロポイント・エネルギーとかよば
れているもので、これは絶対零度においてさえ空間で幅を利かせている。
Wikipedia項目リンク
ゼロ・ポイント・エネルギー ←はよ掲載せやボケ
Wikipedia項目リンク真空エネルギー
298:、
08/09/10 17:54:22
ボームが何を言っているのか理解したのは何年も後のことだった。ドナルド・ハトソンという作家
がシェークスピアのW・H氏の正体についての本タイプの原稿を送ってよこしたのだが、これがじ
つに博覧強記かつ面白かったので、ニューヨークに出向いたおりにわざわざあいにまで行った。
すると、ハドソンにとってシェークスピア学など本の手遊びでしかないと知ってますます驚いた―
伯父がシェークスピア学者のレズリー・ハトソンで、あの本は伯父との論争をヒントに書いたものだという。
ドナルド・ハトソンの主たる関心ごとは量子論であり、また宇宙論と量子論の関連性だったのだ。
私がイギリスへ帰ると、ハトソンは「仮想量子の現実」と題する本のタイプ原稿を送ってくれた。
シェークスピアの本で感銘を受けたとすれば、こちらのほうには度肝を抜かれた。簡潔かつ明快
な筆致、そしてマーク・トウエインを思わせるドライなユーモアを交え、アインシュタインはおそらく間違ってい
たとハトソンは論じていたのだ。それも<コペンハーゲン解釈>に限らず、事実上すべてにおいて間
違っていたというのである。
友人のマーティング・ガードナーは「奇妙な論理」という本の中で、半可通の変人どもにとってアイン
シュタインはネタ漁りには格好の素材だが、アインシュタインを論ぱくしようなどと企てる輩は総じて気が
ふれた人間に決まっていると書いた。だが、ハトソンは明らかに気がふれてなどいなかった。
気質的にはチャールズ・フォートに近いが、物理学に関してははるかに詳しい。
Wikipedia項目リンク マーティン・ガードナー
299:、
08/09/10 18:01:31
ハトソンはまず、光は電磁力の一形態であるというマクスウェルの発見から始める。マクスウェルは、この
エネルギーの波は計測不能だが宇宙に充満するエーテルという媒質によって運ばれると仮定した。
1897年、マイケルソンとモーリーという2人の物理学者はこう考えた。もし地球が水面を進む船
のようにこのエーテル中を通過していくのだとすれば、その運動によってエーテル風ができている
はずである。これを検出しようと2人は、一本の光線をエーテル風を横断する方向に放って反
射させ、もう一本の光線は縦断する方向に同じ距離だけ放った。川の上流へ向けて泳いで
戻る場合のほうが、川を横切る方向に泳ぐより時間がかかることは、簡単な数字でも分か
る話である。この2者の所要時間の差で、エーテル風の速度が求められるはずだった。ところ
が実際には、この実験ではエーテル風はまったく検出されなかった。
オランダの物理学者ヘンドリク・ローレンツはこの結果にも挫けなかった。1904年ローレンツは、我々の
地球自体がエーテル中の巨大な定常波なのではないかという説を発表した。この説は当時より
今日のほうがはるかに理にかなっている。というのも地球は電子で構成されており、その
電子は(観察によって粒子に変わるまでは)波なのだから。
Wikipedia項目リンク(%E7%89%A9%E7%90%86) エーテル
Wikipedia項目リンクマイケルソン・モーリー
Wikipedia項目リンクヘンドリック・ローレンツ
300:、
08/09/10 18:05:21
この時点でアインシュタインの<特殊相対性理論>が生まれた。この理論のきっかけは、もし光に
またがってベルン広場の時計台から遠ざかっていったとすれば、後ろを振り返っても次官は
変わらないままのはずだという思いつきからだった。アインシュタインはさらに進んで、いかなる
ものも光速よりはやく移動できないというマクスウェルの主張について考えた。だが考えてみれ
ば、もし光速の半分の速さで進む列車の先頭に乗って懐中電灯を照らせば、その光は光速
の1・5倍の速さで進むことになるはずではないのか?
そうはならない、とアインシュタインは言った。どこかに妥協が生じているはずだ。そのどこかと
は次官、というより時空(相対論においては時間と空間はもはや別々の存在ではない)だ
った。そのような速度で移動する列車においては、光が通常の速さで進むように時空のほ
うが歪むのだ。
アインシュタインの理論ではエーテルもまた不要になる。マイケルソン=モーリー実験の否定的結果も時空の歪み
で説明できるからだ。それでもなお、光という波動が何の中で波打っているのかという問
題は残る。だが、アインシュタインは光を粒子と考えていたため、この問題は表面化しなかった。
そしていったん量子論が波動力学について語り始めると、この問題は忘れられた。
Wikipedia項目リンク特殊相対論
301:、
08/09/13 09:15:30
ハトソンの主張では、旧来のエーテル理論のほうが筋が通るという。ローレンツは、マイケルソン=モーリー実験が
失敗したのは、物質自体が波でできているため運動方向に収縮するからで、マイケルソンとモーリー
の装置も実験結果を打ち消すに足るだけ収縮したからだと考えた。この理論は量子論と矛
盾しない。だが実際には、アインシュタインがエーテル説を捨ててあらゆる運動は相対的だとしてしま
った。19世紀の物理学者は、あらゆる運動を測定する基準となる静止した座標点につい
て論じていた。たとえばエルンスト・マッハは星がそれではないかとした。1869年カール・ノイマンは、
この静止座標系をアルファ体と呼んではどうかと提案した。アインシュタインはそんなすべてをゴミ箱
に投げ込み、あらゆる座標系は列車も惑星も恒星も等価だとしたのである。
ハトソンはそれがそもそものあやまりだったという。一例を挙げれば、1989年に回転する
レーザー装置を用いて行ったE・W・シルヴァートゥースのマイケルソン=モーリー実験では、方向によって波の
波長に変化が見られ、また太陽系がしし座の方向に動いている事実を示したとしている。
だが、アインシュタインによれば、時速一万マイルのローラーコースターから測定しようと光の速度に変化はな
い、つまりすべての座標系において同じ結果が出るということになるのだ。
アインシュタインはその後、<一般相対性理論>を構築するが、ここでは重力は空間のゆがみとさ
れている。白状すれば、10代のころの私はこの説明がどうにも理解しがたかった。19
19年の日食で太陽の重力による光線の屈曲が見られ、はっきりと照明されたにもかかわ
らずだ。だが、もし光が波であると同時に粒子でもあるなら、これは当然予想されたこと
である。ハトソンが同じ疑念を表明しているのを知って、私はうれしくなった。
Wikipedia項目リンク エルンスト・マッハ
Wikipedia項目リンク一般相対性理論
302:、
08/09/13 09:23:51
その後、ハトソンはゼロポイント・エネルギーへと話題を移す。ディラックの方程式で陽電子という反粒子
の存在を予言し、またつづいて実験によっても検出されたとき、ディラックは真空を満たす負の
エネルギーの広大な海(実際には陰の電子の海)の存在を示唆した。ときおりなんらかの理由
でこの陰の電子のエネルギーが高くなるとその電子は実在物となり、出現した虚構の穴を陽電
子と呼んだのだ。
Wikipedia項目リンクエドウィン・ハップル
これは同時に、電子がすべてのエネルギーを失って原子核へ落下しないのかという問題の解答
にもなっていた。その基底レベルはすでにこの広大なエネルギーの海が占めているからだ。
ハトソンは次に、アインシュタインが光の速度についても間違っていたことを示すと思しき実験をあげ
る。1921年に物理学者ワルター・フォン・ネルンストは、エーテルの中を移動する光はごくわずかずつ
エネルギーを失うはずだと予言した。その数年後エドウィン・ハップルは、最遠の星からの光は近傍の
星からの光より赤みがかっているのに気付いた。この赤方偏移は、恒星がものすごい速度
(最遠方の恒星では光速の13パーセント)で遠ざかっていることを示しているようだった。ま
るで宇宙が膨張しているように見えるのだ。だが、もしネルンストが正しければ、光は長距離を、
とくにゼロポイント・エネルギーのうずまく空っぽの空間を移動する間に自然とエネルギーを失うはず
である。ハトソンの指摘どおり、母親が窓から呼ぶ声が小さかったからといって、母親が遠ざ
かっているんさどと思ったりはしない。距離や風のせいで弱くなったと考えるのが普通で
はないか。
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