無口な女の子とやっちゃうエロSS 3回目
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500:かおるさとー ◆F7/9W.nqNY 07/12/09 02:10:48 geiosX30 すると守が不審げに眉をひそめた。 「つまり、依子ちゃんは緋水の土地に入れない、ってことだよね?」 「うん……そうだよ」 「でも依澄さんはさっき、君に戻ってこないか尋ねた。どうして?」 「わからないよ……。私があそこにいられないのは間違いないことなのに」 「ひょっとして、もう大丈夫になったとか?」 守のポジティブな意見に依子は首を振った。そんな簡単にいく問題ではないのだ。 「どうして大丈夫になったと思うの?」 「いや、依澄さんが言ったことだし」 確かに言っていた。今のあなたなら大丈夫と。あれはどういう意味なのだろう。今の私なら? 依子は考え込む。今の自分。縁の見えなくなった自分。何も持たない自分。そんな自分に何があって大丈夫なのか。 「あ」 そのとき守が短い声を上げた。 「何?」 「いや、そういうことなのかな、って」 よくわからないことを言う。 「……? そういうことって?」 「緋水の神様の力にあてられないようにする方法だよ。離れるだけじゃなく、もう一つ方法があるんでしょ?」 「え? うん、魂の形を変えて……あ」 気付いた。その瞬間守と顔を見合わせた。 緋水の神様の力にあてられるのは、神守家固有の魂の形を保持してしまっているためだ。 当主になるにあたって、魂が力を受け入れやすい形になっているわけだが、自身の霊能や魂をうまく操作できない依子はそのせいで悪い影響を受けてしまっている。 だが逆に言えば、その形を変えてしまえば影響を受けなくてすむということである。 「私の魂が以前とは変わってしまっているから……もう影響を、受けない……?」 「だと思ったんだけど、どうかな?」 「……」 迷いが生まれる。 もしそうだとしたら、とても嬉しいことだ。もう二度と戻れないと諦めていたあの土地を、また踏めるのだ。 だが、果たして受け入れてくれるだろうか。土地は、家族は、以前の私ではない私を認めてくれるだろうか。 「不安なら、ぼくもいっしょに行こうか?」 「え?」 幼馴染みの申し出に依子は驚いた。 「大丈夫。何があってもいっしょにいるから。いっしょにいたいから」 いとこの顔を見つめる。守はとても優しげに微笑んでいた。 前から彼はこんな笑みを浮かべていただろうか。依子は戸惑う。縁が見えないために相手をうまく計れないことが、逆にその顔をより強く見せているような。 不思議と安心できる笑みだった。とても不安なのに、守ってくれそうで。 「……うん」 依子は小さく頷いた。 家に戻った依子は、自分の部屋でばたりとベッドに倒れ込んだ。 (疲れた……) 本当に何もかもが急すぎた。変わっていく世界は依子にとってあまりに激しい。 縁糸の消えた世界が目の前に広がっている。 やはり少し不安だ。自分は今、誰と繋がっていて、これから誰と繋がっていくのだろう。 だが、さっきの守との会話でちょっとだけ立ち直ることができた。 守と話し合って、緋水に戻るのは週末ということになった。金曜日の夕方、学校が終わったら駅で待ち合わせする約束だ。 戻れる。八年振りに、あの場所に。 「……」 しばらくぼんやりと枕の感触に埋もれていると、ドアがノックされた。 「入るわよ」 現れたのは義母の百合原友美(ゆりはらともみ)だった。義父の仁(ひとし)が単身赴任中なのでこの家には依子と彼女しかいない。 「あら……どうしたの? まだ体調悪いの?」 「あ……ううん、ちょっとぼーっとしてただけ」 「そう? 夕べはびっくりしたわよ。急に守君から連絡が来るんだもの。具合が悪くなったって言ってたけど、大丈夫なの?」 「う、うん。もう平気」 百合原家は神守とは縁遠い親戚で、友美もただの一般人だ。神守家についても特に詳しいわけではなく、依子は自分の縁の力についても話したことがない。 だからこういうとき、詳細をうまく話せなくて依子は困ってしまう。ただでさえ接し方に苦慮しているのに。
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