無口な女の子とやっちゃうエロSS 2回目 at EROPARO
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200:名無しさん@ピンキー
07/06/23 00:45:24 cJVj0k9t
>>197 それについては「すきやき」が浮かぶんだがそうなのか?

201:名無しさん@ピンキー
07/06/23 01:08:23 SLhwcZ6T
>>200
「1/Nのゆらぎ」じゃないか?昔ガンガンでやってた土塚理弘のギャグ漫画。

202:名無しさん@ピンキー
07/06/23 01:37:42 sNeIlAvr
>>200
すきやきってどんなん?

203:名無しさん@ピンキー
07/06/23 11:15:45 cJVj0k9t
気のせいならいいんだが…
自分が無口キャラを好きになった歴史がそこにあるんだよ…
まあ2、3年前の事なんだけど。

204:名無しさん@ピンキー
07/06/23 14:04:37 8PNoWG3e
詳細kwsk

205:名無しさん@ピンキー
07/06/23 17:14:52 LoGKd7RF
GJ

206:名無しさん@ピンキー
07/06/23 21:45:55 sNeIlAvr
からあげなら知ってるんだが

207:名無しさん@ピンキー
07/06/23 22:36:59 cJVj0k9t
「スキヤキ」については誰も知らないのか…
とりあえずパワ○ケ7をやってみてくれ、分かるから。

208:名無しさん@ピンキー
07/06/24 00:37:52 NAWu9/L0
>>207
あれでマジ泣きした俺がいるぞ

209:名無しさん@ピンキー
07/06/24 02:10:19 SAtd9PNX
パワ○ケは確かに恋愛シミュレーションのごとく属性をカバーしてるが、無口っ娘まで守備範囲だったとは知らなかった。

210:名無しさん@ピンキー
07/06/24 03:41:29 XNPDcu2j
>>208 同志よ!俺も泣いたから気にするな! 真のエンディングを見るために何日励んだか…

211:名無しさん@ピンキー
07/06/24 11:45:13 7pxz1CvH
>>181
す、すごすぎる…

212:名無しさん@ピンキー
07/06/24 20:58:14 lg4lRm+v
ちょっと検索かけたらネタバレ踏みまくっちゃったが凄いんだな最近のパワポケ……
正直ヒロインありきのストーリーじゃないか。ちょっとDS買ってくる

213:名無しさん@ピンキー
07/06/26 00:43:20 lukcwtVg
俺が三河家に居候し始めてからもう三ヶ月だ。
この三ヶ月の間、俺は人生の半分以上の幸と不幸に遭遇したような気がする。
幸は大抵が冬美関係、不幸は夏希様関係だ。
特に48の夏希技は恐ろしいもので、特に夏希ドライバーは本当に死ぬんじゃないかと思ったほどだ。
夏希様の彼氏はその辺大丈夫なんだろうか…
「あれ、今日は早いっすね夏希様」
「ああ、仕事がすぐに片づいたからな」
「そりゃよかったっすね………あぁ…彼氏、いないのか」
「ん、なんか言った?」
「全然全く何も、夏希様の結婚に不安を感じてたりしませんよ」
「…ほぅ……今日は夏希スーパーホールドを味わいたいようだな」
「え?勘弁してくださあぁいだだだぁ!!その関節はそっちに曲がりまがあぁぁ!!!」
夏希様のデカい胸と白く美しい脚とかが体に密着しているが、痛みでそれどころではない、このままじゃ落ちる!
「……夏ねぇ、お風呂」
思わぬ救世主参上!すげぇ、冬美が輝いて見える…
「ん、じゃあ今日はこの辺で勘弁してやる」
俺の命を刈り取らんとばかりに締めていた拘束を解き、上機嫌で風呂に向かう夏希様。
今日のパンツは白のレース、ということだけが倒れている俺に神様がくれたご褒美だった。
「いたたたた…後少しで死ぬとこだったぜ」
「……自業自得」
「ちぇ……まぁ、冬美がギューッてしてくれれば治るんだけどな」
「……馬鹿」
「とかなんとか言って顔真っ赤じゃん」
「………」
お、顔が真っ赤で俯きだした。
冬美のこの反応を見るのは俺だけでいい、誰にも見せたかねぇ。
「……ホントに、治る?」
「あぁ、治る治る、踊り出すくらいに治るぜ」
「……ち、ちょっとだよ?」
「あぁ、いいぜ」
「……エッチなの、しない?」
「んなことしないって」
多分無理だけど。
「……じゃあ」
モジモジしながら俺の背中に腕を回し、体を密着させる冬美。
シャンプーのいい香りと冬美の密やかな胸がパジャマ越しに……やべぇ、勃ってきた。
「……エッチなの、無しって言った」
「いや、これは男の子の正常な状態でだな…」
「……したいの?」
「…したくないったら嘘になる、お前風呂入った後…」
「……別に、いいよ」
へ?マジっすか!?
「……だから……お願い、聞いて?」
「…何?」
「……後で…一緒にお風呂で…保守して」


214:名無しさん@ピンキー
07/06/26 00:49:30 b6KoidH2
保守だけじゃあ飽き足らないぜ!!!!

215:名無しさん@ピンキー
07/06/26 00:52:50 nyRPZ7ve
萌えた。いやむしろ燃え尽きた。
>>207パワポケ7?その無口ヒロインのすきやきとやらに泣けるのか?

216:名無しさん@ピンキー
07/06/26 02:26:11 b6KoidH2
すきや人に焼きを入れるのかい?

217:名無しさん@ピンキー
07/06/26 23:18:24 S/5GijNj
車にひかれそうになった猫の名前が「すきやき」

218:名無しさん@ピンキー
07/06/27 02:05:52 g3wPDK7Z
>>217おk。とりあえずかってやってみる。

219:名無しさん@ピンキー
07/06/29 17:56:30 UI3e+omI
保守

220:名無しさん@ピンキー
07/06/30 00:28:49 2R6cL8P0
どうして、こんなことになったんだろうか?
泣きそうな顔をした苺に押し倒されてぼんやりと思う。

「啓くん…」

滅多に言葉を発しない口から漏れたのは、俺の名前。
そして、その唇が俺に重ねられる。
そう、触合うだけの、幼稚とも言える、キス。

この細い体のどこに、俺を押し倒すような力があったのか?
それともこれは、いつも伝えようとして口にできなかった気持ちの力なのか?
とにかく、抵抗しようという考えさえも、奪われてしまった。

唇を重ねたまま、苺は制服のボタンに手を掛け、羞恥に顔を染めながら、ブラさえも外す。
桃色の頂点が視界に入る頃、ようやく苺は唇を離した。
「苺、お前何を考えて…!?」
言葉は最後まで続かなかった。
苺はその華奢すぎる手で、俺の手を掴み、そして自らの膨みに押しつけた。
「…ぁ、あたしのこと、嫌いにならないで…!!」

消え入りそうな声で言いながら、俺の手の形を変えていく。
小柄な体躯に合わない、大きく、形の良い膨みが、醜くゆがんでいく。
「ちょ…っ!!苺、やばいからやめろ…!!」

己の欲望が形になっていくのを感じた。
「…ぁ」
そして、その感触は苺にも伝わる


221:名無しさん@ピンキー
07/06/30 00:42:42 2R6cL8P0
反則だと思った。
なんで、こんなに、こいつは嬉しそうに、幸せそうに、無邪気に微笑むんだろう。

この微笑をズタズタにしてやろうかとさえ考えてしまう。

「自業自得だからな」
「…っ!?」
苺の肩を掴み、一気に引寄せ、そして床に押しつけた。
折れない程度に加減して両手を片手で括り、耳朶の溝をを、舌でなぶった。
途端に苺の表情が、恐怖に染まる。
そう、もっとその顔を見せて欲しい。
「ぃゃ…!!」
絞り出すような拒絶の声も、嗜虐心をあおる。



222:名無しさん@ピンキー
07/06/30 00:54:02 2R6cL8P0
「どうして、あんなことしたんだよ?」
空いている手で、苺の体をなぞっていく。
その度に、苺の体はビクリと反応し、目にたまっていた涙がボロボロと落ちた。

「ゃぁあっ!!啓くん…っ」
「言えよ」
「っふぁ…!!ゃめ…」
「ったく、いやがる言葉だけは言えるのかよ?」

業をにやして、スカートの中に手を伸す。
苺の抵抗が激しくなるが、力任せに押さえこんだ
「……の」
下着の中に指が入り、硬い蕾をこじあけている最中に苺が呟く。
「だって…、ほ、保守して欲しかったんだもん」

223:名無しさん@ピンキー
07/06/30 00:56:58 2R6cL8P0
駄作で済みません

224:名無しさん@ピンキー
07/06/30 01:11:57 xtSK7aLV
>>220-223
乙。
でも保守オチよりはそのまま青春の情動に任せちまったほうがいいかもなんだぜ?

225:名無しさん@ピンキー
07/06/30 01:17:48 2R6cL8P0
次回は保守オチなしで頑張ります〜

orz

226:名無しさん@ピンキー
07/06/30 11:08:48 3KnVZwuy
新たな神候補ktkr

227:名無しさん@ピンキー
07/07/02 03:09:41 a79X6E+0
保守

228:名無しさん@ピンキー
07/07/03 00:42:23 7wJdt3zu
ほ・・・・・・しぃ・・・・・・?

229:名無しさん@ピンキー
07/07/03 19:18:06 9vFkTlTQ
うん。

230:名無しさん@ピンキー
07/07/04 15:38:47 eG3T+zNo
話は長め、エロは少なめ。
それでもよろしければ、SSを投下したいのですが、
よろしいでしょうか?

231:名無しさん@ピンキー
07/07/04 15:48:29 hJSaZTnv
是非お願いします!

232:230
07/07/05 13:30:52 N2uWHLcu
それでは投下します。
かなり長い上に、設定的に拒否反応が出る方も
いらっしゃるかもしれません。

そういった方はスルーしていただけると幸いです。
ではどうぞ。

233:彼女の事情と僕の慕情
07/07/05 13:32:28 N2uWHLcu
……猶予は一ヶ月。
……泣いても笑ってもコレが最後のチャンスらしかった。
……でも、私は泣いたり笑ったりしたことがない。
……本当はどうでもよかった。
……がんばることも、がんばらないことも。
……わたしの中では同義だった。
……だから、このままでもいいと思った。
……このまま罰されても、別に構わなかった。
……でも、チャンスは向こうから訪れた。
……神様なんて信じていないけれど、その時だけは信じた。
……ああ、これで私は助かるんだなと、素直に思った。
……でも。


今にして思っても、彼女は不思議な娘だった。

彼女はとんでもなく無口だった。
彼女が三十秒以上何かを喋っているのを僕は聞いたことがない。
いつもボソボソと、なにか重大な秘密を隠しているように話す。
だから僕はいつも、彼女の口元に耳を寄せ、彼女の託宣を拝聴し、一々聞き返さなければならなかった。
そのくせ頑固で、彼女が何か言い出したら聞かないという場面はいくつもあった。
次に時間に凄く正確だった。
待ち合わせに遅れるとか、早くつくと言うことはなく、いつだって、時間ぴったり。
腹の中に原子時計でも入ってるんじゃないかと、冗談でなく本気で思ったこともある。
それに僕は、彼女の家も知らなかった。
どころか、彼女の携帯番号を最後まで知ることはなかった。
それでも僕たちは一緒にいたし、不便もなかったのだけれど。

まぁ、一番ダントツで不思議なのは、彼女が僕なんかと一緒に居てくれたことだろう。

自慢ではないが、僕は醜い(ブサイクなんて生易しい表現はしない。できない)。
背は低く、肌は浅黒く、余計な贅肉が余すところなくついている。
そのうえ汗っかきで、いつも異臭が漂っているのではないかと、気を配らなければならない。
また、性格も悪い。
理屈っぽく、卑屈っぽく、なにより馬鹿で要領が悪かった。
そして、さらに言えることは貧乏だということ。
いつだって、財布は軽く。そして、その財布には何の将来性もなかった。
ほら、見て御覧なさい。
こんな人間に付き合おう何て考える酔狂ものは、天然記念物モノだろう。
それでも僕と一緒に居てくれた彼女は天然記念物モノなのかもしれない。
背は僕より低く、肌は異様に白く、余計な贅肉なんてものは存在しない。
腰まである長い髪の下の顔はどこか幼く、だが、形容しようとすると『かわいい』より、『美人』という言葉がよく似合う。
性格は……、よくわからない。
彼女が何を考えていたのか、今でも僕にはわからない。
賢かった、といいたいが、僕なんかに付きまとうくらいなんだから、どうなんだろう、というところだ。
僕と彼女で唯一の共通点は、貧乏だと言うこと。
バイトを要領悪くこなしている僕よりも、彼女はお金を持っていなかった。
というよりも、お金というものに執着しなかった。
だからどんなときも、お金を払う場面になると、彼女は僕のことを見つめて、救済を求めるのだ。
といっても、彼女は比較的無表情だから、本当は何を考えていたのやら。

と、いけないいけない。
ついつい長くなってしまった。
僕と彼女の話は、実を言うとそんなに長くはない。
書いてしまえば、あっという間。
読んでしまえば、(乱文が苦痛でなければ)瞬く間。
そんな話だ。

それでは最初に何を書こうか。
そうだな、とりあえず、僕と彼女の出会いについて書いてみよう、と思う。

234:彼女の事情と僕の慕情
07/07/05 13:33:26 N2uWHLcu
夏休みも中ごろに差し掛かった、ある曇りの日。夕方。
道行く人々が、次のクーラーの涼しさを求めて足早に歩く商店街。
そんな人々の中、僕は浮かれて歩いていた。
何しろ給料日だ。
うちの店は給料を現金で払ってくれるいまどき珍しい店で、僕の懐は、真夏だと言うのに暖かかった。
もちろん僕はそれが不快ではない。
不快ではないのだが、浮かれている理由はそれだけでもなかった。
僕が店から出る間際、高校生バイトの女の子が僕に福引券をくれたのだ。
今日の5時までだという福引に、バイトが昼から夜までの彼女はいけないからという理由からだった。
もちろん、僕が嬉しかったのは福引の券が純粋に欲しかったというわけではない。
どんな理由であれ、女の子からプレゼントをもらったのだ。
そのことが単純に嬉しかったのだ。
「(今日は何かいいことがあるかもなぁ!)」
暖かい懐と、明るい気分。
それだけで、僕の足取りは宙に浮くほど軽く、ココロは天にも昇るようだった。
ふと気づくと僕は福引の会場に来ていて、列に並んでいた。
そろそろ、お終いと言う時間もあってか、なかなか人が並んでいる。
「(これで一等なんかがあたったら本当にラッキーだろうなぁ)」
もちろんそんなこと本気で思っていたわけではないが。
それでも、何かが起こりそうな予感で胸がいっぱいだった。
そうこうしている内に列は進み、僕の前には女性が一人立っているだけになった。
「(さぁ、次だ。何か当たるといいけどなぁ)」
そんなことを考えていた僕のシャツの袖を誰かが“クイッ”と引いた。
「?」
見ると前に並んでいた女性が、僕のことを何か求めるように見ている。
「(うわぁ、美人だなぁ)」
背中まである長い黒髪は空の色を映しそうなほど煌き、
全体的に細すぎる体は白いワンピースに包まれており、その肌は、それと同じくらい白かった。
僕を見つめる漆黒の瞳は赤ん坊のように澄んでおり、その目がすえられている顔は
どこか人形じみ、人間離れした美しさだった。
「(………………ホント、美人だ)」
僕が女性に見とれていると、福引の係りの中年男性が声を出す。
「お嬢ちゃん。はよぅ、回してぇな」
どうやら、福引でまごついているようだ。
「(っていうか、福引で何故まごつく?)」
そんなことを考えているうちに、女性はさらに僕の袖を引っ張った。
「な、なんですか?」
どもった。
キモいと思われたんじゃないだろうか?
そんな僕の心中など眼中にないように女性は、空いているほうの手で福引を指差した。
「?」
何かを伝えたいのは判るが、何を伝えたいのか判らない。
僕が怪訝な顔で女性と福引を見比べていると、女性は僕を手招きした。
近寄れ、ということだろうか。
僕は一歩足を踏み出し、女性に近づいた。
すると、女性はいきなり僕の頭を両手でつかみ、強引に自分の頭の近くまで持ってきた。
あまりといえば、あんまりな動作に、僕は身動きどころか声も上げられない。
僕はそのままの体勢で、彼女のほのかに甘い匂いを嗅ぐ羽目に。
「(うわぁ、何か香水でもつけてるのかなぁ?)」
突発的な自体にもかかわらず、僕はそんな場違いなことを考えていた。
そんな僕に構わず、女性は僕の耳に口を寄せると、ボソボソと何かを呟いた。
「………………」
内容は。
「え? 『これをどうすればいいのか?』ですって?」
奇妙なことを聞く女性だ。いままで福引をやったことないのだろうか。
それにどうして普通に聞いてくれないんだろう?
そこまで考えて、僕は自分の無神経さに気づいた。
「(そうだ。なにか、生まれつきの障害で大きな声を出せないのかも)」
女性はようやく気が済んだのか、体を解放すると、僕を見つめながら大きくうなずいた。

235:彼女の事情と僕の慕情
07/07/05 13:34:18 N2uWHLcu
心底、猛省していた僕は、女性の甘い匂いが遠くに行ってしまったことを少々残念にも思ったが、
そんなことはおくびにも出さず、
「それはですね。まずは、券を渡します。はい、この係りの人に、ええっと、五枚ですね。
……。五枚で一回ですか? じゃあ、一回だけ回せますね。では、そこの取っ手……、
そうそれです。それを握って、あ、片手でいいんですよ。で、矢印が描いてありますよね。
その方向に、取っ手を回すんです。いや、取っ手の部分を回すんじゃなくて、取っ手を持ったまま、
その箱を丸ごと回すんです。……そうです」
紳士的に解説した。
福引から一個の玉が出る。
「あ! もうあかんで! これ以上回したら」
「一回だけ。一回だけしかできないんですよ」
まだ福引を回そうとする彼女を、係りの人と同時に止めた。
彼女と僕、係りの人の視線が出てきた玉に集中する。
係りの人が、大げさにハンドベルを鳴らした。
「も、もしかして一等!?」
自分のではないが、胸が高鳴る。
「おめでとさん! 五等! 五等の花火セットや!!」
係りのオジサンが声を張る。
「(ご、五等……、か)」
なんだ。だったら、あのハンドベルいらなかったんじゃ……。
そんなことを考えている間に、女性に中途半端なサイズの花火が手渡される。
一応、声をかけたほうがいいかな。
「おめでとうございます。よかったですね、当たって」
女性は首をかしげると、また僕のことを手招きした。
なにかまた聞きたいことでもあるんだろうか?
僕はまた彼女に近寄った。
今度は彼女は僕の頭を拘束することはなかった。
その代わり、先ほどよりかは、比較的大きな声を出して喋った。
「………………」
「え?『これはなんだ』ですか? 花火ですよ、花火。したことがないんですか?」
女性は小さくうなずく。
そこで僕は得心がいく。
「(そうか。もしかして彼女、病気でいままでずっと外に出たことがないのかもしれない。
だから、福引とか、花火とか知らないのか)」
それだったら、彼女の小さな声とか、白すぎる肌とかに納得が行ったような気がする。
「これはですね。夜に火をつけて遊ぶものなんです。で、それが燃える様を『きれいだな』とかいって
楽しむものなんです。え? 『火遊び』? ま、そうなんですけど、あまり危険はないですよ。安全な遊びです」
彼女はいまいちよくわからないという表情をしたが、とりあえず納得はしてくれたようだ。
すると彼女は、僕に花火を手渡してきた。
「………………」
「『お礼です』って? なんの? 福引の? いえ、いいです。結構です」
確かに彼女の助けになったかもしれないが、物をもらうほどのことじゃない。
彼女は少し困った顔をして言う。
「………………」
「え、『自分ひとりじゃ遊べなさそうだから』って。じゃ、友達とかと―」
そこでハタと気づく。
「(そうだ。この人は、いままで病弱だったかもしれない人だ。友達とかは少ないのかも)」
「―じゃなくて、家族で楽しまれてはいかがです? それだったら……」
何とか会話を修正した僕を遮るように彼女は言った。
「………………」
「『家族いない』……。あ。ひ、一人暮らしなんですか。そうですか……」
修正、失敗!
ちょっと、気まずい。
彼女はなおも、僕に花火を押し付けてくる。
そこで、僕の脳裏にミューズの託宣が降りた。
「(こ、これだー!!)」
僕は、内心、物凄くどきどきしながら、でも、平静を装って言う。
「だ、だ、だ、ったら、い、い、一緒に、や、やりませんか? ぼ、僕と」
ものすごく挙動不審になってしまった。
これでは、下心があるみたいじゃないか!

236:彼女の事情と僕の慕情
07/07/05 13:35:16 N2uWHLcu
「(いや、下心がまったくない、というわけでもない。けど、これじゃあまりにも……)」
僕は物凄い後悔の念にさいなまれた。
そんな僕に彼女の一言。
「………………」
それは僕を救済してくれる一言だった。
「い、いいんですか!? そ、そうですか、それだったら―」
「―ラブラブなんは、ええんやけど。はよう、兄ちゃん、福引回してんか」
舞い上がる僕に冷たい一言。
僕を睨む、係りの人。
後ろを見れば、イライラしている、僕の後ろに並んでいる人。
そうだった。
ここは福引会場だった。
僕は彼女に待ってもらい、いそいそと福引を回す。
二回回した結果は、どちらもポケットティッシュだった。

今思うと、突っ込みどころ満載だが、それでもこれが、彼女と僕のファーストコンタクトだった。

「………………」
「待ってないですよ。ていうか、時間ぴったりですね」
僕の家の近くの自然公園。
現在時刻は夜七時を回ったところだ。
昼が長いこの季節、まだ、あたりは薄明るく、花火に適しているとは言いがたいが。
「(あまり時間が遅いと、さすがにマズかろう)」
という僕の配慮から、この時間になったわけだ。
彼女はどこでも、いつでもいいと言ったのだが、そういうわけにはいかない。
だから僕はとりあえず、この公園を候補に挙げてみたのだが。
どうやら、特に都合が悪かったり、機嫌を害することもないようだ。
僕は家から持ってきたバケツに水を張り、ぼんやりと突っ立っている彼女から花火セットを受け取った。
そして、手ごろそうな大きさの手持ち花火を一本抜くと、それに火をつける。
すると、花火の先端から緑色の火花が勢いよく吹き出した。
「(花火なんて久しぶりだな)」
なんて考えながら、ふと彼女のほうを振り返る。
彼女は物凄く集中した顔で、花火の先端、火花が飛び散る様を凝視している。
あまりにも真剣な表情に内心面食らいながら、僕は言う。
「これが花火の楽しみ方です。どうですか? 綺麗ですよね?」
彼女は大きく首を何度も振る。
どうやらお気に召したようだ。
僕は、花火を片手で持ち、もう片方の空いた手で、まだ火がついていない花火をもつと、
そろそろ消えかかってきた花火の火花で、新たな花火に火をつけた。
僕は古いほうの花火をバケツの中に放り込むと、彼女のほうに火のついた新しい花火を差し出す。
「どうぞ。持ってみてください」
彼女はおずおずと手を出し、遠慮がちに柄を持つ。
もう手を離しても大丈夫だと判断した僕は、彼女に完全に花火を手渡した。
彼女は青い火花を真っ直ぐに見つめる。
そして、ふ、と僕の顔を見つめる。
新しい花火を探していた僕は、まじまじと顔を観察され、頬が少し赤くなった。
「な、なんですか?」
彼女は小さな口で、小さくささやく。
「………………」
それはお礼の言葉だった。
ちょっと意表を疲れた僕は反応が遅れる。それでも
「い、いえ。そんな感謝されるようなことしていませんよ。ホ、ホラ! まだまだ、たくさんありますから。楽しみましょう」
僕の言葉にうなずいた彼女は、どこか上気した顔をしていたような気がした。

最後まで花火を楽しんだ僕ら。
ちなみに彼女の一番のお気に入りは、一番数の多かった手持ち花火でも、最後にやった線香花火でもなく、
袋の中でゴミのように放置されていた蛇花火だった。

237:彼女の事情と僕の慕情
07/07/05 13:36:50 N2uWHLcu
とうとう花火は全て終了した。
僕は、周囲を見渡し、ゴミを片付け終わったのを確認し、バケツの中を見る。
バケツの中には、今日、楽しませてくれた花火の残骸が残されていた。
「(今日はアリガトウな。おかげでこんな美人と遊ぶことができたよ)」
心の中だけで、花火たちに感謝する。
そうしていると、彼女が近寄り、僕と同じようにバケツの中を覗き込んできた。
「………………」
「『何をしていたか』、ですか? いや、今日は楽しかったなと、花火たちに感謝を―」
しまった。
こんなノスタルジックな少女趣味みたいなことをわざわざ解説してしまった。
キモい男だと思われなかっただろうか。
だが、彼女はそんな僕を見つめて大きくうなずいた。
そしてその小さな両手を祈りのように組むと、目を閉じる。
「な、何をしているんですか?」
「………………」
―私も感謝してるんです。
彼女はそう小さく呟いた。
だが、彼女が感謝することなんてあるのだろうか?
なにしろ、今日彼女と花火をしたのは僕なのだ。
醜く、馬鹿で、貧乏な、この僕だ。
そんな僕と花火をして、感謝することなんてあるのだろうか?
「(楽しかった、と思ってくれてるんだろうか? それだったら嬉しいんだけど)」
やがて、彼女は目を開け、手を離す。
そして、僕に向かい合うと、頭を下げた。
「………………」
それは彼女の心底からのお礼の言葉だった。
僕は胸が詰まり、息が苦しくなる。
「(もう、これでお別れなんだな……)」
それでも、笑いながらこういった。
「そんなに感謝していただかなくても結構ですよ。僕も十分楽しかったですし」
彼女は顔を上げる。
そこに浮かんだ表情は、どこか焦っているような、何かに追い詰められている真剣な表情だった。
意外な顔を見た僕は、場違いにも胸を高鳴らせる。
「(連絡先くらい、聞いても、いい、ん、じゃない、か……?)」
それは名案だ。
だが、すこし大胆じゃないか?
そんなことを考えていると、彼女は僕の片手を掴み、ズンズン歩き出した。
「! な、なにを……!」
いきなり手を握られた。
そのことに内心パニックになっていた僕は、冷静な状況判断ができない。
少し冷たい感触、とても柔らかい感覚。
小さな手を片手全部で感じる。
僕の頭の中はそれでイッパイイッパイだ。
それでも、何処へ連れて行く気なのかが気になった。
「あ、あのあの! い、一体、どこへ……!」
彼女は答えない。
振り向くどころか、さらにスピードを上げ、自然公園の奥へと足を向ける。
すぐに整理された区画から、樹木が生い茂り視界の悪い場所を通る羽目に。
それでも、彼女の足は止まらない。
僕は、彼女のなすがままに、彼女についていくしかなかった。

しばらく歩き続け、本格的に木の影で暗く、湿った場所でいよいよ彼女は足を止めた。
「な、なんなんですか? 一体?」
日ごろの運動不足のせいで、もう息が上がっていた僕は、少し不機嫌に彼女に尋ねた。
「………………」
「『花火のお礼がしたい』って……。こんなところで? 一体何を?」
とんと想像できない。
彼女は僕の方を押さえ、僕の後ろにあった樹木に僕の背中を寄りかからせる。
無抵抗の僕。
そんな僕には見向きもせず、彼女は僕のズボンのジッパーを下げた。

238:彼女の事情と僕の慕情
07/07/05 13:37:59 N2uWHLcu
…………下げたぁ〜!?

「ちょっと、おたく、な、なにを!? あの、どういう―」
すぐさま彼女はその場に跪くと、開いた社会の窓から、僕の性器を取り出し、咥えた。
「…………はぅ!」
いきなりの刺激に僕は何の抵抗もできない。
彼女はそのまま、先端を咥えたまま、手でサオを擦りはじめた。
「ちょ…………、あの。な、なんで……?」
先端が暖かく湿ったモノに取り囲まれ、サオを刺激された僕の男性自身はゆっくりと、固さと大きさを整えていく。
彼女は手を擦り動かしながら、呟いた。
「………………」
「え、じ、持病? えーと、それはつまり……?」
「………………」
つまるところ、彼女の説明によると。
彼女はふとした拍子で性欲が昂ぶってしまい、それを押さえるのは困難なんだとか。
それで、今、お礼をしたいという彼女の感情が、性欲となって彼女をこんな行動に駆り立てているのだ、という。
「(………………えぇ?)」
正直胡散臭い話だ。
そんなことが本当にありえるとは思えない。
でも、彼女の顔は本気のそれだった。
「(…………もしかして、痴女?)」
にしてはやり方が中途半端というか、なんというか。
それに痴女だって、相手くらい選ぶだろう。
でも、今彼女の相手をしているのは僕だ。
醜い、僕なのだ。
「(それに、彼女のあの表情)」
性欲が昂ぶっているというより、どこか落ちつか無さ気で、切羽詰ったような顔。
それは言葉よりも雄弁に彼女の苦境を物語っているようだ。
「………………」
―どうしてもイヤなら、このままやめます。
彼女はそういった。
いつの間にか、性器を刺激する手の動きも止まっている。
僕は目を閉じ考えた。その結論は―。
「(こんな千載一遇のチャンス、逃がせられるかー!!)」
僕だって、一応は男なのだ。
そんな僕がこんな美人が迫ってきているというのに、逃げ出すなんていう選択肢はありえない。
「(それに、礼をしたいという彼女の気持ちも汲んでるし、彼女を助けることになるかもしれないんだ!!)」
無理やり、偽善的な言い訳も考えた。
「じゃ、じゃあ、アナタのそのお礼の気持ち、受け取ります」
それを聞いたときの彼女の表情。
嬉しいんだけれど、恥ずかしい。それよりなにより、哀しげで切なげなその表情。
僕はその顔が何を表しているのか、その時は知る由もなく、ただただ見とれていた。

「ふぁ……ん、ちゅぱ、ちゅぴ、ん、れろ……っ」
先端を丹念に舐めまわし、舌先で先っぽやカリ、裏筋をなぞる。
彼女の小さな口から吐き出される情熱的な吐息と、暖かな舌や唾液の感触に、ペニスはさらに硬くなる。
「ぁあ……あう…………んちゅぴ、ちゅる…………ぴちゅっ」
「く、……うぅ」
「ふぁ……んんっ、ちゅるぷ、ちゅぱ……ちゅ、ちゅ、ぴちゅ……はう、んぅっ……」
先走りすぎているカウパーを、丁寧に舌で攫い、口に含む。
柔らかく暖かい、可憐な唇が、僕の臭い体液を嬉しそうに口に乗せ、咀嚼していく。
「ぁはあ……んんっ、ちゅる、えろ………ちゅっ、ちゅっ……」
粘液を飲み下すごとに彼女は熱い吐息をつき、もじもじと腰を震わせる。
「そ、そんなもの飲み込まなくてもいいんですよ……?」
腰が砕けそうになる快感に襲われながら、正直な感想を漏らす。
しかし、彼女は首を振った。
「………………」
―これもお礼の一つですから。
彼女はそう言うと、再び、僕の性器を咥えた。
「んちゅ……はぁ、はあっ……へふ……ちゅる、ちゅぴちゅ……」

239:彼女の事情と僕の慕情
07/07/05 13:39:10 N2uWHLcu
唾液とカウパーでベタベタになったペニスを何度も舐め上げたことで、彼女の口の周りはだらしなく汚れている。
それでも、そんなことお構いなしに、彼女は僕の敏感な部分をぴちゃぴちゃと舐めては、吸い付く。
「(このままでもいいんだけれど……)」
少し図々しくなった僕は、彼女に要望を出してみる。
「……あの、スミマセン。こんなことを言うのも何なんですが……もう少し、激しくしていただけると……」
消え入るような声で彼女に訴える。
彼女はペニスを咥えたまま、上目遣いに僕を見て、小さくうなずいた。
「はぷ……ちゅ、れろれろれろれろ……っ」
べちょべちょに唾液を絡ませた舌で、先端部分を激しく責めてくる。
「はぁ、はぁう……! ちゅる、ちゅう、……れる、んんっ……ぴちゃ、んぅ……
マタオオキクナリマシタヨ……あん、ちゅる……」
「え? 何か言いました?」
今、小さく何かを喋ったような。
彼女はそれには答えず、さらに舌を大胆に使う。
「ちゅる……ちゅぴ、れる……ぴちゃ………………れるれる。ちゅぴ…………」
その熱心な奉仕に思わず腰が前に出る。
彼女はそれを受け止め、さらに口戯でかえしてくる。
唇で先端を刺激し、先走りを啜り、口を大きく開けて舌を突き出し、ペニスにヌメヌメと絡ませる。
そもそも童貞の僕だ。
彼女の卓越した舌技に、あっというまに追い詰められる。
彼女もそれを感じ取ったのか、より一層、舌を絡めてくる。
「ん、ちゅるる、れろれろれろ、ちゅぱ、…………んんっ!」
「もう、で、出ますから口を離して……!」
しかし、彼女は口を離すどころか、口内の深くまでペニスを入れ込んだ。
「あ、ちょ。あの、あぅ……、で、出る……!」

―ビュル、ビュルビュ! ビュプッ……!

塊のような精液が、ペニスを上り詰め、先端から射出される。
その瞬間。
まるで命そのものを精液ごと抜き出される、そんな感覚が僕を襲った。
おもわず、僕は後ろの木に倒れるように寄りかかる。
彼女はそんな僕に戸惑うことなく、精液を口で受け止める。
勢いよくだされた精液は、それにとどまらず、彼女の口の周りまで汚す。
「(な、なんだったんだ。今の感覚……)」
戦慄した。
今まで味わったこともない倦怠感。
全身から力が抜ける虚脱感。
下半身を中心にまとわりついてくる、甘く、痺れるような感覚。
ただの射精感ではない何かが、僕の体をさいなむようだった。
「………………」
彼女は無表情に、口内に出された精液をコクリ、コクリと少しずつ飲み込む。
それどころか、口の周りの精液や、ペニスの尿道に残ったものも一滴たりとも逃すまいと、舌を絡めた。
気を取り直した僕は、彼女の行動に面食らいながら言う。
「そんな、飲み込まなくても……」
彼女はふ、と僕を見つめ
「………………」
―飲まないと意味がない、と意味不明な言葉を吐いた。

その後、僕たちはちょうど持っていたポケットティッシュで後片付けをすると、花火をした場所まで戻ってきた。

あたりはすでに暗く、すぐ傍の外灯が直線的に僕らを照らす。
僕は謎の脱力感と、無力感に苛まれ、ただただ無言だ。
当然、彼女も一言も口を利かない。
そして、バケツのところまで着た僕らは、向かい合って立った。
「なんか、今日は、その、あ、有難うございました」
何とか僕は感謝の意を示す。
彼女は困ったように首を振り、頭を下げた。
「な、なんでアナタが謝るんですか?」

240:彼女の事情と僕の慕情
07/07/05 13:40:17 N2uWHLcu
「………………」
―私の持病に付き合ってもらってしまったから。
申し訳なさそうに頭を下げ続ける彼女。
「(いえいえ! アナタのような美女に誘惑されるのでしたら、こちらから喜んで―なんて言えるか!!)」
彼女は持病のことを酷く気にしているようだし。
そんな持病のために、こんな男のイチモツを―。
僕は首を振る。
言いたいことはそんなことじゃない。
「アナタが僕に負い目を感じることはないですよ。アナタは僕に花火のお礼を下さっただけ。
反対に僕は、アナタと楽しい時間をすごすことができた。それだけで十分です」
僕はできるだけ真摯に言った。
彼女がようやく頭を上げる。
「今日は楽しかったです。また、何処かでお会いしましょう」
正直、残念だった。
否、心底残念だった。
「(あんな美人と知り合うことができたというのに〜! コレでお別れかよっ!)」
それでも、彼女の持病が発症したとき、この醜い僕が隣に居るわけにはいかない。
彼女にはもっとふさわしい男性が居るはずなのだ。
それを彼女の持病につけ込んで、彼女とまぐわうなんていうのは紳士ではない。
だから僕は身を引いた。
彼女と、彼女にふさわしい人間のために。
いやそれだってウソが混じっている。
本当は怖かったのだ。
彼女のような美しい人間と関わるということが。
彼女のような複雑な人間と関わるということが。
「自信」というものとは無縁だった僕。
だから、怖かった。
それでも、心の中で号泣するほど、このチャンスは惜しかった。
そんな心中を見抜かれる前に、僕はバケツを持つときびすを返した。
「(もう、会うことはないんだろうな……)」
寂しい、侘しい、なにより悔しい、惜しい。
「(今日のことは日記に書いておこう)」
心にそう決めると、僕はゆっくりと歩き出した。
すると―。

クイッ。

僕のシャツの袖が引っ張られる。
僕は振り向く。
そこには僕のシャツを掴んだまま、必死な表情を浮かべている彼女の姿があった。
「………………」
「今、なんて?」
聞き間違いじゃないだろうか。
でも確かに彼女は言った。
―私と友達になってください、と。
「トモダチ、ともだち、友達……。友だちぃ!?」
彼女は大きく何度もうなずく。
「そ、それって、ぼ、僕の事、ですよね……? 僕と、友だち……」
「………………」
―だめですか?
彼女は切なげに首をかしげる。
ちょっとその動作は、反則気味にかわいかった。
そのまま、抱きしめかねないほどに。
それでも、僕は自制する。
「(そんなことをしたら、変態だ……!!)」
抱きしめる以上の行為をさっきしておきながら、それでもそれができなかった僕は、間違いなくヘタレだろう。
「ほ、ほんとうに僕なんかでいいんですか?」
醜く、馬鹿で、貧乏なこの僕で。
彼女は大きくうなずいた。

241:彼女の事情と僕の慕情
07/07/05 13:41:28 N2uWHLcu
こうして、僕と彼女は友だちになった。
といっても、もうすでに性行為を行っているという奇妙な友だち関係ではあったけど。
それでも、友達には変わりなかった。

242:230
07/07/05 13:42:22 N2uWHLcu
とりあえず、今回は以上です。
お目汚しですが、まだ続きます。
よろしくお願い申し上げます。

243:名無しさん@ピンキー
07/07/05 19:54:49 TkxM7JHe
gj

244:名無しさん@ピンキー
07/07/05 22:26:32 UocJP9vB
GJ!いいじゃんいいじゃん。

245:名無しさん@ピンキー
07/07/06 01:06:20 RS+ifVv/
期待を裏切らない出来ですな。素晴らしい

246:名無しさん@ピンキー
07/07/06 01:14:37 57mZ71MU
GJ!!ミステリアス無口っ娘はあまり書かれてないから期待大です

247:名無しさん@ピンキー
07/07/06 01:57:03 99xDVg/p
GJ!!デブ男は脳内変換しました。
ついでに保守。

248:名無しさん@ピンキー
07/07/06 16:51:51 ExZqGP7U
>>242
ぐっじょb!
珍しく読んじまったぜ…相手は淫魔なのか、人形なのか、それともただの人間なのか?
なんか野郎が自分にフィードバックし過ぎてちょい感情移入しちゃったりんりん♪・・・orz
続きを待つ楽しみができたぜぃ

249:名無しさん@ピンキー
07/07/06 19:28:47 57mZ71MU
>>248
個人的には宇宙人と予想。

250:名無しさん@ピンキー
07/07/07 06:40:13 qF8F0BcQ
続き待ち保守

251:230
07/07/08 17:47:46 GzuXLU2D
申し訳ございません。
これより、投下させていただきます。
前回より長い上に、エロも少な目かもしれません。
それでも構わないという方は、片手間にでもお読みください。
それでは、本文です。

252:彼女の事情と僕の慕情
07/07/08 17:48:50 GzuXLU2D
それから彼女から連絡があったのは、あの花火の夜の三日後だった。
僕はその日はバイトが休みで、朝から自室でゴロゴロとしていた。
一応言っておくが、ただゴロゴロしていたわけではない。
『家庭の医学大百科』なる書物で調べ物をしていたのだ。
調べていたのは当然、彼女の持病。
しかし、この本が古いからか、それとも彼女の持病はよほど特殊なのか、残念なことに
この本には彼女の持病については触れられていなかった。
ちなみに、何故三日後の今、調べているかというと、僕は小さいころから本を読んでいると
眠くなってしまう体質だからだ。だから、バイト前には読めないし、バイトの後に調べると、簡単に眠ってしまう。
だから、バイトが休みの今日、気合を入れて本を開いたのだが。
しかし、睡魔は目の前に来ており、意識の陥落は目前。
そのときだった。
僕の滅多にならない携帯がなり、半分眠りかけていた僕は一瞬混乱しながらも、それに手を伸ばした。
表示されたのは、知らない番号。
訝しみながら、とりあえず電話に出てみる。
「はぁ〜い、もしもし」
「………………」
無言電話かと思った。
しかし、耳をよくすませてみれば、雑多な音に混じりかすかに人の声がする。
そして、その声は待ち望んでいた声でもある。
「ああ! あなたでしたか。お久しぶりです」
「………………」
「いえいえ。ちょうど今、暇していたところなんですよ。あなたも?」
「………………」
「ああ、そうなんですか。へぇ〜…………」
「………………」
「………………」
会話が途切れてしまった。
「(なにか、なにか話題はないか!!)」
僕は必死に頭の中を探り、目を部屋中にいきわたらせ、何とか活路を見出そうとする。
しかし、無常にも救いの手は何処にもなかった。
「(くっ、これだから、馬鹿は救いようがないというのだ!!)」
自分の無能さが吐き気がするほどイヤになる。
しかし、救済は意外な方向から訪れた。
「………………」
「はい? 今、なんて……?」
「………………」
―お暇でしたら、一緒に街で遊びませんか?
そう聞こえた。
確かに、そう聞こえた。
「はい! はいはい! はい!! 喜んで!!」
「!……………」
いきなりの僕の大声に少し驚きながら、彼女は笑った。……ような気がする。
「今何処に居るんですか? え? 駅前? わかりました、直ぐに―」

それから僕は、音の速さで身支度を整え、光の速さで待ち合わせ場所に直行した(誇大表現)。
待ち合わせ場所の、何を意味しているのかよくわからないモニュメントの前。
僕は、待ち人を探す。
どうやら、自分のほうが早く着いてしまったらしい。
しょうがなく、近くのベンチに座る。
「―!? おぉ?」
すると、間違いなく空席だったベンチの端に彼女が座っていた。
「(あれ? さっきまではいなかったのに……)」
見落としていたのだろうか?
というか、そうとしか考えられないが……。
気を取り直し、とりあえず、挨拶。
「お久しぶり、というのもなんですが、こんにちわ。待たせてしまいましたか?」
彼女は僕を見て、(気のせいかもしれないが)少しだけ顔を明るくした。
そして、丁寧に頭を下げた。

253:彼女の事情と僕の慕情
07/07/08 17:50:00 GzuXLU2D
「………………」
「え? 飛んできた? あぁ、今ちょうど来たって意味ですか。なるほど」
「………………」
「………………」
沈黙。
「(いかんいかん。コレでは電話の二の舞だ)」
そう思った僕は、カバンの中から情報雑誌を取り出すと、彼女に見せた。
彼女は不思議そうにそれを見つめる。
「実は、今日は映画を見ようと思いまして。それでこれを持ってきたんです」
「………………」
「『エイガって何ですか』? え? 見たことも聞いたこともありませんか? イヤ、
怒ってないですよ。……そうですか。ええっとですね。映画というのは……」
彼女に説明しながら考える。
「(そうか。彼女病弱だから、家とか病院から出たことがないのかも。知らないのは無理もないか)」
勝手に結論付けながら、説明を終了させる。
そして、情報誌の映画の一覧のページを見せる。
「なにか見たいのはないですか……って、映画の事知らないんじゃ、選びようがないですよね……。いや、怒ってないですって」
彼女はまるで、初めて見たかのように雑誌を見つめる。
そして、そこに書かれている映画の紹介文をたどたどしく読み始めた。
「………………」
「そうですね。それは戦争モノです」
「………………」
「え? あぁ、戦争モノっていうのはつまり―」
彼女に一つ一つの映画を説明する。
驚くほど何も知らない彼女に何かを教えるのは、妙な優越感に浸れて、少し気分がよかった。
そして、とうとう映画紹介のページが終わる。
僕はとりあえず、彼女の希望を聞いてみる。
「なにか、面白そうなもの、ありました?」
「………………」
彼女が少し遠慮がちにページの一部分を指差す。
そこには。
「……えー、と。なになに『俺たちの大悪魔図鑑・虐殺屠殺なんでもござれREMIX 注:R−18指定』
………………、ん?」
………………。
なにか誤解があったようだ。
僕はもう一度彼女に聞きなおした。
すると、彼女はやはり『俺たちの大悪魔図鑑・虐殺屠殺なんでもござれREMIX』を指差した。
………………。
「え〜!? こ、コレが見たいんですか?」
彼女は大きく、何度もうなずいた。
「ち、違うのにしましょうよ。コレなんてどうです? この恋愛映―」
「……………!」
僕が言い終わらないうちに却下されてしまった。
どうしよう。
できるだけ、彼女の期待にはこたえたいが……。
しかし、『俺たちの大悪魔図鑑・虐殺屠殺なんでもござれREMIX 注:R−18指定』だ。
どんな映画なのか、想像もできない。
なぜかコレだけには写真も紹介文も載ってないし。
それでも、彼女はコレを見たいという。
僕はほかにも面白そうな映画をピックアップして、薦めてみたが、結局、全て却下され、僕たちは
『俺たちの大悪魔図鑑・虐殺屠殺なんでもござれREMIX 注:R−18指定』を見ることになってしまった。

まだ上映まで時間があるので適当に店をぶらついてみる僕ら。
周囲の人たちの視線がいたい。
何しろ、天女のような美人と、猪八戒のようなブ男のコンビだ。
目を引かないわけがない。
彼女はそんなことには全く頓着せず、足元のタイルに集中して歩いている。
僕は少しだけ鼻高々だった。
なにしろ僕はこんな彼女と『友だち』なのだから。
一緒に歩くことができるのだから。

254:彼女の事情と僕の慕情
07/07/08 17:51:09 GzuXLU2D
それでも、不意に不安に駆られた。
「(本当に僕なんかでいいのだろうか)」
それは彼女と知り合ってずっと付きまとう恐れだった。
僕のようなどうしようもない男が彼女の隣に居ていいのだろうか。
知らず、大きなため息をついてしまう。
そして、ふ、と気づく。
「(イカン、イカン。ため息なんかついたら彼女に失礼だ)」
誤魔化すように、僕は彼女を誘った。
「あと少し時間もあることですし、あの文房具屋に入ってみませんか?」
彼女は頷いた。
文房具屋に入った僕は、そのお洒落なデザインの商品に圧倒された。
そうした鋏やらペンにはべらぼうな値段がついている。
「(こりゃあ、ちょっと場違いなところに入っちゃったかな……?)」
こっそり、彼女の顔色を伺う。
彼女は興味深々な表情で、文房具たちを見ている。
どうやら何の気兼ねもしていないようだ。
そのことに僕は安心する。
そして僕らは、店の中の比較的日常的な、つまり安めな商品がおいてある一角に足を進めた。
「(ここらへんは特に面白いものもなさそうだ)」
適当にぶらついて、そろそろ店を出よう。
そう考えたときだった。

クイッ。

袖が引っ張られる。
見ると彼女が足を止め、一心に何かを見つめていた。
「どうしたんです?」
「………………」
彼女は目の前の何かを僕に差し出した。
それは、一冊の黒いノートだった。
ディフォルメされた骸骨が描かれた、どちらかというと子供向けのノート。
彼女はソレを真剣な眼差しで、見つめている。
まさか。
「……欲しいんですか? ソレ」
彼女は少し泣きそうになりながら頷く。
どうやら、本気のようだ。
ま、ノート一冊ぐらいだったら。
「買ってあげましょうか?」
彼女は目を見開き、首を振る。
「……………!」
「そんな遠慮しなくてもいいですよ。今日付き合ってくれたお礼ってことで」
それでもなお、彼女は首を振る。
「大丈夫です。それ一冊買うくらいは余裕ありますから」
僕は強引に彼女からノートを奪い取ると、袖を引っ張り引きずる彼女を放置しながらレジに向かった。
「×××円です」
よかった。
値段は見ていなかったが、どうやらそんなに高い代物ではなかったようだ。
僕は安堵しながらお金を払った。
そして、品物を受け取るとそのまま店から出る。
まだ僕の袖を引っ張ったままの彼女に向き直ると、袋に入ったノートを彼女に手渡した。
「どうぞ」
「………………」
そっぽを向き、彼女は受け取らない。
どうやら、勝手にお金を払ったのがいけなかったらしい。
僕は苦笑しつつ、彼女の手にノートを握らせた。
「コレは、今日、僕にお付き合いいただいたお礼です」
「………………」
彼女は僕の袖から手を放し、両手でノートを掲げるようにして持つ。
「僕のお礼の気持ち、受け取ってもらえませんか?」
ちょっと卑怯な言い回しかもしれない。

255:彼女の事情と僕の慕情
07/07/08 17:52:04 GzuXLU2D
そんなことを考えてた僕が見たのは、気持ち微笑み、頭を下げる彼女の姿だった。
「………………」
「お礼の言葉なんて要りませんよ。さ! もうそろそろ映画の上映時間です。急ぎましょう」
僕は威勢のいい言葉とは裏腹に、ドギマギしながら彼女の手に触れようとする。
すると、吹っ切るように頷いた彼女は、僕の思慮なんて構いもせず、堂々と僕の手を握ってきた。
そして、足早に歩き出す。
僕は赤くなりながら言った。
「もしもし、映画館はそっちじゃなくて、反対方向ですよ」

何とか上映時間までに映画館についた僕たちは、一も二もなく券の販売窓口に寄り、指定された座席へと急ぐ。
もうすでに上映会場は暗く、何らかの予告が流れ出していた。
僕たちはなるべく足音を立てないように上を目指す。
しかし、そんな遠慮は無用だったようだ。
スクリーンの光を反射する座席には、人っ子一人いなかったのだから。
「(ま、『俺たちの大悪魔図鑑』だもんなぁ)」
納得といえば、納得の結果に僕は内心苦笑した。
目当ての座席までたどり着いた僕たちは、並んで座った。
ちょうど、予告が終わり、本編が始まるところらしい。
ふ、と隣の彼女を見る。
彼女は本腰を入れた表情でスクリーンを見守っている。
「(これで面白かったらいいんだけど……)」
いよいよ始まった本編映画は、ただただ赤かった。

「(なんで、こんなことになっているんだろう……)」
僕は便器の上に座り、呆然と考えた。
ズボンは足までずり下げられ、下半身がほぼ完全に露出している。
そして、本来一人ではいるべきその個室には
「ん……じゅる、れろ…………んん、はぁ」
熱心に僕のペニスをしゃぶる彼女の姿があった。

結局、僕は映画の全編を手で目を覆い隠しながら見過ごした。
時々大音量で何かの奇声が聞こえ、いい加減気分が悪くなる。
地獄のような責め苦が続き、ようやく映画は終了した。
僕は隣の彼女を見て、感想を聞こうとした。
しかし。
「どう―」
彼女は僕の手を掴むと、猛然と駆け出したのだ。
何らかのデジャブを覚えながら、僕はなされるがままだ。
そして連れ込まれたのが、男性用の個室トイレ。
彼女は僕を立たせると、そのままズボンを脱がし、座らせた。
「(もしかして、また持病が―)」
なんて思う暇もなく、彼女は僕の性器を咥えた。

「ん……やっぱり、持病が、出たんですか?」
僕は性器に与えられ続ける感触に耐えながら、聞いてみた。
彼女はペニスを口から離し、僕の顔を見て頷いた。
「………………」
謝る彼女。
僕は苦笑しつつ答える。
「謝る必要はないですよ。むしろこちらこそ謝りたい気分です」
「……………?」
不思議そうに聞いてくる彼女。
しかし、僕は答えなかった。
僕からの答えがないことを悟ると彼女はまた性器を咥えた。
先端部分に吸い付き、口のかなの性器を舌でなぶる。
「ん…………ちゅる。れる、ちゅぱちゅぱ」
「くぅっ……」
「ちゅく、ちゅくくっ……ん、んんんっ、ちゅぷぷ……」
舌先を使い、敏感なカリ口を攻めてくる。
そして、そのまま舌をおろしサオの部分を舐める。

256:彼女の事情と僕の慕情
07/07/08 17:52:51 GzuXLU2D
敏感なところから、鈍感なところに攻めが変わり、僕はもどかしくなる。
しかし、僕の気持ちとは裏腹に、彼女は舌先だけを使い、僕を追い詰めようとする。
そのじらすような動きに僕は我慢できず、腰を前後に動かす。
「!……………」
彼女はその積極的な動きに動揺したようだが、直ぐにソレに慣れると、腰の動きに同調して舌を動かす。
「ぴちゃ、れる………………んちゅっ」
「ふ……ぁ」
彼女の小さな舌がペニスの側面を這いまわり、僕はその気持ちよさに思わず小さくため息をついた。
「んん……れろ、れろれろっ……んふっ、ちゅぴぴ………」
舌がだんだんと先端に近づき、とうとう亀頭にいたる。
「く、ぅ………」
「はぷ、んむ………んっ、れるれる………ぴちゅ」
しかし、僕の期待を裏切るように、舌は直ぐに裏に回り、裏筋を辿る。
それも声が出るほど気持ちがいいのだが……。
「ん、気持ちいい……んですけど、そろそろ、あの、しゃぶって―」
彼女は上目遣いに頷くと、その小さな口で剛直を飲み込んだ。
「んっ、んんっ、んぷぷぷ……っ」
ペニスが、亀頭の先から順番に柔らかい粘膜に包まれていく。
全ては入り込めなかったが、彼女はかなり深いところまで咥え込んでくれた。
「んふぅ、んん……ちゅむっ……ちゅぶ……」
「くぅ……」
ペニスと唇の間から漏れ出した唾液を塗りつけながら、彼女は強く吸い付いた。
その滑らかさと吸い上げに、腰が震える。
「フフ………ちゅるっ、ぢゅる………ぢゅるる、ぢゅちゅちゅちゅ………!」
「? いま、笑いませんでした?」
「………ちゅ、ヂュッ、ちゅう、チュウウウ………」
彼女は返答する代わりに、ひと吸いごとの加減を変えてきた。
緩急をつけて唇を狭め、ペニスに緩慢な刺激を送ってくる。
誰もいない男性トイレにイヤらしい音が響く。
その音に、僕はトイレでこんなことをしているのだという認識でさらに興奮した。
「す、すごい………」
「ちゅぽっ、フフフ………れろれろ………」
「今確かに笑いましたよね?」
彼女は亀頭を舌の裏で嘗め回しながら、こちらを見た。
………なんだか彼女の瞳の色がおかしい。
あれほど真っ黒だった彼女の目が、なぜだか暗い深紅に見える。
「あ、あの………」
問いかける僕を無視するように、ペニス全体を舌で刺激しながら、口内を動かす。
柔らかい頬の粘液や舌がペニスの敏感な部分に当たり、僕のペニスがさらに大きくなる。
「んぷっ、んむっ、ぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅぢゅ………!」
止めを刺すような大きなバキューム。
いつのまにか限界まで上り詰めていた僕の官能が終わりを迎える。
「うっ、で、出ます……!!」

ビュブッ!! ドビュッ、ビュビュッ!!

「はぁう。……ん、んん。ぺちゃぺちゃ……」
射精中に、彼女は先端を嘗め回した。
敏感になっていた僕の性器は、完全に精液を出し終える。
「(くっ………まただ!)」
僕の体が異常を訴える。
頭が白く染まり、全身を削られるような脱力感。
力が抜け、僕はだらしなく後ろに倒れこんだ。
彼女は精液を舐めとっている。
僕は意識がかすむのを感じる。
完全に僕の視界が落ちる瞬間。
「………………」
―ごめんなさい。本当に、ごめんなさい。
確かにその時、彼女は謝っていた。

257:彼女の事情と僕の慕情
07/07/08 17:53:51 GzuXLU2D
息苦しい。
それで僕の意識は覚醒に向かった。
どうやら、濡れたタオルが顔の全体を覆っているようだ。
「って、殺す気か………!!」
僕は慌てて、そのタオルを放り投げた。
「!……………」
そのタオルが向かった先。
そこには彼女が居た。
「って、ええ!? こ、ここは!?」
見慣れた布団、見慣れた本棚、見慣れた台所。
どう見てもそこは、僕が一人暮らしをしているアパートだった。
僕は混乱する。
「え、ええ……!? なんで、なぜ、ホワイ? ぼ、ぼくは……」
体を起こそうとする僕。
しかし、急激なめまいが僕を襲い、すぐさま僕は仰向けに倒れる。
たったそれだけの運動で、僕の息は上がり、喉は痰が絡まり痛い。
彼女が心配げにこちらを見ている。
僕は気持ちを落ち着けるため、深呼吸した。
寝たまましたので、効果があったかどうかはわからないけれど、とりあえず息は落ち着いた。
そして、この現状を一番知っているはずの人間に事情を尋ねることにした。
その人間とは、もちろん。
「………………」
彼女は心配そうに、こちらを見つめている。
僕は彼女を安心させるために無理やり笑顔を作った。
「大丈夫です。心配はいりません」
「………………」
彼女は俯き、謝罪の言葉を呟いた。
「? なんであなたが謝るんですか?」
「………………」

彼女の説明によると、僕はトイレの個室での一件の後、気を失ってしまったようだ。
驚いた彼女は、とりあえず僕を背負い、映画館を出たのだという。
「……それからどうしたんです?」
「………………」
途方にくれた彼女は、街中のベンチに僕を寝かせ、様子を見ることにした。
すると、僕は意識を取り戻し、『家に帰る』と盛んに繰り返しだしたのだという。
心配になった彼女は、僕に付き添い、この家までたどり着いたのだ。
「……そんなことがあったんですか」
「……………?」
―覚えてないんですね?
「……ええ、まったく記憶にないですね。最後の記憶はトイレの中です」
「………………」
彼女はすまなそうに頭を下げる。
「いえいえ! あなたが悪いんじゃない。なにか調子が悪かったのでしょう」
たぶん。
というか、それ以外考えられない。
それでも彼女は頭を下げる。
僕は無理やり上体を起こすと、彼女に向き直った。
「あなたの持病は、あなたの持病。僕の不調は、僕の不調。分けて考えましょう、ね」
彼女は、く、と顔を上げると、僕に抱きついてきた。
まだ力が入らない僕は、そのまま彼女に押し倒される。
いきなりのことに、僕の顔は一瞬で沸騰する。
「ちょ、ちょ、な、な、なんですか〜!?」
「………………」
彼女は僕の胸に顔をうずめたまま小刻みに震えていた。
「……もしかして―」
言いかけた僕は口をつぐみ
「(―泣いているんですか?)」
心の中だけで呟いた。
それに答えを示すように、僕の服の胸の部分が濡れた。


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