ヤンデレの小説を書こ ..
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18:名無しさん@ピンキー
07/03/22 00:58:13 /1dsAWpo
よづりキテルーーーーーーー!!!
相変わらずよづりの異常な不気味さがリアルに伝わってきて怖いぜ!
あと委員長は普通に萌えキャラなのもグッドですよ。

最後の形が分かっているだけにこの後の展開が凄い気になります。マイペースでも最後まで書き終えてください!応援してます!

19:名無しさん@ピンキー
07/03/22 01:30:40 2dhwRX7h
よづりだーーー!!不気味可愛いよー!しかも制服キタ━(゚д゚)━!!
心配だったんだよ…委員長無事で良かった!
赤いパパ氏のペースでがんがって下さい!続き待ってます

20:名無しさん@ピンキー
07/03/22 02:59:14 AXBzyLTr
夜釣りキター超GJ!!
ヤンが楽しみだ

21:名無しさん@ピンキー
07/03/22 07:57:05 U6sCMXja
赤いパパさんGJです!!よづりのキャラが気に入ってるだけに凄い楽しみ。

>>18
しかし冒頭の心中も、まだ何かしらありそうな気がする。
二人して死ぬはずなのに、「俺たちは死のうとしていた」ではなく、
「榛原よづりは死のうとしていた」って片方のみだし。

22:名無しさん@ピンキー
07/03/22 11:51:05 5ArBZU46
よづりのダークな感じは天然だったのか?
じゃあ、ここからまた黒くなるのか?ワクテカするねぇ

23: ◆dkVeUrgrhA
07/03/22 21:12:51 yOjs1jOF
パパ様・・・GJでした!おばはんはいらないので委員長をください!生きててよかった・・・w

とりあえずおにいたん2最終話です。

警告:以下の言葉に嫌悪感がある方はあぼーん願います。
・近親相姦
・修羅場
・フタナリ
・ロリペド
・獣姦

24:新店長でG.O. ◆dkVeUrgrhA
07/03/22 21:13:56 yOjs1jOF
 ”おねえたんはつかれてるのでつよ”
 ”つかれてるのかなぁ・・・”
 ”つとれつ(ストレス)でつか?”
 ”うん・・・うまいこといかないの・・・”
 ”どうちて、でつか?おみちぇ、はやらないのでつか?”
 ”ねぇ、かぁるちゃん、きいて・・・”
 ”あい”
 ”えみるね・・・おにいちゃんがすきなの・・・”
 ”ゆういちおにいたん、でつか?”
 ”そうなの・・・むかしから、ずっと、ずっと・・・”
 ”どうちてでつか?『こくはく』ちて、ないのでつか?”
 ”じつのきょうだいだもん、けっこん、できないもん・・・それだけならいいんだけど・・・”
 ”まだあるのでつか?”
 ”おにいちゃん、がっこうのせんぱいとくっついたの・・・”
 ”てんぱい・・・みたとおねえたんでつか?”
 ”そう・・・そいつ、えみるのたいせつなもの・・・まえも、うしろも、はじめてをぜんぶもっていった・・・”
 ”それだけであきたらず、おにいちゃんまでもっていったの・・・くやしいの・・・”
 ”おかちいでつね”
 ”え?”
 ”かぁるは、ゆういちおにいたんと、みたとおねえたんが、きょうだいとききまちたが?”
 ”そうなの?そうよね。おにいちゃんとえみるが、きょうだいなわけないよね”
 ”こんなにすきあってるふたりが、きょうだいなわけないよね”
 ”おねえたんは、あくむをみてるのでつよ”
 ”どうしよう・・・どうしたらこのゆめ、さめるとおもう?”
 ”ゆめは、ちゃめるでつ。もうつぐ、ちゃめまつよ?”
 ”ほんと?”
 ”ほんとでつ。ゆういちおにいたんが、えみるおねえたんのへやにいるとき”
 ”いるとき?”
 ”あい。けどとれだけぢゃだめでつ”
 ”え?”
 ”いるときに、おみちぇの『ちーえむ』がながれるとき、ゆめはちゃめるでつ”
 ”おにいちゃんがいるとき、しーえむがながれたら・・・うん!えみる、そのときまでまつね”
 ”あい。ゆめからちゃめたら、ちゃんと、きていぢぢつ、つくるでつよ”
 ”きてい、じじつ?”
 ”でないと、みたとおねえたんに、また、とられまつよ?”
 ”そうだね。あのおんなに、みせつけてやらないとね”
 ”あい!きていぢぢつにひつようなものは、おねえたんのかばんにいれておきまつでつ”
 ”そこまでしてくれるの?!ありがとう、かぁるちゃん!!”
 ”ではおねえたん、もうねてくだたい。おねえたんはおつかれなのでつから”
 ”うん”
 ”かぁるが、5かい、てをならちたら、ぐっつり、ねむれるのでつよ”
 ”うん”
 ”(ぽん)いっかぁい、(ぽん)にかぁい、(ぽん)ちゃんかい、(ぽん)よんかい、(ぽん)ごかい!”
 ”・・・・・・”
 ”おやつみなたい、おねえたん・・・”


25:新店長でG.O. ◆dkVeUrgrhA
07/03/22 21:14:38 yOjs1jOF
「おにいちゃぁぁぁぁぁぁぁん!!」
 「えみる、なにする、おい、やめろ!」

 画面の向こうでは耕治、あずさ、美衣奈が驚きの表情をする。とき子だけは動じずニコニコ。
 「え、なに?笑留さん、なにしてるの?」
 「うそだろ?!笑留さん、店長組み伏せちゃった!」
 「え、笑留さん、かばんから手錠出しました!」
 「手錠って、まさか・・・あ〜!店長手錠でベッドに縛られちゃった!」
 「か・・・薫ちゃん・・・まさか?!」
 「あい!」
 薫がエッヘンのポーズを取る。
 「ちゃいみんぢゅつ、でつ♪」
 「催眠術〜?!」
 驚きの声を上げる3人。
 「まづね、えみるおねえたんは、ゆういちてんちょうたんがつきだったんでつ」
 「そうだったんだ・・・」
 納得する耕治。一方あずさはこういう。
 「けどあの二人は兄妹だよね。で、あきらめた。店長は、美里マネージャーと結婚した」
 「とこでつ。どうも、えみるおねえたんの『どーてー』と『ちょぢょ』は、みたとおねえたんがうばったみたいでつ」
 「げ・・・美里さんもそういう趣味だったんだ・・・」
 「そういえば、『お姉ちゃんがえみるをこんなエッチな子にしたんでしょうが』って、いってましたね・・・」
 記憶をたどるように、耕治の意見に美衣奈が相槌を打つ。
 「だからおねえたんに、『ぢつはいまのちぇかいはゆめで、ほんとはおにいたんとはぢつのきょうだいではない』ってふきこんだんでつ」
 「ちょ、ちょ、ちょ?あのふたりは、間違いなく兄妹なのよ?信じるわけじゃない?」
 あずさが当たり前の疑問を薫にぶつける。
 「あまいでつ。えみるおねえたんは、とんなちぇかい(そんな世界)がほちいのでつ。だから、ちんぢるとおもいまつ」
 「・・・!」
 「『あんぢ』でつ。ゆういちおにいたんがいるときに、おみちぇのちーえむがながれると、ゆめからちゃめる(覚める)といったんでつ」
 「で、笑留さんは『夢から覚めて』、欲望のままに突っ走ってる・・・と」
 耕治が納得するように言う。
 「とうでつ。だめおちで、『きていぢぢつ(既成事実)』つくっておかないとだめだよ、ともいってまつ」
 「き、既成事実・・・」
 あまりに周到な準備に崩折れる3人。
 「では、ゆういちてんちょうたんの、ぎゃくれいぷのつづきをみるでつ」

 理由は分からない。自然と鞄に手が伸びた。中には手錠が二つ。誰が入れたかわからない。
 ・・・けどありがたく使わせてもらう。
 笑留は雄一に馬乗りになり、力任せに雄一の手首に手錠をかけ、さらにベッドの角の柱につないだ。これで雄一は大の字になる。
 「えみるさん?あのー、落ち着いてもらいませんか?」
 「どおして〜?おにいちゃん・・・あ、そうか、恋人同士だから雄一って読んでいいよね」
 「お、おい!」
 「恋人同士なんだから、エッチなことしてもいいよね?」
 笑留は鞄から今度はナイフ−それもコンバットナイフとよばれる厚みの刃を持つ小刀−を取り出し、乱暴に雄一のベルトを引きちぎる。
 「え、え、笑留!」
 「えっへっへっ、ぎゃく・れいぷ・ぷれぇぇい!!」
 「落ち着け!笑留!それヤバイって!!」
 「えへへ・・・笑留ね、おにいちゃんとの子供が5人ぐらい欲しいんだぁ〜」
 笑留は乱暴に・・・しかし雄一に怪我をさせないよう器用にズボンを切り裂いていく。そしてトランクスにも。
 数分で雄一の下半身は丸裸になる。
 「あわわわわわ・・・」
 「はぁはぁ・・・お兄ちゃんの、お、おちんちん・・・」
 熊が敵を威嚇するようなポーズをとったあと、笑留は雄一の一物をほおばった。
 「いやだ・・・お兄ちゃんの・・・汗と・・・おしっこと・・・せーえきと・・・あの・・・」
 一度口を離すと笑留は怒った表情をする。
 「美里の、あの女の臭いがするぅ!!」
 怒りを爆発させると雄一を咥える。
 「美里の!臭いも!愛液も!全部舐め取ってやる!全部!笑留の臭いにするんだからぁ!」
 
 

26:新店長でG.O. ◆dkVeUrgrhA
07/03/22 21:15:39 yOjs1jOF
 そうして笑留はフェラチオを開始する。
 ごぼ、ぐちゃ、ぐちゃ、べろ・・・
 「えみる、ちょっと、乱暴、痛い・・・」
 雄一の意見など聞かない。笑留は欲望のままに雄一の一物を口で犯す。
 なんだかんだ言っても、数分後には雄一の一物は直立してしまう。
 ぷはっ。
 息継ぎなのか笑留は再び口を離す。雄一のそれは天をつくようにそり立っていた。
 「やだ・・・どんなに舐めとっても、あの女の、臭いがするのぉぉぉぉぉ!!」
 怒りと泣きが入り混じった表情をして笑留が叫ぶ。
 「もういい!笑留の下の口で舐め取ってやる!」
 笑留はパンティだけ脱ぐと、強引に雄一の腰に自らの腰を下ろした。
 じゅる。
 既に洪水状態だった笑留の陰部は雄一の一物を抵抗なく受け入れる。
 「う、う、うそだろ?!え、笑留!!」
 「えへへへへ・・・ついに、ついにお兄ちゃんと繋がっちゃった・・・」
 そして笑留は自分で腰を動かし始めた。

 「ではちあげ(仕上げ)といきまつか」
 画面の向こうでは薫が自分の携帯を取り出し、どこかに電話をしだした。
 「薫ちゃん、誰に電話するのかしら?」
 「さ、さぁ?」
 
 樹元美里は家路を急いでいた。会議は1時間前に終わったが彼女は会議の整理と後片付けをしていたのだ。
 「ああ〜もう、帰るのが遅くなっちゃった・・・え?」
 コートのポケットの中、携帯が振動をしている。誰かからの電話だ。
 「だれだろ・・・雄一かな?」
 美里は携帯を取り出し発信者を確認する。
 「あれ?薫ちゃんだ・・・なんだろ?」

 ぴっ。
 「もしもし、薫ちゃん?」
 「み、みたとおねえたん!たいへんなのでつ!!」
 「ど、どうしたの?落ち着いて教えてくれる?」
 「あのね、いまね、えみるおねえたんと、ゆういちてんちょうたんと、おでんわちてたでつ」
 「うん、それで?」
 「それがね、おねえたんと、てんちょうたんが、けんかちだちたの」
 「えぇっ!」
 「みたとおねえたんちか、たよりになるちといないの。はやくかえってあげてくだたい!」
 「わ、わかったわ!」
 ぴっ

 「これでいいでつ」
 もはや言葉はなかった。とき子を除く3人はもはやただ呆然と画面を見るしかなかった。

 「おにいちゃんの、おにいちゃんのがいぃのぉ・・・」
 その後も笑留は腰を振り続けていた。股間の自らの一物をしごきつつ、体の中にある雄一の一物をむさぼる。
 「おい、笑留!やばいって、もうでる・・・」
 「えみる、子供は9人ぐらい欲しいなぁ〜それでね、子供たちだけで野球チームつくるの」
 「たのむ、正気になってくれぇ!て、で、で、でるぅぅぅぅ!!」
 ごぼぉっ!
 雄一にはそう聞こえたような気がした。
 「えへへへへ・・・おにいちゃんの、なかだし・・・」
 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁぁぁ・・・」
 笑留の股間から、白い粘液が零れ落ちた。笑留はそれを指ですくい上げると、悩ましげな笑顔でそれを舐めてみせる。
 「えへへへへ・・・おにいちゃんの、本気汁、にがくて、おいしい・・・」
 雄一は言葉を継がない。頭を抱えれるならそうしただろう。今雄一は、笑留から顔を背いてうめくだけであった。
 「今日はね、お兄ちゃんが、失神するまで、笑留の中を味あわせてあげるの・・・」
 そして笑留は2回目の『事』に及ぼうとしたとき。
 どごぉぉぉん! 乱暴にドアが開く音がした。笑留はドアのほうを向かず、ただ淡々と、こう言う。
 「何の用かしら・・・この、泥棒猫!」

27:新店長でG.O. ◆dkVeUrgrhA
07/03/22 21:17:03 yOjs1jOF
 「えみるちゃん・・・ゆういち・・・あんたたち!なにしてんの?!」
 「恋人の営みに決まってるじゃない?泥棒猫の、美里さん?」
 「あ、あ、アンタのほうが泥棒猫じゃないの!おまけに、実の兄弟で!!」
 「なにいってんのよ!!アンタの方が、お兄ちゃんの妹じゃない!!」

 画面の向こう。
 「ちょ、ちょっと?!なんで美里さんのほうが妹になるわけ?」
 「えみるおねえたんのせかいでは、みたとおねえたんが、ゆういちてんちょうたんの、いもうとみたいでつね」
 「現実と夢が、まぜこぜになってますね・・・」

 「あんた・・・とりあえず、雄一からどきなさい!」
 「い・や!」
 美里はどこから取り出したのか、銘刀義流餓座旨(実際はただの鉈)を両手で構え、笑留に近づく。
 笑留も笑留で、ナイフを片手に持ちその刃を美里へ突き出す。
 「そっか・・・泥棒猫は殺さなきゃ何回でも盗むもんね・・・待っててお兄ちゃん、ちょっとこの泥棒猫始末してくるから」
 「雄一、ごめんね。アンタの妹、病みすぎてもう殺さなきゃ救えないわ」
 
 「き゛ぇや゛ぁぁぁぁぁ!」
 がぎぃぃぃぃ!!
 笑留は雄一から離れるや否や、上段からナイフを振り下ろした。すかさず鉈で受ける美里。
 両方の刃先から火花が出るのが、画面からでも確認できた。

 「あ゛あ゛あ゛ぁぁぁ・・・殺し合い、はじめちゃいましたよ・・・」
 さすがの事態に、青くなる美衣奈。隣のあずさも、さすがに顔色が青い。
 「ど、どうしよう耕治ぃ!!」
 「って、どうすんだよ?!」
 おろおろする3人を尻目に、薫は涼しい顔で答える。
 「ほっといたらいいでつ。ゆっくり、『りあるしゅらば』をけんぶつするでつ」
 「かおるちゃん」
 いままで、ずっとにこにこしながら事態を眺めていたとき子が、いきなり真剣な顔で薫のほうを見た。
 「なんでつか、まま?」
 「止めなさい」
 「え?」
 「あの二人を、止めなさいと、いったの」
 「なんででつか?とめるひつようは、ないでつ!」
 「かおる?あの二人が、いつ、貴方の命が欲しいといいましたか?」
 「うぅ・・・」
 「何か悪いことをしたのですか?少なくとも、薫ちゃんや、私よりはしてないはずですよ?」
 「うぅ・・・」
 「かおるちゃん?」
 薫はしばらく押し黙っていたが、やがて口を開く。
 「おにいたん・・・けいちゃつを、よんでくだたい。えみるおねえたんは、ひとりにしてしばらくおちつかせれば、もとにもどるでつ・・・」
 画面の向こうでは、笑留と美里が、文字通りの『剣戟』を繰り返していた・・・。

28:新店長でG.O. ◆dkVeUrgrhA
07/03/22 21:17:40 yOjs1jOF
〜えぴろーぐ〜

 がちぃっ!
 「この泥棒猫!いい加減死になさいよぉ!」
 「そっちこそ!この性欲魔人!ポリバケツ!ブラックホール!」
 「いったなぁぁぁぁぁ!」

 「あ〜はっはっはっはっ」
 「いや〜本物の修羅場って、迫力あるわぁ〜!」
 「あ、あの・・・えみるおねえたん・・・?」
 数日後、禾森家。今度は美里まで交えての乱交パーティーになっていた。
 現在の状況。
 テレビの前に笑留と美里。薫は笑留の股間に刺さっている。
 美里の股間にはピオンがいて、一心不乱にピオンの股間を舐めている。
 二人の後ろではとき子が耕治の上に馬乗りになって耕治の股間を味わっている。
 ちなみに耕治自身は既に白目向いて失神。
 あずさと美衣奈は裸のまま美里たちの後ろでテレビを観賞中。
 そのテレビ画面にはつい先日の修羅場というか殺し合いの動画が流れていた。
 「これ・・・えみるおねえたんたちなんでつけど・・・?」
 「だからおもしろいんじゃないの、ねー?」
 「ねー!そんな口答えする子は、こうだ!」
 笑留は股間の薫を突き上げる動作をする。縦に豪快に揺れる薫。
 「えみるおねえたん・・・きもちいいけど、いたいでつ・・・」
 「なにいってんの?あたしたちなんか、死に掛かったんだもん、ねー、おねえちゃん!」
 「ねー!」
 そういって笑う美里と笑留。しばらくして、美里はとある疑問を口にした。
 「ねぇ、薫ちゃん?あれって催眠術なのよね?すごいなぁ。本当に人を思うように動かせるんだ」
 「とんなわけないでつ」
 股間の快感に耐えつつ、薫が美里に説明する。
 「えみるおねえたんは、ゆういちてんちょうたんと、えっちちたいとおもってまちた。ちゃいみんぢゅつは、そのちぇなかを、おちただけでつ」
 「背中を押しただけ・・・それってさ・・・もしかして素面でも襲ってた可能性があるって事?」
 これは笑留の言葉。
 「ちかいみらい、ありえたとおもいまつ」
 「あは、あはははは・・・」
 力なく笑う笑留。今も思う。あれは、本当に、催眠術のせいだったんだろうか?自分の欲望が、外に出ただけだったのではないかと。
 「とういえば、みたとおねえたん?てんちょうたんは、どうちたのでつか?」
 「ん〜、これ、聞いてみる?」
 さっきから、美里はピオンに股間を舐めさせながら、イヤホンで何かを聞いていた。
 美里からイヤホンを借り、聞く薫。



29:新店長でG.O. ◆dkVeUrgrhA
07/03/22 21:18:13 yOjs1jOF
 「いやだ、店長、今日奥さんはどうするんですか?」
 「今日は友達のところに泊まって帰らないってさ。だからさ、これから二人で・・・」
 
 「ゆ・・・ゆういちてんちょうたん・・・」
 なんと雄一の体に盗聴器を忍び込ませていた。がっくりとなる薫。イヤホンを薫から取り上げ続きを聞く笑留。
 「・・・あれ、ちょ、ちょっと!このお兄ちゃんの相手って・・・」
 「さすがに笑留ちゃんは気がついたか〜」
 にやりと笑う美里。
 「そう。あの宿六の相手は2号店店員。あたしの可愛い子猫ちゃん♪」
 うれしそうに言う。笑留はイヤホンを外すと、元の機械とテレビのスピーカー端子をつないだ。テレビから店長たちの声が聞こえる。

 「じゃあ店長、あたし、いい店知ってるんですけど一緒に、どうですか?」
 「いいねぇ、一緒に行こう」
 「けどお願いがあるんです。そこにつくまで、店長さん、目隠しをしてもらえますか?」
 「ああ、いいとも。どこにつくか、楽しみだなぁ〜」

 ぶぅっ!美里意外全員噴き出す(失神中の耕治除く)。
 「あの、おねぇちゃん、ま、まさか・・・」
 「とき子さん?あと二人、お客さんがココに来ますがかまいませんか?」
 「あらあらまぁまぁ。どうぞおこしくださいな」
 「んふふっ」
 美里は忠実に自分の仕事をしているピオンの頭をなでた。
 「ピオンはえらいわね〜。まっててね。もうすぐ、ごほうびに、あなたのだぁ〜いすきな、アナル処女をあげますからね♪」

おちまい。

30:新店長でG.O. ◆dkVeUrgrhA
07/03/22 21:20:37 yOjs1jOF
終わった・・・
『催眠術で突然病化』をコンセプトに作ってたらこんなに長くなるとは思わんかった。
次はもっと「病み」をテーマに精進します。
とりあえず次回はおにいたん1のバッドエンド版、
そのあとプロットだけなら3つぐらいあるのでおいおい。

31:名無しさん@ピンキー
07/03/23 10:36:10 U6qYWsDk
ロリエロ投下GJ!
やっとのヤンデレ展開がギャグとして片付けられてしまったのがスレ的にはちと惜しいかも。
バッドエンドものに期待。

32:名無しさん@ピンキー
07/03/23 12:21:35 4xl6OPvM
会話が多いのはあまり好きじゃない
延々続くと、どうでもいい気分になってきます

33:名無しさん@ピンキー
07/03/23 21:19:04 pFVTPDBh
>>32
それならあなたは読まなければいいんじゃないですか?
あなたの好みなど知ったことではありません。

34:名無しさん@ピンキー
07/03/23 21:29:46 Am0zAZSp
あー……ちょっと言っていいかな。
>>33のようなSSへ向けた意見に対してレスをすると荒れるんだわ。
実際、お隣さんはそういうところがあった。

だから、感想レスに向けたレスは控えないか?正直、荒らしも煽りも御免だから。

あと>>32
もうちょっとオブラートに包んでくれ。

35:名無しさん@ピンキー
07/03/23 21:38:54 U6qYWsDk
感想レスに対して反論レスするとスレが荒れる
反論レスという歯止めが無くなると感想レスが言いたい放題になる

なんというジレンマ……

36:51 ◆dD8jXK7lpE
07/03/23 21:42:33 1qNt958Q
まあ、なんというか。
書き手は全ての感想を真摯に受け止める覚悟があるから投下してるのであって、
あまり「そんな感想はおかしい!」というような話はしない方が嬉しいと思う。

37:名無しさん@ピンキー
07/03/23 21:44:04 Am0zAZSp
自分で感想レスに対してレスをするなと言っておきながら、それを自ら実行してしまうとは……

なんというバカな俺……orz
スマヌみんな。

38:名無しさん@ピンキー
07/03/23 23:15:33 d7UT3CFJ
>>35
>>37
前スレでトライデント氏のトリップ割れについて下さって有難う御座います。

ヤンデレスレの皆さんも新スレになったので、
既存の作家さんを語る書き込みには注意して下さい。

39: ◆dkVeUrgrhA
07/03/23 23:38:04 79PH3+n7
>>32
俺的にははっきり言ってくれた方がうれしい。ありがとう、参考にするよ。

>>36、51様
代弁ありがとう。俺も同意見だ。

みんなー、まったりしようぜm(_ _)m

40:名無しさん@ピンキー
07/03/23 23:39:11 QW15ZpWj
正直、あんまり読む気がしない

41:名無しさん@ピンキー
07/03/24 00:54:01 Z6aG/rXQ
>>40
そんなら書けば?

42:名無しさん@ピンキー
07/03/24 01:11:27 8BlPKAiA
>>41
お前マジで頭いいな!

43:名無しさん@ピンキー
07/03/24 02:25:50 OORyAG+T
熟女ヤンデレはありますか?
無いなら脳内で。

44:名無しさん@ピンキー
07/03/24 02:36:06 UPNMoHZL
wktk

45:名無しさん@ピンキー
07/03/24 06:32:12 K7eLtHnR
>>43
そのほとばしるリビドーをプロットにして前スレに投下してみないか?
もしかしたら職人さんが書いてくれるかもしれないぞ。前例もあることだし。

46: ◆kNPkZ2h.ro
07/03/24 14:27:44 UIL5bFFq
上書き第10話後編、投下します。
選択肢1・すぐに携帯電話を確認する、のB-1ルートからです。

>保管庫管理人様
いつも更新お疲れ様です。
申し訳ありませんが、前回第10話として投下した分を「第10話前編」に修正してください。
ご迷惑をおかけしてすみません。

47: ◆kNPkZ2h.ro
07/03/24 14:28:35 UIL5bFFq
 俺は一目散に床に静かに横たわっている携帯電話の下へと駆け寄っていった。

 そもそも加奈が”急に”こんな事言い出すのは明らかにおかしい。
 何か『きっかけ』がなければ俺と目を合わさないなんて事はありえない。
 そう考えるならその『きっかけ』として最も怪しいのは、机の上にあったはずなのに、
 不自然にも今は床の上で沈黙を守っている携帯電話だ。
 加奈はその携帯電話の中の”何か”を見てこんな事言い出しているんだ。
 ならば今すべき事は真っ先にその中身を確認する事だ。
 俺と加奈の関係の脆さを思い知った今、僅かな溝ですら作ってはならないのだ。
 加奈が知っていて俺が知らない、そういった状況から勘違いが生まれ崩れていくのだ。
 二度とそんな事は御免だ。

 その一心で素早く携帯電話を掴み取り、俺はその中身を確認した。
 その『中身』の内容を読んだ瞬間………
「………は、はは…」
 いつも俺の行動の邪魔をしていた理性の壁が崩壊して、
 心の奥底からかつて味わった事がない程”気持ちいいもの”が流れ込んできた。
 それが俺の思考回路を急速に早め、やがてある”一つの結論”に至らしめた。
 その『答え』を理解した途端、心が痺れた。
「はっ、はははははははははは!!! あーっ! ははは!!!」
 そして笑いが腹の底から込み上げてきた。
 抑えようと思っても抑えられない程愉快な気分になってくる。
 何時間も考えていた問題の答えを解き明かしそれが正解だった時のような、
 全身全霊で喜ぶべきそんな状況。
 ふと加奈に目をやると、その表情は既に満面の笑顔だった。
 二度と離れまいという意識が読み取れる程目線を俺と合わせてくる。
 その確固たる意思に安心感を覚えながら、俺は携帯電話を放り加奈の下へ歩み寄る。
 近付いてみると、笑顔を向けながら加奈は小さく小刻みに震えていた。
 その嬉しくて震えている肩に俺はそっと手を添える。
「…加奈…、俺今凄く嬉しい。やっと”解った”んだからな…。加奈は嬉しい?」
 肩に添えていた手を口元に移し、ピンク色の柔らかい唇を優しくなぞってやる。
 その仕草に擽ったそうに笑いながら、加奈は俺の背中に手を回してきた。
「うん! とっっっても嬉しい!」
 大袈裟に告げながら俺に体を預けてくる、そんな動作一つ一つが心地良い。
 そして何より、加奈と心が一つになったという事実が俺に満足感の快楽を与えた。
 今までは存在がいるだけで、その幸せを大きく見せる事で満足するようにしてきた。
 だが、そんな仮初の幸せなんて欲してない。
 欲しいのは加奈との真の心からの繋がり、その為に”何をすべきなのか”分かった。
 こんなに簡単な事だったんだ。
 何年も付き合っていたのに何故気付けなかったのか不思議に思う。
 しかし、過去は消えない、そんな物はどうでもいいのだ。
 重要なのは未来、未来の道末は自分たちが決定権を持っている。
 だから、その決定権を駆使させて貰う、幸せな未来の為に。
 そして………
「それじゃ、行くか…?」
「うん!」
 ”加奈の幸せの為に”。

48:上書き ◆kNPkZ2h.ro
07/03/24 14:30:23 UIL5bFFq
 きっとあの携帯電話の中身を見なければ、俺はまだ闇雲に手探りし続けていただろう。
 言葉で伝えなければ理解し合えないような、”薄っぺらい”関係のままだっただろう。
 だから、『答え』に気付かせてくれた『奴』には心から感謝している。
 本当に心から…そう、何度”殺しても”足りない位に感謝している。
「ははは…」
 そんな事を考えているとまた笑いが込み上げてきた。
 慌てて下唇を噛み、漏れ出さないようにしっかりと堪えようとする。
 まだここでは駄目だ。 
 しっかり”あの場所”までは我慢しなくてはならない。
 ”あの場所”へと行って”すべき事”を遂行したら、その時は思い切り笑ってやる。
 それこそ、今の闇夜の空を切り裂き、明るい朝を強制的に呼び出す位にな。
「誠人くん、興奮し過ぎだよ」
「男ってのは、夜に満月を見ると狼になるもんなんだよ」
「その血が騒いでいるって事かな?」
「分かってんじゃねぇか」
 靴を履きながら冗談を言ってくる加奈の黒髪を優しく撫でてやる。
 相変わらずどこにも淀みのない、一本一本が生きているような美しい長髪だ。
 髪に対して性的魅力を覚えながら、俺は玄関の扉を開けた。
 その扉は物凄く軽く、俺たちの事を後押ししてくれているようにさえ思えた。
 開いた扉の先に広がっていたのは、ただひたすら深遠な闇。
 そして、その中にたったひとつぽつんと佇んでいる本能を燻る魔性の存在。
「今夜は満月か………」
 見上げた空に光るどこにも隙のない円形の満月に向かって、俺は決意を新たにした。
 その決意の対象の事を思い浮かべて、『奴』が送ってきたメールの内容を思い浮かべ、
 俺は心の中で厭らしい笑みを浮かべた。

          ――――――――――          

 隣を歩く誠人くんはとても頼もしく見える。
 いつも頼もしかったけど、今日はいつも以上に凛々しい。
 きっと”あのメール”のおかげなんだろうな。
 ”あのメール”を見て、あたしたちやっと分かり合えるようになった。
 そういった意味では”あのメール”の送り主さんに感謝しなきゃならないんだろうな。
 うん、感謝するよ。
 今回だけは、わざわざあたしたちの仲を取り持つような事をしてくれた事に感謝する。
 でもね…やっぱりあのメールの内容は許せないな。
 誠人くんの事を小馬鹿にした口ぶり、そして何よりあたしたちの仲を崩そうとしている
 意思が滲み出ている内容…。
 それに関してはどんなに譲歩しても許し切れない…。
 だから、その”お礼とお仕置き”にすぐに向かってあげるよ…。
 首を長くして待ってよ…すぐに楽にしてあげるから…。
 あたしは決意を胸に秘めながら、誠人くんの隣に寄り添いながら闇夜の道を突き進んだ…。

          ――――――――――          

49:上書き ◆kNPkZ2h.ro
07/03/24 14:31:19 UIL5bFFq
 俺たちは『奴』の家の前へと辿り着いた。
 真新しく見えるインターホンを弱く押し、その場で数秒佇む。
 そして、インターホン越しに聞き慣れた声が耳に響いた。
『誠人くん?』
 他の家族に出られたら厄介だと思ったが、本人が出てくれた事に安心する。
 どうやら家の中から俺の姿は見えているようだ。
 加奈に隠れるように言って正解だったと自分を褒めながら、慎重に言葉を選ぶ。
「あぁ。伝えたい事があるから出てきてくれ」
『分かった!』
 その言葉と共に室内の音声が途絶える。
 しかし、屋外にいる俺にも分かる位うるさく階段を駆け下りる音が聞こえる。
 そんなに俺に会いたいのかと呆れながら、今日俺の事を好きだと言ったのは本当
 だったんだなと心の中で確かめた。
 どうでもいい事だけど。
 やがて足音が止まるので、扉の前から一歩下がる。
 案の定扉はこちら側に向かって勢い良く開いた。
 あのままあの場にいたら無様に扉にぶつかっていたなと、今日の俺はやけに冴えている
 という確証を広げる。
 そしてその扉の中から何も知らない様子の『奴』が出てきた。
「誠人くん!?」
「よう…『島村』………」
 俺はその一言の後………

『シュッ』

 一瞬の刹那…俺の顔を見て喜んでいる島村の喉下を、隠し持っていた
 ペーパーナイフで瞬間的に切りつけてやった。
 喉下を狙ったのは、叫ばれては困るのと、即死して欲しかったからだ。
 切り付けた瞬間、ナイフを持った右手に温かい島村の”命の証”が降り掛かる。
「…ガッはァ………ッ!」
 望み通り、叫ぶ事も出来ずに島村はその場に崩れ落ちた。
 その表情は、何故こんな事されているのか全く理解出来ないという困惑と、
 止め処なく溢れる血液に自らの命が刻々と削り取られている事への恐怖で歪んでいる。
 一瞬で島村の家の玄関は自身の血で赤い海と化し、そこに島村は順応している。
「今の島村………綺麗だぜ…なぁ、加奈?」
 俺はその惨めな死に様に、敬意を表したくなった。
 真の絆を築いていく為に一体何をすればいいのか、それを教えてくれた一人の人間に。
 加奈の方を振り向くと、加奈も島村の苦痛に悶える表情を見つめながら、
 恍惚の表情を浮かべていた。
「うん………本当に、ひたすら生にしがみつこうとして、悪意の欠片もない…。
 誠人くんに何かしようともしていない…こんな純粋な顔出来るなんて…。
 ちょっと嫉妬しちゃう位、それ位綺麗だよ?
 最期に誠人くんに『綺麗』って言っても貰えて良かったね…フフフ…」
 どこにも屈折したところのないその笑顔から、加奈の言っている事が本心だと分かる。
 やはり加奈と俺の考えている事は同じ…最期の最後まで俺と加奈の関係の強さを再確認
 させてくれた事に感謝しつつ、虚ろな目でこちらを見上げる島村と視線を合わせる。
「島村…お前の『メール』の質問に答えてやるよ…」
 既にもがく気力はなく、意識絶え絶えの状態にも拘らず島村は
 必死に俺の言葉を聞こうとしている。
 そこまでして聞く程の事じゃないだろと思いながらもその真っ直ぐな瞳に敬意を表す。
「”加奈だから”だよ」
 その答えを言った後島村の顔を見ると、既にその瞳に光彩は失われていた。
 指一本とて動かせていないその姿が告げる…”島村由紀は死んだ”。

   ・
   ・
   ・
   ・
   ・


50:上書き ◆kNPkZ2h.ro
07/03/24 14:32:42 UIL5bFFq
「やったね、誠人くん!」
「あぁ、これで俺たち、やっと『一歩』を踏み出せるんだな…」
 加奈が俺に笑顔を向けてくれている…この儚い幸せを手に入れる為に、
 俺たちはどうしてあんなに不器用な事をしていたのだろうかと今になって思う。

 俺と加奈が幸せになる為に必要な事…その『答え』は簡単だった。
 俺は常日頃、”加奈の幸せの為に”行動してきた。
 そして、加奈は”俺の幸せの為に”行動してきた。
 つまり、俺の幸せと加奈の幸せは『同意義』だったんだ。
 俺がしたいと思う事は同時に加奈がしたい事に直結している。
 そして、加奈がしたいと思う事も俺がしたい事に直結している。
 深く考える必要はない、俺がしたい事をすれば良かっただけの話なんだ。
 相手の幸せだなんて難しい事を考えるより、自分がしたい事をする事こそが
 互いの幸せへの第一歩に繋がるんだ。
 それに気付かせてくれたのは島村が俺に送ってきた『メール』だ。
 露骨に加奈を侮辱したその内容を見て、俺は胸に黒いものが湧き上がるのを感じた。
 それは、殺意を抱きながらも理性が覆い被さって行動を制止させようとしたが故に
 生じた、抵抗力の産物だ。
 本当ならそこで思い止まるのが普通だったのだろう。
 それが世間的には正しいし、そうしなければいけないルールなのだ。
 しかし、そのメールを見た後の加奈の様子を見て、俺の中で理性が崩壊した。
 そう、加奈もあのメールを見て、また別の理由で殺意を抱いていたのだ。
 目的は『一緒』………ならば躊躇する必要なんか欠片もない。
 互いの幸せの為に、迷う事なく殺意のままに従えば良かったんだ…。
 そうする事で、俺と加奈の幸せが叶うんだ、こんな簡単な事はない。

「それと誠人くん、一ついいかなぁ?」
 甘ったるい口調で加奈が俺を見上げながら訊ねてくる。
「何だ?」
「これからは、あたし以外に『綺麗』なんて言うのは嫌だなぁ…」
「何だ、そんな事か」
 思わず笑ってしまった。
 そんな俺の態度が御気に召さないようで、加奈は頬を膨らましている。
 露骨に怒っている加奈の下へと歩み寄り、そっとその小さな体を抱き締める。
「俺が好きなのは城井加奈一人だ…。加奈が好きなのは?」
「誠人くん…あたしが好きなのは、沢崎誠人くん、あなた一人ですっ!」
「良く言えました」
 俺の背中に手を回す加奈を抱き締める力を一旦抜く。
 今まで相手の為とか、『上書き』とか、陳腐な事を言い合って恋人ごっこを
 し続けていたけど、もうそんな事に惑わされる事はない。
 心が一つになった今、もう俺たちは言動や行動で伝え合わなければならないような
 関係ではなくなったんだ。
 加奈と見つめ合いながら、俺は”『一歩』を踏み出す為の”口付けを交わした。


51:上書き ◆kNPkZ2h.ro
07/03/24 14:33:17 UIL5bFFq

          ――――――――――          

 誠人の部屋の中で、開かれたまま沈黙を守っている携帯電話。
 既に光は失っている、しかしその薄黒い闇の中に確かに『跡』は刻まれている。
 二人の男女を狂気に奔らせた、簡潔な文章が。

 『From 島村由紀
  Sub  (無題)

  誠人くん、あなたは何で”あんな”子が好きなんですか?』

          ――――――――――          




 B-1ルート「未来を築く為に」 HAPPY END

52: ◆kNPkZ2h.ro
07/03/24 14:37:08 UIL5bFFq
投下終了です。
予定として次の時は選択肢2を投下します。

以下チラシの裏
個人的に消化不良なラストでした。
以前Cルート(加奈と誠人の肉欲エンド)を投下した際、「誠人が狂えたらハッピーエンドだった」
という声を受けて思いついた話ですが、読み返すと喉に魚の小骨が引っかかったような気分…。
本ルートでは納得のいくようなのを書きたいです。

53:名無しさん@ピンキー
07/03/24 14:46:07 cgpfVPqQ
>>52
リアルタイムキタワァ.*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!!☆GJ!
個人的には素晴らしいハッピーエンドですとも!
二人に幸あれ。・゚・(ノ∀`)・゚・。

てかこんな俺はもう駄目かも分からんねorz



54:名無しさん@ピンキー
07/03/24 16:41:44 hQM6V2+S
>>52
なんかものっそ凄まじいエンディングですなぁ・・・。
携帯の文面を見ただけで豹変するなんて、
他のエンディングを見ても既に誠人が狂ってる事がわかりますわ。
男まで狂ってヤンデレ化するだけでどれだけ他の作品と一線を駕すかわかりますた。

55:名無しさん@ピンキー
07/03/24 22:03:32 tWUhvSic
>>52
まさにこのスレならではのHAPPYEND GJ!
でも島村さんあっけなさすぎw
個人的には応援してたんだけどなあ…w

56:名無しさん@ピンキー
07/03/25 02:09:24 CyM5zxwp
チラシ

男まで狂う場合、絶望や混乱のどん底にまで落ちて狂うのならわかるけど、
男までヤンデレ化するとバランスが悪いっていうか収集がつかねって。

チラシ終わり

57:名無しさん@ピンキー
07/03/25 13:03:00 5p2qUqRE
こういった狂った幸せって大好きだ!GJ!

58:名無しさん@ピンキー
07/03/25 13:04:07 Tm3KXieg
だからラストに持って行ったんじゃね?

59:名無しさん@ピンキー
07/03/25 15:33:43 /7rDjX3q
>>52
GJ!!
共狂いENDもいいモノだ。
本ルートにも超期待してます。

>>56
作者の人も、そのへん分かってるから選択肢つけたんでしょ?
作者のしたい事も少しは理解した方がいいよ。

60:名無しさん@ピンキー
07/03/25 16:33:07 CyM5zxwp
>>59
別に糾弾するつもりはないさ。単なる意見として。

61:名無しさん@ピンキー
07/03/25 23:04:59 yx74Ws21
自分は書き手(ここに投下したことはなく読んで楽しむだけ)だが、
色んな意見を貰えるほうが為になるし嬉しいもんだよ。
前からこのスレはGJだらけで、書き手さん達は物足りなくないのかな〜
と、思っていたので言ってみた。ではでは。

62:名無しさん@ピンキー
07/03/26 00:36:11 G9NV0cef
場合によりけり。控え室見れば分かるが、書き手といっても一概には言えない。
スルーでも堪えないって猛者から、ちょっとしたことで愚痴るもやしっ子までいる。

それに最大の問題は、批評ってのどうしても批評厨を呼び寄せやすいこと。
感想レスに対するレスを禁止に出来れば、荒れの元にはならなくなるだろうが……

63:名無しさん@ピンキー
07/03/26 02:14:33 q8tIE4m4
こんな空気でも俺は「居ない君」を待ち続ける。

64:名無しさん@ピンキー
07/03/26 03:45:25 AOwcUCL3
人によるよなー。叩かれて伸びるひともいれば褒められて伸びるひともいる。
まぁようするに荒れるような感想の書き方だけはやめようや。
自分と合わないから嫌いとかそういうはやめてさ。

65:名無しさん@ピンキー
07/03/26 09:40:38 xxl3fyhy
収拾がついてるのにつかないとか言うとただのケチ付けに見えるけど

66:名無しさん@ピンキー
07/03/26 11:50:43 00gKYNv/
そこは何がどうつかないか、で受け取り方が変わる。
まあ、ちゃんと話は終わらせられてるけど。


とりあえず、議論するより次の話を待とうぜ。

67:名無しさん@ピンキー
07/03/26 13:12:08 Q8K9PY1H
ところで「ヤンデレスレは」「エロエロよー」の元ネタってなに?

68:名無しさん@ピンキー
07/03/26 13:42:23 G9NV0cef
このスレのパート2か3あたりのやり取りだった気が。

69:名無しさん@ピンキー
07/03/26 14:00:23 3a3GhM50
少数かもしれないが鬼葬譚の続編を待ってる漏れがいる

70:名無しさん@ピンキー
07/03/26 17:45:13 3bsNz/5j
流れぶった切って感想。

>>52
GJ!!
こういうエンドを待っていた。
ヤンデレハッピーエンドはこうでなくては。

71:名無しさん@ピンキー
07/03/26 20:17:38 00gKYNv/
ところで、恋に不慣れで不器用な女がついつい暴走したりするヤンデレってのもあるかね?
そして男は恋に慣れてないだけだからと女を突き放し、さらに暴走させる。



うん、正直ヤンデレとは違うのかもしれないし、コメディタッチになっちゃうけどね。

72:名無しさん@ピンキー
07/03/26 20:21:48 mBdGnf2Z
「男くん! 私、きみが好きなの!」
「あ、そうなんだ。俺は卵はしろみのほうが好きだけどな」

みたいなもん?

73:名無しさん@ピンキー
07/03/26 20:46:37 5GPQpqOE
軽いヤンデレでも良いじゃない。
You、書いちゃいなよ。

74:名無しさん@ピンキー
07/03/26 21:20:35 K9g9qz2n
ヤンデレは相手を殺すよりも相手を拉致監禁して相手に尽くす方が萌えるのは俺だけか・・
男性が監禁の場合は物凄く萌えないが・・女性なら和やかな雰囲気になるww

75:名無しさん@ピンキー
07/03/26 22:44:05 /S3uAAfn
>>74
×物凄く萌えない
○単なる犯罪

76:名無しさん@ピンキー
07/03/26 23:43:14 YSDBgQqB
男が女を監禁するだけならハードル低いからな。すぐに豚箱行きとはいえ

77:ラック ◆duFEwmuQ16
07/03/27 00:00:49 RI+ri3es
身に覚えが無いのに規制が……今回はヤンデレ要素少ないです。
次回から本格的にしていきたいと思っています。

78:ラック ◆duFEwmuQ16
07/03/27 00:02:22 9shiYSb+
かつて悪魔が私にこういった「神もその地獄を持っている。それは人間に対する彼の愛である」と。
そして、私は悪魔がこういうのも聞いたことがある。「神は死んだ。人間に対する同情ゆえに神は死んだ」と。
                       ─ニーチェ『ツァラトストラはかく語りき』
ヒッコリー製のアンティークな本棚に並べられた書籍に朧は眼を通した。本の表紙に触れる。表紙も古いものから新しいものまで実に様々だ。
オスカー・ワイルド、ジャン・ジュネ、サルトル、ボードレール、バルザック、アポリネール、ニーチェ、ヘーゲル、マンディアルグ
ユイスマンス、バロウズ、ケルアック、稲垣足穂、三島由紀夫、川端康成、その他にも文学、哲学系の作品が揃えられていた。
昨日はオスカー・ワイルドの『サロメ』を読んだ。今日は何を読むべきか。本を眼で追いながら思案する。
朧の視線が止まった。本を取り出し、タイトルと作者名を眺める。ホコリが指を汚した。ふっと息を吐いてホコリを飛ばす。
(カポーティの『冷血』か。面白そうだな)
机に置かれた手錠を朧は自分で掛けなおした。鍵の部分が簡易な作りの手錠は、ヘアピンの一本でもあればいつでもはずせた。
朧は雪香の居ない時だけ、こうして手錠をはずして羽を伸ばした。短い時間ではあったが、手首の感覚を戻すには充分だ。
本を持つと朧は書斎を出て、雪香の寝室に戻る。本を読み始めたのは単に暇だったからだ。雪香との奇妙な生活が始まって二ヶ月が過ぎた。
最初の二週間は部屋から出られないようにベッドにくくりつけられた。足にも錠をかけられて身動き取れぬ有様だった。
食事に混ぜられた筋弛緩剤と睡眠薬。睡眠薬の効果は失せていたが筋弛緩剤のほうはそうはいかなかった。
頭の中ははっきりしていたが、身体の自由がほとんど利かないのだ。この少女は何故、自分にこんな仕打ちをするのか朧は考えた。
雪香に恨みを買ういわれはなかった。
澱のようなものが腹の底に沈み、怒りが沸々と煮えた。自由を奪われた獣の怒りだ。
そして、こんな罠にひっかっかった間抜けな己自身に対する怒りでもあった。憤怒が脳髄を灼いた。
筋弛緩剤の効果が薄れるとともに、怒りが燎原の火の如く燃え広がった。両腕をめちゃくちゃに動かす。手錠が肉に食い込み、皮膚が裂けた。
血飛沫が舞った。傷口から溢れる鮮血が手首を汚した。かまわずにベッドで暴れ続けた。痛みなどどうでもよかった。
『はずせっ、はずせっ!』
叫んだ。無言で不安そうに気弱な眼でこちらを見やる雪香の姿─ぶっ殺してやりたかった。
顔面がザグロになるまで拳を叩き込んでやりたかった。血みどろになるまでぶちのめしてやりたかった。
『そんなに暴れないで。手、怪我しちゃったよ……』
『ふざけるな。さっさと手錠をはずせッ!』
傷ついた朧の右の手首に雪香が労わるように手を伸ばす。雪香の頬に朧の唾が飛んだ。雪香は黙って掌で唾をぬぐうと部屋をでていった。
室内に独り取り残された朧は冷静さを取り戻そうと瞼を閉じた。闇が視界を覆う。脳内で渦を巻く冥い殺意を腹に押し込んだ。
朧は隙を窺うことにした。問題はどうすれば逃げ出して雪香を殺せるかだ。朧は思索した。こういう手合いにはどう対処すればいいのか。
朧は雪香に対し、徹底的に無視を決め込んだ。飲食物を一切取らず、何をされようが一言も喋らなかった。
朧の態度に雪香は柳眉を逆立て、罵詈雑言を浴びせた。ヒステリックに朧の脇腹に爪を立てて胸を痣が出来るまで叩いた。
『なんで雪香を無視するのッ、お願いだから何か言ってよ……ッッ』

79:ラック ◆duFEwmuQ16
07/03/27 00:04:04 RI+ri3es
朧の頬に平手打ちを浴びせながら雪香が大声を喚いた。鼓膜が振動で震えた。切れた唇から血が滲む。
雪香に殴られ、罵られても朧は石の如く口をつぐみ、無反応を通した。完全なる拒絶を示し、眼をそらそうとさえしなかった。
その態度が雪香の苛立ちを募らせ、雪香はさらに手酷く朧を打擲するという悪循環だった。
十日間が過ぎたあたりで雪香は狂ったように泣き喚いた。髪を掻き乱し、喉が張り裂けんばかりに叫び声をあげる。
『お願いだよっ……お願いだから何か食べてよ……っっ』
躍起になって朧に食事を摂らせようと自分の口にミルクを含ませ、雪香は朧に口移しで何度も飲ませようとした。
それでも、朧はミルクを飲まずに吐き出す。雪香の口に含んだミルクを飲むくらいなら、朧は餓死したほうがマシだった。
それよりもあと何日持つか。せいぜいが一週間以内。それ以上経てばまず動けなくなるだろう。
頬骨がこけ、肋骨が浮き出た肉体。眼窩は窪み、初雪のように白かった朧の肌は栄養失調で灰色にくすんでいた。
ただ、黒い瞳だけがいつまでも変わらなかった。朧は掠れた声帯から搾り出すように呟いた。
『死んじまえ。このキチガイ女……』
雪香に向かって罵りの言葉を吐き捨てる。
それっきり朧はまた口を閉ざして、天井の一点を瞬きもせずに見続けた。飢えの苦しみはすでにない。
人間の身体はうまく出来ているのだ。三日間食事を摂らなければ、脳内麻薬が分泌されて飢餓の苦痛を取り除く。
持久戦だった。衰弱して死ぬのが先か、ベッドから開放されるのが先か。二週間目の朝、雪香はついに根を上げて朧の拘束を解いた。
─俺が衰弱してると見て油断してるのか。それでも首を絞めるくらいの力は残ってるぞ
体力の擦り減った身体は動かすたびに悲鳴を上げた。筋肉はその柔軟性を失い、硬くなった関節がギシギシと軋む。
空中を飛んでいるような感覚だった。身体に力が入らない。そのくせ、やけに意識だけは明瞭だった。
網膜の奥に映った雪香の首筋。青白い静脈を皮膚の内部に張り付かせている。スローモーションな動きで頤に手をかけた。
親指と人差し指に力を込める。雪香は抵抗も、振りほどこうともしなかった。朧はじわじわと力を強めた。
指先に伝わる柔らかい肉を掴む生々しい感触─何の感慨も涌かなかった。復讐の達成感が感じられないのだ。
『なんで抵抗しないんだ』
朧は不思議でしょうがなかった。恐怖を感じるわけでも、憎悪を現すわけでもない雪香の反応に朧は眼を細める。
雪香の相貌を見た。どこか夢見心地だ。雪香は死を厭わなかった。この少女は朧から与えられる死を歓喜を持って迎え入れようとしたのだ。
胸裏深くに沈んだ記憶が、小波を打つ水面のようにゆらりと揺らめく。
瞳に灯った慈愛の輝き─無意識に朧は手を離した。雪香のその聖母の如き明眸を見た瞬間、怒りも憎悪も消えうせていた。
思えば哀れな少女だ。
『どうして止めちゃったの……雪香を殺したい殺してもかまわなかったのに?』
キョトンとした表情を浮かべて雪香が朧に尋ねた。雪香の頬を撫で付けながら朧は言った。
『あんた変わってるな……』
雪香が笑みを浮かべて答えた。
『朧だって変わってるよ』
朧の拳が飛んだ。病み上がりにしてはキレのある良いフックだ。雪香の顎に命中した。脳が震盪し、雪香はあやうく意識を失いかけた。
『とりあえずそれで許してやる』

朧は出て行かなかった。雪香に興味をそそられたのもあった。それにこの家に住んでいれば明日の寝床と食事にもありつけるからだ。

80:ラック ◆duFEwmuQ16
07/03/27 00:05:56 RI+ri3es
室内の空調が一定に保たれているので裸でも寒くはない。わりと居心地は良い。気が向いたときに出て行けばいいだけの話だ。
雪香は朧に決して服を着せようとしない。服を着せないのは雪香の趣味だ。
雪香も家の中では同様に、一緒に裸になって過ごす。裸なのは、どこでもセックスが出来るからだ。
少し気疲れを覚え、朧はベッドに寝転がった。身体の芯がだるいのだ。運動不足が原因だろうか。
うつ伏せになったままページをめくっていく。三十分ほど本を読み勧めていくと軽い空腹感を覚えた。
冷蔵庫を漁ろうと朧が身を起こしかけると、タイミング良く雪香が買い物から帰ってくる。朧は本を傍らに置くと部屋を出た。
「ただいまァ」
明るいほがらかな笑みを浮かべて雪香は買い物袋をキッチンに持って行き、冷蔵庫を開けて食材をしまった。
穏やかな光を称えた雪香の双眸─それは幸福に満たされたものだけが持つ瞳だった。実際、紛れも無く雪香は幸せに包まれていた。
朧と暮らし始めて、雪香は眼に見えて日々明るくなっていった。
ダイニングキッチンの窓から差し込む薄暮の輝きが、雪香の顔貌に優しく降り注いだ。
太陽の光が染めたかの如き艶やかなセミロングの栗色の髪、くっきりとした薄い二重瞼、黒く清らかな長い睫、
丹花のように可憐な唇、綺麗に象られた鼻梁。明眸皓歯だ。朧と出会う前も美しくはあった。だが今のような華やかさがなかった。
それは明るさだ。あの病的な美はすっかりナリを潜め、雪香は健康的な笑みを振りまくようになった。
雪香が少女本来の笑みを取り戻した理由─それは朧に対する恋であり愛だった。
ダイニングの脇から朧は雪香を盗み見た。今の雪香には華やかさがある。それでも朧は思い出すのだ。
あの時嗅いだ色香を。腐臭を。絶望的な孤独の中に感じた雪香の腐敗じみた色香。あの匂いはどこへいったのだろうか。
何故、雪香は狂っていたのか。当初、朧は雪香の孤独の苦しみが理解できずにいた。いくら思案を巡らしてもわからないのだ。
孤独が理解できないのではない。孤独である事に何故苦痛を感じるのかだ。朧も孤独だった。
しかし、孤独である事を寂しいと思った事も無ければ、苦痛を感じた事もなかった。朧は孤独を愛していたのだ。
孤独とはいいかえれば自由。しかし、雪香と暮らすようになってその苦しみがわかりかけてきた。
孤独は二種類存在するのだ。他人から強制された孤独か、自分で選んだ孤独か。
朧は自分で孤独を選んだが、雪香のそれは他人から強制されたものだった。強制された孤独はつらく悲しい。
強制された孤独は人の心を腐らせる。雪香にとって生き地獄とは恐ろしく静かな場所なのだろう。
エプロンをつけると雪香は食事の準備にとりかかった。鍋に水を汲んでお湯をわかし、大さじ二杯ほどの塩を混ぜる。
お湯が沸騰すると次はスパゲッティのパスタを茹でながら、少量のオリーブオイルをひいたボウルと作り置きのミートソースを横に置いた。
丁度いい茹で具合になったパスタをトングで掴み、ボウルに移した。その上からミートソースをかけて絡ませてから皿に盛り付ける。
肉汁たっぷりの湯気をくねらせるパスタからは食欲をそそる匂いがした。ソースをすくって舐める。隠し味に加えたトマトの酸味が爽やかな味わいだ。
テーブルに皿を乗せて雪香が朧を呼びにいこうとしたが、朧はすでに階段を下りてキッチンの前に来ていた。
イスには座らず、朧が立ったままでパスタを飢えた野良犬のようにかぶりつく。さながら地獄の餓鬼だ。
フォークを突き刺すと一気に口に運び、一心不乱に咀嚼する。ミートソースが唇を茶色く濡らした。肉汁が顎の周りを汚す。
そんな朧を雪香はテーブルに肘をつけてニコニコと笑いながら見つめ続けた。雪香は何も言わない。
朧が何をしようが、無言で微笑を浮かべるだけだ。
中々の早食いだった。朧が三人前のパスタを完食するに要した時間は実に四十八秒だ。雪香がエプロンと服を脱いだ。
鍵を取り出して朧の片方の手錠をはずし、自分の手首にかける。
「ねえ、キスしていい?」
悪戯っぽく微笑みながらキスをせがんだ。唇を重ね合わせ、雪香が舌先を朧の口腔内に入れる。
狂おしい感触に雪香は恍惚の表情を張りつかせた。

81:ラック ◆duFEwmuQ16
07/03/27 00:07:54 RI+ri3es
粘った唾液がミートソースと絡みつく。雪香は朧の唾液を呑んだ。唾液が喉を通って滑り落ちる。
ふたりの指先が互いのアヌス周囲の麝香分泌線を探る。
雪香にとって最高のコミュニケーションとはセックスだ。言葉は何の意味もない。言葉はうそをつくからだ。
だから雪香は言葉を信用しない。
ディザイア─この肉の交わりこそが全ての真実であり、なにものにも勝る。嗅覚、体温、視覚、感触、快楽だけは嘘をつかない。
百の愛の言葉を送られるよりも、一度のセックスのほうが魅力的だ。雪香は手錠をかけた掌を強く握った。
ドクッ、ドクッと心臓が胸板を激しく乱打した。
めまぐるしい甘美さが内部を駆け巡った。身体が熱く火照る。朧の唇を一層、激しく求めた。求め狂った。
熱い舌が絡みつく。
雪香は舌で朧の存在を実感した。母の面影を追っていた雪香は当初、朧を母の代わりと愛していたが、今はひとりの人間として心から愛していた。
いや、それも正確ではない。人はやはり過去の呪縛からは逃れられない。朧と肌を合わせると、心のどこかで母の温もりが喚起する時がある。
雪香は元々レズビアンだ。朧に出会う前は男に興味を持つ事が無かった。出会った時も最初は異性として認識していたとはいい難い。
雪香がレズビアンに走ったのは未だに母親離れできないせいだった。朧の言葉を思い出す。
『俺はお前の母親の代用品じゃない』
その一言が雪香に何かを目覚めさせたのだ。朧に対する茫洋とした性の認識が定まった。唇を離した。欲情に濡れ輝く雪香の瞳。
「今日はこっちでしようか……」
しなやかなタッチで朧のペニスに触れた。柔らかい肉茎を指弄して雪香は楽しむ。徐々にペニスが硬度を増していった。
「雪香がしたいことをすればいいよ。俺はどっちでもかまわない」
高鳴る胸、女の肉裂が熱く疼いた。ふたりは床に身体を横たえ、もう一度キスを交わす。ペニスを握ると雪香は膣口に導いた。
最初は鈴口で自分のクリトリスを弄り、温かい蜜液で秘所をトロトロに濡らしてから挿入する。
「ああ……ッ」
半ばほど没したペニスを締めながら、雪香は自ら腰を動かした。朧の薄い胸板に噛み付く。痛みに朧は僅かに表情を曇らせた。
「美味しい……」
「痛いからあんまり強く噛むなよ」
「……ごめん」
謝りながら朧の薄桃色の乳首の幹を甘く愛咬する。形の良い乳房が小刻みに揺れた。雪香の息遣いが荒くなり、美しいラインの眉根が歪んだ。
「んんん……ッ、ああ……あああッ」
膣壁がペニスを擦るほどに、朧は亀頭の先端に熱い血流を感じた。汗が額に浮かぶ。こめかみから頤を伝わって汗がこぼれた。
「はあぁぁ……もっと、もっと奥に欲しい……ッ」
雪香は呻くように呟くと腰をさらに密着させてペニスを割れ目の奥へと呑みこむ。膣内は激しくうねり、せり上がった恥骨が当たる。
「もう、もう駄目……あああッ」
おびただしい愛液を股間をまみれさせながら、雪香は激しく腰を荒打ちさせた。背筋に凄まじい喜悦が走った瞬間、ふたりは達していた。
                 *  *  *  *  *  *
ベッドで安らかな寝息を立てる雪香の頬を朧は軽く舐めた。隠し持っていたを後ろ髪から抜く。手錠の鍵穴にヘアピンを差し入れた。
小さなレバーの部分をヘアピンで回す。はずれた手錠から手首を引き抜いた。雪香が起き出さないように静かにベッドから降りる。
クローゼットからトレンチコート、書斎から本を一冊失敬する。久しぶりに外の世界を見たかった。玄関を開けて外へと出る。
庭に視線を向けた。ドーベルマンは吠えもせず、ただ朧を見つめた。何かに誘われるかのようにふらふらと朧は道玄坂方面に足を運んだ。
気が向けば帰ってくるし、気が向かなければ帰らない。糸が切れた風船のように風の向くまま気の向くまま、自分の本能に従って朧は行動する。
東に風が吹けば東に飛び、西に風が吹いたら西にいく。流れ流れてこの世を漂い、好き勝手出来ればどこで野垂れ死にしようが一向に構わない。
須臾の時間、この刹那の時だけを生きる。昨日も無ければ明日もない。
明日を信じたところで何が起こるかわからない。昨日を振り返ったところで、過去が変わるわけでもないのだ。
明日という予測のつかないモノを信じてストレスを抱え、己を殺して生きるよりは今日を好きに生きて明日死んだほうがいい。


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