【兄妹だけど】生殺し妹文学館【愛し合う】第十六巻
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200:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/08/20 05:15:27 nZy8mUbz
全然ちがうだろ、この場合
これくらいの話なら今までにも何個かあった
だいたい話し作るのに、ただでさえ「妹」って言う縛りがあって大変なのに
さらに、これはダメあれは気に入らないなんて言ってたら、マジで書く話がなくなるぞ
このスレは妹話が好きなやつが集まってるんじゃないのか
妹に関する話が好きだからこそ、いろんな話を読んでみたいとは思わないのか
もし話が気に入らなのなら、作者を非難するんじゃなくって
自分で話しつくって書き込んでみろってことだな
そうすりゃ、スレはにぎわうし
作者の大変さが少しはわかるってもんだ
201:『鬼畜兄とッョィ妹』弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/20 06:02:45 VjpTPpOn
・・・二人の反応に思い当たる節があるように、沙耶は少し困ったような表情で言った
沙耶「和哉さんの、妹です」
恵理子は驚いた表情を見せ、警官は渋い顔になる
恵理子『あいつに妹がおったんや〜!?』
全然似てへんな〜等と思いながら、それは口に出さず沙耶を観察する
警官「・・・、んで? どうすんの?」
沙耶「・・え?」
キョトンとする沙耶と、あからさまに投げやりにな態度になった警官を訝しむ恵理子
そんな空気の中、手続きを済ませて交番を出る、・・・結局 沙耶は示談する事を選んだ
もっとも、常習者である痴漢男は余罪を追求され、起訴される事になるが・・・
202:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/20 06:05:25 VjpTPpOn
恵理子「なんやあのオマワリ感じ悪いなぁっ 痴漢された子に向ける態度ちゃうで!」
沙耶「仕方ないです・・、和哉さんの事で色々と御迷惑をかけてしまってますから・・」
沙耶に対する警官の態度に憤りを顕にする恵理子を宥める沙耶
二人は歩いて登校するには学校までの距離があり過ぎたので、近くのバス停に並んでバスを待っている
恵理子「ん〜 ほんまに和哉の妹さんやねんなぁ?」
沙耶「はい・・、義理になりますけど」
恵理子「ああっ それで似てへんのや ・・・て、ごめん」
沙耶「・・いえ」
失言を詫びる恵理子に、沙耶はなんでも無さそうに微笑みを返す
恵理子「・・・なぁ、和哉って普段家ではどうなん?」
沙耶「和哉さんの普段、ですか?」
203:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/20 06:07:47 VjpTPpOn
恵理子「ん〜 なんていうか・・・、家におる時と外におる時で全然性格違う人とかおるやん?」
沙耶「ああ・・、そうですね 和哉さんは家ではあまり変わりませんよ?」
恵理子「どっちに? 怖い方? それとも爽やか君?」
沙耶は唇に指を当てながら少し逡巡すると、ポツリと言った
沙耶「追い詰められている方・・・だと思います」
やがてバスがやって来たので乗り込む、出勤や通学客が居ない時間帯なので車内は空いていた
なんとなく、二人並んで一番後ろの座席に座る ・・・恵理子は沙耶の言葉に考え込んでいる
バスが走り出して数分、意を決したように沙耶が話しかけてきた
沙耶「・・あの、和哉さんは 学校ではどうですか?」
恵理子「ん、ん〜〜〜・・・ まぁ〜 なんというか・・・」
204:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/20 06:16:39 VjpTPpOn BE:435775474-2BP(0)
・・・恵理子は悩んだ末、ここ最近の変化を微妙に詳細を省きながら説明した
沙耶「・・・・そうですか・・、また 学校を変わられる事になるかもしれませんね・・」
恵理子「そんなに何べんも転校してんのん?」
沙耶「・・はい、色々と問題を起こしてしまって・・その度に」
恵理子「ふーん・・あんたも難儀な兄ちゃん持って大変やなー」
和哉の本性を見ている恵理子は、この大人しそうな沙耶に同情した
沙耶「いえ・・、私は和哉さんと居られるなら別に・・」
そういって頬を染める姿に、思わず固まる恵理子
恵理子「な、なぁ・・・ もしかして、アイツってあんたにはめっちゃ優しいお兄ちゃんしてるとか?」
沙耶「・・・優し・・かったですね・・・ 今は、余裕がないみたいで・・」
205:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/20 06:18:35 VjpTPpOn BE:233451735-2BP(0)
・・・バスが恵理子の降りる停留所に到着した
恵理子「うーん、余裕が無い ねぇ・・・ あ、着いたわ ほなまた・・・あ!」
降りようとして思い出したように振り返り、沙耶の手をとって握手しながら
恵理子「あたし恵理子、高坂 恵理子 ほな、またねー沙耶ちゃん」
沙耶「!・・はい、ありがとうございました」
手を振ってバスの階段を飛び降りる恵理子に、沙耶は笑顔で応えた
次の停留所を目指して走り出すバス
学園の通学路を猛ダッシュして行く恵理子の後姿を見送りながら
沙耶は恵理子に握られた手をそっと胸元で包み込む
沙耶『恵理子さんか・・・』
206:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/20 06:21:09 VjpTPpOn
とりあえずここまで
***
207:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/08/20 12:18:36 IaRDMOwf
>>200
出たよ定番、「文句言うなら自分で書け」。
ところで、上と同じく弾の灯と長文擁護の書き込み時刻が異様に近いのは
もはや仕様と見なしてよろしいのかとwww
208:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/08/20 12:20:39 IaRDMOwf
ビルゲイツに文句言うならてめえがOS作れとか
栃木県警のレベルに文句言うならおまえが警官になれとか
汚職がいやなら政治家になって日本を治せとか
本当にせちがらい世の中ですことwww
209:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/08/20 12:24:17 IaRDMOwf
それと
>だいたい話し作るのに、ただでさえ「妹」って言う縛りがあって大変なのに
>さらに、これはダメあれは気に入らないなんて言ってたら、マジで書く話がなくなるぞ
>このスレは妹話が好きなやつが集まってるんじゃないのか
>妹に関する話が好きだからこそ、いろんな話を読んでみたいとは思わないのか
このあたりはすでに>>169で論破され気味なわけでwww
210:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/08/20 17:27:18 /8T9aXCS
|・ω・`) ・・・
|´;ω;`) 残業まみれでようやく上がったらスレ荒れてる・・・
|`・ω・´) 今度はそれなりだと思う!タブンネ!
↓
211:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/08/20 17:31:27 /8T9aXCS
いつだって君だけを見ている。
この狭い世界で咲き誇る君を。
世界の中心で咲き誇る君を。
その美しい花弁を風に乗せて運び。
全ての人々に幸せと感動を与える。
自分の周りにも気を遣い。
全てが調和するように己を削り。
212:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/08/20 17:33:44 /8T9aXCS
数多くの人々に愛され。
いかに美しいと褒め称えられても。
決して驕らず、気高く咲き続ける。
その茨の棘を盾にすることもなく。
全てを平穏のままに完結させてしまう。
君は僕の一番の誇りで。
君がいるからこそ僕があるんだ。
213:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/08/20 17:36:06 /8T9aXCS
完璧すぎる世界樹の花。
その花はいつから咲いていたのだろうか。
――それは、僕の妹が地中深くで養分になった時から――
.
214:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/08/20 17:38:33 /8T9aXCS
君よ、咲き誇れ。
さあ、もっともっと咲き誇れ。
この狭い世界に君を広めるために。
世界全てを君のモノにするために。
215:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/08/20 17:46:21 /8T9aXCS
…以上です。やっぱり一部ダークなのは仕様です。諦めて南無られてください(・ω・`)
作品名は「イグドラシル」です。
ユグドラシルとかイグドラシールとか諸説ありますがその辺は割愛の方向でwww
ところでセカチューってどんな話なんですかね?私読んだことないんですが⊂⌒つ。A。)つ
懲りずに短編ばっかり書いて固めてみますた。↓
URLリンク(kasamatusan.sakura.ne.jp)
パスはいつものです。分からない人は>>7を10回音読すれば分かると思いますヾ(*゚∀゚)ノ゙
それじゃあ今日はこの辺で。やいのやいの叩く前にマターリ推奨ですYO皆さん(・∀・)
216:向こうの230 ◆EldeW1Y/XY
06/08/20 18:15:44 /8T9aXCS
そうでした、大切なこと言うの忘れてました!
【21歳未満&夏厨】↓ここから↓【必読ですYO】
「バッドエンド(´゚д゚`)ヤダ」「短編とか('A`)ミジカスギ」な方には私の作品はオススメシマセン。
長い作品を書けない人なんで、作品に印象づける為にグロ展開とか(個人的に)よくある話なんです(・ω・`)
私らはあくまで趣味人であってプロじゃないので、書きたいものを書いてるだけなんです。
(私だけじゃなくて)このコテの作品は嫌だなーとか思ったら手間でもあぼーん。これ大人の2chの鉄則。
それが出来ない人は残念ですが大人じゃないので、河川敷でBBQでもして夏堪能しといてください⊂⌒つ。A。)つ
【21歳未満&夏厨】↑ここまで↑【必読ですYO】
これ書くのに30分も掛かっちゃったじゃないかパパン!お腹空いたよ! [台所]...λ
217:三国 ◆V72uzrF0y2
06/08/20 22:39:47 xlPmUIc3
こんな雰囲気じゃSSなんてとても…
ゴメン、雰囲気とか関係ないです。書けてませんorz
まぁあれですよ、どうせ叩くなら兄妹ネタで書くとかどうっすか?
218:適当に書いてみる ◆V72uzrF0y2
06/08/20 22:44:36 xlPmUIc3
妹「兄さん…兄さんは私に愛の言葉をささやいてるだけでいいんです。他の言葉は必要有りません」
兄「何だよそれ。俺がどんな言葉を口にしようが勝手だろ!」
妹「兄さんはわかってませんね…私が聞きたくないんです。理由はそれで十分です」
兄「うるさい!聞く耳持たん!」
友「ねぇ、言い争いの原因って何?」
妹「昨日兄さんと2人でカラオケに行ったんだけど、兄さんがラブソング以外の歌を歌うもんだから…」
友「……は?」
兄「だから、そんなの俺の好きに歌わせろよ!」
妹「ダメです。私は兄さんが愛を歌うところを聞きたいんです」
友「…ゴメン、仲裁するの止めるわ…」
219:FXD ◆FXD/.woKRg
06/08/20 23:47:45 L7LG71xl
ここ最近猛暑続きですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
「お兄ちゃ〜ん‥‥暑くて寝られないよ〜」
「‥‥だったら俺のベッドに入ってこなきゃいいだろ?」
特にオチはないです、すいません‥‥
220:『鬼畜兄とッョィ妹』弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/21 01:49:31 Wn1czk0o
・・・恵理子の通う学園 昼休み
どんよりと雲っていた空は遂に泣き出し、ノイズのような雨音を校舎内に響かせる
智子「ふ〜ん、和哉君に妹さんねぇ」
麻由美「沙耶ちゃんかぁ」
何時も通り、三人は近くの机を合わせて弁当を突付いていた
恵理子「うん・・、で あの子の言ってた普段の和哉が『追い詰められてる』ってのが気になってなー」
智子「まあ、確かに今の和哉君の状況なら分かるんだけどね」
麻由美「でも、恵理子ちゃんが和哉君の事気にするんなんて・・・」
智子「恵理ちゃん・・・もしかして、まだ和哉君のこと・・・?」
恵理子「まひゃかっ ないない、それは絶対ない」
221:支援 ◆orz..c5K0U
06/08/21 01:51:10 guis1Fer
(・∀・)
222:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/21 01:52:12 Wn1czk0o
・・・コロッケを口に運びながら箸を振り振り否定する恵理子をちらりと一瞥すると、智子はごく自然に一言
智子「まあ、恵理ちゃんはお兄さんと結ばれたもんね」
恵理子「うん・・・(もぐもぐもぐ)・・・・ ハッ!」
はたと気が付き、恐る恐る二人の顔を見上げる恵理子
智子「(にや〜〜り)ほーう♪」
麻由美「(にや〜り)へーえv」
恵理子「あ・・あう」
智子「じゃあ、詳しく聴かせて貰いましょうかぁ♪」
麻由美「しょうかぁv」
妖しげな笑みを湛えてにじり寄って来る二人から逃げる術が、恵理子にはなかったのだった
223:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/21 01:54:44 Wn1czk0o
・・・雨音が響く薄暗い部屋の中で、和哉は独り ベットの中でうたた寝をしていた
沙耶の匂いの残るシーツに包まれ、雨音を子守唄替わりにして浅い眠りに付く
やがて、うなされ 目が覚める そしてまた眠りに付き うなされて伸ばした手が宙を掻く
あの日の悪夢に うなされ続ける 目覚める度に足掻き続ける
和哉「・・沙耶ぁ・・・」
---------------------------------------------------------------
―夕刻
雨の中、沙耶は帰路を急いでいた
沙耶『和哉さん・・ ちゃんとご飯、食べたかな・・」
224:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/21 01:57:15 Wn1czk0o
・・・パシャパシャと水溜りを避けながら走り、ようやく家に辿り着く
沙耶「ただいま 帰りました」
玄関で靴を脱ぎながら耳を澄ませてみるが、和哉が呼び出す気配は無い
沙耶『眠っているのかな・・?』
玄関に並べられた和哉の靴は、朝出掛ける時そのままの状態だった
水を吸って湿ったソックスも脱いでバスルームに向かい洗濯籠に入れる ・・・シャワーを使った形跡がある
キッチンに移動し冷蔵庫の中を確かめると、ラップされた和哉の朝食と昼食がそのまま残されていた
沙耶はラップされている昼食をレンジに入れ、温めている間に部屋で着替えを済ませ
それをトレイに乗せて和哉の部屋に向かった ・・・一応、空の皿も添えて置く
沙耶『今日は・・ 必要ないかもしれないけど・・』
225:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/21 02:00:21 Wn1czk0o
深夜早朝分ここまで
**
>221
まいど支援ドモー(・∀・)
226:『鬼畜兄とッョィ妹』弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/21 09:37:04 6ksw0ZXB
・・・和哉の部屋―‐ ノックにも呼び掛けにも返事は無かったが、鍵は開いていた
沙耶「和哉さん? 入りますよ?」
そう言って部屋に入ると、部屋の中はほぼ昨夜部屋を後にした時のままだった
ガラステーブルにトレイを置き、脱ぎ散らかされた服を畳んで纏めると
ベットでシーツに包まっている和哉に声を掛けようとして気付く
沙耶『・・お酒の臭い?』
膝立ちでベットに乗り、そっとシーツを捲って覗き込むと
ウィスキーのボトルを抱えて泥酔している和哉が、鼾とも呻きとも付かない声で唸っていた
沙耶『ああ・・ またお姉さんのお酒を持ち出してる・・』
まだ半分程残っているボトルをとりあえず没収して、水を汲みにキッチンに向かう
227:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/21 09:39:23 6ksw0ZXB
和哉「・・・ぅ〜〜・・・」
冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取り出し、コップを持って部屋に戻ると
頭をボサボサにした和哉が寝惚け眼で半身を起こし、ゆらゆらしながらボーーとしている
沙耶「和哉さん、お水」
和哉「んん・・・」
沙耶からコップを受け取り、注がれた水を飲み干す
沙耶「さ、お腹空いてるでしょう? ちゃんとお食事してください」
和哉「んー・・・」
沙耶に手を引かれてノロノロと起き上がり、テーブルに付く
沙耶「はい、あ〜ん?」
228:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/21 09:41:34 6ksw0ZXB
和哉「ぁー・・・ あ?」
差し出されたスプーンに口を開きかけた所で、目に焦点が戻った
和哉「・・・」
黙って沙耶からスプーンを引っ手繰ると、黙々と食べ始める
沙耶は少し残念そうにしていたが、空になったコップにミネラルウォーターを注ぐ
和哉は空の皿をしばらく見ていたが、そのまま昼食のチャーハンに視線を戻して言った
和哉「・・・、・・・・済んだら呼ぶ・・」
沙耶「はい・・」
スプーンの腹が皿の表面を叩く音と時折コップを置く音だけが雨音の混じった静かな部屋に響く
沙耶は使われなかった空の皿と洗濯する衣服を持って和哉の部屋を後にした
229:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/08/21 09:42:22 YmBHjaSJ
支援してみる
230:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/21 09:46:13 6ksw0ZXB
和哉『・・・くそ・・・ 雨の日はいつもあの夢を見やがる・・・ あの夢を見たら、俺は正気で居られなくなる・・
・・・いや、正気に戻るのか? ・・・どっちでもいい・・・ 俺は、支配者でなければならないんだ!』
チャーハンの乗ったスプーンを差し出す沙耶の姿を思い浮かべる ‐―『はい、あ〜ん?』―‐
和哉『・・・一口くらい、・・食っとけばよかったか・・・』
夢の中の沙耶の姿が頭を過る・・ 雨音に包まれた・・ 暗い部屋の中で・・ ”おめかし”した服は乱れ・・
和哉『いや駄目だっ! 沙耶は俺が支配していないと駄目なんだ! 隙を見せたらアイツは・・・!』
虚空を睨みながら心の中で喚き散らす、黙々と口にするチャーハンの味も分からない
和哉『アイツは・・・! 直ぐに誰かに抱かれちまうんだ・・・・ そんな事はさせない! アイツを・・・!
沙耶を抱いていいのは・・・俺だけなんだっ! ・・・他の誰にも渡さない・・・ だから支配してなきゃ駄目なんだ』
231:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/21 09:49:08 6ksw0ZXB
とりあえずここまで
**
>229
支援どもーっす
232:三国 ◆V72uzrF0y2
06/08/21 22:25:03 pXfjrKhp
>>231
腐った理由が徐々に明かされていきますね
いつ歪んだのやら…
233:『鬼畜兄とッョィ妹』弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/22 02:02:20 XcXnbVYy
・・・翌日 高坂家
恵理子&俊介「いってきまーす」「いってくるぞー」
昨日と変わらず揃って家を出ると、バス停に向かって並んで歩く
恵理子「せや、おにぃ 今日買出し行くから、何時ものとこで待っとってな?」
俊介「ん、もうそんな日か・・ 分かった、遅れそうなら電話する」
やがてバス停に到着、5分と経たずにやってきたバスに乗り込む
恵理子「あ、沙耶ちゃんや おはよー」
沙耶「恵理子さん・・ おはようございます」
俊介「友達か?」
234:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/22 02:05:15 XcXnbVYy
女子高の制服に身を包んだ長い黒髪の大人しそうな見慣れない少女を見て、俊介は首を傾げる
恵理子「うん、如月 沙耶ちゃん ・・・って ”アレ”の妹さん」
そう言って親指で後方を指す その先には
和哉「・・ふん」
憮然とした和哉が吊革を掴んで立っていた
俊介「おお、ライトよ 元気か」
和哉「誰だよっ! ライトって・・」
沙耶「恵理子さん・・・ ”アレ”呼ばわりは酷いです・・・」
恵理子「あっ あ、ごめんな〜」
俊介は恵理子を座らせ、隣に沙耶も座らせて座席の傍に立つ
235:支援 ◆orz..c5K0U
06/08/22 02:06:44 rfVCSgGY
(・∀・)
236:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/22 02:07:39 XcXnbVYy
・・・バスに揺られながら、微妙に周囲とは違った空気を纏いながら言葉を交わす4人
恵理子「にしても・・・ あんた、よう出てくる気になったなぁ?」
和哉「・・・」
俊介「どっちかっつーとエルかなぁ・・・」
沙耶「あ、デス○ートですか?」
恵理子「なんかアンタのファンクラブの連中が解散して”黒い和哉君ファンクラブ”とかいうのが出来てるで?」
和哉「・・ふん」
俊介「お、漫画とか読むのかな?」
沙耶「学校の班の子が、よく持ってくるんですよー」
恵理子「なんやのさっきから中途半端なシカトして、拗ねてんのか!」
和哉「うっせぇーなぁ!」
俊介「まぁまぁ、落ち着け恵理子」
沙耶「和哉さん・・」
237:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/22 02:10:03 XcXnbVYy
・・・商店街の停留所で俊介はバスを降りる、恵理子、沙耶、和哉達の降りる停留所はまだ先だ
会社に向かう俊介に手を振る恵理子、隣で沙耶も控えめに手を振り、それに両手を身体ごと振って応える俊介
恵理子「あー! もうっ 普通に振り返しゃいいのに(///)」
沙耶「ふふ・・ 面白い人ですね、恵理子さんのお兄さんって」
そんな様子を一人、黙って見ていた和哉が不意に口を開く
和哉「・・・・・・お前んとこ、二人暮しなんだよな・・」
恵理子「ん? そやで? おにぃの収入結構いいから、親の仕送りも手ぇつけてへんし」
沙耶「・・・和哉さん?」
和哉はそれっきり黙りこむと、俊介の去った方向をじっと眺めていた
やがて学園前停留所に到着、沙耶を残して恵理子と和哉はバスを降りた
二人に手を振る沙耶は、さらにバスの向かう先にある女子高前まで乗って行く
238:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/22 02:12:32 XcXnbVYy
恵理子「まあ、気ぃつけや?」
驚く和哉の視線を他所に、恵理子はそう言って何時も通りバス停から学園の門まで猛ダッシュ
和哉はこれまでのように爽やかな笑顔を振りまく事も無く、憮然とした表情のまま登校する
驚愕の視線、訝しむ視線、嫌悪の視線、好奇の視線、敵意の視線
あらゆる種類の感情を纏った視線が和哉に向けられていた ・・・中には熱い視線もあったようだが
和哉『ふん・・ あいつ等(不良グループ)は停学中だったな・・』
ちなみに和哉には別段何の処置も無い、学園の運営資金と学園長辺りの懐が暖まったりしたのだろう
和哉が問題を起こす度に父親の財布が振られる事になる ・・・もっとも、如月財閥の会長である父親の財布だ
和哉『大したダメージにもならないか・・・ だが・・・ あまり親父に金を出させると
そこから沙耶に干渉されるかもしれない・・ ・・・暫らくは大人しくしておくか・・』
239:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/22 02:15:52 XcXnbVYy
深夜早朝分、ここまで
**
>232
ちょっとづつ所々に原因の描写を入れてますが
この時点ではまだ分かり難いかも
>235
今日も絶妙な支援ドモー(´∇`)
240:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/08/22 09:57:31 v42mo/3H
弾の灯のガキさ加減は無視…と。
241:『鬼畜兄とッョィ妹』弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/22 15:56:01 tS6BNqjU
教室に向かう途中、すれ違う生徒達は皆一様に和哉の姿を見ると脇に避けた
和哉はそれを満更でも無く思っていた ・・・支配者で無くてはならない自分にとって、良い傾向だと思ったのだ
女生徒「あ、あの・・ 和哉君」
そんな中、数人の女子生徒グループの一人が声を掛けて来た
訝しげに眉を顰めて顔を向ける和哉に、彼女等は何故か『キャー』とかいう黄色い悲鳴をあげている
和哉「・・・? なんだよ、お前等・・・ まだ俺に興味があんのか?」
凄んでみたつもりだが、女性徒達は返ってそれを喜んでいる ・・・流石に少し引きが入る和哉
242:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/22 15:59:42 tS6BNqjU
最初に声を掛けてきた女生徒の両側に、さらに二人並ぶと『せーのっ』とタイミングを合わせる掛け声と共に
DKK1「私達、ダークな和哉君を応援するファンクラブを結成しました!」
DKK2「名付けてD(ダーク)K(キング)K(カズヤ)ですv」
DKK3「応援してますから、これからも学園に来て下さいねっ♪」
そう宣言して、『キャー』とか言いながら走り去ってゆくD・K・Kを和哉はポカンとした顔で見送るのだった
------------------------------------------------------------------------------
・・・沙耶の通う女子高 更衣室
体育の授業の為、更衣室で体育着に着替える女子高の乙女達の花園は
女生徒「きゃああぁ〜〜〜〜〜〜〜〜! ち、ちょっと明美ちゃんっ そこダメェ!」
明美「う〜ん 中々いい感じに成長してまんなぁ〜♪ 彼氏に毎日揉んで貰ってんのかなぁ〜?」
中々混沌としていた
243:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/22 16:02:27 tS6BNqjU
明美「さ〜やちゃんっ♪」
<<もみもみっ>>
クラスメイトの友人が何時もの如く、体育の授業の着替えに託けて
セクハラ紛いのスキンシップを仕掛けてくる
沙耶「明美ちゃん・・ またスキンシップ巡りしてるんですか?」
明美「んもぉ〜 相変わらず沙耶ちゃんはリアクション薄いなぁ〜 ・・でも相変わらずエロイ乳してまんなぁ〜♪」
<<も〜み も〜み>>
沙耶にとってこの女子高で最初に出来た友人が、このセクハラ女子高生 ”山野 明美”だった
彼女は中堅会社の社長令嬢だが、そんな素振りを感じさせない かなりの庶民派で
実はユリではないかと噂される程の女体好きを発露、隙在らばだれかの胸やお尻を触っている
体育や水泳の授業ともなると、他所のクラスにまで出掛けて行く程で ”セクハラ女王”とまで呼ばれている
沙耶「うふふ・・ 私、エッチですから」
明美「うきゃ〜〜♪ そういう事いいますかこの子はーーーーっv」
244:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/22 16:04:36 tS6BNqjU
自分も含めて所謂『令嬢』と呼ばれる立場にいる者の多いこの学校では、この手のスキンシップに免疫がない
今時珍しい箱入り娘なる存在が多々在校しており、相手を間違えれば本気で泣かせてしまう事もある為
ターゲットに関する事前情報の収集に余念がない明美だが、沙耶に関する情報だけは何故か収集芳しくなかった
沙耶「明美ちゃんは 着替えないんですか?」
大手財閥、如月グループの令嬢、見た目も雰囲気もおっとりしていて大人しそうな沙耶だけに
細心の注意を払いながら手探りでのスキンシップを敢行し、何処までならOKなのかを割り出そうとした
明美「あ〜 あたし今日は見学」
その結果、天然なのか肝が据わっているのか、明美の脇腹タッチやお尻タッチにも全く動じる気配は無く
何時かの水泳の授業の日、同年代の子にしては在り得ない程成熟したそこはかとなくエロチズムを感じさせる
沙耶の豊満な胸に思わずダイブしてしまった折、そのまま抱き締められて撫で撫でされてしまうという
明美のセクハラ人生で初の敗北(何故?)を喫するという出来事があり、それ以来の親友として付き合っている
245:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/22 16:07:13 tS6BNqjU
明美「あれ? 沙耶ちゃんこれアザ?」
沙耶「ああ・・ 珍しく残ってたんですね、普段なら直ぐに消えちゃうのに」
沙耶の胸と鎖骨の間に赤いアザが薄っすらと残っていた
明美「なんのアザ?」
沙耶「う〜ん、なんでしょう?」
クスリと笑ってはぐらかす沙耶に、明美は何時ものオヤジ振りを発揮してセクハラな追求を試みる
明美「うう〜〜む、 ズバリっ 彼氏のキスマーク! んもぉ〜沙耶ちゃんたら見かけによらずアダルトォ〜」
そんな明美のオヤジ発言に、クラスメイト達は何時もの苦笑や羞恥の表情を浮かべながら
沙耶が何と言って切り返すか耳を欹てる ・・・そんな彼女等を、沙耶はたった一言で凍り付かせた
沙耶「昨夜は・・・ 特に激しかったですから(ぽっ)」
246:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/22 16:10:38 tS6BNqjU BE:980494979-2BP(0)
沙耶「冗談ですよ? ふふ♪」
周囲の驚愕と固まりっぷりにも動揺すら見せず、物静かな雰囲気を保つ様は余裕すら感じさせる
明美「び、びっくりした・・・ もう〜沙耶ちゃんの天然っぷりには勝てんわぁ」
凍り付いていた更衣室の空気が和やかなモノに変わるのを感じつつ
沙耶は一人、ほっとしながらも自戒の念を抱くのだった
沙耶『痕跡には気を付けないと・・・』
結局アザの正体を有耶無耶にした事に気付かせず、何食わぬ顔で体育の授業に向かう沙耶なのであった
****
今日はここまで
247:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/08/22 18:24:57 CfRRI+yT
さややん意外に強いw
248:三国 ◆V72uzrF0y2
06/08/22 21:57:58 SWHk3MAo
>>247
それで『ッョィ妹』なわけですな
249:『鬼畜兄とッョィ妹』弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/23 10:36:19 2OGnwAOh
―夕刻 沙耶の通う女子高
明美「じゃあね〜沙耶ちゃんっ」
沙耶「はい・・ また明日」
校門の所で別れて明美は寮のある坂上の方へ、沙耶はバス停に向かって坂を下り始めた
沙耶『今日のお夕飯は何にしようかな・・』
今日は沙耶が食事を担当する日なので、商店街に立ち寄って買い物をする予定だ
夕日に差し掛かる少し前位の薄く茜掛かった空を眺めながら、献立の材料を思い浮かべていた
--------------------------------------------------------------------------
恵理子「さーーて、今日は買出しやーー ほなあたし急ぐから帰るわなー」
智子「あ、恵理ちゃん ちょっと待ってっ」
250:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/23 10:38:41 2OGnwAOh
・・・商店街
恵理子「・・・なぁ〜 ほんまに付いて来るん〜?」
智子「もう来ちゃってるし♪」
麻由美「楽しみやなぁv」
何処と無く落ち着きの無い、気が進まなさそうな恵理子と
なんだか機嫌の良い智子&麻由美の三人が、制服姿で商店街を歩く
俊介「あれ? 智子と麻由美も一緒か」
恵理子「あはは・・・ まあ、ちょっと」
智子「こんにちは〜 お兄さん」
麻由美「俊介さん、こんにちは〜」
待ち合わせ場所で荷物持ち担当の俊介と合流し、買出しの店巡りを始める
251:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/23 10:40:54 2OGnwAOh
智子「所でお兄さん」
俊介「なにかね智子君」
恵理子「・・・(ちらっ)」
早速と言った感じで行動を開始する智子と、顔を赤らめて気まずそうにする恵理子
智子「恵理ちゃんと・・・ 何処まで行ったんですか♪」
俊介「・・・し、市民プールより向こうには最近行ってないかな」
麻由美「わぁ〜どもった〜♪ しかも誤魔化せてへん〜♪」
恵理子「・・・(かぁ〜///)」
俊介「・・・恵理子」
恵理子「あはは・・・ やっぱおにぃでも誤魔化されへんかったか・・」
智子「ふむふむ♪ 二人してそこまで狼狽を見せるという事はっ」
麻由美「言う事はっ♪」
252:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/23 10:43:41 2OGnwAOh
俊介「く・・・ 駅前のショートケーキ2個で手を打とうじゃないか」
智子「ロイヤルストロベリーなら可」
麻由美「あ、あたしミルクチョコチップなら可〜」
恵理子「・・・ロイヤルチーズ」
俊介「なんでお前までっ!」
そんなやりとりをしつつ、買い置き用の食材やらその他、生活用品の買出しをして行く若い男と3人の女子高生達
傍目には生徒を引率する若い教師に見えなくもなかったが、援助交際しているようにも見える怪しい集団だった
俊介「激しくダメージを受ける俺の財布・・・」
----------------------------------------------------------------------------
・・・商店街 裏通りの路地
男子校生徒1「和哉の奴、今日も来うへんみたいやな もう連む気無いんちゃうか」
男子校生徒2「ちぇっ ええ金蔓やったのにな・・」
253:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/23 10:46:28 2OGnwAOh
男子校生徒3「ん? おい、アレ・・・」
路地に溜まっている男子校の不良グループの一人が、通りを歩く一人の少女を指差す
坂上の名門女子高校の制服、長い黒髪を軽く靡かせながら鞄と買い物袋を両手に提げて歩いていく
男子校生徒4「あれ、和哉んとこの妹やな」
男子校生徒1「へ〜 カワイイやん」
男子校生徒3「なぁなぁ、あの子ちゃうか? 和哉が持ってきたエロ写真の子」
男子校生徒2「えぇ〜? 妹やぞ?」
懐から手帳に入れてある写真を取り出して見比べる
男子校生徒4「ちょっ おま、生徒手帳に入れとんのかいっ」
男子校生徒3「いやほら、なんか似てへんか?」
男子校生徒1「言われてもなぁ・・・ こんだけ顔消されとったら分からへんて」
男子校生徒3「ちょー確かめてみぃひん?」
254:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/23 10:49:13 2OGnwAOh
夕飯の材料と妊娠検査薬、それに二日酔いの薬と避妊薬を買い込み
そろそろ帰宅の途に就こうとして時間を確認していた沙耶に、男子校の制服を着崩した4人組が近づく
男子校生徒2「さーやちゃんっ」
男子校生徒1「買い物してんの?」
沙耶「・・・あの?」
見知らぬ学生達に声を掛けられ、戸惑う沙耶
男子校生徒4「おれら和哉の知り合いやねんけど」
沙耶「和哉さんの・・ お知り合いですか」
結構身長のある体格のがっしりした、しかしどうみてもチンピラ風の4人組に囲まれる制服姿の沙耶の様子に
通り掛る人々は一様に怪訝な視線を向けるものの、皆それだけで通り過ぎて行く
沙耶「あの・・ 私に何か・・?」
255:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/23 10:51:49 2OGnwAOh
男子校生徒3「あんなぁ、ちょっと胸見せてくれへん?」
男子校生徒4「ちょ、おまっ ストレート過ぎw」
男子校生徒1「ぎゃははっ」
4人組は周囲を意識して自分達を誇示するかのように、おどけて見せながら沙耶をからかう
沙耶「急いでいるので、失礼します・・」
男子校生徒2「ちょちょちょっ 待ちぃーなって」
男子校生徒3「ちらっとでええねん、ちらっと」
男子校生徒4「ぷっ まだ言うw」
身をかわそうとする沙耶の行く手を阻むように、通せん坊しながら取り囲む
男子校生徒3「なぁこれ、沙耶ちゃんやろ?」
男子校生徒4「うはっ 見せるかw」
沙耶『あの写真は・・ この前の・・・?』
256:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/23 10:54:20 2OGnwAOh
朝の分、ここまで
***
>247
実は或る意味一番濃いキャラだったりします
>248
色々な強さがありますからね〜
257:『鬼畜兄とッョィ妹』弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/23 22:48:40 9VgX3Jm/
男子校生徒3「このホクロがポイントや思うねんなー」
男子校生徒2「あ〜 ほんまや、髪とか肩とかそれっぽいかも」
目を細めて写真と沙耶を見比べる男子生徒と、何がそんなに面白いのか 彼が何か言う度に笑うその仲間達
沙耶は彼等が仲間に顔を向けて何かを言った一瞬の隙をついて、スルリと包囲網から抜け出した ・・かに見えたが
沙耶「痛っ」
男子校生徒3「ちょー待てや言うとるやろが、逃げんなや」
写真を持った男子生徒の一人が沙耶の髪を強く引っ張った ・・・再び囲まれる沙耶
男子校生徒4「おほ この子結構素早いw」
男子校生徒1「まーまーまーまーまー」
沙耶「放して下さい!」
掴まれた髪を押さえて手を強引に振り払い、気丈に睨みつける
258:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/23 22:51:06 9VgX3Jm/
彼らの雰囲気が一変した
男子校生徒3「なんやワレ ・・調子のんなよコラ」
男子校生徒4「怒った 怒ったw」
男子校生徒2「おーっと 睨んでおりますw」
男子校生徒1「ぎゃはははは」
沙耶は諦めたように溜息を付くと、写真の人物のモデルが自分である事を認めた
沙耶「確かに、それは和哉さんが私を撮ったモノです ・・・胸を見せる気はありませんがホクロもあります」
『おおー』と湧き立つ男子生徒達
沙耶「それでは、失礼します」
今度こそ立ち去ろうとする沙耶の腕を掴み、正面に回りこんで三度取り囲む
259:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/23 22:53:11 9VgX3Jm/
沙耶「いい加減にしてくださいっ 怒りますよ?」
男子校生徒3「あぁ? 怒ったらどないやねん 怒ってみぃーや」
男子校生徒4「まあ、そない怒らんとw」
男子校生徒1「やっぱり直に見せて貰わんとなぁw?」
ある者は茶化し、ある者は恫喝し、ある者はそれらに便乗し、自らの行為を演じる事に自己陶酔する
連帯感という集団心理効果と一人の突出した行動が、彼らの行為をエスカレートさせて行く
男子校生徒2「んじゃ、トイレ行こか〜w」
男子校生徒3「おぉ・・ そこの公園のトイレ連れて行こか」
男子校生徒4「うはっ マジでw?」
抵抗する沙耶の両脇から肩を抱くようにして無理矢理連れて行こうとする
男子校生徒1「ちょっと見せて貰うだけやって、直ぐ済むから」
260:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/23 22:56:03 9VgX3Jm/
荷物を両手に大量に下げた俊介の前を、三人娘が並んで歩く ・・・手には其々ソフトクリームが握られている
俊介「恵理子〜 俺にもソフトプリ〜ズ」
恵理子「おにぃはがぶっと持ってくからいやや」
智子「口移しであげれば?」
恵理子「!?・・・んなっ」
そんな楽しい時間を満喫する会話が交わされる中、麻由美が前方の様子の異変に気付いた
麻由美「あれ、何してるんやろ?」
智子「うん?」
麻由美が指し示す先に視線を向ける恵理子&俊介&智子 ・・・そこには
男子校の制服を着崩した四人組に囲まれて強引に引っ張られている女子高の制服の少女の姿
恵理子「あれって・・・ ! 沙耶ちゃん!?」
261:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/23 22:58:46 9VgX3Jm/
恵理子は咄嗟にソフトクリームを麻由美に渡すと、俊介に声を掛けて走り出した
恵理子「おにぃっ 行くで!」
俊介「了解(ラジャ) 智子、荷物頼むな」
俊介は荷物を地面に置くと、クラウチングスタートの要領で恵理子を追走する
疎らな人込みを駆け抜け、相手の輪郭がより鮮明になり、その表情や皮膚の動きが認識出来る距離まで迫り
最初のターゲットに一撃くれてやろうと脚に力を込めた所で思わず立ち止まる
恵理子「な・・・」
一瞬、恵理子は何が起きたのか理解出来なかった
沙耶をとり囲んでいた四人組のうち、手前の二人がいきなり蹲るように膝から崩れ落ちた
沙耶の肩に手を回していた残りの二人も、突然膝を突いた仲間にキョトンとした顔をしている
その二人の腕を振り払ってゆっくり振り返った沙耶は、狼狽する二人の股間を 掴みあげた
262:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/23 23:01:29 9VgX3Jm/
今日はここまで
***
おやすみなさい・・・
263:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/08/23 23:01:45 22IR5VL8
支援
264:名無したん(;´Д`)ハァハァ
06/08/23 23:04:27 22IR5VL8
ouch
265:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/23 23:16:49 9VgX3Jm/ BE:1120565298-2BP(0)
>263-264
あははっタイミングずれましたね^^ でも支援ドモー
まじで寝ますzZ
266:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/08/24 03:16:55 B7nhvbnm
>215
仕様ですかそうですか…(・ω・`)
>219
御久し振りです。ヒッソリ続き待ってます。
>262
いよいよ馬鹿兄貴と合流ですか。鬼畜ネタで過敏に反応している人
もいますけど実際には安心して読める内容ですな(´∇`)
267:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/08/24 03:29:34 B7nhvbnm
そしてヒッソリと続きを投下します。
268:支援 ◆orz..c5K0U
06/08/24 03:30:31 R++Z0HCE
(*・∀・*)
269:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/08/24 03:31:35 B7nhvbnm
「まぁなんて行儀の悪い事。あんな子とうちの大切な娘を一緒に
試合させるなんて…」
「心配いりませんわ御母様、あの子とは今回は対決しません。まぁ、
仮に戦ったとしても、あんなの私が本気になれば…」
「聞こえたぞコラァ!」
「だから…止せって!」
「くそぉ!こうなりゃ今直ぐ決着…あぁ…離せぇ!!」
「だから…いちいち暴力で解決しようとするなぁ!!」
暴れる日向を俺は必死に抑える。
そんな俺達を尻目に後続の車から降りてきた男が騒ぎの元凶に
対し毅然とした態度で言い放つ。
270:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/08/24 03:33:51 B7nhvbnm
「おぉい、後が閊えてんだ。悪いけどその下手糞な停め方してる
車をさっさとずらしてくれないか?」
向こうもようやく過ちに気付いたのか、単に圧倒されたのか、
ようやく斜めに停めた車を移動し始めた。よく見れば後続の車は6m
近いサイズのリムジン。無闇に自分の持ち物を自慢する小金持ち
でも安易に購入出来ない車だ。
「お…おい兄ちゃん、何だよあれ…」
「凄ぇな。」
そして降りてきた白人の女の子は後部座席から出した竹刀や防具
入れを乱雑にトランク蓋目掛けて乗せている。
「お…おい、傷付いたら…」
271:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/08/24 03:36:45 B7nhvbnm
「え〜お父さんもいつもこうしているよ。それに、車なんて道具
だよ。骨董品じゃないんだから擦り傷くらい気にしない。」
「あ…ああいうのが本当の大金持ちかな?」
「そ…そうかも…」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
合同稽古を経ての交流試合。
さすがに大将戦待ちなので日向の出番を待つ間が長い。しかし稽古
開始前から恐ろしく賑やかな遣り取りも多く、いざ試合が始まっても
中堅戦の判定を巡っての乱闘騒ぎも有り、幸いにも(?)退屈する事は
なかった。
そして肝心の試合も見ている方には楽しげな展開だった。
272:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/08/24 03:39:06 B7nhvbnm
「場外!」
勢い良く日向に弾かれた相手が観戦中の仲間目掛けて飛び込む。
怪我の心配をしてなのか、すかさず周囲がそれを躱しながらも素早く
取り囲む。
「へへ…楽勝だな。お〜い、早く戻れよ。」
だが試合再開と同時に事態は急変する。
「始め!」
動きが急変。先程までのスタミナ切れは何処へやら。猛烈なラッシュ
が日向を襲う。
「んぉ…な…何だぁ!?」
273:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/08/24 03:41:31 B7nhvbnm
形勢逆転。さすがの日向も唐突な復活劇に翻弄される。
「く…この!な・・・何で急に…わぁ!!」
「一本!」
「しまった!!」
離れ間際に打たれた篭手が決まり日向は惜しくも敗れた。
「あ〜あ、さすがに敵わんのか。」
このカラクリに未だ気付いていないのは審判と日向だけかも。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「いや…思い出しただけで…くく…」
「笑うなぁ!!!」
274:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/08/24 03:44:01 B7nhvbnm
「まぁまぁ…それより、帰って飯でも食うぞ。」
飛び掛る両手を組み伏せながら俺は帰宅の準備を進める。そして
ようやく宥め終わった所に問題の対戦相手が偶然にも通り掛る。
「あ、いた!」
「あれ、さっきの…」「…大将だった人?」
「て…てめぇ等!途中で入れ替わったなぁ!!」
「いやぁ〜何の事だか…」「…さっぱり分かりませんなぁ〜♪」
「ふ…ふざけやがって…。」
気付くのが遅い…と言いたい所を俺は抑える。そして怒りが再燃
した日向が問題の双子に向かい食って掛かるが向こうは冷静に対処
する。
「じゃあ今度…」「…そっちに寄ってもいい?」
275:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/08/24 03:46:14 B7nhvbnm
「えぇ?」
「また…」「・・・勝負したいんでしょ?」
「あ…あぁ…今度は一対一だぞ!」
どうなるかと思ったが、巧く丸め込んでくれて一安心。
「さぁ…帰るぞ。」
「おぉ、じゃあな。」
「ばいば〜い…」「…また今度ね〜♪」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
現在、日向が我が家のソファーで熟睡中。
隣の鍵を失くしたまではよかったが肝心の本人が全く慌てずに
親の帰宅を待つ事にして居間で寛いている間に眠ってしまった。
276:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/08/24 03:48:15 B7nhvbnm
「やれやれ、少しは慌てろよな。」
仕方が無いので俺は毛布を用意する。
「風邪ひくな…がぁ!!!」
防具入れに蹴躓き俺はその場で転等する。
「あぁクソ…不覚…げぇ!」
絶妙なタイミングで日向も落下。一瞬瞼が開くが目は覚めない。
「うぅ…うるせぇなぁ…ん…」
「あ…この…」
277:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/08/24 03:51:35 B7nhvbnm
抱き枕宜しく俺にしがみ付き熟睡再開。起こしたいがもしそう
すればぶん殴られるのは明らか。
昔かは日向は自力で起きる時はともかく、中途半端なタイミング
で起こせば親でも平気で殴る。そしてこの寝相の悪さは昔から全然
変わらない。実は今もそのまま大人しく眠ってくれたのは運がいい
方だ。
「畜生…俺にどうしろと…ん?ほほぅ…」
立ち上がる前に一旦俺は寝顔を眺める。普段の荒っぽさは何処
へやら。無邪気で満足げな笑顔が俺の視界に映る。
「じっとしてると…結構可愛いんだよなぁ…さて…」
そのうち適当に寝返りを打って離れるのを待つ事にしよう。
278:PC・Drinker ◆BokUNiNIjE
06/08/24 03:53:37 B7nhvbnm
今晩はココまでにします。
今回もえちぃシーン開始までが遠いかも…
JCT氏、支援感謝します。
感想・リクエストお待ちしています。
279:『鬼畜兄とッョィ妹』弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/24 12:55:35 jesfTjVG
男子校生徒「うぇっ あ・・ちょっ ・・うあ!」
沙耶の指がまるで高速でピアノを弾いているかの如く蠢き
股間を掴みあげられた男子生徒は奇妙な声を漏らしながらブルッと身体を震わせ
やがて前屈みに膝から崩れ落ちた ・・・その様は中心に立つ沙耶に四人の男が跪いているようにも見える
沙耶は彼等を一瞥すると、ポケットからウェットティッシュを取り出して手を拭き
丸めて公園入り口のゴミ籠にぽいっと投げ捨て、地面に降ろした鞄と買い物袋を拾って歩き去ろうとした
恵理子「さ、沙耶ちゃん?」
恵理子の声にピクッとして振り向き、恵理子と俊介の姿を確認すると
顔を赤らめながら恥ずかしそうに会釈して、そそくさと立ち去った
俊介「ふ〜む ゴットフィンガー?」
280:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/24 12:58:24 jesfTjVG
蹲っている四人組に歩み寄り、話を聞こうとする恵理子
恵理子「あんたら、沙耶ちゃんに何しとったんや!」
男子校生徒3「な、なんや お前・・」
まだ朦朧とした表情で恵理子を見上げる、その拍子に制服の胸ポケットから出ていた写真が落ちる
恵理子「あ・・ これ」
拾い上げた写真はこの前学園に張り出されたプリントと顔の部分が消してある以外はほぼ同じモノだった
と、恵理子の背後からいきなり殺気が溢れ出る ・・何事かと振り返ると、鬼のような形相の俊介がいた
俊介「・・・おい」
低い声でそう呟きながら、写真を所持していた男子校生徒の胸倉を片手で掴み上げると
そのまま身体ごと持ち上げて締め上げた ・・恵理子は学園での一件を俊介に話していなかった事を思い出す
281:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/24 13:00:42 jesfTjVG
恵理子「お、おにぃ よう見てっ これあたしちゃうから」
慌てて止めに入る恵理子は俊介の顔のまえに『ほらほら』と写真を突き出す
俊介「・・・んんん? 確かに・・・」
恵理子「ふぅ・・」
掴んでいた手を離すと、そのまま落下して尻餅をつく男子生徒 ・・その顔は完全に怯えている
俊介「恵理子の乳は こんなにでかくないもんなぁ・・」
・・・公園で四人から事情聴取を行う ・・パンツの中が大変な事になっていたらしいので一度トイレに行かせた
恵理子「なるほどな・・・ この写真、沙耶ちゃんやったんか・・・ ほんまに何考えとんや和哉の奴・・・」
腕組をしてごちる恵理子の隣で、自爆をやらかした俊介が頬に紅葉をつけていた
282:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/24 13:03:07 jesfTjVG
・・・その後『二度と沙耶ちゃんに近づきなや?』と釘を刺した上で四人を解放し、帰宅の途に就く高坂兄妹
智子&麻由美「またねー 恵理ちゃん、お兄さん」「ケーキご馳走様ー」
智子と麻由美も其々家に向かい、俊介と二人きりになったバスの中で、恵理子は沙耶の事を考えていた
恵理子「なぁ、おにぃ・・ 沙耶ちゃんの事やねんけどな?」
俊介「ん?」
先日の通学中の痴漢騒ぎと、その時話した沙耶の和哉に対する反応等からの推測を話す
恵理子「あの子、もしかしたら和哉の事好きなんかもしれん ・・・あたしが、おにぃの事想ってるみたいに」
後半は赤くなってモゴモゴ言っていたが、俊介はしっかり聞き取った
恵理子「明日は土曜日で授業半チャンやから、ちょっと沙耶ちゃんと話してみよう思うねん」
283:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/24 13:12:32 jesfTjVG
今日はここまで
次から沙耶の過去パートに入りますが
長いのと内容が重いのとでスレに直接投稿するかは微妙です
***
>266
人は想像する生き物ですからねぇ
しかもネガティブな方には転がりやすい
私がネガティブな表現を使うときはポジティブな展開に持っていくための『溜め』ですんで
不意打ちで心をザックリなんて事はしないので安心して読んでください
284:三国 ◆V72uzrF0y2
06/08/25 06:14:06 EyczYZY0
>>278
兄貴ー!罠、罠!w
>>283
沙耶つえー!w
285:『鬼畜兄とッョィ妹』弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/25 09:50:45 qePV/iyS
―翌日 通学中のバス内
恵理子「あ、いたいた 沙耶ちゃん」
沙耶「あ・・ 恵理子さん、おはようございます」
和哉と並んで立っている沙耶を見つけて乗客を掻き分けて行く ・・・ちなみに俊介は休みなので家で寝ている
恵理子「おはよー、あんなぁ? 今日ちょっと話聞きたい事があんねんけど、いい?」
沙耶「? はい・・ 答えられる範囲でなら」
沙耶はチラッと和哉の方を見てそう答える
恵理子「オッケー、ほな学校終わったら昨日の公園とこで待ち合わせな?」
和哉「・・・昨日? ・・・沙耶、昨日こいつと会ってたのか?」
和哉が怪訝な表情を向けてくる
286:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/25 09:53:28 qePV/iyS
恵理子「こいつ言うな!」<<ゲシッ>>
和哉「!っ てーだろーがっ この暴力女!」
恵理子「うっさいわっ 紛い也にも付き合っとった女の子をこいつ呼ばわりすんな! デリカシーないやっちゃな」
沙耶「・・・・あの、付き合ってたと言うのは・・?」
口喧嘩を始めた恵理子と和哉の間に、控えめだがよく通る声で沙耶が割り込む
その声と表情には僅かに嫉妬を含んでいる事を感じさせる
恵理子「んーまぁ、その辺も含めて話しようって事で、な?」
沙耶「・・分かりました」
さり気無く、和哉と恵理子の間に入り 和哉に身を寄せるように立ち位置を変える沙耶
恵理子『うーん、これはやっぱり・・ そうなんかもしれへんな・・』
そんな沙耶の行動に、恵理子は己が推測の確信を深め、和哉は 微かに戸惑いの表情を浮かべていた・・・
287:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/25 09:56:07 qePV/iyS
―学園前停留所 ・・沙耶を残して恵理子と和哉はバスを降りる
恵理子「ほな 後でなー」
普段ならここから学園まで猛ダッシュする恵理子だが、今日は普通に歩いて行く
必然的に和哉と並んで歩く事になるのだが、そんな二人の様子をバスの窓から沙耶がじっと見詰めていた
恵理子「そういやあんた、前はもっと早よう来てたなぁ ・・なんで今は沙耶ちゃんと一緒に通ってんの?」
和哉は自分に話しかけてくる恵理子の意図を掴みきれず、困惑していた
恵理子が未だ自分に未練があるという線はまず無いと考えられるが、それならば何故?と
和哉「・・・別に、かんけーねーだろ」
恵理子「ふ〜ん・・・ もしかしてこの前の痴漢が原因?」
和哉「・・・う、うっせーなぁ だからなんだってんだよ」
恵理子「なんや、図星やったんか・・ 」
288:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/25 09:58:51 qePV/iyS
苦虫を噛み潰したような渋い顔をしてそっぽを向く和哉は、思い出したように尋ねる
和哉「昨日、沙耶と会って何してた」
恵理子「ん〜? べぇっつにぃ〜」
あからさまに惚けた態度をしてみせる恵理子
和哉「・・・沙耶に妙な事を吹き込むなよ、まあ・・アイツは俺の言う事しか聞かないだろうがな」
恵理子「なにそれ、脅すんか惚気るんかどっちかにしぃーよ」
和哉「ち・・・ 沙耶に何を吹き込んでも無駄だつってんだよっ アイツは・・・」
恵理子「まぁ、それはええけどさぁ」
和哉の言葉を遮って、鞄から取り出した写真を突きつける
恵理子「これ、持ってた奴が沙耶ちゃんがモデルって気付いて、昨日沙耶ちゃんに裸見せろって絡んでた」
和哉「! ・・な・・・に・・?」
289:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/25 10:01:09 qePV/iyS
驚愕と憤慨と戸惑いの入り混じった表情で固まる和哉を珍しそうに見ながら、恵理子は続ける
恵理子「偶々あたしとおにぃが通り掛って助けに行こうとしてんけど、沙耶ちゃんが自力で追い払ってたよ」
和哉「・・・・・・」
和哉の目は虚空を見ている 忙しくなく動く眼球が動揺を窺わせる
恵理子「あんたなぁ、沙耶ちゃんの事どう思ってんの?」
和哉「・・・お前には ・・関係ない!」
そう吐き捨てるように言うと、足早に校舎の中へ立ち去った
恵理子『う〜ん・・ 一応、沙耶ちゃんのことは大事に思ってるっぽいけど・・・」
沙耶に質問する項目が増えた分をどう纏めるかと考えながら、恵理子は教室に向かった
周囲の生徒達が和哉と共に登校して来た事に対する驚きと疑問の視線を向けていたが・・・
290:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/25 10:04:33 qePV/iyS
―バスの中、沙耶は胸の奥から湧き上がる不安に苛まれていた
沙耶『恵理子さん・・・和哉さんとどういう関係なんだろう・・? 名前も呼び捨てだし・・凄く親しそうだし・・
和哉さんの学校での事情にも詳しかった・・ 今の和哉さんとあんな風に普通に話せる人も今までは・・・』
沙耶の不安の元はそれだけではなかった、すっかり生活に定着していた朝と夕方の口での奉仕も
先日の雨の日以来求められていないし、身体を重ねたのはその前の機嫌が悪かった日以来無い
昨夜も何時になく念入りな愛撫に心を躍らせたのも束の間、そのまま部屋に戻されてしまった
男を喜ばせる為に身に付いた、後に和哉を喜ばせる為に身につけたテクニックで自分を慰めるのは哀しかった
この前もロープで束縛しての行為があったので、そういうプレイに目覚めたのかとも思ったが
縛ったのは一回きりだったし、自分の知識ではそういうプレイに目覚めたのならもっとこう・・・
沙耶『ハッ いけない、降りなきゃ』
色々な考え事に没頭している間に、何時もの降りるバス停に到着していた
291:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/25 10:10:22 qePV/iyS BE:373521964-2BP(0)
とりあえずここまで
***
>284
ッョィ妹ですから^^
292:『鬼畜兄とッョィ妹』弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/26 02:15:09 +My5Hrrd
―‐放課後 恵理子は商店街の公園に急いでいた
恵理子『うーん・・・ 和哉と並んで登校したのは拙かったなぁ〜 』
疑問の視線は無視して済ませられたが、和哉FCのD・K・Kからの追求がしつこく、思い出してはうんざりしていた
やがて公園の入り口が見えてくると、女子高の制服に身を包んだ沙耶が佇んでいるのを確認する
恵理子『よしっ』
手を振りながら声を掛けると、沙耶も小さく振り返す ・・ただその表情には多少の緊張が見て取れた
恵理子「おまたせー ごめんな、待ったやろ?」
沙耶「いえ、そんなには・・」
恵理子は途中で買っておいた缶ジュースを渡して、奥のベンチに誘った
一言礼を返して頷き、それに従う沙耶
293:弾の灯 ◆a.2VI1eTvE
06/08/26 02:17:27 +My5Hrrd
恵理子「さて、まず聞きたいねんけど ・・沙耶ちゃんって和哉の事、好きなんちゃう?」
沙耶「はい」
実にあっさりシンプルな肯定の返事を返す沙耶
恵理子「それは兄妹としてだけじゃなく、男女の関係として?」
沙耶「そうです」
恵理子「あんな写真撮って人に渡してても?」
沙耶「あれは・・・和哉さんの病気のようなモノですから・・・その原因が私にある以上、受け止めます」
恵理子は沙耶の口ぶりから、ああいった写真を撮られたのは今回だけでは無いと判断した
沙耶「・・あの、恵理子さんは・・・ 和哉さんとはどういう・・?」
恵理子「やっぱそこは気になるんや?」
沙耶は不安半分な表情で頷く
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