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544:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア
07/01/30 13:54:30 8OJdthWC0
                    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                     | ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/前途シリーズ
 ____________  \            / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | __________  |    ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄| より、冒険者×ヴァンパイアです
 | |                | |             \六回目ですよー
 | | |> PLAY.       | |               ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 | |                | |           ∧_∧ ∧_∧ ∧∧ 
 | |                | |     ピッ   (´∀` )(・∀・ )(゚Д゚ )
 | |                | |       ◇⊂    )(    ) |  ヽノ___
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545:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア6-1
07/01/30 13:55:28 8OJdthWC0
男から生気は感じられなかった。
血は吸い尽くした。おかげで、めまいや目のかすみは治っていた。
倒れこむ男を床へ放り投げると、ゆっくりとロングソードを引き抜いていく。
肉が修復しようとしているのがわかる。むず痒い感覚に駆られながらも、剣を引き抜き、
同様に床へ放り投げた。
 首が切られないだけましだったかもしれない。
首が切られれば、復活するのに何日もかかる。
そう、ヴァンパイアは不死身だ。
例え殺されても、大地から生気を吸い上げ、数日で生き返ることができる。
だがそれでも傷を負えば痛いのは確かだ。例え数日でも死にたくないという気持ちはヴァ
ンパイアにもある。
 ヴァンパイアの傷は微々たる物ながら、ふさがれていっていた。
自分の血の跡が冷たくて、ヴァンパイアは寝返りを打った。手の届くところにズボンがな
かったので、毛布を巻いてやり過ごしてみる。
 男に犯されたせいで、しばらく体が熱かったが、そうしてやり過ごしてるうちに、熱も
消えた。
そして。
「ただいま」
「!」
 ロウッドが帰ったのだ。
「…早く来てくれないか…」
玄関にいるロウッドは、まだ部屋がこんなことになっているは知らず、のんきに言う。
「ちょっとまってくれ。装備をとるから」
装備を取って普通の服に着替えたロウッドは、部屋に入って一瞬、後退りした。
何せ毛布もシーツもヴァンパイアも、血まみれなのだ。傷口からは血は止まっていても、
その惨状は目を覆いたくなるほどだった。
「何があったんだ!」
ロウッドは顔色を変えて、ヴァンパイアの元へと駆けた。
そして、そばにロングソードと、仲間の死体が転がっていることに気づいた。
「あの窓から、この男が入ってきた。胸を刺された…死ぬほどのものではない」
と、割れた窓を指差す。割れた窓からは、ひゅう、と風が入ってきて、室内はひんやりと
冷たかった。

546:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア6-2
07/01/30 13:56:35 8OJdthWC0
「…!殺したのか?」
「殺した」
そっけなく言うヴァンパイア。そのヴァンパイアの肩をつかんで引き寄せる。
「なぜ殺した!奴は俺の友人だ!」
「…では…私は殺されていればよかったか?」
「何?」
「…黙って犯されていろと?」
「また何かされたのか」
「…」
毛布を自分で剥ぎ取る。
コートの下から、生足がみえた。そこには、精液が伝っていた。
「私は…、…私は…」
ヴァンパイアがつぶやいた。だがその先は何も言わなかった。
変わりに、一筋、涙を流した。
「…悪かったよ。やったことはこいつが悪い…けど…、けど」
何か言いかけて、ロウッドもやめた。
「こいつ、埋葬してくる。こいつも一人身だからな…」
ロウッドは、ズボンをヴァンパイアに渡すと、仲間の死体を抱え、出て行った。
「ロウッドと呼ばれていた…か?」
自分以外誰もいない部屋で、確かめるようにロウッドの名を呼んだ。
ヴァンパイアは、精液を毛布で拭い取り、ズボンをはくと、その場で倒れるように眠っ
た。
治りかけてきている胸が痛い。だが気にする余裕はなかった。

誰かが毛布を剥ぎ取った。
さらにコートを半分はだけさせ、服もめくりあげる。
傷に、何かを塗りこんでいるようだった。
そ、と目をあける。
ロウッドがそこにいた。
真剣な面持ちで、ヴァンパイアの胸の傷に、キュアパウダーを塗りつけていた。
「起きたか、大丈夫か」
「…これくらいでは死なない」

547:風と木の名無しさん
07/01/30 13:57:10 8OJdthWC0
大丈夫か。
ロウッドが、初めてヴァンパイアを心配してかけた言葉だった。
その言葉が、胸に熱く広がった。この感情は何なのだろう、と、思った。
「シーツ、変えてやるからな。起き上がれるか?」
「動けるが、起き上がれない」
「何、そんなにひどいのか!!」
「…首輪が邪魔で」
首輪の鎖は起き上がれるほど長くはなかった。
「そうか…逃げるなよ?」
「逃げはしないが、襲うかもしれない」
「シーツかえるのやめた」
「冗談だ」
困り果てたようなロウッドの顔に、くすっと、ヴァンパイアは笑った。
 ヴァンパイアが笑ったことに、心底珍しいものを見るような表情でいたが、ロウッドも
また笑顔になった。
「はじめて笑ったな、お前」
ぐりぐりと頭をなでてやると、首輪の鎖をベッドから離した。
じゃら、と音がして、鎖が地面に落ちる。
「起き上がれるか?」
「ああ…久々に起き上がった」
ヴァンパイアは、体を起こすと伸びをした。
体を自由に動かせなかったので、相当ストレスもたまっていた。
あまつさえ三人の男に責められるようなことまでされたのだ。
ストレスがたまらないはずがない。
逃げてしまおうか、とヴァンパイアは考えた。
が、鎖の先をしっかりと巻きつけるように持たれていることに気づいて、それはあきらめ
た。
せっせとシーツを代えるロウッドの後姿を見ながら、ぼんやりと、なぜ自分がこの男を殺
してまで逃げ出さないのか、不思議で仕方がなかった。
 まだ彼には、芽生え始めたこの感情が何なのか、理解できなかった。

548:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア6-4
07/01/30 13:57:44 8OJdthWC0
「何ボーっとしてんだ、つなぐぞ。こっちこい」
「…」
「おい?」
「どうしても、つながなければ駄目か」
「逃げられたら困るからな」
「…逃げ…る…、お前は、私をどう思ってる?奴隷か?それともー…」
―それとも、何だ?私は何が言いたい?私は…
「お前は奴隷だ。性奴隷だ。何よりも美しい、誰よりも純粋」
「そうか…」
賛辞など頭に入ってなかった。『お前は奴隷だ』この一文だけしか頭に入らなかった。
黙ってヴァンパイアは、首輪は鎖でつながれることになる。
その素直なところに違和感を覚えながらも、ヴァンパイアは目を開けたままベッドに横た
わっていた。
 そこに、ロウッドがベッドに浅く座り、ヴァンパイアの顔を見ている。
「なあ…良いか」
ロウッドが顔を近づけ、そして口付けを交わす。触れるだけのキスに、ヴァンパイアは抵
抗しなかった。
「なにがだ」
「全部言わせんなよ…その…セックスがさ」
「嫌だといったら?」
「わーったよ、何もしねぇよ!」
ぷーッと頬を膨らませて、後ろを向いてしまった。その姿ににわかに笑うと、ヴァンパイ
アは続けた。
「…冗談だ。私はお前の性奴隷なんだろう?好きにすれば良い」
 そ、と、ヴァンパイアはロウッドの服の端をつかんだ。
「俺の血は吸うなよ」
「もういらない…」
ロウッドはヴァンパイアに覆いかぶさった。

549:ル/ナ/テ/ィ/ッ/ク/ド/ー/ン/第/三/の/書/ 冒険者×ヴァンパイア
07/01/30 14:00:38 8OJdthWC0
 ____________
 | __________  |
 | |                | |
 | | □ STOP.       | |
 | |                | |           ∧_∧ サンバンメ、ナマエランニイレルノワスレタ
 | |                | |     ピッ   (・∀・ )トリアエズコイヲジカクシテナイヴァンプデス
 | |                | |       ◇⊂    ) __
 |   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  |       ||―┌ ┌ _)_||  |
 |  °°   ∞   ≡ ≡   |       || (_(__)  ||   |


550:風と木の名無しさん
07/01/30 15:37:39 CmJK1s9ZO
GJ!!(o~∀~o)ノ鰈と並んで楽しみにしてるルナドン!
ゲームだなんてきいたから中古屋に走ってきますよww

551:風と木の名無しさん
07/01/30 16:46:43 C3M4DkRs0
>>538
どちらの姐さんの作品も好きなので、
投下してくれると嬉しい
よかったら待ってます〜

552:鰈ー族父×次男お言葉に甘えて続き
07/01/30 18:33:08 K3roxs2p0
姐さんたち、ご意見ありがとうございました!
読みたいと言って下さる方が沢山いてくれて、書き手としては本当に嬉しいです。
お言葉に甘えて、書いた分をとりあえず投下させて頂きます。

|>PLAY ピッ ◇⊂(・∀・ )やっと長男 キタヨー

553:鰈ー族父×次男お言葉に甘えて続き1
07/01/30 18:33:44 K3roxs2p0


 入りなさい、という父の声がした。
 戸を開くと、男の精の臭いがむっと立ちこめている気がした。
 父は、夜着のガウンを羽織っただけの姿でベッドに腰掛けていた。兄はまっすぐにその父の方へ歩いていく。
「お父さん、何のお話ですか」
 兄がその台詞を言い終わらないうちに、後ろ手で鍵をかけた。
 カチャン、という固い音に、兄が驚いた顔で振り返った。兄の向こうの父へと目を逸らすと、父は僕の方へ頷いてみせた。
「脱ぎなさい」
 その声に、兄は今度はまた父の方を振り返る。何がなんだか判っていない様子だが、無理もない。戸惑う兄を幼いとさえ
見ながら、僕はシャツのボタンを一つずつ外していった。汗や体液がシャツを張り付かせ、脱ぎにくい。兄は父の言いつけ通り
に服を脱いでいく僕と、それを獣の目で見守る父とを代わる代わるに見ながらも、問いただす言葉が出ないでいた。
「あ…」
 ぐしゃぐしゃになったシャツを無理矢理脱ぎ捨てた僕を見て、掠れた声を上げたのは、兄の方だった。
「どうかしましたか。兄さん」
 できるだけ優しい表情を作って兄に微笑みかけた。兄の視線は僕の肌にあまりに多く点在する鬱血点を、数えるように目で
追っていた。家の中でもきっちりとシャツとベストを着込んだままの兄の視線の前で、下を脱ぐのは躊躇われたが、
「早くしなさい」
 父がそう急かすのに、手を早めて金具を外し、ズボンを持つ指を放した。すとんとそれが足首まで落ちた時に、呻くように
僕の名を呼んだ兄の声は、呂律も回っていなかった。
「お前…」
「何だ、ずっと起たせていたのか、しょうがない奴だな」
 兄の声に覆い被さるように父が言った。下着もつけずにズボンの下に隠れていた、角度を失っていない僕の雄は、橙色のテーブル
ランプの弱い光でもはっきり判るほど、下品に濡れて主張していた。
 ああ、見られているーー兄さんに。
 血のつながった男二人に見つめられて、落ち着こうと努めていた体は再びふるりと震えた。

554:鰈ー族父×次男お言葉に甘えて続き2
07/01/30 18:34:38 K3roxs2p0
「お父さん…」
 僕は床に落ちたズボンをまたいで、父のベッドに近づいた。びくりとした兄が、異質なものを避けるかのように一歩退いた。
けれどそのまま、僕がベッドに上がって、四つん這いになって父親にすり寄るのを、信じられないものを見るような目で見ていた。
「よく頑張ったな」
 父は僕を抱き寄せ、口づけをした。互いに舌を伸ばして、濡れた音を響かせる口吻に、兄は吐き気を堪えるように口元を手で
押さえた。それを横目で見た僕と目が合った時、何か問いかけるように兄は僕の目を凝視した。僕は、挑発するように、目を
細めて返した。
 次の瞬間、兄は踵を返すと大急ぎで部屋を出ようとした。しかしその背後から、父がそれを呼び止めた。
「どこへ行く」
 兄は扉の前で足を止め、怒りに息を荒げながら拳で戸を叩き付けた。
「いったいお父さんは、何をしているんですか…」
 父は答えない。ただ寄りかかる僕の頭に手をやり、頬と頬を寄せた。僕はその気持ちよさに、自分からも猫のように擦り付けた。
兄は向き直ると、つかつかと僕たちの方へ歩み寄り、父の夜着の襟を両手で乱暴に掴んだ。
「僕の弟に、貴方は何をしているんだ!」
 思わず息を止めた。
 予想していた台詞とほとんど同じではあったが、
 ーー僕の弟に。
 一瞬、狂おしいほど生じた感情に、僕は名前を付けようがなかった。兄は呆然と見つめる僕には目もくれず、怒りに手を震わせ
ながら父を睨んでいた。父はそれをまっすぐに睨み返したまま、兄の両手を払いのけた。
 その瞬間に、僕は兄の体の自由を奪っていた。
 驚きに見開かれる兄の目に自分が映るのを確認しながら、その上半身をベッドに押さえ込んだ。何が起こったのか判らずにいる、
その間に馬乗りになってしまえば、その後で抵抗されようと無駄だった。自分でも気がつかぬうちに、僕は力で兄に勝るように
なっていたのだ。それを、こんなときに知ることになるとは。
 父が、自分が着ている夜着の腰紐を引き抜いた。それを見て、兄の両手を無理矢理頭上に押さえ込む。兄は勿論暴れ声を出して
抵抗した。弾みにその手が僕の頬に当たり引っ掻き傷を残したが、結局は僕と父の二人分の腕力には敵わなかった。

555:鰈ー族父×次男お言葉に甘えて続き3
07/01/30 18:36:33 K3roxs2p0
「お前、何を…自分が…何をしてるのか解ってるのか…!」
 父に両手を縛られながら、息も絶え絶えに兄は叫んだ。僕は冷静にそれを上から見下ろしていた。
「兄さんが、知らなかっただけですよ」
 縛った両手はベッドの端に括りつけたが、念のために足も、落ちていた僕のベルトでひとまとめにした。兄のシャツの裾をズボンから
引き抜いて、ベストと一緒にたくし上げる。ベルトを外していると、兄が大きな声で制止したが、聞かなかった。
「兄さん…僕は先ほどからずっとお父さんにお預けにされていましてね…一刻も早く楽になりたいんですよ」
「何を馬鹿なことを言ってるんだ!」
「その馬鹿なことを、僕はもう十年も続けているんだ」
 兄の抵抗が止まった。
 僕は微笑を浮かべた。心の中では、嘲笑を贈りながら。
「兄さんが大学生の時でした。それから、アメリカへ留学中も、帰国して結婚されてからも、ずっとね」
「何だって…?」
「ああ、やっぱり全然知らなかったんですね…」
 僕は兄の服を脱がせる手を止めると、傍らの父に手を伸ばした。
「なかなかいいものですよ、お父さんとの夜は…流石に、愛人と妻を一つ屋根の下住まわせるだけのことはある」
 そして、自分の息子も。
 この言葉は父を怒らせるかと思ったが、彼は僕を抱き締めると胸元に口づけを降らせた。僕が快楽のままに喘ぎ声を上げると、兄は
聞きたくないかのように目をきつく閉じて身を捩った。哀れにも、耳を塞ごうにもその手は頭上に拘束されていた。
「ああ…お父さん、もう、お許し下さい。もう死んでしまいそうですよ」
 甘く溶かした囁き声で、父へ切なさを訴えかける。目を瞑って目の前の事実を否定しようとする兄をも意識しながら、
「ほら、僕のここが、こんなにお父さんを欲しがって…ああ、ほら…」
 自分の後方へ手を回し、ぐちゅぐちゅと掻き回すことで、兄を聴覚から犯していく気分を味わった。自分の愛する弟が憚りなく卑猥な
言葉を口にして、父親との繋がりを求めている。それは兄にとってどれほど信じがたい衝撃であるだろうか。

556:鰈ー族父×次男お言葉に甘えて続き4
07/01/30 18:37:39 K3roxs2p0
 ぴたりと身を寄せている父の体との間に、先に僕を汚した父の雄が再び力を持ち始めたのが判った。父の夜着をはだけ、僕は迷いなく
そこに顔を埋めた。父の呼吸が徐々に高まっていく。そして、兄の息も荒くなり始めていた。それは怒りに依るものだろうか、それとも。
口の中で何度も吸ったり、舐めたりしていると、もういいと父が制止して、僕の体を自分の上に膝立ちで座らせた。
「ん…お父さん、早く」
「いいだろう、入れなさい」
 その時、すぐ横に仰向けになっている兄が、目を開けてこちらを振り向いた。そして僕たちの体勢を見とめると、力なく首を振った。
「やめろ…」
 僕に言ったのか父に言ったのかは判らない。いや、両方にだろう。
「やめてくれ、頼むから…」
 いっぱいに見開かれた兄の瞳に、涙の膜が光った。
 兄の信じてきた家族の絆。それは今この瞬間、どんな形で兄の中に存在しているだろう。
 見たこともないような弱々しい兄の目に見つめられ、僕は自ら招いたこの状況になぜか悲しささえ覚えながら、しかし首を横に振り返した。
「もう、限界なんです…」
 黙って聞いていた父が優しく僕の腰を撫でた。そう、体も限界だった。しかしそうじゃない。父には解らない。
 僕のこの気持ちなど。
 今までどんな気持ちで兄を見てきたかなど。
 彼の前には汚い現実などなかった。彼の努力に人望はついてきた。歯向かう者などほとんどいなかった。しかしもしライバルが現れれば
正面切って戦い、策略など用いない。政略結婚を強いられようとも、相手の女性を心から愛する。父が不埒な行いに身を染めれば、公然と
文句を言い、父の愛人に対しても毅然とした態度を貫き、抱いた反論は常に口にしていた。
 けれど、兄さん、僕を責められますか。
 辛辣な言葉で、正義だけを胸に、弟である僕を。
「兄さん…」
 気がつかぬうちに、涙が溢れそうになっていた。慌てて父の肩口に顔を擦り付け、肉体的な刺激を望む涙であるかのような振りをした。

557:鰈ー族父×次男お言葉に甘えて続き5
07/01/30 18:38:30 K3roxs2p0
 兄は、僕を見ていた。
 激しい口調で糾弾するわけではなく、ただ痛みを堪えるような顔で、涙をたたえてやめろ、と繰り返した。
 兄はいつも自分の正義を貫き、父との対立もいとわなかった。
 それでも、父に愛されてきた。それが憎かった。
 兄を一番に愛しながら僕を愛していると口にし、僕を抱く父が憎かった。
 けれども僕は、
「あ、ああ…っ!」
 僕は、父と兄を愛する気持ちを捨てられなかった。
 父とこんな形で愛し合わなくとも良かった。家族としての愛を、兄と同じだけ僕に注いでくれればそれで良かった。
 兄に嫉妬したくなどなかった。そんなふうにして自分が惨めになるよりは、ただ二人で同じように父から愛され、父に対して敬愛を
抱いて生きていきたかった。
 でも父は僕を見なかった。兄は、父の愛に気がつかなかった。
 動物のように性の快楽に身を委ね、嬌声を上げて親子で交接する僕たちを見つめる兄の目から、ついに涙が筋となって静かに溢れていた。
しかしその姿は、僕自身の視界が潤んでぼやけたことで、すぐに見えなくなってしまった。

558:鰈ー族父×次男お言葉に甘えて続き
07/01/30 18:41:03 K3roxs2p0
□ STOP ピッ ◇⊂(・∀・ )毎週萌えが多すぎて書くのが追いつかねーyo!

次男熱、止まりません…

559:風と木の名無しさん
07/01/30 18:52:41 qlQnqPXY0
<(;゜Д゜)>ノー!!
私の熱も止まりませんよ
一日でこんなに更新されてるとは!!
姐さん方・・・なんて恐ろしい子!!!!

560:風と木の名無しさん
07/01/30 18:58:06 CmJK1s9ZO
ももももしやリアルタイム……!?GJです!
まだ続きがあるみたいでホントにうれしいよww
私も次男熱、とまりません……ww

561:529です!
07/01/30 19:08:10 xK6tjxpE0
まず最初に……ごめんなさいです!>>538姐さん!!!

どうぞこのままお続けください。伏して続きをお願いしたいくらいです!!
心より、>>538さんが書いて下さるのを楽しみにお待ちしております。きっと
他の姐さん方もそうだと思うので!!

てか私も、自家発電してるより、>>538さんの読むほうが嬉しいしww

自分のアレは、放置するのも何なので、そのうちコッソリと、空気を読みつつ
短くまとめに来ようと思います。


562:風と木の名無しさん
07/01/30 19:42:23 M7rR+jop0
容量492KB、そろそろ次スレ立ててきます
ところで1のAAの上に↓のタイトル文字追加してみてもいいだろうか
以前からAA長編の方で使われてるものだけど

.   ___ ___  ___
  (_  _)(___)(___)      / ̄ ̄ヽ
  (_  _)(__  l (__  | ( ̄ ̄ ̄) | lフ ハ  }
     |__)    ノ_,ノ__ ノ_,ノ  ̄ ̄ ̄ ヽ_ノ,⊥∠、_
         l⌒LOO (  ★★) _l⌒L ┌'^┐l ロ | ロ |
   ∧_∧| __)( ̄ ̄ ̄ )(_,   _)フ 「 | ロ | ロ |
  ( ・∀・)、__)  ̄フ 厂  (_,ィ |  </LトJ_几l_几! in 801板
                  ̄       ̄
        ◎ Morara's Movie Shelf. ◎



563:風と木の名無しさん
07/01/30 20:17:32 RzkwindpO
いいと思う。

しかしここ最近豊作で困るwww

564:風と木の名無しさん
07/01/30 20:29:15 HmNkDdzx0
モララーのビデオ棚in801板23
スレリンク(801板)

完了
テンプレ追加したら>>2-7だけじゃ足らなかった



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