【異形化】人外への変身スレ第六話【蟲化】
at EROPARO
1:名無しさん@ピンキー
12/04/16 15:49:03.61 ddmvzhiR
獣・蟲・妖怪など主に女性がに人外へと変貌していくスレです。
しだいに頭の中身までもその生物になって、本能にしたがって交尾や産卵してしまうシチュ萌え。
荒らし対策のためsage進行でお願いします。
前スレ
スレリンク(eroparo板)
初代スレ
スレリンク(eroparo板)
maledict氏の過去ログ倉庫(外部のサイトです)
URLリンク(book.geocities.jp)
関連スレ
[獣化]人間が人外に変身しちゃうスレ22[異形]
スレリンク(ascii2d板)
【獣人】亜人の少年少女の絡み9【獣化】
スレリンク(eroparo板)
おにゃのこ改造 BYアダルト20
スレリンク(eroparo板)
【なんでもあり】人外と人間でハァハァするスレ7
スレリンク(eroparo板)
【人間⇔動物】人間と人外の入れ替わり妄想スレ
スレリンク(eroparo板)
2:maledict ◆k/fFCPdV8.
12/04/16 19:22:15.44 kkpd2jR3
前スレ落ちてしまったのですね。
>>1様新スレ立てお疲れ様です。
自分のカキコがスレの流れを分断してしまったようで、心苦しいです。
手持ちのいい雑談ネタ等思い浮かばないので、
せめて今スレ内ではSS投下できるよう頑張ります。
3:名無しさん@ピンキー
12/04/16 19:55:28.67 Yv9fDQ0R
>>1乙
20までいかないと即死するかも
4:名無しさん@ピンキー
12/04/16 22:44:36.57 1PsLxZcw
>>1乙です。
即死回避カキコ。
5:名無しさん@ピンキー
12/04/16 23:08:30.76 QDF/M1oy
>1乙
6:名無しさん@ピンキー
12/04/16 23:17:02.17 6wDx+t0k
>>1乙
7:牝鹿、雌犬になった少女の作者です
12/04/16 23:54:01.05 8fNHpQji
>>1 乙
8:名無しさん@ピンキー
12/04/16 23:54:56.64 8fNHpQji
>>1 乙
9:名無しさん@ピンキー
12/04/17 00:05:19.10 FU6Q15YI
いちょつ
10:名無しさん@ピンキー
12/04/17 00:17:51.84 eJ9jk7UW
いっちょつ
11:名無しさん@ピンキー
12/04/17 00:31:14.18 6xVvqcvE
>>1乙
>>2GJ
12:名無しさん@ピンキー
12/04/17 01:11:02.64 xfgeSE9v
>>1おつ
13:名無しさん@ピンキー
12/04/17 12:29:35.06 OfsTwqvl
>>1乙
今さらながらスカルマン見たけど最高だった
14:名無しさん@ピンキー
12/04/18 00:32:47.83 MJo/j9y5
まさか幼馴染の年上のお姉さんが獣化するとはなあ
15:名無しさん@ピンキー
12/04/18 17:52:25.84 9fU8PvDH
即死回避
16:名無しさん@ピンキー
12/04/18 19:35:02.73 MJo/j9y5
創作中だがネタが纏まらぬ
即死回避
17:名無しさん@ピンキー
12/04/18 19:42:33.74 M+k/1mBG
保守
18:名無しさん@ピンキー
12/04/18 20:33:35.18 FwSfAq/R
>>14
その話は最高だった
自分がどんどん怪物になるところに苦悩するところとかツボだった
できれば生き残って欲しかった
19:名無しさん@ピンキー
12/04/18 23:33:08.11 56MaDhUb
保守
日常でいつもとちょっと違うことがあったら全部TFフラグです
20:名無しさん@ピンキー
12/04/19 02:00:03.37 0tmqN1eV
エグさと一種の美しさを併せ持った生き物といえば
蜘蛛
百足
蝙蝠
蛇
他に何かないものかな
21:名無しさん@ピンキー
12/04/19 03:26:37.05 oO1ON8wM
蛙とか割と好み
あと蛾とか
22:名無しさん@ピンキー
12/04/19 03:54:49.46 iha9kGty
種類によっては綺麗だよなー、蛙と蛾。
汚いのも多いけど。
23:名無しさん@ピンキー
12/04/19 23:06:00.34 x1vLMw4/
突然前スレが落ちてて驚いた。
遅ればせながら >>1乙
これを機に圧縮判定とか即死判定とかの意味を知った。
24:名無しさん@ピンキー
12/04/20 02:53:59.98 PmOWl+Ld
ほしゅ
落ちた理由は512KB上限にヒットしたからだねー
25:名無しさん@ピンキー
12/04/20 07:18:42.75 18XX3rJs
>>24
つまり「くさってやがる! 書き過ぎたんだ!」ということですか
26:名無しさん@ピンキー
12/04/20 08:26:45.93 qrMjcXQL
「いま計算してみたが異形化のスレは板の引力に引かれて落ちる。貴様らの頑張り過ぎだ!」
「ふざけるな! たかがスレッド一つ、ガンダムで立て直してやる!」
27:名無しさん@ピンキー
12/04/20 13:24:05.53 18XX3rJs
いまmaledict氏の過去ログ倉庫を見ながら投稿マナーの勉強中。
投稿しても差し支えない作品ができたらまた来ます。
28:名無しさん@ピンキー
12/04/21 16:10:56.83 LznTKhri
メルモのチンカスSSのせいでスレの容量越えちまったじゃないか
29:名無しさん@ピンキー
12/04/21 16:50:37.03 K8triN/C
エロパロの繁盛してるスレはどこも512KBを越えとるわ
30:名無しさん@ピンキー
12/04/21 19:31:33.32 kha0RX3e
価値観押し付けは良くないぞ
31:amayotas
12/04/21 20:14:29.91 ahDWLdEi
『メタモル・ワールド ―超獣化録ビーストランカー』
2046年、ニューロリンカーという携帯端末を用いることで生活の半ばが仮想ネットワー
ク上で行われるようになっても、未だ人が現実社会のくびきから逃れられずにいる世界。
太ったいじめられっ子の少女・ヤワカは、現実を呪いながら学内ローカルネットの片隅
でハンティングゲームのスコアを伸ばすだけの日々を送っていた。そんなある日、ヤワカ
は美貌の上級生・浦島王子から謎めいた言葉を告げられる。
「もっと強く―『変身』したくはないか、キミ」
浦島王子の誘いに応じたヤワカは、有線直結通信で「ブレイン・ビースト」というプロ
グラムを受け取る。それは、ニューロリンカーの量子接続に作用して疑似的に獣への変身
を体験できるという恐るべきアプリケーションだった。こうして「ビーストランカー」に
なったヤワカは、デュエルアバターを用いた《狩り》に身を投じてゆく。
========
という感じで『アクセル・ワールド』から世界設定を借用し、強制獣化パロにした短編を
構想中なのですが、仮想世界における獣化って、このスレ的に載せて大丈夫でしょうか。
32:名無しさん@ピンキー
12/04/21 21:25:25.30 kha0RX3e
俺的には得
33:名無しさん@ピンキー
12/04/21 23:39:35.16 oc+URUXy
二次創作っぽくていいんじゃない?
34:名無しさん@ピンキー
12/04/22 00:36:59.91 CxQKWkmn
スレチだろうけど
ミュータントニンジャタートルズの絵柄に惚れたたんけど、TF的な設定とか無いよね・・・
アメコミだっけ?
ただの爬虫類好きですすみません
35:名無しさん@ピンキー
12/04/22 00:46:06.40 KEztLiWs
>>34
確か、触れた生物を変化させる特殊な薬品か何かで人間になった生粋の亀
36:名無しさん@ピンキー
12/04/22 01:18:40.66 CxQKWkmn
アニメ一話見てきたけど、ガチビンゴじゃん
設定だけでも十分おkすぐる
さらにこういう軽口なノリ好きだし
センサー冴えてるなぁ今日はデュフフ
37:amayotas ◆V2b92lQ5kA
12/04/22 02:08:29.36 YCSO4SKR
>>32 >>33 >>36
がぜんやる気が出てきました。ありがとうございます!
完成は今日の夕方を目標にしていますが、
間に合わなかったらお詫びにTFします。
>>36
話の流れ的に、タートルズの一話のことでしたらすみません。
38:名無しさん@ピンキー
12/04/22 02:23:19.20 CxQKWkmn
せやな
39:名無しさん@ピンキー
12/04/22 16:23:49.45 azKd/NJl
全スレ全部見る前に落ちたんだが、ここの保管所って機能してるのけ?
40: ◆V2b92lQ5kA
12/04/22 17:10:29.94 YCSO4SKR
そういえば、スレ第五話に関してはまだ保管されていないようですね。
保管所、いつも参考にさせて頂いております。本当にありがとうございます。
41: ◆V2b92lQ5kA
12/04/22 17:18:09.42 YCSO4SKR
一応『メタモル・ワールド』本文は8割完成したんですが、
これから急に出かけることになったので投稿は夜10時頃になりそうです。
42:maledict ◆k/fFCPdV8.
12/04/22 21:45:15.67 2H6GqKNz
>>39様>>40様
過去ログ倉庫更新しました。
URLリンク(book.geocities.jp)
容量限界に気付かず、次スレも立てずにスレを落としてしまったこと、
改めてお詫び致します(>>24様のご指摘でようやくその事実に気付きました)
SS作品の抽出がまだなのですが、こちらはしばらくできないかもしれません。
ただ、前スレ255-264「魔族になった僧侶」、617-624「勇者の帰還」の著者様の
申告に従い、同氏作のSS(「成瀬留美の変貌」「佐織の変貌」「マリベルの転職」
「おにゃのこが悪魔になっちゃう話」)を同一著者の項目にまとめました
>>2で予告したSSは8割くらいまで進みました。
明後日くらいまでにはできあがるのではないかと思います。
この後>>41様の作品投下とそれへの感想レスがあると思うので、
間隔が空くように心がけます。
ちなみに夏コミ参加のclown様のTFアンソロに今回も参加予定なのですが、
そちらはまだ構想中で、1行も書けていません(どさくさまぎれに宣伝)
43: ◆V2b92lQ5kA
12/04/22 21:56:15.26 YCSO4SKR
>>42
ありがとうございます!
でも私のは大したものでもないですので、
お気になさらないでください^^;
いつもSS楽しみに拝読させて頂いております。
TFアンソロ今夏もあるのですね! 楽しみでなりません!
44:『メタモル・ワールド』 ◆V2b92lQ5kA
12/04/22 21:59:24.50 YCSO4SKR
では、今から投稿させて頂きます。
(>>42様。「様」を付け忘れました。本当に申し訳ございません)
※この小説は川原礫氏のライトノベル『アクセル・ワールド』のパロディです。原作の
設定を大幅に拝借している他、文章も一部パクっています。その上、読みこみが足りない
為、ところどころ酷く原作と矛盾する可能性があると思われます。極力は矛盾のないよう
に、かつ全力を尽くして執筆しましたので、どうかご容赦くださいませ。
では、次レスからスタートします。
『メタモル・ワールド ―超獣化録ビーストランカー』
45:『メタモル・ワールド』 ◆V2b92lQ5kA
12/04/22 22:00:37.48 YCSO4SKR
0
ミシミシイイイッ!! というあの音が、ヤワカの脳内に響き渡った。それと同時に全身
の骨格が軋むような音をたてえ始める。先輩に教わった通り、ヤワカは立っていられなく
なる前に身を屈め、まず床についた両手の先に全神経を集中させた。
目に見えて縮みながら、真っ白な毛で覆われていく指先。ゆっくりと始まった変化は着
実に速度を増しながら指から腕、顔へと駆けあがっていく。その間、僅か数秒。前回より
も少し早くなっている。
「くっ……んぅ……」
皮膚が毛皮に置き換わっていく感覚は、くすぐったさを生み、不覚にも恥ずかしい声を出
してしまう。しかし気持ちがいいのはそこまでだった。すぐに、筋肉を強く引き絞られる
ような痛みがヤワカの両腕を襲い始める。腕が雑巾のように絞られる感覚―。
「ぐ、うっ、アアアァァァァッ!!」
―そんな激痛がおさまった直後、今度は頭蓋骨が軋みをあげ、変形を始めた。声帯をじ
わじわと握りつぶされるような不快感とともに、ヤワカの声は次第に悲鳴から唸り声へと
変わっていく。
「うっ……あ、ガああァァァ!! ぐ、ぐ、……ヴァアアアァァッ!」
服は変化に応じて徐々に破け、裂け目から煙のようになって消滅していく。服が消えた部
分には、もはや素肌など見ることはできない。露わになるのは完全に毛皮で覆われた獣の
それであった。
「な、なんなんだ、てめぇは! ……うわぁっ!」
不気味な物を見る目でヤワカを見下ろしていた鮎原は突然自分の足先に訪れた違和感に悲
鳴をあげる。そろそろ彼女の肉体でも変化が始まる頃だ。
「なんだよこれっ! 足が……足が!!」
ヤワカが顔を上げると、焦げ茶色の毛で覆われ始めた鮎原の足が見える。心が躍った。
46:『メタモル・ワールド』 ◆V2b92lQ5kA
12/04/22 22:02:33.36 YCSO4SKR
その直後、今までカラフルだったヤワカの視界が、モヤのかかった青緑色を中心とした
配色へと塗り替えられる。そのかわり、急に強まった周囲の匂いが洪水のように鼻孔へと
流れ込んできた。
近くにある誰かの鞄から漂う弁当の食べ残しの臭い、教室の床表面にこびり付いた生徒
達の上履きの臭いなど、あらゆる匂いが一斉に押し寄せてきたのだ。そしてその洪水の中
には当然ながら、ヤワカの真正面で怯えている獲物の体臭も含まれている。
「なんだよぉぉ! これはッ……! 来るな、来るなぁッ!!」
鮎原は完全に気が動転している様子で、足をのぼってくるような肉体の変化から逃れよう
と、毛皮に変化しかけた部分を手でバシバシ叩いたり、尻もちをついて後ずさりをしたり
……。しまいには無防備にも、ヤワカにお尻を向けるようにして教室の窓から外へ逃げ出
そうと試みたようだったが、ここが三階だと気付いたのだろう、窓枠を掴んだまま動きを
止めた。
無駄な足掻きを……。ヤワカは目を細めて、じっと自らの変身が完了するのを待つ。
「こんなの絶対おかしいって……ハッ、ハッ……んうっ……ぐっ、う」
今や頭頂部に近い位置へと移り形も変わったヤワカの耳には、鮎原の細かな息遣いまで鮮
明に聞こえてくる。駆けだしたい気持ちをかろうじて押さえ、ヤワカは鮎原の変化をじっ
と見守る。
47:『メタモル・ワールド』 ◆V2b92lQ5kA
12/04/22 22:02:57.04 YCSO4SKR
「夢だ! こんなの夢だ! もう覚めグゥエェェ……」
メキメキと音をたてて鮎原の足が変わっていく。細く、短くなっていくふくらはぎとは
対象的に、毛皮に覆われていく太ももの肉が厚みを増していった。スカートが煙と化して
現れたのは、逃げるのに適した形へと変貌を遂げた下半身。そして、ずいぶんと毛深くな
った臀部からは、小さな尻尾が芽を出していた。
何とか逃げ出そうと、泣きだす鮎原。それでも一度動き出した《ブレイン・ビースト》
プログラムは止められない。
その手はとうに窓枠を掴める形ではなかったようで、鮎原は床に叩きつけられるように
崩れ落ちた。とても痛そうだが、同情の気持ちは全く沸いてこない。
やがて鮎原の頭に、フサフサした長い耳が伸びていき、すっとした鼻は消え顔が前に突
き出していく。その段階になって初めて、ヤワカは気付いた。自分の初めての獲物が可愛
らしい野兎であることに。
変化の具合を見るに、獲物が完成するまで、あと三十秒もかからないはずだ。
……29……28……27……26……
胸の鼓動が高まっていく。
ヤワカは無意識にじっくりと舌なめずりをしていた。
48:『メタモル・ワールド』 ◆V2b92lQ5kA
12/04/22 22:04:17.69 YCSO4SKR
1
西暦2046年。《ニューロリンカー》と呼ばれる携帯端末を用いることで生活の多くが仮
想ネットワーク上で行われるようになった社会。
しかし、それほどに時代が進んでも、この世から「いじめられっ子」は無くならない。
デブな女子中学生・上田柔花(ヤワカ)は何もできない自分にイライラしていた。
中学に入ってすぐ、ちょうどヤワカの右隣の席に座っていた女子がイジメのターゲット
になったのだ。親の都合で小学校卒業と同時に引っ越してきたという彼女は、助けを求め
る友達もおらず、必死に周囲への笑顔を取り繕って軽い嫌がらせに耐えていたようだった。
イジメの首謀者はハッキリしていた。クラスの女子を束ねる鮎原璃姫(アユハラ ルキ)
という黒髪ロングだ。イジメは当初、鮎原の取り巻きグループだけで行われていたが、面
白がった一部の男子がそれに加担しはじめたことで一気にクラス全体へと広がっていった。
校内に設置された複数のソーシャルカメラは何の役にも立たなかった。誰も堂々とイジ
メたりなどしないから当然だ。担任の先生を始め、大人は誰も気づかなかった。いや、も
しかすると気付いていて見て見ぬふりをしているのかもしれない。
ヤワカは激怒した。必ず、この邪智暴虐な行為を止めなければならぬと決意した。
ちょうど《ニューロリンカー》で視界中央に開いていた『太宰治作品集』の仮想書籍ウ
インドウを右手で払いのけ(この動作は仮想ではなく現実のものだ)ヤワカは声量調整用
アプリケーションのアイコンを指先でクリックし、ボリュームMAXで想いのたけをクラ
スの全員にぶつけたのである。
一人に寄ってたかって嫌がらせをするなんて最低だ。恥ずかしいとは思わないの。
確か、そんな感じのことを偉そうに述べたことをヤワカは記憶している。
……
こうして、イジメのターゲットがヤワカへと移った。
49:『メタモル・ワールド』 ◆V2b92lQ5kA
12/04/22 22:05:09.09 YCSO4SKR
上ブタ。自分がクラスの一部女子から陰でそのように呼ばれていることを、ヤワカは別
のクラスの幼馴染・エナリに教えてもらう以前から知っていた。イジメを凶弾したあの日
から、あからさまに鮎原が使うようになったその単語がヤワカを指すことくらい、誰でも
推測できることだった。まだ女子全体にまでは浸透していないが、このまま時間が経てば
結果はどうなるか、火を見るより明らかだった。
「もう終わりよ……。私の中学時代……」
獲物となる巨大モンスターの皮膚を、右腕に装着した鉤爪で切り裂きつつ、ヤワカは独り
ごとのように呟く。わざとらしく火花のエフェクトとともに、視界上部に表示されている
モンスターのHPが小さく削られた。
「大丈夫。まだ何とかなるって! 諦めんなよぉ」
《完全ダイブ》した私の居場所を突き止めた上、頼んでもいないのにハンティングゲーム
にまで割り込み参戦してきたエナリは、根拠もない励ましの言葉を投げつけてくる。ヤワ
カはその能天気さに腹が立った。
「何が大丈夫なのよ……。所詮あんたには他人事なんでしょ!」
エナリの軍人風アバターに掴みかかったヤワカは、エナリが腰に装備していた手榴弾のピ
ンを根こそぎ抜きとると、慌てるエナリを掴んで背後に迫るモンスター目がけて力いっぱ
い投げ飛ばした。大きく開いたロにアバターを放りこまれ、一瞬きょとんとしたモンスタ
ーの頭部は、手榴弾の炸裂でエナリのアバターもろとも吹き飛んだ。
50:『メタモル・ワールド』 ◆V2b92lQ5kA
12/04/22 22:07:36.32 YCSO4SKR
アバターが攻撃を受けたからといって、本人が痛みを感じることはないし、もちろんア
バターが消し飛んだからと言って死ぬこともない。所詮、子ども向けの通信協力対戦型ハ
ンティングゲームだ。血も飛び散らないし、非常に健全である。
「何してんだろう、私……」
ふと我に返ったヤワカの手元には、ここ数週間の昼休み時間で育ちに育ったレベル152の
ハンターアカウントがあった。……ため息。
「あの馬鹿げたモンスターを倒したのはキミか」
背後から、突然声をかけられた。エナリではない。男性であることは間違いないが、もっ
と高く、木綿のように柔らかな声だった。
おそるおそる振りかえったヤワカの背後に立っていたのは。
「浦島……先輩……?」
南部中学2年、生徒会副会長。通称―《浦島王子》。
本当にデジタルなのかと疑うほど精巧に作られた本人そっくりのアバターは、ドラマに
出てきそうなルックスを備えていると学校中の話題だった。
そしてさらに驚くべきは、そのアバターの頭上に表示されたハンターアカウント情報。
「レベル……166!?」
どれほど鍛えても、人間ならレベル150が限界と言われていたゲームだったはずだ。
「もっと強く―『変身』したくはないか、キミ」
51:『メタモル・ワールド』 ◆V2b92lQ5kA
12/04/22 22:08:15.03 YCSO4SKR
2
ミシミシイイイッ!!
そんな生理的嫌悪感を催す音と共に、それは始まった。
脳を揺さぶられるような感覚。周囲の音が消し飛び、ヤワカは意識を手放しそうになっ
た。脳裏には一昨日から今までの出来事が瞬間的に駆け巡る。
一昨日の夜に交わした浦島王子との約束を信じ、昨日の昼休みに待ち合わせをしたこと。
誰にも見つからないように教室を抜け出して約束の中庭に向かったこと。有線直結通信で
《ブレイン・ビースト》というプログラムを渡され、翌日の朝までニューロリンカーを決
して外すなと言われ、疑問を抱きながらも再び会う約束をしたこと。
そして今日。つい先ほど中庭で合流し、再度の有線直結通信にて《ブレイン・ビースト》
がニューロリンカーの量子接続に作用して疑似的に獣への変身を体感できるというアプリ
ケーションだと聞かされたこと。その時には既にインストールが完了していたこと。一度
変身するまでアンインストールは不可能であるらしいことをついでのように教わったこと。
浦島王子から「僕はずっと獣化フェチを隠していたんだ」と謎の暴露をされたこと。思い
切り先輩の頬をひっぱたこうとした瞬間に、先輩が『ビースト・リンク』と叫んで、何か
が始まったこと。以上だ。
走馬灯のようなものは一瞬で止み、気が付くと、世界は一変していた。風になびいてい
た木々や、飛んでいる鳥達が全て動きを止めていた。まるで時間が止まったかのように。
突然、視界の中央に渦を巻く炎のエフェクトが展開され、それは次第に文字列を形成する。
―《BRAIN BEAST》。炎のフォントで確かにそう書かれていた。
52:『メタモル・ワールド』 ◆V2b92lQ5kA
12/04/22 22:08:52.00 YCSO4SKR
「二〇二〇年代のヘッドギア型VR機器や、二〇三〇年代のインプラント型VR機器が生
んだ悲惨な事件の教訓から、ニューロリンカーでは量子レベルでの無線接続を用いて脳細
胞と接続するという手法が取られている」
慌てて辺りを見回すヤワカ。動いているのは自分と、目の前の浦島王子だけだ。それに、
よくよく見てみると、いつの間にかヤワカも浦島王子も各々のアバターの姿になっていた。
「突然、何の話……!? 何が起こったの!?」
「接続原理が生理学的メカニズムとは全く無縁であるゆえに、脳細胞への負荷が発生しな
いようになっていることは、キミも知っているはずだ。ヤワカさん」
浦島王子はヤワカの両手を取り、ぎゅっと包み込むように握った。確かな先輩の体温を感
じ、ヤワカは自分の頬が熱くなるのを押さえられなかった。
「そ、それとこれに何の関係が……ひゃっ!」
動揺を隠そうと必死に言い返そうとした時、握られていたはずの手が、急にむず痒いよう
な感覚に襲われた。肌の表面が波打つ感じ。
「ほら、もう始まったみたいだ」
浦島王子が何かしているのかと思い、ヤワカはとっさに手を引き抜こうとしたが、既に王
子は既に手を離していた。しかし、胸の前に引き寄せた手からは、未だにくすぐられてい
るような感触が伝わってきている。これはもしかして……。
「うわッ!!」
ギギギギと音がしそうなくらいぎこちなく視界を下にずらしたヤワカは、自分の手の甲が
真っ白な毛で覆われ始めていることに気付いた。
「詳しい説明は後回しにするが、我々は今《加速状態》にあるのだ」
「それが何!?」
「えっ……」
53:『メタモル・ワールド』 ◆V2b92lQ5kA
12/04/22 22:09:41.24 YCSO4SKR
ざわざわと毛先でくすぐられるような感触は次第にヤワカの手首、腕へと広がっていくよ
うだった。これはつまり、全身に毛が生えるということか。想像するだに気持ちが悪い。
「世界を止めるのはともかくとして、これを止めて!」
自分の手の甲を突きつけるようにして、ヤワカはきょとんとする浦島王子に詰め寄った。
「あ、あぁ。すまない。実は、このプログラム。変身キャンセルは出来ないんだ」
「うそ……」
困ったような笑みを浮かべながら、浦島王子は言った。変身が終わったら、まずそのふざ
けた顔面をぶち壊す。ヤワカは心に誓った。
その瞬間、ヤワカの全身からミシミシと普通聞こえてはならない音が鳴りだした。身体
の中から響いてくるような痛みに、ヤワカは顔を歪め、地面に崩れ落ちそうになる。慌て
て腕を伸ばしてきた先輩に上半身を抱きかかえられても、ヤワカには喜んでいる余裕など
なかった。とにかく痛い。全身の骨や関節が悲鳴をあげているようだった。
「あ……うぅ……ぐっ」
「さあ、ゆっくり屈んで両手を地面につけるんだ。それでだいぶ楽になる」
言う通りにするのは嫌だったが、むりやり背中を押されて地面に手をつくと、急に痛みが
軽くなってきて、結局なすがままになってしまった。その時になると、もはやヤワカの両
腕は完全に白い体毛で覆われており、くすぐられるような感覚は首や胸へと広がっていた。
「キミはこれから四足歩行の獣になるようだな」
「そんなの望んでない! 私はただ強くなりた……ぐふぅッ!」
左右から肺を押しつぶされるような感覚。突然の身体の変化に息が詰まる。
「イヤ……ア……ッグァ……ガァ!?」
54:『メタモル・ワールド』 ◆V2b92lQ5kA
12/04/22 22:10:18.66 YCSO4SKR
喉が引き絞られるような痛みの後、ヤワカは言葉が出せなくなっていた。密かにヤワカの
自慢だった豊かなバストの重みも、溶けて消えるように失われていくのが分かる。
あまりの出来事に目頭が熱くなるものの、涙が流れ出す前に目元にむず痒さが到達し、
視界が青緑色に置き換わって、よく見えなくなった。
「もっと力を抜いて、息をゆっくり吐いて。変化に身を任せるんだ」
「アァ……ア……」
背中をさすってくれている先輩の声が先ほどよりも鮮明に感じられた。
「一番痛いのはここからだ。頑張って」
「ッグ!?」
さすられていた所から、背中の変化が加速し、下半身へと広がった。
「キャゥ! グガゥ……アァ! ギャァアゥ」
くすぐったい、いたい、クスグッタイ、イタイ。
このあとの変身中の状況はよく覚えていない。服が消え去り、尾てい骨が軋みをあげて
伸び始めた段階で、もはや考える余裕など全く無くなってしまった。ただひたすらに頭を
抱え、唸っていた気がする。
全てが終わった時、ヤワカは先輩に背中をさすられる一匹の獣と化していた。
「よしよし。痛かっただろう」
先ほどまであれほど憎かったというのに、ヤワカの心には浦島王子に危害を加えようとい
う想いなど、欠片も残っていなかった。ただただ、不思議な解放感を味わわせてくれた先
輩に対する畏敬の念と、穏やかで甘い好意だけがそこにはあった。
「『ビースト・アウト』と強く唱えることで、瞬間的に現実に戻ることができるが、その
前にマッチングリストから狩りたい相手の名前を選択し、対戦を申し込んでおくといい。
《ブレイン・ビースト》はこう見えて対戦格闘ゲームだからね」
55:『メタモル・ワールド』 ◆V2b92lQ5kA
12/04/22 22:11:00.68 YCSO4SKR
3
《ブレイン・ビースト》のルールは簡単だった。対戦とは言うもののその実態は格闘ゲ
ームというよりはハンティングゲームそのものなのだ。アバター同士、喰うか喰われるか。
脳に負担を与えない程度の激痛が伴うというだけで、ハンティングゲームがここまでスリ
ルに溢れるものになるとは、ヤワカは想像もしていなかった。
その上、このプログラムの凄い点は、別に対戦相手が《ブレイン・ビースト》をインス
トールしている必要がないことにある。対戦を申し込んだ相手が偶然、何かのはずみでニ
ューロリンカーを外さずに居眠りをした瞬間に、ネット回線を介して自動的に加速に巻き
込み、強制的に対戦を始めることができるのだ。
先輩に言われた際に、対戦を申し込んでおいたのが功を奏した。
ちょうど四時間目の授業中、鮎原が居眠りを始めたのだ。そして、間もなく……
ミシミシイイイッ!! というあの音が、ヤワカの脳内に響き渡った。
無駄な足掻きを……。ヤワカは目を細めて、じっと自らの変身が完了するのを待つ。
「こんなの絶対おかしいって……ハッ、ハッ……んうっ……ぐっ、う」
今や頭頂部に近い位置へと移り形も変わったヤワカの耳には、鮎原の細かな息遣いまで鮮
明に聞こえてくる。駆けだしたい気持ちをかろうじて押さえ、ヤワカは鮎原の変化をじっ
と見守る。
「夢だ! こんなの夢だ! もう覚めグゥエェェ……」
56:『メタモル・ワールド』 ◆V2b92lQ5kA
12/04/22 22:12:10.12 YCSO4SKR
メキメキと音をたてて鮎原の下半身が変わっていく。細く、短くなっていくふくらはぎ
とは対象的に、毛皮に覆われていく太ももの肉が厚みを増していった。スカートが煙と化
して現れたのは、逃げるのに適した形へと変貌を遂げた後ろ足。そして、ずいぶんと毛深
くなった臀部からは、小さな尻尾が芽を出していた。
「リンク・アウあグゥ……ガァ……! ハァッハァッ……くキュゥ!」
何とか助かろうと、《リンク・アウト》をしようとしたのだろうが、一度動き出してし
まった《ブレイン・ビースト》プログラムは《リンク・アウト》では止められないし、も
はや、今の鮎原の声帯ではコマンドはニューロリンカーに認識されることはないだろう。
何とか逃げ出そうともがき、壁にもたれかかるようにして泣きだす鮎原。
その手はとうに窓枠を掴める形ではなかったようで、鮎原は床に叩きつけられるように
崩れ落ちた。とても痛そうだが、同情の気持ちは全く沸いてこない。
やがて鮎原の頭蓋骨からビキビキと音が聞こえ始め、鳴き声が悲鳴に変わった時、彼女
の目は既に涙を流せないものになっていた。
やがて鮎原の頭に、フサフサした長い耳が伸びていき、すっとした鼻は消え、顔が前に
突き出していく。その段階になって初めて、ヤワカは気付いた。自分の初めての獲物が可
愛らしい野兎であることに。
ヤワカは自分が舌なめずりをしたことに気が付かないほど興奮していた。
視界中央にタイトルロゴと同じ炎のフォントで《LET'S HUNT!!》と表示されると同時に、
ヤワカは獲物目がけて飛びかかった。獲物は硬直から解き放たれたかのように逃げ始める。
狭い上に机だらけの教室だ。小さな兎にしか通れない隙間も多く、善戦したかに思えたが
やがて力尽きて足がもつれた瞬間に、その背中をヤワカの爪が捕え、間髪入れず後ろ首に
牙が差し込まれた。深々と。
57:『メタモル・ワールド』 ◆V2b92lQ5kA
12/04/22 22:13:22.43 YCSO4SKR
躊躇なく首を噛み砕いたヤワカは、痙攣する獲物を一旦地面に置き、のびのびと遠吠え
をした。少しあっけなかった。もっと可愛い獲物とじゃれ合っていたかった。仮想世界と
は言え、その狩りは限りない充実感をヤワカにもたらしていた。
それゆえ、ヤワカはすかさず前足を上げ、マッチングリストから消えかかっている鮎原
の名前にタッチして再戦を申し込んだのであった。
数日後。
「おっ、おはようございます、先輩!」
早朝の校門前でいつも通り浦島王子が待っていた。
初めての対戦を楽しんでからイジメは収まっていった。むしろ今心配なのは、別件につ
いてである。
「そういえばキミ。あの日“例の彼女”と何回連戦したんだい?」
ヤワカは小首をかしげるジェスチャーをする。特に数えていたわけではなかったからだ。
浦島王子が笑った。
「まぁ、いいや。どちらにせよ“例の彼女”の精神状態も落ち着いてきているらしいしね」
「ほんとですか! よかったです」
ヤワカの表情が明るくなったのを見て、浦島王子も嬉しそうに笑う。
結局、鮎原は授業中に居眠りをして失禁した可哀想な子になった。先生に保健室へ連れ
ていかれながら壊れたように笑う姿を最後に、ヤワカは鮎原を見ていない。鮎原の親が転
校の手続きを進めているとの噂が流れているが、実際の所はどうなのか分からない。鮎原
が教室に戻ってきたら、せめて今度はもっと優しく接してあげようとヤワカは思っている。
「それと、ええと……昨日は、すまなかったな。大切な友人を卑劣な襲撃者呼ばわりして
しまって。おまけに、直結して確かめるなどと無理なことを言わせてしまった」
「直結しましたけど」
「えっ……」
白の帝王アルブス・ケルウスである浦島王子を狙う襲撃者は、エナリのニューロリンカー
を経由して攻撃を仕掛けてきていたことが直結での調査で明らかになっていた。
ヤワカ達の戦いは始まったばかりだ!
【完】
58:『メタモル・ワールド』 ◆V2b92lQ5kA
12/04/22 22:21:26.16 YCSO4SKR
『メタモル・ワールド―超獣化録ビーストランカー』はこれにて完結といたします(汗)
最後まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
初めてなのに、ずいぶん長くなってしまい、申し訳ありません。
久しぶりに文章を書いたので、脳が焼き切れるかと思いました^^;
機会があればまた何か妄想を書き出そうと思いますので、そのときはまたよろしくお願いします。
ちなみに参考文献というか、パクリ元は、『アクセル・ワールド』原作1巻です。
あの世界は、わりと仮想空間で簡単に獣化できそうな世界観なので非常に気に入っています。
チユリのアバターイラストのケモ度の低さは残念でなりませんが。
(あれはネコ型アバターじゃなくて……猫耳尻尾付アバターじゃないかと)
59:誤植orz ◆V2b92lQ5kA
12/04/22 22:39:29.99 YCSO4SKR
>>56
やがて鮎原の頭蓋骨からビキビキと音が聞こえ始め、
↓
すぐに鮎原の頭蓋骨からメキメキと音が聞こえ始め、
他にも読みづらい所満載ですね。以後気をつけます。
60:maledict ◆k/fFCPdV8.
12/04/23 17:20:46.94 TcDFLokL
>>45-57『メタモル・ワールド』拝読。
自分は元ネタを読む・見るはしておらず、どの辺を脚色したのかは
なんとなく見当がつくものの(獣化設定の挿入、主要人物の性別の逆転)、
文章的にどこまで元ネタをなぞっているのか等はよく分かりません。
(「ニューロリンカー」というのは完全に原案通りのネーミングであるらしいこと、
ときどき「加速」という言葉が残っている点などは、もうちょっと見直してもいいかも、
とは思いました。)その上での感想です。
獣化のシークエンスは解放感と苦痛がいい感じで混ざっていると思いました。
いじめっ子とはいえ、任意の相手を強制獣化させて狩りの対象にし、
精神を崩壊させる、というのは結構ダークだよなあと思います。
ただ、>>58でおっしゃっている通り、、
>わりと仮想空間で簡単に獣化できそうな世界観なので
というところから出発している作品である以上、やむを得ないことなのでしょうが、
「獣化が仮想現実限定」、という部分は「夢落ち」と似たような
物足りなさを感じてしまいました。仮想現実ネタはそれとして面白いと
思うのですが、TFとの相性はいまいちかも、などと個人的に感じました。
仮に鮎川の精神崩壊が「精神までウサギ化してしまった」というようなものだったら、
「仮想空間での獣化の現実への逆流」ということになるかもしれない。
あるいはいっそ、仮想現実という設定をばっさり切って、本物の獣化装置で
戦闘し合うような話に変えちゃってもいいんじゃないか…などとも思いました。
ただ、最後の所はかなり無責任な意見なのであまりお気になさらず。
元ネタにはまっている人はまた別の感想を持つかもしれないし、
本作はこれはこれでありなのだと基本的には思います。
…長い割に内容のないコメントすみません。
61:amayotas ◆V2b92lQ5kA
12/04/24 01:24:17.56 mDb42Yvy
>>60 maledict様
思いがけない幸いに、パソコンの前で「ガタッ」っとなりました。amayotasです。
どうしようもない拙作にお目通し下さったばかりでなく、
丁寧な感想まで贈ってくださり、まことにありがとうございました。
なんとお礼を言ったらいいのか……感動のあまり今でも手が震えております。
これは夢じゃないのかと頬をバシバシ叩きましたが、どうやら現実のようです。
「仮想現実限定の獣化」というのが「夢オチ」に似た物足りなさを生んでしまう
ということは完全に盲点でした。「現実の肉体が獣化する」ということは原作の
ニューロリンカーの「脳細胞に影響を出さない接続原理」という設定を活かす上
で難しいと思っていたのですが、良く考えたら原作でも「記憶を消すプログラム」
みたいなのがあったり(脳細胞に影響あるやん^^;)するので、「精神までウサギ
化しちゃう」というのは全然ありですね! (続く)
62:amayotas ◆V2b92lQ5kA
12/04/24 01:26:31.04 mDb42Yvy
(続き)
あるいは、二〇二〇年代を舞台に、ヘッドギア型VR機器のゲームに参加した
βテストプレイヤー達が、ログアウト不可のデスゲームに参加させられ、HPが
ゼロになるとアバターが獣化、現実世界のプレイヤーはヘッドギアで脳が焼かれ
死亡。という過酷な不可逆TFデスゲームが幕を開けるとかどうでしょう?
(完全に「ソードアート・オンライン」のパク……リスペクトです)
今回は、待望の「アクセル・ワールド」アニメ化記念に妄想したことを形にしよう
という目標があったので、仮想現実という設定を切らずに書かせていただきました。
ちゃんと設定を料理しきれなかったことが残念でなりません。
憧れのスレに投稿させて頂くにあたり、獣化のシークエンスだけはしっかり書こう
と思っていたので、解放感と苦痛のことを評価して頂けたことは、特に嬉しいです。
お返事なのにだらだらと長文で申し訳ございません!
今後も、頃合いを見て執筆させて頂きますので、よろしくお願い致します。
もうすぐmaledict様も新作をご投稿されるのですよね!
読むのが楽しがるるるる
63:maledict ◆k/fFCPdV8.
12/04/24 21:45:06.78 ewy9TQao
>>61-62amayotas様
考えてみると「仮想空間での獣化」というのは多分、
「現実化される見込みが一番高そうな獣化方法(というかそれ以外まず無理)」
ではないかと思えて、そう考えるとワクワクする主題ではありますね。
それから、新作書けたのですが、
当初、明日と思ったものの、明日だと時間がとれないかもしれず、
やっぱりこれから投下させていただきます。
amayotas様との間隔が短くなってすみません。
『メタモル・ワールド』の感想も引き続き出てくればと思います。
(>>62では懐かしいネタをありがとうございましがるるるる)
タイトルは「アースワーム・ガール」。
タイトルそのまま、ミミズ怪人化の話です。完全虫化はしません。
ショタとスカトロ要素が多少混入。予めご了承下さい。
また、仮に類似作がすでにございましたらどうかご容赦下さい。
字数は400字詰め換算で70枚ぐらい。長いです。
エロパロ板の改行限度は60行だと聞いたので、今回はそのペースで分割します。
…以上、前ふりが長くてすみません。いきます。
64:アースワーム・ガール(1/13)
12/04/24 21:45:50.83 ewy9TQao
「すみません! ちょっと『お花を摘みに』行ってきます!」
あたしは文芸部の部員と顧問の相田先生、それに相田先生の甥の
上夫くんたち向かってそう言うと、さっと駆け出した。あと十分も
歩けばペンションに戻れて、ちゃんとしたトイレを使えるのだが、
もう我慢の限界だったのだ。
高校入学後は都会派を装ってきたあたしだが、小学生時代は男子
に混って野山を駆け回る野生児だった。そんなあたしだから、
こうやってハイキングの途中にその辺で小用を足すのにも、格段の
抵抗はなかった。
道から少しそれて草むらを進むと、ちょうど周りから見えない窪地
があって、そこで用を済ませようと決めた。
大急ぎでズボンを下着ごと下ろし、こらえていたものを放出し始めた
ときは、爽快そのものだった。だがその直後、水音とは異質な、
かさり、という音がして、ぎくりとして両足の間を覗き込んだあたしは、
自分が非常にヤバい状況に置かれていることを悟った。あたしの
おしっこが地面を叩いている地点のほんの少し横に、全長数十センチは
あろうかという巨大なミミズが鎮座し、頭をもたげているのである。
「ミミズにおしっこをかけるとチンチンが腫れる」
悪ガキ一味に混じって遊んでいた頃、あたしはそんな俗説を耳に
した。ただ、今の状況がヤバいと言ったのは、あたしがこの俗説を
信じているからではない。たしかにこの俗説には「土を掘った手で
おしっこをすると、アレにバイ菌が入って腫れる」という合理的な
解釈もある。だがそれも今のあたしには無用の心配だ。
今の状況のヤバさは、まったく別のところにある。
思春期のはじめ頃、あたしはその俗説の風変わりな解釈を聞いた。
それによると、「腫れる」というのはつまり海綿体が充血するアノ
状態を指しているのであり、つまり男児はその行為によって性的
興奮を感じてしまうのだ、という説である。
この話が科学的に正しいのかどうかは知らない。だが、正しいか
どうかという以前に、この話はあたしに鮮烈なイメージを刻み込んだ。
何やらエロチックな印象のあるミミズという生き物に、少年がまだ
未熟な性器を向けて尿を放つ。その行為が少年に性の目覚めを促し、
幼い茎が硬くなる……そんな情景をもわもわと想像している内、あたし
の中にもやもやと衝動がこみ上げ、気がつくとあたし自身が自分の
あそこをまさぐっていた―それがあたしの性の目覚めだったのだ。
硬くなった男性のアレがどんな様子になるのかなど、未だに
ちゃんとは知らない。なのに……いや、あるいは、だからこそなのか、
「ミミズにおしっこ」というシチュエーションに激しい性的興奮を
覚えてしまう性癖を、あたしは未だに抱えている。そういう意味で、
このシチュエーションは「ヤバい」のである。
勢いが衰えないままバシャバシャと草を叩く尿の流れを見る内、
下半身からぞわぞわとした感触が這い上がってきた。これをこの子に
かけてやりたい。かけて、びしゃびしゃにしてあげたい、という、
「禁断の悦び」の誘惑が、あたしの脳内を占領した。
「いいや、かけちゃえ!」
興奮に我を忘れそうになりながら、あたしは腰をほんの少しずらし、
なおも勢いよくほとばしる液体の噴出先を、巨大なミミズに向けた。
その瞬間。プシュウウウウッという何かが破裂したような音と共に、
あたしのあそこから両ももの内側全体に、熱い何かが吹き付けられた。
「ひっ!」
あたしは突然の出来事に硬直し、かすれた声を発しただけで悲鳴
すら上げられなかった。
気がつくとあたしの下半身は痺れたように力が入らなくなり、
あたしはようやく勢いが衰えた尿をしたたらせながら尻餅をついた。
尿で濡れそぼったごわごわの草が、不愉快な感触であたしのお尻を
濡らした。
65:アースワーム・ガール(2/13)
12/04/24 21:46:19.59 ewy9TQao
唖然として、恐る恐る両足の間を覗き込んだあたしの目に、
信じがたい光景が映った。数十センチはあった筈の巨大ミミズが、
あたしの目の前でほんの十数センチの長さにまで縮小し、その代わり、
太さが何倍にもなっていった。やがて、ミミズの先端に円い穴が
空いたかと思うと、先端の皮膜がぺろんとめくれ上がり、その下から
釣鐘状の赤黒い頭部が姿を見せた。そうして太さを増したミミズは、
ミミズとは思えない俊敏さでヒュッとジャンプし、麻痺したままの
あたしのあそこに、その頭部をねじ込んだ。
「……つっ!……」
のども麻痺してしまったらしく声らしい声も出せないまま、恐怖と
突然の違和感にあたしはのけぞり、後ろの地面に倒れ込んだ。
あそこに飛び込んだミミズは器用に身をよじりながら、ずり、ずり、
とあたしの中に入ってきた。膨張のせいなのか、その胴体は硬く
張っている。しかし多量の粘液を分泌しているせいなのか、侵入は
強引、かつ驚くほど滑らかに進んだ。
「……や……やめてよ……」
あたしの内部を進むミミズが、中間部の膜状、ないし弁状の部位に
さしかかったとき、あたしは思わずかすれた声を絞り出した。だが、
当然ながらミミズに言葉など通じず、ミミズはその部位を強引に
押し破ろうとし始めた。
「………い……いたっ……」
とうとうミミズが「膜」を破ってしまったとき、あたしはか細い
叫びを上げかけた。
だがその後、さらに予想外の異変があたしを襲った。
「あふぁあああああんっ!」
無声音でありながら「喘ぎ声」としか形容できない声が、あたしの
体の奥からほとばしった。
何が起きたのか直ちには分からなかった。どうにか識別できたのは、
ミミズが膜を突き破って一気に奥まで潜り込んだ直後、あのプシュ
ウウウウッという破裂音がお腹の当たりで響いたことだ。そして
その瞬間、あたしの意識は散り散りになり、気がつくと、あそこから
脳天へ続く激烈な快感に貫かれ、これまで発したこともないような
いやらしい声を上げていたのだ。
穴の奥から、あたし自身の液体がどばあっと吹き出し、あそこから
垂れ始めた。べとべとになったあたしの穴の中でミミズがびくん
びくんと蠢くたび、あふれ出す快感にあたし自身もびくん、びくん、
と全身をのけぞらせた。そうしてのけぞるたびに、さらに液体が
どばっ、どばっと滲み出してくるのがわかった。
脈動する快楽でぐるぐるとかき回される意識の中、あたしは、
どうやら中のミミズが再度液体を放出したのだろうと察した。
あたしの下半身を麻痺させた液体のもっと濃いやつを、胎内で多量に
放ったのだ。
何度目かの「絶頂」を迎えたあたしの意識は、もはや高まり続ける
快楽に追いつくことができなくなり、急速にフェードアウトし始めた。
薄れゆく意識の中、お腹の中のミミズが、まるで役目を終えたように、
外へと這い出し始めたのを感じた。
ぺし、ぺし、と誰かが頬を叩き、あたしの目を覚まさせた。
「大丈夫?」
目を開けると、悪友の柿子が、呆れたような、しかしまた不安
そうな顔つきで、草むらに倒れたままのあたしの顔を覗き込んでいた。
66:アースワーム・ガール(3/13)
12/04/24 21:46:41.97 ewy9TQao
はっと気がつき、下半身に目を向けると、情けないことに、相田
先生があたしのズボンを上げてくれていた。処女喪失の出血があった
はずだし、ぬるぬるの液体が多量に流れたはずなのだが、見たところ
汚れはほとんどなく、パンツの感触もさらりとしていて、濡れている様子
はない。全部乾いてしまうまで気絶していたのだな、とあたしは思った。
幸い、上夫くんは二年の久家先輩と一緒に離れたところにいて、
あたしのあられもない姿を見ていないようだ。他の二人の先輩たちに
も見られてしまったようだが、ともかく女子校に通っていてよかった、
とあたしは思った。
目を覚ましたあたしに、相田先生が話しかけた。
「何があったの? ひょっとして、そこのミミズにお小水をかけたり
したんじゃない?」
上体を起こしたあたしははっとして両足の間を見た。そこにいた
のは、あの巨大ミミズと同一個体とはとても思えない、太さも長さも
ごく普通のミミズで、ぴくりともせずに横たわっていた。
「……え……あの………………いいえ。……た、立ちくらみです。
起きあがったとたんに、めまいがして……」
正直に話すことなどとてもできず、適当にごまかすあたしに、
先生は予想外の事実を知らせてくれた。
「そう。かぶれたりしていなかったようだし、大丈夫でしょうけど、
気を付けてね。あのね、『ミミズにおしっこをかけるとおちんちんが
腫れる、というのは迷信』という話があるけど、どうやらその話
自体が『迷信』らしいの。あるサイトに詳しく載ってるけど(URLリンク(www.geocities.jp))、
ミミズには、攻撃を受けると刺激性の液体を噴射する習性がある
らしいのよ。サイトには写真も載っているけど
(URLリンク(www.geocities.jp))、
結構ものすごい勢いみたい。だから、男女問わず、ミミズにおしっこ
をかけてはいけないのよ。……あ、大丈夫? 歩ける?」
話を聞きながら立ち上がったあたしに、先生は心配そうに声をかけた。
「大丈夫。一人で歩けます。先を急ぎましょう」
そう言ってあたしは少しよたよたとだが、久家先輩たちの方へ
歩き出した。先生と他の三人は心配そうについてきた。
その後、わたしたち一行はややペースを落としながら無事ペンション
にたどり着いた。ペンションでは先生の妹さん、つまり上夫くんの
母上が夕飯の支度を始めていた。先生の妹さんは母一人子一人で、
住み込みでペンションを運営している。今日はあたしたち文芸部の
貸し切り状態だ。
部屋に戻った柿子は、久家先輩と共に入浴の支度を始めた。隣の
部屋の二人の先輩たちと共に、夕食前に汗を流しておこう、という
ことになったのだ。だがあたしはその傍ら、具合が悪いから、
といって布団を敷き、その中に潜り込んでいた。
「じゃあ、お大事にね」
久家先輩がそう声をかけてドアを閉めた。柿子はその前にさっさと
出て行ってしまった。
一人部屋に残り、皆の声が遠ざかるのを確認したあたしは、布団を
抜け出し、カーテンを閉め、念のためドアに鍵をかけると、部屋の
電気をつけて、ズボンとパンツを一気に下ろした。
「………………!」
下腹部を見下ろしたあたしは、驚きと当惑で絶句した。だが、
じっとその部分を見つめている内、色々な疑問が解け、胸のつかえが
とれていく感覚が湧き上がってきた。
「…………あは、あは、あは、そうか! あはははははは!」
気がつくとあたしは、自分がこれからどうなるのか、そして何を
したらいいのか、はっきりと理解できるようになっていた。その感覚
が、あたしの中で愉快な気分となって膨らんだ。
67:アースワーム・ガール(4/13)
12/04/24 21:47:11.47 ewy9TQao
あたしはTシャツとブラを脱ぎ、下着なしでパジャマを着ると、
再び布団に潜った。布団に入ると早速パジャマの中に手を入れ、
乳首とあそこをまさぐった。
―決行は今夜。それまでに完了させてしまおう―そんな、
はやる気持ちを抑えながら、あたしは行為に没入していった。
先輩たちと柿子が風呂場から帰ってきたので、あたしは行為を中断
して寝たふりをした。夕食に誘われたが、寝ていたいからと断り、
行為を続行した。夕食後はミーティングルームで読書会だったが、
あたしはそれも断り、心おきなくその先を続けた。この調子なら
どうやらもうじきだ、と思えた。
やがて就寝時間が来て、柿子と久家先輩が部屋に帰ってきた。
昼間のハイキングと長時間の読書会でくたくたになったらしく、二人とも
あっというまに寝息を立て始めた。隣室の先輩たちや先生も同じだろう。
オーナーさんも、もちろん上夫くんも、もう眠っているはずだ。
あたしはそっと布団を抜け出し、柿子を揺り起こして耳打ちした。
「ねえ。あたし、お風呂に入っておきたいんだ。ここ、温泉だから
一晩中入れるでしょ? 付き合ってくれない?」
「……しようがないなあ。でも、元気が出てきたのかな。いいよ。
付き合ったげる。で、上がったら何か食べた方がいいよ」
なんだかんだで根の優しい柿子は、あたしの要求を受けいれ、
布団から這い出してくれた。
タオルを手にしてこっそり部屋を出たあたしたちは、暗い廊下を
進み、風呂場へ向かった。
「暗いね。電気つけない?」
「だめ。先生やオーナーさんに見つかったら面倒だよ。浴室に入ったら
電灯をつけよう。あそこなら部屋から気付かれないはずだから」
ひそひそと話しながら、あたしたちは脱衣所に入り、明かりが漏れ
ないように、浴室の電灯だけをつけた。そうして薄暗いままの脱衣所
でパジャマを脱ぎ始めた柿子に、あたしは思い出したように言った。
「ごめん! トイレに行きたい。先入ってて!」
「またそれかよ! ……まったくもう。早くね」
呆れたようにそう言った柿子は、無造作にパジャマごと下着を
脱ぎ捨て、浴室へ向かった。
あたしの目は、無意識のうちに、柿子のふくよかなバストや
おへその下の茂みに引き寄せられ、抑えがたい欲望が噴き上がった。
続いて柿子が無防備に白い背中を見せながら浴室の引き戸を開けたとき、
あたしはもう我慢ができなくなり、自分のパジャマを胸の辺りで
思い切り横に引いた。ぶちぶちと音を立ててボタンがはじけ飛び、
その下の両胸が露わになった。
あたしは自分の両胸をまじまじと見つめ、その様子に胸をときめ
かせた。それから後ろ手で戸を閉めようとしている柿子のつるんと
したお尻の割れ目に狙いをつけ、胸の腺にぐっと力を込めてみた。
するとあたしのイメージ通り、乳首の先からブシュウウウウウッと
勢いよく液体が放射され、柿子のお尻と太もものあたりを、びしゃ
びしゃに濡らした。
液体の効果が早速出てきたらしく、柿子はよたとたとよろめきながら
前のめりに数歩進み、浴室の中に入ったところで崩れるように床に
突っ伏した。
後ろから何かをされたことに気付いたらしい柿子は、もがくように
体を返して仰向けの姿勢になり、腕の力で上体を起こして、背後に
いるはずの「何か」に顔を向けた。
「……み、瑞美? ……どうしちゃったの? なんか、体が……」
柿子はあたしの上半身を見てうろたえている。そしてあたしも、
柿子が転んでくれたおかげで、柿子の後ろにあった鏡で、自分の
新しい体を見ることができた。
68:アースワーム・ガール(5/13)
12/04/24 21:47:34.80 ewy9TQao
鏡を見ながらいそいそとパジャマのズボンを下ろすと、ちゃんと
その下も変態を終えていた。うれしくなったあたしは、自分の体を
見せつけるように、柿子に向けてにっこりと微笑んだ。柿子は
引きつった顔であたしの体を見つめた。
あたしの首から下は、すっかり人間とはかけ離れた姿に変態して
いた。夕方からさっきまで、本能の命ずるまま、あそこからわき出る
粘液をせっせと体全体に塗りつけたおかげだ。子宮の中にたっぷりと
残された粘液は、すでに内臓も変質させているはずだった。
全身のシルエットは以前と大差ない。いや、心なしか以前よりも
スタイルがよくなったような気もする。だが、皮膚の様子がすっかり
変わっている。つま先から首のすぐ下まで、ピンク色のぷるぷるした
粘膜に変わり、その表面からは常時ぬるぬるした粘液がしみ出して
いる。そしてそのピンク色の皮膚には、指先にも、胴体にも、白い
横線が五ミリほどの感覚でびっしりと刻まれている―まるでミミズだ。
そう。あたしはこの数時間でミミズ少女に生まれ変わったのだ。
手足の指先から爪はなくなり、すべての指が太いミミズになった
ように見えた。乳房も、先端の真っ赤な乳首を中心に、白い環節が
同心円状に刻まれていた。その乳首もよく見ると、無数の短い触手の
束に変わっていた。
顔のあたりがむずむずするので、思い切って髪の毛をぐいと引き
上げてみたら、首から上に表面だけ残されていた人間の皮膚が頭皮
ごとつるんと外れ、その下から他の部位と同じ、横線の並ぶ皮膚が
出てきた。目はいつの間にか黒一色に変色し、口からは歯がぼろぼろ
と抜け落ち、ただの穴のような器官に変形した。それでも一応、鼻の
隆起やら顔の輪郭やらは、人間の形状を留めていた。頭には、髪の毛
の代わりに真っ赤な細い触手が生え、ざわざわと波打っていた。
頭から生えているのと同じ触手は、下腹部の三角地帯にも生えていた。
一見したところ真っ赤な恥毛のようだが、よく見ればその一本一本が
触手で、やはり絶えずざわざわと蠢いているのだ。
「……や、やだ……来ないで……」
頭部の皮膚を脱ぎ捨て、歩き始めたあたしを見て、柿子がかすれた
声を発した。麻痺のせいで大声が出せなくなっている様子で、
あたしは少しほっとした。
歩き始めて気がついたのは、指も、腕や足も、さらには背骨も、
硬い骨が液体骨格に置き換わっているらしいことだった。人間の体の
癖が抜けず、もともと関節があった部分しか曲げていなかったのだが、
その気になればどの部分も好きなように曲げられそうだし、伸縮も
自在にできそうだった。
あたしは試しに、足を人間ならば複雑骨折しそうな向きで思い切り
曲げ、それから勢いよくぐっと伸張させた。宙を舞ったあたしは、
予想以上の距離を飛んで、柿子のすぐそばに着地した。
「あははは! 見て見て!」
あたしは床に尻餅をつき、青い顔をしている柿子の真上で、両腕と
十本の指すべてを、でたらめな方向にグニャグニャと曲げ、さらには
伸縮させて見せた。唖然とした柿子の腕から力が抜け、腕で支えて
いた上体がぺたんと床についた。
あたしは柿子の両足を開き、その間にかがみ込むと、柿子の顔に
ぐっと顔を近づけ、話しかけた。
「どう? 素敵な体でしょ?」
柿子は最初目をそむけかけたが、やがて真っ黒なあたしの両目を
見つめ返し、ぐっと震えをこらえると、息を振り絞るようにして
問いかけた。
「……あんた……瑞美、なの? それとも、瑞美じゃないの?」
あたしは答えた。
「あたしは瑞美だった。でも今はもうミズミじゃない。ミミズよ!」
次ページ最新レス表示スレッドの検索類似スレ一覧話題のニュースおまかせリスト▼オプションを表示暇つぶし2ch
4193日前に更新/439 KB
担当:undef