ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α11 at EROPARO
[bbspink|▼Menu]
[前50を表示]
550:名無しさん@ピンキー
13/03/31 21:55:11.00 31ogQOSn
乙乙

551:名無しさん@ピンキー
13/03/31 22:37:19.37 eb7UHfjh
ああ、佐藤兄弟=シュガー姉妹ね

茶を噴いただろうが

552:名無しさん@ピンキー
13/04/01 01:56:38.92 xu644ECc
わあ。まっててよかった……。

ところで濃厚な燃料補給シーンをですね。

553:名無しさん@ピンキー
13/04/01 04:33:59.68 fGG2t4nc
刺身のツマ程度ですが
勝手にやったんであまり合わなかったらすまん
URLリンク(pic-loader.net)

554:名無しさん@ピンキー
13/04/01 07:35:42.79 R0zYStAS
これは素晴らしすぎるでしょう

555:名無しさん@ピンキー
13/04/02 14:46:46.46 gcCQr0pQ
おぉ、神絵師の 再降臨か
やっぱ絵があるとイメージが膨らむなあ

556:名無しさん@ピンキー
13/04/03 22:29:47.37 WbxpvNBy
おおおお、一緒にフェリーから降りてきた敵キャラさんかな
おなごのやわらかさはもちろん男性キャラの書きわけもすごいっ!

557:名無しさん@ピンキー
13/04/03 23:17:22.08 gR16o+6m
女の子を上手く描ける絵師は多いけど、男をきちんと描ける人は確かに凄いな

漫画化してくれたら買うぞ

558:名無しさん@ピンキー
13/04/07 08:03:57.28 I1MCGiXS
ちょっと手直し版シズカ
URLリンク(www.pic-loader.net)
アイアンクロー
URLリンク(www.pic-loader.net)

559:名無しさん@ピンキー
13/04/07 08:07:45.38 I1MCGiXS
あ、ニーソじゃなかったらすんません
ニーハイにしろ膝上なんで、ちょっと高すぎたかも;;

560:名無しさん@ピンキー
13/04/07 19:32:39.47 c1yz0a5M
どうせならメカバレ(武器展開)とかも書いとくれ

561:名無しさん@ピンキー
13/04/08 09:29:09.95 50cs9dqF
>>558
シズカがかわいすぎて生きていくのがつらい

562:名無しさん@ピンキー
13/04/14 23:50:57.66 8s6yFocH
コメコちゃんはジャンボの6月号(5月発売)が最終話みたいだね。

563:名無しさん@ピンキー
13/04/17 00:14:46.26 Oa1Z6gHf
>>561
むしろシズカがかわいいから今月も生きていられる
…支部にも上げて欲しいッス

564:都知事暗殺計画の黒幕を追い、伊豆の無人島にやってきた僕は、予想もしなかったピンチに陥っていた。  無敵のシズカがいれば怖れるものなど何もない。  そう考えていた僕だったが、まさか敵の中に生身の人間がいるとは思ってもいなかった。  殺し屋を生業とするのなら体をサイボーグ化した方が有利だし、そうするのが当たり前だと考えていたのだ。  正規の警察用バトルドロイドであるシズカは、ロボット三原則を遵守しなければならない。  というか、アシモフ回路を組み込まれている彼女には、人間を攻撃すること自体が不可能なのだ。  したがって、生身の敵はシズカではなく、この僕が相手しなくてはならない。  しかも元英国情報部の腕利きスパイという、よりによってタフな難敵をだ。 「否……必ずしも……クローが相手する必要は……ない……」  パニックになりかけた僕を余所に、シズカはあくまで冷静だった。 「クローがやらずとも……他の連中に手を下させれば……結果は同じ……」  シズカは現状を分析して、的確な判断を下した。  彼女が言うとおり、ダブルオーの敵は僕たちだけじゃない。  多人数が入り乱れる生き残り戦では、敵の敵は頼もしい味方なのだ。  共闘して強敵から葬っていくのは、バトルロイヤルの常套手段である。  その意味じゃ、いかにも弱そうに見える僕たちは、安全地帯にいると言ってもいい。  この自己嫌悪すら覚える女の子並みの体格が、まさか戦闘の役に立つ日が来るとは。  世の中、何が幸いするか分からないものだ。  さて、そうなると誰にどうやってダブルオーを始末させてやるか。  頭をフル回転させて熟考していると、当のスパイ崩れが近づいてきた。  一見青年紳士に見えるダブルオーは、爽やかな笑みを浮かべて話し掛けてくる。 「やぁ、君たちが噂の『マリオネット』だろ? で、どっちがロボ娘ちゃんなのかな」  人の気も知らないで、気楽に笑いやがって。  こっちが不利になるような情報など、誰が与えてやるものか。  幸いシズカは見た目には完全に生身の美少女だ。  黙ってさえいればマシンだと分かりっこない。  どちらがバトルドロイドかばれなければ、彼に2倍の警戒力を強いることができるのだ。  そんな深慮遠謀を、シズカが台無しにしてくれた。 「黙れナンパ男……クローディアに命令して……キンタマ……引っこ抜かせるぞ……」  シズカはシズカなりに思考して、相手を攪乱しようと企んだのだろう。  けど、そんなたどたどしい台詞回しじゃ、逆に的確な判断材料を与えてあげたも同じだ。  ダブルオーは怯えるどころか、してやったりとニコニコしている。  これでロボットはシズカの方だとばれてしまった。  こうなったからには、彼女にアシモフ回路が組み込まれてることだけは隠し通さねば。  あくまで、殺人も辞さない違法な暗殺用ロボットだと思わせておくのだ。  シズカが正規品ロボットだと知られたら、ダブルオーに対して打つ手がなくなる。  僕たちはダブルオーに手を出せない。  そして、他の連中はダブルオーに手を出さない。  生かしておいて、僕たちを倒させるために。  つか、誰がクローディアだ。 「クロー……こうなったら……一刻も早く……あいつを始末させないと……」 「だから、誰にやらせるんだよ」  シズカは自称超一流の殺し屋たちを見回していたが、やがてポツリと呟いた。 「アイツ……」  シズカが選んだのはメタルベレー出身のニコライ大尉だった。  確かにガチンコで戦うのなら、この中じゃ彼が一番強そうに見える。  戦闘力なら、間違いなくダブルオーより上だろう。



565:雲流れる果てに…15 ◆lK4rtSVAfk
13/04/29 23:48:26.75 XcAS6B1G
「で、どうして大尉なんだ?」
「ああいうマッチョは……気障な二枚目が大嫌い……それが相場だから……」
 それは偏見というものじゃないのかな。
 まあ、僕の代わりにダブルオーをやっつけてくれるのなら構わないが、どうやって交渉する気なのか。
 ここは一つシズカのお手並み拝見と行こう。

 シズカはつかつかとニコライ大尉に近づくと、やにわに背後から話し掛けた。
「ちょっと……アンタ……アイツを殺して……」
 シズカはそう言うと、ダブルオーを指差した。
 おわっと、まさかのノープランかよ。
 僅かでも期待した僕がバカだった。
 戦闘用アンドロイドに、高度な政治力を要する交渉などできるはずがないのだ。

 いきなり訳の分からないお願いをされた大尉は、胡散臭そうにシズカの顔を見た。
 なんだこの小娘は、という風に。
 こう言う時に普通の人間が見せる、至極まっとうな反応だ。
 そもそも、ひ弱そうな僕たちなど、大尉の眼中になかったのかも。
 話し掛けられて、初めてシズカの存在に気付いたような様子にすら見える。
 だが、次に大尉の表情に起こった変化は、見ているこっちが驚くほど劇的だった。

 シズカの顔を見た途端、大尉の目は大きく見開かれ、口も顎が落ちそうになるほど大きく開かれた。
 そしてシズカに向けられた人差し指は、痙攣するように小刻みに震えていた。
「あわわわわ……」
 ニコライ大尉はヘナヘナとその場にへたり込んでしまった。
 大尉は怯えているのだ。
 恐れなど知らないようなマッチョマンが、小娘のシズカを見て怯えきっているのだ。
 そんな大尉の姿は、嫌でもライバルたちの耳目を引いた。
 みんなが僕たちの方を向き、何事が起きたのかと注目している。

「こ、こいつ……俺はこいつを覚えてるぞ……」
 ニコライ大尉がしわがれた声で唸るように言った。
「俺が新兵だった頃、ドイツと戦争になって、故郷のプーチングラードが火の海にされたことがあった……」
 大尉が言う戦争とは、何年か前に勃発した独露紛争のことだろう。
 つまらぬ政治解釈の違いが切っ掛けで、当時のドイツとロシアは険悪な仲になった。
 そして意地の張り合いは、ついにドンパチにまで発展することとなった。
 幸い、全面戦争に突入する前に第三国の介入があり、どうにか停戦にこぎつけることができたと聞いている。

 実際にはドイツの自動歩兵軍団がロシア自慢の機甲部隊を圧倒し、ロシアは僅か一週間で戦闘継続能力を喪失したという。
 人型ロボット兵器が実戦投入された史上初めての戦争は、それくらい一方的な展開だったらしい。
 そのため、この紛争はドイツが鉄人兵団の実戦データを採るために、無理に仕掛けたものだという陰謀説もあるくらいだ。
 しかしそれがシズカと何の関係があるんだ。

「開戦初日のことだ。1機の輸送機が街の上空に飛んできたと思ったら、降下兵を次々に吐き出しやがった。
パラシュートで降りてきたのはメイド服を着たロボットどもで、連中は情け容赦なく殺戮と破壊活動を始めた……」
 超兵器を内蔵したロボット兵の前では、主力戦車もひとたまりもなかったという。
 ロシア軍の攻撃はことごとく弾き返され、お返しの砲火は簡単に戦車の装甲を貫いた。
 たまに主砲の直撃を受けて、吹き飛ぶロボット兵もいた。
 だが、何事もなかったように無表情で立ち上がってくるその姿は、大尉たちにとって悪夢の光景だったに違いない。
 200体のロボットが街を破壊し尽くすのに、わずか2日しか掛からなかったらしい。
「人も建物もバラバラだった。俺たちは最後の決戦をと兵舎に立て籠もったが、そこにロボット兵団が押し寄せてきやがった」

566:雲流れる果てに…15 ◆lK4rtSVAfk
13/04/29 23:49:39.87 XcAS6B1G
 天を焦がさんばかりに燃えさかる炎をバックに、200体のロボット兵たちは横隊を作って行進してきた。
 正確な足運びが、規則正しい足音を響かせた。
 逆光のためシルエットだったロボット兵が、接近するにつれて場違いなメイド姿を顕わにした。
 いずれも絶世の美少女たちだが、その目には何の感情も帯びていなかった。
 主の命令に従い、主の意思を具現化するためだけに、彼女たちは存在しているのだ。
 大尉はこの時天使というものが、悪魔の同族であることを思い出していたという。

 文字通り、血も涙もないロボット兵を前に、大尉たちは死を覚悟した。
 そして、いよいよ攻撃開始という時、ロボットたちは一斉に戦闘態勢を解いたのだ。
 ギリギリのタイミングで停戦命令が間にあったのだった。
「その時、先頭に立っていた指揮官がそいつだっ。そいつはマンイーターだぁっ」
 ニコライ大尉は長い話を終えると、震える指先でシズカを指し示した。

 僕は問い質すようにシズカの顔を見た。
「知らない……何を言ってるの……こいつ……」
 シズカは無表情のまま、素っ気なく否定した。
 そりゃそうだろう。
 シズカは新古品のウーシュ0033で、僕と組むまでは埃を被っていた売れ残りなんだから。
 本人は「売れ残り」などではなく、あくまで「展示品」だったと主張して譲らないのだが。

「それにシズカにはアシモフ回路が組み込まれているから、マンイーターだなんてことは……」
 危うく秘密を吐きそうになって、僕は慌てて口を押さえた。
 マンイーターとは人食い、すなわち人殺しができる違法ロボットの俗称である。
 それだけでもニコライ大尉が勘違いしていると分かる。
 僕にとっては、非常に都合がいいことなんだけど。

「いいやっ。俺の脳にはあの時の光景が焼き付いていて、今でも夢に見るんだっ」
 ニコライ大尉は主張を曲げず、激しく首を振ってみせる。
「うるさい……お前……」
 シズカは不機嫌そうに上目遣いで大尉を睨み付けている。
「その顔を見間違うわけがない。お前だっ、お前に間違いないっ」
 ちなみにウーシュタイプのバトルドロイドは、一体一体が異なった外見を持っている。
 基本機能は同一でも、体格、人種などの見た目は千差万別で多岐にわたっているのだ。
「お前があの時の……」
 ニコライ大尉が再び吼えた次の瞬間、シズカの右手が動いていた。

「しつこい……黙れっ……」
 警告が終わるより早く、速射破壊銃が唸りを上げた。
 電磁カタパルトで加速された弾丸が、プラズマの尾を引いて大尉の土手っ腹へ吸い込まれていく。
 体幹部分の重要器官を破壊され、さしもの強化人間も一瞬で機能を止められた。
「ぐわっ」
 大尉がたまらず両膝を地面に付けた。
 それでもシズカは容赦しない。
 左手に組み込まれたプラズマキャノン砲を露出させると、フル充填を待たずにぶっ放した。
 しかも情け容赦のない連続発射だ。
 着弾するたび大尉の体は跳ね回り、残骸は細切れと化していく。
 やがてシズカが砲身を収めた時、ニコライ大尉がこの世に存在した形跡は完全に消え失せていた。

567:雲流れる果てに…15 ◆lK4rtSVAfk
13/04/29 23:50:27.43 XcAS6B1G
「シズカ、どうしちゃったんだよ」
 こんな後先考えない攻撃をするなんて、いつものシズカらしくない。
 他の女に嫉妬心を剥き出しにする時だけは別だけど。
「うざかったから……ちょっとやりすぎた……」
 ちょっとどころの話じゃないよ、これは。
 速射破壊銃の一撃だけでニコライ大尉は終わってた。
 これじゃ、まるで大尉の存在自体を消去しようとするような攻撃だ。

 マンイーターと指摘されてからのシズカは確かにおかしかった。
 僕の指示を待たずに攻撃するなんて異常だ。
 まるで、大尉の口を封じようとするような─。
 あれ以上大尉にしゃべらせたら、彼女にとってまずいことでもあったというのか。
 それは僕の心の中に初めてシズカに対する疑念が生じた瞬間であった。
 だが、状況はそんなことに構っていられるほど悠長ではなかった。
 今の戦闘が、バトルロイヤルの開始を告げるゴングとなってしまったのだ。

 いきなり手裏剣が飛んできた。
 シズカが僕の胸ぐらを掴み、グイと手元に引きつける。
 唸りを上げる八方手裏剣が、僕の耳元を掠って飛び去る。
 高周波を伴った手裏剣は、大木の幹に深々とめり込んだ。
 と思ったら、その大木がメキメキと音を立てて倒れる。
 むぅ、科学忍法?
 振り返ると、まがいもののクノイチが舌打ちしていた。
 そして一瞬後にはフッと姿をくらませる。

「クロー……始まってしまった……」
 こうなれば乱戦の中でダブルオーが死んでくれるのを祈るだけだ。
 チラリと彼の方に目をやると、スパイ崩れはスタコラサッサと逃げていくところだった。
 鍛えているとはいえ、所詮は生身の人間である。
 化け物たちとまともに戦えないことをちゃんとわきまえているのだ。
「ダブルオーを追うんだ。幾ら全員を倒しても、アイツ一人に生き残られたらお終いだ」
 それは僕たちにとって最悪のシナリオである。
 戦いの渦中に巻き込んでさえいれば、流れ弾とか余波の効果が期待できる。

 ところが僕の考え通りにことが進まない。
 今の戦闘でシズカを一番の難敵と見た全員が、一斉にこちらに攻撃を仕掛けてきたのだ。
 まずは化け物じみたシズカを皆で協力して潰そうというのだ。
 戦場に残っているのはシュガー姉妹と毒々マッドサイエンティスト、それに殺人ピエロの4名だ。
 いつの間にかヒゲネズミまでもが姿を消している。
 あのネズミ男も生身だから、放っておいたら厄介なことになる。
 だが、今は目の前の戦いに集中するべきだ。

 シュガー姉妹は走りながら二手に分かれると、僕たちを左右から挟撃してきた。
 これは速いっ。
 彼女たちにはアクセラレーターが組み込まれているのだろうか。
 常軌を逸した加速力である。
 自然の法則を超越した動きのため、加速するたびに姉妹の姿が視界から消え去る。
 視神経の働きが彼女たちの速さに追いつかないのだ。
 足が地面に着き、速度が鈍った一瞬だけクノイチスタイルの姉妹が現れる。
 そして蹴り足の加速により再び見えなくなる。

 僕の網膜に姉妹の残像が点々と残り、あたかも分身の術を使っているように見える。
 もっとも、それは副次的効果であり、姉妹が意図してやっている術ではない。
 そもそも電子の目を持つロボットを相手に、残像を利用した分身の術が通用するとはあちらも期待していまい。
 だが姉妹のアクセラレーターは僕の目だけではなく、シズカを混乱させるのにも成功していた。
 あまりに速いため、火器管制システムが予測照準を付けきれないのだ。

568:雲流れる果てに…15 ◆lK4rtSVAfk
13/04/29 23:51:09.48 XcAS6B1G
 人間なら山勘で適当に発砲できるが、シズカは管制システムが照準を終えない限りは火器への回路が開かない。
 火器管制システムは正確な狙いをつける照準器であると同時に、誤射を防ぐための安全装置でもあるのだ。
 つまり、バトルドロイドは機能上、盲目撃ちできない仕組みになっているのである。
 混乱するシズカに向かって、四方八方から手裏剣の嵐が襲いかかった。

 演算処理能力のほとんどを火器管制に回していたため、シズカの回避反応が遅れた。
 鈍い音を立て、シズカの体に10枚以上の手裏剣が突き刺さった。
 なんと、砲弾すら弾き返す特殊繊維のメイド服─シズカの補助装甲が役に立たない。
 恐るべき高周波手裏剣の切れ味である。
「イケるでゴザル」
「ゴザル」
 シュガー姉妹は、その愛くるしい顔に満面の笑みを浮かべた。
 もっとも、彼女たちの考えは少々楽観的すぎる。
 体幹部を守っている本装甲は厚く、この程度の攻撃ではシズカの機能に影響は出ない。
 手裏剣は生体組織層に刺さっただけなのだ。

「気をつけろ。次は肩や肘のジョイントを狙ってくるぞ」
 シズカはノースリーブの盛夏用メイド服を着ており、鎖骨部から上は全部剥き出しになっている。
 それに四肢の装甲は体幹部ほどの厚みをもっていない。
 肘のジョイントを破壊されたら、超兵器のほとんどが使用できなくなってしまうのだ。
「大丈夫……戦術を変える……」
 接近戦での銃撃が有効でないと判断するや、シズカは素早く戦術を切り替えた。
 交渉ごとはともかく、こと戦闘に関しては彼女はプロなのだ。

 シュガー姉妹が手裏剣を振りかぶり、その姿が消え失せた次の瞬間だった。
 シズカの姿もまた、僕の目の前から消失した。
 続いてゴン、ガンという打撃音がしたと思ったら、突如として地面を転がるシュガー姉妹の姿が現れた。
 少し遅れて、エアブレーキを掛けるため、両手を大きく開いたシズカが出現する。
「所詮はバージョン1.25……シズカのアクセラレーターは……バージョン1.5だから……」
 おおっ、シズカの加速力はシュガー姉妹のそれを上回っていたのだ。

 姉妹は地面に転がったまま、大きく見開いた目でシズカを見上げている。
 まだ厳しい現実を受け入れられず、思考停止しているようだ。
 お陰様で、ねじりフンドシが食い込んだ可愛らしいヒップを拝み放題にできる。
 冷徹なシズカがこの絶好の機会を見逃すわけがない。
 素早く照準を終えると、姉妹に速射破壊銃の銃身を向けた。
 しかし現実は僕たちに対しても厳しかった。
 この戦いはバトルロイヤルであり、シズカの敵はシュガー姉妹だけではなかったのだ。

 ボンいう破裂音と共に、フィールドに霧が立ちこめた。
 霧隠れの術かと思いきや、それはクノイチ姉妹の手によるものではなかった。
 マッドサイエンティスト、ジークムント教授が放った猛毒のシアンガスだったのだ。
 まずい、こんなもの吸い込んだら、僕は確実に即死する。
 シズカもそれを理解し、シュガー姉妹への攻撃を止めて僕の方へ向き直った。
 そして僕の後頭部に手を回すと、躊躇することなく手前に引き寄せた。

「な、何を…むぎゅう……」
 盛夏用メイド服の胸元はV字型に深く切れ込み、メロンサイズのオッパイは上半分が露出している。
 僕の鼻と口はその谷間に沈み込んだ。
 完全に息が止められ、僕がガスを吸入する危険はなくなった。
 代わりに窒息死する危険性が劇的に高まったことになるのだが。

 シズカは右手を僕の腰に回して軽々と抱き上げる。
 そして風上に向かって全力で走り始めた。
 滞留している毒の効果範囲から僕を逃がそうとしているのだ。
 なんてことだ。
 僕さえいなけりゃ、シズカはシュガー姉妹にとどめを刺せたのに。
 シズカは勝負より、僕の生命を第一に考えてくれたのだ。

569:雲流れる果てに…15 ◆lK4rtSVAfk
13/04/29 23:51:54.11 XcAS6B1G
 ようやく安全圏に達したのだろう、僕はシズカのオッパイから解放された。
 どうにか毒死も窒息死も免れたようだ。
「ありがとな、助けてくれて」
 僕が礼を言い終わるのを待たず、シズカは再度戦闘に復帰しようと身を翻す。
「ここから動かないで……あのスカンクは……これより風上には……行かせない……」
 シズカはそう断言すると、ジークムント教授に向かって突撃を開始した。

 外見は初老の小男に過ぎない教授だが、猛然と突っ込んでくるシズカを前に怯みを見せない。
 奴もシズカがニコライ大尉を破壊するところは見ているはずである。
 なのにこの余裕ある物腰はなんなのだ。
 全然強そうには見えないが、自分の戦闘力に余程自信があるのか。
 呼吸をしないシズカには、毒ガス攻撃など効きはしないのに。

 僕の不安を余所に、シズカは躊躇なく攻撃態勢に入った。
 得物は問答無用の速射破壊銃だ。
 細い右手首が素早く4分の1回転し、電磁カタパルトにブリットが装填される。
 それが火を噴くより先に、ジークムント教授の持つ擲弾筒が乾いた音を発した。
 圧搾空気で発射されたカプセルが、ヒュルヒュルと音を立てシズカに向かう。
 そんなヒョロヒョロ弾が通用するはずもなく、シズカは水平チョップでカプセルを払い落とす。
 しかし、それこそ教授の思う壺だったのだ。

 衝撃を受けたカプセルが炸裂し、中に詰められていた微粒子が飛び散った。
 シズカの姿が靄に遮られて見えなくなる。
 何が起こったのかと考える暇も与えられず、シズカの体が眩い炎に包まれた。
「どうじゃ、儂の開発したナノテルミットガスの威力は?」
 教授が気が触れたような高笑いを上げる。
 あの靄の正体は焼夷弾や溶接に使われるナノテルミットだったのだ。
 メイド服に付着した微粒子が、化学反応により発火しているのだ。

 シズカはその場に突っ伏し、炎を消そうと地面を転がるが、化学の炎はその程度では消せない。
「シズカっ、早く消すんだっ」
 だが、慌てることは何もなかった。
 ハルトマン社が開発した特殊繊維は、防弾力だけではなく耐火性にも秀でている。
 一見、業火のような強烈な炎も、メイド服の表面で化学反応を起こしているに過ぎない。
 テルミットガスの焼夷効果も、世界に冠たるハルトマン社の科学力を打ち破ることはできなかったのだ。
 それでも微粒子の化学反応が終わるまで、シズカは炎をまとったままだ。
「どうにかしろ。放置すればコンピュータがオーバーヒートしてしまうぞ」
 このまま超高温に晒されていれば、熱暴走でOSがフリーズしてしまう。
 それこそマッドサイエンティストが考案した、対バトルドロイド用の秘策だったのだ。

 やむなくシズカが取った行動は、いとも単純であった。
 燃えさかるエプロンとメイド服を「えいやっ」とばかり脱ぎ捨てたのだ。
 哀しいかな、彼女には最初から羞恥心などプログラムされていない。
 弾道が低かったのが幸いして、まともに微粒子を浴びたのは着衣に覆われた部分だけだった。
 髪や肩口に付着したのはごく少量だったようで、既に火勢は衰えている。
 生体組織に覆われた人工皮膚はあちこち焼けただれ、点々と痣ができていた。

 これに対するシズカの報復措置は苛烈だった。
 無言で教授に近づくと白衣を握り締め、日めくりカレンダーのように力任せに引きちぎった。
 続いてネクタイをねじ切り、ヨレヨレのスーツをシャツごと引き裂く。
「や、やめろっ。やめてくれぇっ」
 教授は情けない声を上げて逃げようとするが、シズカが聞き入れるわけがない。
 ズボンのベルトに手を掛け、上手出し投げの要領で教授を地面に叩き付けた。
 投げた後もベルトを放さなかったものだから、ズボンだけがシズカの手に残っている。
 不本意なストリップを強いられたシズカは、取り敢えず教授を同じ目にあわせたのだ。

570:雲流れる果てに…15 ◆lK4rtSVAfk
13/04/29 23:52:34.98 XcAS6B1G
「これで……おあいこ……」
 シズカは不機嫌そうに呟くと、その場から高々と跳躍した。
 空中で膝を折り畳むと、そのまま教授の背中に落下する。
「グェェェェェーッ」
 必殺のニードロップに人工脊柱を折られ、教授は断末魔の声を上げて機能を停止させた。
 同時にイタチの最期っ屁よろしく、教授の死体から毒ガスが噴射される。
 自分を殺した相手を巻き添えにする仕掛けなんだろうけど、教授の性格が端的に現れている。
 陰険さもここまでくると、むしろ清々しいくらいだ。
 もちろんシズカにはまったく影響がなかった。

 ニコライ大尉に続いてこれで2体目。
 どうなることかと気を揉んだが、意外にあっさり片付いた。
 後はシュガー姉妹と殺人ピエロだ。
 しかし、どちらかを生かしておき、逃げたヒゲネズミとダブルオーを仕留めさせないと。
 と思いながら周囲を見回すと─なんとクノイチ姉妹もピエロも消え失せていた。
 まともにシズカと戦う愚を悟ったのだろうか。

「では……不戦勝ということで……いい……」
 確かにシズカの言うとおりかもしれない。
 他の連中は勝負を捨てて逃げ去ったのだから。
 シュガー姉妹は身をもってシズカの恐ろしさを知ったろうし、他の連中も傍目にそれが分かっただろう。
 敵わぬと知れば、恥を忍んで撤退するのも一流どころの証かも知れない。
 ダブルオーにしたって、シズカが正規品だと気付かない限りは手を出してこないだろう。
 それにヒゲネズミは最初からやる気がなさそうだったし。

 しかし、あのネズミは何者なんだろう。
 見たところ、殺し屋を生業としている風には思えなかった。
 そもそも勤勉そうには見えなかったけど、本当に殺し屋として雇ってもらいに来たのだろうか。
 それに覇気は全然ないくせに、あの圧倒的な存在感は何だろう。
 現に今もこんなに気になって仕方がない。

「所詮はネズミ……沈没する船の運命を悟り……逃げ出した……だけ……」
 シズカが興味なさそうに呟いた。
 案外そうなのかもしれないな。
 間もなく船─すなわち雇い主は僕たちに沈められるのだし。
 そう考えるなら、ネズミが姿を消したのは僕たちにとっては吉兆だ。
 では、堂々と勝ち名乗りを上げるとしよう。

「お疲れさん。これでようやく黒幕と会えるな」
 雇い主と接触できるのは、バトルロイヤルを制した生き残りだけ。
 僕たちは世界殺し屋チャンピオンとして、その権利を手にしたのだ。
「他を排除すれば……森の奥の教会に行けと……執事が言っていた……」
 シズカはようやく炎が収まったメイド服を拾い上げ、埃を払ってから身に付ける。
「そこに都知事暗殺の雇い主が待っているんだな」
 さっさと殺人教唆の罪で逮捕してやろう。
 そして一刻も早く帝都に帰り、シズカの肌を治してあげなくては。
 たとえ貯金を全部使い果たしてしまうとしてもだ。

 顔や態度には出さないが、きっと彼女も気にしているのに違いないのだから。

571:名無しさん@ピンキー
13/04/29 23:53:59.94 XcAS6B1G
投下終了です

572:名無しさん@ピンキー
13/04/30 00:41:20.27 2csc9keN
待ってました乙
脱いでからのシーンが短いでござる(不服)
しかし戦車砲の直撃でも破壊できないシズカさん
ぱねえです

573:名無しさん@ピンキー
13/04/30 22:36:56.10 F7H5NVUB
今回は戦闘パートか
燃えたな、色んな意味で

574:名無しさん@ピンキー
13/04/30 23:36:57.43 LZ/cBCjI
かつてロシアと戦ったメイド軍団のリーダーって本当にシズカなのか?
そして怪しいヒゲネズミの正体とは?
謎は深まるばかり

575:名無しさん@ピンキー
13/05/01 03:23:36.92 XAlpCSLT
投下します
SSを書くのは初めてなので駄文・珍文ですがどうぞ

576:名無しさん@ピンキー
13/05/01 03:24:47.47 XAlpCSLT
人には誰しも見られたくない秘密を持っている。それはロボットだって同じだ。
それを無理矢理見ようとするならば、然るべき仕打ちが返ってくるのは同然である。

「ご、ごめんなさいっ!」
パンッ!と、乾いた音が部屋に響く。そこには右手を平手のまま硬直させた女性と、頬を抑え呆然とする男の姿があった。
男は女に覆いかぶさっっていたが、その頬の痛みが理性を取り戻させたのか、女性からそっと身体を離す。
「こっちこそゴメン、強引すぎた…」
と、謝る男とは裏腹に、女は申し訳なさそうな顔を男に向けた。少し人間離れした美貌を歪ませ、小さな口から、声にならない声を出す。
そうしてベッドから抜け出ると、辛うじて聞こえるほどの声で「ごめんんさい、宗一さん…」と言い残し、メイド衣装の女性は部屋を出て行ってしまった。
部屋に取り残されたこの家の主は、釈然としない思いのまま頭を掻いている。
「あの部屋」に篭られては主人ですら手を出せない、その事を知っている彼は彼女を追い掛けようとしなかった。
「さすがに強引すぎたか…、でもロボットて主人を殴れたっけ?」
そうひとりごちた彼は、急激に萎えてしまった心と身体を睡魔の中に放り投げた。

◆ ◇ ◆ ◇

窓から差し込む朝日で目を覚ます。寝ぼけた目を擦り時計を見た俺は、ベッドから飛び起きた。
「遅刻だ!」そう叫んでみたものの、過ぎた時間は戻らない。いつもならリナが-ロボットでありメイドである-が起こしてくれるハズであった。
だが、昨晩の出来事の所為か、彼女は部屋に閉じこもったままだ。
慌てて出掛ける準備を整え、昨晩から沈黙したままの部屋に話しかける。
「リナ、昨日はゴメン。俺が全部悪かったよ。あんなことはもう二度としないから…」
と、話しかけたが返事は無い。充電ならもう済んでいるハズだが、部屋の奥から物音一つない。
「もう時間だから大学に行くよ。その、ごめんな…」
と扉に再度呟き、俺は家を出た。もう授業には間に合わないが、家に居ることも出来そうになかった。

◆ ◇ ◆ ◇

『宗一様…、悪いのは、私です』
遠くで扉の閉じる音がした。私は膝を抱えたまま、愛しい主人のお見送りという大切な職務すら出来ずにいた。

577:ツギハギ 1 ◆w7bca2rbMo
13/05/01 03:28:30.42 XAlpCSLT
◆ ◇ ◆ ◇

「…で、今現在、我々の男女比率は7:3という史上稀にみる事態となっています。これは21世紀初頭に人間の遺伝子情報が…」
教授の声が頭を通り抜けていく。運良く授業の開始時間が遅れたことによって遅刻はなんとか免れたが、肝心の授業は上の空だった。昨晩の出来事が頭から離れないのだ。何故あれほどまでに『拒絶』されたのか、その出来事は今の人類の危機よりよっぽど重要だった。
だが、この男女比の異常な偏りは、この今、頭の中で渦巻く問題の根源的な原因でもあった。21世紀初頭より始まったこの異常な男女比は、男の異性に対する欲望を暴走させた。具体的に言うと性犯罪やそれに伴うビジネスの増加、果ては女をめぐっての戦争だって起きた。
この問題を重く見た各国は女性の保護を名目に、女の代理品を開発することに躍起となった。
かくして現代、セクサロイド…表向きは『家政補助自動人形』という名称のロボットが開発され、18歳を迎えた男に、一体づつ支給されることとなった。
このロボット達は女手の少ない家での補助という役割だが、要は行き場の無い性エネルギーを発露させる為に必要とされた。つまり主が望めば拒絶することなどありえないのである。
…そう、『拒絶』などありえない、ありえないのだ。あまつさえ平手打ちなどもっての外だ。だが何故だ、なぜ昨晩はああなってしまったのだ…、変なことは強要していないのに、と先ほどから終わらない思索を続け、俺は挙動不審まっただ中であった。
そうこうしてると終業のチャイムが鳴る。頭を抱え突っ伏していると、後ろから声を掛けられた。
声の主はにやけた顔で「宗一、何やってんだ?奇行はこんなむさい男だらけの教室なら分からんでもないけどよぉ、ひと目ははばかるもんだぜ」と。
「黙れ雨宮、今それどころじゃないんだ。他を当たってくれ。」
正直今はこの男の面倒臭いテンションに合わせる気分になれなかった。だが、雨宮はお構いなしに口を動かし続ける。

「何か困りごとかなぁ、宗一くん?ならこの俺に相談してくれてもいいのだよ。さあさあ、今日のオカズから女の口説きかたまでなんでも来たまへ!」
「…なんか今日は何時にも増して鬱陶しいな、お前。」
今日は何時もの3割増しだ。普段は少し騒がしいぐらいのイイ奴なのだが。

「んっふっふっ、良くぞ聞いてくれたな宗一くん、実は昨日俺は、遂に…!」
と、握り拳をグッと掲げ、聞いても無いのに語り始めた。そして雨宮は周囲をちらりと確認すると、俺の耳元で呟いた。

「遂に俺のアイシャと『ひとつ』に、ぐふっ、えふふふふっ」
耳元で何を呟いてるんだコイツは。とりあえず手元にあったファイルで側頭部を強打する。ちょうど角が直撃したのか、しばし雨宮は頭を抱えて蹲った。
「流石に今のは痛い…、だが俺の今の幸せならそんなこと許す!許せる!」
「はぁ…、そうですか。」
「で、どうしたのかな。…まさか、お前。生身の女と何かあったのか!?」
「…んな訳あるか、さっきの授業聞いてたのかよ」
と自分のことは棚に上げるが、そんなことはありえないのだ。
「だよなぁ、この大学も共学のハズなんだけどなぁ。女子大生って都市伝説なのかな…」
それもそのハズである、こんな男だらけのところにうら若き乙女など、飢えた狼達に羊を投げ込むようなものだ。
「俺達の思い描いた未来って、こんなんでいいのかなぁ…」
雨宮は大げさにため息を付いた。だが、確かにまだ車は地面を走っているし、ホログラムの立体映像もない。授業は変わらず板書で、それをくたびれたシャーペンで書き写すのが未来で現代だ。
「でも、ロボットは発達したよなぁ。げへ、げへへへへ」
「そのニヤけ顔止めろ。それより教室移動するぞ。」
…この男に昨晩の相談なんて出来そうにない。授業が終わったらリナの為に高純度のエネルギーセルでも買って帰ろう。そうすればきっと…きっと。

◆ ◇ ◆ ◇

メンテナンスルームを出ないまま、2時間が過ぎようとしている。
私は電子頭脳のネットワークを駆使して、昨晩のあんな振る舞いの理由を探し続けていた。
「宗一様、どうか私を嫌いにならないで…。」
瞳からこぼれた冷却水がぼたぼたと床に丸いシミを付ける。
私はその雫を拭おうともせず、当てのない検索作業を必死に続けた。だが、答えは出ないままだった。

◆ ◇ ◆ ◇

578:名無しさん@ピンキー
13/05/01 03:30:10.24 XAlpCSLT
以上で投下終了です

579:!kuji
13/05/01 03:35:54.88 i6voZe5G
乙ですー

580: 【大吉】
13/05/01 03:36:29.44 i6voZe5G
失敗w

581:名無しさん@ピンキー
13/05/01 03:37:16.94 i6voZe5G
やっぱり今日はラッキーデーのようだ
うpにも出会えたし

582:名無しさん@ピンキー
13/05/01 07:49:10.12 KtiClCPS
活気が戻ってきたなー。シズカさんも新しい方も続き期待

583:名無しさん@ピンキー
13/05/01 11:18:35.38 76c7pMEw
>辛うじて聞こえるほどの声で「ごめんんさい、宗一さん…」と
「な」の音が「ん」になって「ぁ」は出てこなかったのですね。
言い換えれば「壊れた」のですが、言い訳すれば「人になった」のだと思います。

それでも、「政府押し付け女の子」を気使う男の子
この女の子、男の子の事すごく好きなんですね。


と言うか、
男の子が女の子を放り出したら、女の子は破壊廃棄ですか?
女の子は男の子に絶対服従?暴力も受け入れ?

584:名無しさん@ピンキー
13/05/01 15:23:06.00 KtiClCPS
>>584
重箱の隅をつつくような真似をするなよ……。小説投稿サイトじゃあるまいし、簡単な誤字とかはスルーしろよ……。

585:名無しさん@ピンキー
13/05/01 23:24:14.50 aKDORrnx
「気遣う」が「気使う」になったのも壊れたのですね?
言い換えれば「文盲」ですが、言い訳すれば「バカ」なのだと思います

586:名無しさん@ピンキー
13/05/01 23:30:56.40 tf6fb3eH
語り手がコロコロ変わるだけならまだしも
視点そのものが1人称と神視点と混ざり合っていて妙にイライラする
次書く機会があったら是非とも善処して欲しい
視点変更なんてのは書き慣れた人がやることだ
初めて書くような人が使うテクじゃないだろう

587:名無しさん@ピンキー
13/05/01 23:34:50.37 jfe0oLT9
皆さん分かってますね?
では引き続きスレをお楽しみください

588:名無しさん@ピンキー
13/05/02 01:58:03.21 GJfH2e0Q
>>586
相手をしてはいけない書き込みというのもあるんです。

589:名無しさん@ピンキー
13/05/02 08:09:21.35 nVSLGCnj
大文豪様だか大編集者様が湧くからねえ
気にしちゃダメよ

590:名無しさん@ピンキー
13/05/02 10:06:09.92 kRCKFhcd
ロボ娘に対する愛があれが技術や技法はあとから付いて来るもんだ

591:名無しさん@ピンキー
13/05/04 14:17:56.94 73jDHqTq
HRP-4C、ミナミ、ASIMO、とりあえず、人間型の二足歩行は、できそうだな。

592:名無しさん@ピンキー
13/05/04 17:18:17.41 UQArsY/1
だからロボ作さんは要らないんだって
技術考証が好きならロボテク板でも逝ってくれ

593:名無しさん@ピンキー
13/05/04 17:57:33.99 Uv5inagU
完全なのは無理なのははじめから承知してるが、
技術考証否定するのも萎える。

程々に技術的制約があるのが、萌なのに。

594:名無しさん@ピンキー
13/05/04 18:13:25.97 qHd7ck98
他人に強要しない分にはご勝手に
知らない他人の萌えポイントを考慮しながら
書く理由なんて誰にも無いしな

595:名無しさん@ピンキー
13/05/04 20:52:51.60 cVGX9mwz
考証をかねたSSなら大歓迎なんだがな。

596:名無しさん@ピンキー
13/05/05 10:25:19.28 i6U5ws0t
自我を持ってマスターに逆らえ、それに悩むことができるようなセクサロイドが作れる世の中なら
雌雄の生み分けくらいは医学的に簡単にできるだろうにな
なんで女が極端に少ない世の中になったんだろ
女だけが罹る致死的な伝染病でも蔓延しているのかな
でもロボット工学だけが異常に進化しているわけでなく、医学も進歩しているだろうから
そんな伝染病はとっくに特効薬ができているだろうな

597: 忍法帖【Lv=2,xxxP】(1+0:8) 名無しさん@ピンキー
13/05/05 11:37:18.00 Zs/0L9Q/
うん?
たぶん、

高度思考能力の機械人間を作り
男子に配り
その機械人間の行動、購買力を政府でモニターして
国民を縛り付ける
のが目的

で、最初は
胎児、幼児の診断を理由に女子が夭折するように仕向け
実際には、その夭折した娘を利用して機械人間(=サイバネティック オーガニズム)を製造した。
機械人間の生殖能力を「男子しか産めない、女子は産めない」(=親の複製)
にした。

598:名無しさん@ピンキー
13/05/05 12:24:30.31 i6U5ws0t
つまんね

599:名無しさん@ピンキー
13/05/05 15:42:14.39 7fAaV95J
原始的な生物だと環境が悪化するとオスばかり生まれるようになるらしいけどね

600:名無しさん@ピンキー
13/05/05 16:49:31.56 w1pnvfBY
このスレ以上に悪い環境はないだろ
全て考証ばかり語ってたロボ作のせいだ

601:名無しさん@ピンキー
13/05/06 12:47:45.18 SMMHQjrQ
マージナルとかセイバーマリオネットとか的な

602:名無しさん@ピンキー
13/05/08 18:51:24.76 YiTSzUAV
月間4コマ漫画雑誌を見ていたら、

同学年の、隣の家の女の子が亡くなり、
機械の体になって帰ってきた

という読み切りが有った。


今のASIMOや未夢が人の型になるのはいつ?

603:名無しさん@ピンキー
13/05/08 20:36:49.81 JqMwmdMJ
ロボ作さんのは考証じゃないっつーか、ロボ娘ですらねえよw ありゃ四角いドンガラに制御装置とサーボモータを詰め込んだだけの代物だ。

604:名無しさん@ピンキー
13/05/08 20:44:02.64 ysBzCXX8
IAがちゃんとしてればむしろ人型じゃ無くても俺はいいけどな!

605:名無しさん@ピンキー
13/05/08 21:18:13.61 BGHwIF3P
>>603
機械の体(ネジ)をタダでもらえる星にいってきたんだね

606:名無しさん@ピンキー
13/05/09 20:21:24.97 ZX3DII+n
炊飯器萌えなんて言ってるのはロボ作だけだからな
住民みんながそんな風に思われるのは心外だよ
そんな特殊なフェチがあるのは一人だけで充分だろ
一緒くたにしないで欲しい

607:名無しさん@ピンキー
13/05/10 14:57:25.47 v7pJhYdb
なんだか、
「ロボ作さん」に荒らして欲しいのか?
な書き込み多いな?

「ロボ作さん」(さん、も名前のうち)を間違ったり省略した名指しで話題にしない
ロボ作さんの趣味には対しては、ロボ作さんが嫌いなのを、好きだと間違いは書かない

だと、わりと暴れないぞ。

例えば
「ロボ作」と書かないで「ロボ作さん」と書く。例えば
ロボ作さんは炊飯器ロボを嫌っている。


とりあえず、話題にしなければロボ作さんからの被害は少ないな。

608:名無しさん@ピンキー
13/05/11 17:51:14.46 BcDEyfKZ
>>603 >>606
瀬田 ヒナコ 先生は
「レーカン!(まんがタイム)」を描きながら、こちらで「花ちゃん」も描くのかしら?
レーカン!は進級したばかりなので、後輩ちゃんたちを絡めて面白くなりそうだ。

609:名無しさん@ピンキー
13/05/11 18:43:04.80 BcDEyfKZ
うず先生の少女型炊飯器「コメコ」の掲載が終わった。
URLリンク(natalie.mu)
炊飯器ロボは精神が進化するのですね。

610:名無しさん@ピンキー
13/05/11 18:53:06.74 4jGA9iGo
なんか白けたな

611:名無しさん@ピンキー
13/05/11 19:01:26.08 BcDEyfKZ
そういえば
花ちゃん
の同じマンガ雑誌だけど
機械の星から来た「思春機13号」(池尻エリクソン先生)のお姉ちゃんと思春機14号の弟さんはどうしているのかな?

612:名無しさん@ピンキー
13/05/11 19:38:05.09 wx68WCgQ
>>611
>>604>>607が、ロボ作さんを召喚したからだよ。

613:名無しさん@ピンキー
13/05/11 20:52:06.57 vTYxqnEt
ロボ作さんはどうして自分のコメントに自分でレスして、会話が成立しているように見せかけてたの?
違うのはIDだけで、文体だけでなく口調や論旨がみんな同じだから、直ぐに分かってしまったんだけど
自演てバレバレなのに本人は気付いていないと本気で思ってたのかな

614:名無しさん@ピンキー
13/05/12 09:43:20.05 mng0XP/U
-----ここまで荒らしの自演-----

615:名無しさん@ピンキー
13/05/12 11:55:26.74 wB2D+7pn
一気にメンヘラ板化してた。こえーよ。

616:名無しさん@ピンキー
13/05/12 12:04:12.60 2H7RD0w8
まあエロパロ板ですしおすし

617:名無しさん@ピンキー
13/05/12 22:43:43.50 IGu1jd/7
ヤンデレロボっていうのはどうだろうとかふと思った。

そういや攻殻機動隊のアンドロイドの暴走に
自分で壊れて主に反抗できるようにするってのあったな。
漫画だったか、SACだったか、イノセンスだったかは覚えてないが。

618:名無しさん@ピンキー
13/05/13 00:51:43.83 h+mZBt7u
漫画とイノセンスのネタ

619:名無しさん@ピンキー
13/05/13 07:11:24.78 ZpiMY7Ay
>>618
PSO2のリサちゃんが居るじゃん

620:名無しさん@ピンキー
13/05/13 10:28:28.15 /4UX7NL5
陳列するかのように変態おやじの内蔵をバラして冷蔵庫に入れるよ

621:名無しさん@ピンキー
13/05/13 14:11:04.42 e89F2IVU
>>621
傑作だな

622:名無しさん@ピンキー
13/05/17 03:48:59.30 0MPlsz3c
内臓はうまいよなぁ
どっかのブログでネタで言ったことを真に受けて、
・人間の内臓はうまい
・ご主人様のためにおいしい人間の内臓を調達したい
・変態親父の内臓をばらして冷蔵庫に保存
と人間を殺戮しまくって内臓をぬきとって調理して持ち主にふるまうメイドロボ

623:名無しさん@ピンキー
13/05/30 22:10:41.14 qtU0V/wA
>>623
そんなの、内臓はたべられないぞうってプログラムすればいいじゃん

>>621
内蔵じゃないぞう。内臓だぞう

624:名無しさん@ピンキー
13/06/03 20:27:10.42 EKDcaNnz
半月近く経って今更気づいたわw>>内蔵

625:名無しさん@ピンキー
13/06/05 03:33:47.83 9/R6xrI9
>>624
だが、それをするとホルモン焼きうどんやモツ煮込みを食べられなくなるという危険もともなう
というかロボット三原則があるから人間に危害をあたえることはできない

626:名無しさん@ピンキー
13/06/05 10:08:04.75 95Ak68Ug
スレテーマ的にレプリカントはこのスレの範疇で良いかな?
ブレードランナーの続編を製作って記事を読んで発作的に書いた話があるんだけど。

627:名無しさん@ピンキー
13/06/06 23:54:43.17 +90Pl/uW
個人的には大歓迎です
続編出るんですか!

URLリンク(wired.jp)
にゃるほど、楽しみです

628:名無しさん@ピンキー
13/06/07 22:20:47.12 GO4Z8syz
>>627
ロボ描写あるなら歓迎よん

629:名無しさん@ピンキー
13/06/08 10:34:51.66 qkSDcYXd
レプリカントって基本生身でしょ?アンドロイドの範疇には微妙な気がする。要するにファティマとかだから。
メカじゃないしヤバイ気がするけど。個人的にはブレラン大好きなんで読みたいけどね。

630:名無しさん@ピンキー
13/06/09 19:05:32.16 QO1/EoAY
俺はまぁカワイイ娘がいれば勝手にロボ変換して楽しめる派だけど
…ナマっぽいならちょっとな

631:名無しさん@ピンキー
13/06/09 21:58:56.71 YpPD7QZy
妄想するにも限度があるよな

632:名無しさん@ピンキー
13/06/10 10:06:09.35 0G4komzK
>>627
あまりに過疎なんで投下は欲しいけど、どっかの誰かが大暴れするのが目に見えてるんで

【三次元】TVドラマ・映画総合【半生】
スレリンク(eroparo板)

こっちのスレへ行った方が良いと思う。
まぁ、あっちはあっちで色々とアレだが。

633:名無しさん@ピンキー
13/06/11 21:43:38.00 gYMa2Hui
そういうものなのか〜
RURロッサムロボット会社のは生体タイプだし
わりと人型ならいいのかと思ったが
メカメカしい方向性なんだね

634:名無しさん@ピンキー
13/06/11 22:11:32.53 8TZ8v2E2
やっぱ現代感覚で言うと、ロボと言ったら無機物だろうねえ

635:名無しさん@ピンキー
13/06/11 22:41:02.05 017x+xne
結構前にピクシブでやってた『パーソナルドール』の解説同人誌買ったけど、ナノマシンの集合体って設定だった。

636:名無しさん@ピンキー
13/06/12 03:55:28.48 BmB0svim
>>635
外観は人工皮膚だけど、いざというときにはどっか展開してバーニアやらマシンガンやら放熱板やら出てくるのは好きなんだがな
アラレちゃんみたいにただパワーが強いだけ、ってのもいいけど

637:名無しさん@ピンキー
13/06/12 23:39:13.36 xGh1a0Q+
>>631
ナマはらめぇぇ><
赤ちゃんできちゃうっ><

638:名無しさん@ピンキー
13/06/13 18:35:55.46 962/Kkbp
>>638そうだね、孕ます心配がないから僕等はロボ娘をズコバコするんだね

639:名無しさん@ピンキー
13/06/16 20:41:21.00 YLQvoGU8
ビメイダーやファティマ的なガイノイドは如何なものだろう。
半身のロボット(メカ)をいじられて本体(ガイノイド)がくすぐったがるとかのシーンが書きたいのに先達があまりいないから参考がガが…
どっかにおすすめ有りませんかね

640:名無しさん@ピンキー
13/06/16 22:41:51.23 7tyea9hR
ちょっと違うが
佐々木淳子のコミック「ブレーメン5」(ブレーメンファイブ)に出てくる大型宇宙船の
メインコンピュータの端末である、きれいな若い女の人「ナダ」
ただし人間の体に、頭脳である端末搭載 …だったと思うがうろ覚え
考え方の参考にはなると思う

よく見てないので違うかも知れんが
TVアニメ「アウトロースター」、それっぽい感じのアンドロイドの女の子がいたはず
ラノベとTVアニメ?「ロスト・ユニバース」

検索したらツイでちょうど1年前ぐらいに#コンピューターの擬人化端末と(ry
引っかかった。ファティマやらも挙がって違うだろとか言われたりしてる

まるっきり逆方向だが、人間+外殻(=宇宙船)の「歌う船」シリーズも
文章表現には見るべきものがあるのでは。多分。

641:名無しさん@ピンキー
13/06/17 01:09:29.01 nh7/oq3O
>>641
ロストユニバースのキャナルは立体映像だけなのでこっちからは手が出せない
(キャナルの方は艦内の生命維持を止めたりトイレを封鎖したりやりたい放題だがw)
宇宙船と人型端末っていうのでは放課後宇宙戦争の共存派軍宇宙艦と端末体も
似たようなもんだったかな
あれは直結はしてなかったけど

642:名無しさん@ピンキー
13/06/17 12:36:30.67 VnCm6mdm
船と一対一対応ではなくて
個人ユースだが
鷹見一幸のラノベ「でたまか」シリーズの電子執事?
お金持ちはアンドロイドボディに載せたりするが
主人公はお金に余裕ないんで携帯端末に入れてる
ほぼdocomoの渡辺謙さん他のイメージ、と言っていいかなぁ

643:名無しさん@ピンキー
13/06/18 12:30:52.84 Vir4wUxL
アンドロイドボディと言っても携帯電話の筐体のことじゃないんだよ☆
などと思わずにはいられないw

644:名無しさん@ピンキー
13/06/24 02:32:40.90 sRYwWD5J
3レス分投下します
>>577からの続きです。

645:ツギハギ 2 ◆w7bca2rbMo
13/06/24 02:34:56.48 sRYwWD5J
「…宗一様、朝です。お目覚めになってください。」
日曜、午前9時。鈴の鳴る様な声で宗一は目を覚ました。
「あぁ、おはよう。リナ。」
「おはよう御座います、宗一様。朝食の準備が出来ております。それと着替えはこちらに」
リナが指差す先には、卸したての様なストライプのカッターシャツにダークブルーのジーンズが畳まれていた。
それは完璧な仕事であったが、メイドでありロボットであるリナなら当たり前の事であった。
「では宗一様、私はリビングでお待ちしております。お召し物を着替えられましたらお越しください。」
そう言うとリナは軽くお辞儀をし、宗一の部屋を後にした。

◆ ◇ ◆ ◇

あの日から数週間が経った。
俺が買ってきたエネルギーセルを取り付けたリナは、依然に増して家政に精を出しているように見えた。
「高純度だからエネルギーの循環効率が良いみたいです」と、一杯の笑顔を浮かべたリナは眩しかった。
「あのまま「あの部屋」から出て来なかったらどうしよう」
そんな思いは、リナが出迎えてくれた笑顔で何処かに吹き飛んでしまっていたのだ。

だが、喜んだのも束の間だった。
俺とリナは『あの日』を腫れ物を扱うように触れないでいたが、リナの様子が以前と違うのだ。
仕事に打ち込む姿はまるで俺を避けているようだし、完璧すぎる仕事もなんだか妙に居心地が悪かった。
「はぁ…、上手くいかないもんだな。」
ため息混じりに服の袖を通す。太陽の光を燦々と浴びたシャツが疎ましい。
ベッドの上に放り投げられた携帯電話を開くと、頼りない音と光のアラームが朝を告げていた。
今時旧式の二つ折りの携帯電話だったが、何故だが妙に気分を落ち着かせてくれた。

◆ ◇ ◆ ◇

リビングに宗一がやって来ると、リナの笑顔がぱぁと明るくなった。
「よくお似合いです、宗一様。」
リナはそのコロコロとした笑顔を宗一に向けると、つられて宗一も笑顔になった。
そのまま誘蛾灯に誘われるかのように、宗一はリナの向かいのイスに腰掛けた。
「なんだか今日の朝ご飯、豪華だな…。」
テーブルにはこんがりと焼けた食パン、半熟のベーコエッグ、ゆで卵とレタスのサラダ
コンソメスープに兎のりんご、そして鼻孔を刺激するコーヒの香り。
どれをとっても文句の一つない、宗一好みの完璧な朝食であった。
「今日はお休みですし、ちょっと豪華にしてみました。それに…宗一様、最近なんだか元気が無いようでしたので…」
「…そうかな?うん、…確かに最近レポートやらで忙しかったからね。それじゃいただきます。」
宗一は手を合わせると、パンをひと齧りした。さくりと小気味いい音がする。
その様子をリナは嬉しそうに見つめていた。
そんな彼女の前には食器はない。ロボットである彼女は食事を必要としないのだ。
だがその幸せそうな様子は、宗一が食事を楽しむことを共感しているかのようであった。

「そうだ、リナ。昨日も言っていたけど、今日は出掛けるよ。準備は大丈夫?」
「はい!バッテリーも予備までしっかり充電しておきました。約20時間、連続稼働が可能です。」
「ん、そうか。なら食事が終わったら着替えてきなよ。洗い物は俺がやっておくから。」
宗一がそう口にした途端、リナは「えっ」と小さく驚いた。
「…そんな雑務は私にお任せください。それに折角の宗一様のお休みですのにっ。」
「休みだからだよ、たまには俺がするのも悪く無いだろう。いつもリナには世話になっているからね。」
「でも…」とリナは小さく呟いたが、主人の命令は絶対である。宗一にそう言われて、リナには反論する術がなかった。
「それに女の子は準備に色々時間が掛かるものだろう。俺は大丈夫だから、休みを満喫できるような服装でね。」
「はい…畏まりました」
とリナは少し沈んだ表情を浮かべたかに見せたが、すぐに表情を笑顔に切り替える。
「では、とびっきり可愛い衣装に致しますね!」
そう言って言ってリナは両手をぐっと、小さく掲げてみせた。
宗一は「期待しているよ」と言うと、料理の感想を交えながら食事を済ませていった。
最後の兎のりんごを口にすると、賑やかだったデーブルも白い食器だけになった。
「…ごちそうさま、美味しかったよ。それじゃあ皿を洗ってくるから、リナは着替えておいで」
「はい、ではお皿洗い、宜しくお願いします。ええと洗剤は…」
「それぐらい知っているよ。ほら、行っておいで。」
「…では、失礼します。」とリナは小さくお辞儀をすると、メンテナンスルームに引っ込んでいった。

646:ツギハギ 2 ◆w7bca2rbMo
13/06/24 02:36:06.81 sRYwWD5J
休日の繁華街は人とロボットで溢れていた。
楽しそうに雑貨を眺めるカップルや映画館に足を運ぶ青年と少女
カフェテラスで談笑する老夫婦…。それらが皆、自分たちの仲を喧伝するかの如く休日を満喫していた。
宗一達もその中の1つであった。
人の穂波に飲まれないようにと、腕をひしと絡めて歩く二人。
だが、その行き先は件のカップルに漏れず、当てのないものであった。
暫く歩くと、二人は繁華街とビル街の間に辿り着く。
人の流れがぱたりと切れるそこは、休日と平日の狭間になっていた。

「あの…、宗一"さん"。今日はどこに向かわれるのですか。」
上目遣いでリナが尋ねる。その瞳は何かを伝えようと宗一を見つめていた。
「うーん、そうだな…本屋にでも行って、あとは適当。うん、服屋に行くのもいいかな」
宗一は少し考える素振りを見せた後、前を向いたまま答えた。
「服屋、ですか…。あの…やっぱりこの服、可笑しいですか?」
そう言うとリナは立ち止まり、恥ずかしそうに口元を抑える。
目を逸らし顔を赤らめるリナに、宗一は困った様な笑顔を浮かべた。
「あー、そういう意味で言ったんじゃないんだ。その服も本当に似合っているよ、まるでお嬢様みたいだ。」
宗一も少し恥ずかしそうに答えたが、リナはなおさら顔を赤くするだけであった。
「褒めすぎです…。」とリナはぽつりと呟く。
照れた笑みを浮かべ、紅潮する頬に手を添えるリナは、お嬢様をわざとらしく演じているかのようであった。
だが、リナの姿は果たしてお嬢様のそれであった。
胸元にレースのフリルをあしらった白いワンピース。
華奢な手足を覆い隠すレースのロンググローブとニーソックスがガラス細工のよう繊細さを演出していた。
肌の露出こそ少なかったが、その侵略不可の領域は男の劣情をかえって刺激する作りであった。

そんな白尽くめのリナに黒い影がぶつかった。
「きゃっ!」
宗一が倒れかかったリナを抱きとめる。
その影は全身を黒いスーツで覆った美女であった。女はぶつかった拍子にずれたメガネを直すと、二人に顔を上げた。
その表情こそは申し訳なさそうであったが、その中にある妖艶さをちっとも隠そうとしなかった
「あら、ごめんなさいお嬢ちゃん。お姉さんちょっと急いでてて、怪我はないかしら?」
女は二人に軽く頭を下げた。
「こちらこそごめんなさい」とリナも頭を下げる。
同じ様な仕草をした二人であったが、手さえも黒い手袋で覆った女と純白のリナは酷く対照的であった。
「そう、よかった。それじゃ、お邪魔してごめんなさいね。」
そう言うと女は足早にビル街に向かっていく。その姿もビルの影に溶けるように直ぐ見えなくなった。

「リナ、さっきの女もロボットかい?」
リナが再び腕を絡めて歩き始めようとした時、宗一がふと尋ねた。
「…そのようですけど、どうかされましたか?」
リナは絡める腕に力を入れ、宗一の腕に胸を押しつけた。
しかし、自分の方が魅力的であることを主張するような行為も、ただ虚しい隙間が広がるだけであった。
「いや、熱暴走しないのかな、と思って。」
「へ?ねつ、暴走ですか…?」
リナは思わず小首を傾げてしまった。
「うん、あんまりにも隙間がなかったからね。」
そう言うと宗一は周りの男女の群れを見渡した。
男の従者の様に付き従うゴスロリ女もいれば、その興味の赴くままに男を引きずるミニスカートの小娘もいた。
勿論、リナたちの様な微笑ましい二人組も大勢いた。
そんな様々な男女が街中を闊歩していたが、女達は一様に手足を衣服で覆い隠していた。
それは彼女達がロボット故、関節を覆い隠す必要があったからだ。

「あの人が着ていたのは新しいタイプの様です。」
「…新しいタイプって?」
「最近発売された物みたいです。ええと、製品のサイトによると…衣服内部の小型のファンで冷却。静音性にも優れています…だそうです。」
「へぇ、そうなんだ。リナもああいうスーツ、着てみたい?」
「…私に、似合うでしょうか?」
ほんの僅かな無言の後、宗一は笑顔をリナに向けた。
「きっと似合うよ。そうだ、本屋に行った後はリナの服を見に行こう。何か良いものが見つかるかもしれない。」
二人は結局、本屋での買い物を程々に、足早に服屋へと向かう事になった。


次ページ
最新レス表示
スレッドの検索
類似スレ一覧
話題のニュース
おまかせリスト
▼オプションを表示
暇つぶし2ch

3479日前に更新/368 KB
担当:undef