【なんでもあり】人外と人間でハァハァするスレ7
at EROPARO
[前50を表示]
150:名無しさん@ピンキー
12/01/16 07:30:22.45 aM8QC9PG
GJ!
二人の大人な関係が良いですね。セックスの流れも自然で、その後の食事も良かったです。
ただ、イメージ的にはこれ、人魚な気がする……。
151:名無しさん@ピンキー
12/01/16 22:00:09.18 2482bCxq
皆様、お世話になっております。
J( '-`)し 151の母でございます。
J( '-`)し このたびは、わたくしの息子である151が皆様が楽しんでおられるなか、大変野暮な事を申してしまい、職人様、並びに住人の皆様方には不快な思いをさせてしまったことを深くお詫び申し上げます。
見ての通り、あの様な性格ですから、息子はこの歳になるまで恋人はおろか友達さえもいないのでわたくしも大変心配しておりましたが、この「人外と人間でハァハァするスレ」を知って以来、息子も少し明るくなったようです。
どうぞ皆様、息子を暖かく迎えてやってくださいまし…。
151ちゃんは本当はとっても良い子なんです…。ただ、ちょっと皆様とは違って、一言多いだけなんです…。
卑屈でズレていて見苦しい部分もあるかと思いますが、本当は優しい息子を、どうかよろしくお願い申し上げます。
>>151の母より
152: 忍法帖【Lv=4,xxxP】
12/01/18 11:59:02.42 +8q6BOE6
いい話だなあ……。
しかし、
>>151
魚人について同意しますた。
魚人でイメージするのはたい焼きくんミタイな魚に手足が生えたのだったり。
153:名無しさん@ピンキー
12/01/18 12:09:21.96 t1iTHA18
作品の中では魚人と呼ばれてるってことでいいだろ
そんなこだわらんでも
154:名無しさん@ピンキー
12/01/18 12:43:35.45 dljPs6oa
息子や娘がエロパロ板のコアなシチュエーションスレに入り浸ってるの知って
動揺しつつ必死に平静を保つAIカーチャンを想像したので許す
155:名無しさん@ピンキー
12/01/18 19:35:57.89 Rt01KDwo
カーチャンのCVが市原悦子で再生された
156:名無しさん@ピンキー
12/01/18 20:45:47.37 p9+JuJ8n
GJ!
だけど、ごめん、やっぱり魚人は…
「さあ、卵を産m(ry」が真っ先に浮かんだ
157:名無しさん@ピンキー
12/01/18 22:57:15.87 3dxR8Vad
魚とか卵とか磯の臭いが充満しまくってるとても良い流れなんで
こうなったらどこぞの踊る鱈みたく「レッツダンシーング!」しようずwww
158:名無しさん@ピンキー
12/01/18 23:31:50.07 mrLoGIUo
え、タンノ君?
159:名無しさん@ピンキー
12/01/19 01:25:36.38 elETyS7k
>>158
うろこさかなびとのことも思い出してあげてください
160:名無しさん@ピンキー
12/01/21 10:22:38.38 uWPRv7tb
カーチャンのAAって何でこんなに良い顔してるんだろうな
魚人もいつかは……
161:名無しさん@ピンキー
12/01/21 22:38:41.00 umC5t/EL
聖剣のレジェンドオブマナは良い人外が揃ってると思う
162:63
12/01/22 00:59:20.24 KItnEVd9
>>6-680 ◆P3TAxd3EJBpB
続きたーーーー!!
っていうのを書きたいのにアク禁になってたこの1週間。
今日は果たして書き込めるのか…!?(*>_<*
あいかわらずかわいいなあ。淫夢擦りつけかわゆい。
両手がふさがってるからうつぶせで乳首擦りつけとかエロすぎです。
期待通りっす!!も〜ずっと「日課」を読んでいたいw
そして…やっぱり登場するんですね!
何をされたんだろう( ̄¬ ̄
…とか期待しちゃダメですかw
◆P3TAxd3EJBpBさんの触手x人間♀(むっつりエロ)好きなんで、また気が向いたら書いてください〜
163:6-680 ◆P3TAxd3EJBpB
12/01/22 16:48:30.32 5CEkIsXq
>>163
本当にありがとう。
書いていて、感想を頂ける時ほど嬉しいと思う瞬間は無いです。
>>106さんも>>122さんも本当にありがとう。
続きは考えてあるんですけど、このスレの傾向から一旦離れたりするので、
そこそこの文量をまとめて投下する必要があります。
物語の流れは期待の強い方に添えるように寄って行かせるつもりですので、
頑張りますね。
そういえば他スレでも続き書けって言われたSSがあったんだw
そんなわけで、気長にお待ちいただければ。
164:名無しさん@ピンキー
12/01/22 21:17:42.06 VRi97kzY
「作者の人間性」と「作品の評価」は全くの別物だと割り切って考えているし
◆P3TAxd3EJBpB氏には是非これからも
作品は色々と投下して欲しいと思っているが
「そういえば他スレでも続き書けって言われたSSがあったんだw」
とか、愉快犯ならともかく
こういう見栄はったチラ裏的な一言や見苦しい馴れ合い会話みたいなのは蚊帳の外から見てる住人の無駄な反感買うだけなんで
頼むからそういう馴れ合いやチラ裏呟きがしたくて堪らないのであれば他所でお願いします
愉快犯じみた他意があるならともかく
いつぞやの
「すごく素敵な新人さんが、イチャラブな触手×少女もの書いてくださってるじゃないですか。
僕はもう萌え尽きちゃいましたよ。」
みたいな一見、やけに謙遜して、社交辞令的な薄っぺらいお世辞を並べ立てているが
心底では人を小馬鹿にしていると他方から取られ兼ねない言い方するくらいなら最初から一切言及しないほうがいいんじゃないでしょうか
要するに何が言いたかったかと言うと
「ここはおまえの日記帳じゃないんだ、チラシの裏にでも書いてろ、な?」
でもそれよりも
>>163の脳から触手でも涌いてそうな文にワラタw
165:6-680 ◆P3TAxd3EJBpB
12/01/22 21:56:33.53 5CEkIsXq
>>165さんへ
本スレの利用上の注意に従い、避難所で議論しましょう。
よろしくお願いいたします。
URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
166:名無しさん@ピンキー
12/01/23 10:20:55.89 nWpY+eiq
面倒臭いなこの人
167:名無しさん@ピンキー
12/01/23 19:06:59.68 uuf+A1Ug
正直中の人があまり出てくるのは好きじゃないな
一言簡潔に言って落ちる、くらいの人の方が好感が持てる
でも彼の作品は好きだよ
168:名無しさん@ピンキー
12/01/23 22:01:36.76 wFLXQfme
>>168
全文同意
169:名無しさん@ピンキー
12/01/24 07:00:30.31 1UVJo3dk
>>165には全文同意するがスルーしてもよかったんじゃね?
作品は良いけど本人は残念なんてのはどこの世界にもよくある事だよ
170:名無しさん@ピンキー
12/01/24 13:04:44.70 z5C4GXVF
重婚の変換に失敗して獣婚って出てきたんだが、何だこの甘美な響き
171:名無しさん@ピンキー
12/01/24 14:20:39.29 15D81NZh
なにそれモフい
172:名無しさん@ピンキー
12/01/24 20:12:06.56 niWMUrD3
龍婚、虫婚はいかがでしょうか
173:名無しさん@ピンキー
12/01/24 20:30:43.61 lPNxgXhZ
狼婚も捨てがたい
174:名無しさん@ピンキー
12/01/24 22:25:52.98 +5QrfXgd
やはりここは鳥婚ですし
175:名無しさん@ピンキー
12/01/24 23:07:45.43 xZaWjb5D
さぁその妄想をSSにしてスレに投下するんだ
176:名無しさん@ピンキー
12/01/25 00:38:18.87 MpWNclCs
ハートフル彼氏とかウマドンナとか
エロなしとは言え時代が俺に追いついてきた!
177:名無しさん@ピンキー
12/01/26 15:09:09.29 9B+f0H9Y
ウマドンナは絶対どこかにエロパロがあると思ったのに
あると思ったのに
178:名無しさん@ピンキー
12/01/26 16:27:40.68 2fXeyJbv
>>178
自分もあるはずだって思ってたorz
179:名無しさん@ピンキー
12/01/26 19:58:39.53 XbhfQc1/
ウマドンナエロパロ…書いちゃえは良いじゃない
180:名無しさん@ピンキー
12/01/28 13:18:53.88 1sRmf6Zi
はーとふる彼氏で小ネタ エロなし
ある日の聖ピジョネイション学園陸上部室。
今日も今日とて、部長の尾呼散が荒ぶっている。
「ポポロッぷーわ!(そんなはずないですしはとし!)」
手当たり次第にその辺のものを壊している尾呼散を阻止するべく、狩猟民族の十坂ひよこが召還された。
尾呼散が荒ぶるのは慣れているはずのひよこが驚くくらい、今回の破壊ぶりは際立っていた。
「どうしたの?大好きな学食の皆殺しラーメンが売り切れてたの?」
ひよこに声をかけられて、いったん尾呼散の荒ぶりは止まった。
「ポポロっぷーわ?(そうじゃないですし!ひよこは、どうやったら雛が生まれるか知ってますし?)」
「ハトの雛って、交尾のこと?」
「ぷーわ!(そうじゃないですし!雛は7色のプリンを食べたら生まれるんですし!)」
「違うよ。卵は交尾しなくても生まれるけど、雛ができるためには交尾が不可欠なんだよ。」
「くりゅぽこぷーわ!(ひよこはエッチですし!不潔ですし!おこさんそんなの認めないですし!)
そう叫んだ尾呼散は、轟音を立てて走り去ってしまった。
それくらいのことで荒ぶる尾呼散を微笑ましいと思いながらも、これからの前途多難さが容易に想像できるひよこであった。
181:名無しさん@ピンキー
12/01/28 13:25:30.27 1sRmf6Zi
尾呼散についてはこれが精一杯ですた
ガチエロに持っていけそうな登場鳥物は、先輩、涼太、朔夜、岩峰先生ぐらいですかねえ
岩峰先生の場合、もれなくグロもついてきそうですがw
どうも失礼しました
182:名無しさん@ピンキー
12/01/28 15:27:20.62 UgtsNYBy
投下乙
鳥の交尾は総排泄口を貝合わせのように重ねてザーメンぶっかけるタイプとペニス挿入タイプに分かれるんだよな
交尾が済んだらちんこもげる鳥もいるらしい
ちなみに鳩の口からはミルクが出る
183:名無しさん@ピンキー
12/01/28 21:57:25.70 cbVdXBda
ちんこもげる鳥>なにそれこわいと思って鳥類の交尾について調べてみたら
アカオタテガモのちんこがポテンシャル高すぎてびびった
184:名無しさん@ピンキー
12/01/28 23:37:49.62 0Oe4NCgT
>>184
kwsk
185:名無しさん@ピンキー
12/01/29 01:03:41.40 QewWpFcg
普段の大きさは米粒大だけど、繁殖期になると体長の半分以上の螺旋状になる
中には体長とほぼ同じ長さになる個体もいるらしい
そして繁殖期が終わるとまた縮む
186:名無しさん@ピンキー
12/01/29 11:43:38.42 zvnMAc2M
>>183
ミルクって言っても哺乳類のように乳腺があるわけじゃなくて、そのうの内壁が剥がれ落ちて出来たもんだけどな
187:名無しさん@ピンキー
12/01/29 15:33:37.27 Jw6BAXS+
どうぶつの森の喫茶店には鳩のマスターがいて、サービスでミルクを付けてくれるらしいが…
188:名無しさん@ピンキー
12/01/29 16:22:24.44 cU/hM2ve
>>188
どうぶつの森引っ張り出してくる
189:名無しさん@ピンキー
12/01/29 18:54:38.15 QZ3JGPCZ
>>189
マスター牡だぞ
190:名無しさん@ピンキー
12/01/29 21:38:47.40 YK3hOOOO
>>190
おちんぽみるくですねわかります
191:名無しさん@ピンキー
12/01/29 22:27:12.07 UFGWkdnH
そういうこった!魔獣よう!
192:名無しさん@ピンキー
12/01/30 00:11:38.89 eBGEG4ac
潤んだ瞳で少女が優しく触手に口づけをする。
両手で触手を優しく包み込み、艶のある唇をそっと押し付け、そうっと舌で触手を舐め上げる。
細く長い指はかすかに震えていたが、少女の心に迷いはなかった。
頬を赤らめながら触手に舌を絡め、右腕で他の触手を乳房へ、腰へ、女性器へと誘導する。
健気な少女の想いが今、叶おうとしている。
―あなたと結ばれたい―
たとえ異形であっても、愛の形に変わりは無い。
夢見るような心地で、少女は触手に、自らの細い裸身を、しずかに捧げた―
雑然とした妄想がとまらん
193:名無しさん@ピンキー
12/02/01 22:52:25.46 oKMHJBfv
>>188
鳥って口からミルク出して雛に飲ませるんじゃなかったっけ
194:名無しさん@ピンキー
12/02/02 01:48:04.23 wp0VWNE2
>>194
つまり口移しか
マスターもやることやってるんだな
195:名無しさん@ピンキー
12/02/02 10:45:45.21 E4/aOFwL
喫茶店に通い詰めまくって、常連になったら珈琲にミルクを入れるかどうか聞いてくるんじゃなかったっけ…?
無口なマスターを口説き落とすまでが一番楽しかったわ
おちょくった時の反応が面白いし
196:名無しさん@ピンキー
12/02/02 16:02:50.17 9BmMAwRZ
たしか甘くて濃厚で美味しいんだよな>マスターのミルク
ディープキスがてら口移しで貰ってたら絵面がエロくていい
197:名無しさん@ピンキー
12/02/02 17:57:12.95 E4/aOFwL
ミルクという名の単なるゲロらしい……
198:名無しさん@ピンキー
12/02/02 20:03:08.64 wp0VWNE2
>>198
野暮なことは言いなさんな
どうぶつの森にも恋人システムとかあれば良いのになぁ
199:名無しさん@ピンキー
12/02/02 20:54:27.40 B76erE22
ぶつ森は何かと思わせぶりな発言が多いからケモ萌えに不自由しないよな
ただ一日二日プレイするの忘れてただけで仲良くなった住人が
あっさり引っ越してた時の虚しさがヤバイ、マジヤバイ
200:名無しさん@ピンキー
12/02/02 22:31:34.35 gf5t75X0
>>193
そんなところで止まるなんてけしからんもっとやれ
睦月のぞみの書いた山賊モノノケ喜劇で
妄想力は無限大樵×身悶えてるツンデレサトリに萌えてしまった
外見はほとんど人間だけど妖怪ならここでいいのかなぁ
201:名無しさん@ピンキー
12/02/03 00:03:33.12 2lqgR+Cz
>>201
「人外の見た目に貴賤無し、人外なら何でも受け入れます」って>>1にかいてるからおkだろう。
さあ投下の準備だ。
202:名無しさん@ピンキー
12/02/03 15:59:48.83 xkspW4n1
なんでここまでオェーが貼られないのか
203:石の花1/19 ◆vpePLp7Z/o
12/02/03 19:44:04.28 32RZLu5T
人間男×竜です。長くて申し訳ありません。
NGは「石の花」でお願いします。
**
昔むかし、山奥の洞窟に一頭の竜が暮らしておりました。
竜は人間を丸飲みに出来るほどの口と、長い身体と、水晶で出来た鱗を持っています。
時折、竜を倒して名を上げようとする旅人が来る事もありましたが、
いつも彼らは這々の体で逃げ帰る事になりました。
ある日またそんな旅人が竜の元へやってきました。
竜はいつも通り脅かしてやろうと、洞窟の奥から旅人を眺めます。
いつもやってくる旅人は力自慢の豪傑が多いですが、
その旅人は痩せっぽちで、武器の一つも持っていません。
これは自分を倒しに来たのではなく、単なる迷い人かもしれないと竜は考えました。
「そこの人間、お前は道に迷ってきたのか?」
竜が澄んだ鐘のような声で呼びかけると、旅人は大変驚いた様子でした。
旅人は大きく息をついて竜を見上げ、はっきりした声で返します。
「竜よ。俺はお前が持つという不老不死の妙薬を取りに来た」
竜はそんな事は初めて聞いたので、不思議そうに首を傾げます。
「そんなものは持っていない」
「それはお前の身体にある。俺はお前を殺して、それを手に入れる」
そう言って旅人は短剣を抜き、竜に襲いかかりました。
そんな短剣程度では、鱗に傷をつける事も出来ないのに、と竜は呆れます。
ともかく捕まえて、洞窟の外に放り出してしまおう、と考えますが、
旅人は予想外にすばしこく、なかなか捕まえる事が出来ません。
狭い洞窟の中を、右に左に首を動かす内に、竜は旅人を見失ってしまいました。
どこにいったのだろう、ときょろきょろしていると、
背中にどすん、と物が落ちた気配があります。
竜の首の付け根あたりに、旅人が乗っているのです。
おそらく岩棚に登って、竜の背に跳び移る機会を狙っていたのでしょう。
しかし、背中に乗られたところで、竜は痛くも痒くもありません。
払い落としてしまおう、と思ったその時です。
204:石の花2/19 ◆vpePLp7Z/o
12/02/03 19:45:49.18 32RZLu5T
まるで、雷に打たれたような衝撃が、竜の身体に走りました。
思わず、声を上げてしまってから、何故こんな声を出してしまったのか、
この初めて味わう感覚は何なのか、竜は驚き不思議に思います。
ですが、それを落ち着いて考える間もなく、規則的に刺激が身体を走り抜けていくのです。
ずきずきして、身体の中から何かがこみ上げてきて、頭が真っ白になって苦しいのに、
それは止まる様子がありません。
口から上がる叫び声が高くて、何故かとても恥ずかしいのに、
止める事も出来ず、声は洞窟いっぱいに響きわたります。
何とか首を曲げて見ると、旅人は竜の首の付け根をぐいぐいと押しています。
それが、この未知の感覚の原因だろうとは思うのですが、
身体に力が入らず払い落とす事が出来ません。
身体の奥からこみ上げてくるものを、一際大きな声と共に吐き出しながら、
竜は身体をびくびくと震わせました。
力なく横たわる竜の前に、旅人が歩み寄ります。
竜は涙でにじんだ目で、旅人を見つめました。
竜は人間なんて弱い生き物に殺されるとは、想像もしていませんでした。
それも、こんなに恥ずかしい気持ちで死ぬとは思ってもいなかったのです。
まだ身体の中には先ほどの感覚が残っていて、口から荒い息をなって漏れていきます。
旅人は若干困惑した声色で、竜に声をかけました。
「娘のような喘ぎ声を出すんだな」
そう言われても、竜には何の事か解りません。
「さっき、口から出していたのはこれか」
旅人が竜の口から垂れる汁に指を伸ばした時、竜はやっと我に返りました。
「駄目だ!」
竜の大声に、旅人は慌てて手を引っ込めます。
「触ると石になるぞ」
旅人は、マントの裾をちょん、と汁に触れさせます。
マントはたちまち透き通った結晶と化し、粉々に砕けて辺りに散らばりました。
旅人は地面に散らばる“マントだったもの”をまじまじと眺めて、ぼそりと呟きました。
「竜に逆鱗あり。
逆鱗に触れるとき、竜は力失い悶える。
その口より漏れる甘露は、老いを忘れ死を忘れ悩みを忘れさせる」
205:石の花3/19 ◆vpePLp7Z/o
12/02/03 19:47:24.23 32RZLu5T
不思議そうに見つめる竜に語るでもなく、旅人は言葉を重ねます。
「確かに、老いも死も悩みも忘れるだろうな、石になってしまえば。
古文書にあった言葉は、嘘ではなかった、という事か」
旅人はそう溜息をつき、竜の頭を撫でました。
その小さな手に触られるのが、何故か心地よく、竜はまたかすかに喘いでしまいます。
「変な声を出すな」
旅人が赤い顔で不機嫌な声を出すと、竜も機嫌が悪くなります。
「お、おまえが触ったり、へ、変なことをするからだ。な、なんだ、いまのは!」
「だから逆鱗だ」
旅人はそう返した後、むっとした声で付け加えました。
「まさか、そんな淫らな声を出させるような場所とは思わなかったが。
あれは竜の性感帯らしいな」
竜は言葉の意味が解らなかったものの、何となしに嘲られたような気がしました。
それどころか、この人間に恥ずかしい姿を見られたり、
恥ずかしい声を聞かれてしまったのだと考えると、頭が燃えるような気がします。
がぶっと伸ばした顎が宙を切ったのは、まだ竜に力が戻っていなかったからでしょう。
「何をするんだ」
跳び退いた旅人は怒りの声を上げます。
「お、おまえなんか、殺してやる。こ、こんなはずかしい、こと、する、なんて」
涙声で憤りながら、竜は旅人を追いますが、旅人はぴょんぴょんと避けてしまいました。
「お、俺を、殺しても無駄、だぞ」
旅人は逃げながら、そんな事を言います。
「俺は、竜について研究した成果を、全て家に置いてきた。
俺が死んだら、それらは発表され、誰もが逆鱗について知るようになる。
数限りない冒険者が不老不死の薬を求めてここに来て、
お前の逆鱗をいじり回していくだろうな」
竜は生まれてまだ百歳ほどの若さだったので、そんな話を聞いて震え上がってしまいました。
この旅人一人でも恐ろしいのに、もっと沢山の人間が自分の身体を這い回り、
あの死んでしまいそうになる感覚をいつまでもいつまでも与えられるのかと思うと、
竜はまた涙ぐんでしまいます。
206:石の花4/19 ◆vpePLp7Z/o
12/02/03 19:48:52.91 32RZLu5T
旅人は気まずげな表情になり、こう付け加えました。
「悪かった。もうあんな、酷い事はしない。
俺だって、別に、生娘を手籠めにしようと思って山奥まで来た訳じゃない。
ただ、薬が欲しかっただけだ」
旅人は大きく盛り上がった竜の涙を払い、少しためらってから口を開きました。
「訓練を、してやろうか」
「訓練?」
「逆鱗を触られても、さっきのようにならずに済むための、訓練だ」
「そんなこと、出来るのか?」
「ああ。
人間は毎日、そういう誘惑に負けないように、自分の気持ちの良いところをいじって訓練をするんだ。
お前も多分出来る」
旅人は赤い顔で早口になっていましたが、普段人と話す習慣のない竜は気づきません。
人間は強い力を持たない代わりに知恵があるのだなあと感心するばかりです。
こうして、竜はこの旅人に毎日逆鱗をいじりまわす事を許可してしまったのでした。
竜は自分で逆鱗を見た事がありませんでした。
首をかなり無理な角度に曲げないと見えない位置にあるからです。
この場所が痒くなったりした事はないのか、と旅人に聞かれたりもしたのですが、
さして気にした事もありません。
しかし、旅人に触られてからは時々じんじんと熱くなったりするようになってしまいました。
自分で触ろうにも首も爪も届かないため、天井にこすりつけていると、慌てて旅人が跳んできます。
「洞窟が崩れるかと思ったぞ」と怒られると納得はするのですが、
かと言ってこの衝動をどう押さえたらいいのか解りません。
「いじってやるから、大人しくしていろ」と言って旅人は竜によじ登ります。
「しかし、改めて見ると」旅人は竜にまたがって嘆息します。
「女陰に似ているな」
「女陰、って何だ?」好奇心と欲情がせめぎあいつつも、竜は旅人に応じました。
「人間の、雌についている生殖器だ。まあ人間のと違って」
と言いながら旅人は逆鱗の中心を押し、竜は甲高い声を上げます。
「ここに穴は無いが。
だが楕円の形や、薄桃の色や、周囲に毛が生えているところが似ている。
この毛はてっきりたてがみだと思っていたが、実際は陰毛の役割があるようだな」
言葉と共に旅人が辺りを撫で、こすり、引っ張るので、その度に竜は息絶え絶えです。
207:石の花5/19 ◆vpePLp7Z/o
12/02/03 19:50:19.49 32RZLu5T
「本当に、人間はこんな事を毎日しているのか?」
荒い息の中で竜が尋ねると、旅人は慌てたように応じます。
「ま、まあ、多い者なら毎日だな」
「おまえも?」
「毎日、ではないが、時々、している」
不機嫌そうに竜が黙りこんだので、旅人は少し慌てます。
「何か、文句でもあるのか?」
竜は疑り深い目で旅人を見下ろしました。
「そんなところ、見たこと無い。
おまえ、ここに泊まり込んでから一度もそんな事していないじゃないか」
旅人はうっと詰まり、冷や汗を流しながら言います。
「それは……訓練は、普通こっそり、人目に触れないようにするものだからだ。
努力を喧伝するのは見苦しい事だろう?」
竜はなるほどと思ったものの、自分ばかりが恥をさらしているようで納得いかない気がします。
そんな問答を続けたあげくに
「では、特別に俺が訓練するところを見せてやろう」と旅人は言う羽目になりました。
旅人自身も何故そんな事を言ってしまったのかと、内心で頭を抱えているのですが、
竜にじっと見つめられて“おまえの恥ずかしい所が見たい”と娘のような声でせがまれたら、
我慢出来なくなってしまったのです。
旅人はどぎまぎしながら帯を外し、下履きをずり下げます。
ぴょんと元気よく飛び出したものを竜はまじまじと見て、旅人に尋ねます。
「これが、人間の逆鱗なのか?」
「の、ようなもの、と言うべきか。人間の、雄の、生殖器だ」
旅人の赤い顔には全く気づかず、竜はふうんと応じた後、口を開きます。
「結構小さいな」
竜は頭から湯気を立てる旅人に“小さい”や“短い”や“粗末”や“可愛い”
は絶対に言ってはいけない言葉なのだと叱りつけられ、しぶしぶ納得しました。
「お前、交尾の本番でもそういう事を言いそうだな」
「そう言われても……多分私のつがいはおまえのような生殖器はないだろうし、
何が禁句なのか解らん」
「無いって事はないだろう」
竜は首をひねります。
「私の母竜も父竜も姿はほとんど同じだったし、
つがう時は互いに口吸いをするのだと教えてくれたぞ。そうすると子供が出来ると」
「そんな、それこそ子供じゃあるまいし」
そう言いつつも旅人は竜の身体を眺めます。
思えばそれらしいものは身体についていませんし、性的絶頂を迎えた時に口から汁を吐く
という事は、口の中にあるのが生殖器なのだろうかと旅人は考えます。
208:石の花6/19 ◆vpePLp7Z/o
12/02/03 19:51:21.33 32RZLu5T
「それより、訓練しないのか」
「お前が余計な事を言うからだ」
旅人は悪態をついた後、萎えてしまった自分のものを見下ろします。
同時にまた悪戯心が兆し、こんな事を口にしました。
「さっきは、言っては駄目なものを教えたが今度は言った方がいいものを教えてやろう。
俺の後について言ってみろ」
「うん」疑う事を知らない竜は素直に応じます。
「じゃあまず、大きい、太い、だな」
竜がそのままに繰り返すと、旅人は棒読みでは駄目だと指導します。
「こんな、太いもの見たことない、とか、こんな大きなもの入らない、という気持ちを込めるんだ」
「う、うん」
どこにいれるんだろうと竜は不思議に思いましたが、
それよりもしごく度にむくむく膨らんでいく生殖器や、旅人の汗ばんだ顔や、
はあはあという荒い息が気になります。
「どこか、具合が悪いのか? すごく顔が赤いが」
「こ、これは、興奮しているからで、大体、お前だって逆鱗押されてるときは、こうじゃないか」
「でも、何だか辛そうだから……手伝えることはないのか?」
「じゃ、じゃあ」
旅人だって、こんな事をしてはいけないという倫理感はあるのです。
でも、子供のようにきらきらした目で見つめられてそんな事を言われては到底我慢出来ません。
「なめて、くれ」
「うん」竜はそれが恥ずかしい事とは知らないので、あっさり舌を出します。
旅人の下半身を覆う程の大きさの舌が、ぴちゃりと当てられると、
それだけで旅人は精を放ってしまいました。
竜は突然噴き出した白濁液に大変驚き、このまま旅人が死んでしまうのではと心配になります。
なにしろ旅人は獣のような声を上げていますし、初めて見る白い汁は血のようなものなのかと思ったのです。
どうすれば汁の噴出が止まるのだろうと悩んだ竜はとりあえず旅人の生殖器をくわえてみました。
噛みちぎらないように注意してぎゅっと締め付けると、生殖器はびくびくと震え、やがて柔らかくなります。
収まって良かった、と竜は胸をなで下ろしました。
209:石の花7/19 ◆vpePLp7Z/o
12/02/03 19:52:32.66 32RZLu5T
旅人は竜の口と、くわえられている自分のものの大きさを見比べて溜息をつきます。
「もう一つ、言ってはいけない言葉を教えてやろう」
「うん」竜は旅人の生殖器から口を離しました。
白い汁がつうっと糸のように口から伝います。
「早い、とか、もう出た、だ。
その、俺だって、いつもこんなに早く出る訳ではなくて、ただちょっと溜まっていたり、
とか、舐められるのが思った以上に気持ちよくてびっくりしたから、とかだ」
「もしかして、余計なことだったか?」
竜は旅人の剣幕にしょんぼりします。
「い、いや、そんなことはない」
旅人は改めて竜の顔を見て、その白濁液まみれの有様に罪悪感を抱きました。
「わ、わるかった、変な事、させて」
竜は何故謝られたのか解らないので、首を傾げます。
「ふ、普通、こういう事は口吸いをして、もっと親しくなった相手とするものなんだ。
本当は、お前みたいなおぼこにさせてはいけないんだが、我慢できなくなって」
そういうものなのか、
でも目の前に苦しそうにしている人がいたら普通助けるものだがなあと竜は不思議に思い、
顔についた汁をぺろりと舐めます。
「の、飲んじゃ駄目だ」
「え、毒なのか?」
竜はびっくりしますが、もう白濁液は喉の奥に運ばれた後です。
そう言われると胸がどきどきして苦しく、このまま死んでしまうような気がします。
だから「毒じゃないぞ」と旅人に言われても実感がわかず、
気休めに嘘をつかれているのではと思ったくらいです。
「その、おいしくないし、汚いから、普通は飲まなくていいんだ」
「飲むのは、してはいけない事か?」
「いけなくはない、が、普通は恋人同士ではないと、飲まない」
竜は親から、つがいの相手以外と口吸いをしてはいけませんよ、と言い聞かせられていました。
これも、どうやらつがいとしかしてはいけない事だったらしいと、ようやく竜は気づきます。
210:石の花8/19 ◆vpePLp7Z/o
12/02/03 19:54:01.80 32RZLu5T
「済まなかった、飲んだりして」
竜が謝ると、旅人は慌てます。
「いや、謝ることじゃない。不味かっただろう」
竜はもう一度口の中を舐め回します。
「あんまり、美味しくない。変な味だな。……“美味しくない”は言ってもいい言葉か?」
「う、うん“不味い”とか“臭い”とか“苦い”は言ってもいい言葉だ」
「悪口みたいだな。もしかして、“美味しい”は言ってはいけないのか?」
「いや、それは言ってもいい」
旅人がそんな事を言うので、竜は混乱してしまいます。
人間の言葉は難しいから、何を言って怒らせてしまうのか解りません。
あの汁を飲むとき、触ってもいない逆鱗がずきずきして、
喉の奥から石の水が出そうになった事は黙っていようと、竜は考えました。
それから何日か“訓練”は続きました。
旅人は毎日竜の逆鱗をいじり、その後自分の訓練をします。
竜は最初、旅人の手伝いをしていましたが、だんだん辛くなってきました。
石の水を我慢するのが、辛いのです。
もし、我慢できずに水をかけてしまっては大変な事になります。
そう正直に打ち明けて手伝いは出来ないと告げると、旅人は微妙な顔になりました。
「俺のせんずり……じゃない、訓練を見ているとそういう気分になるのか」
「すまない。何故かよく解らないが、おまえが赤い顔ではあはあしていたり、
おまえの生殖器がぴくぴくしているのを見ると、喉の奥がむずむずして我慢できなくなってしまうんだ。
このままだと大変な事をしてしまうかもしれない」
旅人は涙ぐむ竜の顔を見て、ごくりと唾を飲みます。
「じゃ、じゃあ仕方ないな。一人で訓練するから、お前は気にしなくていい」
「一人でも出来るのか?」
不思議そうに問いかける竜に、旅人はむきになって答えます。
「で、出来るさ、適当なずりねたを考えるから!」
「ずりねたって、何だ?」
余計な事を言ったと、旅人は密かに歯ぎしりします。
211:石の花9/19 ◆vpePLp7Z/o
12/02/03 19:55:36.26 32RZLu5T
「ずりねた、というのは、そのう、訓練をするとき、将来自分のつがいになる相手を考えるんだ。
その相手と上手くつがえるように、訓練をする、ということだ」
旅人は気付きませんでしたが、竜は密かに衝撃を受けていました。
旅人にはつがいになる相手がいる、と思いこんでしまったのです。
考えてみれば、ここまで交尾や訓練に詳しいのだから、そういう相手がいない訳がありません。
それなのに、旅人の生殖器を舐めたり、白い汁を飲むのはいけない事だったのではないかと、
竜は怖くなりました。
「その、おまえの、つがい、というのは、どんな雌なんだ?」
「そ、それは、ええと」
旅人も思いつきで言った事ですし、普段は町や酒場で見かけた美人をねたにしていますが、
このときは最近、いつも思い浮かべているものを口にしてしまいました。
「その、図体は大きいけど、おぼこで、男に騙されて平気でいやらしい事をしてしまうような女だ。
声がかわいくて、いくらでもよがらせてやりたいと、思うような女だよ」
竜は余り頭の良くなさそうな雌だと思いましたが、
悪口を言うのはよくないと思ったので黙っていました。
それに自分が何を言おうと、旅人のつがいである事は変わりません。
人間同士なら訓練も交尾も上手く出来るでしょうし、石の水を吐いて相手を危険にさらす事もないのです。
そう考えると自分でも理由が解らないながら落ち込み、竜は首を縮めました。
旅人は竜の落ち込みには気付かず、声をかけます。
「お前は、訓練の時、自分のつがいを想像したりしないのか?」
「……わからない。私のつがいはまだ“生えてきていない”から」
「“生えてきていない”?」
耳慣れない言葉に目を白黒させる旅人に、竜は落ち込んだ気持ちを隠しながら説明します。
「ここは竜が“生えてくる”のに適した土地なんだ。
私の父竜と母竜が何度も交わって、石の水が地の底まで染み込んでいるから。
親竜によると、あと一頭くらいは竜が生えてくる余地があるから、
その子とつがいになるのがいいだろうと」
212:石の花10/19 ◆vpePLp7Z/o
12/02/03 19:57:35.53 32RZLu5T
「ちょっと待て」
想像もしなかった話に旅人は頭が混乱します。
「この地面の下に、大根みたいに、竜が生えていると」
「うん」大根って何だろうと思いつつも、竜は相づちを打ちます。
「いや、だって……それはお前の弟だろう?」
「うん」竜は何故旅人が驚き戸惑っているのかが解りません。
「い、いや、もし、生えてきたのが妹だったらどうするんだ?」
「よく解らないが……」
弟と妹ってどう違うものなんだろう、と思いつつ竜は言葉を捜します。
「親竜は、つがうときに不都合があるようなら、口吸いをして石の水を飲ませなさいと言っていたぞ。
逆に、つがいたくない相手には絶対に口吸いをしてはいけないと。
それで大体何とかなる、と言われたが」
「大体何とかって」
大雑把過ぎる助言ですが、人知を越えた生き物である竜には何があっても不思議ではないのかも、
と旅人は自分を納得させます。
「じゃあ、お前はここでずうっと、つがいが生えてくるのを待つ訳か」
「うん」
旅人は自分でも理由が解らないながら不機嫌になりました。
この、磨き上げた宝石のような身体を持つ竜が、そっくりなつがいの竜と首を絡ませ、
舌を絡ませ、逆鱗を擦り合わせて洞窟に淫声を響かせているところを想像すると、
はらわたが煮えるような気分になります。
よく考えれば、旅人が文句を言う筋合いではないのです。
もう手持ちの保存食も尽きてきましたし、そろそろ人里に帰る頃合いではありました。
なのに、竜がつがいを持つところを想像するといらいらします。
終日不機嫌を隠さなかった旅人ですが、竜はそれに気付きません。
そして、旅人も落ち込んだままの竜に気付きませんでした。
翌日の訓練は、それまでになく長いものになりました。
竜は何度も絶頂に導かれ、それがいつまでも続きました。
何度も、耐えられない、許して、と言っても旅人の手は止まらず、
竜は身体の中がからっぽになる位の石の水を辺りに吐き散らしました。
全てが終わり、竜が意識を失って横たわる頃には、洞窟の中は水晶でいっぱいになっています。
213:石の花11/19 ◆vpePLp7Z/o
12/02/03 20:00:37.68 32RZLu5T
「この澄んだ石が、お前のいやらしい汁で出来ているなんて、人は思いもしないだろうな」
旅人はそう嘯いて、水晶をぱきりと折り取ります。
「今日の訓練は、手の代わりにちんぽでお前の恥ずかしいところを押したんだ。
今、お前の逆鱗は俺の汁でべとべとだよ。どちらも気付かなかったようだけど」
竜はぼんやりした顔で旅人を見つめます。
「俺は帰る。俺のことは忘れて、つがいと仲良くな」
そう言って、手を振り去っていく旅人を止めたくても、竜の身体は動きません。
身体を走る甘い痺れが厭わしくて、でもいつまでも浸っていたい気もして、竜は声を限りに泣きました。
その口からは、また石の水がこぼれ、洞窟にまた石の花を咲かせました。
それから、何年か経ちました。
この数年は、竜にとって決して平穏なものではありませんでした。
身勝手な旅人を呪い、身体の疼きを呪い、大半を泣きわめき、洞窟に逆鱗をこすりつけて過ごしました。
おかげで、せっかく咲いた石の花はほとんど砕け散ってしまいましたが、それさえも気になりません。
多少、気持ちが落ち着くと、竜は恐ろしい事に気付きました。
いずれは、この地から自分のつがいが生まれてくる、という事にです。
こんな気持ちで、つがう事なんて出来ない、と竜はまた泣いてしまいます。
もし、つがいの竜と口吸いをしても、考えるのは旅人に逆鱗を押されたときの事でしょう。
そんな事を知ったら、つがいの竜はどう思うでしょう。
怒ったり悲しんだりするに決まっています。
いっそ、この地を逃げ出してしまおうかとも思いましたが、
何も知らないつがいの竜が、ひとりぼっちで生まれてくる事を想像するとそれも出来ません。
どちらにせよ、自分のわがままでつがいを不幸にしてしまうのです。
こうなれば、つがいの竜が生まれるのを待ち、自分はつがいになれない事を説明し、
遠く旅に出て代わりのつがいを見つけてくる以外に誠実な解決法は無いと、
竜が覚悟を決めた頃の事でした。
214:石の花12/19 ◆vpePLp7Z/o
12/02/03 20:02:42.52 32RZLu5T
再び、竜の前に現れた旅人は以前よりもずっと痩せて、顔色も悪く、歩くのがやっとの様子でした。
「怒っているか」
そうしゃがれた声で話しかけられただけで、竜は胸がいっぱいになって、相づちを打つのがやっとです。
「病気なのか」
竜は尋ねてから、思えば最初に会ったときから、他の人間より痩せていたと気付きます。
「ああ。昔から、だましだまし身体を使ってきたが、そろそろ駄目みたいだ」
「だから、不老不死の薬を捜しに来たのか」
「ああ」
竜は旅人に近づき、ゆっくりと口を開きます。
「何か、出来る事はないのか。私の血でも肉でも、もしかしたら病気に効く薬になるかもしれない」
竜がそう言っても、旅人は首を振ります。
「前から思っていたが、お前はお人好し過ぎる。
そんな事ではすぐに悪い奴に騙されて、女郎屋に叩き売られてしまうぞ」
「女郎屋って何だ」
「ものの例えだ」
そう言って笑う旅人の顔が懐かしく、また腹立たしくて竜の目に涙が浮かびます。
「だって、おまえ死んじゃうんだろう。そ、それなのに、何も出来ない、なんて」
「俺は、お前に泣いてもらえるような人間じゃないんだ。
お前に嘘ばかりついた。
本当は、訓練なんて嘘だ。
お前の喘ぎ声があまりに可愛くて、もっと聞きたくて仕方がなくてついた、嘘だ。
俺の事、嫌いになっただろう?」
竜は鼻面を旅人の胸に押しつけます。
竜の目には人間の身体は石の花よりも薄く、小さく、
ちょっと息をかけただけでばらばらになってしまうようです。
「お、おまえのことなんか、きらい。むかしから、だいきらいだ。
だ、だから、死ぬなんて、許さない」
「それは、無理だよ」
「だめ」
旅人は大きく盛り上がった竜の涙を払います。
「それに、俺はお前のつがいに嫉妬したんだ。
お前がつがいの竜に可愛がられているところを想像したら、耐えられなくなった。
だから、お前の事なんか忘れてしまおうと思った」
旅人は額を竜の顔に押し当てました。
215:石の花13/19 ◆vpePLp7Z/o
12/02/03 20:03:52.53 32RZLu5T
「無理だった。
どんな女と寝ても、耳の中にはお前の声が残っていた。
お前の大きな身体にしがみついている時の事や、
お前が舌で優しく舐めてくれた時の事が忘れられなかった。
病で起きあがれない時も、死ぬ前にお前を見ないと耐えられないと思ってしまったんだ」
竜は初めて、自分の顔に旅人の涙が伝うのを感じました。
「お前の事が、好きだ。他の誰にも渡したくない。
俺以外の誰にも逆鱗を押させて、いやらしい声を出させたくない」
ぎゅうっと竜の頭を抱きしめて泣く旅人を前に、
竜は自分が人間の腕や身体を持っていれば良かったと改めて思います。
そうすればこうして泣いている旅人を抱きしめる事が出来たのに、
と竜もまた涙を流し、旅人の身体をぐっしょりと濡らします。
互いに泣き疲れて岩の上に横たわると、旅人は竜をじっと見つめました。
「わがままを言っていいか」
旅人はかすれた声で言います。
「お前と、口吸いがしたい。
無理だって事は、解ってる。つがいになる相手としか、しちゃいけない、という事も」
旅人が痩せた手で顔を撫でる度に、ぴりぴりとした感覚が身体に戻っていくのを竜は感じました。
「わ、私も、おまえと口吸いがしたい、でも」
身体の疼きが、痺れが、喉の奥に塊を押し上げてくるのが解ります。
「きっと、おまえを殺してしまう。
今、石の水がこみあげてきていて、きっと、おまえを石にしてしまうよ」
「もし、石にして欲しい、と言ったら、怒るか?」
竜はしゃくりあげながらも、口の中のものをこぼさぬよう必死でした。
「おこる、そんなの、ぜったいゆるさない」
そうか、と言って旅人は笑います。
その笑いが薄く儚く、それだけで竜は胸が潰れそうになりました。
「人間がそういうとき、どうするかを教えてやる」
旅人の声は切れ切れで、竜には体の中の火を消さないように必死に動かしているように見えます。
「たとえば、女の子が操を奪われたとき、周りは女の子を責めたりしない。
悪いのは、女の子にそんなことをした奴だ。
そんな奴は死んでしまっても仕方がないし、女の子はそんな奴の事は忘れてしまってもいい」
「“操を奪う”って、何だ?」
旅人の声が小さいので、竜は顔を近づけます。
「女の子に、無理矢理口吸いをする、みたいな事さ」
次の瞬間には、旅人は竜の口にかじりつき、口を合わせていました。
216:石の花14/19 ◆vpePLp7Z/o
12/02/03 20:05:35.09 32RZLu5T
竜の口に比べて人間の口はとても小さく、その舌ときたらもっと小さいはずなのに、
竜にはそれが燃えるように熱く感じられました。
息が苦しくて、相手の事がもっと欲しくなって、
竜は簡単に振り払えるはずの旅人を離すことが出来ません。
喉の奥に留めていた石の水が流れ落ちたとき、竜は旅人の手が、
かつてのように自分の口元を撫でるのを感じました。
閉じた目を開いたとき、竜の前にあったのは人の形をした黒水晶の塊でした。
解っていたはずなのに、実際に目にすると竜の心は粉々になってしまったような気がしました。
もう二度と、旅人が憎まれ口をきいたり、人を馬鹿にした笑みを浮かべたり、
恥ずかしそうに赤い顔をするのを見れないのだ、と考えると、
自分も今すぐ石になってしまいたいと竜は思います。
しかも、旅人の身体は竜の目の前で崩れ、砂となって地面に消えてゆくのです。
「いや、やだ、かえってきて、いなくならないで!」
竜がいくら泣き叫んでも、砂の流れは止まりません。
すっかりくずれた旅人の身体は、地面と全く見分けがつかなくなってしまいました。
竜は地面に泣き伏して身をよじりますが、周りに起きている変化に気がつきませんでした。
周囲の地面は一面に黒水晶がびっしり生え、大きく脈打っています。
竜があっと思った時には、その身体は大きな地割れの中に飲み込まれていました。
身体に、ごつごつとした黒水晶がぶつかり、絡め取られます。
気付いたときには、竜は黒水晶の中で身動きが取れなくなっていました。
伸ばした首に、何か大きな黒いものが近づいてくるのに竜は気付きます。
大きくて、黒くて、きらきらした、それは黒水晶の鱗を持つ竜です。
では、これはその竜の身体なのだ、とようやく竜は気付きました。
黒竜は竜の口に自分の口を近づけます。
「だ、だめ、です」
竜の涙声に、黒竜は不思議そうに首を傾げます。
「わ、わたしには、口吸いした、相手がいて、あなたとは、つがいになれません、ごめんなさい」
217:石の花15/19 ◆vpePLp7Z/o
12/02/03 20:07:00.76 32RZLu5T
黒竜はふぅと溜息をついた後、また首を伸ばしてきます。
竜は必死に逃れようとしますが、逃げる場所などありません。
どうしよう、無理矢理つがいにされてしまうんだ、と考えると目からぼろぼろ涙がこぼれます。
ぎゅうっと目をつぶって震える竜に、黒竜はぐいと首を伸ばしました。
「ばかだなあ、お前は」
黒竜はしゃがれた声で囁きます。
「無理矢理、口吸いした相手に操を立てるなんて」
黒竜はそう言って、ぺろりと竜の涙を拭いました。
呆然と眺める竜の顔を、黒竜はぺろぺろ舐め回します。
「なるほど、確かに石の水を飲むと“不都合があっても、大体何とかなる”訳だ。
また、確かにこうなってしまえば“老いも死も忘れる”から古文書も嘘ではなかったな」
そんな事をひとりごちながら無遠慮に顔を舐め身体をいじり回す黒竜に、竜は猛烈に腹が立ってきました。
がぶっと噛みついた顎は、今度は狙い違わず黒竜の頬に当たります。
「痛い痛い、何をするんだ」
「何が、痛いだ。わ、わたしがどれだけ、泣いたと、
ほ、本当に、おまえ、を、ころしてしまった、とおもって」
しゃくり上げる竜を、黒竜はそっと抱きしめました。
しゃらしゃらと音を立てる鱗がこそばゆく、もっと強く、もっと気持ちよくして欲しいと
思うのも恥ずかしくて、また竜は泣きます。
「ああ本当に、お前は可愛いなあ、可愛くて可愛くて食べてしまいたい位だ」
黒竜がそんな事を言うので、竜は嬉しいのか恥ずかしいのか怒っているのか、
よく解らない気持ちになります。
かろうじて思い出した事を口に出しました。
「確か“可愛い”って使ってはいけない言葉だろう?」
そう言うと黒竜はきょとんとした後、笑います。
「雌に使うときはいいんだ。誉め言葉だ」
そんなものだろうか、何となしに馬鹿にされているような気がする、と竜は思いました。
218:石の花16/19 ◆vpePLp7Z/o
12/02/03 20:08:36.59 32RZLu5T
「まあ、そんなことよりも」
そして黒竜は、竜の屈託をあっさり流してしまいます。
「何だか、喉の奥がすごくむずむずするんだが。あと、首の後ろが熱くてずきずきする」
黒竜がいまさら困った顔でそんな事を言うのが、竜にはとてもおかしく感じられます。
「それは、石の水が出ようとしているんだろう。あと、逆鱗だ」
「やっぱり、そうなのか」
黒竜はしばらく戸惑った後、口を開きます。
「その、俺の、逆鱗を押してくれるか。その代わり、お前の逆鱗を、押す」
黒竜のこわばった口調に、きっと人間ならば顔を真っ赤にしていたのだろうな、と竜は思います。
「……うん。わたしは、おまえのを、押す。
その代わり、おまえは、おまえだけは、わたしのを押していい」
そう、つっかえつっかえ言ったあと、
自分も人間ならば燃えるように赤い顔をしていたかもしれないな、と竜は思いました。
二頭の竜は、ぎこちなく首を絡めます。
黒竜の真っ黒な身体の中に一点だけ、薄桃色の鱗が青黒いたてがみに隠されていました。
「つやつやして、とてもきれいだな」と竜が溜息をつくと、その息を感じるだけで黒竜は震えます。
「何だか不本意だ。
本当はゴツゴツしているとか、気持ち悪いこんなの入らないとか言わせて見たかった」
照れ隠しでぶつぶつ言う黒竜を後目に、竜は逆鱗を舌でちょん、と突いてみます。
甲高い声で鳴いて身体を弾ませる黒竜に驚き、また何となしに興味深くもありましたので、
竜はまた、ちょちょんと逆鱗をつつきます。
「ば、ばか、そんなの、無理に、きまってる、だろう、いってる最中に、
さらにいかせようとするな、ばか」
さんざん喘ぎちらした後、荒い息をつきながら黒竜はそんな事を言います。
「おまえだって、前はこれよりも、もっともっと乱暴にしたぞ」
あれに比べればずっと優しくしているのに、と竜は不満です。
「それはまあ、こんなに感じるとは思わないし」
黒竜はぐるんと首を竜に巻き付けます。
「何か、まあ我慢が出来ないから、口吸いをしてもいいか」
「うん」
「こ、これは、早いから、じゃないぞ、
いや、よしんば早くても、この身体では初めてであるし、早くても当たり前だから」
「う、うん」
意味は解らないながら、必死な様子の黒竜の言葉に、竜はただうなずきます。
219:石の花17/19 ◆vpePLp7Z/o
12/02/03 20:09:38.79 32RZLu5T
黒竜が乱暴に竜の口を割り、舌をねじこみました。
こんな大きなものが入るだろうか、と竜は心配になると同時に、
なるほど大きくて入らないというのは舌の事だったのかと感心します。
ですが、そう考える間もなく、これまで感じた事もない感覚が竜の身体に襲いかかってきました。
互いの逆鱗がこすり合わされて、熱くて、溶けてしまうような気持ちです。
どうやら互いに口を合わせようとすると、丁度逆鱗を触れさせてしまうようでした。
こんなに気持ちのいい事をしながら口吸いをしたら、きっと頭がおかしくなってしまう、
と思いながらも、竜は身体の動きを止める事が出来ません。
あっあっと声と石の水を口から垂れ流して、身体を黒竜に絡みつかせる事しかできません。
黒竜の方も同様に、喘ぎ声と石の水をどぷどぷと竜の中に流し込み、舌で喉奥を突つきました。
喉奥には石の水を出す源があるのですが、直接いじり回された日には身体の奥の奥から、
全部水を吐き出してしまいたいような気持ちになります。
もう苦しくて恥ずかしくて耐えられないのに、もっともっと、
身体がからからになるまで吸い取って欲しくて竜は泣きました。
そして、もっと黒竜の水が欲しくて一心に舌を吸っている途中で、意識が途切れました。
目が覚めたとき、辺りがとても明るいので、竜はとても驚きました。
空は青く、小鳥のさえずりと草の匂いに満ちています。
外に出た事が無い訳ではありませんが、こんなに明るいときに出るのは初めてです。
竜は光がとても眩しく、また恥ずかしいもののように思えたので、怯えて身体を縮めます。
その身体をそっと包み込むものがありました。
大きな黒水晶の鱗を持つ、黒竜の身体です。
その身体からはまだ石の水の匂いがぷんぷんしていて、竜は身体が熱くなってしまいました。
220:石の花18/19 ◆vpePLp7Z/o
12/02/03 20:11:30.81 32RZLu5T
「俺の身体を作るのに、洞窟の石を全部使ってしまったみたいだな。何というか、すまん」
黒竜はそう言って、竜の身体を舐めます。
舐められたのは逆鱗では無いのに身体が震えるほど気持ちがよくて、竜は声を抑えるのに苦労しました。
「そのうちに、別の住処を探しにいこう。
それまでは雨が降ったら傘になってやるし、寒かったら暖めてやる」
「さ、寒くないから、平気だ」
竜は火照った身体をよじらせて、黒竜の下から逃れます。
竜は黒竜の身体に残る石の水の跡に舌を這わせました。
石の水が流れた跡は、びっしりと白い結晶が粒をなしています。
それをこりこりと削り取りながら、竜は口を開きました。
「わ、わたしも、おまえの身体を、きれいにしてやる。
おまえは、図体が大きいから、すぐそういうのを怠りそうだし、
身体が大きすぎて、怪我や病気になっても気付かなそうだ。
私がちゃんと、おまえの面倒をみてやる。そ、それに、わたしの方が百歳も年上だからな」
「世間知らずのおぼこなのにか?」
黒竜は意地悪そうに言って、また竜を組み敷こうとします。
「お、おまえなんか生まれたばっかりじゃないか」
二頭はまたぐねぐねと絡み合い、上になり下になります。
竜がそれを見つけたのは何度目かに下になり、またお腹一杯に石の水を飲まされた後でした。
黒竜の胸に、白い、小さな花が咲いているのです。
舌を当てると、黒竜はまるで逆鱗を舐められたかのように、深く息をつきます。
よく見れば、花は竜の鱗にそっくりな白い水晶で出来ていて、
引っかいても噛みついても取れそうにありません。
竜が不思議そうに見ていると、黒竜は微笑んで言いました。
「お前の洞窟を出ていくときに、持っていった水晶だよ。
ずっと胸に入れていたが、今は俺の身体の一部になっていしまったな」
黒竜は、竜の額に口づけます。
「お前の、いやらしいものが、俺の胸にあるなんて、何だか素敵だ」
「……それなんだが」
竜は、なぜか歯切れ悪く口を開きます。
「親竜から聞いた話だが、竜は、石の花が咲いているところから生えてくるそうだ」
221:石の花19/19 ◆vpePLp7Z/o
12/02/03 20:12:47.70 32RZLu5T
きょとんとした黒竜に、竜は言葉を重ねます。
「他の石の花と違って、引っかいてもかじっても取れない花だから、すぐに解る、
時々地面じゃなくて竜の身体に生える事もあるから気をつけなさい、と」
呆然とした様子の黒竜に、竜はあわてます。
「で、でも大丈夫だ。
私の母竜も、身体から子竜が生えてきてしまったけど、産めばなんてことは無かったと言っていたぞ。
まあ、初めてはちょっと痛かったと、言ってはいたけれど」
「ちょっと待て」
黒竜はこめかみを押さえたい気分になりましたが、生憎竜の腕では届きませんでした。
「じゃあ、この花の下に、お前の子がいるのか?」
「うん。生まれるのは大分先だと思うけど」
「俺が、母親?」
「生えてきた方が母親、らしい。私の父竜も母親をやった事があると言っていたし」
黒竜が難しい顔をしているので、竜はだんだん心配になってしまいました。
竜自身も子供を生やした事などありませんし、
生まれたばかりの黒竜がそんな事は嫌だと言っても仕方が無い事のような気もします。
目を潤ませ始めた竜の身体を、黒竜はぎゅうっと抱きしめます。
「そんな顔するな。これはおめでたと言って、普通ものすごく嬉しい事なんだぞ」
「嫌じゃない?」
「嫌なもんか」
まあ、でも、と黒竜は付け加えました。
「お前も、俺の子を産め。お前の子は俺が産んでやるから、お前もちゃんと孕め」
そうしてまた二頭はまた口を合わせ、逆鱗を擦り合わせます。
その口からこぼれた水は、また辺りに石の花を咲かせたのでした。
さて、世の中には不老不死の薬を求めて、古文書を頼りに竜の逆鱗を押そうとやってくる
冒険者という人種もいるのですが、彼らは口を揃えてそれは不可能だと言います。
竜はいつもつがいで行動し、互いに絡み合う彼らに死角は存在しません。
だから“竜の逆鱗を押す”は
“不可能な事をする”または“人の恋路の邪魔をする”という意味があるのです。
222:名無しさん@ピンキー
12/02/03 21:21:06.77 oERjFReG
ブラボー…!おお、ブラボー…!!!
描写が丁寧かつ簡潔で男も龍の表情や雰囲気が容易に想像できて凄く読みやすかった!
つか龍可愛いな!
223:名無しさん@ピンキー
12/02/03 23:09:50.92 VAcnwEBR
GJ!すごく引き込まれた!優しい語り口がすっごくよかった。
そして節分なのにこのスレが賑わってないのはおかしいとおもうんだ
224:名無しさん@ピンキー
12/02/03 23:36:47.74 wdk9XcQK
GJ‼
いきなり伸びたと思ったらとんだ良作が投下されてた
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3952日前に更新/480 KB
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