【なんでもあり】人外と人間でハァハァするスレ7 at EROPARO
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50:名無しさん@ピンキー
11/12/11 23:01:42.21 KkZPQuXA
メルモはオオツノの逞しい体躯にピッタリと寄り添っていた。オオツノは麓の方向を
睨みつける。
(そんな!あのハンター、イヌたち、もうおいついてきたの?はやすぎるわ。)
 ワンワンと猟犬の声が聞こえてくる。すこし靄がかかっているので姿は
見えないが、すぐ近くまで迫っているのは間違いない。
「イヌはたくさんいる。にんげんもひとりじゃない。」
オオツノはつぶやいた。
え、とメルモはオオツノの顔を見上げた。
(べつのハンターなのかしら。そうよね、ほかにいてもおかしくはない!)
 靄の中から、五匹の猟犬が現れた。柴犬ではなく大型の恐ろしい洋犬だった。
「チュイイン(こわいわ)!」
 不安なメルモはオオツノにさらに身体を寄せつけた。両耳から尻尾、蹄に至るまで
恐怖で震えるが、牡鹿の体温、鼓動が伝わり、少しは落ち着けそうだった。
「おれとしたことがふかくだった。これほどちかづくまできがつかないとは。」
「わたしのせい?わたしが、わたしが?」
「ちがう、おれのせいだ、おまえのいろけにふぬけになった」
五匹の洋犬はオオツノとメルモ、二匹の鹿に吠えたててきた。もう目の前にまで
迫ってきていた。
「おまえはにげろ!やまのうえのほうへな。おれがあいつらをひきよせる。」
「いや、いっしょににげて!いっしょじゃなきゃいやよ。」


51:保管庫
11/12/12 13:32:15.01 PF3Jkk2/
【保管庫移転のお知らせ】

今まで利用していた保管庫wikiの編集画面が不便だったので、更新ついでに移転しました。
次スレではテンプレのURL変更をお願いします。
URLリンク(w.livedoor.jp)

・避難所含め、現在までに出たSSはすべて保管しました。
 見落とし、誤字、修正希望、その他諸々何かありましたら保管庫の掲示板にてお知らせください。
・古いSSはまだ移転作業中でリンク切れですが、順次補完していきます。

【テンプレの絵板URL変更のお願い】

スレのテンプレにある絵板ですが、消されてしまった古い絵板のURLになっているので、
次スレを立てるときは、こちら↓の新しい絵板のURLに変更願います。

絵板
URLリンク(w.livedoor.jp)

52:名無しさん@ピンキー
11/12/12 22:44:28.91 R4Dc0KSq
乙です!
しかしログインページに行ってしまうんだが・・・

53:保管庫
11/12/13 01:08:22.39 KHPH3KNj
>>52
公開設定を変更するの忘れてましたw
変更したので今はもう大丈夫です。

54:名無しさん@ピンキー
11/12/13 03:32:02.04 IwP8wK+T
前スレの

触手と少女モノ ID:sel93LhO
触手娘リン ID:bPFfE6DJ

って同じ人?
この2作すげー好きだーー。自慰っ子がツボってのもあるけど文体も好き。ドキドキする。

55:名無しさん@ピンキー
11/12/13 23:59:04.27 USaz80dz
>>54
ありがとうございます、ご推察の通り、同じです。
とくにリンは唯一反応がなかった作品だったので、
レスをもらえてものすごく嬉しいです。

・淫魔と少女(前スレ680〜)
・大狐と少女(前スレ757)
・少年と人狼少女(前スレ767〜778)
・人外少女と薬草売りの少年(前スレ817〜)
・触手娘リン(前スレ858〜863)
・ロコとシン(仮) (前スレ923〜)

を書きました。
薬草売りのやつでちょっと真っ白に燃え尽きてしまって、
ただいま絶賛天使待ち((c)衛藤ヒロユキ)です。

申し訳ないです。

56:54
11/12/14 00:03:22.06 GlpEgUC7
っていうか保管庫の方、全部お見通しなんですね。
ありがとうございます。続きを書けるように再度精進します。

57:名無しさん@ピンキー
11/12/14 10:55:13.38 XwVqzXqM
 オオツノはメルモから離れて数歩前に出て、頭を屈め犬に向かってその自慢の
大きな角を振り立てた。
「フィイイイ!ケケケケケ!(このやろう!あっちへいけ!)」
 オオツノは猟犬たちを威嚇する。メルモも横に並んで唸るが、牡鹿の迫力に
はかなわない。
「かならず、あとをおいかける。やくそくする。」
「ほんとう?やくそくよ!」
「もし、おれになにかあったら、なかまがいるからたよればいい!」
「いや、そんなのいや!」
「はやくいくのだ、このままでは2ひきともやられる!」
 メルモはかぶりを振る。オオツノはメルモのほうを向かずに彼女を説き続ける。
 オオツノを愛する心、育ちつつある牝鹿の心が悲しむ。せめて別れの前にこっち
を向いてほしいとメルモは思った。その願いが通じたのか、オオツノは唸って
メルモに近寄るよう命じた。メルモが顔を寄せると、オオツノは首を右に曲げ、
愛する連れ合いのぶどう色の瞳をみながら口づけを交わした。一瞬だけ。
 オオツノの意を無駄には出来ない。メルモは犬達をにらみながら後ずさりし始めた。
 いつの間にか靄は晴れ、二人のハンターの姿が見えた。
「おお!オオツノだぞ!メスと一緒だぜ!」
「メスもなかなかのものだ。二匹そろって剥製にして飾れば絵になるな。」
 猟銃を構えたハンター達の会話が耳に入る。メルモはしっかりと聞き取った。
(そんな、いやだわ、はくせいなんて!にんげんってなんてざんこくなの?)
「ミイイイン(はやくいけ!)」
 メルモは意を決し身体の向きを変えて走り出した。猟犬の一匹が彼女を
追いかけた。すかさずオオツノは飛びかかり角で刺した。刺された犬は急所
をやられ即死だった。
 血で真っ赤になった角を振りかざし、オオツノは残りの四匹の猟犬たちを威嚇する。
猟犬たちは牡鹿に飛びかかる。ハンター達は銃を構えるが、撃てないでいた。
 また一匹になって逃げる羽目になった鹿のメルモ。後ろで銃声が聞こえ立ち止まって
振りかえる。犬の悲鳴が聞こえ、その後牡鹿の雄叫びが聞こえた。
(オオツノさん、だいじょうぶかしら?)
「チュイイイイイイイン!チュイイイン!(かならずかえってきて!わたしのところに!)」
 メルモは気持を抑えきれず、泣き叫ぶと、森の緩やかな斜面を登りはじめた。


58:名無しさん@ピンキー
11/12/16 20:33:17.57 GOhSB/zp
手塚作品総合スレあるけど

59:名無しさん@ピンキー
11/12/17 14:24:58.32 LNfeNYlC
まぁあれだ書きながら投下はry
規制されてるようなら避難所で報告しよう、な

60:名無しさん@ピンキー
11/12/23 18:01:31.85 wiyjhJHY
シオとほづみんのその後が気になる………!!!

いや、むしろあの二人の話をずっと読んでいたい。

61:名無しさん@ピンキー
11/12/30 23:53:13.74 8rlitvt7

パーツを集める→ステルススーツ完成→喋りだす

と言う作品に出会ったのですが、人外に入りますよね?

62: 【336円】
12/01/01 01:15:05.56 9PIR84Sz
あけおめ

63:名無しさん@ピンキー
12/01/01 02:22:55.52 V+eb8nDG
みんなあけおめー!!過疎ってても足繁く通うぜ。

>>55
淫魔と少女の第4話以降が読みたいですーーー
気力が戻ってきたらお願いっ!

64:6-680 ◆P3TAxd3EJBpB
12/01/01 07:33:57.97 gPySavFn
>>55
本当にありがとうございます。
時間が経過してるのに、そうやって応援いただけるのが嬉しいです。
がんばりますね!


65:名無しさん@ピンキー
12/01/01 14:41:30.29 ZRLag7Gn
エロなしですが、触手×人間♀です。





「先輩の事が…好きです」

そう言って俯き、震える少女。
表情は見えないが赤く染まる耳を見れば、その顔がどれだけ赤くなっているか手に取るようにわかる。

『えっと…栗田さん、だっけ?』
「は、はい…」

声帯がない僕は、いつものように脳に直接テレパシーを送る。

『正直僕は君の事を知らないんだけど、なんで、その…す、好きとか…』
「去年の水泳大会で、先輩が一着を取ったのを見て…それから…」

確かに取った。
人間と並ぶと明らかに早いから、学内の同族を集められての部門だったけど、二位以下を引き離してダントツの一位だったのを覚えている。
泳ぐのは大好きだ。

「それから、気になるようになって。
テストもいつも20位以内で頭もいいんだな、とか。
クラスメイトの人と笑いながら帰ってる姿とか、つい目で追ってしまって…」

いや、まぁ。
ありがたいけど、嬉しいけど。
だからってまさかそんな。

『でも僕、人間じゃないんだよ?』
「そんな事、関係ありません!
人間だって触手だって関係ない!
私は先輩が好きなんです!」

66:名無しさん@ピンキー
12/01/01 14:42:32.82 ZRLag7Gn
肩で揃えられた黒髪を揺らし、勢いよく顔を上げる栗田さん。
真っ赤な顔が、本気なんだと思わせてくれる。

けど。
彼女の言う通り、僕は触手だ。
人間の腕より少し細いくらいの触手がマリモのように絡まった塊だ。
と、心無い人に言われた事がある。

見た目は全然違うし、人間をそういう対象に見た事なんてない。
そもそも、人間の方が僕らを気味悪がるし。
受け入れて仲良くしてくれるのはごく一部だ。

そ、それが…好きだなんて…。

「先輩…今恋人はいますか?」
『い、いや』
「じゃあ…好きな人、とか」
『いないけど…』

この学校には触手が全部で8人いるけど、雌は2人しかいない。
学年が違うから話した事もない。

そして人間を恋愛対象に見た事がないから必然的に好きな人なんてできやしない。

「じゃ、じゃあ、私と付き合って下さい!」

ぎゅ、と。
栗田さんの両手が僕の触手を二本握りしめた。

小さくて細い指。
僕と全然違う。
人間の手に握り締められるなんて、初めてだ。
あったかくて、気持ちいい…。

いやいやいや!

『付き合うってちょっと!
いくらなんでもそれは…』
「ダメ…ですか?」
『いやだってアレだよ?
付き合うっていうのはさ…いろいろするんだよ?
僕触手ですよ?』

自分で言った途端頭の中に卑猥な想像が広がる。

クラスメイトに見せてもらったエロ本。
触手と人間の絡み。
あれはヤバかった。ほぼ陵辱物だった。
泣き叫ぶ女の子に絡みつく触手達。
性技や催淫剤で女の子がその気になれば、それが触手物のイチャラブだと言われて、ハードルの低さに驚いた。

お前もしてみたいの?なんて冗談混じりに聞くクラスメイトに、まさかーと笑って返した。

触手と人間の恋愛物なんて読んだ事ないし、自分に人間とのそんな事は縁がないと思っていた。

67:名無しさん@ピンキー
12/01/01 14:43:15.52 ZRLag7Gn
そりゃあ人間の女の子は柔らかそうであったかそうでぷにぷにしてていいなぁとは思うけど、自分がそれを望んだら陵辱物になってしまう。
別に陵辱がしたい訳じゃない。

卑猥な妄想を振り切る為、握られた触手を引き抜こうとしてもそれは叶わず。
逆にぐいと引き寄せられた。

「わかってます…それが嫌なら、告白なんてしません」

栗田さんは少し目を伏せ、右手で握った僕の触手に唇を寄せる。
そしてそのまま、小さく口づけた。

『……!』

ピリ、と全身に電気が走る。

「私…先輩になら、何されたって、嫌じゃありませんから…」

上目遣いで見つめる栗田さん。
赤いほっぺも、僕を握り締める小さい手も、緊張で震える肩も。
全部全部かわいくて。

だめだ。
もうだめだ。

気付いた時には全ての触手を使って栗田さんを抱き締めていた。

『苦しくない?
……き、気持ち悪くない?』
「気持ち悪くなんてないです。
…先輩って、結構つるつるしてるんですね。
ずっと触ってみたかったので、嬉しいです」

そう言いながら、より僕の触手達に埋もれる栗田さん。

「先輩、大好きです…」



まさか自分に人間の彼女ができる日が来るとは。
いつか来るその時の為に、触手と人間の営みをしっかり学んでおこう。

…誰か、陵辱物じゃない触手×人間物、書いてくれませんか?

68:名無しさん@ピンキー
12/01/01 14:44:36.34 ZRLag7Gn
以上です。

触手×人間(イチャラブ)が好きです…
いつかエロも書きたい。

明けましておめでとうございます。

69:名無しさん@ピンキー
12/01/01 19:45:01.77 UQiS2JL7
>>68
GJ!元日から素晴らしいものを読んだw
触手×少女の非凌辱モノはいいね

70:名無しさん@ピンキー
12/01/01 21:18:54.37 N1t4P6KO
新年早々良い物を見せていただいた……GJ!!

71:先輩と栗田さん
12/01/03 09:08:02.85 oKfQXZBi
GJありがとうございました!
嬉しかったのでがんばって続きを書いてみました。


触手×人間♀(自慰のみ)です




水の中を、どんどん進んで。
気付けば他を引き離していく。
全ての触手を使って泳ぐ姿はすごく気持ちよさそう。

プールサイドに上がると水滴が太陽の光を反射して、キラキラ輝いている。
うねる触手が、キラキラ。キラキラ。
本当に、綺麗で。

その瞬間、私は、恋に落ちた。



「ねぇねぇ、人間と付き合いたいと思う?」
『何だよまた先輩の話?』

クラスメイトのルイ君から、うんざりとした返事。

「だ、だって、やっぱり同じ触手の人に聞いた方がいいじゃない…」
『まぁそれはそうだけど』

ルイ君は、クラスで唯一の触手さん。
うちの高校には触手さんが八人しかいないのにその一人がうちのクラスだなんて、最初はびっくりしたけど、恋愛相談を持ちかけられる現状を考えるともう運命だとしか思えない。

『そもそもさー、付き合うとかなんとかって、交流したがらないのはそっち側じゃん。
栗田だって最初は嫌だったろ?クラスに俺がいて』
「確かに最初は驚いたけど…別に嫌じゃないよ?」
『あ、そ』

おまえって変わってるな、と右側の触手数本で頬杖をつくルイ君。

『でも俺が「付き合ってくれー」って触手伸ばして迫ったら嫌だろ?』

うねうねと伸ばして来た一本の触手ををぺい、と払いのけ。

「それは確かに困るよ!私は先輩が好きだもん!
ごめんなさいだよ!」
『そこかよ!先輩ならいいんか!』
「先輩なら……と、飛び込む…」

言っちゃった!と顔を隠せば、ルイ君のため息が頭に響いた。

72:名無しさん@ピンキー
12/01/03 09:10:51.37 oKfQXZBi
『飛び込むだけで済めばいいけどなー。
先輩だって男なんだから、人間に欲情するようになれば、おまえだって襲われるんだぞ』
「よ、欲情って…!」

慌てて立ち上がったが、放課後の教室には私達しかいないので、聞いてる人は誰もいない。
それどころかルイ君は私にしかテレパシーしていないんだから、誰かがいれば聞かれるのは私の声だけだ。

「へ、変な事言わないでよー…」
『おまえが繰り返さなきゃいいだけだろ』

誰もいないとわかっていても顔が熱くなる。

先輩が、私に。
よ、欲、欲情…。

「してくれるかな…私に…」
『さぁなー。そういう趣味の奴もいるだろうけど…ってされたいのか』
「先輩が望んでくれるなら…全然…」
『そういうのって、女が考えるようなロマンチックなもんじゃないからな。
触手と人間が付き合うってのはどういう事になるのか、ちゃんと考えろよ』
「……うん」

73:名無しさん@ピンキー
12/01/03 09:11:34.56 oKfQXZBi
帰り道。
裏門から帰るルイ君と下駄箱で分かれて歩いていると、門の手前で後ろから声がした。

「明日の小テストやべーよ。
マジで休もうかな」
「いやそりゃあおまえはできるからいいだろうけど…」

どん、と。
おしりの辺りにぶつかられたので、反射的にそこを見る。

そこには、私の腰ぐらいの高さまで蠢く、無数の触手があった。


せ、せせせ先輩…!

『あ、ごめん!』

私を見上げ、慌てて謝りながら瞬時に全ての触手を自分の背中に回す先輩。

「やべー、ごめんねー」

一緒にいたお友達さんにも頭を下げられ、立ち尽くしてしまう。
そそくさと先を行く先輩は、少し距離ができると背中に回していた触手をまた元に戻してふよふよ漂わせてた。

「いや俺も気付かなかったから悪かったよ」
「別に俺は気持ち悪くなんてねーからわかんねぇなー」

お友達さんが独り言を言っているように見えるけど、きっと先輩と話してるんだ。
私には、もう聞こえない。

先輩の声、初めて聞いちゃった。
少し低めの優しい声。
もっと。もっと聞きたい。

先輩、私だって、気持ち悪くなんて、ないですよ。

74:名無しさん@ピンキー
12/01/03 09:13:08.47 oKfQXZBi
夜、布団に入り、校門での事を思い出した。

優しい先輩。優しい声。
私が気持ち悪がると思って触手を背中に回した先輩。

そんな事、全然ないのに。
むしろもっと触れ合いたい。触って欲しい。


『触手と人間が付き合うってのはどういう事になるのか、ちゃんと考えろよ』


ルイ君の言葉が頭をよぎる。
先輩が人間に、私に、欲情したら、受け入れられるのか。
…そんなの答えは決まってる。

先輩。
好きです。好きなんです。

先輩は、私に欲情してくれるかな。
私の身体、触ってくれるかな。
あの、たくさんの触手で。
先輩は、どうやって触ってくれるのかな。

頭の中で、先輩の触手を想像しながら、パジャマの上から胸を触ってみる。
先輩なら、きっと優しく触ってくれる。

外側からゆっくり揉むと、先が固く立ち上がっていくのがわかる。
触れそうで、触れないで。
ゆっくりゆっくり、その中心に指を近付けていく。

「ふっ……うん……」

ついに乳首を捉え、指の腹で円を描くようにくすぐった。
時折爪で引っ掻くようにすると、気持ち良さに腰が少し浮いてしまう。

75:名無しさん@ピンキー
12/01/03 09:13:58.04 oKfQXZBi
「…あっ………うぅ」

股間がじんじんするのを感じながら、パジャマを捲っておなかから直接触れていく。
自分の指を、先輩の触手だと思って、胸へと進める。

先輩の、触手が、私の胸を優しく締め付けて。
乳輪を、なぞって、乳首を、潰す。

「あぁっ!…せん、せんぱ……っ」

乳首に巻き付いた触手が、強く、弱く、締め上げる。
両方の乳首をきゅっきゅっと締め付けられると、もう腰がゆらゆらと動き出すのを止められない。
足をすり合わせ、快感を逃す。

我慢できずに下半身に右手を伸ばし、パンツの中に入れると、そこはもうびしょ濡れだった。

ぬるぬるした液体を指ですくい、小さな突起にそっと触れる。

「〜〜〜…っ!」

ぬるり、と撫で上げると。
全身に電気が走ったみたいに、つま先まで痺れるような快感。

「ふ……あ、あ、あ」

先輩の触手が、私のクリトリスを剥いて、下から撫で続ける。
時折浅く掻き回し、ぬるぬるをすくって、何度も、何度も。

「ぅん……あ、せ、せんぱい…きもちい…っ」

先輩。先輩。
もっと、もっと触ってください。
先輩の事、もっとたくさん知りたいんです。

お友達さんにからかわれるとすぐに照れて触手の先っぽのピンク色が濃くなるとこも。
泳ぐのは速いのに、走るのが苦手でサッカーの成績が悪いとこも。
自分は気持ち悪がられていると思ってあまり人と関わろうとしないとこも。

全部好きなんです。
先輩に、もっと、近付きたい。

76:名無しさん@ピンキー
12/01/03 09:16:30.92 oKfQXZBi
「…はぁ…せんぱい、い、入れて…ください…」

先輩の触手が入り口に添えられているのを想像しながら、中指をぐ、と入れる。
ザラザラした中を奥まで進め、指が入る限界まで突き入れた。

「は、あ…せんぱい…せんぱい……あ、あぅ…」

ゆっくりと、先輩の触手が引き抜かれ、そしてまた入ってくる。
深く、深く、私の中が掻き分けられる。

だんだんと、おへその側が気持ち良くなってくると、先輩はそこを集中的に攻め立ててきた。
奥に入る度に、ぐいぐいと触手を押し付けてくる。

「あ、あ、あ、せん、せんぱ…ダメ、ダメです…っ」
『イきそう?』
「は、はい、もう…イく、イく、イっちゃいますぅ……!」
『うん、いいよ、イって』
「は、あ、あぁ、も、ダメ、イく、イく……っ!」

夢中で抜き差ししていた指の腹で、一番奥を強く押した瞬間。
全身にぎゅっと力が入り、頭の中にチカチカと白い光が点滅した。




荒い息を整え、快感の波が少し引いた胎内からずるりと指を引き抜く。
挿入していた中指だけに留まらず、気付けば全ての指が自分の体液塗れになっていた。

その手を目の前に掲げ指を開くと、粘着質なその液体が糸を引く。

「……ルイ君、ちゃんと、考えられたよ」





私は次の日、先輩の下駄箱に手紙を入れて、呼び出した。
もちろん、ちゃんと私の気持ちを伝える為に。
先輩の一番近くにいる為に。


「先輩の事が…好きです」

77:名無しさん@ピンキー
12/01/03 09:19:18.77 oKfQXZBi
以上です。

言い忘れてしまいましたが、触手はポ○モンのモ○ジャラみたいなやつです。

しかしエロいシーンって難しいですね…
いつかちゃんとした本番を書きたいです。

78:名無しさん@ピンキー
12/01/04 10:25:08.29 ccLxEfvR


79:名無しさん@ピンキー
12/01/05 00:32:34.18 wYoT79a8
>>50
陽が傾きはじめた山の森、美しい牝鹿のメルモは小さな沼で喉の渇きを癒した後、地面から生えている草を
夢中で食べていた。オオツノのことも気になったし、早く逃げてオオツノの「仲間」に合流したかったが、空腹には勝てなかった。
 沢山の食物を食べ、反芻消化すため、メルモは沼の側の草むらに座りこんだ。
(オオツノさんだいじょうぶかしら?)
 頬をふくらませながら、メルモはぼーっとしていた。ふと、人間としての二人の弟、
一緒に山の奥地区へやってきたワレガラス医師の顔が白昼夢のようにうかんだ。
(そうだ、わたしはにんげんだった、みんなわたしがいなくなってしんぱいしているわ。)
 最初にハンターに襲われた時、ミラクルキャンディーの瓶が転がっていったことも
思いだした。
(キャンディーのびん、まだあそこにあるのかしら?オオツノさんにあったら
きちんとおはなししよう、ひとざとへはおりてはだめ、ハンターがねらっているって
あぶないからやまからおりないでってやくそくしてもらおう!)
 約束、という鹿の言葉での単語に反応した。自分もオオツノとずっといる、夫婦に
なると約束をしたのだ。鹿達にとって約束の意味は重たかった。
(わたし、たいへんなやくそくをしてしまったかもしれない!)

 うとうとしていたメルモは牡鹿の体臭で目を覚ました。
(オオツノさん?いやちがう?)
座っていたメルモを見下ろす一匹の牡鹿がいた。オオツノよりも歳をとっているが
少し粗野そうなところがあった。オオツノのような気品は感じなかった。
「チュイン(だあれあなた)?」
「ふん、すごくいろっぽいメスのうわさをきいていたけど、おまえのことけ?」
 メルモは鹿に変身してから、オオツノ以外の鹿に会うのは初めてだったが、彼女は
は他の鹿達から見られ、牡鹿の情報ネットワークでは噂になっていたのだ。
 牡鹿は座っているメルモの後ろに回り、尻に顔を近づけ、陰部を舐めはじめた。他の
牝鹿にはない独特のフェロモンが彼を刺激する。
「チュイン(やめて、だれがあなたなんかと)!」
 メルモは叫び、口を天に向けてパクパクし始めた。これは交尾を求める牡鹿に対しての
牝鹿の拒否のポーズである。普通はそれで牡鹿は退散する。
「そんなこというなやあ!」
 その牡鹿は色気のあるメルモを諦めず、愛撫を続けた。たまらなくなってメルモは立ち上がり駆けだすが、
消化が終わっていない胃が悲鳴を上げ、すぐに立ち止まった。牡鹿が駆けより、さらにメルモの陰部を撫で始めた。


80:名無しさん@ピンキー
12/01/05 00:34:01.37 wYoT79a8
>>57 でした

81:名無しさん@ピンキー
12/01/05 10:16:51.24 C+V5xCAi
>>77

GJ!!
告って一人でしてる後輩かわいい。しかも恋愛対象が卑猥。いいなあいいなあ!



82:名無しさん@ピンキー
12/01/05 10:49:06.57 h5lOo6QF
俺も触手に生まれたかった

83:名無しさん@ピンキー
12/01/05 22:29:58.45 F/pTv/1x
そしてこんなかわいい娘に告白されたい

84:名無しさん@ピンキー
12/01/06 13:06:20.10 plks0kbd
わくわくしながらスレを開いたら俺には未知の領域だった。

85:名無しさん@ピンキー
12/01/06 15:31:36.97 NnS1FvV2
ようこそ

86:名無しさん@ピンキー
12/01/06 17:09:00.97 xFRGj2Ox
いらっしゃいませ

87:名無しさん@ピンキー
12/01/06 18:55:14.32 YRNRv/Vd
ごゆっくりお楽しみください

88:先輩と栗田さん
12/01/07 08:54:49.91 z2YdSDBu
続きを書いてみました。
一応完結です。

触手×人間♀本番有です。





まずい事になった。

いつものように、栗田さんとの下校途中、何の気なしに言ってしまったんだ。
今日から3日間、両親が不在だと。

「ご両親…いらっしゃらないんですか?」
『うん、仕事だって』

その時、僕の触手を一本握る栗田さんの手に、少し力が籠もるのを感じ、直感的に失言したとわかった。

「じゃ、じゃあ、私、泊まりに行ってもいいですか?」





僕の彼女は積極的だ。
普段はすごく控えめなのに、僕との事になるとやけに押してくる。

だからって女の子から彼氏の家に泊まりたいってそれはもうやばいんじゃないか。
まだ付き合ってひと月しか経ってないし、たまにぎゅっと抱き締めるくらいなのに。

もちろん、興味がない訳じゃない。
いつもいろんな所をふにふに触ってみたくなるのを我慢してるくらいだし。

いや待て落ち着け。
そもそも栗田さんはそんなつもりじゃないかもしれない。
ただ単に僕と一緒にのんびり過ごしたいだけだ。きっとそうだ。

うんうんと頷き、僕は自分を無理矢理落ち着かせた。
あの時僕の触手を握る栗田さんの手が、いつもより熱かった事は気付かない振りをして。





一度着替えてきます、と言って帰った栗田さんがうちに来た。
僕は母さんが用意してくれていたスープを飲み、栗田さんは持参したコンビニのお弁当を食べる。
同じ物を食べたいけど、僕達は基本的に固形物は食べないから仕方ない。

89:sage
12/01/07 08:55:44.62 z2YdSDBu
手伝いたがる彼女をなだめ、食器を洗い終わると、もうする事がなくなってしまった。

普段なら予習復習をしている時間だけど、そんな事をするのはもったいない。
でも何をしていいのかわからない。

たまに、何気ない会話をしても、いつもみたいに続かず、すぐに途切れてしまう。

ど、どうしよう…。

「あの…シャワー浴びてもいいですか?」
『あ、うん!ま、待ってて!今準備してくるから!』

慌てて浴室に駆け込み、お湯が出るよう準備を整える。
うちにはボディソープしかなかったけど、栗田さんはシャンプーやリンスを持参していたので助かった。

というか、準備が良すぎる。
食事の事だってそうだ。
泊まるなんて事になって動揺してしまった僕は、人間と触手の食事が違うという事が頭からすっぽり抜けてしまっていた。
それなのに、ちゃんとお弁当を持参した栗田さん。

僕達触手の事を、ちゃんと調べてくれてるんだろうか。
僕と過ごす為に。一緒にいる為に。

…僕は、なんて幸せ者なんだ。





幸せ、だけど。
まずい。やっぱりまずいよ。

シングルのベッドの中、すぐ隣に栗田さんがいる。
手を伸ばせば届くどころか、僕の丸い体型が災いしてすでに胴が触れている。

微動だにしないように触手達を抑えるのに必死だ。
どうしてこうなった。

栗田さんがシャワーを終えて。
僕もシャワーを浴びて。
居間に布団を敷いてそこを使うよう伝えて。
自室に戻って。
寝て。
ノックされて。
栗田さんがいて。
「一緒に寝てもいいですか…?」で。

で。今だ。
いやいやどうしてこうなった。
断れ僕。

90:名無しさん@ピンキー
12/01/07 08:57:49.37 z2YdSDBu
栗田さんは僕に背中を向けているから、寝ているのかわからない。
…寝てる、のかな?

「…先輩」
『は、はははい!』

向こうを向いたまま、栗田さんが話し出す。

「先輩は、私の事……どう思ってますか?」
『え?』
「先輩は優しいから、断れなくて付き合ってくれているんですか?」
『な、なんで…』

体が触れている部分から、彼女が震えているのが伝わってくる。
泣き出すのをこらえるような、そんな声を一生懸命絞り出す栗田さん。

「私、は。もっと先輩と、触れ合いたいです…。
告白した時、先輩言ったじゃないですか『付き合うっていうのはいろいろするんだよ』って。
いろいろ、してくれないんですか…?
やっぱり、人間だからダメですか?つまんないんです…」

それ以上言わせないように、触手全てを使って抱き締める。
強く。強く。

体の下から差し込んだ触手を使って、くるりと栗田さんを反転させ向かい合う。

「ひゃっ…せ、せんぱ…んぅ」

キスがしたかった。
人間のように口があれば。唇があれば。
栗田さんの唇と合わせて、貪りたかった。

でも僕にはそれがないから。
養分を吸収する用の二本の触手を片方、栗田さんの口に差し入れる。

なんというかもう、すごく好きだ。

いつも僕を見つけると満面の笑みで駆け寄ってくる姿とか。
僕の触手を握る手の優しさとか。
ストレートにぶつけてくる僕への気持ちとか。

知れば知る程、どんどん惹かれて行く。

触手を口に入れられながらも、嫌な顔一つしないで必死に舌を這わせる栗田さんが、かわいくて愛しくて仕方ない。

僕の触手は口内を思うように動き回り、歯列をなぞる。
時折ちゅっちゅと唾液を吸った。

「んっ……んん…ぷはっ、せんぱ……んぅぅ」

片方の触手を抜くと、次はもう片方。
休む間もなく交互に差し入れる。

そうしてそのままパジャマを捲り、身体中を全ての触手を使って撫で回した。
背中も、腰も、膝の裏も、つま先も。

そして少しずつズボンも脱がしていくと、白い下着が露わになる。

「ん、ん、んぅ……ふゎ…んん」

91:名無しさん@ピンキー
12/01/07 08:58:41.98 z2YdSDBu
どこもかしこもすべすべで、触り心地がいい。
身体の後ろ側は特に遮る物がなくて触手を走らせやすい。

前はどうだろう、と今度はお腹や鎖骨に触手を這わせる。

うん、やっぱりすべすべだ。

目の前でふるふると揺れる胸がすごくキレイで。
柔らかなおなかから、二つの膨らみに向けて触手を伸ばす。

するすると、その頂には触れないように触手を這わせ、優しく波打たせた。
触手に巻き付かれ、乳首だけを覗かせる彼女の胸。

「ふ、ん、んん……ぷはっ…あ、あん」

養分吸収用の触手を口から引き抜き、二つの乳首に狙いを定めた。
1センチ程の小さな穴が開いているだけだけど、サイズ的には丁度いい。

パクリ、と。
両乳首をくわえる。

「あぁぁ!……あ、あぅ、あ」

開いたり、閉じたりしながら、栗田さんの乳首を吸い上げ、扱く。

この触手ってこうする為にあるんじゃないかっていうくらい、ピッタリの大きさだ。
そして的確に栗田さんに快感を与えてくれる。

『…かわいいよ、栗田さん』
「せんぱい……ほ、ほんと、ですか…?あ、は…んん…」
『うん…もう、たまんないよ』
「う、うれ、しい、ですぅ…」

乳首をくわえられ、触手に巻き付かれ、撫で回され、甘い声を上げる栗田さんは、もう、かわいくて、かわいくて。
内股を撫でていた触手を一本、下着をずらして割れ目に這わせた。

92:名無しさん@ピンキー
12/01/07 08:59:48.63 z2YdSDBu
ぬるぬるとしたそこは、今にも触手が飲み込まれてしまいそうだ。
両足に触手を巻き付かせてそっと開き、溢れ出る体液をすくう
数本の触手を使い、赤く充血したクリトリスを剥き出した。
そして体液にまみれさせた触手で、その小さな豆に触れる。

「……っ!!」

突然栗田さんの身体がのけぞった。
トントンと触れる度に腰がびくびくと震える。

「は、あっ、せんぱ…!あ、あぁっ!」

次は円を描くようにぬるぬると触手を這わせた。
栗田さんは刺激が強いのか、腰をガクガクさせながらも僕から離れようとするけど、全身に巻き付かせた触手がそれを許さない。

僕に口があれば、このかわいいクリトリスをなめ上げてあげられるのに。
キスをして、吸ってあげるのに。

……養分吸収用で我慢しよう。

いつまでも吸い付いていた触手を乳首から一本離し、目の前に持ってくる。
うん、まぁ大きさはこっちも丁度いいかもしれない。

ちゅっと、今度はその小さな豆に吸い付かせた。

「あ、ああぁぁ…っ!」

いつもスープを吸う時のように動かせば、栗田さんが泣き出しそうな顔をしてガクガク震えだす。

「せん…せんぱい…っ!ダ、ダメです…!」
『気持ちいいの?……イきそう?』
「はい…っ!も、ダメ、ダメ…っ!」
『かわいい…いいよ、イって』

ぢゅうっと一際強く吸った時。

「あ、あ、あ、あああぁ…!」

栗田さんは達した。

「はっ…はぁ…はぁ…」
『大丈夫?つらくない?』
「だ、大丈夫…です…」
『そっか………じゃあ、入れるね…』

栗田さんの痴態に、そろそろ我慢も限界だ。
早く中に入りたいと、触手が疼いれいる。

濡れた割れ目に触手をあてがい、ゆっくりと沈めていく。
十分すぎる量の潤滑液のおかげで、するすると入り込んで行く、けど。

93:名無しさん@ピンキー
12/01/07 09:01:12.75 z2YdSDBu
「あ、いっ…!」
『痛い?』
「痛く…ないです…!続けてください…」

嘘だ。
眉間に寄った皺が、その辛さを物語る。

でも、続けて欲しいと言ってくれる優しさが嬉しくて、僕はぐいと触手を進めた。

「あっ…んんっ…!」

唇を噛み締めて、痛みを逃そうとする栗田さん。

少しでも痛みが和らぐようにと、僕は一度離した触手でクリトリスを再びくわえた。

「は、あ、あぁ……っ!」

達した後で敏感になっているおかげで、またすぐに熱に浮かされたように甘く鳴き出す。

僕は彼女の負担にならないよう、ゆっくりと触手の出し入れを始めた。
痛くないように、気持ち良くなるように、逸る気持ちを抑えて、彼女の事だけを考える。

「あ、あ、あ、ん、ん…っ」

次第に声から苦痛の色が消えてきた。

『気持ちいい?栗田さん』
「は、はぃ…あ、あん、せん、せんぱいの、しょ、しょく、しゅ……気持ち、いい、ですぅ…」
『そう…』

ずるり、と。
彼女の胎内から触手を引き抜く。

「あ……せ、せんぱい…?」

不安げに僕を見つめる栗田さん。
そんな表情とは裏腹に、彼女の割れ目は物欲しそうにパクパクと呼吸をしていた。

94:名無しさん@ピンキー
12/01/07 09:02:44.26 z2YdSDBu
もう、我慢できない。

僕は身体の下の方から、他の触手より一回り太めの触手を出し、ぬらりと揺らした。

「せんぱい…?それは、何ですか…?」

初めて見る触手に、彼女が目を丸くして聞いてくる。

『これは…生殖用の触手だよ』
「せいしょく、よう…?」
『そう、平たく言えば、男性器』
「そ、そんなの、本に載ってませんでした…」
『そうなの?』

やっぱり本でいろいろ調べてたのか。
嬉しさと同時に、彼女の強張った表情に後悔が込み上げてくる。
見せなきゃ良かったかな…。
自分のこれが人間の男性器と似ても似つかない事は知っている。
大きさだって違うし、何より先端のいぼいぼは僕等独自の物だ。
初めて見たら、びっくりしちゃうかも…。

今日はもう散々楽しませてもらったし。
彼女の内壁の柔らかさを十分堪能した。
ここで終わりでも構わない。

『……じゃあ、これはしまうね』
「え…?」
『いや、まぁ、これを使わなくても十分楽しめてるから』

言いながら、さっきまで彼女の中にいた触手をまた内股に這わせると。

「ダ、ダメです!」
『え?なにが?』
「さっきの、しまわないで下さい…。
私、ちゃんとして欲しいです。
先輩の、入れて、欲しい、です」
『……いいの?』
「はい」
『さっきまで入れてたのより太いよ?』
「だ、大丈夫です」
『でも……』
「いいんです。
私……先輩と、一つになりたい…」

あぁ、なんてかわいいんだ。
もうこれ以上我慢なんてできない。

しまいかけていた太い触手を、彼女の割れ目に擦り付ける。
ぬるぬるとした体液を十分纏わせたら、そのまま、彼女に突き入れた。

「あぁっ!……う、んん…」
『はぁっ…痛くない?』
「大丈夫です……さっき、せんぱいが、たくさん気持ち良くしてくれた、から…」

他の物より敏感な生殖用の触手は、彼女の中の体温やうねりをダイレクトに伝えてくる。
中の形を確かめるように、ゆっくりと出し入れする。
入れる時はぬるぬると進むのに、引き出す時はザラザラと引っかかって、すごく気持ちいい。

95:名無しさん@ピンキー
12/01/07 09:05:34.94 z2YdSDBu
「あ、あん…さっきと…ちがう…っ!おっき…んぅっ!」
『栗田さん……気持ちいいよ…!』
「せ、せんぱいも、あ、あん、きもち、いいんです、か…?」
『うん、栗田さんの中、締め付けて、くる…!』

次第にスピードを速めると、ぐぷぐぷと音が聞こえてくる。
快感に歪み、赤く染まる栗田さんの顔を眺めながら、何度も、何度も出し入れしていると。
卑猥な音も相まって、射精感が次第に込み上げて来た。

「はぁ、あ、あん…そこ、そこ、きもち、いい、です…」
『こ、ここ?』
「ああぁっ!す、すごい、きもち、い…っ!」

栗田さんが喜ぶ所を先端で擦れば、まるで握り締められているかのように中の触手が締め付けられる。

「せん、ぱい……すき、すき、です…っ!」
『うん、僕も、すきだよ』
「う、うれしい…っ。
あ、あ、あ、もう、ダメ、ダメです…!」
『いいよ、僕も、イきそう…』
「せんぱい、せんぱい……あ、あ、ああああぁぁ……っ!」

一際強く内壁が僕を絞り上げる。
それとほぼ同時に、僕は彼女の中に吐精した。





「……先輩、すきです」
『うん』
「先輩は?」
『僕もだよ』
「ちゃんと言ってくれなきゃ、嫌です…」

拗ねたような台詞なのに、目の前の顔はとろけるような笑顔で。
狭いベッドの中、少し後ろに後ずさる。

『いや、なんか照れくさいよ…』
「私しかいませんよ?」

だからそれが照れくさいのに。
そもそも僕はテレパシーでしか会話できないから、人混みの中でだって他人に聞かれる心配はない。

「先輩、私の事、すきですか?」
『……すきだよ』

観念して答えると、栗田さんは満足げに僕の触手達に埋もれた。



……僕はやっぱり、幸せ者だ。

96:名無しさん@ピンキー
12/01/07 09:07:32.08 z2YdSDBu
以上です。

時系列的には
二作目→一作目→三作目
になります。

もっと触手×人間の甘い話が増えますように。

97:名無しさん@ピンキー
12/01/07 13:04:10.94 oniPkz1V
前に触手の和姦は理想郷で読んだが、これも良いな。確か漫画でもあったはず。テンタクルラバーだったか?

このジャンル増えればいいのに

98:名無しさん@ピンキー
12/01/07 16:37:12.47 4v1s2OrN
超GJ。しみじみと萌えた。

99:名無しさん@ピンキー
12/01/07 23:24:00.43 EMGtc72o
うひょー乙‼

100:6-680 ◆P3TAxd3EJBpB
12/01/07 23:54:47.44 wq6W5eMx
淫魔と少女・4

淫魔の触手が少女の関節に優しく巻きつき、まるでお姫様が抱きかかえられるような姿勢をさせて、
しっかりと支えてくれている。
少女の薄桃色の唇と紅潮した頬、そしてすらりとした首筋が、触手によって繰り返し繰り返し愛撫される。

肌に触れるか触れないかの、繊細な感触と性感。
少女はくすぐったそうに、きゃっきゃと幼子のような声を上げる。
淫魔の前なら、自分を作らなくてもいい。
そのことがたまらなく嬉しくて、ついつい淫魔に甘え、はしゃいでしまう。

普段、少女はしっかり者を装っている。家事も花売りも自ら進んで始めた。
神父様の妻が3年前に急逝してからは、その傾向が特に強くなった。
本来の甘えん坊で、泣き虫な自分を封印して、気丈に生きてきた。
それが孤児である自分の宿命であり、運命であると、少女自身に言い聞かせてきた。

しかし、淫魔によって自らの性の扉が開かれたとき、
少女はその快楽と同時に、長い間閉ざされていた、本来の心の扉をも開かれてしまった。
淫魔の前では、か弱く、泣き虫で甘えん坊な一人の女の子に戻ってしまう。

淫魔もまるでそのことを理解しているかのように、細やかに応えてくれた。
少女が涙を流せば拭い、寒さを感じれば暖め、そして―

そして、少女の性欲が高まれば、膣に触手を挿入してくれる。


長くて、太さを自在に変える触手で少女の膣の内壁にぴったりと張り付き、腰が痙攣するほどに抽送して、激しく射精してくれる。
挿入のたびに、淫魔に淫らな姿を晒して少女からお願いしなければならないのが少し恥ずかしかったが、
いつもの自分からは想像もできないほど乖離した少女自身の行動の、その開放感ゆえに、
自らも膣口から熱い蜜を流してしまっていた。

淫魔の触手は全部で17本。
その殆どが生殖機能を持つために、性交だけで淫魔を満足させるのは容易なことではない。
体力溢れる若い身体と敏感な肌、淫魔を満足させられるだけの弾力性に富んだ女性器、
そして女性自身に、底なしの性欲が要求される。
まさか自分にその全てが備わってしまっていることなど、性知識に未熟な少女が知る由もない。
彼女は、ただただ淫魔に抱かれて、愛撫されて、そして性器を絡め、
互いに快感を得ることができればそれで幸せだった。

淫魔が次に、どんな淫らな事を要求してくるのだろう。
そして自分がそれに懸命に応えた時、交尾というご褒美と同時に、熱く優しく抱擁してくれる瞬間が待っている。

早く、次の行為を要求して。
早く、はやく―。

少女は、夢から目が覚めた。


101:6-680 ◆P3TAxd3EJBpB
12/01/07 23:58:47.02 wq6W5eMx


少女は一人ベッドの上で、毛布を抱きしめて、腰をくねらせるような動きをしていたらしい。
パンティがぐっしょりと湿り、少女の性器が濡れているのがはっきりと分かる。

昨晩もかなりの時間自慰に耽ったのに、その上夢まで見て下着を濡らすなんて。
少女は恥ずかしさで真っ赤に火照った頬を冷やすように、洗面器の水で顔を洗う。
その後、恥ずかしげにパンティを脱いでネグリジェをまくり上げると、
残りの水で女性器を洗い、タオルを使って、そこを丁寧に拭いた。
ごく薄い陰毛、小陰唇、膣口、クリトリスの周りまで念入りに拭く。

淫夢を見てしまった朝の、少女の日課である。

一度それを怠って街角に立ったとき、下半身から漂う自身の性臭が気になって、花売りどころではなかった。
目の前にある噴水に飛び込んで、裸になって行水したいほどの気持ちで、一日中、恥辱に耐えねばならなかった。
自慰に、淫夢に、性器の洗浄。淫らな秘密が、少女の日常にどんどん加えられていった。


花売りの一日は長く、そして過酷である。

仕入れは早朝。
まだ日も昇らぬ暗いうちに、近所の農場から花を選び、仕入れる。
切った花の鮮度を落とさぬように、切り口を湿らせながら急ぎ足で街へと赴く。
そして噴水のある広場の隅で、仕入れた花の水揚げをしながら人々に声を掛け、花を売る。
慶事などで花束の予約が入れば多少は楽になるが、それでも一日のリズムに変わりはない。

淫魔にぶたれたあの日から数日。
あれ以来、まだ淫魔の姿を見ていない。
呆然と家に帰ったものの、沸き立つ性欲に負けて激しい自慰に乱れたあの夜。
泣き疲れて眠ったその次の日から、少女は自らを叱咤するように鼓舞し、
街角に立って、必死になって花を売った。
一人孤独に、過酷な花売りに全身全霊をかけて打ち込んだ。


102:6-680 ◆P3TAxd3EJBpB
12/01/08 00:00:56.85 wq6W5eMx


花売りに前にも増して力を入れるようになったのは、淫魔を忘れるためではない。
早く花を裁いて時間を浮かせるためだ。
淫魔と激しく性交した森のあの場所で、淫魔が現れないか、少しでも長く待っていたいからだ。
もちろん、往く道すがら周囲の森に目配りしては草木の動きを観察し、淫魔を探す事も忘れなかった。

初めて自分から淫魔に会いに行ったときには、驚くほど簡単に遭遇できたのに、
今はそれが全く叶わない。
時がたって冬が近づけば、農場の温室でも花は育たなくなり、花売りは春先まで一旦休業となる。
冬は生糸の糸巻きで生計を立てるから、一日中部屋に篭らねばならない。
淫魔と会うための時間は、そう長く残されているわけではないのだ。
少女の頭がめまぐるしく回転し、淫魔に会うための手段を逆算して求め、
ひたすらそれを実行した。

皮肉なことに、その努力は、花売りの成果にだけ抜群にあらわれた。
恥ずかしがり屋の少女は、それまではどちらかというと花の手入れのほうに一生懸命で、
売り子としてはいま一つ引っ込み思案なところがあった。
売れ残った花をかわいそうに思って買ってくれる客がいるほど、売り上げが伸びない日もあった。

それがどうだろう。
淫魔に会って全てが吹っ切れたのか、弾けるような自然な笑顔で客寄せが出来るようになった。
早い日には昼前に花が売り切れてしまうほどにまで、売り子としての才能が開花したのだ。
手持ちの花がなくなれば店じまいが出来る。
店じまいが出来れば、森に行く事ができる―。

淫魔にぶたれたときにバスケットとワンピースを忘れてしまったので、
今少女が手に持っているものは、新しく買いなおした花売り用の篭である。
その空になった籠を持って、駆け出さんばかりに森へと急ぐ少女の表情は、
傍目から見ると、滑稽なぐらいに真剣そのものだった。


そわそわとした気分であの小岩に腰掛けて、少女は物音に耳をすませる。
秋の虫が昼間から恋の羽音を競って、求愛を続けている気配だけが感じられる。

ああ、求愛されている雌の虫達がうらやましくて仕方がない。
きっと愛する雄を見つけては何度も何度も交尾をして、
この秋を淫らに謳歌しているに違いない。

その一方で、自分はこんなにも切ない気持ちで淫魔を待っているのに、
淫魔は求愛どころか、姿さえ見せてくれない。

今すぐにでも服を脱がせて、身体の隅々まで愛撫して欲しいのに。
ちょっと恥ずかしさは残るが、自分の指で陰唇を広げて、少女の濡れた膣を見て欲しいのに。
それなのに、淫魔は現れてくれない。


103:6-680 ◆P3TAxd3EJBpB
12/01/08 00:10:34.97 +5CE2cbG


少女は、淫魔を思ってめそめそと泣き出すような事は無くなった。
その代わりに、夜の自慰が一段と激しさを増していた。
隣の部屋で神父様が眠っているというのに、少女はベッドの上で、夢中になって快楽を追い求める。
小さな口で木綿のタオルを噛んで声を抑えながら、右手の中指でクリトリスを擦り上げる。
左手は人差し指から薬指まで、3本を同時に膣に挿入するようになった。

そして、内壁をかき混ぜながら、へその裏側の感じやすい部分を中心にゆっくりと摩擦して、刺激を与える。
少女の乳房の上では乳首もツンと立ち上がり、吸って欲しそうに屹立してじんじんと痺れる。

このもどかしさが、またたまらない。
両手がふさがったままなので、時々うつぶせになっては小さな乳首をシーツで擦り、
ひたすら絶頂を求めて、指を動かす。
膣から流れ出す蜜が止まらない。

最後は仰向けになって、腰を高々と浮かせて両手の指を激しく動かし、
神父様に聞かれてしまうかも、という恐怖感さえをも快感にすり替えながら、
ううっ、とくぐもった声を上げて絶頂する。
今はそれで果てるのが一番気持ちがいい。

タオルを口から外して荒い息を鎮め、目を閉じて鼓動が収まるのを静かに待つ。
体中を包み込む触手の感触を思い出して、毛布にくるまり、うっとりとしながら自分の体温で温もりを感じる。

一休みしてはまた自慰を始め、3回絶頂に達して、ようやく眠りにつく。
少女も自慰に手馴れてしまって、絶頂の上り詰め方や、
敢えて絶頂を我慢をして、快感を増幅させた時の味を覚えてしまった。

月のものがある日は不快感もあってさすがに控えたが、
夜の自慰行為は、どんどん巧みに、そして淫らになっていった。


そうして更に1週間が過ぎ、2週間が過ぎたある日。
少女はいつものように手早く花を売り切った。
そして曇り空の下、急ぎ足で森の道を歩くと、いつもの小岩に腰かけ、淫魔を待っていた。

少女はグレーのインナーワンピースとベージュのショートワンピースを重ね着し、
さらにその上にカーディガンを羽織っている。
それでもまだ肌寒いほどだ。

3週間前とはいえ、前回なぜ素足にワンピース1枚でこんなところに座っていられたのか、
自分でも全く理解が出来ず、思わず吹き出してしまう。

慌しい商売事から解放され、ほっと一息つけるこの時間。
決して居心地の良い環境ではないが、少女にとっては大切な思い出の場所でもある。
少女は温かなキャメルのムートンブーツを履き、心持ち足をぶらぶらさせながら、
いつあらわれるとも知れない淫魔を、待ち続けた。


104:6-680 ◆P3TAxd3EJBpB
12/01/08 00:14:36.54 +5CE2cbG


秋が深まっていく。
季節が移ろうにつれ、少女の憂いもまた強く深く心に疼く。
淫魔は未だ、その姿さえも見せない。
もうこの森には、淫魔はいないのかもしれない。
新しい獲物を探して、どこかに移動していったのかもしれない―。

気丈な少女ではあったが、自分が捨てられたという想像が頭をよぎるときだけは、
さすがにこたえた。
俯きながら口をへの字に曲げ、泣きたい気持ちになる。
それはかつて、自分自身が捨て子として神父夫妻に拾われ、
育てられた経歴を持っているからだ。

少女は今でも、淫魔にお願い事をしたのが間違いだとは思っていない。
でも、そのお願い事の何かが淫魔を怒らせて、それでぶたれた事は厳然たる事実だ。
理解できない自分を詫びて、とにかくもうその事には触れないでおこうと思っている。
それすらも叶わぬ事が、なんとも歯がゆく、そして悲しい。


ぽたり、と少女の手に水滴が落ちた。
少女の涙ではない。
確かに泣きそうな気持ちにはなったが、涙は流さないことに決めている。
少女は、はっとして空を見上げた。

雨だ。
雨が降ろうとしている。

しまった―。

夏の夕立とは違い、秋の雨は弱く、長く降る傾向がある。
そして、なにより冷たい。
長雨が服にしみ込んで体温と体力を奪い、最悪の場合凍死の可能性もある。
だから雨の降りそうな日は、撥水性の高い、フードつきのコートを持って出ることにしている。

少女は今日、雨具を持たずに出てしまったのだ。
秋の雨は比較的予想し易いので、雨具の携帯を怠る事はないのに、
この日に限って、少女は雲行きの読みを誤った。

雨が本降りになるまでに出来るだけ村へと急ぎ、後は岩場で雨をやり過ごすしかない。
急いで花売り用の籠を持ち、帰り道を急ごうとしたそのとき。
少女は視線の先に、大きな塊を見た。

見覚えのある、異形の生命体―。
少女が待ち焦がれ続けた、淫魔の姿がそこにあった。

(了)


105:6-680 ◆P3TAxd3EJBpB
12/01/08 00:24:23.69 +5CE2cbG
>>63さんからお願いなんかされてしまって、
去年書きかけていたものをとりあえず上げてしまいました。
ご期待に添えないものであればごめんなさい。

でも、いいですよね。
すごく素敵な新人さんが、イチャラブな触手×少女もの書いてくださってるじゃないですか。
あんなかわいい後輩とほほえましい触手君の組み合わせなんて、最強じゃないですか。

僕はもう萌え尽きちゃいましたよ。
それでは。


106:名無しさん@ピンキー
12/01/08 01:05:10.18 QBgBrZtP
続きキタ━(゚∀゚)━!!!
なんともエロくて最高です

107:名無しさん@ピンキー
12/01/08 13:03:35.61 0W/lEoKO
乗るしかないな、このビックウェーブに

そんな訳で無性に書きたくなった人間♂と触手♀を

108:名無しさん@ピンキー
12/01/08 13:03:54.75 0W/lEoKO
「おい待てちょっと待てキスレブ……なんだって?」

『だから丁度一週間前の夜、雌になってしまったんだよ。折笠』
放課後の教室の窓際で、そんな事を言われた。
出会ってからもう六年目の、中高と何度かあったクラス替えの度に同じクラスであり続ける、所謂腐れ縁の存在にだ。
後ろの座席に顔が向くよう、背もたれに乗せていた右肘が驚きのあまり空に落ちた。
朝から様子がおかしかったが、風邪の類いでも患ったのかと心配していたのだが……よもやそんな事情があったとは。

「そんな事がありえ……るんだったよな」

『私の父さんも母さんも、出会うまでは男女逆だったって言うしね』
彼……もとい彼女の名はラウル・F・キスレブ。
直径60CM程度の球体の身体から太さや形状が僅かに違う触手を幾重にも持つ、触手属触手科に分類される我が親友だ。
何でも時折、性別が変わる事があるらしい。
テレパシーによる会話には最初こそ戸惑ったが、この学園ではそう珍しいものではなくすぐに慣れた(実際ラウルに近い種族が同級生に複数居る)
淡い水色の身体は、同属の中でも珍しい部類に入るらしく、昔は同属の友達が少なく、ある種のコンプレックスだと話してくれた記憶がある。

「具体的にはどう変わったんだ?」

『人間で言う子宮にあたる臓器が作られただけだね』

「俺には心なしか痩せたように思えたがな」

『……そう?』
無造作に眼前を泳いでいた触手を掴み自分の手首と比べながら呟くと、ラウルはさっと触手を身体の後ろに引き下げた。
無意識の動きは人間で言う脊髄反射によるもので、時折俺に絡み付いてきたこともあった。

「性質の悪い風邪でもひいたかと思ってたよ」

『心配してた?……ごめん』

「謝るような事じゃないだろ? 俺が勝手に思い込んでただけだ」
やはり、どうにも様子がおかしい。
どこか所在無さげと言うか、出会ったばかりの頃普通に話しかけてきた俺に戸惑い、変に警戒されていた時と反応が似ている。
家庭の環境により、多くの人間に根付いてしまっている差別意識に似た他の種族に対する違和感が無い俺としては至極当然の事だったのだが。

「登録上の性別とか、そんなのは?」

『連絡したらあっさり受理されたよ。これから学長室に行って、最終確認と書類へのサインをすれば終わり』

「……流石、我が学園の学長だな」
我が学園の前に置かれた、学園の立ち上げ当初に打ち立てられた石碑に刻まれた言葉は「差別主義者には鉄鎚を 兄弟たちには無償の愛を」
過激派のような言葉であるが、発展する科学技術に比例し増大していった差別問題に一石を投じた人物の言葉として、多くの言葉に訳された標語である。
学長自身は竜人族と人間の混血であり、飛龍を娶り、十五人の子を育て上げた凄まじい人物だ。

『……で、君さえ良ければ一緒に学長室に来てもらいたい、んだけど』
テレパシーが一瞬途切れたが、その言葉の意味は理解出来た。

「了解了解、優等生のお前でもあの学長を苦手か?」

『まぁ……そんなとこ』
机の上に置かれた鞄を取り、立ち上がるとラウルも同じように鞄を持ち上げ椅子から降りた。
廊下への扉を開け、扉を片手で押さえたままラウルが通るのを待つ。
どこかフワフワしている足取りのラウルを追う形で教室を出ると、珍しく静かな廊下に扉の閉まる音が小さく響いた。



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