*9が指定したカプ・シチュに*0が萌えるスレPart30 [転載禁止]©bbspink.com at 801
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152:風と木の名無しさん
15/01/29 22:15:29.75 ajVKiF/t0
乙でしたまわし

153:風と木の名無しさん
15/01/29 22:56:45.85 erlRFOda0
まわすよ!

154:風と木の名無しさん
15/01/29 23:52:48.62 hBDn85fI0
乙まわし

155:風と木の名無しさん
15/01/29 23:57:47.21 FM1j0J8T0
まわそか

156:風と木の名無しさん
15/01/30 08:28:11.17 KQxoXh1M0
まわし

157:風と木の名無しさん
15/01/30 08:34:40.77 5+wMMEJN0
ラブラブですな〜まわし

158:風と木の名無しさん
15/01/30 10:06:01.49 fDb8FLAu0
踏み台

159:風と木の名無しさん
15/01/30 12:58:05.59 4ZQHjLuU0
化学者と化け物

160:風と木の名無しさん
15/01/30 22:12:09.27 cua0ES9l0
ガラス管の中、薬液に浸るフェアリーは珍しい光景を目にした。

ため息を吐いた化学者の肩を慰める様に柔らかに撫でる腕があったのだ。
しかしその腕は上等な牛肉の脂身の様な生白さで、さらに指や関節が幾つか余計にある、所謂、化け物の腕だった。
腕は研究室の配管ダクトから不躾に侵入してきていて、大元の本体は研究室からキロ単位で離れた地下施設に封印されるように隔離されている。
そう、隔離されているはずなのだが、なぜか化け物の腕は自由だった。
不意に現れて組織の人間を驚かせてみたり、警備員とジャンケン(独特な手の形に合わせて新たにルールを決めたらしい)をして友好を深めていたりと、ずいぶんと化け物らしからぬ愛嬌をもって日々を暮らすこの腕を、化学者は嫌っていたはずだった。
おおよそ人とは思えない腕の持つ、人と同じぬくもりが化学者の背中をさする。
普段であれば邪険に払い捨てただろうそれを、化学者は何も言わずに受け入れていた。

フェアリーは小首を傾げて暫しそれを眺めていたが、不意に、ピピと短い音がなった。
タイマーによって自動投入された薬の為に、フェアリーは強力な睡魔に襲われる。
薄れゆく意識の中、フェアリーが目にしたのは化学者の頬から落ちる雫だった。

あ〜、もうなんだコレ。
剣も魔法も何でも出来て、家柄は良くて、性格も良くておまけに超絶イケメンでポジティブとラッキーの化け物みたいなアンタをどうにかしてやりたくて、んで、どうにかしちゃって早三年。
文字通りの化け物になってもアンタは結局人に愛されまくってて。なんなのさ。ホントなんなのさ。
なんなの。なんなの。こんなずじゃなかった。
だってよくある創作の中のマッドサイエンティストはさぁ、ほら……狂気に満ちた表情のその男は、ガラスに閉じ込められた、かつて女だった蛋白質を孤独にも永遠に愛し続けたのだ、みたいな感じじゃん。そういうのあるじゃん。
欲しくて仕方なかったのをさ、独り占めできるはずじゃん。
こんなのってない。……マジ最悪だし。

161:風と木の名無しさん
15/01/30 22:13:14.64 cua0ES9l0
化学者は手にしていた書類をくしゃ、と握りしめ、耐え切れなくなった嗚咽を溢れさせて泣いた。
こんなはずではなかったと、ひたすらそればかりを繰り返し叫んではむせび泣いた。

人でないものにしてしまえば、彼を永遠に愛せると思った。
勇者に選ばれたと笑って告げた親友の誇らしげな顔を見て、そう思った。
どこの誰かもはっきりしない不特定多数の、民衆の平和なんぞに捧げられてしまう様な命なら、自分が掠め取ったっていいような気がした。

しかし神とやらはしっかり存在したらしい。
化学者は神など信じた事も無かった。はっきりとした数字だけを信仰して生きてきた。
けれど今、化学者が信じるべき化学の数字は、その背後に神の怒りが滲んでいるように思えた。

化け物の寿命はあとひと月も持たないと検査結果は示している。
文書をどれほど握ってもみくしゃにしても、どうしたって数字は変わらない。
盗み取った物を返せと、化学者は神がどこかで自分を嘲笑っているような気がした。

泣きじゃくる化学者の背を、人だった頃の記憶などすっかり無くした腕だけがずっと撫でていた。

162:風と木の名無しさん
15/01/31 08:54:36.91 ZQMjMEt3O
せつないけど空気がすごく引き込まれました
GJです!

163:風と木の名無しさん
15/01/31 21:41:24.80 nhBPeecM0
人でないものになっても愛嬌をもって人々に愛されて化学者のものにならないままに死ぬのか…
フェアリーからは化学者は化け物を嫌っているように見えても「欲しくて仕方ないもの」と表現してるのに萌えた
乙です

164:風と木の名無しさん
15/01/31 23:01:27.12 3dqjxvu/0
まわし

165:風と木の名無しさん
15/02/01 00:40:10.42 X2uz4fFv0
まーわすー

166:風と木の名無しさん
15/02/01 01:03:10.75 XqNkA/Pt0
まわし

167:風と木の名無しさん
15/02/01 03:28:19.76 zkXg3+d10!
乙 まわし

168:風と木の名無しさん
15/02/01 09:40:31.81 N315nN9h0
踏んで

169:風と木の名無しさん
15/02/01 11:23:44.00 DUjlfeEH0
誰もいない教室で

170:風と木の名無しさん
15/02/02 11:19:48.77 ELgkzKXVO
3年5組の小林です。
突然だけど僕の朝は早くて、帰りは遅い。
家が学区の外なので、馬鹿みたいに山奥まで行く一日朝夜2本の電車に乗らなくちゃ行けないから、朝が早くて、夜が遅い。
そういうわけで学校には、人より長くいることになる。
部活がある頃はよかったんだけど、ウチみたいなボーっとした田舎の中学校じゃ、水泳部なんて夏になりきらないうちに大会が終わってしまう。
引退してからはもう信じられないぐらい暇で。
仕方ないので受験勉強をしてたけどそれも終わってしまって。
ほんともう仕方がないので教室のことをいろいろやって、暇をつぶすことにしている。時々つぶしきれなくて寝たりもする。
というのが僕の日常だったんだけど、年が明けたぐらいから、変わったことが二つある。二つというか、ホントは


171:黷ツなんだけど。 朝、学校にくると僕はまず、花瓶の水を取り換える。黒板を掃除して、机を並べる。 それから自販機にジュースを買いに行こうと廊下を一人で歩いていると、この頃よく会う。2組の吉井くん。 僕が「おはよう」と声をかけたら、はじめはドキっとしていたけれど、今ではもう驚かない。 「おはよう、小林」 「おはよう、寒いね」 「おー、すげえ寒いね」 そうしてすれ違う。それだけ。 それから僕がココアを買って廊下を戻ると、吉井くんは席について、ボーっとしながら遠くを見てる。 吉井くんのじゃない席で。 知らないと思ってるのかな、僕が5組だから? 知ってるよそこは、皆川くんの席なんだ。



172:風と木の名無しさん
15/02/02 11:21:02.56 ELgkzKXVO
それからなんでか帰りには、皆川くんが一人きり。もう姿も見えなくなような、暗い、暗い教室で、机にずっと突っ伏してるんだ。
時々なでたり、なにかを思い出すみたいに。ずーっと一人、吉井くんの席で。
僕はといえば放課後は、教室の水槽の水を替えるんだ。2組の前に水道があるので、時々気付いたり、時々気付かないふりをしたり。
春には二人は、違う高校へ行くんだってさ。
どうするんだろう、二人してそんな、一人で悩んで。
僕がどうこう言えたことじゃあないけどさ、好きなものは、仕方がないじゃないか。
そういえば一度、口止め料か知らないけれど、吉井くんにはココアを奢ってもらったことがあったっけ。
仕方ない、3年5組の小林、僕は暇なんだ。毎日、すごく。
僕は水槽を置いて、2組に向かって話しかけた。

僕の朝は早くて、帰りは遅い。
朝、学校にくると僕はまず、花瓶の水を取り換える。黒板を掃除して、机を並べる。
それから自販機にジュースを買いに行こうと廊下を一人で歩いていると、この頃よく見る。2組の吉井くんと皆川くん。
僕はなんだかうれしくて、気付かれないよう引き返しては遠回りして、自販機にココアを買いに行く。
時々二人が「小林くん、おはよう!」と、ココアをくれることがあるので、なにも言わずに、笑って受け取ることにしている。


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