*9が指定したカプ・シチュ ..
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2:風と木の名無しさん
14/12/23 00:15:04.84 DZnykfin0
●こういう場合はどうするの?

Q1 リロミス・誤爆で*0をとりました。
A1 *9より12時間以内に*9のリクで投下して下さい。踏み逃げ禁止。頑張れ!

Q2 荒らしらしき人が*0をとりました。
A2 *9より12時間経過以降に*0以外の人の投下の可能性があります。
それまで書き込みはせずに投下を待ちましょう。
*1以降に書き込みがあっても書き込みはしないで下さい。
*9より24時間経過後にまわしてください。

Q3 別館に投下された作品にGJしたい。
A3 別館のグッジョブスレにお願いします。
本スレへのグッジョブとあわせて行う場合は、本スレへの投下OKです。

Q4 続編書きたいです。二次創作してもいいですか?
A4 本人による続編投下は、別館の*0以外の人が投下するスレへ。
本人以外の続編・二次創作は原則禁止です。

Q5 本スレへ複数レスになる*0を投下中に規制になりました。中途半端です。
A5 別館*0以外の人が投下するスレにて代行依頼を添えて投下し、善意の代行を待ちます。
  なお、代行は必ずしてもらえるとは限りません。

Q6 規制中ですが萌えました。本スレへ*0投下したいのですが別館で代行してくれませんか。
A6 別館の*0以外の人が投下するスレへ投下してください。
  この場合は別館での代行依頼は受け付けません。

Q7 判断の難しい投下や書き込みがありましたが、どうしたらよいでしょうか。
A7 数字板の絡みスレや、別館のチラシの裏もしくはテンプレ審議委員会で。
他の人の意見を聞いてみましょう。
チラシの裏 三枚目URLリンク(jbbs.livedoor.jp)
テンプレ審議委員会URLリンク(jbbs.livedoor.jp)

3:風と木の名無しさん
14/12/23 00:42:54.32 luWE347v0
いちおつ

4:風と木の名無しさん
14/12/23 14:14:08.11 yrthqUUn0
いちおつまわし

5:風と木の名無しさん
14/12/24 04:31:22.03 oeRb+AvV0
1乙

6:風と木の名無しさん
14/12/24 12:20:14.48 4tuRsN8+0
前スレ落ちてたのか
いちおつでした

7:風と木の名無しさん
14/12/24 13:24:27.33 9mUPgp/C0
まわすー

8:風と木の名無しさん
14/12/24 14:23:55.79 zdyO1WLb0
新スレ初踏まれ

9:風と木の名無しさん
14/12/24 15:37:29.33 vUW8LGC90
もったいぶった告白

10:風と木の名無しさん
14/12/25 21:23:17.12 89d8cxOB0
「月が綺麗ですね」

それは、新月の夜に言われた言葉だった。
月なんて出ていないのに、何言ってんだこいつは。しかも、普段はへらへらとしているくせにやけに真剣な声で。
はぁ?と隣を見たがらあいつはただにこにこと穏やかに微笑んでいるだけだった。その笑みも、普段とは違ってやけに深くて真剣で。
……それから、その微笑みが少し哀しげに見えたのは気のせいだと思いたい。


「次回の課題は、夏目漱石について調べてくること。必ずやっておけよー。じゃあ、47ページ…」

先生(40代独身)の声に、意識を引き戻される。
そうだ、今は授業中だった。次のテストは頑張らないといけないってのに、きちんと集中しておかないと…
というか、…夏目漱石?
文学少年のあいつの顔がちらついた。

11:風と木の名無しさん
14/12/25 21:24:22.28 89d8cxOB0
家に帰って、パソコンで夏目漱石について検索してみる。
すると、予測変換に[夏目漱石 月が綺麗]と出てきた。
月が綺麗?とりあえずクリックしてみる。

____夏目漱石は、「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳しました___

「え?」
前の新月の夜のことを思い出していた。
あいつの真剣な声、哀しげな微笑み。
ああ、もしかして、もしかして、もしかして、でもそんな訳ない、まさかあいつが俺のことを好きなんて。

そんな、奇跡みたいな。


気がついたら家を飛び出していた。
パーカー一枚で12月の外に飛び出すのは少し気が早かったかもしれない。
でも、あいつが俺と同じ気持ちなら、もしもそうなら、俺は___


ピンポーンとインターホンを鳴らす。はやく、はやく。気が急いて仕方がなかった。
おばさんに挨拶をして、そのままあいつの部屋に直行する。
バンと乱暴にドアを開けると、ポカーンと間抜けなあいつの顔があった。
「え?ちょ、どうしたの?」
「うるさいバカ。もったいぶったことするんじゃねえよ。せっかくの告白、わからなかったじゃねえか」
「え、うそ、わかったの?わからないと思った、のに、」
ごめん、引いたよね、ごめんとほろほろと泣き出すあいつに抱きついて一言。

「ばーか」

「わたし、死んでもいいわ」

12:風と木の名無しさん
14/12/25 21:38:12.40 o06Uv9mx0
>>10は遅刻だよねまわすね
こんな時間までまわってなかったから
まだ*9書き込まれた日だと勘違いしたかな

13:風と木の名無しさん
14/12/25 21:41:06.02 dvZYUt7Q0
まわす

14:風と木の名無しさん
14/12/26 00:18:20.76 riJcx7Y00
まわします

15:風と木の名無しさん
14/12/26 00:49:59.74 IbJtI56s0
まーわすー

16:風と木の名無しさん
14/12/26 05:17:11.73 QGMXR7Ny0
まわそう

17:風と木の名無しさん
14/12/26 07:04:59.39 deLq3Q8/0
まわしまする

18:風と木の名無しさん
14/12/26 19:43:41.87 g+nSlCSx0
踏み台

19:風と木の名無しさん
14/12/26 19:51:04.35 i7zFZaJd0
とんだ偶然

20:風と木の名無しさん
14/12/27 23:24:18.95 BWxIpkmK0
残念まわし

21:風と木の名無しさん
14/12/28 00:06:41.99 HkXjseGb0
まわし

22:風と木の名無しさん
14/12/28 00:44:31.53 m+pZyq740
まわし

23:風と木の名無しさん
14/12/28 08:43:43.07 wLQYjSK80
まわーし

24:風と木の名無しさん
14/12/28 13:18:03.35 HsecBdDr0
まわーす

25:風と木の名無しさん
14/12/28 16:31:55.92 aP3C4PcX0
まわし

26:風と木の名無しさん
14/12/28 22:24:11.57 Aj6jKZvs0
まわし

27:風と木の名無しさん
14/12/29 10:40:09.58 MGxg1C5Q0
まわし

28:風と木の名無しさん
14/12/29 11:07:08.74 zlSj1yox0
踏んで

29:風と木の名無しさん
14/12/29 11:31:01.79 E8hPD9v60
年末は激務

30:風と木の名無しさん
14/12/30 19:52:10.72 SyQRDQ190
まわすよ

31:風と木の名無しさん
14/12/31 00:21:40.65 16xvgXx40
年末まわし

32:風と木の名無しさん
14/12/31 00:40:54.07 6okchkrY0
おまわしまわし

33:風と木の名無しさん
14/12/31 10:34:09.25 D6Ecamei0
まわし

34:風と木の名無しさん
14/12/31 12:20:41.71 2meBbE+a0
まわし

35:風と木の名無しさん
14/12/31 23:25:43.18 3np1td0p0
まわします

36:風と木の名無しさん
15/01/01 00:37:30.12 qDThrrBG0
あけおめまわし

37:風と木の名無しさん
15/01/01 00:53:04.67 yKySM1l10
初まわし

38:風と木の名無しさん
15/01/01 16:46:48.47 0cyfwUAr0
ふんで

39:風と木の名無しさん
15/01/01 18:36:30.23 bsgFqafT0
夢でなら

40:風と木の名無しさん
15/01/02 17:23:14.45 P/7NI/ge0
「愛してる。お前が俺を好きじゃなくてもいい。絶対に守ってみせる。一緒に逃げよう」
「逃げる?何から?」
「お前の首や腕にそんな痕をつけた奴から。その様子じゃ背中もか」
「…見た目ほど酷くねえよ。痛くもねえし」
「何年の付き合いだと思ってるんだ。準備は出来てる。もたもたしてると担いで行くぞ」
「勝手に決めるな。逃げる気はさらさらねえ」
「あいつの執着は承知の上だ。海の国の戦で賑わう東の港なら、人探しどころじゃないだろう」
「そのすっとぼけたところは二十年経っても治らねえな。俺は俺の意思でここに居るんだ。立派な家で気持ちいいことしてりゃ、村に居た頃じゃ想像もつかないほどの金がぽんと手に入る。こんなうまい話あるかよ」
「だがその度辛い思いをしているだろう」
「そこがとぼけてるつってんだ。こちとら楽しんでんだよ。この痕だって納得ずくのそういう趣向さ、なかなか良いもんだぜ?お貴族様はさすが物知りでいらっしゃる。手を変え品を変え、夜毎この世の天国ってやつさ」
「お前は嘘をつくとき右眼を少し細める」
「だから勘違いだって。ああもしかしてヤりたいのか?なんだ最初からそう言えよ。いいぜ、今夜はご主人様がいなくて持て余してたんだ。寝ころんでりゃ良い夢見せてやるよ。締まりが悪けりゃ首をこう」
「誤魔化そうとぺらぺら喋って引っ込みがつかなくなるのも悪い癖だ。…いい、また会いに来る。絶対に、諦めない」
「おう、さっさと諦めて女でも作れよー」
ああ、これが夢ならば貧しい故郷の村も老いた両親もまだ幼い彼の妹も捨ててこの手を取るのに。

41:40
15/01/02 17:48:44.28 P/7NI/ge0
すみません、最後の「これが夢ならば」→「夢でなら」です

42:風と木の名無しさん
15/01/03 20:14:17.33 N7CdTPaB0
まわし

43:風と木の名無しさん
15/01/03 22:39:25.99 azAvJi2K0
両片想い切ないな回し。

44:風と木の名無しさん
15/01/04 00:10:42.11 8E7du+Bs0
せつない…

45:風と木の名無しさん
15/01/04 01:02:35.27 mzh8Iugh0
まわす

46:風と木の名無しさん
15/01/04 07:46:36.81 /JOkxZNh0
まわします

47:風と木の名無しさん
15/01/04 16:47:28.13 1L9tr+Vy0
まわし

48:風と木の名無しさん
15/01/04 22:45:19.08 Js1W67Dl0
まわし

49:風と木の名無しさん
15/01/04 23:46:18.97 HdqQAz4O0
おいしい官能小説の書き方

50:風と木の名無しさん
15/01/05 23:52:29.67 1duGyAmJ0
お流れまわし

51:風と木の名無しさん
15/01/05 23:59:28.11 5bVSndKB0
まわし

52:風と木の名無しさん
15/01/06 01:00:28.42 a9bJCZtc0
残念まわし

53:風と木の名無しさん
15/01/06 08:30:54.27 Q6bUrQwB0
まわし

54:風と木の名無しさん
15/01/06 08:38:52.53 Yr72nJnv0
まわす

55:風と木の名無しさん
15/01/06 10:02:13.21 CYQ6vO2R0
まわせ

56:風と木の名無しさん
15/01/06 12:59:48.51 oVyR+Ec60
まわす

57:風と木の名無しさん
15/01/06 23:45:04.52 tdgf4bEk0
まわし

58:風と木の名無しさん
15/01/07 08:41:22.04 ZdpyxyTB0
踏み台

59:風と木の名無しさん
15/01/07 10:47:31.50 o8dJNA230
はつもうで

60:風と木の名無しさん
15/01/08 13:02:04.60 3ovM0KD10
まわし

61:風と木の名無しさん
15/01/08 19:55:36.59 qR+Vg05M0
まわし

62:風と木の名無しさん
15/01/08 20:36:40.90 SiMo/G9X0
まわし

63:風と木の名無しさん
15/01/08 21:45:53.17 ELsPvrsC0
クルッターンまわし

64:風と木の名無しさん
15/01/08 23:52:21.04 TIqcuEDq0
まわし

65:風と木の名無しさん
15/01/09 00:02:20.02 HednpSYT0
まわ

66:風と木の名無しさん
15/01/09 01:29:33.63 aVMOZWcG0
まわ

67:風と木の名無しさん
15/01/09 08:40:42.05 JXXBB+AU0
まわ

68:風と木の名無しさん
15/01/09 09:35:58.11 BT2Dqx8w0
踏み台

69:風と木の名無しさん
15/01/09 12:49:41.88 DG2z6Xq70
冬と夏

70:風と木の名無しさん
15/01/11 11:51:48.64 PIwcLPmw0
まわす

71:風と木の名無しさん
15/01/11 13:35:29.50 /APLpUc40
まわし

72:風と木の名無しさん
15/01/12 10:50:14.56 4sbQvJ9Z0
連休日で淋しくまわし

73:風と木の名無しさん
15/01/12 13:53:03.36 lYjZlDRB0
まわし
鯖調子悪くてつながりにくかったしね

74:風と木の名無しさん
15/01/12 16:35:19.73 7XoTKVgN0
もいっちょまわし

75:風と木の名無しさん
15/01/13 08:24:35.85 iQSQtD7i0
おはまわし

76:風と木の名無しさん
15/01/13 09:01:48.83 tAQE7POw0
ぐりぐりまわす

77:風と木の名無しさん
15/01/13 11:56:28.01 3GmR/b2c0
まわし

78:風と木の名無しさん
15/01/13 12:56:53.15 9tazO0d/0
踏み台だよ

79:風と木の名無しさん
15/01/13 14:09:51.78 KadqtZcG0
タピオカドリンクとクレープ

80:風と木の名無しさん
15/01/14 18:50:09.70 nc2rI3Fh0
お流れまわし

81:風と木の名無しさん
15/01/14 19:08:51.79 HibaUUnk0
まわし

82:風と木の名無しさん
15/01/14 21:20:35.84 wJEFnY9d0
まわし

83:風と木の名無しさん
15/01/14 21:40:13.31 8JdVsaYr0
まわします

84:風と木の名無しさん
15/01/14 23:49:47.72 YnI600NJ0
お流れ続くね回し

85:風と木の名無しさん
15/01/15 00:20:22.21 fUo8HQfS0
まわし

86:風と木の名無しさん
15/01/15 01:19:28.00 QzRqOt7e0
まわし

87:風と木の名無しさん
15/01/15 23:14:28.34 ce1wJH+30
まわす

88:風と木の名無しさん
15/01/15 23:41:38.98 oSKXjFw50
踏んでって

89:風と木の名無しさん
15/01/16 00:26:26.71 Qmrik0C40
インタビュー

90:風と木の名無しさん
15/01/17 00:34:53.35 pN6NdFEr0
お流れ残念まわし

91:風と木の名無しさん
15/01/17 00:58:41.75 ASWjw6NX0
まわし

92:風と木の名無しさん
15/01/17 07:16:55.01 wwOl1Xy60
まわします

93:風と木の名無しさん
15/01/17 15:00:15.13 lvTxfoff0
まわし

94:風と木の名無しさん
15/01/17 18:15:41.70 DZ5aYhjq0
おわまし

95:風と木の名無しさん
15/01/17 18:56:32.13 t/U1OeM30
くるっとまわし

96:風と木の名無しさん
15/01/17 20:07:04.44 3uMVMZmC0
まわしますよ

97:風と木の名無しさん
15/01/17 21:09:06.21 Djuhj7Aj0
まわしましてよ

98:風と木の名無しさん
15/01/17 21:29:41.73 y5IzybL10
踏んでもよろしくてよ?

99:風と木の名無しさん
15/01/17 21:34:17.85 6rsEL6oD0
堅物×ろくでなし

100:風と木の名無しさん
15/01/19 11:26:05.99 VzsmGyrC0
まわしていいんだよね?

101:風と木の名無しさん
15/01/19 11:48:39.44 ntaP6vpi0
うん
まわし

102:風と木の名無しさん
15/01/19 12:47:55.74 ZKDJn1K50
最近お流れ多いねまわし

103:風と木の名無しさん
15/01/19 18:33:44.00 uyCCkVTl0
まわし

104:風と木の名無しさん
15/01/20 10:42:08.10 /s5GrkKV0
まわす

105:風と木の名無しさん
15/01/20 11:21:56.70 o2DbLSnw0
まわし

106:風と木の名無しさん
15/01/20 12:27:47.81 gWOWnXze0
まわし

107:風と木の名無しさん
15/01/20 12:31:52.45 v3eYIKP80
まわし

108:風と木の名無しさん
15/01/20 18:40:14.20 +zbeOm8M0
踏まれてみるのもいいかも

109:風と木の名無しさん
15/01/20 21:10:16.41 H5u07DQ90
コインロッカー

110:風と木の名無しさん
15/01/21 11:57:21.17 MFZCAMci0
いつもの人もこなくなったねまわし

111:翌ニ木の名無しさん
15/01/21 16:08:28.36 gOoo6b8g0
まわす

112:風と木の名無しさん
15/01/21 16:42:41.55 tvedE5my0
まわ

113:風と木の名無しさん
15/01/21 19:14:39.85 TnsDWe4j0
まわせ

114:風と木の名無しさん
15/01/21 19:48:05.35 odtL9J1h0
まわし

115:風と木の名無しさん
15/01/21 20:45:09.14 io3baGWG0
まわす

116:風と木の名無しさん
15/01/21 21:11:04.50 7oePn5050
まわすの早くない? 合ってるの?

117:風と木の名無しさん
15/01/21 21:14:05.81 pxG9fxaD0
24時間経ってないから早いと思う

118:風と木の名無しさん
15/01/22 00:46:03.87 X8zE8W700
いつもの人だったんだろ

119:風と木の名無しさん
15/01/22 02:16:44.81 ZoRhU3+v0
新年度

120:風と木の名無しさん
15/01/23 08:39:03.66 Dv7PV3q10
お流れまわし

121:風と木の名無しさん
15/01/23 10:53:44.25 19SH9yiq0
まわし

122:風と木の名無しさん
15/01/23 12:47:48.30 aXNjgktQ0
まわさ

123:風と木の名無しさん
15/01/23 20:34:01.39 QhdR86Ba0
まわしますわよ

124:風と木の名無しさん
15/01/23 20:34:24.91 MTNnrDcv0
まわし

125:風と木の名無しさん
15/01/23 22:59:52.05 IwkA9WDQ0
まわす

126:風と木の名無しさん
15/01/24 00:11:15.24 2+lnobNn0
まわし

127:風と木の名無しさん
15/01/24 08:05:49.76 OYQNaXI10
まわし

128:風と木の名無しさん
15/01/24 10:29:34.55 j+CJoRjQ0
踏み台になるよ!

129:風と木の名無しさん
15/01/24 10:34:28.18 tKyrMLgJ0
センター試験後の帰り道

130:風と木の名無しさん
15/01/24 20:08:33.43 IUEVNz3n0
「はあ・・・」
がっくりと肩を落として歩く並木道を、冷たい風が吹きぬけた。散ったプラタナスの葉が巻き上げられ、アスファルトに落ちる。
落ちる。
「・・・終わった・・・」
自分の頭に浮かんだ言葉を恨みつつ、スニーカーで茶色くなった葉を踏みつける。
ぱりっと音でも立ててくれれば少しはすっきりしたのに、湿っていたらしいそれは靴底でへにゃっと曲がってしまった。
下を向いたまま息を吸う。鼻の奥が痛い。
「・・・はあ、ぐぁっ」
何度目かわからない溜息の瞬間、背中に何かが激突した。
「よっ」
よろけた俺をカーディガンの腕が受け止める。『何か』はそのままぐるんと回り込むように勢いをつけた。派手なバスケットシューズが地面を離れる。
「っ、ぐ」
飛び乗られる瞬間までには、何とか足を踏ん張りなおすことができた。
「おお、さすがさすが!」
背中の上から『何か』の拍手の音が聞こえてくる。
「うるさい、降りろ」
「えー、せっかく支えてくれたのに」
「好きで支えたんじゃない。降りろ」
「はーい」
あっさり拍手をやめて降りてきた『何か』は、俺の予想通りの姿かたちをしていた。
「あ、その顔は予想が当たったって顔だ」
「お前以外に誰がこんなことするんだよ」
くりっとした目にあっちこっちに跳ねた髪。ロゴの入ったトレーナーとジャージ。真っ赤な紐のバスケットシューズ。背負ったリュックはまん丸く膨らんでいる。
「いいだろ、にいちゃんを元気づけたかったんだって」
「俺はお前の兄貴じゃない」
「そう落ち込んでたら駄目だよにいちゃん」
「聞けよ」
にこにこ笑いながら『何か』、いや、幼馴染のキョウスケは俺の背中にふたたび飛び乗った。
「っく」
「おー、ありがと。いい眺めだー」
きゃっきゃっと手をたたいて喜んでいる様は子供のようだ。大門キョウスケという名前の他に、こういうところも『モンキー』と呼ばれる理由なんだろうと思う。

131:風と木の名無しさん
15/01/24 20:10:52.72 IUEVNz3n0
「お前が喜んでどうするんだ」
「あ、そうだった。ねえにいちゃん」
「にいちゃんって言うな」
「だって今更新垣さんなんてめんどいじゃん。いいから見て見て」
馬跳びのように俺の頭を飛び越えて着地すると、キョウスケはリュックを開ける。取り出したバスケットボールを構えると、
「ふっ!」
手首のスナップだけでひょいと投げ上げた。落ちてくるとぱしっと背中でキャッチし、股の間を抜いて弾ませる。
瞬きするほどの間に、ボールは日に焼けた手に行儀よく収まっていた。
もう一度、ひょい、ぱしっ、とん、キャッチ。足は微動だにしていない。
「どう?」
露骨にすごい? という顔をしてくる。
「すごいな」
言ってやると、キョウスケはぱっと笑った。光る大きな目がもっと大きくなる。よく動く口も半月型になる。
ここ最近まともに見ていなかった。どんなにこの顔が好きだったか、改めて思い出させられる。
「でも駅前でやることじゃないだろ」
「いいじゃん、誰もいないんだし」
キョウスケの声に同意するように、風がさびれたロータリーを抜けていった。日曜日の昼なのに、歩いている人はいない。
日曜日の昼。
「おい!」
「え?」
思わず大きな声が出た。ボールを弾ませていたキョウスケが、びくっとしてこちらを向く。
「お前、センター試験は?」
「受けたよ」
「嘘つけ。試験は昨日今日とあるだろ、理系は」
「やめた」
「え?」
今度は俺がそう言う番だった。昼下がりの道に、ボールの弾む音が響く。
「昨日は全部受けたし、今日も最初の数学だけ受けたよ。うちの学校、センターに卒業試験兼ねてるから」
「その後何してたんだ」
「すぐ帰って、にいちゃん待ってた。今日夜帰るって言ってたでしょ」
「言ったけど、夜まで待つつもりだったのか」
「うん」
淡々とキョウスケは答える。ドリブルはやめない。俺は肝心な質問を避けるべきか一瞬迷って、
「・・・理系をやめたって、お前なんで」
口に出した。聞かずにはいられなかった。

132:風と木の名無しさん
15/01/24 20:14:00.80 IUEVNz3n0
「別に」
日陰、日向、日陰、日向。
とん、とん、と器用に影の上だけでドリブルするキョウスケは、バスケの腕だけでなく、学校での成績もかなり良かったはずだ。
大学もかなりのランクを狙えるんだと、母親同士の会話を聞いたことがある。
「別にってことはないだろ。理由は」
「褒めてくれないんだもん」
ボールだけを見つめたまま、キョウスケはつぶやくように言う。その顔を光のしまが通り過ぎる。
日向、日陰、日向、日陰。とん、とん。ドリブルの音。
「先生がか?」
「ううん」
「おばさんが? まさかそんな」
「母さんじゃないよ」
「じゃあ誰が」
「にいちゃん」
日向で上げたキョウスケの顔は冗談ぽく笑っているように見えた。傾きかけた太陽の光が、大きな目にきらりと映る。
「俺・・・?」
「そうだよ」
光の帯の中に、キョウスケはぐっと立ち尽くしていた。つく手のなくなったボールが弾む音を段々と小さくしていく。
「一人暮らし始まるのはしょうがないって思ってたしさ、我慢するとも言ったけど」
とん、とん、とんとん。
「帰ってきたときも、全然話してくれなくなったじゃん。宿題聞いても、大学のこと聞いても嫌な顔するし」
俺はうっと言葉に詰まった。とんとんとんとんとととととと。ボールのはずむ音が小さく早くなる。
「前はさ、宿題も教えてくれたし、疲れてるばっかじゃなくてさ、
 次の試合いつだ、とか言ってくれたり、見に来てくれたりさ」
キョウスケの声に涙がにじむ。音を立てなくなったボールは、ころんと俺の足元に転がった。光と影の、ちょうど境目だ。
「にいちゃん、俺の試合見てる時が、一番笑ってくれてたなあって、その時思ってさ」
「・・・その、時って」
「二年の冬」
俺が最後に帰省した時だ。課題に追われて、毎年行っていた町内の新年会にもまともに出なかった覚えがある。
こいつの顔もちゃんと見た気がしない。それなのに。
鼻の奥がくっと熱くなった。

133:風と木の名無しさん
15/01/24 20:15:22.09 IUEVNz3n0
「だから、頑張ったんだよ俺」
すたすたと歩いてきたキョウスケが、ボールを拾う。すぐ隣の日向と日陰に立って、俺とキョウスケは向かい合った。
「県大会で負けちゃったけど、スカウト来たんだ。大学から」
誇らしげにその目が瞬きをする。
「だからまた見に来てよ、俺の試合。いっぱい出してもらうから」
「・・・ああ」
喉が詰まる。涙が出そうになって、ぐっとこらえた。代わりにぐっと口の端を上げる。笑う。
「どんなに遠いところでも、見に行く」
「大丈夫、近いよ」
「え?」
リュックを開け、キョウスケは今度は小さなカードを取り出した。名刺だ。
何度も取り出して眺めたらしくぼろぼろになっていたが、名前はまだ読めた。
「A大学バスケットボールクラブ・・・A大?」
「うんっ」
いつの間にかボールを押し込んだリュックを閉めて、キョウスケは三度目のジャンプをした。
衝撃に備えて力を入れた足が、勢いで数歩よろける。日の光が足元からあたった。
「にいちゃんと一緒の大学!」
光の帯の中に、歓声を上げるキョウスケと俺の影が長く伸びる。俺が高校生の頃と、ちっとも変っていない影。
「お前、背のびないな」
「筋肉ついたから」
「そうか。じゃあ頑張ったんだな」
「にいちゃんのためだよ! 俺も楽しかったし」
照れたようにキョウスケは付け加えた。俺のことを、こんなに思ってくれる奴がこいつでよかった。心からそう思う。
「今日はこのまま帰るか」
「うん。あ、夕飯ね、うちで一緒に食べようって」
「それを言いに来て待ってたのか」
「夜まで待ちなさいって言われたんだけどね」
「待っとけよ」
「待ちきれなくて」
背中が重い。温かい。単位を落として再履修、なんて、来年までは忘れておこう。


改行ミスりました。すみません。
長々と失礼しました。

134:風と木の名無しさん
15/01/25 13:46:20.63 hKLCK2bF0
おお!久々長文きてた!
幼馴染みいいね萌える
年下くんがワンコ可愛い…
再履修があるっつーことはもしかして授業被ったりすんのかなw
GJでした

135:風と木の名無しさん
15/01/25 15:28:06.34 nP2pMbQh0
年齢差ある幼なじみ萌えた!
大学生になったら年下わんこが一人暮らし先に入り浸る姿が想像できる
乙でした!

136:風と木の名無しさん
15/01/25 20:22:48.76 4FLti3E40
まわし

137:風と木の名無しさん
15/01/25 21:24:50.20 JmIar1QS0
長々と失礼とか要らん

138:風と木の名無しさん
15/01/25 23:09:59.65 PKA2c0Zx0
踏み台

139:風と木の名無しさん
15/01/25 23:14:16.55 0agRK4590
散歩道

140:風と木の名無しさん
15/01/27 00:08:38.21 zHjAzUE20
お流れまわし

141:風と木の名無しさん
15/01/27 01:36:47.10 jCv12LtH0
まわすね

142:風と木の名無しさん
15/01/27 06:31:47.99 pkCeLdbD0
まわし

143:風と木の名無しさん
15/01/27 10:05:46.40 yGgcZa8G0
まわす

144:風と木の名無しさん
15/01/27 11:45:07.54 zHjfqde/0
まわし

145:風と木の名無しさん
15/01/27 22:19:32.88 5jwDRRwe0
まーわしまっす!

146:風と木の名無しさん
15/01/28 01:49:03.21 rsFehcg60
まわし

147:風と木の名無しさん
15/01/28 09:53:22.47 TxY93yD/0
まわして

148:風と木の名無しさん
15/01/28 10:14:12.28 NLMhotjR0
踏み台

149:風と木の名無しさん
15/01/28 14:17:54.33 V8ztRxeL0
夜の駐車場

150:風と木の名無しさん
15/01/28 18:35:40.81 5gOlgDSM0
「遠いとこしか空いてなかったからちょっと歩くぞ」

ネオン溢れる街を2人の男が歩いていた
「いいよ〜歩くの好きだし〜」
少し背の低い男が相手に寄り添うように言った
「ふらふら歩くなって…酔いすぎ…」
長身の男が面倒そうに見る
酔ってないよ〜と返しつつくるくると廻る男
「おっとと」
「おい…」
ふらつく男の腕をつかむ
えへへと笑いながら、彼は言う
「遅くに迎えに来てくれてありがと」
「…別に、ずっと心配だったし」
面倒そうな言い方は変わらずだが、言われた相手は少し面食らった顔をした
「…」
「何」
「君は時たますごく可愛い事を言うよね…」
「は?やっぱ酔いすぎだろ」
「だーかーらー酔ってないってば〜」
笑いながら夜の街を歩いていく

151:風と木の名無しさん
15/01/29 10:58:36.56 eo0Co3YP0!
この後おいしくいただく展開希望

152:風と木の名無しさん
15/01/29 22:15:29.75 ajVKiF/t0
乙でしたまわし

153:風と木の名無しさん
15/01/29 22:56:45.85 erlRFOda0
まわすよ!

154:風と木の名無しさん
15/01/29 23:52:48.62 hBDn85fI0
乙まわし

155:風と木の名無しさん
15/01/29 23:57:47.21 FM1j0J8T0
まわそか

156:風と木の名無しさん
15/01/30 08:28:11.17 KQxoXh1M0
まわし

157:風と木の名無しさん
15/01/30 08:34:40.77 5+wMMEJN0
ラブラブですな〜まわし

158:風と木の名無しさん
15/01/30 10:06:01.49 fDb8FLAu0
踏み台

159:風と木の名無しさん
15/01/30 12:58:05.59 4ZQHjLuU0
化学者と化け物

160:風と木の名無しさん
15/01/30 22:12:09.27 cua0ES9l0
ガラス管の中、薬液に浸るフェアリーは珍しい光景を目にした。

ため息を吐いた化学者の肩を慰める様に柔らかに撫でる腕があったのだ。
しかしその腕は上等な牛肉の脂身の様な生白さで、さらに指や関節が幾つか余計にある、所謂、化け物の腕だった。
腕は研究室の配管ダクトから不躾に侵入してきていて、大元の本体は研究室からキロ単位で離れた地下施設に封印されるように隔離されている。
そう、隔離されているはずなのだが、なぜか化け物の腕は自由だった。
不意に現れて組織の人間を驚かせてみたり、警備員とジャンケン(独特な手の形に合わせて新たにルールを決めたらしい)をして友好を深めていたりと、ずいぶんと化け物らしからぬ愛嬌をもって日々を暮らすこの腕を、化学者は嫌っていたはずだった。
おおよそ人とは思えない腕の持つ、人と同じぬくもりが化学者の背中をさする。
普段であれば邪険に払い捨てただろうそれを、化学者は何も言わずに受け入れていた。

フェアリーは小首を傾げて暫しそれを眺めていたが、不意に、ピピと短い音がなった。
タイマーによって自動投入された薬の為に、フェアリーは強力な睡魔に襲われる。
薄れゆく意識の中、フェアリーが目にしたのは化学者の頬から落ちる雫だった。

あ〜、もうなんだコレ。
剣も魔法も何でも出来て、家柄は良くて、性格も良くておまけに超絶イケメンでポジティブとラッキーの化け物みたいなアンタをどうにかしてやりたくて、んで、どうにかしちゃって早三年。
文字通りの化け物になってもアンタは結局人に愛されまくってて。なんなのさ。ホントなんなのさ。
なんなの。なんなの。こんなずじゃなかった。
だってよくある創作の中のマッドサイエンティストはさぁ、ほら……狂気に満ちた表情のその男は、ガラスに閉じ込められた、かつて女だった蛋白質を孤独にも永遠に愛し続けたのだ、みたいな感じじゃん。そういうのあるじゃん。
欲しくて仕方なかったのをさ、独り占めできるはずじゃん。
こんなのってない。……マジ最悪だし。

161:風と木の名無しさん
15/01/30 22:13:14.64 cua0ES9l0
化学者は手にしていた書類をくしゃ、と握りしめ、耐え切れなくなった嗚咽を溢れさせて泣いた。
こんなはずではなかったと、ひたすらそればかりを繰り返し叫んではむせび泣いた。

人でないものにしてしまえば、彼を永遠に愛せると思った。
勇者に選ばれたと笑って告げた親友の誇らしげな顔を見て、そう思った。
どこの誰かもはっきりしない不特定多数の、民衆の平和なんぞに捧げられてしまう様な命なら、自分が掠め取ったっていいような気がした。

しかし神とやらはしっかり存在したらしい。
化学者は神など信じた事も無かった。はっきりとした数字だけを信仰して生きてきた。
けれど今、化学者が信じるべき化学の数字は、その背後に神の怒りが滲んでいるように思えた。

化け物の寿命はあとひと月も持たないと検査結果は示している。
文書をどれほど握ってもみくしゃにしても、どうしたって数字は変わらない。
盗み取った物を返せと、化学者は神がどこかで自分を嘲笑っているような気がした。

泣きじゃくる化学者の背を、人だった頃の記憶などすっかり無くした腕だけがずっと撫でていた。

162:風と木の名無しさん
15/01/31 08:54:36.91 ZQMjMEt3O
せつないけど空気がすごく引き込まれました
GJです!

163:風と木の名無しさん
15/01/31 21:41:24.80 nhBPeecM0
人でないものになっても愛嬌をもって人々に愛されて化学者のものにならないままに死ぬのか…
フェアリーからは化学者は化け物を嫌っているように見えても「欲しくて仕方ないもの」と表現してるのに萌えた
乙です

164:風と木の名無しさん
15/01/31 23:01:27.12 3dqjxvu/0
まわし

165:風と木の名無しさん
15/02/01 00:40:10.42 X2uz4fFv0
まーわすー

166:風と木の名無しさん
15/02/01 01:03:10.75 XqNkA/Pt0
まわし

167:風と木の名無しさん
15/02/01 03:28:19.76 zkXg3+d10!
乙 まわし

168:風と木の名無しさん
15/02/01 09:40:31.81 N315nN9h0
踏んで

169:風と木の名無しさん
15/02/01 11:23:44.00 DUjlfeEH0
誰もいない教室で

170:風と木の名無しさん
15/02/02 11:19:48.77 ELgkzKXVO
3年5組の小林です。
突然だけど僕の朝は早くて、帰りは遅い。
家が学区の外なので、馬鹿みたいに山奥まで行く一日朝夜2本の電車に乗らなくちゃ行けないから、朝が早くて、夜が遅い。
そういうわけで学校には、人より長くいることになる。
部活がある頃はよかったんだけど、ウチみたいなボーっとした田舎の中学校じゃ、水泳部なんて夏になりきらないうちに大会が終わってしまう。
引退してからはもう信じられないぐらい暇で。
仕方ないので受験勉強をしてたけどそれも終わってしまって。
ほんともう仕方がないので教室のことをいろいろやって、暇をつぶすことにしている。時々つぶしきれなくて寝たりもする。
というのが僕の日常だったんだけど、年が明けたぐらいから、変わったことが二つある。二つというか、ホントは


171:黷ツなんだけど。 朝、学校にくると僕はまず、花瓶の水を取り換える。黒板を掃除して、机を並べる。 それから自販機にジュースを買いに行こうと廊下を一人で歩いていると、この頃よく会う。2組の吉井くん。 僕が「おはよう」と声をかけたら、はじめはドキっとしていたけれど、今ではもう驚かない。 「おはよう、小林」 「おはよう、寒いね」 「おー、すげえ寒いね」 そうしてすれ違う。それだけ。 それから僕がココアを買って廊下を戻ると、吉井くんは席について、ボーっとしながら遠くを見てる。 吉井くんのじゃない席で。 知らないと思ってるのかな、僕が5組だから? 知ってるよそこは、皆川くんの席なんだ。



172:風と木の名無しさん
15/02/02 11:21:02.56 ELgkzKXVO
それからなんでか帰りには、皆川くんが一人きり。もう姿も見えなくなような、暗い、暗い教室で、机にずっと突っ伏してるんだ。
時々なでたり、なにかを思い出すみたいに。ずーっと一人、吉井くんの席で。
僕はといえば放課後は、教室の水槽の水を替えるんだ。2組の前に水道があるので、時々気付いたり、時々気付かないふりをしたり。
春には二人は、違う高校へ行くんだってさ。
どうするんだろう、二人してそんな、一人で悩んで。
僕がどうこう言えたことじゃあないけどさ、好きなものは、仕方がないじゃないか。
そういえば一度、口止め料か知らないけれど、吉井くんにはココアを奢ってもらったことがあったっけ。
仕方ない、3年5組の小林、僕は暇なんだ。毎日、すごく。
僕は水槽を置いて、2組に向かって話しかけた。

僕の朝は早くて、帰りは遅い。
朝、学校にくると僕はまず、花瓶の水を取り換える。黒板を掃除して、机を並べる。
それから自販機にジュースを買いに行こうと廊下を一人で歩いていると、この頃よく見る。2組の吉井くんと皆川くん。
僕はなんだかうれしくて、気付かれないよう引き返しては遠回りして、自販機にココアを買いに行く。
時々二人が「小林くん、おはよう!」と、ココアをくれることがあるので、なにも言わずに、笑って受け取ることにしている。


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