刑法の勉強法■57 ..
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757:元ヴェテ参上
18/12/13 18:06:52.46 qdJHOI1g.net
(4) 共同正犯
井田は「判例は、共同正犯については、結果実現(したがって、利益享受)の欲求・動機の強さ
という主観面と、犯罪遂行過程における役割の大きさという客観面とが相まって、共謀者の一員
として共謀に加わり、自分の犯罪として犯罪をともに実現したといえるほど、犯罪実現に主体的
に関わった者は共同正犯となるという考え方に立脚している」。したがって「犯罪達成の(実行者
と変わらぬ)意欲という主観的意思だけで決める主観説ではない」とする(509頁)
 しかし、判例による共同正犯と教唆犯・幇助犯の区別においては、犯罪実現に対してその者が
もつ利害・利益の大きさが重要な判断基準とされており、その意味では判例の基準は主観説的
色彩を帯びているといえよう(西田352頁も参照)。たとえば、平成13年10月25日(スナックの
ホステスが長男に強盗を指示した事例)がそうである。佐伯仁志406頁も「わが国の実務では、
『自己の犯罪』か『他人の犯罪』かで共同正犯と狭義の共犯を区別する主観説をとっている」とする。
 また、井田は「共謀=意思連絡+正犯意思」という等式が成り立つとする(515頁)。「そうで
あるとすれば、実行共同正犯の場合にも正犯意思がその要件になると理解するときには、実行
共同正犯の主観的要件は共謀(正犯意思を含む)と呼びうることになり、実行共同正犯と共謀
共同正犯の要件は統一的に理解されることになろう。それが判例実務の基本的な考え方で
ある」とする(515頁)
 しかし、全員の共同実行か(実行共同正犯)、一部の者の実行か(共謀共同正犯)には決定的
な違いがあるというべきである。また、「共謀」と「意思連絡」にも大きな違いがあると考えられる
から(詳しくは、注釈・島田執筆部分。今、手許にない)井田の所説には賛成できない。


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