刑法の勉強法■57 at SHIHOU
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700:氏名黙秘
18/11/10 14:13:03.02 BqJojgTD.net
>>698
お疲れ様です
危険性を事前判断する行為無価値と事後判断の危険の現実化を
どう説明しているか気になります
あと、西田先生の74頁には、
違法構成要件→違法阻却→責任構成要件→責任阻却とありますが
214頁を読むと消極的構成要件要素の理論に近いのではないかと
思ってしまいます どう考えたらいいのかご教示いただけたら幸いです

701:氏名黙秘
18/11/10 14:17:08.31 v9BAdvkW.net
休載するんかいwww

702:氏名黙秘
18/11/11 02:51:50.63 kznqvdp8.net
レビューじゃなくてまとめやね

703:氏名黙秘
18/11/11 13:43:48.25 CCjNpB6c.net
「あるもの(危険)が現実化した」という判断思考は、
事後的にであれ、
「事前の発端(危険)に遡り、そこをスタートとして、因果の流れを追って、犯罪に実現したか」を考察するわけで、
まさに行為無価値論的思考なのよ。
結果から遡ると言いう、思考の流れを取る、結果無価値論からは、本来取り得ない。

704:氏名黙秘
18/11/11 17:51:40.05 j9zt5d3j.net
>>698
てか、改説後の論文からは特に新しい点はないってことでいいよね?

705:氏名黙秘
18/11/11 17:52:36.28 j9zt5d3j.net
個人的には危険の確証を「ほら、言わんこっちゃない」と
言い換える説明が挿入されたことがツボ

706:氏名黙秘
18/11/11 23:09:34.90 fS9HFREn.net
井田総論、正当防衛の箇所で、
急迫予期類型と急迫自招類型に区分してる?

707:元ヴェテ参上
18/11/14 09:48:11.06 CjwdqCmZ.net
井田総論第2版レビュー試論(4)−正当防衛論
(1)はじめに
最高裁は、刑法36条について「急迫不正の侵害という緊急状況の下で公的機関による法的
保護を求めることが期待できないときに、侵害を排除するための私人による対抗行為を例外
的に許容したものである」と述べている。
その法的効果は「罰しない」であり、違法性が阻却され犯罪は成立しない。正当防衛は緊急
行為である点で緊急避難と類似性を有する。しかしながら、正当防衛は「不正な侵害」に対して
行われる点で「正対不正」の構造を持ち、「正対正」の構造を有する緊急避難とは異なる。
その結果、その成立要件は緊急避難のそれよりも緩和され、法文上、侵害法益と保全法益
との均衡性が必要とされていない。さらに、補充性も要求されず、被侵害者に退避義務は
課されないと考えられている(もっとも、いかなる場合にも退避義務がないのかは後述する)

708:元ヴェテ参上
18/11/14 10:47:55.40 CjwdqCmZ.net
井田総論第2版レビュー試論(4)−正当防衛論
(2)正当化根拠
正当防衛と緊急避難とに共通するのは、@法的保護に値する正当な個人的権利(保全法益)
が存在し、それが、A国家機関による救済を待つ時間的余裕がない緊急事態において危険に
さらされている場合に問題となることである。
前述のように、正当防衛においては、緊急避難と比べて、その要件が緩やかであることの根拠
は、正当防衛状況ではB攻撃者に「帰責性」が認められるがゆえに、攻撃者側の法益(被侵害
法益)の要保護性が減弱する、または否定されるところに求められる(以上、井田293頁)
しかしながら「減弱」はともかく「法益性が否定される」(平野228頁、前田250頁)というのは
云いすぎであろう。不正に他人の権利を侵害しようとした者が、法益の価値を没収された存在
になるわけではない(山中482頁参照)
また、井田は「法確証の利益」をも正当化根拠として挙げる(294頁)。自己保全+法確証の
利益という二元的正当化根拠論は、ロクシンにyよって主張された見解であり、わが国でも
賛同者を見出しつつあるが(斉藤誠二・正当防衛権の根拠と展開〔1991年〕、山中480頁、
川端329頁、大谷273頁、斉藤信二180頁、高橋256頁、内藤(中)328頁、曽根186頁)
法を確証するために侵害者の生命侵害が許容されることにもなりかねず、疑問である。
また、法確証の利益説に対しては「法確証の利益は、法益が保護されたことによる反射的利益
であって独立の利益といえるか疑問があるし、その量が不明なので、、害の均衡が不要である
ことを説明できるかにも疑問がある」との批判がある(詳細は、佐伯仁志118頁)
さらに「その根底には、国家刑罰権の代理行使という考え方が潜んでいるように思われる」と
する批判(西田157頁)や、法確証の利益説は優越的利益説などと比べて行為無価値的だ
という指摘もある。

709:元ヴェテ参上
18/11/14 10:53:05.87 CjwdqCmZ.net
正当防衛論の続きは明日以降にします。
>>707冒頭の判例は、平成29年4月26日です。

710:氏名黙秘
18/11/14 18:16:09.13 6EU/NZpW.net
>>709
乙である

711:氏名黙秘
18/11/14 19:52:07.02 PFaXjXj6.net
どこまで井田評でどこまでヴェテさんの理解なのかわかりづらく思いました。初学者。

712:氏名黙秘
18/11/14 23:56:09.44 prWNnL/t.net
>>711
全部ソースが書いてあるだろww

713:元ヴェテ参上
18/11/15 07:56:06.13 B+4kFfIk.net
井田総論第2版レビュー試論(4)−正当防衛論
(3)攻撃者の帰責性と許容される防衛行為(294−5頁)?
井田は「正当化される防衛行為がどのようなものかは、攻撃の物理的な危険性や反復の可能
性だけでなく、攻撃者の『帰責性』の程度によっても左右される。その攻撃が故意に基づくもの
か、それとも過失によるものかにより、許容される対応手段は異なる」と述べる。
しかし、攻撃者の有責性の有無・程度まで判断の要素とすることは、違法性阻却事由としての
正当防衛の性格と矛盾するであろう。
 また、井田は「駅のホームに上がる階段の途中で不注意によりつまづいて倒れかかってきた
人に対し、故意で暴行を加えてきた人に対するのと同じように、殴りつけることができると考え
るべきではない」とするが、これに対しても同様の批判が可能である。
すなわち、不注意で倒れかかってきた人に対しては、受け止めるか、一歩避ければ、自分の
身体を守ることができるが、故意で暴行を加えた人に対しては、受け止めたり、身を避けても、
さらに殴りかかってくることが予想されるから、殴る行為が必要とされるのである。井田が指摘
するとおり、攻撃者の主観は、防衛者にとっては外在的事情であるから(295頁注10)、これ
を違法性阻却の判断において考慮することには何の問題もないが、そのような考慮がなされる
のは、攻撃者の責任の程度が重要だからではなく、攻撃の危険性を判断するために必要だか
らである(佐伯仁志119頁注13)
 さらに、井田は「年少者や精神障害者のように、責任がないか減弱した者による攻撃、さらに
、被攻撃者と特別な関係にある者(たとえば親族等)による攻撃に対しても、事情により反撃は
制限される」とするが、これらは、帰責性の問題ではなく、ドイツで議論されている「正当防衛の
社会倫理的制限」(内在的制限)の問題である(山中敬一・正当防衛の限界〔1985年〕参照)

714:氏名黙秘
18/11/15 18:56:19.98 1g6g7k83.net
>>713
井田は目的的行為論をとってるから別段故意過失を
考慮しても違法性阻却事由としの性格とは矛盾しないであろう。
責任が減弱した者についても、反規範的意思が弱い点を考慮すれば
侵害者の行為の違法性を減弱する要素となりうるのだし、
井田は法確証の利益を重視する立場だからなおさら問題はない
(責任を欠く者には国家の刑罰権が及ばないことを想起せよ)。
目的的行為論とは異なる立場を前提にして批判を加えるのは
適切とはいえないであろう。

715:元ヴェテ参上
18/11/16 10:40:29.25 oGHubcyT.net
>>714
再考します。
井田総論第2版レビュー試論(4)−正当防衛論
(4)対物防衛
井田は、対物防衛を否定しながら(303頁)、民法720条2項が「他人の物から生じた急迫の
危難を避けるためその物を損傷した場合」は損害賠償責任を負わないと規定していることから
この規定を根拠に違法性阻却を認めている(防衛的緊急避難=304頁)。この見解は、法秩序
の統一性を認めることを前提にして、民法上適法な行為は刑法上も適法とされなければならな
いことを根拠としている。しかし、民法720条2項の適用では問題は解決しないように思われる。
 第1に、井田は「民法720条2項は、・・・刑法の緊急避と異なり、法益の均衡も補充性も要件
としていない」(303頁)とするが、オイラの知る限り、民法学説でも補充性と害の均衡を要求す
る見解が有力である(平井、潮見など)。この点について、井田は「物から危険な事態が生じた
とき、いわれのない危難に遭遇した人には、危険源となっているその物を損傷することより危難
から逃れることを可能にすべきであり、他方、物の所有者には、自己の物が他人に危険な事態
を生じさせた場合には、それが破壊されることもあるというリスクを負担させてよい」(303頁)と
説明する。しかし、井田は、刑法の正当防衛で補充性と害の均衡が必要ない理由を、前述の
とおり、攻撃者の「帰責性」に基づく「法確証の利益」に求めており、それが井田が対物防衛を
否定する理由であったはずである。
刑法で認められない違法性阻却が民法であれば認められ、そしてそれが刑法に適用されると
いうのは、奇妙ではないだろうか(佐伯仁志128頁)
 第2に、正当防衛における正当化根拠として、「法確証の利益」という考え方をとるのであれば
「動物や倒れかかってくる大木に対して法確証の利益を説いても全く意味がない」(西田160頁)
法確証の利益説を採りながら、、違法性阻却を認めることは論理的に一貫しないと云わざるを得ない。

716:氏名黙秘
18/11/20 17:16:52.32 ZXrHfVjc.net
ヴェテさん、香川先生の新錯誤論読んだ?
URLリンク(twitter.com)
(deleted an unsolicited ad)

717:氏名黙秘
18/11/20 21:55:06.71 cdowxjcp.net
香川達夫と佐伯ちひろってどっちが年上?

718:氏名黙秘
18/11/20 23:29:35.92 IpXTxIdR.net
香川先生ってまだ現役だったのか

719:氏名黙秘
18/11/22 00:18:01.65 o+E2CrV6.net
香川先生92歳でまだ現役かすごいな
亡くなった俺の祖父と同い年だよ

720:氏名黙秘
18/12/03 21:53:25.89 R7rC0FBO.net
小林・刑法総論の理論と実務、やっぱいいね。

721:氏名黙秘
18/12/07 14:16:47.01 /ukEBaTH.net
>>720
何の連載?

722:氏名黙秘
18/12/07 15:18:21.24 1qUANb1y.net
判例時報の連載「刑法判例と実務」の単行本化。

723:氏名黙秘
18/12/07 15:38:04.50 /ukEBaTH.net
>>722
いくら?

724:氏名黙秘
18/12/07 16:01:29.15 1qUANb1y.net
5,500円+税 ちょっとお高い。

725:氏名黙秘
18/12/07 16:23:35.03 /ukEBaTH.net
たしかに高い。買わない。

726:氏名黙秘
18/12/08 16:49:49.70 eG805xBA.net
東大ローレビューの最新号より、樋口先生の実行の着手についての論文
URLリンク(www.sllr.j.u-tokyo.ac.jp)(higuchi).pdf

727:氏名黙秘
18/12/08 17:11:11.33 eG805xBA.net
樋口先生ははたしてどこへ行こうとしているのかね?
なんでこの人を山口先生は後継に据えたのか?
たしかに天才なんだろうし、発想はとてつもないけど、
根本的に大事なものを捨ててるような気がしないでもない。

728:氏名黙秘
18/12/08 17:59:03.19 LcFrjlej.net
天才島田聡一郎が生きていればな…

729:氏名黙秘
18/12/08 18:25:54.98 LNULlWAS.net
樋口は異才だけど決して主流にはなれない人だよね

730:氏名黙秘
18/12/08 18:31:18.52 LkULxsT1.net
いちいちラディカルすぎるんだよな。
方法論としては小林先生のアプローチのほうが好きだ。

731:氏名黙秘
18/12/08 18:46:50.33 LNULlWAS.net
小林も相当ラディカルだと思うけどw

732:氏名黙秘
18/12/08 20:11:08.57 8bYqYPbk.net
ははは、一応古典的結果無価値論をベースにしてるじゃんw

733:氏名黙秘
18/12/09 10:45:12.95 EDbgv/HV.net
結局、基本書として広く読まれて
法学部生・司試受験生・法曹つ社会に影響を与えられるか
これが学者としての存在意義だと思う
とすると、結果無価値なら、平野→前田西田→?
行為無価値なら、団藤→大塚→(大谷)→大塚井田→?
というところだろうな。奇天烈でラディカルな学説って
結局は学者のオナニーで終わる

734:氏名黙秘
18/12/09 11:07:24.92 /e6bg3HJ.net
>>733
前田をその系譜に置くことがおっさん臭い。山口を理解できない可哀想な年寄り。

735:氏名黙秘
18/12/09 15:29:51.29 SigCf4RE.net
山口も昔はラディカルだったのにもう忘れられてるのな

736:氏名黙秘
18/12/09 17:41:26.92 EVhhZ8eB.net
実行行為概念不要論とか舌鋒鋭かったね

737:氏名黙秘
18/12/09 17:42:56.80 xylylz6h.net
舌鋒鋭くなって ナンバーガール

738:氏名黙秘
18/12/09 21:44:00.34 URgqDIlM.net
山口説は昔は過激だったが、結果無価値論を徹底する
という意味では、ある意味超保守的であったといえる。
しかし、
樋口説は故意と過失の二元的構成に親和的で、主観的
違法性論にも親和的で、結果無価値とは相容れない立場
に至っているのではないかと思われる。

739:氏名黙秘
18/12/10 14:31:02.38 5VYozlhj.net
危険運転致死傷罪が世間でもすっかり有名になったな
停車中の事故が「運転」といえるかという新論点を
ニュースでもワイドショーでもとりあげている
それにしても懲役23年は重すぎやしないか?

740:氏名黙秘
18/12/11 20:11:46.85 skgixGET.net
成文堂書店の近刊案内より。
2月
 『法益論』
  嘉門 優 著
  本体価格6,000円
  978-4-7923-5267-7

741:氏名黙秘
18/12/11 20:16:36.08 nQyOyBn/.net
鼻から牛乳?

742:氏名黙秘
18/12/11 20:21:11.45 skgixGET.net
成文堂書店の近刊案内より。
大谷 實 著 『刑法講義総論 (新版第4版の改訂)』2019年3月予定

743:氏名黙秘
18/12/11 21:28:26.42 skgixGET.net
指示を受けてマンションの空室に赴き詐欺の被害者が送付した荷物を
名宛人になりすまして受け取るなどした者に詐欺罪の故意及び共謀が
あるとされた事例
URLリンク(www.courts.go.jp)

744:氏名黙秘
18/12/12 14:20:37.82 DPbN/PPF.net
大谷の改訂もういいよ
見てて痛々しい
どうせ弟子たちが書くんだろうけど

745:氏名黙秘
18/12/12 17:48:27.05 pepk7AN3.net
その点、本人がガチでやってる
伊藤眞、高橋和之、江頭憲治郎、菅野、塩野らは立派だな

746:氏名黙秘
18/12/12 17:49:36.58 fCt1pnCW.net
菅野労働法の改訂には厚労省が噛んでるらしいよ。

747:氏名黙秘
18/12/12 20:20:02.80 DPbN/PPF.net
菅野は司法研修所に行ったらしいけど
弁護士資格は持ってるの?

748:氏名黙秘
18/12/12 20:34:32.40 1SzzVd37.net
スレチだが、伊藤眞民訴の改訂は早稲田ロー修了生の判事補(衆議院法制局参事)が協力しているそうで(第4版補訂版はしがき)。
最新版ではどうか知らんけど。

749:氏名黙秘
18/12/12 20:39:54.85 DPbN/PPF.net
団藤綱要の英訳は若かりし佐伯がやった
佐伯が自白してた
おかげで平野に睨まれたらしい

750:氏名黙秘
18/12/12 21:28:24.42 lq2MXB8X.net
どいつもこいつも自分で書いてねえな

751:氏名黙秘
18/12/12 22:59:38.44 2ZhTAAjR.net
社会的に一個の行為か複数の行為かの判定って、
構成要件の判定より先にやるんだよね。。。

752:氏名黙秘
18/12/13 08:19:11.17 bZKsLCA1.net
ヴェーバーの概括的故意の論点の盲点だな

753:元ヴェテ参上
18/12/13 17:42:21.09 qdJHOI1g.net
井田総論第2版レビュー試論(5)−共犯論
ちょっと時機に後れたが、最後に宿題だった共犯論を投下します。ただ、オイラは間接正犯
否定説・共謀共同正犯否定説・純粋惹起説なのだが、これではレビューにならないのでw、
私見はひとまず措きます。
なお、中山は『新版概説刑法T』(2011年)、松宮は第4版(2009年)に拠った。
(1) 正犯の概念
井田は、大塚281頁に示唆されてか「正犯とは、実現事実を第1次的に帰せられるべき主犯者
(中心的存在)であり、共犯とは、第2次的な刑事責任を負うべきものである」とする(476頁。
同じようなフレーズは、479頁、480頁、484頁注24、485頁、488頁、508頁注11、509頁
にも見られる。山口307頁も同旨か)。しかしこれでは抽象的で結論を述べたに過ぎない。より
実質的な説明が求められる。
そこで井田は「実質的客観説の内部に、2つの異なった見解がある」とし(478頁)
@ 行為がもつ構成要件実現ないし結果発生の現実的危険性を基準とするもの
   (これが多数説であるとする:大塚160頁、大谷398頁、川端541頁、福田250頁)
A 行為者が構成要件実現ないし結果発生のプロセスに対して有する支配性を基準とする
   もの(ドイツの通説:伊東382頁、照沼亮介・体系的共犯論と刑事不法論〔2005年〕、
   西田328頁、橋本正博・「行為支配論」と正犯理論〔2000年〕、藤木275頁)
後者の行為支配説を支持する。即ち「行為支配説によれば、正犯性の基準として、当該違法
事実の実現について主導的役割を演じた者が正犯とされる」(480頁)。なお、井田は「故意を
違法要素とする体系を前提としなければ、行為支配説をとることはできない」とするが(480頁)、
上述の学説の分布をみればそこまで断言することはできないであろう。

754:元ヴェテ参上
18/12/13 17:51:13.52 qdJHOI1g.net
(2a)罪名従属性
井田は、共犯の従属性について、実行従属性・要素従属性に加えて、罪名従属性を要求する。
即ち「学説の多数は(そしておそらく判例も)、正犯と共犯とが同一の構成要件に関わるもので
あることを要求する(すなわち、殺人罪の正犯が存在しなければ、殺人罪の教唆犯は成立しない
とする)」(483頁)。「共犯の罪名従属性は、共犯行為の輪郭を明確なものとして、共犯処罰の
範囲の無制限な拡大に歯止めをかけるため、これを要求すべきである」(484頁)。
これに対して「反対説は、正犯者の行為がB罪の構成要件に該当する違法な行為にすぎない
場合でもA罪の教唆犯をさせてよいとする」(483頁)。「反対説は、共犯行為としての類型性の
要求を無視することによって共犯の成立範囲を無限定なものとし、因果関係が肯定される限り
で共犯の成立を認めるものであり、それは拡張的共犯論と呼ばれる」(484頁)。「故意ある
道具が問題となる場合についていえば、収賄罪の正犯が存在しないところにその教唆犯を
認める(「正犯なき共犯」を肯定する)ことになってしまう」(484頁注24)
 しかし、井田は別の個所(510―11頁)で「甲が殺人罪の故意で、乙が傷害罪の故意で共同
してAに暴行を加え、その結果、Aを死亡させたというケースでは」「傷害罪の範囲(したがって、
傷害致死罪の限度)では、一部行為の全部責任の法理の適用を肯定する。甲と乙の間では
傷害致死罪の限度で共同正犯が成立し、それぞれの故意に応じて、甲は殺人(既遂)罪、乙は
傷害致死罪の刑事責任を負うことになる」とする(部分的犯罪共同説)
 甲に殺人罪、乙に傷害致死罪が成立するとする限り、罪名従属性は放棄されていると云わざる
を得ない。罪名従属性を貫徹しようとするならば、完全犯罪共同説(殺意のなかった乙について
も、殺人罪の共同正犯が成立するが、38条2項により傷害致死罪の刑の限度で処断される)
によらざるをえないであろう(泉二627)

755:元ヴェテ参上
18/12/13 17:53:51.36 qdJHOI1g.net
(2b)罪名従属性
 しかも、井田が支持する部分的犯罪共同説には、実は致命的な欠点がある。即ち、殺意のない
乙の行為から死亡の結果が発生した場合には、殺意があった甲には殺人未遂の罪責しか負わ
せることができないはずある(西田398頁、山口319頁、山中889頁)
 甲が窃盗を教唆したところ正犯者乙が強盗を犯した場合、甲は窃盗教唆となることには全く
異論は見られない(西田398頁、前田329頁も参照)。ならば、惹起説を採る限り、共同正犯
も教唆犯も結論は同じはずである。罪名従属性説ではなく罪名独立性説が惹起説の帰結で
ある(山中863頁)。行為共同説によれば、罪名従属性を否定することが可能である(西田
385頁)。山口330頁・佐伯仁志417頁も罪名従属性を否定する。

756:元ヴェテ参上
18/12/13 18:01:04.00 qdJHOI1g.net
(3) 故意への従属性
「通説は(おそらく判例も)、共犯処罰にあたり、故意への従属性も要求する」(485頁)。これに
対し「拡張的共犯論(浅田431頁、佐伯千341頁、内藤1390頁、中223頁、中山229頁、
山中872頁)は、故意への従属性も不要とし、いずれの事例の甲も、殺人の間接正犯ではなく、
殺人罪の教唆犯として処罰されるべきだとする」(485頁)。「そこでは、実行従属性は維持され
るものの、従属性の内容は大幅に緩和され、共犯の範囲は拡大される。それに伴い、間接正犯
の範囲は縮小するのである」(485頁注26)
 ところで井田は「教唆犯にあたる事実を認識しながら、間接正犯にあたる事実を実現した場合」
(558頁。たとえば、医師甲が看護師乙に毒薬が入った注射器を渡して患者Aに注射してこれを
殺すことを指示したが、乙は甲の思惑に反して非故意でこれを実行した場合)「発生結果との関係
で教唆犯の成立のみが認められる」(559頁)とする。このケースで教唆犯の成立を認めると
すれば、故意のない者に対する教唆犯を肯定していることになる。ここでは、故意への従属性
はあっさり放棄されているのである。
 通説も、たとえば団藤403頁は「教唆とは人に犯罪実行の決意を生ぜしめることである。した
がって、過失犯の教唆ということはない」と明言しながら、上のような場合には「このばあいは、
教唆の意思で間接正犯の結果を生じたことになる。おそらく、教唆の限度で責任を問われる
べきであろう」(団藤429頁)とする。つまり、教唆犯の成立には、客観的に正犯者に犯罪を
実行させればよいのであって、故意があったか否かは重視されていないということである
(松宮286頁参照)
「故意が構成要件要素として位置づけられ、故意のない行為は構成要件にも該当しないと考え
られるようになると、故意への従属性が承認されなければならないから、故意のない直接行為者
を利用する背後者は共犯となしえないことになる」(487頁注30)という通説の論理は建前だけ
のものになっている。

757:元ヴェテ参上
18/12/13 18:06:52.46 qdJHOI1g.net
(4) 共同正犯
井田は「判例は、共同正犯については、結果実現(したがって、利益享受)の欲求・動機の強さ
という主観面と、犯罪遂行過程における役割の大きさという客観面とが相まって、共謀者の一員
として共謀に加わり、自分の犯罪として犯罪をともに実現したといえるほど、犯罪実現に主体的
に関わった者は共同正犯となるという考え方に立脚している」。したがって「犯罪達成の(実行者
と変わらぬ)意欲という主観的意思だけで決める主観説ではない」とする(509頁)
 しかし、判例による共同正犯と教唆犯・幇助犯の区別においては、犯罪実現に対してその者が
もつ利害・利益の大きさが重要な判断基準とされており、その意味では判例の基準は主観説的
色彩を帯びているといえよう(西田352頁も参照)。たとえば、平成13年10月25日(スナックの
ホステスが長男に強盗を指示した事例)がそうである。佐伯仁志406頁も「わが国の実務では、
『自己の犯罪』か『他人の犯罪』かで共同正犯と狭義の共犯を区別する主観説をとっている」とする。
 また、井田は「共謀=意思連絡+正犯意思」という等式が成り立つとする(515頁)。「そうで
あるとすれば、実行共同正犯の場合にも正犯意思がその要件になると理解するときには、実行
共同正犯の主観的要件は共謀(正犯意思を含む)と呼びうることになり、実行共同正犯と共謀
共同正犯の要件は統一的に理解されることになろう。それが判例実務の基本的な考え方で
ある」とする(515頁)
 しかし、全員の共同実行か(実行共同正犯)、一部の者の実行か(共謀共同正犯)には決定的
な違いがあるというべきである。また、「共謀」と「意思連絡」にも大きな違いがあると考えられる
から(詳しくは、注釈・島田執筆部分。今、手許にない)井田の所説には賛成できない。

758:元ヴェテ参上
18/12/13 18:12:59.89 qdJHOI1g.net
(5) 承継的共同正犯
承継的共同正犯については、限定的肯定説(福田264頁、大谷418頁、平野383頁)と全面的
否定説(浅田419頁、曽根624頁、内藤1425頁、中山221頁、山中916頁)が対立してきた。
 井田は「否定説(全面的否定説)が支持されることになる。ただ、否定説によるときにも、後行者
は幇助犯の罪責を問われうる」(522頁)としながら、別の個所では「詐欺罪・恐喝罪については、
財産移転段階のみに関与した後行者についても、犯罪にとり本質的な違法をともに実現したもの
として共同の主犯者という評価を行うことに賛成できる」(524頁)としており、首尾一貫しないものがある。
 近時、最高裁は傷害罪の承継的共同正犯に関して重要な判断を下した(平成24年11月6日)。
これは、傷害罪については積極的な利用意思を根拠とする限定的肯定説(福田・大谷説)の論理は
通じないことを示したものである。
 しかし、注目すべきは、法廷意見よりも千葉補足意見である(百選166頁〔小林憲太郎〕に
おける決定要旨と補足意見の分量差を見よ)。そこでは、強盗・恐喝・詐欺等については、効果
の継続を根拠とする限定的肯定説(平野説)の立場に基づき、承継的共同正犯が肯定されうる
ことを明確に述べている(推測だが、西田366−7頁の影響を受けた節がある)
 井田説とは、詐欺罪と恐喝罪とで結論が一致するものの、強盗罪については見解を異にする。
この点、井田は「手段としての暴行と脅迫に違法の重点がある強盗罪においては、後行者を
暴行・脅迫という事実について問責しうることの根拠を示すことができなければならないが、
そのような根拠はおよそ示しうるものではない」とする(524頁)。井田説に賛成する。
 否定説を徹底すれば、詐欺罪・恐喝罪についても共同正犯の成立を否定する立場もあり得る
(例えば、内藤1425頁)。これについては、山口373頁が「共犯の適切な成立範囲を確保する」
観点から、後行者に不作為による欺罔・脅迫を認め、先行者との間で共同正犯の成立を肯定
するという試論を展開している。なお、検討を要する。

759:氏名黙秘
18/12/13 18:15:50.84 WKFTyCnp.net
ヴェテさん、小林・刑法総論の理論と実務評もよろしくです。
あと、今話題のあおり運転事例の危険運転致死傷罪の成否についてもコメントよろしくです。

760:元ヴェテ参上
18/12/13 18:18:31.48 qdJHOI1g.net
(6) 過失犯の共同正犯
最高裁の判例には、過失犯の共同正犯を肯定したものがあり(昭和28年1月23日=メタノール
事件)、最近までの裁判例においても肯定説が主流である。学説の多くも肯定説をとる。
 平成28年7月12日(明石歩道橋事故)は肯定説に立脚したうえで、その要件として「共同の
(業務上の)注意義務に共同して違反した」ことが必要であるとし、それを当該事案に適用して、
甲につき業務上過失致死傷罪の共同正犯の成立を否定した。
 井田は「本質的なことは、どのような場合に、他人の結果回避義務違反についても自己が
責任を負うべき関係が肯定されるかである。それは、共同者の各自が自分の行為について
注意を払うだけでは足らず、それぞれ他の者の行為についても気を配り、他の者の担当部分
についても安全を確かめる法的義務が存在し、共同行為者がその義務に違反したとみられる
事態があるときに限られる」とする(528頁)。しかし、共同作業を行う数人が対等な関係にある
ときは、相互的に監督義務を負うことはありえないであろう(山口385頁、佐伯仁志428頁)
 井田は「過失共同正犯が問題となるケースで、共同者のそれぞれが実現事実の全体について
罪責を負うのは、各人が結果について過失正犯(過失の単独正犯)としての罪責を負う場合で
なければならない」とする(528頁)。そうであるならば、過失犯の共同正犯は過失の単独正犯に
解消されるべきであろう(曽根590頁、前田370頁、西田383頁)。なお、井田は初版476頁では、
同時犯解消説を採っていた。上記の平成28年7月12日を機に改説したものと思われる。

761:元ヴェテ参上
18/12/13 18:26:31.45 qdJHOI1g.net
(7a)共犯と身分
65条1項と2項の関係については、@1項を重く見て、犯罪の成立と科刑を分離する団藤=大塚説
(第1説)、A1項=真正身分犯、2項=不真正身分犯とする判例・通説(第2説)、B1項=違法身分、
2項=責任身分とする第3説(近時の多数説といえよう。佐伯仁志413頁、曽根612頁、内藤1403頁、
西田400頁、橋本283頁、林430頁、平野366頁、堀内278頁、松原423頁、山口343頁。
ただし、論者によって細部は異なる。とくに加減的違法身分の扱い−後述)がある。
 第1説は、既に克服された学説であるが、近時の高裁判例(札幌高裁平成18年8月31日)で、
罪名と科刑の分離を認めたものがある(ただし、会社法の特別背任罪に関するもの)
 第2説に対しては、井田は、同じ種類の身分(たとえば「公務員」)が、ある犯罪(たとえば、収賄罪)
については1項の身分、別の犯罪(たとえば、職権濫用罪)については2項の身分とされることがあるが
「どうしてそのような異なった取扱いがなされてよいのかが明らかでない」と常套的な批判を述べる(568頁)
 井田は、基本的に第3説に与するようであり(569頁)、「65条1項は、身分者に対する特別な義務づけに
ついて独立の保護法益を観念できる場合の身分、すなわち、連帯可能な(一身的でない)違法身分に関する
規定である」(570頁)。これに対し「2項の適用される身分犯は、身分者のみに一身的な特別義務を課す
犯罪である」(571頁)。オイラには少々分かりづらいのであるが、佐伯教授の助けを借りると「違法身分で
あっても法益侵害性に影響する違法身分は1項で、義務違反性に影響する違法身分は2項とする見解」と
いうことになる(佐伯416頁)。
責任身分の位置づけも明らかでない。井田は、行為無価値論によれば「そもそも責任身分は、
ごく例外的にしか認められない」としたうえで、(結果無価値論によれば)責任身分とされる
「保護責任者」(保護責任者遺棄罪)や「業務者」(業務上横領罪)は、違法身分であっても個別的
に作用すべき2項の身分(一身的な〔効果において連帯しない〕違法身分)であるとする(570頁)

762:元ヴェテ参上
18/12/13 18:31:20.45 qdJHOI1g.net
(7b・完)共犯と身分
西田説を筆頭とする第3説に対しては、違法身分と責任身分の区別が、真正身分犯と不真正
身分犯の区別に対応していない、という問題点が従前から指摘されてきた。これに対して、
井田は「たとえ不真正身分犯であっても、違法身分に関わる限りは(加減的違法身分)1項の
適用があるとし、たとえ真正身分犯であっても、責任身分に関わる限りは(構成的責任身分)
2項の適用がある」とする(569頁)。山口347頁も「違法身分はすべて刑法65条1項にいう
構成的身分であり、責任身分はすべて刑法65条2項にいう加減的身分と解される」とする。
 ここで整理すると「違法性は連帯的に、責任は個別的に」という考え方を徹底すると、@構成的
違法身分とB加減的違法身分は正犯と共犯(ないしは共同正犯)の間で連帯し、A構成的責任
身分とC加減的責任身分は個別化すると解することになる(前田338頁注31参照)。これによると、
A構成的責任身分(たとえば、暴力行為等処罰法2条2項の常習的面会強請罪における常習者)
に関与した非常習者は不可罰となるが、それは不合理であろう。また、B加減的違法身分
(たとえば、保護責任者遺棄罪や特別公務員職権濫用罪)に1項を適用し、非身分者を従来より
重く処罰する点については、罪刑法定主義違反の疑いすらある(松宮302頁、松原405頁)。
 とくに、後者の点は重大であって「従来2項の適用領域だとされていた加減的身分のかなりの
部分が違法身分として1項の適用を受けることになり、身分のない共犯の処断刑を引き上げる
結果になる」とする危惧が表明されている(中山研一・法律時報52巻2号142頁)
 こうして第3説には賛成できない。オイラは、第2説(判例・通説)を支持する。
共犯と身分は生煮えのままだったが、以上で井田総論レビューを終わります。
スレを独占して悪かった。

763:氏名黙秘
18/12/14 00:32:50.33 SIBKx0WS.net
元ヴェテさん乙
少し批判的なコメントを。
>>754
行為共同説も今日では構成要件による限定を無視しないことから
犯罪共同説と同様徹底されたものではなくなっていることに言及しないのはどうか。
>>756
錯誤論を適用した帰結をもって批判するのは正当とはいえない。
この批判によれば、「占有離脱物横領罪の客体は他人の占有に属しない物であるというが、
他人の占有する物を占有離脱物と誤信して自己の占有に移した場合には占有離脱物横領罪が成立するとする。
これは、他人の占有する物を客体とする占有離脱物横領罪を認めるものであり破綻している。」
という批判を展開するに等しい。
>>757
井田は「主観的意思『だけ』で決める主観説ではない」と言っているのだから、
「主観説的色彩を帯びている」ことは批判になっていないであろう。

764:氏名黙秘
18/12/14 00:55:24.31 SIBKx0WS.net
>>763の続き
>>760
対等の地位であっても、相互に互いのミスを注意し合うことはありうるのであって、
「ありえない」とするのは言い過ぎと思われる。
むしろ、批判すべきは、井田の依拠する目的的行為論+機能的行為支配と
過失犯の共同正犯の成立根拠とが整合しているか否かという点ではないだろうか。
>>761
井田によれば2項は@違法身分であるが、現在では違法の連帯性が
絶対視されていないので、そのような相対的に作用する違法要素に基づくとみられる場合と、
A責任身分である場合の2通りの場合に適用されるはずである。
その点で、結果無価値論者のとる第3説とは異なるものではなかったか。
したがって、「従来2項の適用領域だとされていた加減的身分のかなりの
部分が違法身分として1項の適用を受けることになり、身分のない共犯の処断刑を引き上げる
結果になる」とするのは、結果無価値論者の採る第3説に行為無価値論の違法理解を
そのまま結び付けた誤解に基づく誤った批判であると考えられる。

765:氏名黙秘
18/12/14 01:05:44.33 SIBKx0WS.net
>>764の「井田の依拠する目的的行為論+機能的行為支配と
過失犯の共同正犯の成立根拠とが整合しているか否か」について若干敷衍すると、
例えば、目的的行為論+機能的行為支配論は、各共同行為者の分担する行為がなければ
意図したとおりに犯罪が実現しなかったであろうという程度に相互に
目的的な支配関係を及ぼすことを根拠とするけれども、
過失の共同正犯の場合、そのうちの誰かが他の者の不注意に無頓着であったとしても、
その他の者が注意を尽くしていた場合、結果は発生しないのであって、
法益侵害に至るプロセスを相互に目的的に支配しているといえるのだろうかということである。

766:氏名黙秘
18/12/14 01:38:33.02 2H8PUH/Q.net
井田の一番弟子の薮中悠
松澤の一番弟子の竹中俊也
勝つのはどっち?

767:氏名黙秘
18/12/14 09:42:54.44 ZMyySVnc.net
ベテ氏、乙です。
>>762
>共犯と身分は生煮えのままだったが
共犯と身分が一番出来がいいと思うよ。
ベテ氏が判例・通説を支持するのは意外だったけど。

768:元ヴェテ参上
18/12/15 12:03:36.57 u35wF4TW.net
>>763
>>767
少なくとも2人が真剣に読んでくれたと思うだけで報われるよ。
>>763以下の詳細な批判については、今、手が離せない仕事があるので
後日まとめて反論します。

769:氏名黙秘
18/12/15 23:27:21.26 rULXpxey.net
今思ったんだけど、
遡及禁止論と危険の現実化説って相容れるものなんだろうか?

770:氏名黙秘
18/12/16 07:00:32.54 xg/cdqFv.net
計画段階から実行の着手、結果発生、っていう因果の流れの思考(「因」から「果」へ)と
結果から遡る(「果」から「因」へ)思考とは相容れない。
ヴェーバーの概括的故意の事例とか、
第一の行為、第二の行為とか当たり前のように前提としてるが(「因」から「果」へ)、
結果から遡る思考では、「第二の行為」だけでおしまい(第一の行為にまで遡れない)。

771:氏名黙秘
18/12/16 11:13:54.23 PU8mSrrU.net
実務は共犯の錯誤以外の錯誤論は問題にならないらしい。
実務は適当だからなあ。
ムカつくやつをマスコミにリークして盛り上げて、
死刑とかをちらつかせて被告人が怯えるのを楽しみ、
素人が感情で量刑を決めるからなあw
さて、答案はどう書いたらいいのだろうか。。。

772:氏名黙秘
18/12/16 13:20:55.84 XfE8dhtk.net
>>769
山口は遡及禁止論を撤回しているよ

773:氏名黙秘
18/12/16 14:38:30.84 L0HlO7qU.net
山口厚はもう学者じゃないよ。最高裁判事様だw
>>771
論理一貫した上で苦しんだ思考を文章化すれば、点数は乗るよ。
むしろ刑法の論理性には気を配るのに、刑訴法の答案では平気で
論理が飛ぶ人が多い。

774:氏名黙秘
18/12/16 20:39:56.59 ZXg+ouYT.net
>>770
矢印の向きが違うだけなのに結論が変わるわけねーだろ。

775:氏名黙秘
18/12/16 20:47:26.39 ZXg+ouYT.net
東名あおり致死傷事件について園田寿先生の解説。
自分はこの立場に賛成。
URLリンク(news.yahoo.co.jp)

776:氏名黙秘
18/12/16 21:18:46.39 zBlBZLPU.net
■専門家の見方
同志社大の川本哲郎教授(刑事法)の話
 事故直前の4回の妨害運転や暴行行為を、停車後の死亡事故と「密接な行為」として認めたもので、理解できる判断だ。
過去の刑事事件では、法律に明記されていない行為でも裁判所の(拡大)解釈で適用を認め、その後に法改正がなされた事例もある(んだからさ)。
量刑も判例に照らして妥当だと言える。
危険運転致死傷罪の最高懲役は20年だが、あおり運転など悪質な運転を抑止するために、より罰則(だけの点)を重くすることも検討すべきではないか。
甲南大の園田寿教授(刑法)の話
 罪刑法定主義の原則に照らせば、停車中の行為について危険運転致死傷罪の成立を認めたのは”拡大解釈”だ。
予備的訴因の「監禁致死傷罪」を当てはめた方が妥当だったのではないか。
今回の事故は強制的に相手の車を停車させ、後続車が追突しているが、危険運転致死傷罪が定められた2014年当時は想定されて
いないケースだった。(「拡大解釈を戒める」衆参両院の付帯決議にもとるといえる。しかし)
強制的に停車させる行為は高速道路上だけでなく、一般道でも危ない。速やかに法改正して強制停車も危険運転行為として明文化すべきだ。
2018/12/14
URLリンク(www.nikkei.com)

777:氏名黙秘
18/12/16 21:19:59.27 PU8mSrrU.net
>>775
刑事司法なんて、いい加減なんだよ。
一方当事者は犯罪者という社会のクズ。たいてい金が無い貧乏人。
弁護士もやる気ない。金の匂いもしない。
もう一方当事者は国に雇われた最優秀な弁護士
刑法や刑訴は関心薄いけど、山口先生みたいな人が理論立てて、かろうじて刑法の理論は保たれている。

それに引き換え、商法は金の匂いがプンプン。

778:氏名黙秘
18/12/16 21:22:26.56 PU8mSrrU.net
あと、刑事法は、議員が干渉することを検察官らが拒んでいて、なかなか手を付けられないらしいと聞いたことがある。。。

779:氏名黙秘
18/12/17 14:12:03.96 FSPI2JF1.net
やっぱりやーめたって説のどこに理論があるのか?>山口

780:氏名黙秘
18/12/17 19:45:14.90 +uqudiuw.net
>>779
じゃあ一度も改説したことのない学者を挙げて

781:氏名黙秘
18/12/17 20:06:58.79 5vSPci+D.net
川端博

782:氏名黙秘
18/12/17 20:58:36.00 i2fpp4VX.net
たしかに改説の必要を感じなかったのは幸いであったとか書いてたようなw

783:氏名黙秘
18/12/18 13:02:55.54 EJ1Mj+TD.net
今、確かめたけど
川端第3版は10年ぶりの改訂なのに
新規収録判例はたったの3件だぞw

784:氏名黙秘
18/12/18 18:15:06.72 5WlpM1lH.net
最新判例チェックしてないのかと思うだろうけど、
川端先生、模範六法の刑法編集担当者だからな。未だに現役で。

785:氏名黙秘
18/12/18 22:29:30.88 EJ1Mj+TD.net
>>784
ならば余計に学者としての良心を疑う

786:氏名黙秘
18/12/19 00:52:24.63 VEFw3oCI.net
>>782
周囲は必要を感じていたと思うぞ・

787:氏名黙秘
18/12/20 07:32:24.26 WgjpOd84.net
川端は
植松=川端=曽根=日・現代刑法論争(1997年)や
川端=前田=伊東=山口・徹底討論刑法理論の展望(2000年)
の頃が学者(教育者)としてのピークだったな
論文もこの頃多数出してるし
現代刑事法(休刊中)の鼎談の名司会ぶりも光ってた

788:氏名黙秘
18/12/20 11:49:00.43 DCGj8uJ6.net
>>787
現代刑事法は刑事法ジャーナルが事実上の後継雑誌

789:氏名黙秘
18/12/20 15:20:41.33 WgjpOd84.net
>>788
サンクス

790:氏名黙秘
18/12/20 16:19:00.79 q66E5yj9.net
法益論:刑法における意義と役割
嘉門 優・著
(成文堂)
価格:¥ 6,480
単行本:308ページ
ISBN:9784792352677
発売日:2019/2/15
謙抑主義の観点から刑事立法を批判的に検討し、刑法解釈において
も処罰限定的な基準を明示することが刑法学の最重要課題であると
の視点から、 法益論の意義と役割を再検討する研究書。

791:氏名黙秘
18/12/21 18:03:17.06 IBYhUh3C.net
1名無し1年前ID:QyNjQ2OTA
【遺伝子の人間との一致率】
チンパンジー 98.8%
アカゲザル 97.5%

ウニ 70%
朝鮮人 70% ←

メダカ 60%
ハエ 40%

チンパンジーよりもサルよりも人間とかけ離れてる生物。
人間の体を持った害獣ということですね。

792:氏名黙秘
18/12/23 16:49:55.79 NCufZkL4.net
基本刑法(総論各論)より講義案+西田各論の方がよくない?

793:氏名黙秘
18/12/23 18:10:19.80 JzK0s0Tx.net
それならいっそ
総論 山口青本
各論 西田でいいと思う
基本刑法が合わない人は結構いると思う
私も会わない

794:氏名黙秘
18/12/25 20:03:52.28 b31unq6b.net
クリスマスは樋口刑法の研究だ!
樋口先生の論文をコピってきたぞ!

795:氏名黙秘
18/12/25 20:16:34.83 SYwlhOy2.net
>>794
樋口て精神科医並に司法精神医学に造詣が深いらしいね
文一のみならず理三のトップとも対等に渡りあえるってことか…
恐れ入りますなぁ

796:氏名黙秘
18/12/26 22:09:32.44 iJeUvYe1.net
樋口刑法って
はっきりいって難しすぎて、主流にはなり得ないと思う。

797:氏名黙秘
18/12/26 22:26:33.48 xVbgrXUW.net
本当に頭のいい学者は
高度な内容を分かりやすく書く
我妻、平野、鈴木竹、兼子、芦部、塩野、新堂、江頭、菅野
頭がよくない学者は何が書いてあるかわからない
理解できないように書いて己の才能の無さを煙に巻く
○口厚、宍○、樋○

798:氏名黙秘
18/12/29 04:20:35.43 uwsBlqRn.net
荘子刑法総論良いな。

799:氏名黙秘
19/01/02 19:36:03.97 VQ8jywzq.net
井田2版と福田総論どっち買おうかな?

800:氏名黙秘
19/01/07 13:23:39.95 m85iQuK1.net
【パワハラに】インフルエンザの部下を無理に出勤させた上司、傷害罪で逮捕【因果応報】
 警視庁捜査一課は22日、広告代理店大手電報堂(本社:東京都足立区)に勤務する53歳の男を傷害容疑で逮捕した。
同課によると容疑者は「なぜ傷害罪になるのか分からない」と容疑を否認しているという。
 容疑者は同社で課長を務めていたが今年10月、インフルエンザのため欠勤を申し出た部下に対し
「自分の若い頃は40度の熱が出ても出勤していた」「同僚にうつしたら迷惑がかかるというが、
その時はその時に考えればいい」などと言って無理やり出勤させ、
結果として同じ課に所属する少なくとも7人の社員をインフルエンザに感染させた疑いが持たれている。
出勤を強要された部下と後に感染した部下の訴えにより明らかになった。
 警察は「意図的に性感染症を感染させて傷害罪になった事例もあり、
インフルエンザの部下を無理やり出勤させたら社内に感染が拡大する可能性を十分に認識していたにも関わらず
無理に出勤させた容疑者の行為も未必の故意による傷害に該当すると判断した」と発表している。

スレリンク(patissier板)

801:氏名黙秘
19/01/09 23:56:42.74 1ge6x+yJ.net
樋口先生、勉強のしすぎで入院したことあるのかよw
URLリンク(kimino.ct.u-tokyo.ac.jp)

802:氏名黙秘
19/01/10 15:46:07.51 0b9BmMsR.net
樋口先生の注意義務の内容確定プロセス読んだ。
なんつーか、圧倒的。たしかに実務との整合性はある。
ただ従来の体系を完全に叩き壊してるね。
過失犯論のためだけに犯罪論体系を再構築することが果たして正しいストラテジーなのか?

803:氏名黙秘
19/01/10 17:32:08.91 79MpQmuE.net
過失犯論はかつての目的的行為論の最大のネックでもあったし
体系全体を左右しうるものだとは思うけれど。

804:氏名黙秘
19/01/10 17:58:49.83 0b9BmMsR.net
樋口過失論の特徴はざっとこんな感じ。
・過失においては作為と不作為の区別は不要(過失において作為義務を検討する必要はなく注意義務一元説)。
・過失においては統一的正犯概念が妥当(正犯と共犯の区別は不要)。
・危険の予見可能性で足りる(結果の予見可能性までは不要)。
・結果予見義務、結果回避義務は注意義務に一元化される。
・以上から明らかなように、故意過失のパラレル構成を否定。

805:氏名黙秘
19/01/10 21:40:03.08 fCCTnRAo.net
目的的行為論が故意と過失の二元体系(不作為も含めると三元体系)
に陥ったのは、目的的行為では過失を説明できないからやむなく。
ところが、樋口先生は、自ら進んで故意と過失の二元体系をとる。
もっぱら判例との整合性のため。そこに落とし穴はないのか?

806:氏名黙秘
19/01/10 22:28:18.42 9jMj5Wn5.net
樋口より島田聡一郎のほうが天才

807:氏名黙秘
19/01/10 22:36:41.76 wgblbQHv.net
最近、東大系の学者は本郷に残る組より
外部に出た組の方が優秀な人が多いな
会社みたいに能力ぢゃなく派閥とか好き嫌いで
東大教授を決めてちゃ東大法が凋落するばかり
自ら首を絞めるようなモノだと思うが

808:氏名黙秘
19/01/10 22:45:42.71 fCCTnRAo.net
派閥や好き嫌いで決めてたら樋口先生は真っ先に放出されてるでしょ。
山口説を継いでないんだから。
山口先生が後継に指名したのはやはり才能を認めたからでしょ。
実際に論文を読んでみると、樋口先生はやっぱすごいよ。
そこから持ってくるかみたいな。常人ではない。
彼の学説に賛成するかどうかは別として。

809:元ヴェテ参上
19/01/11 15:41:35.14 qiXWf/sK.net
時機に遅れたが、皆さん、明けましておめでとう。今年の受験生の健闘を祈ります。
昨年末から、オイラの研究テーマである行為意思に関連して、主観的違法要素の文献を渉猟して
いるのだが、平野説に重大な矛盾を発見した。即ち、まず、314頁では次のように論ずる。
  ピストルの銃口を相手に向けた場合(着手未遂)でも、殺人の実行行為なのか、傷害の実行
  行為なのか、あるいは脅迫の実行行為なのかは、行為者の主観を併せ考えなければ判別
  できないであろう。また、ピストルを撃ったが当たらなかった場合(実行未遂)でも、殺人未遂
  なのか傷害未遂なのかは、行為者の主観を考慮に入れないでは、判別できない。未遂の
  場合、故意(結果の認識)は主観的違法要素だといわれるのは、まさに故意を考慮に入れて
  行為の客観的危険性を判断すべきだ、ということなのである。
着手未遂・実行未遂にかかわりなく未遂犯における故意は主観的違法要素であると云うのである。
平野説はそういうものだと一般に理解されている(たとえば、曽根・原論162頁)。ところが126頁
では次のように論じている。
  未遂は、第1と第2を含んでいる。未遂には、着手未遂と実行未遂とがある。人を殺そうとして
  ピストルで「狙いをつけた」ときは、すでに殺人の未遂を認めることができるであろうが、この
  場合には、さらに「引き金を引く」という次の行為がなされなければならない。それは、「後の
  行為を目的とした」ものであり、その目的は、主観的違法要素だといえる。すでに「引き金を
  引いた」ときは、ただ、その「結果(である人の死)を意欲した」だけであり、右の第2の型に
  属することになる。
着手未遂の場合は主観的違法要素だが、実行未遂の場合はそうではないと読める。こちらの
法が論理的・分析的だと思われるが、314頁とは明らかに矛盾している。

810:氏名黙秘
19/01/11 15:48:14.66 EgrK4rb9.net
>>809
後者は木村静子説と同じだね。

811:氏名黙秘
19/01/11 17:12:06.31 KrmcmKSB.net
>>809
多分後段の方では殺人のみを念頭に置いてるんじゃない?
だから傷害と殺人の区別は意識されていない。


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