秘密結社鷹の爪ss  吉田「総統!総統!」 at CHARANETA
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1:吉田ジャスティスカツヲ
19/05/23 19:57:13.51 qU81hXLrm
俺は、吉田ジャスティスカツヲ。
今俺は鷹の爪団の団員の一人だ。
最初そこに入団する前、母さんにすげえ反対された。
でも俺は、いつか世界征服を成し遂げ、母さんや弟たちに楽させたいと思ってる。
そういうことを話したら、母さんは入団を許してくれた。
こうして俺は、鷹の爪団のみんなと世界征服のために、同じ釜の飯を食ってきた。
だが、その生活にだんだんと終わりが近づいていた………。

2:吉田ジャスティスカツヲ
19/05/23 20:06:07.01 qU81hXLrm
ある日の朝_________
総統「ごちそうさま」
吉田「総統、どうしたんですか?この頃あまりご飯食べてないじゃないですか?」
総統「そうなんじゃ。わしはここ最近あんまり食欲がないんじゃよ。」
吉田「そうなんですか、お体にお気をつけて下さい」
菩薩峠「パパ‥‥」
総統「大丈夫じゃよ、菩薩峠くん」ナデナデ
吉田(そういえばここ最近、総統の様子が変だ。大丈夫かなあ?)
総統「えーそれでは、世界征服の計画を立てるぞ」

3:吉田ジャスティスカツヲ
19/05/23 20:27:23.63 qU81hXLrm
総統「皆何か意見はあるかね?」
レオナルド博士「とりあえずデラックスファイターどうにかしろよおら」
総統「博士、それではデラックスボンバーで吹き飛ばされて終わりじゃから、却下じゃ!他に」
フィリップ「えーと、あ、あ、あのー」
総統「なんだねフィリップ。早く意見をいいたまえ」
フィリップ「えーと、えーと、みんなクビ!」
フィリップ以外全員「はあああああああああああああ!?」
フィリップ「今日という今日は言わせてもらいますがね吉田サン。まずあなたは鷹の爪団の一員という意識が本当にあるんですか?
毎回毎回子供じみた下らないことばっかり!博士、あなた真面目に世界征服に使えるような発明品作ってくださいよ!一度ぐらいましな提案して下さい!
菩薩峠くん、君もいい加減にするんだ!総統は君のパパなんかじゃないということぐらい、いい加減分かr」
総統「フィリップ、いい加減にするのは君のほうじゃ?口が過ぎるぞ?」
フィリップ「じゃあ総統、聞きますがね、こんな状況で世界征服ができるとでも?資金は毎回毎回10万円以下。
それにこのモチベーションの低さ。いやあこれで世界征服なんて、ちゃんちゃらおかしいですよwwwwww」
総統「ウヌヌ……よかろう!君は永久追放じゃ!」
フィリップ「ハイハイ、こちらこそ。じゃあねみんなww」
バタン

4:吉田ジャスティスカツヲ
19/05/23 20:45:07.09 qU81hXLrm
総統「まったく、フィリップのやつm……うぐっ!?」ドサッ
吉田「総統?総統!しっかり!」
総統「うう、大丈夫じゃよ。吉田くん。わしゃ少し疲れとるだけじゃよ。少し寝とれば治る」
吉田「わかりました。博士、お布団敷いてくれ」
博士「あいよ」
今日、総統は久々におおいびきをかいて寝ていた。たぶん総統も疲れがたまってたんだろう。
俺は少なくともそう思っていた。翌朝までは。
翌朝_______チュンチュン
総統「いやーすっかり朝から元気一杯じゃわい。吉田くん、先洗面所借りるよ〜。」
吉田(昨日の心配は取り越し苦労に終わっただけみたいだ。良かった)
と、そのとき
総統「あああああ!」
吉田「どうしましたか、総統!」
総統「わしの、わしの毛髪が……」
吉田・博士「プッ、アハハハハハハ」
総統「笑うな、二人とも!ん?なんだか急に寒気がしてきたぞ。」
吉田「総統、何言ってるんすか?今はもう6月ですよ。」
総統「吉田くん、布団敷いてくれ。わしゃもう一度寝る」
吉田「わかりました」
総統「すまんね」(いったいわしはどうなっとるんだ?わしに、何が起きたというんじゃ?)

5:吉田ジャスティスカツヲ
19/05/23 21:39:02.25 qU81hXLrm
夕方近くになって総統は起きてきた。風呂に入りたいと言い出したのでその準備をした。
ハミガキゴシゴシハミガキゴシゴシ
総統(いかん、歯茎から血が‥‥強く磨きすぎただけじゃろ)
ユブネザポーン!
総統(うーん、極楽極楽w)
5分後
総統(いかんいかん、浸かりすぎたようじゃ。少しクラクラ……)うぐっ、ごほっごほっ!
吉田「総統、どうしましたか!」
博士「総統!」
菩薩峠「パパ‥‥!」
吉田(あああ、こんなに血を吐いて……)
博士「おい吉田、救急車を呼べ!早く!もたもたすんな!」
吉田「もしもし、△●県中央病院ですか?急患です!すぐ来てください!」_______

俺は、目の前で起きていることが信じられなかった。ただただ茫然とするばかりだった。
博士も。菩薩峠も。

6:吉田ジャスティスカツヲ
19/05/23 21:55:34.06 qU81hXLrm
翌々日、俺たちは総統のお見舞いに行った。総統の部屋に行くと嬉しそうに俺たちを出迎えてくれた。
ただ、動くのが少し辛そうだった。俺たちはとりとめのない話をしたあと、基地に帰ろうとした。
すると、病院長から話があるということで呼び止められた。
俺は博士に菩薩峠のお守りを頼み、院長の話を聞いた。
院長「吉田くんといったかな」
吉田「そうですが」
院長「小泉さん(総統の本名)が入院してくるまでの容態を聞かせてくれないか?」
俺は全部しゃべった。総統が最近食欲がなくなったこと。一昨日の朝、毛髪が抜け出したこと。
そしてその日の夜に吐血したこと。聞いてる院長の顔がだんだんと険しくくもっていった。
院長「やはり、そうか。吉田くん、落ち着いて聞いてくれ。小泉さんの症状は、原爆症だ。それも、かなり危険な状態だ。
僕達も出来うることはなんでもする。だが、もしものことを覚悟しておいてください。」
総統が原爆症!?しかも、かなり危険な状態だと!?俺には思い当たるフシがなかった。

7:吉田ジャスティスカツヲ
19/05/23 22:18:39.84 qU81hXLrm
帰り道、博士が総統の容態について聞いてきた。
博士「おう吉田、総統はどういう具合なんだよおら」
吉田「……今は言えない」
博士「そうか………」
その日の夜____
俺は菩薩峠が寝たのを見計らって、博士に院長から言われたことをすべて話した。
総統が原爆症だと診断されたこと。そして、もう長くないことを覚悟しておいてくださいと言われたことを。
話しているうちに俺はある記憶を思い出した。フェンダーミラー将軍の残党との戦いであいつらは小型原子爆弾を使用してきた。
しかし博士のお陰で俺たちは全員無事。残党どもは博士の発明した小型ガトリングピストルで蜂の巣にされて俺たちの勝利。
しかしその小型原子爆弾の放つ放射能が総統の飲んだ川の水に溶け込み、総統の日頃から疲れている体の細部から入り込んでからじわじわと博士の体を蝕んでいったんだ。
話し終えると、博士の体が小刻みに震えていた。目に光るものがあった。
すると、目を覚ました菩薩峠が目にいっぱい涙をためて俺に聞いてきた。
菩薩峠「……ねえ……お兄ちゃん……パパ、死んじゃうの………?やだよ……」
吉田「そんなことねえよ。パパ言ってたぜ。お前のために、頑張って病気と勝つって。そしてお前といっぱいいっぱい遊ぶって。
だから、菩薩峠にも頑張って欲しいってさ。パパは応援してるって言ってたよ。」
菩薩峠「……うん、僕、……パパのために、頑張る!」
_________俺、嘘ついちまった。菩薩峠を安心させたくて。

8:吉田ジャスティスカツヲ
19/05/23 22:39:51.85 qU81hXLrm
俺たちは毎日総統のお見舞いに行った。総統の容態も安定し、だいぶ調子がよくなったように見えた。
食事もそれまで点滴だったのがお粥に換わって、顔色ももとの通りに近くなってきた。
総統が原爆症だということを忘れそうになるくらい、声も元気だった。
そして、総統の具合もほとんどよくなったということで院長から退院の許可をいただいた。
しかし、この退院の許可の隠された真意に俺は、気づくよしもなかった。

9:吉田ジャスティスカツヲ
19/05/23 22:56:16.74 qU81hXLrm
退院した翌日から総統は、世界征服の計画をたてようとしたが俺たちがやめさせた。
今は完全によくなったように見えるものの、まだ安静にしていなきゃいけない。
こう説得したら総統もあっさり引き下がった。
そんななか、菩薩峠がお出かけしたい、と言い出した。
そういえばこの頃忙しすぎて菩薩峠に構ってやれなかったなあと後悔しつつどうするか悩んでいると、
総統が微笑を浮かべ、こう言ってくれた。
総統「いっておいで。」
総統がそういうやいなや菩薩峠は顔をほころばせ、はしゃぎ出した。
思えば菩薩峠がこうして子供らしいそぶりを見せたのも久しぶりだ。
俺たちのために、総統のために5歳児なりに気を使ってくれてたんだろう。
総統が、物置から大きな箱を持ってきた。
なかに入っていたのは何枚もの札束だ。
総統「わしは、子供の時からこうしてお金を貯めておったんじゃよ。世界征服するとき、資金が足りんせいで
わしはこいつに手をだしかかった。じゃがこのお金はみんなに好きに使って欲しくてこうして残しておいたんじゃ」

10:吉田ジャスティスカツヲ
19/05/24 13:51:02.33 s0drkl6Xw
翌日、菩薩峠と一緒に市内の大型百貨店へ行ってきた。
菩薩峠が行きたいと言った場所にはどこでも連れていった。
思えば菩薩峠は今まで以上に笑っていた。
そんな菩薩峠を見てて俺はとても嬉しかった。
楽しい時間を夕方まで過ごしたのち、家に帰りついた。
すると、博士がこちらに背を向けて、肩を震わせていた。
何かを察した俺は先に菩薩峠だけ家の中へ入るよう促すと、博士から話を聞いた。
博士「うっ、うっ、吉田ぁ……」
吉田「どうしたんですか、博士」
博士「俺さ、何か変だと思って△●県中央病院の院長から話を聞いたんだよ。
だっておかしいじゃねえか。もう命があぶねえって頃から急に容態がよくなっちまったんだよ。
そしたら、院長のやつ、うっ、うっ、うわああああん」
______回想
院長『レオナルドさん、気を確かに聞いてください。私が小泉さんに退院許可を出したのは、
もう手の施しようがなくなったからなんです。小泉さんがここに搬送されてから体を検査したところ、
症状は激しく進んでいました。無論私たちも手は尽くしました。しかし、もうどうしようもなくなっていたんです。
レオナルドさん、大変申し訳n』
博士『いいえ、皆さんは総統のためにここまで頑張ってくれました。ありがとうございました。俺たちの余命幾ばくもない総統のために。
本当にお世話になりました。」
_______回想終わり
吉田「………うぐっ、えぐっ、………なんで、なんでだよぉ………?博士、嘘ですよね?嘘って言ってくださいよ!」
博士「お前が嘘だと叫びてえ気持ちは痛いほどわかる。けど、もうどうしようもなくなっちまったんだ。」
吉田「でも……でも……こんなのあんまりじゃないですか!総統がもうすぐ死ぬなんて!」
博士「………なあ吉田、俺たちで総統のために最後の思い出作ろうぜ!」
吉田「…はい、博士!」

11:吉田ジャスティスカツヲ
19/05/24 14:18:53.59 s0drkl6Xw
数日後______
総統「吉田くん、今日はいい天気じゃねえ。」
吉田「そうですね、総統。」
俺たちは総統と毎日同じ日々を送ってきた。だが俺は博士の言葉が信じられなかった。
総統にどこも変わった様子なんてなかった。
総統「どこかへ外出でもせんか?意見のあるものはおるかね?」
スッ
総統「おお、菩薩峠くん。なんじゃね?」
菩薩峠「…………僕、パパのふるさとの、おうちへ、行きたい。」
総統「………菩薩峠くん、わしのふるさとは田舎じゃから、行ってもあんまし楽しくn」
菩薩峠「…行きたいの。どうしても。……パパ、ね、いいでしょ?」
総統「………えー、菩薩峠くんに賛成と思うものは手を挙げてくれ。」
全員が手を挙げた。
菩薩峠「………みんな、ありがとう!」
総統「よし、決まりじゃ!ところで、いつにしようか?」
菩薩峠「……明日が、いい……」
総統「よし、明日の旅行に向けて今日は準備をするぞ!」
その日の昼、菩薩峠と総統に留守番してもらい、俺と博士は旅行用品を買いそろえに出掛けていたところ、見覚えのあるやつに出くわした。
フィリップだった。
フィリップ「あー、あのー、吉田サン」
吉田「フィリップじゃねえか!久しぶりだな!」
フィリップ「吉田サン、あのときは」
吉田「フィリップ、もういい、気にすんな。俺も悪かったよ。」
フィリップ「………吉田サン!」ブワッ
フィリップ「ところで、みんなどうしてますか?」
俺は全部話した。総統が原爆症で倒れてから入院。今は退院して基地にいるものの
もう手のほどこしようがなくなったからだということも全部話した。
フィリップ「…そうですか………」
吉田「総統が、お前に会いたがってる。さあ、行こうぜ。」
フィリップ「はい!」

12:吉田ジャスティスカツヲ
19/05/24 18:34:39.39 rbwbsYl91
家についた______
総統「お帰りー吉田くん。ん、後ろにおるのはフィリップか?」
フィリップ「…お久しぶりです、総統」
総統「おお、フィリップ!わしゃあ会いたかったぞ!」
フィリップ「総統!」ブワッ
フィリップ「総統、今回の旅行、ご一緒させていただいていいですか?」
総統「オフコースじゃ!」

総統「よし、みんな寝るぞ!たーかーのーつーめー」
全員「たーかーのーつーめー」
博士「イシクラッ」
フィリップ「!?」
皆寝静まった頃____
吉田(うーん、明日の旅行楽しみすぎて眠れないや。あれ、博士、起きてるのかな?)
博士「うっ、うっ、えぐっ、ぐすっ」
吉田(博士…………僕もつらいっすよ………)

13:吉田ジャスティスカツヲ
19/05/24 19:25:21.35 rbwbsYl91
翌日____これが、俺たちと総統の最後の日となった。
総統「みんな、起きるんじゃー」
吉田「ああ、あなたのために歌うことがこんなに辛いなんて……………………」
総統「吉田くんは一体どんな夢をみとるんじゃろう?吉田くん、起きるんじゃー??」
吉田「あ!総統!夜中過ぎてみんなに甘いもん与えたからみんな怪物になっちゃったじゃないですか!」
総統「だからどんな夢を視とるんじゃ君は!それより今日がなんの日か忘れたのか?」
吉田「旅行の日でしょ。」
総統「そのとおり!歯を磨いたら早速出発じゃ!」
ブッブー!
総統「ここからあと小一時間くらいじゃな……少し疲れてきた。吉田くん、運転換わってくれ」
吉田「わかりました、総統!」(こころなしか総統が少し元気ないような………)
___そして俺たちは、総統のふるさとの家に着いた。
総統「よーし着いたぞみんな!」
菩薩峠「パパ」
総統「なんだね、おおあれはカタバミじゃよ、菩薩峠くん。これで十円玉を磨くと」ゴシゴシ
菩薩峠「……十円玉が、ピカピカに!」
総統「な、面白いじゃろう?あの青い花はカキツバタでピンク色のラッパのような花はヒルガオじゃよ。」
吉田「総統、詳しいっすねー」
総統「わしは昔からこの庭でよく遊んだからよくわかるn………」バタッ!
菩薩峠以外全員「総統!」
菩薩峠「パパ!」
総統「うぐっ、ごほっごほっ」バシャッ
吉田「総統!しっかり!」
博士「おい吉田、119番だ!」吉田「はい!」
吉田「総統、今救急車を呼びま」
総統「もうやめたまえ、吉田くん。もう無駄じゃ。」ハァ、ハァ吉田「えっ!?」
総統「もとより、わしは気づいておった。退院してからも胃が痛むことが何度もあったのじゃ。もうすでにわかっておった。わしがもう長くはないことなどな。」ハァ、ハァ
全員「総統………!」ウルウル
総統「バカもん、みんななんで泣いておるんじゃ!しっかりせい!老兵はただ去り行くのみ、わしが死んだとて鷹の爪団は永久に不滅じゃ!さあみんな!たーかーのーつーめーーー!
全員「たーかーのーつーめーーー!」総統「もう一度!たーかーのーつーm」ガクッ
吉田「…………総統!?総統!?……………うっ、うっ、うわあああああああああああああああああん!」
_________こうして、俺たちを残して、総統は、逝ってしまった。

14:以上、自作自演でした。
19/06/08 23:25:29.54 nv1VtdsZD
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15:以上、自作自演でした。
19/06/08 23:25:58.40 nv1VtdsZD
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