きかんしゃトーマスで801 2車目 at 801
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10/05/29 22:39:36 qxT0ptSd0
その日のエドワードは、とても元気がありませんでした。
みんなは元気のないエドワードを心配しましたが、玩具の数が少ないことは、きかんしゃたちにはどうすることもできません。
「きみも、そのうちきっと作ってもらえるよ。」と声をかけました。
ですが、ジェームスだけは違ったのです。
まわりに誰も居ないことを確かめたあと、彼はこういいました。
「ぼくは、きみの玩具の数が少ないことをうれしく思っているんだよ。」
「どうして?」
「だって、玩具はぼくらの分身だもの。きみの分身がたくさんいたら、ぼくはいくら妬いても妬き足りないじゃないか。」
エドワードにはジェームスがいっていることが理解できませんでしたが、やっとわかっても、しばらく何もいえませんでした。
「エドワードはぼくだけのものだろう。違うかい?」
「ちっ・・・・ち、ち・・・違わないよ。」
「ね、玩具の数なんて、少ないほうがいいんだよ。」
頬をジェームスのボディと同じくらい真っ赤に染めたエドワードを見ながら、ジェームスは微笑みました。
「うん、きみの言うとおりだね。」
ボイラーの中が、いつもよりぐつぐつとうなっている気分です。
まさか、このわがままな恋人が、自分と同じことを考えているなんて思わなかったのですから。
「・・・・・・・でも、きみの玩具の数が多すぎて、ぼくはどれだけ妬けばいいんだろう?」
「妬かなくてもいいんだよ。ぼくはみんなの人気者だからね。みんなには玩具で、きみにはぼく。」
「まったくきみは・・・」エドワードはため息混じりに蒸気をふきだしました。
蒸気と一緒にかなしかった気持ちも、風に混ざって消えたようにすっきりした気持ちになりました。
妬きたい気持ちももちろんありましたが、なにより、ふたり同じ気持ちを抱いていたことが嬉しかったのです。
「きみにはぼく・・・か。」


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