【勇者SS】手違いで勇者になったんだが at MITEMITE
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1:勇者@名無し
21/06/27 02:11:48.02 y1wFywG1.net
王様「勇者よ。魔王を倒してくれ。頼む」
俺「あー、了解っす」
王様「城の地下の宝箱にゴールドが入っておる。それで装備を整えると良い」
俺「あざっす」
【王城地下】
俺「チッ、シケてんな。50Gで何が装備を整えろだよカス王め」ガンッ
俺「だが今日の酒代位にはなりそうだ。よし呑みに行こう」
【酒場】
俺「お、やってるやってる」ガチャン
客A「よお俺!お前勇者になったんだってなぁ!」
客B「頑張って世界を救ってくれよ!ガッハッハ」
酒場に入るなり客から歓声が上がる。
俺「今朝急に王城から呼び出されて、行ってみたらコレっすよ」
客A「良かったじゃねえか!とりあえず今日は祝杯だ!皆で飲もうぜ!」
客達「オーーーーー!!!」
この時の俺は完全に浮かれてたんだと思う。
その日は日付が変わる深夜まで飲み続けた。
ー次の日ー
【自宅】
俺「もう朝か」
俺「ていうか昨日どうやって帰ったんだっけーーあっ」
そこでふと、昨日の王城での出来事が脳裏を過る。
(そうだ、俺は勇者。魔王を倒すんだった)
俺「とりあえず装備そろえねえとなー」
俺「店行くか」ガチャン
【武器屋】
店主「いらっしゃいーーおぉ勇者様じゃねえか!」
俺「とりあえず装備必要だったんで買いに来たんすよー」
店主「ウチの商品を贔屓してくれるってのか!ははっ、そりゃ幸先が言いこった」
俺「じゃあとりあえず剣と鎧貰っても良いっすか?」
店主「おう!今用意してくるから少し待っとけよ!」
店主はそう言うと、暖簾で仕切られた通路の向こう側へと消えて行く。
こうして店の中にいると改めて勇者になった事を実感する。
俺「さて金は…と」
俺「ーーーーーっ!?」
そこで思い出す。
(そう言えば昨日酒場で全部使っちまったんだった)
瞬間的に顔が青ざめる。まさか王から貰った金を酒で溶かした等と誰が言えようか。
店主「おう!待たせたな!ウチで最高の剣と鎧を持ってきたぜ!!」
俺「あ、はい、ありがとうございます」
反射的に声が上擦る。膝から力が抜け、思わず背中から脂汗をかく。
店主「なに急に改まってんだよ!お前さんは名誉ある勇者様だからな!50Gで良いぜ!」
思わず唾を飲み込む。
(昨日貰った金があれば…)
冷静を装うとしてもやはり仕草には出ていたようで、
店主「どうしたんだ?何かあったのか?」
と、首を傾げながら訪ねてくる。
俺「いや、何か財布忘れちゃったみたいなんすよね」
店主「そうか!じゃあ後で払いに来てくれよ!先に剣と鎧は渡しておいてやるから」
何たる僥倖。人を見たら泥棒と思えとよく言うが、この店主はもしや泥棒の存在を知らないのではないかと疑うレベルだった。
俺「え、いいんすか?」
店主「おう!構わねえぜ!」
俺「あ、じゃあすいませんまた後で来るっす」
俺はそう言うと、鎧と剣を手に取り、足早に店を後にした。


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