【勉強会】The QABALISTIC TAROT【+雑談】Part7 at URANAI
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700:名無しさん@占い修業中
20/12/30 08:01:34.48 3M9usDiu.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 210) ---
THIRTY TWO PATHS OF WISDOM: The Eighteenth Path is called the House of Influence
(by the greatness of whose abundance the influx of good things upon created beings
is increased), and from the midst of the investigation the arcana and hidden senses
are drawn forth, which dwell in its shade and which cling to it, from the cause
of all causes.
「知恵の32の小径たち」:「18番目の小径」は、(創造された存在たちの上の良きもの
たちの流入が増加する、その豊富なる偉大さにより)『影響の家』と呼ばれており、そして
調査の中央から、 その陰の内に棲み、そしてそれにくっついて離れない、秘密奥義たちと
秘められた感覚たちが、あらゆる原因たちの原因から、見える所へと引き下ろされる。
--- ここまで ---
ここは、いつものように、ウェストコット氏の英訳版『The Sepher Yetzirah/セフェル・
イェツィラー(形成の書)』の「THE THIRTY-TWO PATHS OF WISDOM/知恵の32の小径」から
の引用だと思うのですが、前回同様、この文章は、現在入手できる英訳版とは、少々異なり
ます。
まあ、大した違いではありませんし、どうせよくわからないので、スルーしておこうと
思います。
ざっくりとした意味としては、見えない世界(存在しない世界)から、見える世界(存在
する世界)への、何らかの神秘(選ばれた人のみが見える)エネルギーの転移の
触媒みたいに働くものであるという感じですかね。
まあ、我々にとっては、出発地点も到着地点も、どちらも見えないところにあるので、
「investigation/調査」と言われても、ひたすら妄想に頼るしかないのですが、妄想ネタ
の提供という点では、「7:戦車」に配属された「巨蟹宮=月=水」が、強い「女性性」
を意味していることが、助けになります。
実際、「コクマー」から降りる「4:皇帝」と「5:法王」が男臭いのに対し、「6:恋人たち」
と「7:戦車」は、女性臭が強いのと、「ケテル」から降りる「2:高等女司祭」が「月」で
あって、「7:戦車」と強く関係しているのも、結構、意味深なのですよね。

701:名無しさん@占い修業中
20/12/31 06:37:07.75 d6lhtpo9.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 210) ---
The Path of THE CHARIOT runs between Geburah (Strength) and Binah, the Great Mother on the Tree of Life.
「戦車」の「小径」は、「ゲブラー(力)」と、「生命の木」の上の「大母」である、
「ビナー」との間を走る。
It is the highest and, thus, the most profound Path on the Pillar of Severity.
それは、「峻厳の柱」の上で、最も高く、従って、最も深遠な「小径」である。
It is also the third initiation in the series of HERMIT, STRENGTH and CHARIOT,
meaning that it is an introductory experience to the Supreme Spiritual Self.
それはまた、「隠者」、「力」、そして「戦車」の一連における、第3番目の秘儀伝授で
あり、それは「究極の霊的自我」への入門的な経験であることを意味する。
It is an initiation across the Abyss, appreciating that once one crosses the Abyss,
all of its crossing Paths are understood.
それは、「深淵」を横切る秘儀伝授であり、人が一度でも「深淵」を横切れば、その交差
する「小径たち」の全てが理解されることが分かる。
--- ここまで ---
この「9:隠者」、「8:力」、そして「7:戦車」が、秘儀参入の三つの切り札であるという
ことは、『The Golden Dawn/黄金の夜明け魔術全書』の中で述べられているわけですが、
低レベルなワタシには、ピンと来ないというか、雲の上の話なので、よくわかんないです。
つまり、そーいうもんなんですかね〜、といった感じで、あくまでも外野からというか、
下界から眺めておく感じでしかないんですよね。
まあ、ワタシとしては、今となっては、妄想用のネタ集めが目的と化しておりますので、
そういう「高次元の人たち向けの話」には、あまり深入りせずにおきたいところです。
要は、妄想用の「低次元のネタ」の方が、「高次元の話」よりも実用的で面白いわけで、
自分でもわけわからない高尚な話を延々と続けるよりは、妄想ネタであると割り切って語る
方が、「カバラ」を語る上でのモチベーションが続くということなのでした。←動機が不純w

702:名無しさん@占い修業中
20/12/31 06:55:33.99 d6lhtpo9.net
ということで、今年は、これが最後のカキコになります。
今年は、例のビョーゲンズのせいで、世界的にも個人的にも大変困難な年になってしまいま
したが、何とか一年間、カキコを続けることが出来ました。
これもひとえに、ナマ暖かく見守って下さる皆様からの、声なき声援の賜物であると勝手に
思っております。
そういえば、世間では鬼のアニメ映画が大ヒットしているようですが、ワタシは今のところ
ハマっておりません。
というか、あんまり流行を追うこともなく、感覚的に自分が気に入ったものだけを見ると
いう習性があって、TVアニメの方は、たしか一話切りしたと思います。
ということで、これからもずっと、回りに流されず、自分のお気に入りのものだけを追い
続けていこうと、勝手に思ってあるのでした。←ワガママなヤツww
ちなみに、今年のラストは、「トニカクカワイイ」が、お気に入りでした。(^_^;;
それでは皆さん、よいお年を。 (^_^)/

703:名無しさん@占い修業中
20/12/31 17:41:31.92 RJFJcqwb.net
良い年を

704:名無しさん@占い修業中
21/01/01 06:40:57.44 69fw7EBi.net
あけましておめでとうございます。(^^)
10年計画で始めたこのスレも、もう既に8年半近く経ちました。
途中、長期休暇もありましたので、残り1年半ではゴールできそうにありませんが、
今のペースで行くと、来年末あたりでゴールできそうな感じですかね。
ということで、今年もマターリと妄想しながら、カバラを勉強していきましょう。 (^^)/
>>567
カキコありがとうございます。
本年もよろしくお願いします。(^_^)/

705:名無しさん@占い修業中
21/01/02 06:54:08.60 3W65LJUj.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 210) ---
The four Paths beside THE HIGH PRIESTESS are in toto, the experience of the "Garden
of Eden," as will be understood by considering the Element attached to each Path:


706: THE CHARIOT is Watery (Cancer), THE LOVERS is Airy (Gemini), THE EMPEROR is Fiery (Aries) and THE HIEROPHANT is Earthy (Taurus). 「高等女司祭」の脇にある4つの「小径たち」は、「全体として」、各々の「小径」に配属 された「元素」を考慮することにより理解されるであろうように、「エデンの園」の体験 である:「戦車」は「水性」(「巨蟹宮(かに座)」)であり、「恋人たち」は「空気性」 (「双児宮(ふたご座)」)であり、「皇帝」は「火性」(「白羊宮(おひつじ座)」)で あり、「法王」は「地性」(「金牛宮(おうし座)」)である。 --- ここまで --- 「深淵」を渡る五つの小径は、「ケテル」から降下する「2:高等女司祭」を中央にして、 「コクマー」からは「4:皇帝=火」と「5:法王=地」、そして「ビナー」からは「6:恋人 たち=風」と「7:戦車=水」が降下しています。 そして、この「エデンの園の体験」というのは、「Fall/墜落」のことを指すわけですが、 我々の知る「エデンの園の体験」は、「下の世界」での話であって、ここは「上の世界」 の話ですし、そしてこのレベルでは、我々が知る下位の「四大元素」ではなく、上位世界 における「四大元素」であることにも注意が必要です。 なお、この例えからすると、「アダム役」が「4:皇帝」と「5:法王」であり、「イヴ役」 が「6:恋人たち」と「7:戦車=水」という配役ですので、やはり「7:戦車」は女性性を 強く持つことになります。 そして、神により、この宇宙に産まれ落ちた我々は、二度と母の胎内に戻れないように、 二度と「深淵」を渡って上位世界には戻れないシステムになっています。 そして、下から眺めても、「黒塗りされて見えない」ものが「ある」だけなのですが、 人はどうしても「無修正」に惹かれるわけですので、その手の妄想を捗らせることは、 あながち否定し難いものがありますよね。



707:名無しさん@占い修業中
21/01/02 17:32:16.51 O9K/cjuP.net
あけましておめでとう
たまに読んでるから無理せず頑張ってね

708:名無しさん@占い修業中
21/01/03 06:42:07.47 QV6sy/6Y.net
>>570
あけましておめでとうございます!
自分に出来る範囲で、色々な意味で無理しないことが、長寿の秘訣ですので、
これからもマターリ頑張っていきたいと思っております。
それでは、本年もよろしくお願いします。 (^_^)/

709:名無しさん@占い修業中
21/01/03 06:47:07.93 QV6sy/6Y.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 211) ---
These are also the Four Rivers of Paradise, which flow together into Tiphareth
from the Path of THE HIGH PRIESTESS.
これらはまた、「高等女司祭」の「小径」から「ティファレト」の中へと一緒に流れ込む、
「楽園の四つの川たち」である。
--- ここまで ---
この部分は、『旧約聖書:創世記』2:10には、「エデンから一つの川が流れ出ていた。
園を潤し、そこで分かれて四つの川となっていた。(新共同訳)」が元ネタです。
とはいえ、「生命の木」では、「高等女司祭」の流れは、「ケテル」から直接「ティファ
レト」へと流下していますので、この解釈は、カバラ的に見ると、正確ではないです。
つまり、「高等女司祭」からの流れは、四つの見える川に分岐した後も、伏流水となって
地下を流れており、「ティファレト」への「見えざる力」として作用しているという解釈
になってくるわけで、それゆえ、「2:高等女司祭」の「小径」は、我々にとっては無縁
というか、全く認知できないシロモノであるということになるわけです。
いずれにしろ、「四つの川」の下流に住む我々にとっては、「4:皇帝」、「5:法王」、
「6:恋人たち」、そして「7:戦車」あたりまでが、ギリギリ認識できる領域であって、
そこから上は、もはや何があるのかは、誰にも本当のことは分からないわけです。
もちろん、見えないものを妄想で、いやいや「下の如く、上も然り」というミソクソ
理論で強引に推測することは可能なのですが、いずれにしても妄想と同じレベルです。
とはいえ、上位世界からは、上記の「四つの見える流れ」と「一つの見えざる流れ」が
あるというのが、「生命の木」の基本理論となっていることは、最低限のネタとして、
きちんと覚えておく必要があります。←ここテストに出ますww
そして、上位世界から流下する最後の流れが、この「7:戦車」であるということは、
これが最も下流


710:ナあり、流れが遅く、流量が多く、そして豊富な栄養を含んでいるので、 下界に住む我々にとっては、とても有用であると妄想できるということですよね。



711:名無しさん@占い修業中
21/01/04 06:10:58.20 qMHf5qTt.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 211) ---
THE CHARIOT represents a completion which Waite called a "conquest on all planes,"
(*198) meaning that THE CHARIOT carries the influence of the Higher to all of the
lower Planes.
「戦車」は、ウェイト氏が、これは、「戦車」が、下位の「次元たち」の全てに、「より
上位」の影響を運ぶことを意味する、「全ての次元たちにおける征服」(*198) と呼んだ、
完成を表す。
--- ここまで ---
ちなみに、(*198)はNOTES/注記の項で、
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 274) ---
198. Waite, Pictorial Key, 96.
198. ウェイト著、『絵の鍵(タロット図解)』、96ページ。
--- ここまで ---
とあります。
この本文の説明では、「戦車」の人が、上位世界から降りてくる「神」のようなイメージで
語られていますが、上記のウェイト氏の説明では、以下のようになっています。
> He has led captivity captive; he is conquest on all planes--in the mind, in science,
> in progress, in certain trials of initiation.
> 彼は監禁状態の捕虜を導く:彼は、精神、科学、進歩、秘儀伝授のある種の試練に
> おいての、全ての面における征服である。
つまり、彼は「神」ではなく、人間界の真の指導者(おそらく『旧約聖書:出エジプト記』
のモーセとアロンをイメージした架空キャラ)であり、そして「9:隠者」、「8:力」、そして
「7:戦車」が、秘儀参入の三つの切り札であるということにも関連していると思われます。
つまり、ウェイト氏は、「人」は「神」になれる、すなわち妄想により、いやいや修行に
より、「至高の三角形」まで到達可能であるという考え方のようですが、ウェイト氏は、
肝心な部分を書いていないので、どこまで本気なのかは、全く分かりませんけどね。

712:名無しさん@占い修業中
21/01/05 06:17:54.72 PTrR+QVS.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 211) ---
The Thirty-Two Paths of Wisdom describes this as the "House of Influence (by the
greatness of whose abundance the influx of good things upon created things is
increased). . ."
「知恵の32の小径たち」は、これを「(創造された存在たちの上の良きものたちの流入が
増加する、その豊富なる偉大さにより…)『影響の家』」と記述する。
Here the ancient text implies that through this Path one may discover the secrets
of the hidden senses "which dwell in its shade," meaning the Supreme Darkness
above the Abyss.
ここでは、古代の聖句は、この「小径」を通じて、人は、「深淵」の上の「至高の暗闇」
を意味する、「その陰の中に住む」、隠された感覚たちの秘密たちを発見するかもしれない
ことを暗示する。
--- ここまで ---
「至高の三角形」は、言うなればビッグバンの爆心地であり、本来は「超高エネルギー体」
ですので、「Supreme Darkness/至高の暗闇」という表現は、一見すると不可思議に思う
かもしれませんが、我々から見ると、そこは「Abyss/深淵」に遮られた「見えざる領域」、
すなわち「至高の暗闇」と呼ばれるにふさわしい領域なのです。
まあ、光による観測は不可能なのですが、それでも、電波による宇宙マイクロ波背景放射
の観測とか、将来的には重力波の観測により、「深淵」のヴェールが少しずつはがされて
いくことが期待されています。
とはいえ、ここは、ほぼ妄想の領域と言っていいわけであり、理論上において様々な仮説
が湧き出る、「妄想の源泉」とも言える、なかなかに興味深い場所でもあります。
まあ、実際は「見えない」のに、「見えた!」と叫ぶようなものなのですが、そういう
妄想的な感覚が、闇の中から湧き出るホット・スポットと言えばいいのでしょうか。
そして、そのエクスタシー的感覚が、「神キタ――(゚∀゚)―― !!」というような、
「神/天使」の降臨体験として語り継がれているという感じですかね。

713:名無しさん@占い修業中
21/01/06 06:18:39.94 0UbPIl26.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 211) ---
This card also represents the vision of Ezekiel, (*199) wherein the prophet
described the appearance of "four living creatures."
このカードはまた、その書において預言者が「4つの生き物たち」の出現を記述した、
エゼキエルの幻視(*199)を表している。
Each had four faces, that of a Man, a Lion, an Ox and an Eagle.
それぞれは、「人間」、「獅子」、「雄牛」、そして「鷲(わし)」の、四つの顔を
持っていた。
--- ここまで ---
ちなみに、(*199)はNOTES/注記の項で、
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 274) ---
199. Ezekiel, 1ff.
199. 『エゼキエル書』1以降。
--- ここまで ---
とあります。
この「7:戦車」と、『旧約聖書:エゼキエル書』に出てくる謎の乗り物との関係は、
よく話題になるのですが、これはなかなかに難しい問題です。
『エゼキエル書』に書かれていることは、「主」と「主の乗り物」の降臨であり、一方で、
「7:戦車」は、今まで述べてきたように、「9:隠者」、「8:力」、そして「7:戦車」と
いう、秘儀参入の三つの切り札の最後のカード、すなわち「下界からの上昇」の完成を
意味しているので、この点においては、ほぼ真逆の解釈の違いがあります。
あくまでも私見ですが、ゴールデン・ドーン版は、基本的には「人の成り上がり」説を
踏襲し、トート版が最も「エゼキエル書の主の降臨」説を取り入れ、ウェイト版は、その
中間といった感じではないかと思うのですが、いずれも証拠に欠けますので、どこまで
『エゼキエル書』が影響しているのかは、よくわからないのでした。

714:名無しさん@占い修業中
21/01/07 06:21:22.85 Zf3Hmauq.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 211) ---
Beside each of the creatures was a wheel, "like a wheel within a wheel," and as
the creatures moved, so the wheels moved.
生き物たちのそれぞれの横には、「車輪の中にある車輪のように」車輪があり、生き物が
動くのと同じように、車輪も動いた。
Above the heads of these apparitions was "a vault glittering like a sheet of ice."
これらの幻影たちの頭の上には、「一面の氷のようにきらめくアーチ形天井」があった。
Above the vault was a throne, and on the throne was a radiant figure.
アーチ形天井の上には王座があり、王座の上に、光を放つ人物像があった。
The implication is that the creatures (Elemental energies of the manifest Universe)
are The Chariot.
それが意味するものは、生き物たち(顕在化した「宇宙」の「元素」の精力たち)は、
「戦車」であるということである。
--- ここまで ---
『エゼキエル書』の幻視の中に出てくる「神とその不思議な乗り物」には、いくつかの
「7:戦車」のデザインに共通するもの、例えば、車輪があったり、生き物がいたり、人が
乗っていたりするということはありますが、それって、昔からある「戦車」と同じであり、
だからと言って、『エゼキエル書』の乗り物と、「7:戦車」に描かれている乗り物が同じ
ものであるという推論は、普通に考えれば、無茶である、としか言えないわけです。
でもまあ、「同じ」とは言えないまでも、いくつかの神秘ネタを『エゼキエル書』から
パクってきているというのは否めないわけですし、直観的に見ても、何らかの影響を
受けていると想像するのは、割と自然な流れではないかと思われます。
ということで、何の証拠も無い「『エゼキエル書』の神の乗り物=戦車」説ではあります
が、あくまでも話のネタとして、少々のお時間、お付き合いください。

715:名無しさん@占い修業中
21/01/09 06:08:22.56 DNuXcbyH.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 211) ---
Students of Jewish mysticism may be naturally curious about the roots of this card,
since it is suggestive of one of the most important trends in early Jewish thought,
that of the Merkabah.
ユダヤ教神秘主義の学徒たちは、このカードの根源たちについて、それが初期のユダヤ教の
思想における最も重要な流行たちの1つである、「メルカバ」のそれを示唆しているので、
自然に興味を持つかもしれない。
The Merkabah is the Chariot which carries the Throne. (*200)
「メルカバ」は、「王座」を運ぶ「戦車」である。 (*200)
--- ここまで ---
ちなみに、(*200)はNOTES/注記の項で、
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 275) ---
200. Carl Jung made some extremely interesting observations on the vision of
Ezekiel and the Chariot, particularly as related to Egyptian thought, in his
essay "The Tetrasomia," Alchemical Studies, New Jersey 1976, 278-83.
200. カール・ユング氏は、彼の随筆の『錬金術の研究』(ニュージャージー、1976年、
278-83ページ)の「テトラソミア(四大)」の章において、特にエジプトの思想に関連
して、「エゼキエル」と「戦車」の幻視についての、いくつかの非常に興味深い観察たち
を行った。
--- ここまで ---
とあります。
「メルカバ/Merkabah」は、『エゼキエル書』に出てくる「神の戦車」を指す「専門用語」
であり、後になって、「初期のユダヤ教の神秘思想」の中で、いわゆる「神との合一」を
目指すカバラの修行体系の一つとして、そういう物好きな人々の、いやいや熱心な宗教家
の間で、かなり「trends/流行」したという歴史があります。
まあ、瞑想というか妄想により「メルカバに乗って、神の国に行こう!」ということなの
ですが、その流れが、「メルカバ」=「7:戦車」であるという話に繋がるわけですよね。

716:名無しさん@占い修業中
21/01/10 07:13:51.84 GQ5HbixP.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 211) ---
Of this trend, Gershom Scholem says: "The earliest Jewish mysticism is throne-mysticism.
この流行について、ゲルショム・ショーレム氏は、以下のように述べる:「最も初期の
ユダヤ教神秘主義は、王座の神秘主義である。
Its essence is not absorbed contemplation of God's true nature, but perception of
his appearance on the throne as described by Ezekiel." (*201)
その本質は、「神」の本質についての没頭した熟視ではなく、エゼキエルにより記述される
ように、王座の上への彼の出現の知覚である。」 (*201)
--- ここまで ---
ちなみに、(*201)はNOTES/注記の項で、
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 275) ---
201. Scholem, Major Trends, 44.
201. ショーレム著、『(ユダヤ教神秘主義の)主要動向』、44ページ。
--- ここまで ---
とあります。
要は、昔に流行した、「メルカバの行法」においては、「玉座」という「ステージ作り」
が主要な課題であり、そしてそこに降臨してきた「(神)」が「見えた!」と言うことが
目的であって、実際に、それが見えているかどうかは関係無いということですかね。
そして、「見えた!」と言われているものは、厳重な「モザイク」がかかった姿、もしくは
「謎の光」により隠された姿でしかなく、本当のことは誰にも分からなくて、ほぼ各自で好き
勝手な妄想をしながら、各自で様々なストーリーを付けて楽しむという、二次制作としては、
実に健全というか、割りと王道的な展開の流行の話であることが推察できるのでした。
まあ、実際に、スカートをめくって直接中を覗いたりしたら、無罪では済まされないで
しょうし、そういう意味でも、熱心な信者が脳内妄想して楽しむという姿勢は、ある程度
までは許容されるべきであると、ワタシとしては思うのでした。

717:名無しさん@占い修業中
21/01/11 06:51:22.79 i9ImcMJQ.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 211) ---
He further states that while in the earliest days, writers spoke of the "ascent
to the Merkabah," the later writers discussed enlightenment as the "descent to
the Mercabah," (*202) presumably meaning a journey into the depths of Self.
彼はさらに、最初の時期における作家たちは「メルカバへの上昇」について話した一方で、
後の作家たちは、おそらく「自我」の深みの中への旅を意味する、「メルカバへの降下」
(*202) として啓蒙を議論していた、と述べる。
--- ここまで ---
ちなみに、(*202)はNOTES/注記の項で、
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 275) ---
202. Scholem, Major Trends, 46-47.
202. ショーレム著、『(ユダヤ教神秘主義の)主要動向』、46-47ページ。
--- ここまで ---
とあります。
当時のユダヤ教神秘主義愛好者と、その分野の同人作家の間で流行した「(神)キター!」
もしくは「(神)見えた!」の「メルカバの行法」は、基本的には「(神)の降臨」を
テーマとしたものでしたが、それだけに飽きたらず、さらに何でもありの状況に発展して
いったというか、発想がインフレーションしたというか、まあ、よくある過激な方へと
正常進化していくというのが、妄想的創作活動の常となっているわけです。
要するに、新しいネタを求めてどこまでも、というのが、フィクションやファンタジーの
創作活動の原動力ですので、宇宙に飛んだり、地下や深海に潜ったり、大きくなったり
小さくなったり、宇宙や世界を創造してみたり、人体内のミクロな神秘世界を探ったり、
まあ色々と創作活動のモチーフはあるわけです。
そして、そういう面白そうな新しいネタを「聖書」と絡ませることで、新たなユダヤ教
神秘主義の世界が広がっていったわけですので、そういう神秘主義的創作活動の
ネタ本という意味でも、文字通りの「バイブル」であると言われているわけです。
ということで、そういう分野に興味のある方は、色々と深掘りしてあげてくださいね。

718:名無しさん@占い修業中
21/01/12 06:14:46.15 7QSM3VBn.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 211) ---
One way or the other, there is the implication that the Chariot is stationary,
as it is shown in the Waite, Crowley and Marseilles cards, an imagery supported
by Case, who says that the number of the card, seven, is traditionally related
to rest.
いずれにしても、ウェイト版、クロウリー氏(トート版)、マルセイユ版のカードに示され
ているように、「戦車」は静止していることを示唆しており、ケース氏により維持される
画像では、彼はカードの数である7は、伝統的に、「休息」に関連していると言う。
This is a mystery, for while the Chariot moves continuously through the planes,
it is at rest.
これは神秘的なことであり、というのは「戦車」が次元たちの中を絶え間なく移動している
一方で、それは静止しているからである。
--- ここまで ---
「7:戦車」は、本来はじっと止まっているはずがないのに、静止しているように描かれて
いるのは神秘であると言いたいようですが、まあ、それはそういうものかもしれません。
なぜなら、「7」は、『旧約聖書:創世記』2:2にあるように、「完成」と「休息」の日を
意味しており、我々は、その成果物であるので、「戦車」は、既に主な作業を終えていて、
我々には、保守作業の呼び出しに備えて待機しているように見えるということです。
つまり、「7:戦車」の主要な活動期は、宇宙創造の期間であって、我々は、その本来の
働きぶりを、もはや見ることも知ることも出来ないということなのですが、このカードが
宇宙創造期において、どんな活躍をしていたのかは、いくつか推察できるイベントはあり
ますし、特に、宇宙のインフレーションに関わっていたことは、すごくありそうな感じも
するわけですが、いずれにしても、全ては妄想の中でしか無いわけです。
そういう意味においては、とても興味深いカードであり、神秘家にとっては、できるならば
切ってみたいカードであることは間違いないのですが、残念ながら、誰もその本質を知る
ことは出来ない、つまり誰も使えないのが、最大の問題なのでした。

719:名無しさん@占い修業中
21/01/13 06:13:10.87 gp3gttag.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 211) ---
Of course, the fact that this card is a clear reference to Ezekiel does not mean
that it is indisputably related to Merkabah thought.
もちろん、このカードが「エゼキエル」への明確な参照であるという事実は、それが
「メルカバ」の考えに明白に関連していることを意味するものではない。
Ezekiel was a very popular figure in the west during the apparent period of the
invention of Tarot, as the art attests.
「エゼキエル」は、芸術が証明しているように、「タロット」の発明の明白な期間の間に、
西洋において非常に人気のある図案であった。
--- ここまで ---
『旧約聖書:エゼキエル書』の「神の戦車」は、ユダヤ教においてもキリスト教において
も、そしてカバラ主義においても、非常に人気のあるモチーフであり、それゆえ「メル
カバ」と呼ばれる神秘行法として実用に供されることになっているわけで、そういう流れ
が、この「7:戦車」に暗黙のうちに取り入れられていると推定することは、ごく自然な
流れであると思います。
とはいえ、実際の「7:戦車」の図案や、作者たちが残した文献には、『エゼキエル書』の
「神の戦車」を参考にしているという証拠は、ほとんど無いに等しく、しいて言えば、
トート版は、わずかにそれっぽい感じがするくらいです。
そして、ゴールデン・ドーン版とウェイト版では、「7:戦車」の人物像は、どちらかと
いうと、「天から降臨した神」ではなく、「天へと舞い上がる人間」として記述されて
いますので、神聖なる『エゼキエル書』の「神の戦車」というよりは、より俗っぽいと
いうか、神秘ヲタク向けの「メルカバの行法」に近いイメージがあります。
要するに、「7:戦車」とは、そういうヲタクっぽい遊び方の出来る場所というか、想像力
を最大限に発揮することで、現実からの逃避、いやいや「何でもできる、何でもなれる」
というものを象徴化したような感じなのかなぁ、と勝手に想像してみたりするのでした。

720:名無しさん@占い修業中
21/01/13 11:00:39.95 FM1w4Ul3.net
URLリンク(d-ny.jp)

721:名無しさん@占い修業中
21/01/14 06:05:31.46 Fzmj52vb.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 211) ---
Yet if we are to suppose that the originators of the Tarot had even the slightest
knowledge of Qabalah and Jewish metaphysics, we must assume that they were familiar
with its oldest expression, Merkabah, and would not have used an image of a chariot
casually.
けれども、「タロット」の創作者たちが、「カバラ主義」と「ユダヤ教」の形而上学に
ついての、ほんのわずかの知識さえ有していたと想定することがあれば、彼らは、その
最も古い表現である「メルカバ」を良く知っており、戦車の像を不用意には使用しないで
あろうことを想定しなければならない。
The intention here is not to attempt to answer this question, only to acknowledge
that it exists and that it is one which may cut to the very core in defining what
is modern and what is ancient in the system of Tarot.
ここでの意図は、この質問に答えようとすることではなく、それが存在し、そしてそれが
「タロット」の体系において、何が現代的で何が古代的であるかを定義付ける上で、まさに
核心に切り込むことのできるものの一つであることを認めることだけである。
--- ここまで ---
ここは、極めて回りくどい表現ではありますが、古典的なマルセイユ版はともかくとして、
現代的なゴールデン・ドーン系統の「7:戦車」には、「メルカバ」の要素、それも『エゼ
キエル書』に出てくる古代の正統的な「神の戦車」ではなく、近代的かつヲタク要素満載
の「メルカバの行法」が、こっそりと元ネタとして練り込まれているということのようです。
つまりそれは、『エゼキエル書』の「メルカバ(神の戦車)」と、ゴールデン・ドーン系
タロットの「7:戦車」とを、混同してはならないということでもあります。
この両者は、どれくらい違うのかと言うと、リアルな「三次元」と、バーチャルな「二次元」
の違いみたいに、全く異なる次元のものであり、なぜそういうことが起こるのかと言うと、
本来の「7:戦車」は、既に人の理解を超えた次元にあるということに他ならないわけです。

722:名無しさん@占い修業中
21/01/15 06:23:20.07 BeANmrC/.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 211) ---
Eliphas Levi, who is something of a bridge between ancient and modern esotericism,
made an interesting contribution in his design for THE CHARIOT card.
古代と現代の秘教の間の架け橋のような、エリファス・レヴィ氏は、「戦車」のカードの
彼の図案において、興味深い寄稿を作成した。
--- ここまで ---
よく知られているように、レヴィ氏は、古典的なタロット・カードであるマルセイユ版を
ペースに、「カバラ主義」を積極的に取り入れて、それまでのシンプルなゲーム&占い用
から、複雑な象徴を組み合わせた魔術用へと、大胆にイメージチェンジさせた、鍵となる
人物の一人です。
まあ、一言で言えば、ヲタク向けに、ビジュアルを重視させた、という感じですかね。
そして、そのビジュアル面において、ゴールデン・ドーン以降のカード・デザインに、
大きな影響を与えているわけですが、その影響は、うわべだけであって、本質的な部分
は、ゴールデン・ドーンの体系とは、かなり異なっています。
その根本的な違いは、ヘブライ文字と大アルカナとの対応ということになるのですが、
その結果として、「カバラ」の「生命の木」では、両者は全くの別モノとして解釈せざる
を得ないということになっているわけです。
とはいえ、「カバラ」を持ち出さなければ、レヴィ氏のものでもゴールデン・ドーン系の
ものでも、見た目としては大した差は無いということもありますので、「7:戦車」という
高次元のレベルにおいては、そもそも意味の良くわかんないカードですし、細かいことは
あまりこだわる必要も無いのかな、とも思うのでした。
実際、独自デザインのこだわりの強いマサース氏のゴールデン・ドーン版を除いて、
ウェイト版もトート版も、レヴィ氏のデザインの影響を大きく受けているわけですが、
本質的な解釈の違いというのは、しょせん下界の住人である我々には、実感として、
良くわからないわけですよ。←無責任極まりない態度ww

723:名無しさん@占い修業中
21/01/16 06:05:59.41 1ftp7/Te.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 212) ---
This was never a part of a Levi deck, although Oswald Wirth incorporated most of
Levi's ideas into his Tarot of 1889.
オズワルド・ウィルト氏は、1889年の彼の「タロット」の中に、レヴィ氏の考え方の大部分
を組み入れたけれども、これは、決してレヴィ氏のデッキの一部ではなかった。
--- ここまで ---
いきなりオズワルド・ウィルト氏のタロットの話が出てきましたので、この辺りの関係を
簡単に整理しておきます。
まず最初に、近代のカバラ・タロットの源流となったのは、フランスの神秘作家である
エリファス・レヴィ氏(Eliphas Levi, 1810-1875)の著作である、
『Dogme et Rituel de la Haute Magie/高等魔術の教理と祭儀』(仏語、1855年)
ですが、これは、後にウェイト氏により英訳されて、
『Transcendental Magic: Its Doctrine and Ritual/超越的魔術、その教理と祭儀』(1896年)
というタイトルで発刊され、後のウェイト版タロットにも影響を与えることになります。
そして、レヴィ氏の著作の影響で、フランスでは神秘学が流行して、いくつかの神秘主義
団体が生まれており、その流れの中で、スタニスラス・ド・ガイタ氏(Stanislas de Guaita,
1861-1897)が、1888年に設立した「薔薇十字カバラ団」において、ガイタ氏の指導の下で、
オズワルド・ウィルト氏(Oswald Wirth, 1860-1943)が、マルセイユ版をベースにして、
レヴィ氏のカバラ的発想を取り入れた新しいタロットである、
『Le Livre de Thot comprenant les 22 arcanes du Tarot./「タロット」の22枚の
大アルカナを含む「トートの書」』 (1889年)
を発行しています。
ということで、レヴィ氏のタロット・デザインは、ウィルト氏のタロットや、ウェイト版
タロットにパクられているのですが、マサース氏は、そういう安易なバクリには、あまり
興味を示さなかったようで、ヘブライ文字の対応とかも含めて、時間をかけて、あくまでも
オリジナルなデザインにこだわっていた感じはありますよね。

724:名無しさん@占い修業中
21/01/17 09:13:08.86 NEwiAcpH.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 212) ---
In the Ritual of Transcendental Magic, Levi wrote of THE CHARIOT:
『超越的魔術の儀式』の中で、レヴィ氏は「戦車」について、以下のように書いた。
--- ここまで ---
この『Ritual of Transcendental Magic/超越的魔術の儀式』は、前回出てきた
『Dogme et Rituel de la Haute Magie/高等魔術の教理と祭儀』の英訳版である、
『Transcendental Magic: Its Doctrine and Ritual/超越的魔術、その教理と祭儀』
のうちの、「Ritual/祭儀」の部分となります。
その「祭儀編」の最終章である第二十二章の「The Book Of Hermes/ヘルメスの書」には、
タロットの大アルカナのデザインと意味が記述されています。
そして、その中に、「The Chariot Of Hermes/ヘルメスの戦車」という図題の、詳細に
描かれた挿絵があります。
これは、従来のシンプルなマルセイユ版をベースとして、神秘主義的なものをテンコ盛り
にしたようなもので、もはや何でもありの最強無敵状態となっています。
何はともあれ、このレヴィ氏の『高等魔術の教理と祭儀:祭儀編』の最終章という大トリ
を務める「ヘルメスの書」は、カバラ主義的な近代タロットを使うカード愛好家であれば、
ネタとして、ぜひとも一読しておくべきものであり、内容的にも、古典的なマルセイユ版
から、現代的な魔術カバラ主義のゴールデン・ドーン系統へと繋がる、非常に重要な架け橋
となるものです。
とはいえ、理論的な裏付けが薄いというか、単なる思いつきというか、もはや思い込みだけ
の内容がほとんどなので、意識高い系の魔術ヲタクにとっては、あまり興味が持てないと
いう面があることは否めないのですが、この「7:戦車」のレベルでは、もはやこういう
思いつきでしか語れないので、溺れる者は藁をも掴むというか、レヴィ氏の著作であっても、
無視する理由が無くなるという消極的な理由で、注目するに値するということです。
ということで、以下の引用は、くれぐれも、妄想ネタの一つとして、お楽しみください。

725:名無しさん@占い修業中
21/01/18 06:14:07.81 lgGO5yX3.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 212) ---
A CUBIC CHARIOT, with four pillars and an azure and starry drapery.
4本の柱たちと空色で星をちりばめた掛け布を備えた、「立方体の戦車」。
In this chariot, between the four pillars, a victor crowned with a circle adorned
with three radiant golden pentagrams.
この戦車の中に、4本の柱の間に、3つの輝く金色の五芒星形たちで飾られた円を持つ王冠を
かぶった勝利者。
Upon his breast are three superimposed squares, on his shoulders the URIN and
THUMMIM of the sovereign sacrificer, represented by two crescents of the moon
in Gedulah [Chesed] and Geburah; in his hand is a sceptre surmounted by a globe,
square and triangle: his attitude is proud and tranquil.
彼の胸には3つの重ね合わされた四角があり、彼の肩には、「ゲドラー(ケセド)」と
「ゲブラー」の2つの月の三日月たちにより表される、最上の犠牲を捧げる者が有する
「ウリム」と「トンミム」;彼の手には、球形、正方形、そして三角形を載せた笏:
彼の態度は誇らしげで平穏である。
--- ここまで ---
最後の文の「URIN」は、「Urim/ウリム」の誤植ですかね。
この「URIM and THUMMIM/ウリムとトンミム」は、『旧約聖書:出エジプト記』28:30の
「裁きの胸当てにはウリムとトンミムを入れる。(以下略)」に出てくるものであり、
要するに、レヴィ氏は、この「7:戦車」は、『旧約聖書:出エジプト記』に出てくる
「神殿」や「祭壇」を意味しており、戦車の御者は、『旧約聖書:出エジプト記』に出て
くるアロンのような最高の祭司者であり、民衆を、苦難に満ちたエジプトから、神との
約束の地へと導く指導者であると考えているということになります。
まあ、ゴールデン・ドーン体系における「7:戦車」の「生命の木」の配属から考えると、
この設定はイマイチなのですが、ネタの一つとしては、なかなか興味深いところです。

726:名無しさん@占い修業中
21/01/19 00:17:12.98 VPRRUMTs.net
こんな面白そうなスレがあったとは…。
1990年に原書を購入して、チラ読みしかしてなかったので
参考に読み進めてみようと過去スレから読み漁り中っす。

727:名無しさん@占い修業中
21/01/19 06:08:12.80 ZhhJ9LOC.net
>>588
カキコありがとうございます。 (^_^)/
一人語りで退屈していますので、何か雑談のネタがあれば、カキコしてくださいね。 (^^)

728:名無しさん@占い修業中
21/01/19 06:10:16.43 ZhhJ9LOC.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 212) ---
A double sphinx or two sphinxes joined at the haunches are harnassed to the chariot;
they are pulling in opposite directions, but are looking the same way.
二重のスフィンクス、すなわち臀部で結合された二頭のスフィンクスたちが、「戦車」に
繋がれている;それらは反対の方向たちに引っ張っているが、同じ方向を見ている。
They are respectively black and white.
それらは、それぞれ、黒と白である。
On the square which forms the fore part of the chariot is the indian lingham
surrounded by the flying sphere of the Egyptians. (*203)
戦車の前の部分を形成する四角には、エジプト人たちの飛翔する球体により囲まれた
インドの「リンガム(男根)」がある。 (*203)
--- ここまで ---
ちなみに、(*203)はNOTES/注記の項で、
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 275) ---
203. Levi, Ritual of Transcendental Magic, 338.
203. レヴィ著、『超越的魔術の儀式』、338ページ。
--- ここまで ---
とあります。
基本的な構図としては、マルセイユ版を踏襲しているわけですが、象徴の意味を色々と
好き放題に改変しているという感じですかね。
まあ、好き放題に改変しているのは、ゴールデン・ドーン版もウェイト版もトート版も同じ
ですので、それぞれの考え方というか、目指す方向がそれぞれに違って面白いです。
そして、「7:戦車」より上位では、そういう大胆な改変が許されるというか、イチャモンを
付けにくいレベルになっていますので、皆さんも自分勝手かつ大胆な妄想で、拡大解釈
して頂ければと思うのでした。

729:名無しさん@占い修業中
21/01/20 06:32:36.70 EG8Knjvu.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 212) ---
Waite followed Levi closely, his only iconographic contribution being the addition
of a river behind the chariot (reference to the Waters flowing from THE HIGH
PRIESTESS and to the water sign, Cancer).
ウェイト氏は、密接にレヴィ氏に従っており、彼の唯一の図像学的の寄与は、戦車の後ろに
川(「高等女司祭」から水の宮である「巨蟹宮」へと流れる「水域」への参照)を追加した
ことであった。
He has also added a city which we may interpret to mean the "Heavenly Jerusalem,"
or the "City of God" above the Abyss.
彼はまた、我々が、「深淵」の上にある「天のエルサレム」、もしくは「神の都」を意味
していると解釈するかもしれない都市を追加した。
--- ここまで ---
ウェイト版の「7:戦車」は、一見するとレヴィ氏の挿絵の「戦車」に酷似しているという
か、ウェイト氏本人が、レヴィ氏のデザインのパクリであることを公言しているのですが、
その一方で、重大な鍵となる象徴を、何の説明も無しに、こっそりと追加しています。
実は、これって、ウェイト版は、レヴィ氏の元ネタである『旧約聖書:出エジプト記』とは
全く異なるものをモチーフにしている可能性があるということてす。
そして、そのキーワードは「(Heavenly) Jerusalem/(天の)エルサレム」であり、その
言葉は、『旧約聖書:エゼキエル書』48:30(邦訳では「都」と訳されていることに注意)
や、『新約聖書:ヨハネ黙示録』3:12、21:2、21:10などに見られます。
これが何を意味しているかと言うと、レヴィ氏は「過去の追憶」をテーマとしているのに
対して、ウェイト氏は「未来の幻想」をモチーフとしているということであり、これにより
「7:戦車」の解釈が、従来とは全く異なる可能性があるということです。
もちろん、どちらが正しいとか、どちらが優れているとかいうことではないのですが、
堂々とパクるのであれば、新手の自己主張というか新しい視点での解釈を加えるのは、
二次創作においては、とてもすばらしい態度ではないかと思うのでした。

730:名無しさん@占い修業中
21/01/21


731:05:44:11.20 ID:c5bMtalo.net



732:名無しさん@占い修業中
21/01/22 06:16:03.45 e/0fIFf/.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 212) ---
The relationship of Chariot to Throne is amplified by our knowledge that the angels
of Binah are called to [mem][yod][lamed][aleph][resh][aleph] (Aralim), Thrones,
while those of Chokmah are called [mem][yod][nun][peh][vau][aleph] (Auphanim),
Wheels.
「戦車」と「王座」の関係は、「ビナー」の天使たちが [mem][yod][lamed][aleph][resh]
[aleph] (アラリム)、「王座たち」と呼ばれ、その一方で、「コクマー」のそれらが
[mem][yod][nun][peh][vau][aleph] (アウファニム)、「車輪たち」と呼ばれるという、
我々の知識により増幅される。
--- ここまで ---
ここの「セフィロト」と「天使たち」は、『The Golden Dawn/黄金の夜明け魔術全書』の
「第二講義文書」にある「セフィロトに配属される神聖名」の表の「天使の合唱団」の
欄に出てくるものですが、カバラを知っている人であれば、ここに大事なものが欠けて
いることに気づくはずです。
実は、この表の「ケテル」の「天使の合唱団」の配属は、[shin][daleth][qoph][heh]
[tau][vau][yod][cheth](Chayoth ha-Qadish/ケイオス ハ・カデシュ)であり、その
意味は「聖なる生き物」、具体的に言うと、『旧約聖書:エゼキエル書』1:5に出てくる
「四つの生き物」、もしくは「メルカバ(神の戦車)」を構成するもの全てを意味します。
つまり、『旧約聖書:エゼキエル書』の「神」は、「ケイオス ハ・カデシュ」と総称される
「天使団」で作られた「天使による乗り物」に乗って降臨したということです。
要は、「ケテル」の「ケイオス ハ・カデシュ/聖なる生き物」、「コクマー」の「アウ
ファニム/車輪」、そして「ビナー」の「アラリム/王座」は、実は『旧約聖書:エゼ
キエル書』で降臨してきた「メルカバ(神の戦車)」の構成物であるという、もはや
何でもありの、無敵のミソクソ理論が成立しているということです。
まあ、下界の我々から見れば、それらは「天使の合唱団」であっても、高次元すぎて
区別できないので、それらを総称化して「メルカバ」と呼んでいるという感じですかね。

733:名無しさん@占い修業中
21/01/23 05:41:53.67 JV9kkT66.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 212) ---
This is consistent with the idea of Binah as representative of all three Supernals,
Binah. Chokmah and Kether.
これは、3つの「至高なるものたち(至高の三角形)」である「ビナー」、「コクマー」、
そして「ケテル」の全ての代表としての「ビナー」の考え方に一致している。
This is important insofar as the Throne is actually Kether (it is not of Kether,
it is Kether).
これは、「王座」が、実際には「ケテル」である(それは「ケテル」の一部ではなく、
「ケテル」そのものである)限りにおいて、重要である。
--- ここまで ---
「セフィロトに配属される神聖名」の表において、「天使の合唱団」という最も低レベルの
話で、そして、「ケテル」の「ケイオス ハ・カデシュ/聖なる生き物」、「コクマー」の
「アウファニム/車輪」、そして「ビナー」の「アラリム/王座」という、地上に顕現した
カオスな「メルカバ(神の戦車)」の構成物において、実際の「ケテル」が何であるか
という議論には、あまり意味は無いと思うんですよね。
そもそも、実際の「ケテル」は、「深淵」の向こう側にあり、誰もそれを見たことも触った
ことも無いわけであり、しょせん想像の産物でしかないわけです。
つまり、「王座」が実際には「ケテル」であるかどうかは、そう解釈したいのであれば、
そうすればいいという感じでしかないわけであり、それゆえ、「メルカバの行法」が、
「至高神」への有効なアプローチとして流行したということでもあるわけです。
いずれにしても、我々から見れば、「ケテル」「コクマー」「ビナー」の「至高の三角形」
は、三位一体化した「ブラックボックス」であり、それらを実次元で区別して認識する
ことは不可能ですし、それゆえ、どんな設定であったとしても、間違いであることが証明
できない限りにおいては、それがミソクソ設定であろうと許されるということです。
とはいえ、下界の我々から見れば、「ティファレト」以上は、「神」と呼んでも差し支えない
レベルですので、あまり高いところばかり見る必要は無いと思うんですけどね。

734:名無しさん@占い修業中
21/01/24 06:05:54.78 AdZG0H54.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 212) ---
There is no way in which these relationships can become comprehensible except
through meditation, and the student should not feel discouraged if the words
seem difficult.
瞑想を通じる以外で、これらの関係たちを理解できるようになれる方法は無いが、
学徒は、もし言葉たちが難しく見えたとしても、落胆するように感じるべきではない。
The really important point here is the relationship of the Divine Spirit to that
which in some way contains It.
ここでの本当に重要な点は、「神の霊」と「それ」を何らかの形で含んでいるものとの
関係である。
The meaning of the Hebrew letter Cheth, attributed to the eighteenth Path, is
fence or enclosure.
18番目の「小径」に帰属される、ヘブライ文字の「ケト」の意味するものは、「柵」、
もしくは「囲い」である。
The Chariot is a wheeled enclosure which holds the Spirit in its "movement" through
all Planes.
「戦車」は、全ての「次元たち」を通して、その「動き」の中で「霊」を支える、車輪の
付いた囲いである。
--- ここまで ---
まあ、このように、色々な妄想が捗るわけですが、せいぜい我々に見えるのは「7:戦車」の
下半身のみであり、上半身は「深淵」の向こう側にあるわけですので、もはや妄想に頼る
以外には、どうしようもないわけなんですよね。
そういう意味では、フィクション系の創作活動にとって、この境界領域はネタの宝庫とも
言えるわけなのですが、とはいえ、我々のような一般人が、真面目に「深淵」の向こう側
を妄想しようとしても、そう簡単に出来るはずもないので、結局のところ、上級者たち、
いやいや聖人たちの奇妙な、いやいや神秘の御言葉に頼るしかないわけですよ。

735:名無しさん@占い修業中
21/01/25 06:00:15.73 pNWTdZgG.net
「生命の木に基づく大アルカナ」の章の続きです。
--- ここから --- (Robert Wang, 『The QABALISTIC TAROT』First paper edition, 1987, pp. 212) ---
Two principles can be derived here: 1) First is the very idea that an enclosure
is necessary, something external to the Self which carries that Self through various
levels of the manifest Universe.
2つの原則が、ここで導き出されることができる:1) 最初は、囲いが必要であり、それは、
顕在化した「宇宙」の様々な段階たちを通じて、その「自我」を運ぶ、「自我」の外にある
何かであるという、まさにその考え方である。
2) The idea that the vehicle serves a protective function, as the Book of Tokens
says of Cheth:
2) 『しるしの本』の本が、「ケト」について述べているように、乗り物が保護する機能を
果たすという考え方:
--- ここまで ---
「ケト」は、「enclosure/囲い」、つまり、周囲を囲まれたものであり、その内部と外部を
区別できる境界でもあります。
似たようなものは、「19:太陽」の「wall/壁」にも見られますが、両者の違いは、「次元」
の違いである、つまり「月とスッポン」であると言うことが出来ます。
まあ、「7:戦車」のレベルにおいては、この「囲い」は、食うことも触ることも出来ない、
単なる妄想でしか語れないシロモノであるということですよね。
つまり、各人が好きに解釈しても良いということなのですが、そういう好きに解釈した一例
として、ケース氏の『しるしの本』の内容が、以下に挙げられていますので、妄想の参考に
してください、ということです。
とはいえ、この高次元における妄想作業というのは、結構ツラいものがあります。
どうしても、安易な低次元の発想、つまり下ネタに走ってしまいがちになりますので、
どうやったら「上ネタ」に持っていけるのかというのが、なかなか難しいというか、
面倒臭いというか、だったらやるなよ、的な流れになってしまうわけです。
つまり、ワタシには、こういう高次元の話は向いていないということなんですよね。


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