息子が可愛くてしょうがない親父が集う酒場　42軒目

息子が可愛くてしょう ..

463:名無しさん＠お腹いっぱい。
16/04/27 16:42:41.47 .net
ひとりレースカーを走らせていた少年は、驚くべきことに気が付きました。
もうこの世にはいないお父さんの車が、少年の前方を走っているではありませんか！
（多くのレーシングゲームでは、最速で走ったときの様子がそのまま記録され、次に走るときに表示されます。これは「ゴースト」と呼ばれる機能で、自己ベストの記録と戦うことで、さらに良いタイムを出せるようにという狙いがあります。）
そう、これはまさに、10年前、お父さんが走ったそのままの姿。
10年たった今も、父親のゴーストは、少年をリードして走り続けていたのです。
父親の「ゴースト」を見つけた少年は、来る日も来る日もレースを続けます。
でも、どんなに頑張っても、あの日のお父さんの背中を追い越すことは出来ません。
少年は、がむしゃらにゲームに励みます。まるでお父さんが生きていたあの頃のように…。
そして、いよいよその日がやってきました。
何度もチャレンジした少年は、父親の「ゴースト」を捉え、抜き去ることができたのです！
さぁ、ゴールが見えてきました。けれども…。
その瞬間、少年はそっとコントローラーから手を放しました…。
このゲームで記録される「ゴースト」は1台のみ。
このまま少年が最速ラップでゴールを駆け抜けてしまうと、少年の記録が「新たなゴースト」として上書きされてしまい、父親の「ゴースト」は消えてなくなってしまうのです。
いつまでも、お父さんとゲームを続けたい。
健気で少し満足げな少年の笑顔。
父親の背中は男の子にとって特別な存在です。
本当の背中は見られなくても、お父さんの愛情は、ゲームで常に前を走る「ゴースト」を通じて、間違いなく少年の心に伝わったことでしょう。

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