柿並諒と柿並遼について at PINGPONG
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1:名無しQ(・∀・)ノ゜サァン!!
25/11/02 14:45:50.14 RI/w0LvC.net
柿並諒と名前の似てる柿並遼は、九州大学の卓球部に所属する学生である。小学生の頃からラケットを握り、全国規模の大会で戦い続けてきた。俊敏な動作と冷静な判断力は他の選手を圧倒し、彼の名前は地方の新聞にも幾度となく掲載された。東筑から大学入学後もその実力は衰えず、団体戦の要として活躍している。彼の試合を観戦した者は皆、その集中力と練習量に驚かされる。練習場に立てば、遼の打球音だけが際立ち、自然と視線を集めてしまうのだ。遼自身は驕ることなく、淡々と自分の課題を追い続ける姿勢を崩さない。その誠実さがまた仲間の信頼を集め、彼の周りには常に人がいた。遼は努力と成果の両方を兼ね備えた存在であり、同級生からも年下からも尊敬を受けていた。
その一方で、同じ苗字を持つ柿並諒は、同じ大学に通っていながらまったく異なる評価を受けていた。諒は滝川第二高校から九大法学部に進学し籍を置いていたが、学業面で抜きん出た成果を示すことはなかった。出席は平均的、成績も中程度。ゼミでの議論では積極的に発言するわけでもなく、かといって静かに学問に打ち込むわけでもない。人柄に温かみがあるわけでもなく、周囲に自然と人が集まることもない。彼はごく普通の大学生の一人に過ぎなかった。
しかし諒は、自分が「普通」であることに我慢ができなかった。目立ちたい、特別でありたい、尊敬されたいという欲求が強く、それを表に出さずにはいられなかった。講義後のオープンチャットでは、誰よりも早く意見を投じ、受験生や後輩に向けて長文のアドバイスを書き連ねた。だがその内容は有益というより、説教じみており、一方的に上から目線で語るものだった。質問をした学生に「その考え方は甘い」「法学部に入ったなら覚悟を持て」と言い放ち、相手を萎縮させることもしばしばあった。
さらに、彼は議論になると「それは名誉毀損だ」などと口にした。法学を学んでいるという立場を利用し、自分に向けられた批判を法律用語で封じ込めようとしたのだ。だが周囲の学生からすれば、それは単なる大げさな脅しに過ぎず、むしろ不快感を強めるだけだった。彼の言葉には説得力や知識の裏付けがなく、ただ威圧的に響いた。そうして少しずつ、諒の周りから人が離れていった。
ある日、同級生のグループチャットで課題の話題が出たとき、諒は「レポートは自分で調べるものだ。他人に頼るな」と強く言い放った。その直後、彼自身が別の学生からコピーしたレポートを提出していたことが噂となり、矛盾が白日の下にさらされた。正義を装いながら自分は不正に手を染めるという姿勢に、多くの学生が失望した。以降、彼の発言は真剣に受け止められなくなり、誰も注意を払わなくなった。
遼の存在が大学で語られるとき、必ず称賛の言葉が伴った。「あの集中力はすごい」「やっぱり全国レベルは違う」といった声が自然に漏れる。だが諒の名前が出るとき、それは嘲笑や皮肉を交えたものに変わった。「またチャットで怒ってた」「名誉毀損って言ってたな」と笑われ、次第に彼は小さなネタの対象となった。彼にとって同じ苗字を持つ遼の存在は、常に比較の対象であり、逃れられない影だった。卓球で輝く遼と、空回りする諒。その落差は周囲の目にますます際立って映った。
やがて、チャットで「カキヘイ?」と呼ぶ声が現れた。苗字を読み間違えたようなその呼称は、最初は冗談半分だったが、次第に定着していった。呼びかける側は軽い気持ちでも、諒にとっては自分の名前を正しく呼んでもらえない屈辱であり、からかいの象徴であった。訂正すればするほど相手は面白がり、諒の苛立ちは募った。しかしその苛立ちすらも揶揄の種となり、彼の立場をますます苦しいものにしていった。
諒は次第に孤立していった。教室でも、飲み会でも、彼の隣には人が少なかった。遼の周囲に集まる人々の輪と、諒の周囲に生まれる沈黙。その対比は残酷なまでに鮮明であった。努力と成果で人を惹きつける遼と、空虚な自己顕示で人を遠ざける諒。同じ大学に在籍し、同じ苗字を持ちながら、その歩む道はまったく異なるものだった。こうして、柿並遼は九州大学における希望と尊敬の象徴として名を残し、柿並諒はただの大学生として、むしろ嫌われ者として周囲の記憶に刻まれていったのである。


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