装甲騎兵ハッケヨイ vol.1 at MITEMITE
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1:創る名無しに見る名無し
25/04/08 03:23:09.03 M3wWRrXa.net
アストラギウス銀河歴7213年、ギルガメスとバララント―二つの星間勢力が百年にわたり争い続ける終わりなき戦争。その末期、戦局は混迷を極め、前線は絶え間なく塗り替えられ、兵士の命は日替わりのコマのように浪費されていた。

そして、その地獄に―一人の男がいた。
「作戦は単純でゴワス。敵前線基地に強襲をかけ、データバンクを奪取。その後、構内にある“実験施設”を破壊して撤退でゴワス」
ブリーフィングルームに響く低く濁った声。部隊長の太い指が作戦図を叩くたび、埃まみれのホログラムが揺れた。

無言で座る一人の兵士―名はハッケヨイ・ゴワス。
漆黒のバイザーの奥で、その瞳は微動だにしなかった。全身を包む緑のアーマー・スーツ。その背には、ギルガメス軍量産型AT《スコープドッグ・改》が控えている。だが、ハッケヨイの乗るそれは、他のものとは違っていた。
“異能者”―ハッケヨイは、生まれながらのPS(パーフェクト・ソルジャー)。
戦闘反応速度は人間の限界を遥かに超え、機械への適応も驚異的。肉体は何度砕けようが、すぐに再生する。彼のような存在は、戦場において「神」と同義だった。

「目標施設に“素体”があると聞いたでゴワス。……それは、なんでゴワスか?」
「知る必要はない」と上官は冷たく言い捨てた。
だが、その“素体”こそが、ハッケヨイの運命を狂わせる存在となる―

突入は成功、基地の警戒は薄く、敵ATとの戦闘も最小限に抑えられた。
「これは……」
施設の中心部でハッケヨイが目にしたもの―それは、巨大なカプセルの中で静かに眠る一人の女だった。白金の髪、無垢な顔、その身には何の装備も、生命維持装置すらない。
「……素体、でゴワスか?」
一瞬、彼女の瞼が微かに揺れた。
その時、爆発音。背後で仲間の悲鳴。上官が叫ぶ。
「ハッケヨイ、離脱しろ! それに触れるなッ!!」
「なぜでゴワス!? この女は……」

だが次の瞬間、彼の体は突如、未知の衝撃に包まれた。
カプセルの女と目が合った―その瞬間、ハッケヨイの記憶が揺らぎ始めた。

「まさか……おいどんは……」
基地が崩れ落ちる中、彼は知らぬ間にATに乗り込んでいた。逃げる。追われる。ギルガメス軍から、味方から、そして―己の正体から。

逃亡の旅の中で、彼は徐々に知る。あの女“素体”は、ただの兵器ではない。彼女こそが、「異能者」と「PS」の起源―いや、ハッケヨイ・ノ・コッタという存在の原点なのだと。

だが、真実を知るには、もっと深い闇へと踏み込まねばならぬ。
クエントの遺跡、バララントの実験体、そして……神をも超える存在たちとの邂逅が、彼を待ち受けている。


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