【勇者放浪記】トリッ ..
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2:GM ◆zTA3Hlbo9w
16/06/11 10:23:58.34 ZJ2RR4p7.net
トリップを忘れていました。
以下、初期キャラクター設定を投入します。

3:GM ◆zTA3Hlbo9w
16/06/11 10:27:27.22 ZJ2RR4p7.net
名前:
年齢:
性別:
身長:
体重:
スリーサイズ:
種族:
職業:
特技:
長所:
短所:
武器:
防具:
所持品:
趣味:
最近気になること:
将来の夢(目標):
キャラ解説:
以上がキャラテンプレ、さらに参加者の方は一週間ルールでキャラ放棄扱いになります。(スレ主のGMは例外)
事情がある場合はこちらでご相談ください。

4:創る名無しに見る名無し
16/06/11 10:46:36.71 uvfCpQ8/.net
ふむ

5:GM ◆zTA3Hlbo9w
16/06/11 11:13:57.24 ZJ2RR4p7.net
主人公
名前:トリスタン・ロートネフィル
年齢:15
性別:男
身長:164
体重:53
スリーサイズ:
種族:人間
職業:冒険者の卵
特技:剣術
長所:剣の腕前はかなりのもの
短所:基本的に馬鹿で後のことを考えない・女たらし
武器:ロングソード「バルログ」(魔力がこもり、父から譲りうけたもの)
防具:皮製の服
所持品:薬草や火起こし道具など簡単な冒険者道具
趣味:体の鍛錬
最近気になること:将来何をしたらいいか
将来の夢(目標):世界一の剣士になる。自分のギルドを作る
キャラ解説:平民の家に育った若造。父を亡くし、母に育てられ、15歳の誕生日を迎えて
王国の王都までを往復する旅に出ている。剣の腕がめっぽう強く、女たらしだが頭が弱い。
体が小さいことがコンプレックスである。
口ぐせは「俺は前にしか進めねえぜ!」

6:GM ◆zTA3Hlbo9w
16/06/11 11:21:15.07 ZJ2RR4p7.net
ストーリー
無限に広がるグリュメイト世界。かつては神々が人間を作り、間接的にここを支配していたという伝説が残るが、
今では人間が複数の国家を持ち、支配している。
トリスタンが所属するクローランド領ロブレス村はマクドネル王国に属し、現在、王国は北に位置するフラウメキア帝国の侵攻を度々受けている。
さて、トリスタンは無事にマクドネル王都マックアフィールへと辿りつき、適当に遊び、ここで冒険者ギルドの登録をする振りをして用紙を記念に貰い、
それを証明として母親に見せるため、ロブレス村への帰途にあった。
クローランド領の入口は湿地帯になっており、トリスタンは雨によって帰途を阻まれていた。
―そこで一人の少女と出会う…

7:GM ◆zTA3Hlbo9w
16/06/11 12:01:33.50 ZJ2RR4p7.net
「しばらくは無理だな。こりゃ…」
雨は強く、湿地帯はすっかり水嵩が増し、水棲モンスターたちがうようよし始めた。
トリスタンにも巨大なマッドスネイルの姿が見える。
丘へ向かうと、そこには少女が男二人とトラブルを起こしているようだった。
「おいィ!よくもロイを殺ってくれたなネーチャ…」
「とりあえず持ってるんだろ?カネ。お前いかにも良いところの、って感じだしな」
既に肩を捕まれているが、少女も男たちに反論する。
「私は殺してなんていないもん!まだ生きてる。確認しに行きなさいよ!」
「そう言ったからってここで戻れるかよぉ…お前逃げるだろ?あ?」
剣を抜こうとするもの、既にもう一人の男に腰をつかまれ、剣には触れることは敵わない。危険だ。
「だいたいあんたたちが先に…あっ…!」
少女の太股にナイフが刺さり、続いて腹に一撃が入る。
男たちの服装ーチェインメイルと兜、小手などの服装に比べ、少女は剣以外はほぼ丸腰も同然。
皮装備でそれも腹や太股や露出したその服装は、無防備であると同時に扇情的ですらある。
「きゃあ!」
少女は服を脱がされていき、ついには押し倒され、男の一人がまたがった。
一人がもう一人の男に聞く。
「ヤるのか…?」「あぁ…ヤる。それから殺す。ロイには悪ぃが、そのくらいしねえと、収まりがつかねえもんでな!」
トリスタンは駆け出していた。
「やめろぉ!その子を離せ!嫌がってるだろがあ!!」
男たちが振り向く。
「あ?今お楽しみ中だから、ガキはさっさといきな!ん…?武器か、じゃあ殺しておくか」
男たち二人がトリスタンに斬りかかろうとした刹那、トリスタンはその後ろへと足を進めていた。
片足から血を噴き出し倒れた男たちのことは一瞥もせず、少女の方に駆け出しつつ呟く。
「安心しろ。その傷は魔法の傷だから、お前らの脚は当分は薬草でも万能薬でも治せないぜ…」
片足を完全に無力化され、這いずるようにして丘を降りていく男たちを尻目に、トリスタンは少女へと近づいた。
しかし、地面に生えていた蔦が足に絡みつき、少女へと覆いかぶさる形となってしまう。柔らかい感触が顔を覆った。
「わ、うぷ…うぷぷ、ぷ…うっ、こ…これは…?!」
その生暖かいものを、まるでオーブでも掴むかのように手づかみにし、トリスタンは驚愕の声を上げた。
それは紛れもなく少女の乳房だった。トリスタンの顔を鉄拳が襲い、さらに突き飛ばされたところに強烈な蹴りが見舞われる。
「こ…このドスケベ!! あんたもか!」
トリスタンは敵もいないということで暫く横になり、少女が無事なのを確認すると話しかけた。
先ほど脱がされていたせいで少女は皮のブレストアーマーの中の下着を露出していた。
雨か汗のせいか先端部分も透け、その形がはっきりしていることは言うまでもない。
「お、俺はあいつらの仲間じゃない…トリスタンってんだ。君みたいな女の子が一人でこんなところにいるなんて…危ないよ」
少女は立ち上がったトリスタンを見て、負けじと立ち上がり、胸を隠すように腕組みをして見せた。
「あんたに助けられたことは褒めてあげる。でも、子供扱いしてるけど、私、多分あんたと歳、そんなに変わらないと思うけど」
よくよく見ればトリスタンよりも背が高く、胸に限らず肉付きも張り、艶があり大人びている。子供っぽいのは声のせいか。
「どうでもいいよ。君、名前は…?」
「…… イリス…」
イリスは装備こそは高級なものの、どうやら魔法も使えなければ、回復薬すらないらしい。
トリスタンは傷のある太股の手当てと、腹にも回復薬を塗ってあげた。
二人は丘の上で雨宿りをしながら、しばらく静かに語り合った。

8:GM ◆zTA3Hlbo9w
16/06/11 12:02:30.80 ZJ2RR4p7.net
名前:イリス(イリシア・マクドネル)
年齢:16
性別:女
身長:169
体重:55
スリーサイズ:91-60-90
種族:人間
職業:第一王女
特技:冒険
長所:勇猛なこと
短所:後先を考えないこと
武器:ミスリルブレード
防具:ブレストアーマー
所持品:殆どなし
趣味:街でショッピング、ハイキング
最近気になること:王国の今後について
将来の夢(目標):幸せな生活を続ける
キャラ解説:トリスタンがたまたま出逢ったマクドネル第一王女。
王位継承権では弟である第一王子よりも低いが、支持者が多いため、王位継承争いの可能性がある。
トリスタンとイリスとの出会いは今後世界の歴史上に大きな影響を残すこととなる。

9:GM ◆zTA3Hlbo9w
16/06/11 12:32:23.21 ZJ2RR4p7.net
「イリスは…人を殺したことはあるのか?」
トリスタンが真剣な眼差しで問いかける。
「…ない。私は、守られて育ってきたから… あんたは?」
「守られて…か。羨ましいな。俺は、ロブレスって村から来たんだけど、故郷は辺鄙すぎて
よく荒くれ者どもが出やがる。おかげで11歳の時…一人殺っちまった…」
「トリスタン…」
イリスの彼を見る目が変わった。
「でもその時、親父が荒くれどもに襲われて殺された。母


10:さんも酷い目に遭った…」 「……辺境は、大変なんだね」 「お前、一体どこから来てんだ…?」 「あ…まぁ、王都よ。それも結構都会のほう」 トリスタンがイリスの体をじろじろと見る。しかし、イリスはもう警戒していないようだ。 その装備はどう見ても、普通の装備ではなかった。布も絹のようだし、あちこちに宝石のようなものがちりばめられている。 「何、値踏みしてんの」トリスタンをイリスが小突く。 「ま、まぁ…値踏みは…ある意味してたかもだけど…」 「スケベ」 「男ってもんは、みんなスケベだよ。俺だって健康な男だからスケベさ」 「あぁ、そういえば…あの男たちもいやらしい事しようとしてた…その、ありがとう」 初めてイリスが礼のような言葉を口にした。あ、そういえば、とトリスタンは思った。 顔が引き締まる。 「しっ、あいつらがまだ居ると思うんだ… もしかしたらロイって奴を含めて3人、それともそれ以上か…」 「いたらどうする気?」 「様子を見る。向こうは一度負けたんだからな。それでもこっちを襲う気なら…殺す」 「…そうならないといいね」 雨が止み、そろそろ日が暮れようとしていた。ここに居ても安全とは限らない。 相手に場所を知られている以上、動く必要があるだろう。 丘を降りると、木陰から見知った男が現れた。先ほどの男の一人だ。 斜め後ろからも二人ほど男が現れる。ずっと身を潜ませていたのだ。 「ヒッヒッヒ、ロイが特効薬を持っててな。それで俺らも自由の身よ。 とりあえず武器を捨てて止まれ。そうすれば命だけは助けてやる」 そうは言うもののロイという男以外はどうやら足は完治していないらしい。 斜め後ろからは弓矢を構えられている。下手には動けない。 トリスタンがイリスに耳打ちをした。 「イリス、とりあえず俺に従ってくれ。まずはお前が武器を落とすんだ」 イリスがすぐにそれに従う。すると男たちは一気に警戒を緩めた。 少しずつ近づいてくる男たちを確認すると、トリスタンも剣を地面に落とす。 「ほう、物分りが良いじゃねえか… じゃあまずは武器を没収…と」



11:GM ◆zTA3Hlbo9w
16/06/11 12:41:20.24 ZJ2RR4p7.net
男の一人がトリスタンの剣を踏みつけようとしたところで、トリスタンは手をかざすと一瞬で彼の手に剣が装着され、
一撃のもとに男の首筋を断った。
「ギャアアアアアア!!」
一人が絶命すると、男たちは一気に怯む。すぐさまもう一人を袈裟斬りにする。
「ちょっと待てぇ! こいつがどうなってもいいのか?!」
残りの男、ロイがイリスに抱きつき、そのまま首を絞めようとしてきた。
「バルログ!」
トリスタンは剣に念じた。するとイリスの手にその剣が握らされる。
「さぁイリス、そいつを殺すんだ!」
「は?もうこの女には何もできね…ぐっ…!!」
イリスは男のわき腹に剣を突き刺し、そのまま崩れゆく男から剣を引き抜いて止めを刺した。
二人の傍らには三人の男の死骸が転がった。
「トリスタン…私…」
「良いんだ…これで。お前もこれで人殺しさ。冒険者は誰でも通る道だ」
そこからさらに離れた、クローランド方面を見渡す丘で、二人は夜を過ごすことにした。
装備を脱いでお互いに返り血を拭きあい、トリスタンの少ない保存食は分けて食べた。
満天の空の下、二人は並んで横になった。ふと、イリスがトリスタンの手を握り締める。
それに呼応し、トリスタンはイリスを抱き寄せた。そして唇を奪う。イリスは目をそっと閉じた。
「拒まない…んだな」
イリスが脚を絡ませ、トリスタンもそれに応じ、一つになった。
「イリス…俺、お前の防具の機能性ってやつが分かったような気がするよ」
そのまま二人は抱き合って眠り、朝がやってきた。
湿地の水かさが下がるまでゆっくりと朝を過ごし、そして二人は王都方面へと向かった。
街道が見えてきたあたりで、二人はまた抱き合ってキスをした。
「ここまで見たいだな。イリス、残念だけど」
「ねえ、トリスタンは冒険者になったらどうするの?」
イリスの真剣な眼差しに、トリスタンは困ったような顔で答える。
「うーん、とりあえず出世して王都のギルドにでも入れるようにするよ。
そして、俺は自分のギルドをいつか作る!またきっと会えるさ」
イリスはその答えに悲しそうな瞳で、しかし元気に返した。
「うん!きっとトリスタンならなれると思うな。そのときは、一緒にギルドやろうね。
結局…私もヒトゴロシになっちゃったし」
「じゃあ、これで…」
「待って!これ…!」
イリスは胸元にあった青い宝石をトリスタンに渡した。
「これがあれば、きっとまたトリスタンに会える気がするの。じゃあ、絶対に忘れないから。命の恩人さん」
「うん、元気で」
そして二人はここで別れることになった。
この出来事がその後大きな流れを産むことになることは、この時点では二人は何も知らない。

12:GM ◆zTA3Hlbo9w
16/06/11 12:49:24.31 ZJ2RR4p7.net
その一日後、トリスタンはロブレス村へと帰還した。
「母さん、とりあえずこれ…」
母、クレアはそれを見て呆れたように笑った。
「ま、結局王都に遊びに行って来たようなもんじゃないの!
…まぁいいわ。今晩はシチューだから、とりあえずゆっくり休みなさい。
クローランドのギルドへの申請も、あんた一人でするんだからね」
母の笑顔を見たトリスタンは安心して自室へと向かった。
そこには13歳になる妹のパーシーと、まだ3歳の弟、ジュリアスの姿があった。
「兄さん、どうせテキトーにやってきただけなんじゃない?その申請書も兄さんが作ったとか」
「そんなことねえよ。俺だって真面目なんだ」
ジュリアスはただ、一言だけ言った。
「ぼくも、兄さんみたいになりたいな」

【以上、冒頭部分は終了。愛読の他に参加もお待ちしています。】

13:創る名無しに見る名無し
16/06/11 18:38:30.59 ycub3LWw.net
他の創造者による設定の追加及び参加はどのようなタイミングで行えばよろしいのでしょうか?

14: ◆zTA3Hlbo9w
16/06/11 20:06:13.35 ZJ2RR4p7.net
>>12
じっくりとあらすじを読んだ上で、好きなタイミングでどうぞ。
なお、ストーリーテラーとして参加しない(設定のみ)場合は採用のタイミングはこちらで決めます。

15:創る名無しに見る名無し
16/06/11 20:57:01.81 ycub3LWw.net
>>13
有難うございます。この冒険の開幕を楽しみにしています。

16:創る名無しに見る名無し
16/06/11 23:35:23.11 ycub3LWw.net
メインの世界観はあらすじ通り剣と魔法の王道ファンタジーとすると、政治や社会、階級制度等は中世ヨーロッパ辺りだと仮定させてもらいます。詳しい時代考証等の設定があった場合そちらの設定に従います。
世界観ですが、今は魔法文明がメインの社会となっている世界。ただし、かつて「科学」と言われる別文明を扱っていた旧人類が過去に存在していた。

17:創る名無しに見る名無し
16/06/11 23:42:13.65 ycub3LWw.net
また、魔法文明を持つ現人類は突然変異的に発生したもの。二つの文明は両立していた時期が存在し科学が衰退していった。現人類は旧人類の血を引いていて魔力には大きい差があり、一人で大都市を壊滅させる事が出来る魔力を持つものもいれば魔力が全く存在しないものもいる。

18:創る名無しに見る名無し
16/06/11 23:43:16.59 ycub3LWw.net
また旧人類現人類共に純血と呼ばれる者が存在する。現人類の純血種は個人で大陸を滅ぼせる魔力をもっている。旧人類の純血種はその奇特さ故に情報がなく特徴は不明。
このような設定はどうでしょうか?ややありきたりになってしまったのと長文が投稿規制になっていたので数回に分けてしまいましたスイマセン(^^;

19: ◆zTA3Hlbo9w
16/06/12 08:22:10.76 Vi9PzFlZ.net
>>15-17
ありがとうございます。
「科学」のくだりは不採用ですが、基本的に残りは採用とさせていただきます。
本作品はそこに「神」が混じってくるので、>>15-17さんの想像しているものと若干相違があるかもしれませんが、
うまくミックスしてみます。

20:創る名無しに見る名無し
16/06/12 12:52:31.82 u5fzhjyC.net
15です。そういえばですが…冒頭部には魔法の力の傷とあり、魔法は攻撃、回復等の事象を起こすものとして、魔力は魔法以外の用途で使用出来るものですか? 例としては、武器防具や薬品等に付与効果を与える、魔力を動力源とする飛行船等です。

21: ◆zTA3Hlbo9w
16/06/12 16:22:39.49 Vi9PzFlZ.net
>>19
基本的にそのような捉え方で結構です。
しかし、GM意向として、飛行船のような高文明を連想させるものは登場させない方向ですのでご了承を。

22:創る名無しに見る名無し
16/06/12 16:25:05.62 u5fzhjyC.net
>>20
分かりました。

23:創る名無しに見る名無し
16/06/13 19:35:27.69 4UL0IsWi.net
剣や弓等には何らかの加護が付与されているものがある。加護には魔法や錬金等により人が付与したものと、精霊や天使等人以外が付与したものに分類され、〇〇級 〇〇格等分類名が存在する。ただし、大砲や爆薬、マスケット銃等には何故か付与することが出来ない。
というのはどうでしょうか?

24: ◆zTA3Hlbo9w
16/06/13 19:51:27.60 jBJzAxxs.net
>>22
その設定は却下します。

25:GM ◆zTA3Hlbo9w
16/06/14 14:55:50.93 7Os9Y9ob.net
一月が過ぎた。
クローランド領城下のウォーレン街までは歩いて半日ほどかかる。
王都から見ればハンパな田舎町だ。
ここにクローランドの冒険者ギルドが存在した。どう見ても田舎の酒場。
「おっちゃん!俺も今回参加!」
そういう声が飛び交うこのギルドは、まるで緊張感がない。しかし王都などの大規模ギルド群を知らないトリスタンにとっては、
それが当然のように思えた。
「さて、今やってる募集は…と」
張り紙を見ると、”東の森の盗賊団アジトの壊滅”とある。
こういうのはまさに冒険者のやる事とも言えるだろう。
とりあえずは食事を、と思いテーブルにつくと、すぐ隣に大柄な女がやってきた。
一瞬だけ、「バルログ」が光った気がした。このような感覚は初めてだ。
「ちょっといい?あなたもコレ、参加するの?」
ねっとりとした身に纏わり付くような声。その違和感に、トリスタンはこの時点では気付く由がなかった。
「あぁ…参加するよ」
なるべく、初心者であることを悟られないよう、慎重に言葉を選ぶ。
「ではとりあえず、食べましょう?今回の冒険の無事を祈って」
名前:ナタリア
年齢:25
性別:女
身長:180
体重:65
スリーサイズ:105-67-99
種族:人間??
職業:魔術師
特技:魔法全般
長所:強力な魔法が使えること
短所:何を考えているか分からないこと
武器:オークロッド
防具:ローブ
所持品:??
趣味:あらゆる遊び、人間観察
最近気になること:??
将来の夢(目標):幸せな生活を続ける
キャラ解説:マクドネル王国王都で名を上げたという魔術師。
膨大な魔力を持ち、いつも不敵に微笑している。現在のところ目的は不明だが、
この日を境に、幸か不幸かトリスタンとは因縁を持つことになる。

26:GM ◆zTA3Hlbo9w
16/06/14 15:30:59.51 7Os9Y9ob.net
今回のことを仕切っているのは、酒場経営者の一人のエギルという男らしい。
髭面で調子の良いことを言っているが、顔の傷といい、なかなかの強者だろう。
トリスタンは宿を取ってある。そろそろ食事もお開きで、寝る時間だ。
出発は明日の朝。続々酒場のメンバーたちも解散していく。
数人の柄の悪い男たちがこちらを指さして何か言っているが、彼らも帰っていった。
「そういや、ナタリアはどこから来たんだ?俺の田舎については嫌なぐらい話したけど」
酒を飲んでいるのはナタリアだけだが、トリスタンは特有の無防備さで自分の身の上話について語ってしまった。
ナタリアは相槌をうちながら、ときおり遠くを見るような目をしていた。
「… 女には秘密の一つや二つ、あってもいいものよ、トリスタン。それよりそろそろお暇するわ。では、また明日」
ナタリアが立ち上がると、改めて本格的な魔術師というものと対面しているのだと感じる。
その大柄で豊満ともいえる体は、他の屈強な男たちにも引けを取らず、紫色のローブには禍々しい刺繍、そして黒髪にフード。
多数のアクセサリーが輝き、嗅いだこともないような香がたちこめる。
ふと、会計を済ませたナタリアが突然姿を消した。
「あれが…魔法…!?」
トリスタンは呆気に取られてその消えた場所をずっと見ていた。
―翌日。
トリスタンは一人で取る宿とナタリアのことでなかなか寝付けず、寝不足気味での集合となった。
早速一団は盗賊のアジトへと動きだしている。
エギルを先頭に、総勢10人の冒険者たちが出発した。
ナタリアは一番後ろを歩いている。
正直怖いという気持ちと共に足取りの重いトリスタンは、とりあえずエギルの後ろ側についた。
すると、突然柄の悪い男たちが話しかけてきた。
「おう、若いの。昨日はあの魔術師のネーチャンと何かあったのかい?」
「え… 別に何も無かったけど…?」
トリスタンが答えると、次々と男たちが絡んでくる。
「そっかー、じゃあ俺ら、ちょっと昼休みにでも、味見しとくけど、良い?」
「良い体してるもんなぁ…終わるまでガマンできねえぜ」
「俺らさ、冒険者やりながら女食ってんだけど、一度これヤったら止められなくなんぜ」
「止めとけよ…!」トリスタンが止めに入る。
「あのなぁ…俺らがこれで生き残ってんのは、強えからなんだよ。
みんな今年だけでもう三人は殺してる。お前も余計なことしたら、殺すからな」
やがて、アジトの手前に達し、周囲の安全を確認すると、突入前の食事ということでエギルから提案があった。
ナタリアはというと、先ほどの男たちに連れられて不承不承ながら奥の方に消えていった。
ァァァァァァァ…
エギルが声に気付き、そちらを向く。トリスタンは駆け出していた。
そこにはナタリアの姿があった。うんざりしたような目をしている。
ローブは肩から胸にかけて捲くられ、血があちこちに付いている。
「トリスタン… こいつらさ、どう処分したらいい訳?」
そこには無残な三人分の肉片があった。
「殺した…のか?!」
「うん、襲ってきたから。で、どうする?残りが…あんた以外が5人だっけ?
あいつらも信頼できないんだけど、殺そうか?それとも、盗賊側にこの情報流して向こうに付く?」
ナタリアが平然と言い放つのを見て、トリスタンは愕然とした。
やがて、脚が震え、次第にそれは顔の振るえにも変わっていく。狼狽しているのがナタリアには丸分かりだ。
人を家畜や虫程度にしか見ていない人間。そんな彼女に恐怖を覚えていた。
「あぁ…あ…」
トリスタンが膝をつく。自分にはどうにもできないことを悟ったのだ。
「とりあえずあのエギルという髭にはこの事は報告しとく。でも流れ次第では、あたしは何するか分かんないよ?
でもあんたがあたしの邪魔をしないなら、あんただけは殺さないって、それだけは約束するから」

27:GM ◆zTA3Hlbo9w
16/06/14 16:11:31.66 7Os9Y9ob.net
「そう…だったのか…!」
エギルが目を見開き、三人の死骸を目の当たりにする。
パーティーはすっかり不穏な空気になったが、ベテランのエギルはそのことを吹き飛ばすかのように大声を上げた。
「みんな、いくぞおおお!」

敵の見張り台を攻略するところから攻撃が始まった。
盗賊団側も弓矢を使って応戦してくる。エギルの動きは素早く、そして手際が良かった。
いや… これは、自分以外の全てのメンバーの動きが向上している。
ふと後ろを見ると、ナタリアが補助魔法らしいものをこちら側にかけている様子だった。
たまにナタリアにも矢が飛んでくるが、彼女はそれを素手で受け、飛び降りて応戦してくる敵はロッドの一撃で背骨をへし折った。
「ギャアア!!」「うわああ!!」
あちこちで血をながした盗賊たちが次々と倒れていき、エギルたちはあっという間に盗賊の親分らしき大男を追い詰めた。
「おい!あとはもうお前だけだ!命は取らないから大人しくここを明け渡せ。身柄もだ」
エギルが声を張り上げる。
「くそおぉ…! どうせ連中、投獄とか言いながら殺すだろ? 捕まるぐらいならお前等の一人二人斬ってから死ぬさ」
盗賊のボス、カレイジャスが鬼のような形相で凄み、大量の投げナイフをぶら下げながら巨大な斧を担ぐ。
その姿に、さすがのエギルも手をこまねいているようだ。
「ちょっと、そこの勇敢な親分さん」
トリスタンは目を見開いた。ナタリアがカレイジャスに勝手に近づいていっているのだ。
「女…なんだ貴様、これ以上近づくとこのナイフで蜂の巣にするぞ」
腰の投げナイフ群に手を構えた彼だが、次の彼女の言葉までは想像できなかったようだ。
「あたしはナタリア。勇敢なあなたの味方になってあげたいの… その代わり、何かちょうだい?」
「わ、分かった!財宝の半分をくれてやる!だからこいつらをさっさと片付けてくれ!」
あっさりと条件を出し聞き入れるカレイジャス。そして…
「はい、契約成立。では、遊びましょうか?」
ナタリアが手をかざすと、死んだ盗賊、瀕死の盗賊が起き上がり、武器を手にエギルたちに襲い掛かった。
カレイジャス本人もいくらかパワーアップしているようである。
「これは…ネクロ…マンサーの…?!」
エギルが怯えながら武器を構えた。
「ジョアン、クルト、ジョニー…お前ら…いくぞおぉぉおお!!」
ゾンビと化した盗賊たちと共に、カレイジャスが突っ込んできた。
激しい戦闘を、ナタリアはただ、木の幹によりかかりのんびりと眺めていた。
―口元に笑みを浮かべながら。
やがて、ゾンビたちは倒され、一部の冒険者は一目散に逃亡していった。
エギルとカレイジャスが一対一となり、ついにカレイジャスを追い込んだところだった。さすがに強い。
「俺はここで死ぬわけにはいかんのだ!!」
ナタリアが口を開いた。
「エギル…確かそういう名前と聞いているわ。クローランドの冒険者ギルドで、
冒険者たちから報酬を半分以上”ハネ”てるってことで、その名前は裏では有名になってるのよ。
このあたりが死に場にふさわしいと、思うのだけれど」
「な、どうしてそれを…!! おのれ…!」
瞬間、カレイジャスが急激に膨張し、腕を伸ばして斧を振るってきた。
長年の勘がエギルをそうさせたのか、彼はそれを愛剣で受け流し、そのまま放棄すると、
一目散に森から抜け出そうとした。
「はい、終わり」 「うぐっ…!!!!」
逃げようとしたエギルはナタリアによって内臓を破裂させられ、口から大量の血を流して倒れた。
目を見開き、ナタリアを睨む。
「まさか貴様…純血…種…っ…!!」
そう呟くとエギルはそのまま白目を剥いて絶命した。

28:GM ◆zTA3Hlbo9w
16/06/14 16:47:38.73 7Os9Y9ob.net
「で、これ、どうする?」
トリスタンはこの状況を呆然と立ち尽くして見ていた。
目の前には体を達磨のようにパンパンに膨れ上がらせたカレイジャスがいた。
目が突き出し、筋肉はビクビクと痙攣し苦悶の表情をしている。
「もう、楽にしちゃいましょうか」
バーン、と音を立ててカレイジャスの頭から脳漿が飛び出し、眼球が飛び出した。
そして静寂が訪れ、ナタリアとトリスタンの二人だけになった。
「ナタリア…なんてことを…!」
トリスタンは15歳にしておぞましい光景を目の当たりにし、頭の中が真っ白になっていた。
「弱いから死ぬ。当たり前じゃない」
「俺も…殺すのか?」
ナタリアはそう尋ねられると少し考えたように口に手を当て、そして言葉をつむいだ。
「いえ…殺さないと約束したもの。でも、ここにある財宝をかけて、勝負は受けてもらうわ」
ナタリアはトリスタンに剣を抜かせると、自分はロッドを投げ捨て、ローブも脱ぎ出した。
白い下着に包まれただけの、ほぼ半裸といってもいい姿は、あらゆる男を煽情するものを持っていた。
「舐めやがって…! いくぞ!」
こちらはただの剣ではない。それにナタリアは気付いているのだろうか…
確実に傷を与えるため、少し大ぶりに構え、そのまま前に踏み出して肩から脚の方にかけて袈裟斬りにした。
「うおっ…!」
トリスタンは確かにナタリアの体を捉え、切り裂いたかに見えたが、その瞬間意識が遠のいた。
夢。ここは夢だ。裸になった自分を見ている。
自分はナタリアの上に圧し掛かり、ただただ男として自分より一回りも大きな肢体を支配し、征服している。
ナタリアを跪かせ、自分の思い通りにしている。そういう夢。
―そして目が覚めた。
そこはかつてカレイジャスが座っていた盗賊頭の椅子で、トリスタンは裸でそこに横たわっていた。
やがて、ナタリアが入ってくる。普通にローブを着て、杖を持っている。
「あたしは強い男が好き。だからあの大男も気に入った。でもあなたはもっと強い。そう、今日思ったの。
これはあなたがあたしに付けた傷… きっと、一生忘れない…」
ナタリアがローブを捲ると、臍の横のあたりに小指ほどの斜めに入った切り傷が付けられていた。きっと「バルログ」が斬ったのだ。
森のほうを振り返り、トリスタンに背を向けると、ナタリアは言った。
「あなたは今日、あたしから沢山のものを貰ったはずよ。だから明日からはきっと変わる。
そして…あたしも、あなたから沢山のものを貰ったわ。だから…変わるかもしれない。あたしもね」
その声は嬉しそうでもあり、悲しそうでもあった。
「そうか…あ、そうだ。純血、なんとかってのは…」
ナタリアが服をトリスタンに手渡しながら言った。
「きっとそれは王都にでも行けばいずれ分かるわ。あたしは歴史を残したのだから。勉強なさい」
頭をツン、と叩いた。そして、
「ここでお別れになるわね。トリスタン、早いとこ街に戻らないと。凄く嫌な予感がするの
服を着ると、明らかにそれがきつくなっているのが分かった。先ほど何かあったのは確かなのだ。
恐らく、トリスタンの肉体が何らかの形で大きくなっている。
ナタリアの実験台になったのか、それとも運命なのか、それは彼の口からは聞くことができなかった。
「俺はこれと…あとはこれだけあれば。良いかな?ナタリア」
トリスタンはカレイジャスの短剣の中でも一番豪華な装飾のあるものと、ナタリアのフードに付いた紫色の宝石を指さした。
「……あなた、欲がないのね。いいわ、持っていきなさい。では、早く」
「あぁ、分かった。怖かったけど、良い経験だったよ。ナタリア」
そしてトリスタンは「バルログ」を腰に挿すと、アジトを出た。
「トリスタン」 「え、どうしたの?」
ナタリアにもう一度呼びとめられる。
「男ってみんなスケベね」
そのままトリスタンは森を降りていった。
この出来事もまた、後に世界を揺るがす大きな流れを作ることとなった。

29:GM ◆zTA3Hlbo9w
16/06/14 17:00:57.74 7Os9Y9ob.net

ロブソン村へ続く道を歩いていると、村が燃えていた。
「何があった?!」
トリスタンは駆け出す。徐々に近づく金属音。どこかの軍隊がやってきているようだ。
ドラゴンでも出て、それを止めるために来たのか?
すると、粉屋のおやじが村の入口に向かっているところだった。それを鎧を着た兵士が斬り捨てる。
「助けてくれええ!!」
急いで飛び出そうとするも、トリスタンはそれに待ったをかけた。
ここで出たら殺される。そう自分が自分に伝えているのだ。冷静になって物陰に隠れる。
大勢の兵士たちの中から、一際大きな馬に乗った男が現れた。
年齢は40ほどだろうか。その長い顎髭は、一度見たら忘れられないものだ。
そして、全身から出る雰囲気は、まさにナタリアのそれに似ていた。
”純血種”その言葉がトリスタンの頭の中を駆け巡った。
略奪や破壊は一晩中続くかに見えた。
やがて嵐は過ぎ去り、朝が来ると静寂が訪れた。目が覚めたトリスタンは、そっと家の中に入った。

「母さん…!」
トリスタンの目に飛び込んだのは、すっかり焼け焦げた自宅から見つかった母親の首無し死体だった。
そして…
「パーシー…!」
妹は、明らかに乱暴をされ、殺されたようだった。目は未だに苦悶に満ち溢れている。
トリスタンは、その瞼をそっと閉じた。
「どういう…ことなんだ…!!」
まだ幼い弟のジュリアスはどこにもいない。やがて少数戻った村の中の生き残りに聞いてみたが、
依然として行方は分かることがなかった。
この日、ロブソン村の残りの住人たちは廃村を決意し、他の地域へと移っていった。
身寄りのなくなったトリスタンは、すっかりと意気消沈し、そのまま放浪の旅に出た。
母と妹の復讐をし、弟を見つけだし、自分の生きる目的を見出すために―

― そして、八年の月日が流れ、トリスタンはすっかり手錬れの冒険者となっていた。

【序章はここまで。ここからが本番!】
【トリスタンは「トリックスター」としての主人公となり、作中には他の主人公たちが登場します。】

30: ◆zTA3Hlbo9w
16/06/14 17:07:59.95 7Os9Y9ob.net
トリックスター(八年後のトリスタン)
名前:トリスタン・ロートネフィル
年齢:


31:23 性別:男 身長:178 体重:71 スリーサイズ: 種族:人間 職業:冒険者(自称:冒険屋) 特技:剣術 長所:やると決めたら最後までやり遂げる意志 短所:基本的に馬鹿で後のことを考えない・女たらし 武器:ロングソード「バルログ」(父から譲り受けたもので、さらに魔術師ナタリアによって強化されている) 防具:チェインメイル 所持品:一通りの冒険者道具、軽武器 趣味:人助け 最近気になること:「純血種」の根底について 将来の夢(目標):世界一優しい剣士になり、自分のギルドを作る キャラ解説:平民の家に育った男。父、母、妹を亡くし、弟が行方不明。 剣の腕がめっぽう強く、女たらしだが頭はいまいち。困っている人間がいると、どこからともなく現れる。 口ぐせは「俺は前にしか進めねえぜ」「男はみんなスケベなんだ」「人を助けることに理由があるのか?」 「どこからでも出てきてやるぜ」「俺は世界一の…!冒険屋さ…」



32:創る名無しに見る名無し
16/06/14 18:56:13.27 7oTlQy+g.net
ここからが真の始まりか…

33: ◆WfbCv0o1zE
16/06/15 21:51:17.07 Ryp0UKWG.net
名前: セルフィ
年齢: 結構いい歳の気がするが数えていない
性別: ―(形態としては残念体型の女性)
身長:160
体重:45
スリーサイズ:細身
種族: 天使
職業: 冒険者兼ギルドマスター
特技: 聖術
長所: 物知り
短所: だけどバカ
武器: 光の杖
防具: 光のローブ
所持品:ギルドによく分からないガラクタ(自称お宝)の数々が飾ってある
趣味: 人助け・お宝集め
最近気になること: 物騒な事件が増えてきたこと。
将来の夢(目標): 皆が笑って暮らせる平和な世界!
キャラ解説:
冒険者ギルド「アナザーヘヴン」のマスター。
といっても自ら冒険に繰り出すため、マスター業務は副マスターにまかせっきり。
中性的な少女のような外見も相まって「お前がギルドマスターだったんかい!」という反応をされるのがお約束である。
子どもっぽいかと思えば達観していたり、現実主義者かと思えばとんでもない夢想家だったり掴みどころのない性格。
【天使】
創世記に神が作りし二種類の”ヒト”―そのうち”人間”では無い方を”天使”と呼ぶ。
人間と比べ筋力には劣るが「聖術」と呼ばれる強力な光・聖属性の魔法のようなものを行使する。
普段はほぼ人間と同じ外見だが、魔法行使時等に非実体の光の翼が現れる。
【早速異種族を作ってしまいましたがよろしかったでしょうか。
どこの町のギルドかは決めていないので最初の舞台となる街にして頂いたらスムーズに入れると思います。
マスターは設定上よろしくないということでしたらただのギルドメンバーにしますしその他も不都合なところがありましたら改変可です〜】

34: ◆zTA3Hlbo9w
16/06/15 23:04:44.08 4q5nmJ7k.net
>>31
ありがとうございます。
キャラとして参加する、ということでよろしいでしょうか?
「天使」の設定も世界観に加えさせていただきます。
人間でも亜人でもない一種族という捕らえ方になりますが、「”神話”の中では重要な意味合いを持つ種族」、
という感じで適当に組み込んでいきます。
(もしキャラ参加されない場合でしたら、適当な場面でギルド設定含めて出して動かしていきます。)

35:創る名無しに見る名無し
16/06/15 23:11:53.07 Ryp0UKWG.net
>>32
よろしくお願いします!
キャラ参加させていただく所存ですが設定付加などは自由にやっちゃってください。
適宜合わせますので!

36:セルフィ ◆WfbCv0o1zE
16/06/15 23:14:06.47 Ryp0UKWG.net
色々入れ忘れた…
33は自分です。

37: ◆zTA3Hlbo9w
16/06/16 12:33:15.45 7Z/vGiCr.net
>>34
承知しました。
作品の属性上、一区切りが終わったら退場→NPC化ということになりますが、よろしくです。
FOルールは私の書き込みの後、丸3日間でFO扱いということでお願いします。

38: ◆zTA3Hlbo9w
16/06/17 16:29:17.47 4Ia/EzmN.net
名前:ヴァネッサ
年齢:14
性別:女
身長:158
体重:46
スリーサイズ:83-57-82
種族:人間
職業:冒険者見習い、兼酒場のウェイトレス
特技:ボウガン
長所:明るい、すばしっこい
短所:頭があまりよろしくない
武器:クロスボウ、ナイフ
防具:布装備および皮装備
所持品:簡単な冒険者道具
趣味:ダーツ
最近気になること:内乱の行方について
将来の夢(目標):金持ちになる
キャラ解説:孤独な少女。内乱の煽りを食って、街の酒場に居つく。
持ち前の明るさとハンパな器用さで渡り歩こうとしている。

「ふぁーあ」
ヴァネッサは酒場のテーブル席で目を覚ました。昨日の夜から寝てしまったらしい。
「いつまで寝てんだよ。もうすぐ昼だ。開店の時間だぜ?そろそろ客くっぞ」
副マスターのブッシュがヴァネッサのポニーテールを掴み引っ張る。
「いてて、別にマスターは怒ってないじゃんか!」
すぐ横を見ると、マスターのセルフィが、いつも通りに皿洗いを済ませ、ギルドの書類をチェックしているところだった。
「おう、いらっしゃい」
ブッシュが客を出迎える。武装したどこかの兵士たちのようだ。柄は良くない。「おーい、早速厨房に戻れ」
ヴァネッサは慌ててテーブルから離れる。「ったく、いつまで経ってもガキだな」
「そこまでガキじゃないんだけどな…」
そう言いながらヴァネッサが自分の体を見る。ただのボロ布を纏っていただけの彼女も、すっかり成長した胸や腰に押し上げられ、
それらしい体つきになっていた。最近では窮屈な体に嫌気がさしている。すばしっこいのが取り得だからだ。
料理が注文されると、ヴァネッサが運びにいく。
「よう、まぁ座りな」「え…?」
どうやら兵士の一人がヴァネッサを手招きし、自分の隣に座らせようとしているようだ。
「おう、座れってんだよネーチャ…」
無理やり座らせ、ヴァネッサの乳房をわしづかみにする。やがてもう一人の男も太股のあたりを触ってきた。
「やめろよ!」
ヴァネッサは男たちを突き飛ばし、怒鳴りつけた。
「乱暴する奴は、帰りな!」すかさずブッシュが割って入る。「まあまぁ、すみませんな、うちの娘が…」
しかし、男たちも黙ってはいない。
「おう、自分ら俺ら誰だと思ってんねん?」「マクドネル王国の兵士様やぞ!」
男たちが次々と絡む。一人は剣を抜こうという勢いだ。
「とりあえずまぁ、そこの嬢ちゃんと外で話がしたいねん。ちょっとええか?」
男の一人がヴァネッサの耳を引っ張り、無理やり外に連れ出そうとしたとき、
ガンッ! 男が勢いよく床に叩きつけられた。
「おう、誰じゃワレー…!」
「よう、俺だ… 俺はどこからでも出てくるぜ。困ってる子がいる限りはな」
チェインメイルにレザージャケット、いかにも変わり者、といった格好の男は名乗った。
「俺はトリスタン…冒険屋さ」

39: ◆zTA3Hlbo9w
16/06/17 16:55:45.38 4Ia/EzmN.net
二人いた男たちはすっかりトリスタンの素手でボコボコにされ、大人しくお縄となった。
現在の情勢は複雑だ。
マクドネル王国は八年ほど前、第一王女が突如として謎の不貞による子を身ごもったことで、
王国から追放されることになったが、王女を慕う一派が離反、そして領主であるモース地方のバルゲル公爵までもがこれに加担し、モース公国が独立し、すっかり国は二分された。
王女は男児ランスロットを産み、さらには国王マクレーン2世が自分の孫にあたる男児を密かに庇護しようとしたことで、第一王子フルトと


40:対立し、終結しそうだった内乱は拮抗してしまった。 これにより王国ではフルト派、モース公国という二つの異分子を抱えることとなり、フラウメキア帝国の介入はさらに熾烈なものとなりつつある。 よってあちこちで徴兵が行なわれ、兵たちの士気、モラルの低下が国内全体の問題となりつつある。 今いる連中のような、国の兵士であるというだけで狼藉を働く者も少なくない。 ここは弱小勢力であるモース領だ。いつ外敵が侵入してもおかしくはあるまい。 「で、ブッシュ、このまま三人だけで行くって、マジ?」 「仕方ねえだろ?もう時間切れなんだよ。それに店を閉める訳にもいかんからな」 ヴァネッサの言葉に、ブッシュが手を広げてお手上げのポーズをする。 「しかも、オレと、このおっさんと、セルフィで行けってこと?」 ヴァネッサがトリスタンとセルフィを指差し、呆れたような顔をした。 仕事の内容はギルドが募集していたが、誰も集まらなかった。 内容は、「バルゲル公爵の家族の引越しを護衛しろ」だ。期日は明日、引っ越しが無事に終わるまで。 トリスタンは何やら考えたような顔をしていたが、大きくため息をつき納得した。 「ま、妥当だろうな。三人で動いた方が何かとやりやすい。怪しまれずにも済む。 しかし、俺はともかく、あと二人がガキと女だってのは納得いかねえが、ま、報酬も良いようだし、やるぜ」 ガキと言われたことが気に障ったのか、ムッとしながら無愛想に言った。「オレはヴァネッサ。カッコつけて死ぬなよ?おっさん」 「俺はトリスタンだ。ま、始まったなら、もう前にしか進めねえぜ。さて、そっちの姉ちゃんは?」 トリスタンは、セルフィの方を見た。どう見てもマスターのブッシュに紹介された冒険者、という扱いの目で… 【さぁ、初めましょうか。では遠慮なく一気に進めてしまってください】



41:セルフィ ◆WfbCv0o1zE
16/06/17 20:18:57.97 0q6DfDk7.net
>「いつまで寝てんだよ。もうすぐ昼だ。開店の時間だぜ?そろそろ客くっぞ」
>「いてて、別にマスターは怒ってないじゃんか!」
近頃日常茶飯事となった二人のコント(?)。このギルドは今日も平常運転です。
さて、このギルド”アナザーヘヴン”―
酒場の店主感も歴戦の冒険者感も充分なブッシュが一見マスターに見えるが、実はそうではない。
「おはよう! よく眠れたかい? 今日も元気にいってみよう!」
そう応えたマスターと呼ばれた人物は、年齢不詳、性別不詳、敢えて言うなら若い女性が近いか。
少し高めの丸椅子に腰かけプラプラ揺らしている肢と書類をめくる慣れた手つきがアンバランスさを醸し出す。
一見親しみやすさしかないのによく見ると実は恐ろしく整った顔をしている。
少しはねたセミショートの髪は、ありがちな例えではあるが太陽の光のような、という言葉がぴったりの色。
予備知識のある者なら彼(女)が”ヒト”ではあるが”人間”ではないと勘付くかもしれない。
書類をめくりながら掲示板をちらと見る。
【要人のお引越し! 破格の報酬!
無事に到着した暁には新居でお礼の宴……があるかも。
興味を持った方はマスターまで!】
「ん、そういえば出発日今日じゃん。
困ったなあ、ボクが出るとしてもあと一人はなんとか……。
二人とも、会員が来たら片っ端から勧誘たのむよ」
お手製のチラシも空しく現時点での立候補者はヴァネッサ一人。
>「おう、いらっしゃい」
本日最初の客は、見るからに早くお帰り頂きたいタイプの客であった。
本人に自覚があるのか無いのか、ヴァネッサは14歳にして末恐ろしい程のグラマー体型。
良からぬ輩にちょっかいを出されることも往々にしてある。
性を持たぬ種族であるセルフィにはその辺りの機微は分からないものの、ヴァネッサが嫌がっている事はよく分かる。
>「とりあえずまぁ、そこの嬢ちゃんと外で話がしたいねん。ちょっとええか?」
ここに来て今まで静観していたセルフィが立ち上がる。
「待ってください。話は雇い主である私が伺います」
普段ならここから「はぁ!?お前が雇い主!?ふざけんなよガキが!」やら云々かんぬんはじまるところだが……
セルフィの言葉に反応する間もなく男たちは突如現れた新しい客によって床にたたきつけられた。
>「おう、誰じゃワレー…!」
>「よう、俺だ… 俺はどこからでも出てくるぜ。困ってる子がいる限りはな」
「ああ、俺さんかぁ、……って誰!?」
>「俺はトリスタン…冒険屋さ」
この出会いは、歴史を変える―のか?

42:セルフィ ◆WfbCv0o1zE
16/06/17 20:23:10.58 0q6DfDk7.net
―こうして、時間は少し流れる。
>「で、ブッシュ、このまま三人だけで行くって、マジ?」
三人。そう、三人だ。
突如現れトリスタンと名乗った謎の男に、駄目元で依頼を受ける人数が足りなくて困っていると言ってみたところ、すすんで引き受けてくれたのだ。
しかも先ほどの動きを見る限りかなりの手練れ。状況は見た目ほど悪くないと言えるだろう。
それはそうとこのトリスタン、ヴァネッサにはおっさんと呼ばれているもののどう見てもまだ20代の青年である。
嗚呼10代って怖い物知らずだわ、と思うセルフィであった。
>「俺はトリスタンだ。ま、始まったなら、もう前にしか進めねえぜ。さて、そっちの姉ちゃんは?」
待ってました、とばかりに自己紹介をするセルフィ。
「ボクはセルフィ、このギルドのマスターさ! 特技は光系の魔法みたいなのを少々。
そしてこのヴァネッサ、確かにまだ若いけど素質はなかなかのものだ。
冒険者としての方向性はレンジャーに近い。今回の護衛みたいな任務は適任と言えるだろう」
こうして即席のパーティーが結成され―またしても時間は少し流れる。
内乱の最中のお引っ越し、ということは必然的にお忍びの旅になるわけで……
一行はひたすら悪路を突き進んでいた。
「どーしてわざわざこんな道を通るんだよ!」
「ふははっ、そりゃ堂々と広い道を通ったら敵勢力の刺客とか暗殺者とか襲撃が来るかもしれないじゃないか!」
「分かってるよンなこと!」
こんな感じで掛け合いをやっているぐらいだから、まだ元気なのだろう。
そんな中、ヴァネッサがぴたっと足を止めた。
「気をつけろ……何か来る!」
「出た、ヴァネッさんお得意の危険感知! ちなみに的中率は……五分五分!」
二人は以前にも何度か組んだことがあるのだろう。
ヴァネッサの警告に対し、セルフィは真面目に相手をするべきかどうか迷うなんとも微妙な的中率を提示するのであった。

43:創る名無しに見る名無し
16/06/19 22:36:16.29 CrKTfsFh.net
誘う鳥が一つの形
よそう夜に一つの国
URLリンク(taropunko.blog.fc2.com)

44: ◆zTA3Hlbo9w
16/06/20 17:25:57.86 CeCXiw0o.net
「気をつけろ…何か来る!」
ヴァネッサが警告の合図を送る。
護衛しているのは馬車、しかも調度森がちになってきた街道でのことだ。
明らかに戦闘には不向きな御者と先ほど少し会話をしただけで、トリスタンは特に何も気にしてはいなかった。
トリスタンとはそういう男なのだ。
「あぁ…こりゃ確かに”何か”だ。しかも十人はいるぜ」
「よう、ご貴族一行様。馬車の中身を置いていけ。引き渡せば命は保障する。お前らも含めてな」
どう見ても山賊、といった服装の男が数人、取り囲むようにして弓を構えた。
トリスタンはセルフィ、ヴァネッサを後ろに下がるよう合図をし、一歩前に出て「バルログ」を構えた。
「まぁ待て。その前にこっちも必用なモンがある。お前らの目的と雇い主の名前を教えてもらおうか」
「問答無用…だ」
「だろうな」
すぐに戦闘が始まった。まだ森の方にいるだろう敵は差し置き、両側から来て剣を振るう敵をいなし、そのまま脇腹を切り裂く。
一人がすぐに腸を散らしながら絶命し、早くも敵は目測が狂っていたことに気付いた。すぐに矢による攻撃に切り替わる。
ヴァネッサがここぞとばかりに前に出た。
「トリスタン!オレも戦う!前は二人でやろう」「馬鹿!下がってろ」
飛来する複数の矢をマントで回避しながら、トリスタンはヴァネッサの方を一瞥した。
「ぐっ…」
ヴァネッサは矢で脚を射抜かれ、それでも前に出ようとした。
「大丈夫か、クソっ、セルフィ、こいつを守りながら一緒に前を頼む。御者のおっさんも手伝ってくれ」
「お前、人を殺したことはあるのか?」トリスタンがヴァネッサに尋ねる。
「いや…そんなことある訳が…」「じゃあ下がってろ。戦場では殺せねえ奴ぁ死ぬだけだ」
ヒィィ、と呻く御者は、馬車の方に下がり、中の賓客を外に出るように促す。戦力は期待できなさそうだ。
そして、次に飛び込んできた敵の首筋を掻き斬る。セルフィの方も持ちこたえているようだ。
しかし敵の方にも動きがあった。
バリバリという音とともに森の方向から何かが飛び、トリスタンは焼けるような痛みとともに弾かれ、痺れによって大きく仰け反った。
「魔法…! 敵に魔法遣いがいるぞ…!」
そして、敵がさらにぞろぞろと現れ、槍による攻撃がトリスタンを襲う。
トリスタンはそれを受け流すと、脇腹に一撃をかまそうとする。しかし…
ガキィィン・・・!
魔法の力で槍自体は折れたものの、敵の脇腹への攻撃はかすり傷に終わった。
敵がプレートアーマーを着込んでいたためだ。
「この装備は…正規兵…?!」
すぐさま敵が腰の剣を抜き、トリスタンの動きに合わせて後ろに下がり、剣を構える。
重装歩兵と魔法兵による複合攻撃、それも未だに魔法兵の姿は見えない。
どこかに潜伏し、こちらを捉えているのだろう。

45: ◆zTA3Hlbo9w
16/06/20 17:27:43.19 CeCXiw0o.net
「さぁ、逃げるのだ!」
中年の男と女、まだ幼い少年、少女が馬車の近くで御者によって護衛されていた。
そこにアーマー兵が弓を構え、矢を放つ。
「さぁ殺せ。バルゲル公爵の長男以外は好きにしろって話だ。適当にやりゃ死なんだろ」
どうやら男はバルゲルの息子らしい。どう見ても武術の心得はない。死にに現れたようなものだ。
「ちょっと待ちな」
中から鎧を着込んだがっしりした体型の男が現れた。なんとそれはブッシュだった。
公爵の家族に攻撃を剣で攻撃を仕掛ける敵を斧でぶった切ると、早くも形成は逆転した。
「ブッシュ!」「お前は下がってろ、ヴァネッサ!」
「そうだ、お前はこれから女盛りなんだから、これ以上傷を増やされても困る」
「な…分かった!」ヴァネッサは顔を赤らめながらも下がり、後方支援に回った。
ブッシュが先陣を切り、その後ろからトリスタンが駆け出す。敵は次々と斬られていった。
前方の安全を確保したトリスタンは勢いを付けると敵アーマー兵の槍を、そのまま甲冑ごと叩き斬った。
激しい音とともに「バルログ」が敵に食い込み、そのまま崩れた鉄から大量の血飛沫を上げさせ絶命させる。
たまに矢傷や魔法傷などを受けながらも果敢に切り込む二人に、敵はすっかり消耗し、怯んだ。
ヴァネッサは脚を怪我しながらも、バルゲル一族の護衛に向かっている。後方とはいえ、充分危険だ。
敵の司令官らしき初老のローブの男が前に出てきた。
「おのれ…!こいつら予想以上に強い…30人の兵を相手にたった4人で…だと?」
「そんなにいるのか…!だが、ここで止まる訳にもいかねぇぜ…!」
合計で10人は殺ったはずだ。しかし敵は死者を出し、相当に怯んでいる。バルゲルの長男もおそるおそる剣を抜きはじめた。
「”アイツ”はどうした?まだ来ないのか?」「そろそろ来るかと…しかし、”アイツ”を使うのですか?」
「あぁ、今のうちに鍛えておけば国で一番の戦士になるぞ、”アレ”は…」
「まさか、”アレ”がここに来るってのか…?」ブッシュがつぶやいた。
「”アレ”って何よ?」
「―ジュリアス…そう言われているガキだ。11歳にして100人を斬ったらしい、バケモノさ」
「ジュリアス…!!!」
弟の名前を聞き、トリスタンは驚愕した。その途端、止んでいた魔法の攻撃が再び始まった。
「セルフィ、敵の位置は掴めないのか?」
状況はこちらがだいぶ押されている。バルゲル息子一家の命もそろそろ危ないだろう。満身創痍のブッシュが、セルフィの方を向いて叫んだ。

46:セルフィ ◆WfbCv0o1zE
16/06/21 01:46:25.51 pT7BJBGT.net
>「あぁ…こりゃ確かに”何か”だ。しかも十人はいるぜ」
「準備万端でお出迎え……ってところか、どこかから情報が漏れたのかな」
ヴァネッサの危険感知は生憎当たってしまったようだ。しかも十”匹”ならまだしも十"人”ときた。
というのもセルフィのギルドが請け負う依頼は暗殺や抗争といった過激なものはなく、護衛や遺跡探索や魔物退治の類。
普段基本的に魔物との戦闘を想定しているため、本格的な対人戦闘は不得手―まだ経験が浅いヴァネッサは特に。
>「大丈夫か、クソっ、セルフィ、こいつを守りながら一緒に前を頼む。御者のおっさんも手伝ってくれ」
トリスタンに諌められ、不承不承ながらも後ろに下がるヴァネッサ。代わりにセルフィが前へ。
とはいっても、何を隠そう、本来セルフィは純然たる後衛職。
肉弾戦においてはヴァネッサどころかその辺の人以上にド素人なのだが……。
「ヴァネッサ、弓で援護を! どさくさに紛れてボクを撃つのはシャレにならないからやめてね!」
そう言いながら光り輝く宝石があしらわれた杖を一振りすると、放射状に光弾が発射され、襲い掛かってきた敵を打ち抜く。
そう、接近される前に問答無用で吹っ飛ばせば何ら問題はないのだ。
その攻撃を掻いくぐって襲い掛かろうとする輩を、ヴァネッサの矢が足止めする。
普通なら乱戦の中に弓矢を撃ちこむのは常識外れだが、百発百中の腕前の持ち主ならそれが可能となるのだ。
そうこうしているうちに敵にどんどん新手が現れる。
「魔法兵に重装歩兵か、どう見てもただの過激派じゃないようだね」

47:セルフィ ◆WfbCv0o1zE
16/06/21 01:49:10.88 pT7BJBGT.net
いよいよ追い詰められてきたところでブッシュが登場し、なんとか盛り返す。
当初は店番をしておくつもりだったはずだが、虫の知らせを受けたのか―
尚、アナザーヘヴンはこんな感じで臨時休業が多い事で有名だったりする。
そして司令官らしき人が出てきて意味ありげな事を言い始めた。
「千人斬りのジュリアス……脅威のストライクゾーンを誇り老若男女問わずメッタ斬りにしてきたという生ける伝説……!
それが、ここに来るだとォおおおおお!?」
別に間違ってはいないが甚だ誤解を招く言い回しで恐怖を表現する。
そんなことをしている間に再び敵の魔法攻撃が再開した。
>「セルフィ、敵の位置は掴めないのか?」
「それさっきから考えてたんだけど魔法が飛んでくる方向が一つじゃない。
それに遠くに隠れてるにしては重装歩兵と連携が取れ過ぎてる。もしかして、だけど……」
光の杖を高々と掲げ、呪文を詠唱する。
「”聖ナル光ノ下ニ、真実ハ暴カレル”―Holy Light」
一瞬、聖術の光が辺り一帯を照らした。次の瞬間、魔法兵達が姿を現す。
彼らは森の中に隠れているわけではなく、混戦の間近に普通に控えていたのだ。
「当ったり! 姿隠しの魔法―そりゃ思いがけぬ方向からの不意打ちも楽勝ってわけだ」
「あれ?もしかして見えてる!?」「おいやべえぞ!」「この魔法が解けるなんて!」
安全な場所からいきなり最前線に放り出されたも同然の魔法兵達は大慌てである。
そこに容赦なく光弾を撃ちこむ。
「蹴散らすなら今のうちィ!」「ぐぎゃぁああああああああ!」
阿鼻叫喚(敵の)が響き渡る。

48: ◆zTA3Hlbo9w
16/06/21 15:25:08.72 lPwVGPqo.net
セルフィの呪文が放たれると、魔法兵が森の手前側に突然現れた。
「おわっ…! そこにいたか! セルフィ、ナイス!」
セルフィの光弾が魔法兵たちを打ち、さらに残りはトリスタンの投げナイフによって次々討ち取られていった。
「おのれ…おのれおのれおのれ…!!」
敵の指揮官はまさかの事態に慌てている。トリスタンとブッシュは傷つきながらも妨害を免れて敵を押し返しつつある。
次々に敵の屍が積み重ねられた。既に傭兵と思われる軽装の兵たちは逃げるか殺されるかして残っていない。しかしだった。
「おい、こいつの命がどうなっても良いのかよぉ…!」 「ヴァネッサ!」
盗賊風の男の一人がヴァネッサを羽交い絞めにしてぎりぎりとナイフを近付ける。首にそれが食い込み、血筋が垂れる。
焦るブッシュだったが、トリスタンはすかさず投げナイフを敵の脇腹へと突き刺した。
「グェェ…!!」
よろめくヴァネッサに後ろからトリスタンは声をかけた。一言だけ。「さぁ、そいつを殺せ、ヴァネッサ。ガキは卒業だ」
ヴァネッサは意識も朦朧とする中、冷静になり、ナイフを倒れた敵の首へと突き立てた。ギャァァという呻き声とともに男は絶命する。
生ぬるい血液がヴァネッサの手を伝う。人を初めて殺した瞬間に、彼女はすっかり頭を奪われていた。
「おい、一人殺ったぐらいでひるんでんじゃねえ。さっさとご家族様の護衛に入ってくれ」
ヴァネッサが下がって再びトリスタンが向き合った時だった。
ドシャアア! という轟音とともに、正面の森のあたりで、突然火柱が上がったと思えば、悲鳴が聞こえてきた。敵の兵のようだ。
それはまだ少年だった。大きな剣に敵兵のものと思われる兜付きの首をぶら下げており、こちらに向かってくる。
「敵は…どこにいるんだ? 俺が…殺してやる」
名前:ジュリアス(ジュリアス・ロートネフィル)
年齢:11
性別:男
身長:163
体重:55
スリーサイズ:
種族:人間?
職業:傭兵(狂戦士)
特技:剣技(遠距離・範囲含む)
長所:並外れた速度、剣技と魔力
短所:残虐。まだ頭は子供である部分が多く、暴走しやすい
武器:大剣(ドラゴンキラーと呼ばれている)
防具:上半身、下半身の一部だけを重点的に覆う軽装備
所持品:簡単な冒険者道具
趣味:人殺し
最近気になること:自分の村を焼き払った敵について、兄について
将来の夢(目標):母と姉の仇討ちをし、兄と村を崩壊させた敵を滅ぼす。
キャラ解説:トリスタンの父が死んだ際、同時に襲われた母が身ごもって生まれたトリスタンの弟。
村を空けて母と姉を見殺しにした(と思いこんでいる)兄のトリスタンを憎んでいる。
ロブレス村崩壊の際、たった3歳にして村を脱出し、そこからは傭兵団に拾われてめきめきと力を現す。
まさに歩く殺人鬼と化している。非常に能力に優れ、「純血種」の血を引いている可能性が高い。


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