クロスオーバー創作ス ..
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2:創る名無しに見る名無し
10/09/04 20:22:31 iVfTRyAH.net
移転前のスレが落ちていたのでスレ立てしました。
スレタイトルがちょっと間違えてしまいましたね
すみません

3:創る名無しに見る名無し
10/09/06 12:27:10 Zu5kU7+U.net
>>1乙!

4:創る名無しに見る名無し
10/09/12 08:57:15 OSFgtAWM.net
保守age

5:創る名無しに見る名無し
10/09/12 13:46:18 EgbO+b7b.net
保守

6:創る名無しに見る名無し
10/09/12 23:24:34 Ae2GS5GS.net
ほしゅ

7:創る名無しに見る名無し
10/09/14 00:32:06 MvxA6oTf.net
聖お兄さんのイエスとHELLSINGのアンデルセンが出会ったらどうなるんだろうね

8:創る名無しに見る名無し
10/09/18 12:50:57 NeIZui1R.net
hosyu

9:創る名無しに見る名無し
10/09/18 19:23:00 qqV1+jcW.net
hoshu

10:創る名無しに見る名無し
10/09/19 14:37:06 +hejI/mE.net
hoshu

11:創る名無しに見る名無し
10/09/21 22:16:33 apUEAwTq.net
ホシュ

12:
10/09/21 22:24:09 apUEAwTq.net
以前、このスレに投稿していた◆jPpg5.obl6です。
せっかく、新サーバーでスレが立ったので投下させていただきます。

今回は、以前◆ht8000sikさんが書かれていた<仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録>を
自分なりに書いてみました。
オリジナル設定が多々ありますが、それでもよろしい方はお目汚しにどうぞ。

ちなみに、時間軸としてはウェザー撃破〜劇場版の間とお考えください。

13:仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録
10/09/21 22:30:28 apUEAwTq.net
とあるマンションの一室。
<上条>という表札がかかった部屋の一室で禁書(インデックス)は悪夢にうなされていた。
「・・・とうま・・・とうま・・・。」

「とうま!」
混沌とした暗黒の世界。
その中では、禁書を世話している上条 当麻が、ボロボロになりながらも何者かと戦っていた。
自身の右手に潜む能力<幻想殺し(イマジンブレイカ―)>を武器にその何者に攻撃を仕掛けようとする上条であったが、
敵の持つ超高速移動に対応出来ず、そのままサンドバックと化していた。
「とうま、逃げるんだよ!」
叫ぶ禁書。
だが、その言葉は上条に届くことはなく、彼はついに力尽きてしまった。
傷だらけになった状態で倒れこむ上条のもとへ禁書が駆け付ける。
「とうま!お願い・・・しっかりして!!」
禁書は一生懸命に呼びかけるが、上条からの反応は一切無かった。

そんな禁書のもとへ、上条が相手をしていた影がゆっくりと現れた。
相手を見る禁書。
彼女の眼には、大きな刀のような武器を持つ、青い装甲に包まれた何者かが映りこむ。
そして、何者かは言い放った。
「絶望が・・・お前のゴールだ。」
自身の武器を振りかざす何者か。
その武器は禁書へ、そして当麻へと振り下ろされるのであった。

14:仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録
10/09/21 22:36:10 apUEAwTq.net
「・・・ぅわぁあああああっ!!」
勢いよく飛び起きる禁書。
彼女が着ていた、カエルの着ぐるみパジャマは尋常じゃない汗でぐっしょりとなっていた。
「・・・!とうま!とうま!!」
突然、彼女はベッドから飛び降りると、床で寝袋を敷いて寝ている上条へ大声で叫ぶ。
「とうま!とうま!!とーおーまーぁっ!!!」
「・・・おい・・・なんだよ・・・禁書・・・。」
「とうま!生きてるんだね?!」
「・・・まだ5時じゃねぇか・・・明日は・・・というか今日は土曜なんだから・・・遅くまで寝かせてくれよ・・・。」
「生きてるよね?生きてるよね?!」
「・・・お前の所業で死にそうだよ・・・。」
そう言って、上条は再び寝てしまった。

15:仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録
10/09/21 22:43:59 apUEAwTq.net
「ボディガード?」
「そうだよ。今日一日、私がとうまのボディガードになってあげるんだよ!
 だから、感謝するんだよ!!」
上条の言葉に禁書が答える。
一方の上条は大きめのフライパンを振り回しながら、ご飯を炒めていた。
「・・・ったく、3時間前に禁書の夢で叩き起こされるわ、
 今度は『ボディガードになりたい』と言いだすわ、
 終いには『感謝しろ』と言いだすわ・・・どうしたんだよ、いったい。」
「どうもこうも無いんだよ!」
上条の後ろでプンスカ怒る禁書。
それに対し、上条はその様子に目を向けること無く山盛りのドライカレーを完成させると、
一杯を自分の皿へ、残りのドライカレーをフライパンごと禁書に出すのであった。
「とりあえず、これ食って落ち着・・・って、もう食い始めてるか。」
無言で食べ始めた禁書を後目に、上条は自分の分の朝食をさっさと済ませると、
簡単な身支度をし始めるのであった。
「・・・あれ?とうま、どこかに出かけるの?」
「ああ、ビリビリと映画の約束しちまったからな。」
上条の様子にようやく気付いた禁書が、靴を履こうとしている彼に言う。
「映画?」
「ああ。えぇっと・・・『ジェシカの彷徨と恍惚・傷だらけの乙女は何故西へ向かったのか:漂流編』
 ・・・って随分とタイトルの長い映画だこと。」
ポケットに突っ込んであった前売り券を見ながら上条が言う。
「・・・あ、ちょっと待って!」
突然、声をあげる禁書。
その数秒後、彼のもとへ不思議な格好をした禁書が現れた。
「・・・おい。なんだよ、鍋なんか頭に被って・・・。」
「だって、今日はとうまのボディガードなんだよ!だから多少は武装しないと!」
そう言って、右手のオタマを振りかざす。
「お前な・・・そんなフザケた格好で連れて行けるワケ無いだろ。」
「心配ご無用なんだよ!だから、安心するんだよ!!」
自信満々に言う禁書。
それに対し、上条は何かを考え付いたのか、禁書の頭をさするのであった。
「・・・じゃあ、俺の提示した条件を守ったら、ボディガードとして連れてってやる。」
「ホント?!その条件って何、ナニ?!」
「・・・服を着ろ。」
「・・・え?」
そう言って、自身の格好を見る禁書。
先ほどまで彼女の体は修道服に包まれていた・・・はずだったが、
先ほど上条が禁書の頭を撫でた際に彼の持つ<幻想殺し>が発動、
それによって彼女の服はバラバラの布の塊と化したのであった。
「な・・・な・・・な・・・とおまぁっ?!?!」
玄関で裸体を晒しながら、大声をあげる禁書。
だが、上条は禁書が取り乱しているうちにさっさと外へ出掛けてしまったのであった。
---------------------------------------------------------------------------------------------
OP:URLリンク(www.youtube.com)

16:仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録
10/09/21 22:52:00 apUEAwTq.net
「・・・それにしてもビリビリの奴、随分と待たせるな。」
学園都市と呼ばれる巨大空間、その中の一画にある映画館の前で上条はひとり立っていた。
「どうせ、またヤンキーかなんかに絡まれて、そいつらをボコって遅刻・・・ってのが関の山だろうな。
 別にやっても文句は無いが、さすがに時間は守って欲しいよ・・・ったく。」
愚痴りつつ、映画館のネオンを何の気無しに見る。
「それにしても・・・。」
上条はふと思い返していた。

それは今朝、朝食の製作にかかる前の出来事だった。

「『青の通り魔』が俺を襲っただって?」
今朝見た悪夢の内容を説明する禁書に対し、上条が聞く。
「そうなんだよ、とうま!夢の中に『青の通り魔』が出たんだよ!それに・・・とうまが・・・。」
禁書は悲しそうな顔をしてうつむく。

『青の通り魔』・・・。
それは、数週間前から学園都市に出没するようになったという、
学園都市に住む人々の命を狙って暗躍する謎の犯罪者の通称であった。
その存在はまったくの謎に包まれており、唯一分かっているのは風のごとく被害者の前に現われ、
そして被害者をサンドバックのように何十発も殴って殺害するという残忍かつ奇怪な犯行手段をとるということであった。
これまでに20人もの屈強な男が被害に遭っているのだが、唯一ひとりの男性が奇跡的に生存したことがあった。
のちに、その被害者は搬送先の病院で息を引き取ったのだが、死ぬ前に彼はこう言ったという。
「青い・・・悪魔だ・・・。」

「『青い通り魔』・・・か。それにしても、禁書は随分と物騒な夢を見てくれたもんだよ。」
つぶやく上条。
その時、彼の頭に禁書の言葉がフラッシュバックする。

『それに・・・とうまが・・・。』

禁書の悲しげな言葉、そして寂しげな顔。
今思えば、夢だったとは言え、禁書は精いっぱいに自分のことを心配していた。
なのに、自分はそんな気持ちを理解せず、それどころか邪魔扱いしてしまった。

「・・・禁書に悪いことしっちまったな。」
ポツリと言う上条。
「・・・しょうがない。映画が終わったらアイツにケーキでも・・・。」

17:仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録
10/09/21 23:00:37 apUEAwTq.net
上条が言いかけたその時だった。

遠くの方から聞こえてくる爆発のような音。
その直後、映画館のネオンが・・・いや、ネオン以外にも電灯や自動販売機といった機械が次々とストップするのであった。
「・・・まさか!!」
爆発音の聞こえた方向の空を見る上条。
目線の先には、彼の予想通り、地面から雷のような雷撃が無数に発生していた。
「ビリビリの奴、また何かしでかしやがったな!」
そう叫ぶと、上条は雷撃の方向へ全速力で走りだした。

一方、雷撃の中心地にふたりの姿があった。
そのうちのひとり、青い装甲に包まれた男が言う。
「貴様、いつまで抵抗するつもりだ!!」
「そっちこそ・・・女の子だからってなめるんじゃないわよ!」
一方、もうひとりの存在・・・学校の制服を身にまとった少女も負けじと答える。
「こういうセリフは本来、黒子が言うべきだけど・・・『ジャッジメントですの』だ!覚悟しなさい、『青の通り魔』!!」
「『青の通り魔』だと?勘違いも甚だにしろ、『ドーパント』め!!」
そう言うと、青い装甲の男は右手に持つ大きな剣にUSBメモリ状の何かを挿入し、剣の引き金を引いた。

ENGINE!!ELECTRIC!

響き渡る音声。
すると、青い装甲の男は刀をライフルのように構え、彼女に向かって数発の光弾を発射した。
「おっと!」
飛んでくる光弾に対し、回転して避ける女性。
そして立ち上がり、スカートのホコリを払いながら、ポケットから数枚のコインを取り出した。
「それがあなたの能力?」
「ん・・・?」
「教えてあげる、光線技っていうのはね・・・こうするんだよっ!!」
少女の指から弾き飛ばされる数枚のコイン。
・・・と、次の瞬間、その軌道を追うかのように、
彼女の持つ能力<超電磁砲(レールガン)>によって発生した大量の電気エネルギーが指から放出された。
青い装甲の男を襲う光線。
そのうちの一本は男が持つ刀を吹き飛ばすのであった。
「なんてパワーだ!くそっ・・・人間態にやるのは気が引けるが・・・仕方がない!!」
そう言って、男は腰にある『バイクのハンドルを模したベルト』のクラッチレバーに手をかけた。

18:仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録
10/09/21 23:10:28 apUEAwTq.net
TRIAL!MAXIMUM DRIVE!!

音声が響き渡ると同時に、体を青白い炎で包み込む男。
そして、ベルトのアクセルを思いっきり引くと、空高く跳び上がり、キックの体勢に入った。
「甘い!」
一方の少女も、上空の男に向かって再び光線を放つ。
男を捕らえる光線・・・だったが、男の足先から発せられる多量のエネルギーによって光線は無効化されてしまうのであった。
「何っ?!」
驚く少女。
しかし、男はお構いなしに少女との距離をどんどん縮め、ついには彼女を捕らえた。

目前まで迫るキックに対し、思わず腕で顔を覆う少女。
そして目をつぶり、無駄な抵抗とは分かっていながらも、彼女は全身に力を込め、キックからのダメージを抑えようとする。
・・・だが、いつまで経っても、彼女へキックのダメージが来ることは無かった。
この状況を不思議に思ったのか、ゆっくりと目を開ける少女。
その目線の先には、彼女の前に立ち、男の放つキックを右手のみで阻止する者の姿があった。
「・・・上条 当麻!!」
一方の男も叫ぶ。
「・・・!お前、上条じゃないか!!」
着地する男。
その直後、上条は右腕を押さえながら、膝をついてしまった。
少女が上条のもとへ行く。
一方の男もベルトを外し人間の姿に戻ると、彼女同様に上条のもとへ駆けつけた。
「上条!・・・腕が折れているのか?」
「しっかりして!!」
「・・・おい、女!この近くに病院はあるか?!」
「・・・え・・・病院?」
「早く答えろ!」
「・・・え・・・あ・・・ここから5kmほど直進した所です。」
男の表情に対し、思わず敬語で話す少女。
「近くか・・・よし!」
そう言うと、男は再びベルトを腰に付け、赤いUSBメモリ状の物=ガイアメモリを構えた。
「変っ・・・身っ!!」

ACCEL!!

ガイアウィスパーとともに発せられた赤い装甲が男を包み込む。
そして、男は赤き装甲の戦士に変身すると、上条を背負い、なんと自らの体をバイクに変形させるのであった。
エンジンを噴かせ、発進体勢に入る男。

19:仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録
10/09/21 23:16:24 apUEAwTq.net
この状況にポカンとする少女であったが、突然ハッとし叫ぶ。
「ちょっと、あんた何者なのよ!私に襲いかかるわ、コイツを助けるわ、青くなるわ、赤くなるわ・・・。」
「俺に質問するな。」
「・・・へっ?」
「だが、答えてやっても構わない。答えが聞きたかったら、俺についてくるんだ。」
そう言って、男は猛スピードでその場を後にした。
「え・・・あ・・・ちょっと・・・。」
呆然とする少女。

その時、何者かが彼女の肩をトントンと叩く。
「・・・ん?うおぅっ?!」
驚く少女。
その先には、戦車のような形をしたロボット=ガンナーAがいた。
「な・・・何なのよ、あんた!!」
叫ぶ少女。
それに対し、ガンナーAはマニピュレーターを動かし、彼女と自身の背中を交互に指していた。
「・・・乗れってこと?」
彼女の答えに対し、嬉しそうに首を縦に振るガンナーA。
「・・・まあ・・・とりあえず。」
そう言って、ガンナーAの背面にある、足の掛けられそうな場所に足を置く少女。
そして、ガンナーAも彼女の搭乗を確認すると、先ほどの男を追うかのように猛スピートで発進するのであった。
----------------------------------------------------------------------------------------------
Aパートはここまでです。
ここまで私の駄文にお付き合いいただき、ありがとうございます。

Bパートは間を空けて投下しますので、よろしければもう少しの間、私の駄文にお付き合いください。

20:とある魔術の禁書目録
10/09/22 00:32:21 KPJvgWo7.net
それではBパートを投下します。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
数分後、少女とガンナーAは病院に到着した。
駆け足で病院に入ろうとする少女であったが、ガンナーAも一緒に入ろうとしていたため、
ガンナーAの前に立ち塞がる。
「えぇっと・・・君はホラ・・・あの・・・駐車場で待ってて・・・ね?」
少女の言葉を聞き、少々悲しげな顔をしながら駐車場へ移動するガンナーA。
一方、彼女はそれを見届けると、再び駆け足で病院の受付へと移動した。
「すみません!先ほど入ってきた、腕を怪我した『髪の毛トゲトゲ男』と・・・あと!赤い『バイク男』を見ませんでした?!」
「おい、『バイク男』って呼び名は感心しないな。」
「え?」
振り向く少女。
そこには、先ほどバイクへの変形を披露した男が変身を解除した状態で立っていた。
「あ・・・あ・・・あ・・・バイクおとこぉっ!!」
「黙れ。病院内は静かにしろ。」
そう言って、男は病院に貼られた『院内ではお静かに』と書かれたチラシを指差す。
「あ、ごめんなさい・・・じゃなくて、あんた何者なのよ!」
再び大声をあげる少女。
「・・・名乗ったら静かにしてくれるか?」
「え・・・あ・・・はい。」
「照井 竜、風都警察:超常犯罪捜査課の課長だ。」
そう言って、照井 竜は警察手帳を少女へと見せた。
「風都・・・警察・・・?」
「・・・そうだ。おい、お前。」
「な・・・何よ?」
「名前と住所・・・あと、お前が持っているガイアメモリの名前を言え。」
「ガイアメモリ?」
「そうだ。さっきの戦いから察するに『サンダー』とか『ビーム』とか・・・あとは『エナジー』ってとこか?」
「・・・もしかして、私の『超電磁砲(レールガン)』のことを言ってるの?」
「そうだ。あんな攻撃性のある能力を持った少女がどこにいる。そんな所業をやってのけるのはドーパントぐらいだろう。」
「ど・・・どーぱ?」

21:とある魔術の禁書目録
10/09/22 00:41:39 KPJvgWo7.net
「照井さん、ビリビリはドーパントじゃありません。」
その時、照井の後ろから聞こえてくる声。
その声の主は、腕に包帯を巻いた状態で診察室から出てきた上条であった。
「どういうことだ?」
「俺たち学園都市に住む人間は、能力開発によって多種多様な特殊能力を開花させているんです。
 俺の<幻想殺し>しかり、ビリビリの<超電磁砲>しかり・・・。」
「まるで『ハリーポッター』みたいな話だな。」
「確かに、学園都市以外の人から見ればそうかもしれませんがね。
 それにしても・・・どうして風都にいるはずの照井さんが学園都市に?」
「ああ、実は・・・。」
「ちょっと、ストップ!」
話そうとする照井の前に少女が立ち塞がる。
「何だ、ビリビリ?」
照井が言う。
「アンタまで『ビリビリ』って言うな!私にはね、御坂 美琴って名前があるんだから!!」
「・・・で、要件は何だ?」
「えぇっと・・・照井刑事だっけ?何でそんなにコイツと親しげなのよ?!」
「ビリビリ、病院内では静かに・・・。」
「うっさい、バカ!!」
「・・・。」
「早く答えなさい!アンタとそこのバカとの関係は?!」
「さっきも言ったはずだ、俺に質問するな。」
「な・・・な・・・な・・・?!」
クールにあしらう照井によって、いつもは冷静な御坂が爆発寸前と化す。
「・・・ったく。ビリビリ、俺が説明してやるから聞け。」
この状況を見て、上条が口を開く。
「照井さんはな、中学時代に俺がよく行ってたカレー屋さんの店員だったんだよ。」
「・・・カレー屋?」
「ああ、何年か前まで学園都市にあった『恐竜や』って店だ。
 当時、俺はバイクの修理に必要なパーツがあって、一時期資金集めのためにそこでバイトをしていたんだ。」
照井も口を開く。
「バイク・・・。」
ポツリという御坂。
その言葉を照井は逃さなかった。
「ああ・・・お前の壊したディアブロッサのな。」
「壊した?」
「実はな・・・。」

22:とある魔術の禁書目録
10/09/22 00:54:27 KPJvgWo7.net
それは、少し前のこと。
学園都市に着いたばかりの照井は長い信号待ちに耐えきれず、暇つぶしにと周りをキョロキョロ見ていた時だった。
ふと目線に入る少女の姿。
それは御坂 美琴であり、彼女はなかなかお札を認識しないジュースの自動販売機と悪戦苦闘していた。
「このポンコツ!何度やったら認識するのよ!!」
いつもは冷静な彼女が怒りを露わにし、そして自販機を蹴りながら言う。
この光景に対し、警察官である照井はバイクを止め、彼女に注意をしようとしたのだったが・・・。

ついにお札の排出回数が10回を記録した時、彼女の怒りは頂点に達し、
そして自身の持つ<超電磁砲>を暴走させてしまうのであった。
彼女の周囲に発生する雷撃。
突然の事態に対し、照井は反射的にアクセル・トライアルへと変身、
超高速移動による防御で雷撃からのダメージを防ぐことは出来たものの、
路端に止めてあったバイクに関してはどうすることも出来ず、雷撃の直撃によって半壊してしまったのであった。

「・・・。」
唖然とする上条。
一方の御坂は冷や汗をかきながら明後日の方向を見ていた。
「照井さん・・・。」
「なんだ?」
「ドーパントだろうが無かろうが、とりあえずビリビリを逮捕しちゃって結構です。」
「な・・・?!」
「心配するな。逮捕はせん・・・が、慰謝料が十二分に貰う。」
「ななな・・・?!」

23:とある魔術の禁書目録
10/09/22 01:02:04 KPJvgWo7.net
その時だった。
「とおま〜!」
御坂の後ろから聞こえてくる、上条にとって聞き慣れた声。
上条が声の方向を見ると、そこにはバイクのフルフェイスを被り、大きなオタマを手に持った少女がいた。
「・・・禁書?!」
上条が大声をあげる。
一方の禁書は上条の腕に巻かれた包帯をジッと見ていた。
「あ、怪我してる・・・ってことは、やっぱり『青の通り魔』が出たんだね?!」
「これは・・・まあ何だ、ちょっと腕の筋肉を痛めただけだ。心配はしなくて・・・。」
「私を家に置いてったから罰が当たったんだよ!とうまは当分反省するんだよ!!」
「・・・お前な、それが『ボディガードになる』って言った奴のセリフか?
 ・・・ていうか、お前どうやってここまで来たんだよ?」
「家にいたら急に胸騒ぎがしてね、それでとりあえず病院に行ってみようと思ったんだよ。」
「『とりあえず』って・・・随分神がかり的な勘だな。」
「へへーん、神を信じる者は救われるんだよ!だから、とうまも神様を大事にするんだよ!!」
「はいはい・・・。」
「・・・でね、どうやって行こうか考えてたらね、マンションの駐車場にバイクに乗った人がいたから、
 その人に頼んで連れて来てもらったんだよ!」
「バイクに乗った・・・?」
「君が禁書の言っていた『とうま』か。」
彼らの輪に加わるもう1人の影。
「遅かったな、フィリップ。」
照井が言う。
「ああ、頼まれたとおり『青の通り魔』に関しての検索をしてみたが、
 学園都市内の情報はロックのかかった物がほとんどでね。
 とりあえず、ロックのかかってない情報から出来る限りのデータを集めてみたんだが・・・
 熱中し過ぎて遅くなってしまった。」
そう言って、フィリップは照井に1冊のファイルを渡す。
「・・・もしかして、あなたが学園都市に来た理由って・・・。」
御坂が照井に言う。
「ああ、『青の通り魔』を逮捕するためだ。
 今回の事件に関しては警備員(アンチスキル)でもお手上げらしくてな。」
「そこで、僕たちに依頼が来た・・・ってワケさ。」
フィリップが言う。
「ところで・・・禁書・・・と言ったか?
 君は上条に対して『やっぱり『青の通り魔』が出た』と言っていたが、どういうことなんだ?」
照井が禁書に聞く。
「・・・あのね、夢を見たんだよ。」
「夢?」

24:とある魔術の禁書目録
10/09/22 01:21:22 KPJvgWo7.net
禁書は照井に説明した。
夢の中で、上条が『青の通り魔』に襲われたことを。
また、禁書の目の前で彼を葬り去ろうとしたことも。
そして・・・。

「『青の通り魔』は最後にこう言ったんだよ。『絶望がお前のゴールだ』って・・・。」
「何・・・?」
顔を曇らせる照井。

『絶望がお前のゴールだ』・・・この言葉は、彼がドーパントと敵対した際に言う言葉のひとつである。
いくら夢とは言え、何故『青の通り魔』がその言葉を・・・?
偶然なのか、それとも・・・?

「・・・あ!!」
突然、大声をあげる禁書。
「どうした?」
「もうすぐ、『フーティックアイドル』の時間なんだよ!
 今日はジミー中田のリベンジ3週目なんだから見逃せないんだよ!!」
「・・・フィリップ、到着してすぐで悪いが、上条と禁書を家まで送ってやってくれないか?
 駐車場にガンナーAが待機してるはずだから、それを使えば2人を同時に送れるだろう?」
「了解した。禁書・・・あと、君も来てくれ。」
そう言って、フィリップは禁書と上条を外へ連れ出そうとする。
「・・・あ、照井さん、先に失礼します。」
そう言って、頭を下げる上条。
一方の禁書は何も言わずにさっさとフィリップの所へ行ってしまった。
「・・・じゃあ、私もこれで。」
「待て。」
自然に帰ろうとする御坂を照井が止める。
「ハハハ・・・やっぱりね。」
「言ったはずだ、『慰謝料を払ってもらう』と。」
「何よ!確かにバイクを壊したのは悪かったけど・・・こんなか弱き女子中学生からお金を取ろうってワケ?
 それとも・・・まさか、『体で払え』とか言うつもり?!」
「そのつもりだ。お前には『体で払ってもらう』。」
「・・・え?」

25:とある魔術の禁書目録
10/09/22 01:30:18 KPJvgWo7.net
その日の夜・・・。
「お待たせ。」
学園都市の一画でパトロールを行なう照井のもとへ、ハードガンナーに乗ったフィリップが再び現れた。
「・・・その様子だと、良い情報を得られたようだな。」
「ああ。それにしても、よく彼女が風紀委員(ジャッジメント)と関係あると気付いたね。」
「簡単なことだ。アイツと戦った時、風紀委員のひとりである白井 黒子のことを『黒子』と親しげに呼んだこと。
 そして、アイツが白井 黒子と関係の深い『御坂 美琴』だと名乗ったこと。そこから結びつくのは・・・ってとこだ。」
「なるほど、翔太郎ばりの推理だね。」
「アイツと一緒にするな。・・・それにしても、左の容体はどうなんだ?」
「僕が出掛ける直前まで熱でうなされてたが・・・まあ、問題無い。」

一方、風都の鳴海探偵事務所では・・・。
「まるで遠足前の子供ね。竜くんとの調査前日の夜になって、急に風邪引くなんて・・・。」
鳴海 亜希子がベッドで赤い顔で横になる左 翔太郎の氷のうを取り換えながらつぶやく。
「馬鹿野郎、俺だって好きで夏風邪を・・・フェックショ〜イ!!」
「わぁ?!汚い!!」
そう言って、亜希子は<健康第一>と書かれたスリッパで翔太郎を勢いよく叩くのであった。

「ところで・・・地球(ほし)の本棚での再検索の結果は?」
「ああ、これだ。」
照井の問いに対し、フィリップが1冊の本を取り出す。

学園都市へ来る前、地球(ほし)の本棚にて『青の通り魔』に関する検索を行なったフィリップであったが、
学園都市側からのセキュリティで検索は不十分に終わってしまった。
そこで、照井は偶然出会った御坂に目をつけ、彼女を通じて風紀委員へ協力を依頼、
ハッキングによるセキュリティ解除を行なったのだった。

照井の言った、御坂への『体で払ってもらう』・・・それは御坂の交友関係をフルに利用した協力のことであった。

そして、セキュリティの有無に関係なく検索可能になったフィリップは再度『青の通り魔』に関する検索を再開。
『青の通り魔』、『学園都市』、『風』、『高速移動能力』、『連打攻撃』・・・。
思いつく限りのワードを入れていくフィリップ。
その結果、ついに1冊の本へとたどり着いたのだった。

26:とある魔術の禁書目録
10/09/22 01:38:15 KPJvgWo7.net
だが、その本のタイトルは・・・。
「犯人は・・・トライアルのメモリの持ち主だと?」
本を読んで、声をあげる照井。
昼間の御坂との戦いで使用したように、トライアルのメモリの持ち主である彼が驚くのも無理は無かった。
「フィリップ、これは悪ふざけのつもりか?」
照井がフィリップに迫る。
これに対し、フィリップは冷静に答える。
「落ち着くんだ、照井 竜。確かに『青の通り魔』の正体はトライアルのメモリの持ち主だ。
 ・・・だが、誰も犯人は君だと言ってはいない。」
「・・・どういうことだ?」
困惑する照井に対し、フィリップがもう1冊の本を手渡す。
「これは・・・?」
「それも『トライアルのメモリ』に関する本だ。
 ・・・ただし、それは『君の持つトライアルのメモリ』のほうだが。」
「俺の持つ・・・?どういうことだ?本来、地球(ほし)の本棚には1つの存在に対して1冊の本しか存在しないはずでは・・・。」
「『本来』はね。・・・しかし、何らかの作用が記憶に対して働くことで本が増えることもある。
 以前、1つの存在が善と悪に分離したことで本が2冊になったこともあるけど・・・今回の場合は少し違う。
 言うなれば、『新しい存在が誕生し、かつての存在に取って替わりつつある』という表現が正しいかもしれない。」
「新しい・・・トライアルだと?」
「トライアルだけじゃない。僕が調べた限りじゃ、僕たちのジョーカーやヒート、
 他にもナスカやウェザーといったデータにも『新しい存在』が生まれつつある。」
「どうしてこんなことに・・・?」
「・・・そこで、僕はある仮説を立てて検索を行なった。」

無数の記憶や存在に関するデータが保管されている<地球(ほし)の本棚>。
その中央に立つフィリップは検索するワードを唱えた。
「キーワードは・・・『学園都市』、『能力開発』、『ガイアメモリ』、『新たな記憶』。」
4つの言葉によって、またたく間に数を減らしていく本。
その結果、1冊の本が彼の前に現われた。
その本の名は・・・。

「T2ガイアメモリ?」
「ああ。一部のデータは閲覧できなかったが、
 この学園都市に存在する特殊能力・・・<幻想御手(レベルアッパー)>を使って、
 何者かがこれまでのガイアメモリの能力を強化した新型ガイアメモリを開発していることは確かだ。」
「そして『青の通り魔』は、そのT2ガイアメモリのひとつであるトライアルのメモリで罪もない人を襲っているのか・・・。」

27:仮面ライダー × とある魔術の禁書目録
10/09/22 01:52:48 KPJvgWo7.net
「お〜い、フィリップぅ〜!てるい〜!!」
突然、彼らの耳元に届く少女の声。
彼らが振り向くと、その先には上条の家に帰ったはずの禁書の姿があった。
「禁書!どうしたんだ、こんな時間に?」
「私に質問するな!なんだよ。」
「・・・はい?」
「冗談ジョーダン!・・・はい、コレ!とうまからの差し入れ!!」
そう言って、おにぎりの入った包みを照井に渡す禁書。
「そうか、これを届けに・・・。」
「ところで・・・禁書、彼は一緒じゃないのか?」
フィリップが聞く。
「とうまなら家に置いてきたんだよ。
 『俺が行く』なんて言い出したから、オタマでスネを引っ叩いてなんとか阻止してきたんだよ。」
そう言って大きなオタマを取り出し、嬉しそうな顔をする禁書。
「なんともアクティブなお嬢さんだ・・・。」
そう言って、照井は受け取った包みをフィリップに手渡す。
「とりあえず、禁書は家に帰るんだ。いつ『青の通り魔』が現れるか分からんし・・・それに、もう22時だ。
 良い子は家で寝てなくちゃダメだ。」
「むぅ〜、子供扱いするぅ!それにわたしはとうまのボディガードなんだよ。
 だから、てるい達と『青の通り魔』をふん捕まえて、ボッコボコにしてやるんだよ!!」
そう言って、オタマを振り回す禁書。
それに対し、照井は強めに彼女の肩を掴むのであった。
「?・・・てるい、ちょっと痛いよ・・・。」
嫌がる禁書に対し、照井が厳しい表情で言う。
「禁書、お前が上条を守りたい気持ちは分かる。だが、お前には危険過ぎる任務だ。
 だから・・・ここは俺達に任せてくれ。」
「でも・・・。」
「お願いだ、禁書。俺達を信じてくれ。」
「・・・分かった。でも、絶対にとうまを守るんだよ!そして、『青の通り魔』をボッコボコにしてやるんだよ!!」
「約束しよう。」
「・・・でも、もし約束を守れなかったら?」
フィリップが横から、場の空気を読めてないセリフを言う。
「フィリップ・・・お前な・・・。」
「大丈夫だよ、フィリップ。私はてるいのことを信じるよ。」
禁書が言う。
「禁書・・・。」
「でも・・・約束を破ったら承知しないんだよ!
 破ったら、私に満腹になるまでご飯をご馳走するぐらいのことはしてもらうんだよ!!」
「・・・。」
-------------------------------------------------------------------------------------------
30分ほど席を外します。
それと、投稿時のタイトルから何故か<仮面ライダーW>が消えてたみたいです。
気付かなくてスミマセン。

28:仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録
10/09/22 02:34:14 KPJvgWo7.net
再開します。
あと、また投稿タイトルを間違えた・・・。

-----------------------------------------------------------------------------------
その時だった。
会話をする3人のもとへ、ひとりの女性の叫び声が聞こえてくる。
「・・・今の声は!」
「確か・・・みさかの友達の・・・くろこ!!」
「フィリップ、俺が行く!お前はこの子を頼む!!」
「待て、照井 竜。」
駆け出そうとする照井に対し、フィリップが小さなアタッシェケースを渡す。
ケースを開ける照井。
その中には、フィリップが変身に用いる3本のガイアメモリと、メモリガジェットのひとつであるデンデンセンサーが入っていた。
「敵は超高速移動能力の持ち主だ。おそらく、それが必要になる。」
「分かった。」
そう言って、照井はアタッシェケースを持ち、声の方向へ急ぐのであった。

「・・・くっ・・・なんて速さなの・・・。」
一方、風紀委員のひとりである白井 黒子は、傷つきながらも何者かと戦っていた。
学園都市の闇夜を利用し、闇から闇への高速移動を繰り返し、そして移動の度に攻撃を行なうという手法を採る相手。
これに対し、自身の持つ<空間移動(テレポート)>での戦線離脱を図ろうとする白井であったが、
能力を発動させる際に出来る隙を狙われ、逃げることが出来ずにいた。
どうすることも出来ず、防戦一方の彼女に対して攻撃を繰り返す敵。
そして、何度目かの攻撃によって白井は片膝をついてしまうのであった。
何者かが言う。
「ふっふっふ・・・良いものですね。
 屈強な男が一瞬にして倒される様子も滑稽ですが、今日のようにか弱い女の子が徐々に痛めつけられていくというのも・・・。」
「・・・まさか・・・あんたが・・・『青の通り魔』・・・?」
「名乗るほどの者ではありませんよ。もうすぐ私に倒される者に対してね・・・。」
そう言って、『青の通り魔』は一直線に白井へとどめを刺しに行こうとする。

その時・・・。

29:仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録
10/09/22 02:42:13 KPJvgWo7.net
CYCLONE!MAXIMUM DRIVE!!

『青の通り魔』の耳に入るガイアウィスパー。
その直後、サイクロン・メモリの力をまとったビートルフォンが超高速で『青の通り魔』に迫る。
「む?!このガジェットは!!」
突然の事態にビートルフォンの体当たりを正面でガードする『青の通り魔』。
「おのれ・・・ん?」
攻撃体勢に入ろうとしたその時,『青の通り魔』があることに気付く。
先ほどまで自身が攻撃を加えていた白井の姿が忽然と姿を消していたのだった。
「まさか・・・このガジェットは囮!」
「そうだ、『青の通り魔』!」
突然、学園都市の闇夜に響き渡る声。
『青の通り魔』が声の方向を見ると、そこには月夜に照らされた仮面ライダーアクセル トライアルと、
アクセルにお姫様だっこをされた状態の白井の姿があった。
「ありがとうございますわ・・・仮面ライダー。」
「礼は後にしろ。今はこの場から離れるんだ。」
「・・・分かりました。」
そう言って<空間移動>を行ない、白井は戦線離脱する。
一方のアクセルはゆっくりと『青の通り魔』の前に立ち塞がった。
「ジャッジメントだ・・・『青の通り魔』!!」
声をあげるアクセル。
それに対し、『青の通り魔』は言い放った。
「ふふっ・・・まさか、また君に会うとは・・・これも運命なのですかねぇ・・・。」
「・・・『また』・・・だと?」
『青の通り魔』の言葉にアクセルが戸惑う。
「ええ・・・まさか、忘れてしまったのですか?君にとっての『復讐の相手』だった私のことを・・・。」
「・・・!そんな馬鹿な!!お前は死んだはず?!」
「なら、ここにいる私が幽霊かどうか、君の体で確かめてあげましょう。」
そう言うと、『青の通り魔』はトライアル・メモリの持つ超高速移動でアクセルに襲いかかる。
突然の攻撃に吹き飛ばされ、体を壁に叩きつけられるアクセル。
一方の『青の通り魔』は、白井との戦いの時のように闇から闇への高速移動をしてアクセルからの捕捉を逃れていた。
「くそっ・・・フィリップの言ったとおり、これが必要のようだな。」
起き上がるアクセル。
そして、フィリップから手渡されたデンデンセンサーをどこからか取り出すと、ヒート・メモリを挿入した。

30:仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録
10/09/22 02:51:43 KPJvgWo7.net
HEAT!MAXIMUM DRIVE!!

続いて、今度は自身のトライアル・メモリを抜き、代わりにデンデンセンサーの疑似メモリをドライバーに挿入する。

DENDEN!

メモリから流れるガイアウィスパー。
この音を確認すると、アクセルはデンデンセンサーを空高く放り投げるのであった。
空高く跳ぶデンデンセンサー。
そして空中で一時停止すると、上空からヒート・メモリの力を利用した熱源探知を行ない、
そのデータを即座に疑似メモリを通じてアクセルへと転送するのだった。
「・・・そこかっ!!」
『青の通り魔』の所在を突き止めたアクセルがエンジンブレードにルナ・メモリを装填して構える。

LUNA!MAXIMUM DRIVE!!

勢いよく振り下ろされるエンジンブレード。
剣先からは青色に輝くエースラッシャーが放たれ、引き寄せられるように一直線に『青の通り魔』に向かっていく。
そして、ついには『青の通り魔』を捕らえ、大爆発を起こすのであった。
「やったか・・・。」
そう言って、エンジンブレードからルナ・メモリを抜くアクセル。

31:仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録
10/09/22 03:00:22 KPJvgWo7.net
だが・・・。
「君はお忘れのようですね、私の能力のひとつに『幻影を作り出す』能力があったことを・・・。」
突然、アクセルの背後から聞こえてくる声。
振り向こうとするアクセルだったが、その隙を狙って放たれた『青の通り魔』の一撃がアクセルと捕らえ、
彼はエンジンブレードを手放してしまった。
『青の通り魔』はエンジンブレードを拾い上げ、倒れこむアクセルのもとへゆっくりと近づきながら言う。
「もうひとつ、君が行なった熱源探知・・・確かにすばらしいアイディアですが、所詮は虫けらの考え。
 私の『冷気発生』能力の前には意味を成さない代物ですよ。」
ついに、アクセルの目の前まで迫る『青の通り魔』。
「何故・・・何故だ・・・お前は・・・俺が倒したはず・・・。」
「そう、確かにあなたはトライアルの力を手に入れ、そして、私のウェザーのメモリを破壊した。
 だが・・・『ウェザーのメモリを破壊した』からと言って、それが『私を倒した』ことには繋がらないのですから。」
「どういう・・・ことだ・・・?」
「簡単なことですよ。冴子くんの部下に『私』を演じさせただけのこと。
 ちょうど、彼女の部下のひとりがダミーのメモリの持ち主でしてねぇ・・・。」
「何だと・・・。」
「そこで、私は彼に不必要になったウェザーのメモリを譲渡し、風都を出ました。
 ウェザーのメモリではテラーの力に勝てないと分かった今、さらに強いメモリを手に入れる必要があったのでね。
 そんなある時、私はこの学園都市で極秘に開発されていたT2ガイアメモリのことを知り、
 そのひとつをとあるお方から譲ってもらいました。」
そう言いながら、『青の通り魔』は自身の耳から出現したトライアル・メモリを引き抜く。
変化する体。
そして『青の通り魔』は、山高帽を被った紳士へと姿を変えた。
「そして、私はついに手に入れました。
 君たち仮面ライダーや園崎家の連中が持っているような古いガイアメモリには無い、頂点ともいうべき力・・・最強の力をね!」
高らかに叫ぶ男の姿を見るアクセル。

その姿は間違いなく『奴』であった。
かつて自分の家族の命を奪い、そしてウェザー・ドーパントとして仮面ライダーたちと死闘を展開したあの男・・・。

「井坂・・・ 深紅郎・・・。」

つづく
--------------------------------------------------------------------------------
前編はこれで終了です。
後編ですが・・・実はまだ書きあがっていません。
ですので、続きはいつになるか分かりませんが、
後編が完成した際には私の駄文に再度お付き合いしていただけるようお願いします。

32:創る名無しに見る名無し
10/09/22 23:24:08 M51ReY4Z.net
>>31
おお!忘れかけていた作品を新たにリメイクとは!! GJ!!



私は◆ht8000sik氏が書いていたWと禁書の作品の続きかと思いました。
◆ht8000sik氏はもうあの作品を書かないでしょうし、◆jPpg5.obl6さん
なりの作り方で◆ht8000sik氏の作品の続きを書いてもらいたいです・・・。
原作レイプ扱いされていたあの作品と、◆ht8000sik氏がどうしても不憫で・・。
出来れば私が書きたいのですが、文書力と構成力のない私ではあの続きを書くの
は不可能だと思いました。

33:
10/09/23 11:15:36 hf2xbxbf.net
>>32
ご意見ありがとうございます。

私も正直なところ◆ht8000sikさんのW×禁書に対しては微妙だったのですが、
題材としては面白い組み合わせだっただけに、叩きによる連載ストップが残念でした。
そこで◆ht8000sikさんの続きを・・・と思ったものの、やはり文才の無い私には書くことが出来ず(泣)
結果として、今回のような独自路線に走りつつ、井坂先生の再登場のように◆ht8000sikさんの作品を部分的にパク・・・
もといインスパイアさせていただく形となりました。

34:創る名無しに見る名無し
10/09/23 11:55:27 j4I7Q2Xc.net
>>33

◆jPpg5.obl6さん。ご返事ありがとう御座います。続きではないにしろ、◆jPpg5.obl6さんの書くW × 禁書に◆ht8000sik氏の書いた
W × 禁書に登場したアラブ人兄弟を登場させてもらえないでしょうか?やはり十字教を憎むあのキャラはどうしてもあのままにして
おくのは勿体無い気がします。(原作の禁書自体、あれほど十字教を憎悪するキャラはまだいないですし)十字教に怒りを抱く二人の
兄弟との決着を◆jPpg5.obl6さんなりの決着方法で描いてもらいたいのですが・・・
やはり無理でしょうか?


35:
10/09/23 13:46:42 hf2xbxbf.net
>>34
すみません、現状を話しますとすでに後編Aパートまで書きあがっているため、キャラの追加は無理です・・・。
アドバイスをいただき感謝しますが、ご期待に答えられず申し訳ありません。

ただ>>34さんの言うように、◆ht8000sikさんのアラブ人兄弟は何かで使えそうですよね。
例えば・・・電王×禁書とかですかね?
十字教への憎しみがイマジンを呼び、さらにそれが新たなダークライダーを生み・・・みたいな。

妄想失礼しました。

36:創る名無しに見る名無し
10/09/23 19:23:35 ngdg/787.net
投下乙。Wと禁書録のコラボ!とっても面白いぜ。
仮面ライダーアクセルの登場に美琴たちとのバトル!
うまくクロスしてて最高。
そして、蘇った伊坂ァ…!じゃなかった!井坂!
再び訪れる因縁の戦いにワクワクドキドキだな。
続きが気になるぜ。


僕はあんまり◆ht8000sikさんのキャラは登場させてほしくないな。
こう言うの言ってしまうと申し訳ないんだけど、あのキャラには
好感が持てないんだよね。あんまり活躍してるところは見たくない。
それに、◆ht8000sikさんではないとあのキャラは生かせないと思う
他の人が書くとまったくの別キャラだと思う。
僕もあの人が再び書いてくれるのを楽しみにしてるんだけどね

37:創る名無しに見る名無し
10/09/23 20:41:50 Z9jlDxl6.net
同じく投下乙。まさかの井坂先生の復活w 上条さんの説教が井坂先生に通用するのか
気になりますw



>>36
やはり◆ht8000sikさんのキャラは不評みたいですね。いっその事複数の作者さんで
◆ht8000sikさんのキャラを使用するということにしてみては?クトゥルフ神話みたいに
作者のラヴクラフトだけでなく、複数の作者に描かせるという手法がありますし。十字教を
憎むアラブの兄弟という設定はそのままに、他の作者がその設定を踏まえつつ、作中にキャラ
クターとして登場させるという書き方もありますが、ストーリーの描き方次第であの二人を
好感の持てるキャラにできるとは思います。やはりどんなキャラにもバックボーンは必要だと
いうことですね。

38:
10/09/24 15:13:23 cy4jsWoq.net
>>36
>>37
駄文ではありましたが、気に入っていただきありがとうございます。
後編に関しましては、皆さんになお気に入ってもらえるよう最善を尽くしますので、よろしくお願いします。
とりあえず、10月あたままでに書き上げたいと思っている次第です。

>アラブ人兄弟
>>35でも書きましたが、個人的には『使わずに放置しておくのはもったいないキャラ』と思う反面、
既存のキャラと違い◆ht8000sikさんのオリジナルキャラのため、
>>36さんの指摘のように◆ht8000sikさんの意向に沿った使い方が出来るかは難しいところなんですよね。

「じゃあ、お前は既存のキャラを作者の意図に沿って使えてるか?」と言われると返答しづらいのですが(汗)

>>37さんの意見のように独自に設定を作り上げていくの良いかもしれませんが、
とりあえずは◆ht8000sikさんに復帰してもらい、自身によるキャラ設定の完結が行なわれるのがベスト・・・ですかね?

ものすごく他人事な意見でスミマセン。

39:創る名無しに見る名無し
10/10/14 21:19:22 SPzXyBNO.net
おぉ、W禁書の続きが投下されてた!
今後も禁書キャラがハーフボイルド探偵(笑)に蹂躙されるストーリーを期待しております!

こういう禁書へのアンチ要素を含んだ小説は非常に好みです!
続きも楽しみにしています!

これは私見ですが、いっそフィリップか翔太郎にインデックスでもレイプさせたらどうですか?
より禁書アンチ色が強まって良くなると思います!

40:
10/10/17 21:22:37 Pw58xlWa.net
◆jPpg5.obl6です。
待っている人・・・がいるかは分かりませんが、<仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録>を投下させていただきます。
とりあえず、井坂との対決の行方・・・なんですが、いろいろとシーンを詰めていたら長くなってしまいました(汗)
ですので、だらだらとした展開が続くと思われますが、それでも構わないという方はお付き合いくださいませ。

41:仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録
10/10/17 21:26:14 Pw58xlWa.net
BGM:URLリンク(www.youtube.com)

仮面ライダーW、今回の依頼は?

「『青の通り魔』が俺を襲っただって?」
「夢の中に『青の通り魔』が出たんだよ!それに・・・とうまが・・・。」

「『ジャッジメントですの』だ!覚悟しなさい、『青の通り魔』!!」
「『青の通り魔』だと?勘違いも甚だにしろ、『ドーパント』め!!」

「犯人は・・・トライアルのメモリの持ち主だと?!」
「この学園都市に存在する特殊能力・・・<幻想御手(レベルアッパー)>を使って、何者かがこれまでのガイアメモリの能力を強化した新型ガイアメモリを開発していることは確かだ。」

「そして、私はついに手に入れました。頂点ともいうべき力・・・最強の力をね!」
「井坂・・・ 深紅郎・・・。」

42:仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録
10/10/17 21:30:13 Pw58xlWa.net
----------------------------------------------------------------------------

学園都市の闇夜を疾走するハードボイルダー。
それに乗るフィリップと禁書(インデックス)は一路、禁書の家を目指していた。
「禁書、もうすぐ君の家だ。」
フィリップが、自身の背中に捕まる禁書へ言う。
「うん、ありがとうなん・・・ちょっと待って!!」
禁書が言いかけたその時、彼女の目に何かが飛び込む。
「フィリップ!あれっ!!」
「あれは・・・白井 黒子・・・?」
禁書の指差す方向を見るフィリップ。
その先には、コンクリートの壁に寄り掛かるようにして座り込む、
息も絶え絶えな白井 黒子の姿があった。
すぐさまハードボイルダーを止め、彼女のもとに駆け付けるふたり。
「くろこ!大丈夫?!」
禁書が声をかける。
「・・・禁書・・・ちゃん・・・。」
「喋っちゃダメなんだよ!今すぐ病院に連れてってあげるんだよ!!」
「・・・お姉さまが・・・お姉さまが・・・。」
「お姉さま・・・?」
「フィリップ!みさかのことなんだよ、ソレは。でも・・・みさかがどうしたの?」
「・・・お姉さまは・・・お使いに行った・・・あなたを・・・あの男とともに・・・
 探していて・・・それで・・・偶然・・・逃げてきた私に・・・出会って・・・。」
「『あの男』って、まさか・・・とうま?!」
大声をあげる禁書。
それに対し、白井は静かにうなずいた。

禁書は思い出していた。
夢の中で上条 当麻が『青の通り魔』に襲われていた光景を・・・。
そして、自分の目の前で上条の命が奪われようとしていた瞬間を・・・。

突然、走りだす禁書。
「・・・!禁書、どこに行くんだ?!」
叫ぶフィリップであったが、彼女は一目散に来た道を戻って行った。
「・・・早く・・・行って・・・ください・・・。」
戸惑っているフィリップに対し、白井が言う。
「しかし、君のその怪我は!」
「・・・大丈夫です・・・もう少し休めば・・・病院まで・・・
 <空間移動(テレポート)>・・・出来るくらいの・・・力は・・・取り戻せますから・・・。」
「・・・分かった。僕からは何もすることは出来ないが・・・気をつけてくれ!」
そう言うと、フィリップは再びハードボイルダーにまたがり、禁書同様に来た道を戻るのであった。

43:仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録
10/10/17 21:37:03 Pw58xlWa.net
その頃・・・。

大きな衝撃とともに吹き飛ばされる人影。
その影はコンクリート造りの塀に叩きつけられ、そして大きな穴を開けるのであった。
「やれやれ、人間態の私にさえ太刀打ち出来ないとは・・・仮面ライダーの名も地に堕ちたものですねぇ・・・。」
そう言って、エンジンブレードを下ろす井坂 深紅郎。
一方、井坂からの一撃を受けた仮面ライダーアクセル トライアルは瓦礫の中からなんとか立ち上がろうとするが、
先ほどの戦いで体力をほとんど使い果たしており、起き上がるどころか腕を上げるのもままならない状況となっていた。
「・・・このまま・・・やられる訳には・・・。」
「いえ、君にはこのままやられていただきましょう。そうすれば・・・君の愛していた家族に地獄で会えるのですから。」
そう言って、井坂が再びエンジンブレードを構えたその時だった。
「・・・ん?」
井坂の目に映る、飛来するコイン。
次の瞬間、そのコインは多量の電気エネルギーをまとい、巨大な光線となって井坂に襲いかかった。
突然の事態に光線を避けることが出来ず、多量の電気エネルギーを受ける井坂。
その光景を見ていたアクセルのもとに2つの影が現われた。
「照井さん、大丈夫ですか?!」
「・・・上条!それに御坂!!」
「べ・・・別にアンタを助けに来た訳じゃないわよ。
 本来なら、こういうのは私たち風紀委員(ジャッジメント)の管轄だから・・・って理由だからねっ!!」
御坂 美琴がツンデレ混じりに言う。
だが、アクセルはすぐに反論した。
「・・・駄目だ・・・ここから逃げるんだ・・・。」
「ちょっと、何よ!せっかく助けに来た・・・。」
御坂も反論しようとするが、アクセルは遮って言う。
「あいつは・・・違う・・・。俺達が戦ってきたドーパントとも・・・上条たちが相手にしているような能力者とも・・・。」
「違うって言われても・・・そんなの、戦ってみなきゃ・・・。」
「いいえ、戦わなくても分かりますよ。」
突然、彼らの会話に割り込む声。
その声の主は、御坂の<超電磁砲(レールガン)>の直撃を受けたはずの井坂が無傷で立っていた。
「?!そんな・・・ビリビリの<超電磁砲>を・・・しかも直撃で受けたら、普通なら無事で済まないはず!!」
「残念ながら私は普通の人間では無いんでねぇ、Lv.0の上条 当麻くん。」
「!」
「そして、Lv.5・・・学園都市No.3と言われた御坂 美琴くん。君の能力は確かにすばらしい。
 だが・・・素晴らしいのは能力だけであって、君自体は虫けら以下だ。」
「な・・・?!」
「本来、素晴らしき能力は素晴らしき人間が使ってこそ、その真価が現われるものなのです。私と・・・このメモリのように。」
そう言うと、井坂はT2トライアル・メモリを取り出した。

TRIAL!

ガイアウィスパーを聞き、メモリを自身の耳に刺す井坂。
そして、その姿は『青の通り魔』・・・いや、トライアル・ドーパントへと姿を変えた。
「さて・・・実演へと参りましょうか。素晴らしき能力も持つ者が虫けらなら何の意味も持たないという証明のね!」

----------------------------------------------------------------------------------------------

44:仮面ライダーW × とある魔術の禁書目録
10/10/17 21:47:36 Pw58xlWa.net
「はっ!!」
御坂の手から放り投げられるいくつものコイン。
そして、それらに向かって彼女は電気エネルギーを送り、何本もの光線を完成させてトライアル・ドーパントを狙う。
だが、トライアル・ドーパントは全ての光線を避けてしまう。
しかも、一度に全ての光線を避けるのではなく、ひとつひとつの光線をまるで反復横とびのように避けるのであった。
「そんな・・・早過ぎる!!」
超高速で移動するトライアル・ドーパントに対し、急きょ第二陣のコインを用意しようとする御坂。
だが、トライアル・ドーパントは御坂に急接近、手に持つエンジンブレードの柄で御坂の手のコインを叩き落とし、
さらにはアクセルを思わせるハイキックを彼女の胸に叩きこんだ。
空高く吹き飛ばされる御坂。
「ビリビリ!!」
これに対し、上条 当麻は思わず肩にかけていたアクセルを突き放し、そして吹き飛ばされた御坂を受け止める。
「ビリビリ!!」
上条の腕の中で倒れこむ御坂に声をかける上条。
だが、トライアル・ドーパントの強烈な一撃によって完全に気絶していた。
「くそっ・・・『青の通り魔』!今度は俺が相手だ!!」
御坂を抱えながら叫ぶ上条。
それに対し、トライアル・ドーパントは冷やかであった。
「仮面ライダーでもLv.5でも勝てない私にLv.0の君が挑もうとは・・・虫けらの考えていることは私にはどうも理解出来ませんねぇ。」
「俺達は虫けらじゃねぇ!てめぇのその幻想・・・ぶち殺す!!」
そう言って、上条がトライアル・ドーパントに襲いかかる。
「やれやれ・・・それでは相手してあげましょうかね。」
一方、トライアル・ドーパントはエンジンブレードを再び構えると、上条目がけて叩きつけるのであった。

響き渡る、金属同士がぶつかったような大きな音。
この音にトライアル・ドーパントは勝利を確信した・・・はずだった。
だが、彼の目の前には右手でエンジンブレードの刃を掴む上条の姿があった。
「・・・何?!貴様、この剣を腕1本で・・・。」
「悪いな、周りから『不幸体質』だの『Lv.0』だのと馬鹿にされてるけどな・・・
 俺の<幻想殺し(イマジンブレイカー)>に関しては絶対的な自信があるんでね!」
そう言って、右腕に力を込めてエンジンブレードを抑え込もうとする上条。

確かに、彼の<幻想殺し>はエンジンブレードの持つ攻撃性を抑えることには成功した。
だが、エンジンブレード自体の武器としての物理攻撃性を抑えることは出来ず、彼は右手から真っ赤な血を流すのであった。

「ん・・・?なるほど、どうやら単なるやせ我慢だったようですね。」
上条の血に気付いたトライアル・ドーパントが言う。
「やせ我慢して悪いか?」
「医者として忠告しましょう。やせ我慢は・・・いや、身の丈に合わない無理は自身の身を滅ぼすと!!」
そう言って、腕に力を込めるトライアル・ドーパント。
すると、刃を握った上条ごとエンジンブレードを振り回し、力任せに上条を吹き飛ばすのであった。
地面に叩きつけられる上条。
一方のトライアル・ドーパントはエンジンブレードを肩にかけて、上条に迫る。


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