【明城学院】シンジとアスカの学生生活4【LAS】 at EVA
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600:J
15/12/09 21:56:49.97 .net
男は腹を括らなきゃいけない時があるんだろう。僕は踏み出す足に力を込めた。
立っている。その自分の足


601:フ感触が、僕に力を与えてくれるような気がした。 お邪魔します、と言いながら僕は初めての外国車のドアを閉める。  正面を見ると、運転席から覗き込むアスカのお母さん、ええい、もう。  「あの、アスカのお母さ」  「キョウコ。でいいわ。惣流・キョウコ・ツェッペリンよ。よろしくね」  「あの、はい。シンジです。碇…シンジ」  僕は手を向けてとにかく握手を求めたつもりだった。  が、何故か知らないが、キョウコさんが固まっている。  瞳は見えないけど、その眉の高さで何となく、見開いているんじゃないかと。  「ええっと…うん、もしかして、あー」  「ママ?」  「いやいやいや。うーん、まあいいわ。後でいっか。ふむふむふむ」  何だろう。この行動はアスカでも見たことがある。1を知って10を発想する時の仕草 だ。と、キョウコさんが宙ぶらりんな僕の指先にむかって、拳を振りながら。  「Schnick, Schnack, Schnuck!」  と、快活な言葉で言った後、僕の掌に指2本が突き刺さった。  「…え?」  「Schere(チョキ)で私の勝ち。ざーんねん。ポイントマイナス1点ね」   僕が呆気に取られて、それがじゃんけんだということに気づくまでに遅れた。   「気をつけなさい。ママは先制攻撃が基本。油断してるとやられるわよ!」   …え?ドイツ軍伝統の電撃戦ドクトリンでも持ってるのこの人。



602:K
15/12/09 21:57:28.17 BjWDZOZa.net
「ふーん、アスカ。この子結構隙が多いのね」
 「ごめんなさいママ、シンジはまだ十分な訓練を受けてないの」

 訓練とか必要なの? 僕は狐に摘まれたまま、馬力のあるエンジンが駆動した。
ロータリーの視線をどこ吹く風で動き出し、オーディオのスイッチを入れている。
 洋楽でもかかるのかな、と思ってたら、思いっきり聞き覚えのあるイントロ。
『天城越え』だった。
 …なんだ、すっごく掴みどころが。
そっか。アスカの上位互換なんだ、この自由さ。

 そう思うと少しだけペースを取り戻せるような気がする。
 「演歌、お好きなんですか?」
 「ん?あー、イメージと違ったかしら」
 ミラー越しの視線のやり取り。隣に座るアスカはやきもき。僕は、ややヤケっぱち。
 「そうでもないですよ。聴きなれてるっていうとアレですけど、知らない歌よりは安心
します。両親もよく聴いてましたし」
 家族のことをダシに使うのはアレだけど、これで失礼ではないハズ…。
 ミラーに映るキョウコさんの口元が、にんまりと曲がった。
 「あんまりビビって無いのは感心します。ポイントプラス2点」
 ハンドルを握りながら、指を2本立てる仕草。このポイント制は一体何なんだろう。
 「よし、よくやったわシンジ。まずは白星先行よ」
 「…君のうちのルールについて事前によく聞いておくべきだったよ」
 「んなもんあるわけないでしょ。ママの発想はアタシを超えているんだから」
 すごく同意したいけど、君がそれを言っていいのかな。
 キョウコさんは曲のサビにハミングしてるし、ちょっち何かスピード速くないかな。
 そんなわけで、未だ落ち着かないまま、僕は憧れの紅いカマロの車内にいた。

603:L
15/12/09 21:58:24.73 .net
 白亜の御殿と呼ぶくらいの新しさと品のある洋風の邸宅。随所に配置された監視カメラ。
両開きの鉄門を通り、ガレージに駐車していく。あ、隣にコルベットも置いてある。
庭園があるけど、花の種類と彩りは少なく、移ろう季節に枯れ始めた葉が目につく。
アスカは車を降りると、スタスタと先に行くキョウコさんの背中を見て。
 「うーむ、ママの機嫌は良さそうね…何か杞憂だったかしら」
 「そうなの?流石にそこまでは僕はわからないけど」
 「まっさか即家に通すとは思ってなかったもの」
 プライベートに対して固いタイプってのは、君とよく似ていると思う。
 後は、僕のプライベートに遠慮なく入ってくるところまで似てないといいけど。
 
 僕らはキョウコさんの後について玄関まで行く。カードをスリットに通して、スムーズ
なエアの開扉音と共に開く電子制御扉。アスカは慣れた様子で玄関に入っていく。
 玄関から先は、暖色の淡い色合い。柔らかいカーペット。照明や帽子掛けなど、花のモ
チーフのインテリア。曇りガラスの窓の付近に飾られている写真に、幼い少女の笑顔。
 「じろじろ見たら怒るわよ」
 と、その少女の現在が僕の耳を掴んだ。不躾なのは解ってるけど、もう少しくらい…。
 しかし僕は残念がっている場合でもなかった。
 廊下からリビングに至る間、アスカの写真があちこちに飾られていたからだった。

 …。そういえば外国だと、家族の写真を飾るのは普通のことだよねハハハ。
 フォトフレームの中で少女は少しずつ僕の知っている今の彼女になっていく。
 じっくりと眺めたかったけど、アスカはそれを許してくれないし、それに、日頃ケンス
ケが頼みもしないのに彼的フェイバリット撮影品を見せてくれるおかげで理解できた。
 この写真、相当な数の中から厳選されたものだということを。
 「さあ、アスカにシンジくん、入って座ってね」
 にっこりと笑ってリビングに招かれる。僕は魔法の剣も祝福の鎧も無いまま、茨の城の
中に入る童話の主人公のような気持ちだった。
それも、魔法も呪いも自力でぶっとばすようなお姫様に、腕を引っ張られて。

つづく

604:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/09 22:09:06.88 .net
次回予告
『掴みどころの無いキョウコの行動、確かなアスカへのトールグランデな愛情
内心を掴めないながらも密かにご自宅のアスカ写真に胸キュンしていたシンジくんに
果たして午前5時に起きてセットした髪型等身だしなみは功を奏するのか。
次回、「正座したキョウコ邸宅の中で」』
この次も、サービス残業撤廃、サービス残業撤廃

 年末なので日々に色々ある僕貴方君私たちなので、
 続きには若干の余裕を待って下さいませ。

605:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/09 23:28:17.83 .net
>>547
>>555
乙乙乙ー!
二人の巨匠作品が一気に読めるのは幸せだぁーね
もう続きが気になってしかたない






続きはよ

606:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/10 21:44:50.44 .net
>>547
乙!今回はカヲル乙だね、レイにしっかり叱られとけw
トウジケンスケもいい味出してるね
>>546のレイカヲル視点から見たシンジアスカがいいねー

>>555
ポエム師匠きたー乙!アバンと予告のノリの良さがやばすぎるw
キョウコママかっこいいけど本編キョウコ以上に凄そうな人だな
がんばれ我らのシンジくん!w

607:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/10 23:43:24.92 .net
>>547
>>555


608:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/12 01:29:46.40 .net
ミサト「シンジくーん、今日仕事いいのー?」
シンジ「あ、いいんです。午後からだから。」
ミサト「そうなんだ。」
シンジ「ミサトさんが今日の洗い物当番ですからね。」
ミサト「はいはい。」

シンジ「いただきます」
ミサト「どう?」
シンジ「前よりは美味しいです、大分」
ミサト「良かった〜!もうレトルトは卒業。これからは自炊して節約よ」
シンジ「なんで?」
ミサト「使徒が来ないもんだからずっとデスクワークだし予算も削減させられちゃって。
毎日リツコに怒られながらやってるの。もうここんとこ首が痛くて」
シンジ「そうなんですか」
ミサト「シンジ君もいつかこの家を出る時のために貯金しておいたほうがいいわ」
シンジ「え」
ミサト「今すぐにって訳じゃないけど」
シンジ「そうですね…じゃあそろそろ行って来ます」
ミサト「あれ?もう食べないの?」
シンジ「もう時間ないからいいです!このあとの洗い物もよろしくお願いしますね」
(バタン!)
ミサト「あいつ反抗期かしら」

609:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/12 01:41:43.40 .net
『メッセージ、1件です。』
加持『葛城、俺だ。多分この話を聞いている時は、君に多大な迷惑をかけた後だと思う。すまな(ピッ)』
『メッセージを削除しました』
ミサト「鳴らない電話を気にするのはもうやめるわ。あなたの想い受け取ったもの。
さ、花に水でもやりにいこうかしら」

610:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/12 01:44:45.95 .net
作業員「碇ー!これを第7倉庫まで運んでくれ」
シンジ「分かりました!」

シンジ「あれ、こっちだったよな」
(ビーッ! ビーッ! ビーッ!)
シンジ「なんだ!まさか使徒!?」

611:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/12 01:52:41.25 .net
ミサト「後15分でそっちに着くわ。使徒を肉眼で確認…か…」

ミサト「状況は?」
リツコ「遅いわよ、ミサト。ご覧の有様」
マヤ「駄目です。初号機がエントリープラグを受け付けません。」
ミサト「レイを拒否してるの?」
ミサト「もしもし。至急シンジ君を呼び出して。そう、早めにお願い。じゃ。
零号機を使うしかないわね。32番から地上に射出して」
マヤ「シグナル正常。いけます」
ミサト「発進!」

612:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/12 02:45:25.27 .net
はぁ〜激動の一週間が何とか終わった…
やっとスレに戻って来られたよ〜嬉しいよ〜(*´∀`)ハァ〜
…って、オイラが居ない間に怒涛のラッシュが来てる!?

>>501
侵入社員さん、乙です、続き待ってました〜!
アスカの事になるとアグレッシヴなシンジ△(さんかっけー)
アスカ、チョット怖いけどシンジの男らしさ、頼もしさを感じたかな、ドキドキしちゃってカワエエのうジュルw
秘密にしているモノ、シンジと共にwktkして待つとしましょうか!
そして、係員が最後にその網膜に焼き付けたヴィジョンとは何なのか!?次回楽しみ〜
それから>>535、あなたは既に立派な職人さんです、あなた自身の味をきちんと持っている
なにより、あなたは ”創造する側に踏み込んだ人”、怖気づいて描かないオイラなぞよりはるかにステキです!
だから、続きはよはよ!w

>>538
おっ!ギンコさんチュース!
このスレでお会いするのは初めてでしたっけ?
相変わらずマリ好きなんですねw
ギンコさんの描く ”不思議なシチュエーション” のファンです〜
面白いものがあったらジャンジャン投下おながいします!

>>547
通りすがりさん、乙です、嬉しい〜!!
いやぁ、深いところをヘヴィにゴリゴリきましたねぇ
アスカ、ゼロ距離口撃クロスファイアされ、衝撃に打ちのめされて声も上げられない…
他人から実体として突き付けられたモノが、自分でも疑念していたこと、という事実の強大な破壊力に眩暈がします…
事態を悟ったシンジ、驚き、怒り、焦燥ごちゃ混ぜで、自分でも何がなんだか分からなかっただろうなぁ
カヲル、つまらない下衆な者たちへの怒りを通り越した冷め切った無関心さに、激昂よりもそら恐ろしいモノを感じますね
アスカの錯乱しているような二律背反な言葉、仕草に心が壊れてしまうんじゃないかと言う恐怖と心配で鳩尾の奥が捻れるように苦しい、シンジも同じ様な思いだろうなぁ
アスカの心情の吐露に、それでもぶれない己の想いを告げるシンジの姿に、やはりこの二人にはお互いが必要なんだと思い知らされました
それにしても、レイ・カヲルやトウジ・ケンスケ達に偽り無い友情・愛情を感じて嬉しいわ泣けるわで悶絶しまくりました〜
続きがありそうですね、出来たらまたスレ一同を悶えさせてください!

613:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/12 03:19:23.40 .net
マコト「初号機パイロットが…じゃなかった、シンジ君が到着しました」
ミサト「待ってたわ」
シンジ「あの…」
ミサト「話はあとあと。これに着替えて」
シンジ「これは?」
ミサト「プラグスーツじゃないわ。もうシンジ君はエヴァに乗れないもの。
あなたにはジェットアローンに乗ってもらいます」
シンジ「ジェットアローン?それって」
ミサト「そう。日本重化学工業からネルフが買い取って改造したの。」
シンジ「でも、今仕事中なんですよ」
ミサト「これも大事なお仕事よ。臨時に給料あげるから」
シンジ「…はい」

614:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/12 03:27:17.47 .net
ゲンドウ「シンジ」
シンジ「はい」
ゲンドウ「乗れるか?」
シンジ「やってみます」
リツコ「あの子、変わったわね」
ミサト「まねー。もう15歳だし」

ミサト「シンジ君聞こえる?」
シンジ「あ、はい。操縦桿がエヴァと同じ…?」
リツコ「そう。全く同じに作ってあるわ。それも神経接続もないから痛みもなし。
ただ装甲がエヴァよりも薄いから敵からの攻撃に気をつけて」
シンジ「下手したら死ぬってことですか?」
リツコ「そうね」
シンジ「…」
ミサト「シンジ君?大丈夫?」
シンジ「…はい」
ミサト「レイが先に使徒に応戦してるわ。シンジ君は距離を取りながらライフルを撃ち込んで」

615:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/12 03:32:10.86 .net
シゲル「テスト開始!」
オペレータ「全動力、開放!」
オペレータ「圧力、正常」
オペレータ「冷却器の循環、異常無し」
オペレータ「制御棒、全開へ」
オペレータ「動力、臨界点を突破」
オペレータ「出力、問題なし」
ミサト「歩行開始!」
オペレータ「歩行、前進微速、右足、前へ!」
オペレータ「了解、歩行、前進微速、右足、前へ!」
リツコ「いけるわね」
オペレータ「バランス正常」
オペレータ「動力、異常無し」
オペレータ「了解、引き続き、左足、前へ!」
シンジ「綾波…」

616:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/12 03:34:47.00 .net
1レスに収まらなくてゴメンナサイ(汗

>>555
おおっ!ポエム師匠、嬉しいです!

いよいよキョウコさんとの顔合わせに臨むシンジ
”アスカを僕にください” 上手く言えるかな?(まだ早いw)

車窓から見える ”遺跡” がシンジの魂に刻まれたモノに触れてくる
アスカはどうだろう?彼女にも忌まわしい魂の傷が、
って、欠伸… 感じないのか、ポーカーフェイスなのか…?

シンジの肩に頭を預けて眠るアスカ、堪らなくカワイイですねぇ
アスカの美しい髪の煌きと香り、例のシャンプーの香り、眠れるわけないよねw

駅を降りたら即


617:おめみえのキョウコさん、カッコよく登場、因みにオイラの”自転車”も真っ赤なシボレーw それにしても、さすが母上、アスカよりもぶっ飛んだ感がひしひしと感じられて…ステキです!! 既に始まっているらしいバトル、勝利の先にはウェディングドレスのアスカが待っているのか!?w 続きを激待ってます〜!! >>562 おおっ!もしかして ”分岐モノ” の続きキター?! イヤッホゥ! ミサトさん、まともな料理出来るようになったの!? あのカレー … そういえば東名高速の足柄SAでヱヴァコラボやってるけど、 食べ物の店のメニューに ”ミサトのブレンドカレー(だったかな?)” とかいうそら恐ろしいモノがあったッス…どうなんだろ? 使途…来たんだ、そりゃいつかは来るよね、諦めてるわけ無いよねw レイじゃ初号機動かないか、やはり我等がシンジの出番だね! 続きが超気になる〜先生おながいします!(分断しちゃってスミマセン)



618:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/12 03:35:37.42 .net
シゲル「目標、零号機と物理的接触!」
ミサト「零号機のA.T.フィールドは?」
マヤ「展開中、しかし、使徒に侵蝕されています!」
リツコ「使徒が積極的に一次的接触を試みているの?零号機と!」
マヤ「危険です!零号機の生体部品が侵されて行きます!」
ミサト「エヴァ弐号機、発進、レイの救出と援護をさせて!」
マヤ「目標、さらに侵蝕!」
リツコ「危険ね、すでに5%以上が生体融合されているわ。」

619:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/12 03:46:48.63 .net
シンジ「綾波!」
レイ「碇君」
シンジ「待ってろ!今助けに行く!」
レイ「ここは…?」
使徒「エヴァ。エヴァの中のあなた」
レイ「あなた誰。使徒?」
使徒「私と一つにならない?」
シンジ「綾波!」
使徒「淋しいのね」
レイ「私には何もないもの」
使徒「私の痛みをあなたにも分けてあげる。ほら痛いでしょう?」
レイ「碇君と一緒になりたい。ダメ…!」

620:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/12 03:51:12.89 .net
シンジ「く…!駄目だ。すばしっこくて全然当たらない」
ミサト「シンジ君、ジェットアローンの予備電源が持たないわ。第4ルートまで後退して」
シンジ「でも綾波が!」
ミサト「弐号機がいるから大丈夫よ」
シンジ「え。まさか、アスカ…!?」
ミサト「違うわ」

621:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/12 04:19:28.94 .net
シンジ「じゃあ何なんですか」
リツコ「ダミーシステムよ。初号機のも一応あるけど碇司令の命令で凍結されているの」
ミサト「弐号機は!?」
マヤ「弐号機、左足破弾!弐号機も使徒に侵食されていきます!」
リツコ「A.T.フィールドを展開しないと迂闊に近づけないわ」
ミサト「シンジ君、第4ルートから後方に廻れる?出来るだけ近接戦闘は避けて」
シンジ「うわあ!!」
ミサト「シンジ君!」
マコト「冷却器に異常発生。」
マヤ「このままだと動力源に障害が!」
レイ「碇君…」

622:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/12 04:30:33.07 .net
シンジ「はっ!」
マヤ「A.T.フィールド反転、一気に侵蝕されます!」
リツコ「使徒を押え込むつもり!?」
ミサト「レイ、機体は捨てて、逃げて!」
レイ「だめ、私がいなくなったらA.T.フィールドが消えてしまう。だから、だめ…」
ミサト「レイ、死ぬ気?」
マヤ「コアが潰れます、臨界突破!」
レイ「!」
シンジ「…」

623:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/12 04:35:04.74 .net
ミサト「シンジ君、開けるわよ。」
シンジ「ミサトさん…出ないんだ、涙。悲しいと思ってるのに、出ないんだよ。涙が。」
ミサト「シンジ君…今の私にできるのは、このくらいしかないわ…」
シンジ「やめてよ!やめてよ、ミサトさん!」
ミサト「ごめんなさい…」
ミサト「(さみしいはずなのに、女が恐いのかしら…いえ、人との触れ合いが、恐いのね…」)」
ミサト「ペンペン、おいで…」
ペンペン「…」
ミサト「(そっか、誰でもいいんだ…さみしかったのは私の方ね…
私ももう三十路だし、何とかしないとね)」

624:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/12 04:58:14.50 .net
ミサト「もしもし。レイが


625:!?シンジ君!」 シンジ「良かった、綾波。無事だったんだね」 レイ「何」 シンジ「何って覚えてないの?」 レイ「多分、私は3人目だと思うから」 シンジ「なんかよく分からないけど、とにかく良かった。じゃあ僕はこれで」



626:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/13 02:21:19.81 .net
>>574


627:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/13 14:56:19.17 .net
>>574
うわー途中でぶった切っちゃってゴメンナサイ〜<(_ _)>

おお!JAがネルフ所属になったのかぁ
有人操縦に改造されている”JA改”ですね
”エヴァンゲリオン2版” か ”ANIMA版” かなぁ?
動力は核分裂炉からN2リアクターに変更されているのかな?
装甲が薄い、更にATフィールド展開不可能だろうからシンジ大丈夫だろうか…

レイが使徒に侵食されてしまう!シンジ頑張れ!
弐号機が出撃ってアスカなのか?
ダミーシステムで動いているのか、でも弐号機も侵食されてしまう…嫌な予感が…
ああ…”この世界”でも二人目のレイを救うことは出来ないのか…
そして三人目のレイ登場、ありゃ、シンジちょっと淡白すぎじゃないの?
もう少し優しくしてあげて欲しい…

アスカはどうしているだろう?
シンジと同じでシンクロ出来ずエヴァに乗れない以上、ネルフに戻ることは無いのかなぁ
以前のアスカなら、エヴァに乗れず存在価値を示せないなら死んだ方がマシ! だったろうけど
拒絶する事をやめ、ありのままを受け入れ、”エヴァに乗らない幸せ” を選択したアスカなら闇落ちは無いだろうね
この後、物語にどう関わっていくのか楽しみではあるけど

次はやはり”彼”の登場なのかな〜
どう展開していくのか楽しみなような、怖いような…
続き、超期待してます!

628:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/13 22:21:10.94 l6psuSLt.net
やっとるねー!

629:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/14 22:42:12.71 .net
こんばんは通りすがりです
続きがなかなか浮かばないので絵に逃避しました
265さんの>>353がモデルです
265さん、勝手に描いちゃってすみません、イメージが違いすぎたらごめんなさい
…ギターは調べてみましたが間違ってたらもうほんとごめんなさい orz

URLリンク(www.pixiv.net)

630:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/14 23:44:12.54 .net
>>578
相変わらず凄いな
思いついたらこんなすぐに絵で表現できちゃうんだからな
とりあえず小説楽しみに待ってるぞ









投稿はよ

631:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/15 00:25:56.48 .net
>>578
うぉ〜!スバラシイ〜!!
メッチャかわいいアスカだぁ〜ミクコス+ツインテール
困るシンジに大量のリクエストでカラオケw
マリもいい味出してますね〜
いいなぁ、出来ればこの中に混ざりたかった…
通りすがりさん、いつもステキなヴィジョンを有難う御座います!!
脳内妄想が捗ります〜

…そして背後に冬月センセw
”君達の仕事は何だ? …ちがーう!使徒を倒す事だ!(怒”
ってソレ違うってばw

632:侵入社員
15/12/15 08:21:30.70 .net
通りすがりさんの絵はほんとに素晴らしいですね。私も続き書かなければ

633:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/15 20:33:07.47 .net
リツコ「ミサト、あれで良かったの?」
ミサト「ええ。シンジ君に教える必要ないわ。もう彼をエヴァに戻したくないの。
それにしても、どうして今の時期なのかしら。
ゼーレが送ってきたあの少年。弐号機とのシンクロも何の誤差もなしにクリアするなんて。
碇司令は何か言ってた?」
リツコ「


634:何も言ってないわ」 ミサト「…そう」 たくさんのレイ達「(ブクブクブクブクブクブク)」 リツコ「…」



635:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/15 21:02:07.51 .net
トウジ「すんません!エビピラフとポテトの盛り合わせ一つずつ!」
ケンスケ「俺も!シンジも食べるだろ?」
シンジ「うん」
トウジ「この前派手にやったらしいな」
シンジ「そうなんだ。僕は仕事中だったんだけど、ジェットアローンっていうのに乗せられて…」
ケンスケ「ジェットアローンに乗った!?なんでそれを早く言わないんだよ。この、この。」
シンジ「知らないよ。僕だってミサトさんにいきなり呼び出されたんだから」
ケンスケ「エヴァの次はジェットアローンかよ!俺なんて一回もお声が掛からないんだぞ。
このトウジでさえ乗ったっていうのに。」
トウジ「せやけど、この前のドンパチ騒ぎで郊外に引っ越すことになってん。
シンジのところは無事で良かったな」
シンジ「うん、ありがとう」
ケンスケ「期末試験の途中だったんだぜ。いやになっちゃうよなー」
トウジ「ほんまアカン。高校は中学の比じゃないくらい勉強がむずいで」
ケンスケ「お前は洞木に教えてもらってるんだからいいだろ。それにしても、
ジェットアローンといえばやっぱり背面にある…ブツブツ…」
トウジ「シンジ」
シンジ「ん?」
トウジ「お前変わったな」
シンジ「そうかな」
トウジ「人のために何かやるようなやつに思えんかったけど、見直したわ」
シンジ「…」
店員「お待たせしました」
トウジ「お、きたきた」

636:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/15 21:54:12.66 .net
カヲル「君がファーストチルドレンだね。」
レイ「…」
カヲル「綾波レイ。君は僕と同じだね。」
レイ「…あなた誰?」

637:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/15 22:04:45.04 .net
冬月「フィフスの少年がレイと接触したそうだ。」
ゲンドウ「そうか…」
冬月「今、フィフスのデータをMAGIが全力を挙げて当たっている。」

ミサト「にもかかわらず、未だ正体不明。何者なの?あの少年。」

シンジ「ただいま」
ミサト「おかえりー。ああ、そうだ。シンちゃん、今日何か変わったことなかった?」
シンジ「変わったことって?トウジ達と会ってきただけですけど」
ミサト「ならいいの。ちょっと聞いただけだから」

638:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/15 22:27:57.94 .net
>>585


639:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/16 23:13:06.38 .net
>>581
ホント通りすがりさんの作品はスバラシイですよね〜
いつも悶えまくってますヨ〜
侵入社員さんの創造するセカイも大好きですよ!
続き期待してます〜!

>>585
おお!続きましたね〜待ってました、乙です!
え?もしかして前の戦闘、弐号機はダミーじゃ無くてカヲルだったの?!
やっぱり送り込まれてきたカヲル、まだシンジに接触して無いのが凄く気になる、今後どうなるんだろう…

3バカ集まってファミレスでダベってる、こういうのいいよね、学生時代思い出すわ〜
シンジ、高校進学せず働いてる、一足先に社会に出て厳しい世界に揉まれてる感じ、
新人時代を思い出すわ〜って最近の感想こんなのばっかだなオイラ(汗w

アスカはどうしているだろう?気になって仕方が無い…
シンジも口には出さなくても、アスカのこと恋焦がれて悶絶しているはず、と、激勝手に妄想!w
(いや、恋焦がれて悶絶してるのはオイラだな)
この先のストーリーに良い形で出てくれると信じて…

続き、楽しみに待ってます!

640:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/17 23:42:57.52 .net
はよ

641:1/9
15/12/19 00:22:31.96 .net
こんばんは、通りすがりです
続きが降りてこないのでとりあえず中継ぎ的なもの行きます、相変わらずダラダラでごめんなさい
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明城学院付属高校文化祭・二日目
2-A教室
「いらっしゃいませ、地球防衛カフェへようこそー!」
長い髪を払って振り返るアスカ
ええーどうしたのそれ!と声に出す女子たち
入室するなりくぎづけになる男子数人
一変しているアスカのコスチューム
昨日コーヒーで汚れたり敗れたりした部分は思いきりよく捨てて、衣装制作のときに余った
黒生地を当て、赤い幅広テープで無造作にぐるぐるっと留めている
赤テープのチープな光沢がかえって強いアクセントになって、修繕した感じを薄めている
堂々と大きな歩幅で歩いてくるアスカ
細いウエストとすらりと長い脚がよけいに強調されて見る側の視線を奪う
「すごい、カッコイー! モデルみたい!」
「可愛い!」「似合ってるー」「でもどうしたの?!」
衝動的に、気遣う目を向けるシンジ
教室の反対側でアスカはさばさばと答えている
「野戦仕様よ。『名誉の負傷』風、なんてね。もともと安物の急造なんだし、
 アレンジくらいしないと、つまんないでしょ?」
感心する声と恒例の写真撮影のにぎわい
ほっとして少し息をつくシンジ
昨日の騒ぎの痕などまるで見せていないアスカ
/

642:2/9
15/12/19 00:23:29.48 .net
客の生徒の中には騒ぎの噂を聞いて訊ねてくる手合いもいるが、ケンスケはじめ
クラスメートたちが上手くはぐらかしてくれている
皆のバックアップを正面から受け止め、今日も生き生きと笑っているアスカ
溜息を押し殺すシンジ
すぐ近くで、同じくアスカを眺めている三年の男子たちの話し声
「ホント、可愛いよな、惣流」
「確かにちょっと緊縛っぽくてエロい」「スタイルいいよなー、さすが外人」
「来て正解だったわ」「写真撮っていいんだろ?」
低く抑えてはいるが遠慮のない言葉
しかめた顔をそむけるようにしてその場を離れるシンジ
カウンターで今日はドリンク類の準備を手伝っているヒカリ
「…碇君、大丈夫?」
「え?」
瞬きするシンジ
慌てて表情をとりつくろう
「ごめん、昨日いろいろあって、思ったより疲れてるみたいで」
「そっか…そうよね」
ふうと肩を落とすヒカリ
慌てるシンジに飾り気のない笑顔を向ける
「いいの、気にしないで。私の方こそ、ごめんね。肝心な時に何の力にもなれなくて」
「そんなことないって。こっちこそいろいろ、心配させちゃって」
曖昧に言葉を濁すシンジ
トウジやケンスケと同様、ヒカリには詳しいことは何も話していない
(…たぶんこのまま、迷惑かけてごめんって謝って、終わらせるしかないんだろうな)
少しうつむくシンジ

643:3/9
15/12/19 00:24:04.10 .net
昨日の出来事については口にしたくもない
思い出すのさえアスカに済まない気がしていたたまれなくなる
(…肝心な時にアスカの傍にいなかったのは、僕の方だ)
きつく眉根に力をこめかけ、ヒカリの目を思い出して意識して緩める
教室の向こう側を眺める
それぞれ客やら見物人やらの応対に追われているカヲルとレイ
メット覆面のフォースブラックことトウジは現在外のバスケ部の屋台でたこ焼き販売中
ケンスケはまた写真部の腕章を着けて校内を撮影して回っている
皆、昨日は何も訊かずにいてくれた
特にカヲルとレイ
帰り道でも気遣って別の話題(シンジ幼少のみぎりの思い出話)を振ってくれたこと
なんだかんだと理由をつけてマリ宅のすぐ近くまでアスカを送ってくれたこと
その後、ちゃんとシンジとアスカの二人にしてくれたこと
温かな感触を胸にかみしめるシンジ
感謝の目で二人を見つめる
(あの二人は、大丈夫


644:だ。…それに、他の皆だって本当は悪い人たちなんかじゃない。  それはわかってる。…でも) 冷めた目つきになるシンジ すうっと表情が硬くなる 透明な幕を降ろしたような視界 周りの楽しげな喧騒を、無関係な他者のものとして見ていることを自覚する 距離の自覚 接客を終えて顔を上げるアスカ 無言のシンジを目ざとく見つけて歩み寄ってくる



645:4/9
15/12/19 00:24:52.59 .net
ヒカリのねぎらいを普段通りの笑顔で受け止め、隣の椅子に勝手にどすんと腰を下ろす
「あーもう、立ちっぱなしで疲れちゃったー。ヒカリ、なんかちょーだい。
 どれにしよっかな…あ、それ、りんごジュース」
困った顔になるヒカリ
「えー? 駄目よ、これはお客さん用。昨日話し合ったじゃない、赤字になりそうだから、
 営業終わるまで、スタッフの私的消費は我慢しようって」
頬をふくらますアスカ
「ヒカリのケチ。でもしょーがないか…あ、じゃあシンジ、あんたのおごりで」
「え?! 何でそうなるんだよ」
少しオーバー気味に驚いてみせるシンジ
アスカの目が問いかけてくる
何とかごまかそうとし、結局、降参して弱く微笑んでしまうシンジ
「何よう、いいじゃない。ちょっとぐらい」
こちらの迷いをしっかり捉えてくるアスカの眼差
今度は逃げずに受け止めるシンジ
それを確かめ、ふっと張りつめた力を抜くアスカの目
あどけないくらい無心に微笑む
一瞬息を呑み、自分も優しい表情になるシンジ
「わかったよ。けど、一回だけだよ。…はい、委員長、代金」
カウンターの陰に置いた鞄から小銭を取り出し、ヒカリに渡すシンジ
苦笑するヒカリ

646:5/9
15/12/19 00:25:45.43 .net
「はーい。もう、うらやましいなぁ、アスカと碇君。ほんとに仲良くて」
ふふんと笑ってみせるアスカ
人差し指を軽く振ってみせ、ヒカリに向かってえい!と突きつける
「甘い、ヒカリ! 人をうらやむ暇があったら、自分も行動あるのみよ」
「それはわかってるんだけど、ね…」
いまいち話の流れが掴めないシンジ
と、教室入り口が賑やかになる
「ただいまー、宣伝組戻りましたー」「案外つかれたー」
ぱっと立ち上がるヒカリ
昨日はシンジたちが持っていた『地球防衛カフェ』の看板を手に入ってくる級友たち
「お疲れさま、どうだった?」
心配そうに訊くヒカリ
けっこう楽しそうに答えるクラスメートたち
「反応悪くなかったよ。昨日戦隊組が回ってくれてたから、もう知名度は十分だし」
「でも大変は大変だったよな」「恥ずいし」「嘘だー、途中からノリノリだったくせに」
「コスプレ組じゃないから目立たなくて駄目かと思ったけど、伝わったよ。ほら、昨日
 残って作ったこれが良かったっぽい」「ねー! 思ったよりウケたよね」「恥ずいけどな」
「これ、増産して売らない? これ見せたらドリンク30円引きとかで。いけるんじゃね?」
「ええ?! 駄目よ、うちのクラス、物品販売の許可は受けてないのよ。
 今から変えることもできないし」
「えー」「売り上げアップになるって! 俺らでも外で売って歩けるから、いいじゃん」
「駄目なものは駄目なの! 私、実行委員も兼ねてるから、立場上見逃せないのよ」
「もー、ヒカリのカタブツー」
ちらっと目を上げるシンジ

647:6/9
15/12/19 00:26:36.87 .net
クラスメートたちが制服の好きな場所につけている、お揃いの大きな急造手作りワッペン
コスプレ組の校内巡回を急遽取りやめるその代替策として、昨日居残って作ったもの
アスカのテープ補修と同じくチープ感丸出しだが何となく微笑ましい
何よりクラスの皆が嫌な顔をせずにそれをつけてくれている
そのことを素直に受け止めようとするシンジ
「…都合いい話よね」
わざとぼそっと呟くアスカ
振り向くシンジ
「最初は私らにコスプレ役押しつけてはしゃいでたくせに、いざ自分たちでもやってみたら
 案外楽しくて、結局、自分たちが一番面白がってる。
 …ま、いわゆる結果オーライよね」
勢いよくジュースを飲みほすアスカ
白い喉が一瞬のけぞってまた髪の陰に隠れる
注目する自分が嫌になるシンジ
「遠慮ないこと言うなよ。…それで皆が楽しいなら、別にいいじゃないか。おかげで僕らは
 ずっと教室にいていいことになったわけだし。…アスカ、もう行きたくないよね」
軽く睨むアスカ
「そりゃそうよ」
「…ごめん」
「あんたが謝らないでよ、馬鹿シンジ。…あんたももう嫌なんでしょ。ここにいるのも」
思わず凝視するシンジ
見透かす目のアスカ
そのまま言いかぶせてくるかと思いきや、小さく溜息
うろたえてしまうシンジ
が、何となくもうわかっている

648:7/9
15/12/19 00:28:00.40 .net
空になった紙コップを掴んだまま、もう一方の手で頬杖つくアスカ
「…あーあ。私のことで、あんたまで文化祭楽しめなくなるなんて、…悔しいな」
「アスカのせいじゃないよ。もともと僕がこういうの苦手なだけだから。
 一応参加したり、フリはできるけど…やっぱり、なんか馴染めないんだ。おかしいよね、
 皆、普通にできてることなのにさ。単に僕が冷たいのかな、はは」
答えないアスカ
余計なことまで言い過ぎたと悔やむシンジ
紙コップをゴミ箱に放るアスカ
「ジュース、ごちそうさま」
「…うん」
ただ返事するしかできないシンジ
ふいに立ち上がって、視線を合わせるアスカ
とっさに動けなくなるシンジ
「お返しに、帰りに何かおごったげよっかな。だから今日もちゃんと送ってよ」
軽い口調とは裏腹に真剣な眼差
胸を貫かれた気がするシンジ
「うん。必ず」
声を低め、けれどしっかりと頷いてアスカの目を見る
一瞬だけ身を寄せるアスカ
「…早く、二人になりたい」
「…うん。僕もだ」
シンジの答えを抱きしめるようにするアスカ
ぱっと表情を切り替え、教室の中央に戻っていく
「はい、休憩終わりー。いらっしゃいませー! 2-A、地球防衛カフェ、やってまーす」

649:8/9
15/12/19 00:29:32.17 .net
見送るシンジ
作らない笑顔になっている自分に気づく
カメラ片手に戻ってくるケンスケ
ヒカリに何やら話しかける
驚いて、それから困りきった顔になるヒカリ
何となく眺めているシンジの方に二人で近寄ってくる
「え? …何?」
気まずそうに頭を掻くケンスケ
「なあシンジ、ちょっと相談なんだけど」
「…宣伝とかはもう勘弁してよ」
「そうじゃないんだけどさ…」
どう切り出していいか迷うケンスケ
ちょっと笑うシンジ
「…何だよ、昨日騒がせたお詫びもあるし、できそうなことなら言ってよ」
よけい渋い表情になるケンスケ
「それがさ…
 文化祭実行委員会からさ、今年のフィナーレの演出、お前らも参加してくれないかって
 打診があったんだ。やっぱ好評なんだよな…でも、あんま目立ちたくないのはわかるし、
 まだ内々の話だから、断ってくれてもいい」
ためらうシンジ
再び硬い表情になる
「…悪いけど、僕はちょっと。この恰好でもう十分文化祭の演出にはなってるつもりだし、
 これ以上皆の前で何かするのは…無理だと思う」
自分で自分を睨みつけるようにするシンジ

650:9/9
15/12/19 00:30:42.90 .net
距離の実感


651: 周りへの違和感と拭えない不信 昨日の一件でそれは既に動かせないものになってしまっている 「…期待に応えられなくて、ごめん」 真顔でその表情を確かめ、すぐに呑み込むケンスケ 決まり悪げな目を向けるシンジに笑いかける 「いや、いいんだ。トウジ辺りも嫌がるだろうし、たぶん駄目だろうってもう言ってある。  お前が気にすることないよ」 頷くシンジ ケンスケの気遣いに感謝しつつも、どこかで他者として拒絶している自分に気づく 自己嫌悪すら自分にかまけるだけの言い訳にしか思えない 目を伏せるシンジ 教室の反対側からそれぞれそっと視線を向けるカヲルとレイ 声を張り上げながら気にしているアスカ シンジの動揺を承知しながら、それを否定しきれずにいる 前は何でもなかった、人前に出て、不特定多数に見られようが好きに振舞うこと 昨日以来、そうすることにたじろいでしまう自分がいる (…そんな私、シンジに見せたくないのに) 情けなさを振り払うように大きく声を出すアスカ 文化祭の喧騒はなおも続いている -------- 今回はここまでです 文化祭編に身に余る感想をくださった方々、本当にありがとうございます、恐縮です 皆さんに読んでいただけるからこそここまで何とか書けているのが事実です …続きもがんばります、ではまた、通りすがりでした



652:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/20 00:46:50.13 .net
>>597
おおっ通りすがりさん来た〜嬉しい!
文化祭二日目、事件の翌日ですね…

破損してしまったコスを制作時の余材を工夫してリワーク、
より格好良くなっているとは、アスカ、ファッションデザイナーの素質があるのかもね〜
そういや、アスカが将来目指すもの、なりたいもの、夢ってなんだろうな(”シンジの妻”はおいといてw)

そして、この新たなコスチューム、”Q”前半時のアスカのプラグスーツを思い起こすね
多重世界を跨ぐ因果律、というのは大げさかな、シチュや規模は違えど、
”如何しても辿り着いてしまう結果” を見ている様で、えもいわれぬ不安・恐怖を感じます…

良くも悪くも注目を集めてしまうアスカの様子に心臓掴まれる様な思いだろうシンジ、
これ以上、アスカが他人の目に晒される事に耐えられなくなっているんじゃないだろうか
そして、アスカが苦しんでいるときに助けてあげられなかった自分をも呪っていそうだ

アスカ、負の海に沈降し始めているシンジを察知しシンジのもとへ
表面的な会話は口に任せて、心の会話を目で交わし合う二人
シンジ、アスカのその瞳に優しさ、安らぎを感じたのだろう

昨日の事件で二人のお互いへの気持ちは揺らいでいない
寧ろ相互理解への道をほんのちょっと進んだだろうか、第三者への信頼というものを犠牲にして…
閉じた二人だけの世界に逃避していかないように、二人とも何とか潜り抜けて欲しいなぁ

いやぁ、二人とも危うい心理状態ですね〜
周りへの拒絶と、互いへの依存が強まっている様で、どうなってしまうのかハラハラします
これも二人の成長の通過儀礼の一つだ、と自分に言い聞かせつつ
次回もとても期待しています〜

653:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/20 02:20:12.91 .net
>>597


654:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/20 18:05:16.01 .net
>>598
URLリンク(homepage3.nifty.com)

本編アスカだと夢は・・・「無い」orz

655:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/20 20:07:09.41 .net
>>598

続き待ってるよ

1さんの読み方、毎回深


656:くてすごいなぁ 1さんの感想読んでからもう一回SS読み直すのが定着してきたw



657:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/20 21:59:07.87 .net
>>597
乙乙乙ー!
いいよいいよー!
どんどん投稿してねー









続きはよ

658:1/10
15/12/21 00:00:13.05 .net
こんばんは、通りすがりです、また少し続き行きますね
----------

バスケ部の屋台当番からようやく解放されたトウジ
首に引っかけたタオルで汗を拭きふき、2-A教室に戻ってくる
「ふー、しんどかったわ。
 あ、そや! 中央廊下、見たか? 文化祭写真コンテスト、途中経過発表やて…
 …って、どないしたんや」
何だか閑散としたクラス
一回り見渡して納得するトウジ
一番派手なアスカと、シンジの二人組がいない
ひとつ鼻を鳴らして入ってくるトウジ
とりあえずヒカリに軽く手を上げて挨拶し、カウンター後ろの荷物置き場で鞄を見つけて
ジャージの上着とタオルを突っ込む
近寄ってくるケンスケ
渋面
「…何や、難しい顔しよって。またなんかあったんか? あの二人」
しゃがんだまま訊くトウジ
鞄の隣に一緒にまとめておいたコスプレ用衣装を準備しだす
「いや。特に何もないよ。ていうか、何か起こす前に、二人とも下がらせたんだ」
「どういう意味や」
見上げるトウジ
鞄の列をまたいで隣に踏み込み、並んで座り込むケンスケ
軽く溜息をつく
「やっぱり昨日、かなり嫌なことがあったんだよ。きっと。
 二人とも朝からずっとピリピリしててさ。特にシンジ。無理してるのが見え見えなんだ。
 心配なんだろうな、惣流のこと気にかけすぎて、どんどん周りが見えなくなってってる」

659:2/10
15/12/21 00:00:47.46 .net
「惣流もだよ。表面は明るく振舞ってるけど、あいつにしては相当ナーバスになってるん
 だと思う。二人とも目が笑ってないっていうか、…あのまま人前に立たせてたらどうなるか、
 正直、ちょっと怖い感じでさ」
「それなら誰かアホが余計な野次馬やらかす前に、いうことか。…まあ、ワシでもそう
 するやろな。で、ちゃんと言ったんか? 二人に」
「え?」
見返すケンスケ
むんと口の端を曲げてみせるトウジ
「周り見てみい、ちゃんと頭冷やして来んかい!ちゅうことや」
後ろめたげな顔になるケンスケ
目を逸らす
「…言えないよ。大体、そこまで踏み込んでいいかどうか、わかんないしさ。
 仕方ないだろ。まあ、客もだいたい一巡して初見はいなくなったし、あとはこのまま
 スローペース、安全運転で終了時間まで持ってって、無難にお開き、ってとこかな…」
憮然となるトウジ
「何や、企画のときは威勢いいこと抜かしよったくせに。そない諦めが早い奴があるかい」
「言わないでくれよ。だってどうしようもないだろ」
無意識に写真部の腕章を引っぱるケンスケ
「よくわかったよ。いくら企画立案したって、多少皆にウケたって、実際に表や中心に立って
 動いてくれる奴、腹をくくってスポットライト浴びてくれる奴がいなきゃ、結局、何の形にも
 なっちゃくれないんだってことがさ。周りでただ見てるだけじゃなくて自分が見られる方に
 回ってくれる奴。で、それは俺じゃない。大半の奴らでもない。今回は、それはシンジと
 惣流だったんだよ。だけどたぶん、そのせいであいつらは嫌な思いしたんだ。
 その二人にもっと頑張れなんて言えないだろ」

660:3/10
15/12/21 00:01:19.17 .net
「…ワシと渚と綾波は違うんかい」
ぼそりとツッコむトウジ
弱く笑って謝るケンスケ
すぐ投げやりな表情に戻る
「とにかく、今回はちょっと、挽回しようがないよ。
 …いっちょまえにプロデューサー気取った俺が浅はかだった、ってことなんだろうな」
「何言うとんのやお前」
「…なんだよ」
気弱に振り向くケンスケ
が、トウジの顔に厳しさはない
普通に訳がわからないというふうで訊くトウジ
「何でそこで終わりやねん。
 気が進まんからいうて腫れ物扱いしてどないなるん? このまま、何やうやむやのままで
 終わらされて、あの二人がいい気するわけないやろ」
顔をしかめるケンスケ
開き直るわけではないが気持ちがもう逃げに入りかけている
それを眺めながら言葉を継ぐトウジ
「いや、むしろ不必要に引きずるで。
 特にシンジや。あいつはもう絶対、相っ当後まで引きずる。うわべは平気な顔できてもな。
 惣流もそれに気づくやろな。うん、これは間違いないわ。お前、それでいいんか?」
いたたまれず視線を逃がすケンスケ
困惑するトウジ
危ない橋を渡ることはないというケンスケの気持ちもわからないでもない
がしがしと頭を掻くトウジ

661:4/10
15/12/21 00:02:01.51 .net
「ワシやったら御免やな。
 …ちゅうか、ワシら、もうクラス全員巻き込んどるんやで。主役やないいうても、それでも
 周りで見てるだけの奴なんかおらへんやろ。皆何か仕事持って協力しとる。あいつらは
 その中でもたまたま、一番派手で、一番しんどい役に当たっとるだけや。そのしんどさを
 あの手この手でどうにかしてやるんがお前の仕事やないんか」
そっぽ向いておもむろに咳払いするトウジ
「せやから、ちょっと言わせてもらうで。
 …プロデューサー気取るんやったら、せめてカッコだけでも、最後までやらんかい」
小さく目を見開くケンスケ
振り返る
居心地悪そうに照れ笑いしているトウジ
苦笑するケンスケ
よっと声をかけて立ち上がる
「…そうだな。始めたのは、一応俺だもんな。このままじゃカッコつかないよな。って」
「せや。ワシも、クラスの奴らも協力…おわっ?!」
立ち上がってその場でのけぞるトウジ
いつのまにか話を聞いている不機嫌顔のカヲル
「いいいいつからおったんや?!」
「そっちの君が言い訳並べてる辺りから」
同じく及び腰のケンスケに顎をしゃくるカヲル
慌てて周りを見回すケンスケ
すっかり客足も途絶えて皆好きな位置で休憩に入っている

662:5/10
15/12/21 00:02:53.44 .net
「お客さん引けちゃってヒマなんだ。そこにこそこそシンジ君たちの話されたら、気になるだろ」
「なるんかい!」
「なるよ。ついでに今後の問題でもあるみたいだしさ」
「…まぁな」
苦い表情になるケンスケ
「ちょうど昼メシ時だから今はいいとして、午後もこの調子だったら、皆ダレちまって何か
 やりたくてもやれなくなるな。早いとこ考えないと」
言いつつ、顔は真面目にやる気になっている
見直すトウジ
そこに溜息をつくカヲル
「…前向きになったとこで悪いんだけど、僕、今日もオケの手伝い行くから、午後早い
 時間はこっちにいられないよ。もともとその時間はシンジ君たち頼みだったし」
「せやったな…」
「そしたら、戦隊メンバーはトウジと綾波の二人しかいないわけか…参ったな」
再び考え込む二人
ふと教室入り口の方に目を上げるカヲル
少し顔をしかめる
遠慮なく声を放つ
「…何か用? 入ってきなよ」
扉口でためらう気配
やがて、他クラスの女子二人が入ってくる
きょとんとするトウジとケンスケ
「何や? 知り合いなんか?」
「昨日ちょっとね」
硬い表情のカヲル
何となく察するケンスケ
が、口にはしないでおく

663:6/10
15/12/21 00:04:00.01 .net
冷たく目を細めて二人を眺めるカヲル
「残念だけど、今は留守だよ。最悪このまま戻ってこないかも」
小柄な一人がちょっとびくついてもう一人の腕を掴む
とりあわず、背の高い方の女子が頷く
「…知ってる。ここの様子、朝からしばらく見させてもらってたから。
 そのことで来た」
顔を見合わせるトウジとケンスケ

特別校舎の非常口付近
普段あまり使われない外階段の踊り場
文化祭の喧騒が遠い
人影のない昼下がりの陽だまりに腰を下ろしたシンジとアスカ
ケンスケの指示をいいことに教室を離れたものの、結局人目を避けてこんなところにいる
戻るのを引き伸ばす口実もそろそろ品切れ
しばらく会話も途絶えている
軽く両膝を抱えた腕に顎先を埋めているアスカ
頭を傾けて隣のシンジを見る
はっとしたように視線を向けるシンジ
力なく笑う
「…寒くなってきちゃったね」
「平気よ。このくらい」
あえて強く言いきるアスカ
押し黙ってしまうシンジ
横顔が硬い

664:7/10
15/12/21 00:08:12.74 .net
朝からずっと続いている拒絶感
アスカに対しては開かれているものの、それでも伝わってくる感触は冷たい
唇を噛むアスカ
隣り合う二人の間にある小さな距離
隙間風のように落ちたお互いの影
いきなり腰を浮かして、そのままシンジに身体ごとくっつくアスカ
「わ」
とっさに横に手をつくシンジ
構わず体重を預けるアスカ
間近で目が合う
たじろいでいるシンジの目
まともに見つめるアスカ
深く見つめると吸い込まれていきそうな気分になる
でも渦に巻かれるようにそこに呑み込まれるのではなく、ただ傍に近づいて、手触りを伝えたい
昨日、めちゃくちゃになったアスカにシンジがしてくれたように
もう少し身体を押しつけるアスカ
黙って受け止めてくれるシンジ
気遣ってくれるのと慰められているのと、たぶん両方
なぜかそれに苛立ってしまう
呟くアスカ
「…私は、平気なの。どんな場所でも。あんたさえいれば」
睨みつけるような目になってしまうのが悔しい
わかってほしいと願う
それだけで心が絞られるように切ない
まっすぐ見据えるアスカ
まだ少しこわばった頬で、それでも微笑み返すシンジ
「…僕も」

665:8/10
15/12/21 00:09:05.07 .net
切りつめられたような微笑
一度ぎゅっと抱きしめ、ちょっと身を離すアスカ
「ばか。あんたは平気じゃないでしょ。そんな顔しちゃって、無理ばっかして」
「…うん。わかっちゃう、よね」
アスカの髪の中にうつむくシンジ
そうっとその後ろ頭を撫でてみるアスカ
それから思い直して、もう一度覆いかぶさるようにしてきつく抱きしめる
腕の中でシンジが息を呑む
薄く目を開くアスカ
まぶたのふちにきらめく秋の陽射し
一瞬、このまま時間が止まることを強く願う
相互侵犯する共有という幻想
信じていないアスカ
(…ずっと二人だけならいいのに、って?
 そんなのごまかしよ。空想と同じだもの。一人でいるのと、同じだもの。
 だから、そう、駄目よ。わかってる、私はそんなのじゃ気が済まない。どんな嫌な思いをしても)
抱きすくめたまま囁くアスカ
「あんたを他の誰にも傷つけさせたくない。あんたの全部を私が見ていたい。
 あんたが傷つくぐらいなら、私がその痛みもつらさも全部引き受けて、打ち負かしてやるから」
呼吸をひそめたシンジの胸の鼓動
それが腕を上げる力になって、アスカの背中をそっと抱きしめる
頬がほてるのを自覚するアスカ
お互いにしか聞こえない声で呟くシンジ
「…わかってる。アスカなら、きっと、誰にも負けない。…僕とは違う」
言い返そうとしたアスカの動きをとどめるシンジの手
深い声が胸を伝わって響いてくる
「僕は、これからも何度も負けて、逃げてしまうかもしれない。でも」

666:9/10
15/12/21 00:09:43.17 .net
「何度でも、また立ち上がって、逃げた場所に戻って、前に進めると思う。…進んだ先には
 きっとアスカが立ってると思えるから。だからずっと大丈夫。遅れても、必ず追いつくから」
黙って聞いているアスカ
強い風の中から懸命にこちらを見ているようなシンジの言葉
ふいに胸に理解が満ちる
微笑むアスカ
(…そっか。そうなんだ)
(シンジに見ててほしいから、私は勝ちに行くんだ。
 我慢しないであんただって戦っていいのって、そう言ってやりたくて。…一緒に行きたくて)
膨らむ暖かさが笑い声になって小さく洩れる
「…そんなの、わかってるわよ。馬鹿シンジ」
そっと頭をもたげる二人
赤くなった顔を見合わせて思わず笑う
「…戻ろっか?」
試すように訊くアスカ
ほんの少しひるむシンジ
それでも頷く
「うん。皆に迷惑かけちゃったね」
にっと笑って先に立ち上がるアスカ
「いいのよ、主役なんだから。脇役も裏方も、ちょっとぐらい待たせて当然よ」
「当然、かなぁ…」
手を掴み、引っぱって立たせる
立ち上がるとアスカより背の高いシンジ
一瞬眩しげに見上げるアスカ
負けじと階段を一段登って見下ろす
「無理することないわ。でも、逃げ出すのもしゃくでしょ? だったらマイペースで戻ればいいのよ」

667:10/10
15/12/21 00:10:23.95 .net
「昨日のことなんかで私らがいじける必要もない。陰でひがむような奴には、前より十倍輝いて
 うらやましがらせてやるのが、当ったり前なのよ」
アスカを振り仰いで、ふっと素直に笑うシンジ
初めて空と陽光を意識する
こだわっていた自分が嘘のように身体が軽い
「…うん。そうだね。それ、…すごくアスカらしくて、好きだよ」
脆くて大切なものを支えるように口にする
真正面から受けてしまうアスカ
「…ばか」
ごまかすように前髪をかきあげる指が細い
階段を昇るシンジ
軽く睨むアスカの手を取る
「いい? 行くわよ」
「うん。アスカ」
並んで校舎に入る二人
揃った足音が廊下に踏み込んでいく
背後で非常口の扉が閉まり、ガラス面が戸外の光をまばゆくはね返す

-------
今回はここまでです
何だか自分だけで長々とスレを消費してるようで申し訳ないですが、もうちょい続きます
読んでくださった方、嬉しい感想をくださった方、本当にありがとうございます

668:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/12/21 21:24:42.77 .net
こんばんは通りすがりです
えーと気がついたらほんとに容量がギリギリだったので、
勝手ながら次スレを立てました

【明城学院】シンジとアスカの学生生活5【LAS】 [無断転載禁止]©2ch.net
スレリンク(eva板)

テンプレは前スレの1さんのものをそのまま使わせていただきました
訂正等あればよろしくお願いします orz


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