【明城学院】シンジとアスカの学生生活4【LAS】 at EVA
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350:6/9
15/11/03 23:24:32.98 .net
「そうなの?」
「うん」
何気ないふうに答えて、レイが自分の机から取り出したのはなくても良さそうな参考プリント
二人の視線に気づいて恥ずかしそうに笑う
少し目を逸らして続ける
「…私、先にあっちの校舎の階段まで行ってるから。そこで追いついて」
「…え」
「そこから一緒に行きましょ。
 私も入れて、三人で戻れば、みんなにあまりじろじろ見られないと思うから」
目をみはるアスカ
ぐっと頷いて感謝の笑みを浮かべる
ひと呼吸遅れて事情を呑み込むシンジ
「でも、悪いよ。それだと綾波も授業に間に合わなくなる」
「いいの」
さらりと答えるレイ
まだ繋いだままの二人の手を慈しむ眼差で見つめる
なぜそんなにも優しい表情をしてくれるのか、わからない
わからないけれども、そうして自分たちの傍にいてくれることがどうしようもなく、懐かしい
思い出せないこと、または思い出さなくても知っている遠くて近い何か
「レイ…ごめん。ありがと。恩に着るわ」
ぽつりと言うアスカ
滅多にないほどの情感のこもった声
同じ気持ちながら、その声を向けられるレイに少しだけ嫉妬してしまうシンジ
くすぐったそうに微笑むレイ

351:7/9
15/11/03 23:26:01.44 .net
「それも、いい。
 でも…良かったら、…次は私たちのときに何か助けてくれたら、嬉しい」
「うん」
「もっちろん!」
同時に力強く請け合うシンジとアスカ
はにかむレイの上気した顔
三人の頭上を、授業開始のチャイムの音が過ぎていく
「じゃ、先に行くから」
すらりと身を返して廊下に消えるレイ
見送って、顔を見合わせ、同時に破顔する二人
確かめなくても同じ気持ちでいると伝わることの幸福
照れくささに無言のままゆっくり教室を出る
とっくに次の授業が始まっている校舎
静まり返った廊下
日常の外にぽんと出てしまったような秘密の時間
並んだ教室の列を足音を抑えて抜けていく二人
会話の代わりに時折交わしてしまう忍び笑い
校舎と校舎の間の連結通路まで来て、ようやく思いきり息をつくアスカ
あまりにもあけっぴろげなしぐさに笑ってしまうシンジ
「…何よ、元はと言えばあんたのせいでしょうが」
「ごめんごめん。わかってるって」
「ほんとにわかってんの? もう」

352:8/9
15/11/03 23:28:44.88 .net
意識して頬を膨らませてみせるアスカを見つめるシンジ
さっき教室で一人だった時思っていたよりもずっと幸せで、ずっと切ない
目の前に生きているアスカ
会いたければ何度でも自分の意志で会いに行ける、現実の生身のアスカ
(…一人で、頭の中だけで何やってたんだか、僕は)
「ちょっと、聞いてんの?」
すぐに察して睨むアスカ
頷いて立ち止まるシンジ
ひと気のない中央廊下の真ん中で向かい合う恰好になる二人
沈黙の密度
「…なによ」
急に大人びたシンジの表情にけおされるアスカ
そのくせもっと傍に行きたくて仕方ない
それが伝わったように、一歩距離を詰めるシンジ
「…アスカ、ごめん。今もだけど、さっき、数学の授業の時も。また、何か気にさわる
 ことやっちゃったんだよね。別に言わなくていいけど…ごめん。情けない奴で」
「…ばか。謝って欲しいんじゃないわよ」
「わかってる」
力を抜いて微笑するシンジ
もう一度、自分が少女であることを強烈に意識するアスカ
シンジに比べて細い両肩、体型の違う身体、また少し差をつけられた背の高さ
みっともないくらい紅潮しているだろう頬

353:9/9
15/11/03 23:36:40.87 .net
それは目の前のシンジの無防備さと緊張を見ればわかる
素直に今の自分を好きだと思えるアスカ
声をさらに落として囁くシンジ
「わかってる、けど、ごめん。…これも」
「え」
すっと身を寄せてキスするシンジ
一瞬身を震わせ、すぐに身体と感覚を隠さず預けるアスカ
閉じた瞼の裏の親密な暗闇
互いの手が互いの肩を背を探り当て、支え、全然足りなくて強く抱きしめる
相手の心拍が手に取れそうな数秒
指の間で揺らぎ、危うくぶら下がっていた教科書が、ぱたりと落ちる
その音にはっとなる二人
今目覚めたばかりのような顔を見交わして照れまじりに笑い合う
気持ちとは裏腹に、さっさと身を離してみせるアスカ
「さっ、大遅刻だけど、早いとこ行きましょ。レイを待たせてるもの」
「うん。悪いことしたな、巻き込んじゃって」
「ほんと。絶対、何か埋め合わせしなきゃ。あんたも当然手ぇ貸すのよ」
「わかってるって」
しんとした無人の廊下を、軽く身体をぶっつけあうようにして歩いていく二人
--------
この後レイも合わせて三人で先生に叱られます
改めて>>307
ポエム氏、素敵でした、この一言です
ついでに自分は全くエロ方面は書けないので、今後の侵入社員さんに勝手に期待させていただきますw
1さん、遅くなってしまいましたがいつも丁寧な感想をありがとうございます、励みになります
スレ住民の皆様、気軽にレスを頂けたときが一番嬉しいです
そして265さん、待ってます!
ではまた、通りすがりでした

354:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/04 02:26:29.79 .net
>>335
おお!通りすがりさんが!
しかも前回の続きなんですね、これは嬉しい!
カヲル兄さんの言葉が言霊のようにシンジを呪縛してるね〜
なまじ普段アスカとキスしていたから、思い起こすととても生々しいのだろうね
でもアスカの態度の答えが得られず、そこから負の思考に囚われてしまったようだ…
心配して教室に戻ってきたアスカ、ディラックの海に沈んでいたシンジを一喝
溢れるアスカの陽の生命力にあてられ一瞬でサルベージされるシンジ、
考え過ぎても仕方がないことに囚われていたと気付いただろうか?
絡まりなかなか解けないクロスは正にシンジの心の状態そのものだったのだろうね
自分ひとりでは解けなかったそれをアスカがするする解いてゆく
嵐で方向を見失っていたシンジ船はアスカ灯台を見つけた
ああ、”ひとりじゃないって すてきなことね♪”
レイ、なかなか来ない二人を心配して様子を見に来たんだね
手を繋いだ二人に慈しみの眼差しを向ける優しい女神
二人とも今この世界で彼女に見守られていることに嬉しさと安心を感じているだろうね〜
先に行ったレイを追って二人きり、あれこれ悩んでいるより、と、行動を起こすシンジ
唇を合わせ強く互いを抱きしめあう二人の姿が、愛情と生命力に溢れていてとても眩しいなぁ
こうして心も体も成長していくシンジ、より女性らしくなってゆくアスカ
二人で一緒に経験し高めあってゆくさまがとても嬉しい!
前回願ったとおり、休み時間に素敵なことが二人に起こって嬉しくてため息、悶絶しまくりました〜
いつもにも増して今回は二人が共振して生まれるシンチレーションがとてもキラキラと眩しく感じられました!
今回も素晴らしいお話を有難うございます!!

355:侵入社員
15/11/04 21:42:50.11 .net
通りすがりさん、すばらしいです。情景が目に浮かぶようです。つたない文章ですけど私も書きますね。よかったら暇潰しにでも見ていってください。

356:侵入社員
15/11/04 21:56:51.51 .net
一応前回の続きという感じで
シャワールームからでるとアスカは髪を乾かしていた。いつの間にか昇っていた朝日にアスカの金髪が美しく映える。息をも飲む光景。アプロディーテが現代に甦ったと言われても全く疑うことはないだろう。
アスカ「しんじぃ」
甘えた声で現実に引き戻される。
シンジ「あ、あぁ...」
髪をといてほしいということだろう。べつに初めてではないのでとくに迷うこともない。今日はポニーテールにしようかな。
アスカ「あー、きもちー...」
猫を撫でてるような気分。髪をといてもらうのはそんなに気持ちいいのだろうが?男の僕にはわからない。ポニーテールは簡単だしパパっとすませる。やっぱり綺麗だ。思わずポニーテールのてっぺんにキスをしてしまった。
アスカ「ちょっと、シンジ!」
まずい、ばれた。
シンジ「ご、ごめ...」
アスカ「キスはここよ?」
あっけにとられてる間に唇を奪われてしまった。男としては複雑でやはりこっちからしたいもの。反撃って訳じゃないけど半ば無理やり舌をいれる。
アスカ「ん?ふぁ...」
かわいい。その一言につきる。アスカの頭の後ろに手をまわし、そっと撫でながらアスカの口のなかを蹂躙していく。甘い、柔らかい。ずっと続けていたくなるような...
もちろんそういうわけにはいかないので離れる。軽く3分はしていた。アスカの顔は真っ赤だ。
アスカ「たまにはわたしにリードさせなさいよ!」
シンジ「アスカあいてに」

357:侵入社員
15/11/04 22:05:57.19 .net
代替え機使いにくすぎるんじゃあぁ!失礼しました。
シンジ「アスカ相手に我慢なんてできないよ。」
アスカ「もう...」
なんか最近アスカをいじめるのが楽しくなってきた...いや、いじめるってほとではないけどさ。
シンジ「ところでさ、昨日言ってたスノボ、行くの?」
アスカ「んー、なんか、もういいかなって思ってるんだけど」
シンジ「じゃあさ、この前できた屋内プール行かない?近いし結構大きいみたいだし。どうかな?」
アスカ「まぁいいけど...水着だいぶ小さいのよね。」
シンジ「今回は屋内だしいいんじゃない?」
アスカ「ん〜仕方ないわね。じゃあ準備してくるわ。」
風呂でのぼせそうなので一旦切ります

358:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/04 23:14:18.25 .net
>>335
>>339
乙乙乙ー!
一気に二人の職人LASが読めるなんて驚きだ!





共々、次作はよ

359:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/05 00:24:31.42 .net
>>339
侵入社員さん待ってましたよ〜!
二人とも可愛らしくていいですねぇ〜

続きはよ!

360:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/05 22:39:09.10 .net
>>339


361:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/06 23:13:10.23 yJQcEXe6.net
やっとるねー!

362:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/08 01:30:33.25 .net
はよ

363:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/08 21:29:29.04 .net
知らない間に盛り上がってますね
新作の投稿楽しみです

364:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/09 22:25:03.54 .net
はよ

365:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/10 23:22:10.65 .net
流れが止まった

366:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/10 23:39:18.84 .net
夕食後のラウンジ。いつもの日常。
シンジが風呂から上がってくると、そこにいたのはマリ。
ただ、その背中はいつもと違って、少し寂しげだ。
「どうしたんですか…?」
ゆっくりと近づきながら、マリに話しかけるシンジ。アスカはあと5分は風呂から出てこない。
「にゃ?ああ、ワンコ君か」
目に光がない。虚ろで、寂しげな表情のマリを見るのは珍しい。
その姿を見たシンジは、次の言葉が出てこない。
マリも、いつもならシンジをいじりにかかるのだが、今日は全くそんな素振りは見せず、
ただ手元のスマホをぼんやりと触っている。
「にゃ、別に気にしなくていいにゃ」
手をひらひらとさせるマリ。まるで近寄らないでと言っているかのようで、シンジは黙って
その場を後にする。
静かなラウンジ。マリ以外には誰も居ない。食堂のおばちゃんたちもとうに帰ってしまった。
薄暗い中で、iPhoneから漏れる灯りだけが揺れ動いている。
やがて、ドアが開き、もう1人の来訪者が現れる。
「コネメガネぇ、シンジ知らない?」
バスタオルで髪の毛を拭きながら、スリッパの音を響かせてアスカが近づいてくる。
「ねぇコネメガネ、シンジ知らない?」
「…姫の方がご存知なのではないかにゃ?」
「あん?またあんた喧嘩売ろうっての?昨日の夜勝手に私のエビフライ食べたくせに…」
チラ、とアスカを見上げるマリ。
その表情に、アスカがおや?という顔をする。
「何よあんた、どうしたの?元気ないじゃない」
眉をピクリと動かし、また視線をiPhoneに落とすマリ。
虚ろに画面上を上下左右する指先。
「それだって昨日散々自慢してたiPhone6Sのピンクじゃない、やっと私の色が出たにゃ、
とか言ってさ」
「…まあね」
「…うーん…」
アスカ、ちょっと困ったような顔をして、まだ濡れている髪をゴシゴシとタオルでこすり、
マリの向かいに腰掛ける。

367:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/10 23:39:56.47 .net
>>348
「どうしたのよ?何かあったんなら、吐き出しちゃいなさいよ、楽になるわよ」
マリの指先が止まる。しばし


368:フ沈黙。 食堂奥の厨房にある業務用冷蔵庫のジーッという音だけが聞こえる。 「実は…ロスってるにゃ」 溢れ出る泉の水がこぼれ落ちるように、マリが口を開く。 「は?ロス?」「そう、ロス」 「…えーとアメリカの西海岸の話…じゃあないわよね」「無論にゃ」 「何?終わったテレビ番組もないし、亡くなった有名人であんたの好きだった人とかいたっけ?」 ゆっくりと首を振るマリ。 「いや…実は大学のゼミで良くしてくれた先輩がさ、急に家庭の事情とかで学校辞めたにゃ」 「ふむ」 「何て言うか、失って初めて知る存在の大きさ、ってやつにゃ」 「…なるほど」 「なんか、心の中にぽっかりと穴があく、ってこういうことか…と」 「…むー」 マリがまたチラとアスカを見る。 「すまんな、姫に背負わせるつもりはないよ」 そう言って手をひらひらとさせる。 「な、何冷たいこと言ってんのよ、」 思わず出たその一言に、マリが反応する。 「…姫にそう言ってもらえるだけでもありがたいにゃ。」 少し潤んでいるようにも見える瞳。静かに、深く深く、人生の悲しみを凝縮させたような溜め息。 そしてそんなマリの姿を見つめるアスカ。 やがて踵を返し、ドアの向こうに消えていく。 最早指先すらも動くことを止めたマリは、もう一度、深く深く息をつくと、目をゆっくりと閉じる。 脳裏に浮かぶのは、その先輩の姿。教室で、図書館で、学食で、色々なことを教えてくれた。 ただ漫然と、ずっと一緒にいられると思っていた。 彼女が卒業するまで、傍にいてくれていると思っていた。 ごめんね、そう言い残して手を振ってスーツケースを引いていく彼女の姿が再生される。 マリに出来ることは、何も無かった。何か悩みがあるんじゃないかとか、そういうことすら、 考えもしなかった。そんな自分に、そんな過去に、激しく後悔する。



369:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/10 23:42:03.30 .net
>>349
再び目が開かれた時に、目の前にいたのはシンジとアスカ。
「あれ?いつの間に…」
シンジはギターを持っている。一瞬のアイコンタクトの後、シンジはギターを弾き始める。
優しいイントロのフレーズが流れ出す。
「Def Tech sound Shen and Micro 'round singing on and on and on,yeah…」
アスカもシンジに合わせて歌っている。
マリの目が見開かれていく。指先は静かに、だがはっきりと、リズムを打ち出す。
「手を繋げば怖くないから そこまでおまえは弱くないから…」
気がつくと口ずさんでいるマリ。その姿を見て、微笑むシンジとアスカ。
「…でも明日からまた新しい日が始まる…」
そして曲が終わり、キュッというフレットノイズを余韻に残して、シンジが指を止める。
マリの瞳から、涙がほろりと一粒こぼれる。
パチパチパチパチパチ
マリが涙の跡を頬に残したまま、拍手を続ける。
「…ありがとうにゃ」
シンジとアスカ、再び見つめ合う。そして微笑み頷きあう。
「ほら、元気出しなさい、コネメガネらしくないわよ」
うん、と黙って頷くマリ。涙が、もう一粒。
「落ち込んだりした時には言いなさい、あんたは独りじゃないんだから」
うん、とまた黙って頷くマリ。涙は、もう零れてこない。
「…ありがとうにゃ、なんだか元気が少し出てきた気がするにゃ」
「良かった、」
シンジが心底ほっとしたように言う。
「…ワンコ君、その表情は反則にゃ。可愛すぎるにゃ…」
顔を赤くするシンジ。そんなシンジを見て頭を派手に叩くアスカ。
バシン「痛ったたたたあああああ、ちょっとは手加減してよぉ、」
涙目になって頭をさするシンジ。
「バカ、デレデレしないの!そもそもあんた、さっき英語の部分の歌詞間違えたでしょ、」

370:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/10 23:43:59.64 .net
>>350
「うっ…で、でもしょうがないじゃないか、すっごい早口で難しいし…」
「これだから純日本人はダメよねぇ…、」
「なんだよ…アスカだって最初歌詞の漢字読み間違えしてたくせに…」
「うるさい!日本語なんて世界最凶最悪の悪魔言語、それ位仕方ないわ」
「…開き直らなくても…もう漢字教えてあげないよ?」「うっ…ご、ごめんなさい」
ふと、マリに気づく両名。
「何よコネメガネ、何ニヤニヤしてんのよ?」
「にゃ?いや、やっぱりお二人さんはお似合いのバカップルだにゃあ、と思ってさ」
瞬間、飛んでくるスプーンを避けるマリ。
「その手はもう喰わないにゃ、じゃ、お姉さんはそろそろ寝るにゃ。おやすみ〜」
立ち上がり、2人を背にして数歩、そこで振り返るマリ。
「いや、でも、ほんとに、ありがとう」
微笑みで答えるシンジとアスカ。手を振り合って暮れていく夜。
「ありがとう」
2人に背を向けたまま、自動ドアが閉まり始める間際に呟く一言。
その一言が虚空に吸い込まれていく前に、再び背後から鳴り響く優しいギターの音色。
ドアに手をかけたまま、ピタリと止まるマリ。再び開くドア。
「...if I lay here,if I just lay here,would you lie with me and just forget the world? 」
振り向き、黙ってシンジとアスカに向かって歩き出すマリ。
そのままシンジとアスカの前で立ち止まる。
「ほんと、」
溜め息をひとつ。
「ワンコ君は随分とマニアックな曲を知ってるにゃ」
そういうと、マリはその場でごろんと横になり、目を閉じる。
「うん、無駄ではないにゃ。この時間は…ほんと、2人ともありがとうにゃ…」
「...All that I am, All that I ever was, Is here in your perfect eyes, they're all I can see...」
両手を広げて、シンジとアスカのアンサンブルを全身で吸収しようとするマリ。
「ほんと、ワンコ君は、優しいにゃ…。優しすぎて身を滅ぼしかねないにゃ…」
曲が終わる頃、いつの間にか、頬をまた涙が伝わっている。
右手で顔を覆い、零れる涙を誤魔化そうとするマリ。
その姿に気づいたアスカがハンカチをマリの顔にふわりと投げかける。

371:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/10 23:45:58.31 .net
>>351
「コネメガネ、今日くらいは許してあげる、泣きたいだけ泣きなさい」
「姫、ハンカチはありがたいけど…投げることないじゃろ…」
メガネを外し、涙をぬぐいながらアスカを見つめるマリ。
「にゃ…さすがにメガネがないと全然見えないにゃ…」
「見えなくても、感じるでしょ」
アスカの言葉に反応するかのように、アスカの方を見つめ(実際は見えちゃいないが)アスカの笑顔に
微笑みで返すマリ。
起き上がって椅子に座り直すマリ。
目は赤く、瞼は腫れてはいるものの、その奥には今まで隠れていた光が戻ってきている。
その姿を見て、シンジも安心したようだ。
「良かった、元気がない真希波さんなんて、真希波さんじゃないからね…」
「む…失敬な、このあたくしとて、落ち込む日くらいあるぞな」「だから、あんた日本語が変よ」
アスカの突っ込みに、シンジが笑う。安堵したような笑い声に、続いて女性陣2人も笑い出す。
「それはそうとワンコ君、ひょっとして、リクエストとか受け付けてくれたりするのかにゃ?」
「え…?知ってる曲ならなんとかなるけど…」「恋するフォーチュンクッキー」
「…ごめん誰の曲?」「…あんたバカ


372:氈H知らないのAKB?」「…ごめん」 「使えないわねぇ…っていうかコネメガネ、あんたあんなの聴くの?微妙にもう古いし…」 「なんとなく言ってみたにゃ。でもあの曲はそんなに嫌いじゃないにゃ」 「あ、そうだ」 突然、シンジが自分のiPhoneをいじり出す。そして数秒後、 「あ、あったよ」 言うなり、コードを弾き始める。 「おおお、ワンコ君凄いにゃ。いきなり初見で弾くかそれ?」 「ん?コード弾くだけならね…スコア検索したらあったからさ…」 そのまま画面を見ながら弾いていくシンジ。それに合わせてマリが歌い出す。 アスカもマリと一緒に歌いながら、感心したようにシンジを眺めている。 歌い終わると、アスカが面白がってシンジのiPhoneを操作、 「じゃあこれなんてどう?」 「えーと…千本桜?アスカ、初音ミク好きじゃない、って言ってた気がするけど… ツインテールのクイーンの座は譲らないとかって…痛っ」 「いいじゃない、歌と歌っている奴は別だわ」



373:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/10 23:46:37.05 .net
>>352
「まあそうかもしれないけど…ふむ…これって小室進行だよね…」
弾き始めるシンジ。小室進行ってなんぞ?という顔をしてお互いの顔を見合わせるアスカとマリ。
「これって残テじゃない」
「ん?あたしゃ爆風スランプかと思ったにゃ、走る〜走る〜俺―たーちー」
「あんたほんと何歳よ?なんでそれが真っ先に出てくるのよ…」「にゃ?」
はは、と笑って、手を止めるシンジ。
「同じようなコード進行だからね…小室哲哉が多用してたんで小室進行、割と有名だよ」
へー、と不思議そうな顔をしてまた顔を見合わせるご両人。
「でもさ、ってことはだにゃ、いろんな曲を歌える、ってことかにゃ?」
「ま、まあ、そうかもしれないけど…」
なんとなく、悪い予感がしてきたシンジ。
「ゴニョゴニョゴニョ…」
アスカとマリが向かい合って何やら悪魔的な話し合いをしている…ようにシンジには見える。
「明日…学校あるんだけど…そろそろ寝た方が…って何これは?」
アスカがシンジの目の前に突き出したメモ用紙。そこには10曲以上のリストが書き込まれている。
「シンジィ、とりあえず、これだけでいいから、弾いて(はぁと)」「ワンコ君、お願いにゃ(キラキラ)」
アスカの青い瞳と微笑みが、悠然と物語っている。「あなたに拒否権はない」と。
「(この2人、なんだかんだいって仲良いよなぁ…)」
呆れたように、諦めたように、息をつくシンジ。
「ん?何か言った?」「いえ、なんでもありませんお嬢様」「うん、よろしい」
まさに藪蛇となった自分のアイディアを若干呪いつつ、シンジはイントロを弾き始める。
「ま、いっか。2人が楽しんでくれれば、それで」
この夜の即席コンサート(兼カラオケ大会?)は、日付が変わる頃になって、
寮長の冬月に怒られるまで続くこととなる…。

歌詞引用曲
Def Tech 「My Way」
Snow Patrol 「Chasing Cars」

374:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/10 23:50:32.65 .net
メンタルどん底な265の人です。こんばんわ。
流れが止まったなんて書かれておったので、即興分、投下させていただきます。
タイトル考えてなかったw
Aに捧げるBallad、ってな感じにしておきますw
補足としては、Def Teckの方は、オリジナルよりもむしろ
Goose houseというグループの兄ちゃん2人が歌ってるバージョンの方がイメージに近いですw
そんなこんなで、とりあえず皆様ご機嫌ようノシ

375:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/10 23:58:23.19 .net
>>354
「さて、今日は特別に、あたしから挨拶にゃ」
「何?なんで残業みたいなことやんなきゃなんないのよ、そもそも何やってんのよ265の奴」
「なんか仕事上の相棒が急に辞めちゃって落ち込んでるらしいよ」
「で、あたしが身代わりになったというわけにゃ」「


376:何よあいつ、相変わらず女々しいわねぇ…」 「でも、なんとなくだけど僕は気持ち分かるような気がするよ…」 「ワンコ君はいつもいつも優しいにゃぁ、」 「ま、知ったこっちゃないわ。ここんとこ出番なくて退屈なのよねぇ…」 「いやいやいや、アスカ受験勉強佳境なんじゃないの?」 「ん?そんなことあいつこれっっっぽっちも触れてないじゃない?だからなんとでもなるわよ。 とりあえず、シンジと同じとこ行けなかったら、あいつ…マジ殺す」ギラッ 「ひっ…姫、また目が光ったにゃ。怖いにゃ…」ガクブル 「それはそうと、シンジ。」「何?」 「もうすぐ12月よねぇ…」チラッ 「えっ…誕生日プレゼントとかクリスマスとか、そういうのはきっと脳内ポエムさんとか他の人がやってくれるから…」 「いやいやいや、そういう問題じゃないでしょ」「うっ…」 「今回、シンジと一緒に歌ってみて、案外楽しかったのよね、」 「あ、それはあたしも思うにゃ。落ち込んでいた気持ちが、なんか軽くなるっていうか、音楽ってやっぱり いいにゃぁ、と思える一瞬だったにゃ。」 「そこでリリンがうんちゃら言わないあんたを褒めてあげるわw」「にゃ?」 「いや、意味分かんないならいいけど」



377:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/10 23:59:35.53 .net
>>355
「…で、何でしょう…?(ドキドキ)」
「え?なんだっけ…あ、そうそう誕生日ね、あたし、ギター弾いてみたい!」
「あ、いいにゃーいいにゃー、あたしも弾いてみたい!」
「コネメガネ、あんたは黙ってなさい!」「酷い…」
「その…つまり…ギターが欲しいと?」「ご名答」「にゃ」
「だからあんたは黙ってろっちゅーの!」「酷い…」
「ま、そのギターみたいにバカ高いのは要らないわ。可愛くて、あたしに似合うようなのがいいな」
「(ギターに可愛いとか可愛くないとかあるんだろうか…)う、うん…」
「あたしも、マチ子じゃなくていいから、カッコイイのが欲しいにゃ!」「くどい、黙れ」「酷いにゃ…」
「(マチ子?いつの間にあのD-28に名前ついたんだろう)…じゃ、じゃあ今度見に行く?」
「さすがシンジ!」「さすがワンコ君にゃ!」「あんたは来なくていい!」
「だから酷いってばにゃぁ…せっかく265に次作のネタとして提案しようとしてたのに…」
「え?何?」「いや、だから265の次作のネタにみんなでギターの会、とかさ」
「それ…面白くなんの?」「それは265次第にゃ」
「うーん、僕としては楽しそうだけど、でも無茶ブリでますますあの人落ち込むんじゃないかな…?」
「多分大丈夫にゃ。…多分。」「すっごい自信なさそうね…」「にゃ?そそそそんなことないにゃ…(棒)」
「怪しい…」「怪しいわね…」
「う…あ、そそそうだ急用を思い出したにゃ、じゃっ、皆の衆ご機嫌よう!」スタコラ
「逃げた…」「逃げたわね…」
「大丈夫なのかな?」「大丈夫に見える?」「全然」「だよね…」
「ま、期待せずに待ちましょ」「僕たちにはそれしか出来ないもんね…」
「何言ってるの、あいつが書いている間に、ギター買いに行くわよ!」
「…やっぱりそう来ますよね」「勿論、可愛いの買ってね(はぁと)」「かしこまりました、お嬢様」
「(夏過ぎから、なんだかアスカが遠慮しなくなってきたような気がするけど…気のせいかな…?)」

378:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/11 02:04:13.89 .net
>>356
265先生キター!!
嬉しくて疲労も吹っ飛びます〜!
おおっ!マリ回だ〜と喜んだけど何か落ち込んでいる様で、
さすがのアスカも気にするほど力ない口調、どうしたのかな、と心配
オイラ ”ロスってる” の意味を直ぐに飲み込めなかったのは内緒 (”いしのなかにいる” を連想w)
言わば恩師とよべる先輩がいなくなってしまったのか、それは寂しいね
心配したアスカが彼女にかけた言葉の優しさ人情にちょっと救われる思い
近しく、親しくても人の事情はどうこう出来ないのが辛いところですね…
最初シンジがやけにスッと去ってしまって、アレ?と思ったのだけれど
そうか、


379:ギターを取りに行っていたのね〜優しくて気遣いなシンジが無視出来るわけないよね アスカとの息もピッタリ、二人の生ライブ、いいねぇ! 歌といつものドツキ漫才でマリの傷心が癒されていく、二人の陽のエナジーが素晴らしい! カラオケ大会が始まってますます雰囲気に生気が溢れ出す、素敵だなぁ AKBを知らないシンジ、初音ミクを知ってるアスカ、なんかチグハグな感じにちょっとワクワクする〜 265さんの創造セカイを覗いたときいつも思うことの一つは ”この寮のラウンジでみんなとワイワイしたい!” 本当にいつも居心地良さそうですよねぇ どうしてオイラは ”この世界” にいないのだろう、と無茶な妄想が暴走w エピローグで明かされる衝撃の真実、ロスは実話だったのですか 265さん自身がシンジとアスカに癒されるために自動書記が発動したのでしょうか… アスカが欲しがってる可愛くてアスカに似合うギター、古いしベタだけど FERNANDES ZO-3 RED MODEL が似合いそう、安くてコンパクト、アンプ内臓で直ぐ使えるし〜 今夜は素敵なひと時を垣間見れてココロもホクホクです〜 即興とは思えない素晴らしいお話を有難うございます!



380:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/11 02:06:15.93 .net
乙でした

381:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/11 23:09:07.83 .net
>>356
乙!

382:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/12 23:08:10.19 .net
>>356
乙乙乙ー!
メンタルがドン底だって?
でもそれだけの小説書けるんだからメンタルは全然大丈夫だよねw
病は気から!くよくよしてる暇があるなら全速前進!
酒でも呑んでパーッと忘れちゃいましょう!w



続きはよ

383:侵入社員
15/11/13 23:12:52.95 .net
ケータイ変えたらすごく問題児でして現在外でネットが使えず…解決しだい速攻書きます。

384:1/4
15/11/14 00:30:31.56 .net
こんばんは、通りすがりです
小ネタばっかりですみませんが、どうも自分はこういうタラタラした書き方が合ってるようです
今後も複雑なストーリーや盛り上がりは265さん、ポエム氏、侵入社員さんにお任せです orz
265さん、僭越ですが、今そうやって落ち込むってことは、それだけいい人間関係が築けてたってことだと思います
心が豊かな証拠でもあります、例えば265さんの書くシンジ君の優しさにそれが出てるんじゃないでしょうか
落ち込んでしまう自分も大事にしてあげてください
(そして進路相談篇の続きを…)
----------
午後の授業
いきなりの小テストに没頭しているクラス
先生が腕時計を見て終了宣言する
「はい、それじゃ回答用紙集めてー。後ろの席の、そうだな、両端の二人」
いちどきに気が抜けてざわざわとなるクラス
諦め顔でプリントを集め始めるケンスケ
が、席を立つ音は一つだけ
けげんそうに後ろの席を振り返るシンジ
「渚? 先生がプリント集めてって…って、渚! 寝るなよ!」
眠そうにシンジを見つめるカヲル
状況を思い出す
「んー…? ああ、終わったの…?」
「終わったよ! 何やってるんだよ、テストなのに」
「だって退屈だしさ…で、何」
「だから、テスト用紙! 集めて前に持ってくんだってば!」
ぼんやり瞬きして改めてシンジを見るカヲル
真顔で正視されてややうろたえるシンジ
と、また机に突っ伏してしまうカヲル
「任せた。よろしく」

385:2/4
15/11/14 00:32:40.16 .net
「え? ちょっと、おい! 寝るなっ」
カヲルの肩を揺さぶりつつ先生の目を気にするシンジ
仕方なく立つ
顔を伏せたカヲルの両腕の下からそうっと回答用紙を引っ張り出し、自分のも重ねて
代わりに回収し始める
にやにやしつつプリントを渡すトウジ
「いやー、すまんなぁセンセ。今日も子守やな」
「別に引き受けた覚えないんだけどね」
溜息をつき、遅れを取り戻すべく手早く回収していくシンジ
教室の反対側ではアスカがケンスケからプリントの束をひったくる
「何もたもたしてんのよ、もういいわよ! 私が代わる!」
「え、え?! 何だよ!」
「あんたにやらせてたら一万年かかっても終わんないでしょ!」
「…それはちょっと酷くないか…? まあ、別にいいか」
自席に戻り、てきぱき回収するアスカをしげしげ眺めるケンスケ
あと十秒だけ!の懇願の声も無視して鮮やかにプリントを強奪していく
感心してしまうケンスケ
「…何で、プリント回収するだけであんな無駄にかっこいいんだろうな。惣流って」
同じく自分のプリントを渡して眺めているヒカリ
「アスカって、ほんとに何をしてても絵になるのね。うらやましいなぁ…
 あ、でも」

386:3/4
15/11/14 00:33:45.35 .net
それぞれ自分の手元だけ見ながら前に来るシンジとアスカ
先生の待つ教卓の前で鉢合わせ
初めて顔を上げる
互いの姿を見る
とたん、アスカの手から意識が抜ける
舞い散るプリントの束
うわーっとなる教室
「おいおい何やっとるんだ、惣流!」
先生の呆れ声の下、真っ赤になってプリントを拾い始めるアスカ
あわてて手伝うシンジ
「どうしたの? 大丈夫?」
心もちシンジから身を引き気味で手を動かすアスカ
「バカ、あんたのせいよ。なんでいきなりいるのよ」
呟いたアスカの顔を覗き込むシンジ
「え、今…何?」
「…なんでもないわよ。バカッ」
さらに退くアスカ
「…??」
訳がわからないなりにアスカに手を貸していくシンジ
アスカが集めたばらばらの用紙を器用に受け取り、揃えて先生に提出する
小さい声でありがとと呟くアスカ
シンジの返すさりげない微笑に、自分も小さく笑う
教卓の横に自然な距離で並んでいる二人の後ろ頭
成り行きを眺めているヒカリ
ふふっと笑う

387:4/4
15/11/14 00:35:05.73 .net
「…やっぱり、見てるとわかっちゃうもの。いくら二人が普段、気をつけてたって」
くすぐったそうな顔で頭をかくトウジ
「つうか、ま、バレバレなんやけどな。しっかし誰も嫌味にとらんてのは、やっぱ」
手の甲に頬杖ついて見物中のケンスケ
シンジと別れて席に戻るアスカの飾らない無意識の微笑み
心なしか生き生きした動作
ひるがえる髪すら軽やかに見える
「そりゃまあ…シンジといるときの惣流が一番かわいいから、だろうな。うん。
 それだって一目瞭然だもんな」
細い指先を重ねて微笑んでいるレイ
再び静かになるクラス
先生が次回の授業の予定を告げ、まもなくチャイムが鳴る
休み時間の活気に包まれる教室
ヒカリと談笑するアスカ
カヲルを小突いて起こそうとしているシンジ
離れた二人を見てニヤニヤするトウジとケンスケ
心配そうにカヲルを見ているレイを、アスカが呼んで会話の輪に引き込む
何か囁いて一斉に笑う女子三人
全然起きないカヲルに溜息つくシンジ
見かねたトウジとケンスケがからかいながら近寄っていく
落葉が舞う校庭
めっきり短くなった日脚が早くも空を夕焼けの色に染め始める

388:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/14 03:01:05.15 .net
>>365
乙乙乙ー!
いつ読んでもテンポのいい小説だねー
気楽にLASを楽しめるのがGOODだな




次作はよ

389:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/14 14:35:53.21 .net
書きなさい。あなたが書くのよ、ポエムを。と脳内三佐が言ったので昼間から
投下をしてみようと思います。
脳内ポエムシンジ君シリーズ。ちょっぴり切ないお話。
9レスほどお借りすることを許して


390:ヒヤシンス



391:@
15/11/14 14:36:34.02 .net
 誰も彼も、寂しくなったりするんだ。
 紅い波が寄せる砂浜の上で、君の首を絞める夢を見た。

 求めていたんだ。君なしでは生きられないくらいに。
 だから君を失って、僕は世界を終わりにしたかった。君は全てを差し出した。
 そんな君に甘えて生き残ってしまった僕に君がかけた声は、罵倒かな。
 
 定期的に見るんだ。
 彼女と過ごすとこの夢が多くなる。虹色の毎日の、僅かな陰り。
 ねえ、本当に前世で僕と君が出会っていたとして、そして傍にいたとして。
 その時はどんな結末だったのかな。
 僕はたぶん君の傍に居られなかった気がする。もっと、雑音や陰謀や身勝手だらけの。
 世界一面倒な選択肢の前に立っていたような気がする。
 前世というものがあったなら、僕は、最期まで。
 君の胸の中で死ぬのを求めたのかな。

 深夜、そこで目が覚めた。薄暗い見知った天井を凝視し、半身を起こす。
 手にじわりと広がっている汗。跳ねていた心臓、痛み。
 今夜の僕はマイナスばかりだ。

392:A
15/11/14 14:37:12.70 .net
僕は暗い部屋の中、ベッドの上で体育座りをした。膝を抱え、頭を抱え。
 いくつも落ちた水滴が生ぬるい。
 僕は生きている。ちくしょうめ。
 日々増える増えるデジャビュ。
 でも人生が喜びに溢れているだけじゃない。前世があったら、きっとそうだ。
 時々はこうして、望まないカードを引く。 

 喉の奥がガラガラになっていた。僕は部屋の明かりをつけずに部屋の中を歩く。
冷蔵庫を明ける。飲み物の半分がジュースで、いつも勝手に増えている。
 僕は奥の方に置いてある低脂肪牛乳の紙パックを取って、深めのカップの中に注いだ。
 電子レンジの中でぐるぐると回転させて、熱の偏ったホットミルクが出来る。
 かき混ぜもせずに飲みだす。表面は熱くて、底の方が冷たかった。
 溶け合った生ぬるさがあったのは、喉越しの時くらいだったかな。

 そのまま台所で座り込んだ。落ち着きはしないけど、激しい感情も起きない。
 逃げているというか、心を動かさずにいるためには、こうすればいい。
 公園で、昔の家の中で、誰もいない非常階段の端っこで、あらゆる世界の死角で。
 こうして、世界中誰にも見つからないように座って隠れる。

393:B
15/11/14 14:37:37.82 .net
 そうすれば終わる。所詮は夢だ。味わった不快感は、全て終わりに出来る。
夢は所詮夢だから。でもあの気持ちは、あの世界の僕のものなんだろう。
 終わったような世界の中で、僕は何かを始めていた。
 朝日が昇り、朝食を作り、彼女が来るまでに、この哀しみは消えているだろう。
 そう、きっと、そうしてみせる。そうしなきゃ、そうしなくちゃ。

 「…ひっどい顔してるわねアンタ」
 おはようの変わりの言葉がソレかい。僕は目をこすりながらアスカを部屋にいれた。
 
 「まーた変な夢見たのアンタ。夢は夢なんだから」 
 憎まれ口にも冴えが無いってことは、今の僕はよっぽどひどい顔なんだろう。
 僕は苦笑を形作って、とりあえず朝食のハムエッグなんぞを焼いている。
 ベーコンの端っこが熱を持って固くなっていくのを眺めている。
 背中から、へその辺りに手を回される。
 料理中は危ないから、と言っても聞いてくれはしない。
 僕の背中辺りに、アスカのおでこが


394:触れている。  僕は火を止めた。ベーコンエッグが焦げ付く寸前だった。  アスカは何も言わない。背中にべたーっと張り付きながら、僕の反応を待っている。  僕は、何も言えなくて。



395:C
15/11/14 14:38:18.36 .net
 「ちっ、色仕掛けもダメか」
 舌打ちした言葉と同時に、アスカが離れた。僕はどっと疲れた気分を感じたのだ。
 「なんだよソレ。朝食のおかずは増やさないよ」
 「男ってこういうことで元気でるんでしょ。サービスが足りなかったかしら」
 チクショウ、正直元気出たよ、すこしだけ。
 僕はさっさと朝食を出して、学校へ行く支度をしようと思っていた。
 アスカがスマホをいじっている。耳にあてて、何か喉を押さえて。
 「…あ、もしもしすいませぇ〜ん。A組の惣流ですけどー、何か今日は頭が痛くて熱が
出て咳が止まらなくて食欲が湧かなくてダルいんで、お休みしますねぇ。あ、碇君も一緒
に〜、同じ症状みたいなんで〜、はい〜」
 水商売のお姉さんみたいな造り声で通話をしていた。…というか内容が。
 「え、え?」
 狐につままれている僕をよそ目に、通話を終えたアスカは一言。
 「よし、サボるわよ!」
 「ちょ、まって、僕の皆勤賞を何てことして」
 「うっさいわね。もう既にサイは投げられたのよ。一日くらい問題ないわ」

396:D
15/11/14 14:38:50.84 .net
 そりゃ君は特待生を軽くまくるくらい成績がいいけど、僕の方は。
 「こないだの中間の男子成績ランク表でアンタが3位に入ってたのを見たわ。
てかあんた 成績系で3位取るの多いわね。『サードチルドレン』とか言われてるわよ」
 何それ、初耳なんだけど。ふしぎとしっくりくるけど遠慮したい言霊だ。
 「きっとあんたあれよね。意図して3位に入ってるタイプよね。全力で
やったらもっと上をいけるけど、そこまで身が入んないのね」
 なんだよその人物評は。まぁ…人より情熱が無いのは事実だけど。
 
「『激しい「喜び」はいらない・・・そのかわり深い「絶望」もない。「植物の心」のような
人生を』とか本気で思ってそうだわ」
 どこの連続殺人鬼だよ。というか僕の部屋のJOJO4部がなくなってると思ったら
君が持ってったのかよちくしょう。
 アスカはにやりと笑いながら、テーブルの上のハムエッグにフォークを突き刺した。
 「このあたしがいる限り、そんな腑抜けた言葉は言わせないわ。シンジ」
 金髪の暴君の蒼い瞳が僕を射抜く。僕はこの瞳に逆らえない。
 「海へ、行くわよ」
 ああ、その言葉が僕に戸惑いと、心臓を高鳴らせるものを与えていく。

397:E
15/11/14 14:39:24.74 .net
窓の外で景色が流れている。空の青を基調として、人工物の建物が、やがて
 緑、トンネル、田畑、河川を越えて、やがて海の青と出会い、青が深まる。
 2人がけの席で、僕とアスカは私服のまま電車に揺られている。
 平日に若い男女が私服姿でこんなところまで来ているって、警察官や駅員に咎められ
たらどうしようなんて、僕はずっと落ち着かない。
 しかもアスカは何かずっと手を握ってるし。
 理由を聞いてもニヤニヤと楽しそうに笑うだけだ。きっとアレだ。僕がどぎまぎして
落ち着かない顔を見て楽しんでいるんだ。こんちくしょう、温かくて柔らかい…。
 窓が少し開いているから、窓側のアスカの髪を風が撫でている。
 ゆらめくそれが、時々僕の耳ちかくに触れている。
 アスカは白い鍔広


398:の帽子を被っている。見た目だけならお嬢様のようだ。  かじっているサンドイッチがなくなると、僕の方に手を伸ばしてくる。  僕はその掌にペットボトルを渡す。何で外でまで世話を焼かなければいかんのだ。  キャップくらい自分で締めてよね。  空は 青いな。 海も 蒼いな。  潮風の匂いが強くなってくる。僕は、目元が揺れ始めるのを感じていた。  駅についた時、アスカがそっと指先で僕の涙に触れた。  外国の映画のように、人差し指をまげて、その上で、涙を掬い取るようにして。  あ、舐めた。 「降りましょ、シンジ」 平然としている彼女と裏腹に、僕はもう羞恥心で死ぬかと思うんだ。



399:F
15/11/14 14:40:19.98 .net
まだ光も明るかった。海までの道は、僕達の街よりも光が強い気がした。
タクシーは使わなかった。2人で歩いていく。道路側は僕で、荷物も僕だ。
でも僕は、彼女の手を握って歩いているというこの上の無いような喜びがあった。
シーズンの過ぎた海は、どこか寂しいという。確かに真夏の情熱はそこには無い。
でも波の音が聞こえるくらいに近いころになると、胸打たれてくる。
潮騒の音が、哀しみを静かに少しずつ溶かしていくような気がした。
浜辺への道。分厚いコンクリートの防波堤。時々のウミネコの声。
じゃりじゃりとする砂を踏む音。テトラポットの並ぶ波止場。白い灯台。
ああ、視界が広くて、光が強くて。
僕の世界は、こんなにも眩しくて。
「よし、やっとこっちに戻ってきたわね」
え?
アスカの掌が離れた。僕の少し前を、後ろ手に手を組み、歩き出した。
「あんたがどんな夢を見ているか知らないけどさ」
アスカが足元の石を軽く蹴り、海の方向を見ている。

400:G
15/11/14 14:41:31.74 4zZl+ppU.net
「あんた時々、夢にひっぱられ過ぎてるのよね。夢に楽しいことがあったから。
 嫌なことがあったから。懐かしいから。色々理由はあるかもしれないけど
 もしかしたらそれは、馬鹿げた話だけど、前世とかいうやつかもしれないけど」
 アスカが振り返る。浜風が、彼女の後ろ髪を揺らしたんだ。
 蒼い瞳が、揺れていたんだ。
 「前世の方ばっかり見てんじゃないわよ。今の…、…今の方の…、今をしっかり見て。」
 言葉にかかりながら、アスカは言い切った後、少しだけうつむいた。
 …わかってるんだ。僕の中にあるデジャビュの中に、その時の僕が抱いた想い。
 それは、その時に完結しているんだ。
 魂の中に僕の前世が宿っているというなら、聞け。
共感し、消えていけ。僕の世界は僕のもので、君の世界の何物も奪いはしない。
 哀しみも救いも全て、君のもの。ありがとう、彼女ともう一度巡り合わせてくれて
さよなら。紅い海の僕。その世界で最後まで残したものと一緒に、どうか幸せに。
 僕は少し前に進んだ。そういえばこの前二人で見たね。フランスの映画だったかな。
 アスカの頬を少し持ち上げて、さっき電車内でしてくれたように。
 人差し指の背で、蒼い瞳のはしっこにあった、涙を乗せた。
 口をつけたそれは、世界で最も小さい海の味がした。

401:H(終)
15/11/14 14:42:22.88 .net
 「…乙女の涙を舐めるとか、へんたーい」
 思いっきり邪悪な顔をして、僕に対してそうして罵倒をするアスカ。
 映画だとこの後、永遠の誓いとかそういうシーンだったんだけどなぁ…。
 波風の中で僕らは苦笑した。蒼い海の水面が、多面体の結晶のようにキラキラと輝い
ていた。
 「ねえ、いつか船に乗ろう。もっと深くて、青くて広い海を、一緒に見ない?」
 僕の言葉に、アスカが面くらう。こういう彼女は貴重な気がする。
 「いいわねそれ。大きい船がいいわ。豪華客船とか、空母くらい大きなやつ!」
 ぼくら民間人だよ。ていうか空母の甲板で何をするんだよまったく。
 蒼い海の向こうで、僕らは子供じみた言葉で夢を膨らませていく。
 空は晴れ、雲はない。2つの青の混ざる水平線を、手を繋ぎながら、2人の瞳の中に。

  誰も彼も、寂しくなったりするんだ。
 紅い波が寄せる砂浜の上で、君の首を絞める夢を見た。
 夢は現実の続き、現実の向こう側。決着のついた夢は、明日には忘れるさ。
僕はいつか、いくつかの夢を現実にしよう。綺麗で素敵な花嫁とか、さ。
 …とりあえず、もっと映画の口説き文句を学習しておかねばと、何となく思った。
                         おしまい。

402:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/14 18:09:01.02 .net
おおおおおーー!!
お見事です、それしか言えないです
そうか、今どれだけ眩しい世界にいても、あっちのシンジ君がいないことになった訳じゃないですもんね
うん、こんなふうに納得行かないときは幾らでも隠れて悩んで内心呟けばいいさ
それで気が済んだら、ちゃんと目の前のアスカを見るんだよ、シンジ君
こっちの君は幸せになっていいんだから
…自分がポエムしてどうする!
お気楽な場景ばっか垂れ流してる自分に大変嫌気がさしましたがそれはどうでもよろしい
次作、超待ってます!

403:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/15 03:19:30.41 .net
>>376


404:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/15 03:32:20.65 .net
>>361
おおっ侵入社員さん!
端末変更で機器トラブルとは残念…
ちょっとエロくてカワイイ二人の物語を待ってますよ〜
続きはよはよw
>>365
キター!通りすがりさんだ〜嬉しい!!
小テスト、懐かしくも緊張をはらんだ響きにちょっと戦慄
カヲルくんはとっとと終わらせてマジ寝ですかw
シンジ回収を押し付けられるビンボークジ、トウジの口振りだとこんな事が頻繁にあるのかな〜
一方のアスカはグズなケンスケからひったくってチャッチャとこなしてる
そして二人鉢合わせ、心の準備もなく無防備なアスカのココロにシンジがCQB、
これは攻撃力高いだろうなぁw、アスカのココロがズッキンと波打つ音が聞こえそうだぁ〜
なんともイイ感じの二人、醸し出す雰囲気は見る人の心まで幸せな気分にしてくれるね
”シンジといるときの惣流が一番かわいい” 正にそれですよ、そうでなくっちゃ!
そして友情を深めていく彼らのひと時、平凡な、でも奇跡の様な大切な時間…
ショートな中にもキラキラ煌く若い彼らの生気に満ちた素敵なお話を有難うございます!
次回も期待してます〜
>>376
うを〜!脳内ポエム師匠まで降臨とは!幸せすぎてなんか怖いw
シンジ、魂に刻まれた心を抉る深い傷に幾夜となく苦しんでいるんだね
彼女と過ごす時間が増えるほどに頻度が増すとは、なんとも遣る瀬無い…
アスカ、意図して軽い会話に留めているけど心配の根は深そうだ、それを理解しているんだね
シンジの手を握るアスカの温かく柔らかい手、繋いだ手、シンジが苦しみの波に飲まれない様に繋ぎ止める碇のようだ
そして、”この世界で、今、あなた目の前にいるわたしを見て” シンジの救いを担うと同時にアスカ自身の救いでもある
そう、もしかすると…彼女にもつらい”夢”が幾夜も降りかかっているのかもしれない、それさえも今の二人のもの
輪廻の巡り合いは必然 ”えにし”で結ばれている 単純な”二人”じゃないんだね
はぁ〜何時もながら胸を締付ける切なさ、絶妙な空気感がハンパ無くオイラを悶えさせてくれますね〜
素晴らしいお話を有難うございます!
次回も悶絶させてください〜

405:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/15 11:07:42.40 .net
>>365 通りすがりさん
>>376 ポエム師匠
お二人とも乙ですー!
書く雰囲気っていうか傾向が全然違うのにどっちも読ませる!
そして1さんのハイテンション感想でこっちまで嬉しくなってきたw
新入社員さんの微エロも期待していいんですよね?!
これからも色んなLASが楽しめそうで幸せ、
このスレに巡り合えて良かったーとしみじみ思います
ここまでいい空気で盛り上げてくれたスレ住人のみなさん最高ッス!

406:侵入社員
15/11/15 13:53:48.76 .net
ポエムさん、通りすがりさん、さすがです。圧巻です。ケータイがなおったのである程度頭の中で作れたら投稿します。

407:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/15 21:27:35.15 RGIKKe8S.net
やっとるねー!

408:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/16 12:03:26.67 .net
通りすがりです
>>376に感動しすぎたんで殴り描きました
ポエム氏、イメージと違いすぎてたらごめんなさい
URLリンク(www.pixiv.net)

409:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/16 19:54:59.71 .net
>>383 みなさんからポエムと呼ばれているわたしです。
 涙を指先ですくい取るって描写どうしようかなぁ〜とか思ってテケトーに
 書いてたのに指先で繊細に触れてくれているので僕はまんぞくです。
 こんな時どうすればいいのかわからないの、と脳内会議を開いた結果
 右手を上げて「わが生涯に多少の悔いあれどオッケー!」と昇天すればいい
と出たので天へと還ります。通りすがりさん…あなたもまた強敵(とも)だった…。
 素晴らしい作品をありがとうございました。

410:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/16 21:20:40.71 .net
>>384
ちょwwwまだ還らないでwww
職人さんたち皆乙ー!!

411:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/16 23:11:07.71 .net
>>383
描き殴ってそのクオリティかー
すげえレベル高いぞ




もっとLAS絵はよ

412:侵入社員
15/11/16 23:30:14.43 .net
通りすがりさんの絵にすごく癒されました。このまま昇天してしまいたい…。
話の内容きまらんのです…なにかお題のようなものをいただけるとやりやすいのですが…絶対そのお題を守るとはかぎりませんが…

413:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/17 00:15:16.13 .net
>>387
まだ昇天するのは早いってばー!!ww
うーむお題というか>>339では屋内プールに行く話みたいだったけど
続きでもそれ以外でも、プチエロ可愛いLAS待ってますよー

414:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/17 00:27:25.03 .net
>>383
うわぁ〜素晴らしい!!
涙出そう っていうかもう涙出たー
シンジの苦しみ悲しみの雫をそっとすくいとって
全てを昇華するように口にするアスカは、まるで天使…女神…
赤い海の世界が所々重なってみえる…まるで”あちらの世界”の状況すら
全てを変えてしまうような奇跡的な陽のチカラが二人の周りに溢れている
境の無い蒼い空と溶け合ってひと続きの広く青い海が
”こちらの世界”での二人のめぐり合いを祝福している様に煌いていて素敵です
唯でさえパワーの強いお二人の作品がコラボ、感動だ〜
切なくて、嬉しくて、悶絶しまくりですよ…
こんなにも素敵な光景をカタチにしてくださって、お二人とも有難うございます!!

415:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/17 22:56:46.17 .net
通りすがりです、今夜はご挨拶だけ
拙い絵を見ていただいて心から感謝します
自分からしたら、誰かに見てもらえて評価してもらえることの方が奇跡のようです
それも全てここにLAS好きな皆さんがいたからですし
ここまでスレを育てた皆さんが読んだり声をかけたりしてくださったお陰です
このスレに来られて本当に良かったです
このお礼はまた小ネタか絵でお返しできるよう頑張ります
皆さん、本当にありがとうございます

416:名無しが氏んでも代わりはいるもの
15/11/17 23:41:37.71 .net
>>390
いいぞいいぞ!




小ネタと絵はよ

417:侵入社員
15/11/18 21:42:51.95 .net
では書いていきます。
シンジ「屋内プールいくって言ってなかった?」
アスカ「言ったわよ?」
シンジ「なんでデパートに来てるわけ?」
アスカ「あんたバカぁ?水着を買いに来たに決まってるじゃない。私に裸で泳げっていうの?私が裸を見せるのはシンジだけよ!///」
シンジ「な、なに言ってんのさ///。てかアスカが僕のことあんたっていうのは珍しいね。」
アスカ「そ、そういえばそうね。なんであんたって言ったのかしら・・・なんか妙にしっくり来たのよね。」
シンジ「まぁいいや¥。早く選んで遊びに行こうよ。」
アスカ「そうね。シンジに選んでもらおうかと思ったけどやっぱり自分で選ぶわ。プールでのお楽しみってことで。」
シンジ「わかった。じゃあ本屋にでもいるから決まったら連絡お願いね。」
アスカ「はぁ〜い。」
―本屋―
料理本コーナーへ足を向けるシンジ。宮沢賢治の注文の多い料理店は当時、童話コーナーではなく料理本コーナーに置かれたこともあるらしいがコンピューターで管理されてる現在ではありえないよなとか考えながら今晩の料理の参考を探す。
普段は寮の食堂で食べるのだが今日は食堂担当の人が体調を崩したらしいのだ。
まだアスカは何も言ってないがおそらく一緒に食べることになるだろうと煮込みハンバーグのレシピを探す。
シンジ(ん〜、このレシピだとちょっとパサつきそうだな。タネに牛脂を入れるか氷を入れるか・・・)
などと飛鳥の好きな肉汁のあふれ出るハンバーグを作るためにいろいろ考えているとケータイが鳴った。
ちなみに完全に余談だがシンジのケータイは(※侵入社員御用達)xp〇ria z3。音楽が好きなので選んだ機種だ。写真もきれいだし動作も軽く重量も軽い。何より黒曜石のように美しいバックパネル。一目で惚れてしまった。
とまあそれはさておき連絡があったから急がないと。あ、本屋の向かいの御デイバでチョコレートデカダンスを二つテイクアウト。あとでねだられるだろうし先に買っておこう。

いったん切ります。書いててなんかシンジイケメンすぎね?と思いましたが許してください。


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