好きだと言ったら恥ず ..
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396:吾輩は名無しである
08/02/02 22:27:18
太宰文学を恥ずかしいなどとしたり顔でのたまう輩の魂の遍歴

中学、高校時代・・・どっぷりハマる。『人間失格』の主人公を自分の生き写しと錯覚。
            口癖はギロチンギロチンシュルシュルシュ。
            人生のテーマはデカダン。芸者さんに憧れる。

大学時代・・・大学教授から小難しい文学理論を教えられ一転して学術的(時に、いや、
        その多くが衒学的)著作しか受け付けなくなる。
        サルトルなどフランス文学を専攻する理論家肌の彼女ができる。
        
        若き日の三島君「あなたの文学、好きじゃありません!(昔は大好き
        でしたがそんな自分を羞恥し、心底呪っております!)」

社会人時代・・・太宰文学を自分の人生から完全に消去する。というより文学や学問自体、興味の対象外となる。
         ゴルフ最高!仕事帰りの飲み屋最高!職場の同僚と結婚。
         
老年時代・・・仕事も定年退職し、年金暮らしが始まる。膨大な時間をもてあましているところへ偶然通りか
        かった近所の古本屋の店先で擦り切れたカバーの『斜陽』を発見。誰もいないことを確認し徐
        にページを捲る。1ページ、2ページ、10ページ、30ページ・・・。開いたページに突然、雨粒が
        ぽつぽつと降り出す。空を見上げる。が、何故かぼやけた夕晴れの空があるばかり・・・。
        
        年老いた三島君「(絶叫)なんてことだっ!わたしが間違っていましたっ!わたしがっ!」
        
        千円札を古本屋のオヤジに手渡すとおつりも貰わず店を飛び出す。薄汚れた『斜陽』を
        小脇に抱えながら自由になった囚人のように妻の待つ自宅へ帰っていく・・・。


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