【妄想作家・北原みのり】「大前提『違う社会を生きている』」(AERA)[9/14] at NEWS4PLUS
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1:右大臣・大ちゃん之弼 ★
19/09/15 12:53:57.65 CAP_USER.net
作家・北原みのり氏の週刊朝日連載「ニッポンスッポンポンNEO」。最近、彼女は北朝鮮を訪れたという。
*  *  *
 この夏、朝鮮民主主義人民共和国を旅した。ジャーナリストの坂本洋子さんらが率いる「日朝友好女性訪朝団」に参加したのだ。1999年に故清水澄子議員が提唱した、両国の女性どうしの交流を深める試みだ。
 それにしても訪朝したと告げると「洗脳されてない?」とニヤニヤされることが多い。「それは、訪朝者あるある体験の一つ」と何度か訪朝している女性が言っていたが、北朝鮮のイメージってそれほどに「ない」のだろう。ホテルで出されたキウイのスムージーが美味しかった、女性たちの日傘の刺繍が美しかった、人々は穏やかで、平壌の街は建設ラッシュで経済制裁の影響を感じない。そんなことを言う度に「洗脳された?」と笑われている。
 たった7日間の滞在で、外務省の外郭団体が提案する視察先を巡る日々だった。しかも私が会ったのは体制を支えるエリートだ。それでもこの国に生まれ育った人との会話は刺激的だった。その中の一人、訪朝団のコーディネートをした40代男性のことを記したい。
 何故日本語を習ったの? 食事中、そんな話になった。子どもの頃はカメラマンになりたかったと彼は言った。小学校の記念日などで身動き一つ許されない厳しい整列の中、自由に動き回るカメラマンは憧れの的だったのだ。それでも優秀な彼は11歳で外国語専門校に入る。入学日に、自動的に日本語クラスに振り分けられ、同級生には「日本語なんて使う日は来ない」とバカにされたが、帰宅後母親に「日本語になった」と伝えると、母親はこう言ったという。
「隣国の言葉で良かったですね。きっといつか、役に立つから頑張りなさい」
 90年代後半、日朝国交回復が現実味を帯びたとき、「ようやく日本語を使える!」と胸が高鳴った。だがそれも一瞬のことだった。今、同級生で日本語の仕事に就いている者はいない。
 一方、日本と同様に国交がないフランスとは民間交流は盛んで、フランス部署ではよくフランスの民間団体と電話しているという。
「私たちもいつまでも、語りにくいことを語りにくく話すのではなく、『来年の予算どうする?』という、普通の話をしたいですね」
 真摯に語る彼に、私も自由に質問した。なぜオリンピックの応援に美しい女性を集めるのですか? 女性政治家は何パーセント? なぜ指導者は世襲なのか? 辛抱強く答えてくれた彼だが、「世襲」と私が使った時はサッと顔色を変えた。
「私たちはあまりにも違う社会を生きている。そのことを理解してほしい」
 話しにくいことを、話しにくいまま真摯に語る人。その力を、日本に生きる私たちは持っているか。
 平壌の空は高く、夏が永遠に続きそうな力強い太陽だった。「皆さんのために晴れにしました。私たちには天気を操作することができるんですよ」と彼は同じジョークを何度か言った。なにそれ、北朝鮮ジョーク? 私は驚き、声をあげて笑いながら、今を生きる私たちが語らなければいけない、出会わなければいけないものの大きさに圧倒されるような気分になる。
※週刊朝日  2019年9月20日号
URLリンク(dot.asahi.com)
朝日新聞ウィークリーAERA 2019.9.14 16:00
北原みのり(きたはら・みのり)/1970年生まれ。作家、女性のためのセックスグッズショップ「ラブピースクラブ」代表


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