【話題】マルクス主義 なぜ東アジアに? 作家・同志社大神学部客員教授 佐藤優氏[08/06] at NEWS4PLUS
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1:しじみ ★
18/08/06 10:42:49.64 CAP_USER.net
■独裁の正当化に利用
 今年はカール・マルクス=1=生誕200年。東欧民主化(1989年〜)やソ連崩壊(91年)で多くの国がマルクス主義の看板を下ろし、残るは中国、北朝鮮、ベトナムなど、キューバ以外は東アジアばかりだ。なぜ残ったのか? 今後は? 国際情勢とマルクスの両方に一家言ある、作家で同志社大神学部客員教授の佐藤優さん(58)に聞いた。【聞き手・鈴木英生】
−−なぜ、第三世界で一時期、社会主義政権が広まったのでしょう?
 植民地や半植民地だった国で、少数エリートの支配を正当化するのに便利だったからです。中国や北朝鮮の体制の基礎は、ソ連の独裁者、スターリン(1878〜1953年)がマルクスの思想を玉虫色に作り替えた「マルクス・レーニン主義」、いわゆるスターリン主義です。スターリンは、マルクスの唱えたプロレタリア独裁を指導者個人の独裁へとすり替えました。個人独裁など少数者による支配は、反植民地闘争や国家主導の経済成長などを断固として進めるのには、合理的です。冷戦下、韓国や台湾など西側の途上国・地域が独裁を敷いたのとも似ています。しかも、スターリン主義は、マルクスの「万国の労働者団結せよ!」を「万国の労働者、被抑圧民族団結せよ!」と書き換えました。植民地解放、民族自決を共産党が指導する意義を入れた代わりに、被抑圧民族内では、場合によっては資本家も労働者の同盟者とされ、マルクス主義本来の階級闘争の視点は薄まりました。今の中国共産党は、資本家の入党さえ認めています。
−−特に東アジアで共産党支配が生き延びた背景は?
 マルクス主義は、キリスト教に似て、どんなに違う系統の思考も包み込める懐が深い枠組みです。たとえば中国には儒教的な秩序観念があり、天下が乱れることへの恐怖心が強いからこそ、共産党による支配の安定が好まれています。北朝鮮には、19世紀以降の朝鮮半島で強くなったキリスト教の影響もあります。初代独裁者の金日成(1912〜94年)は両親がクリスチャンですが、彼は、日本の植民地支配を脱した朝鮮半島に降臨した、いわばメシア(救世主)として神格化されました。なお、もう一つ、北朝鮮を動かしているのは、特攻隊を生んだ日本譲りの、生命至上主義を超克する思考だと思います。最近、戦時中の日本の戦争映画を見て、北朝鮮の思考がよく分かりました。米国の弱点である人命尊重志向につけ込み、捨て身で核と弾道ミサイルを突きつけたら安全保障を担保できた、というわけです。
−−中国政府はマルクス生誕200年の式典など、顕彰に熱心です。
 習近平主席ら指導部は、マルクスの著作をほとんど読んでいないでしょう。中国は学界でも、マルクスの哲学的な側面が主に研究されており、労働力の商品化や搾取といったマルクス経済学の基礎的な認識が薄いですね。社会一般には、貧困や格差を個人の才覚に還元する新自由主義的な経済観が定着しています。マルクスよりこちらの方が、民衆に根づいた道教的価値観とも親和性がありますから。それでも、中国共産党の規約は、マルクス・レーニン主義が「人類社会の歴史の発展法則を明らか」にしており、建国の父、毛沢東=2=の思想は、その「中国における運用と発展」だとしています。共産党は、毛沢東思想とその後のトウ小平理論などに基づいて、中国の人民全体を代表し、指導していることになっている。つまり、いくら経済がマルクスから離れても、自分たちが彼の系譜を継ぐ者であると主張し続けなければ、支配の正当性が揺らぐのです。マルクス本人は、「全体の代表は誰も代表していない」と、今の中国のような支配体制を批判していましたが。
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続く)


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