童貞の読む本 at CHERRYBOY
[bbspink|▼Menu]
[前50を表示]
450:静かな人ほど成功する
07/05/06 22:37:04 0
静かな人ほど成功する (単行本(ソフトカバー))
ウエイン・W. ダイアー (著), 浅岡 夢二 (監修), 伊藤 淳 (翻訳)

(4件のカスタマーレビュー)
--------------------------------------------------------------------------------


451:名無しさん@ピンキー
07/05/08 13:03:07 0
「なぜ、夏の間に食べ物を貯えておかなかったのですか?」
 キリギリスは、答えた。
「暇がなかったんだよ。日々歌っていたからね」
 するとアリたちは、嘲笑って言った。
「夏の間、歌って過ごしたお馬鹿さんなら、冬には、夕食抜きで踊っていなさい」



452:名無しさん@ピンキー
07/05/08 13:07:10 0
鳥刺しが、ウズラを捕まえてそして殺そうとした。ウズラはどうか助けてくれるようにと懸命
に命乞いをした。
「お願いです、どうか私を生かしておいて下さい。生かしておいて下さるならば、私は、たくさ
んのウズラをおびき寄せて、あなたの慈悲に報います」
 すると、鳥刺しがこう答えた。
「お前の命を奪うのにためらう必要がなくなった。お前は、自分の友達や身内を裏切って、助か
ろうとするのだからな」



453:名無しさん@ピンキー
07/05/08 13:10:51 0
 ライオンは、しきりに不満を申し立てジュピター神をうんざりさせていた。
「ジュピター神よ。私は大変な力があり、姿形も素晴らしく、鋭い牙も鉤爪も持っています。私
は森に棲む全ての動物の支配者なのです。しかし、その私が、オンドリのトキの声に恐怖しなけ
ればならぬとは、なんと不名誉なことでしょうか」
 するとジュピター神がこう言った。
「故無く責め立てるではない。お前には、私と同じ性質を全て与えてやった。その一つの例を除
いては、お前の勇気は決して挫かれることはないのだ」
 この話を聞いて、ライオンは悲嘆して一声唸ると、臆病な自分に憤り死んでしまいたいと願っ
た。このような考えを思いめぐらせていると、ゾウに出合った。ライオンはゾウと話をしようと
近づいていった。すると、ライオンは、ゾウが耳をバタバタさせているのを見て、どうしてそん
なにしょっちゅう、耳をバタつかせるのかと尋ねた。と、その時、蚊がゾウの頭の上にとまった。
 するとゾウがこう言った。
「プーンと唸って飛ぶ、このちっぽけな虫が見えますか? こいつが耳に入ったならば、私は一
巻の終わりなのです」
 するとライオンが言った。
「こんなに巨大な動物が、ちっぽけな蚊を怖がるとは・・・・、私ももう不平は言うまい。そして死
にたいなどと考えるのもよそう。ゾウに比べればまだましだ」


454:名無しさん@ピンキー
07/05/08 13:19:19 0
 遠い伝説によると、最初の人間を造ったのはジュピターで、
最初の牛を造ったのはネプチューンで、最初の家を造ったのは女神ミネルヴァだったそうだ。
 神々が仕事を終えたとき、一番完璧な仕事をしたのは誰か。
ということで言い争いになった。そこで神々は、
酷評家のモーモスに判定を委ねた。
 ところが、モーモスは、彼らの仕事がとても妬ましく、
皆のあら探しをはじめた。最初にネプチューンの仕事を非難して言うには、
突く所が、よく見えるように、牛のツノは目の下につけるべきだった。
次にジュピターの仕事を非難して言うには、悪意ある者を警戒できるように、
人間の心は外側につけるべきだった。そして最後に、
女神ミネルヴァを罵倒して言うには、隣人が嫌な奴だと分かった時に、
容易に移動できるように、家の土台には鉄の車輪をつけるべきだった。
 ジュピターは、モーモスの露骨なあら探しに、腹を立て、
裁定者としての権能を剥奪し、オリンポスの神殿から追い出した。



455:名無しさん@ピンキー
07/05/08 13:23:17 0
ある、言い伝えによると、ジュピター神は、鳥たちの王様を決めようとしたことがあったそ
うだ。ジュピター神は、鳥たちの集まる日時を決め、その中で一番美しい者を王様にするとい
うお触れを出した。
 カラスは自分が醜いことを知っていたので、美しく装うために、野や森を見てまわり、他の鳥
たちが落とした羽を拾い集め、身体中に貼りつけた。
 約束の日、鳥たちはジュピター神の前に集まった。そして、色とりどりの羽で着飾ったカラス
も姿を見せた。ジュピター神は、カラスの羽が美しいので、彼を、王様にしようとした。 
 すると、鳥たちは、憤然と異議を申し立て、それぞれ自分の羽をカラスから引き抜いた。



456:名無しさん@ピンキー
07/05/08 18:09:36 O
走れメロス

457:名無しさん@ピンキー
07/05/08 23:56:19 0
二つの壷が、川に流されていた。一つは陶器の壷で、一つは真鍮の壷だった。
 陶器の壷が、真鍮の壷に言った。
「どうか、私から離れていて下さい。あなたが、ほんの少しでも触れたら、私は粉々に砕けてしまいます。」



458:名無しさん@ピンキー
07/05/09 01:06:29 0
ある日のこと、手と、足と、口と、目が、腹に反旗を翻してこう言った。
「君はいつもなにもしないで、怠けてばかりいて、贅沢ザンマイ、好き放題ばかりしている。我々は、君の為に働くのは、もう、うんざりだ。」
 体の各部分たちは、このように、日頃の鬱憤をぶちまけると、それ以後、腹の助けをするのを拒んだ。しかし、すぐに、体全体がやせ衰えていった。



459:名無しさん@ピンキー
07/05/09 01:58:11 0
そしてただ一つの語の力をかりて

ぼくはもう一度人生を始める

ぼくは生まれた  おまえを知るために

おまえに名づけるために

自由(リベルテ)  と


460:名無しさん@ピンキー
07/05/11 23:30:47 0
最近読み始めたんだが、オトメン 乙男は面白いな。

461:名無しさん@ピンキー
07/05/13 13:02:50 0
「こころねはおしはかることしかできないとうそぶくきまぐれおんなをころすためにうまれてきたおとこ」
これはおもしろい詩集です

462:名無しさん@ピンキー
07/05/13 13:30:13 O
>>460
業の深さを感じれば、くだらない漫画などにはまる暇はない

463:名無しさん@ピンキー
07/05/13 17:42:54 O
マッチョメンの世界制覇、幻獣編のほうがおもしろい。

464:名無しさん@ピンキー
07/05/13 23:13:16 O
マッチョになりたい

465:名無しさん@ピンキー
07/05/16 02:37:43 0
おばかなマーケティング小説なんか読む暇あったら
バイロン
キーツ
の詩ぐらい嫁

466:名無しさん@ピンキー
07/05/16 20:38:54 0
・ユリア100式
・レイプマン


467:名無しさん@ピンキー
07/05/20 17:43:04 O
ユリアは読ませてよ。
まぁネタが童貞の妄想並なんだがなwww

468:名無しさん@ピンキー
07/05/21 01:22:43 0
悲しみの文字「i」は隅に孤独に立ち、混乱し、恥じ入りて、目には涙を浮かべた。
なぜサラーの名前から私をはじき出すのであろうか?
その罪は何なのであろうか?
文字「i」は歩み、主の前で不平を言った。
文字「i」は泣いて言った:「私が小さいという理由で、今や私を取り除いたのでしょうか?
私が小さな1本足でのみ立ち、しかも大地にすらとどかないということで十分ではないのですか?」
文字「i」はむせび泣いた、「いつも私はすぐに倒れてしまいそうに見え、今や本当に光栄なる
サライの名前の中から取り除かれている。」


469:名無しさん@ピンキー
07/05/21 02:29:06 O
>>465
バイロンの物語詩は最高だね。

470:名無しさん@ピンキー
07/05/29 03:42:16 0
焼け おお 生命が炎える
      市川 夢の常夜燈
      舞う 縄文の蛍たち
少女の乳首の尖きに富士とがり
恋の継ぎ橋に立ちすくむ若者の瞳に
どんな鳥が歌ってくれなかったろうか
幸福より長い永遠はありはしないと
      市川 炎える生命
      常夜燈の夢


471:名無しさん@ピンキー
07/05/29 03:43:45 0
星明り ああ 暗闇が祈る
      市川 伏流水の歌
      跳ねる 影の魚たち
若者の眉の上に銀河雪崩れ
雲の涯に身を投げる少女の足裏
どんな波が叫んでくれなかったろうか
瞬間より深い宇宙はありはしないと
      市川 祈る暗闇
      歌の伏流水



472:名無しさん@ピンキー
07/05/29 03:45:43 0
ここ 曙の湧きでる丘 ●× 目をあげて
  きみとぼく きみとぼく 光と光 涙のなかからも
  きらめかねばならない 若い稲妻 ゆんゆん
  ああ 何のために人間はいるのか
  発信しよう 激しい愛を
  青さのむこう 昼の空の星にまで
  発信 ゆんゆん 発信 ゆんゆん 発信 ゆんゆん 光と光


473:名無しさん@ピンキー
07/05/29 12:36:11 O
やんやん ゆんゆん

474:名無しさん@ピンキー
07/05/29 12:40:22 O
メガミマガジン

475:名無しさん@ピンキー
07/05/30 16:56:22 O
洗車マガジン

476:名無しさん@ピンキー
07/06/07 03:31:39 0
野に咲くすみれ、
うなだれて、草かげに。
やさしき すみれ。
うら若き 羊飼の女、
心も空に足かろく、
歌を歌いつ
野を来れば。

「ああ」と、切ない思いのすみれそう。
「ああ、ほんのしばしでも、
野原で一番美しい花になれたなら、
やさしい人に摘みとられ
胸におしつけられたなら、
ああ、ああ
ほんひと時でも」

ああ、さあれ、ああ、娘は来たれど、
すみれに心をとめずして
あわれ、すみれはふみにじられ、
倒れて息たえぬ。されど、すみれは喜ぶよう。
「こうして死んでも私は
あの方の、あの方の
足もとで死ぬの」


477:名無しさん@ピンキー
07/07/02 23:57:30 O
すべての新人コテに手をだす構図 どこでどのくらいの経験だかしらないが、でかいつらして、八方美人てきに媚びる。口からうまれてきたような
男は、常に過去の自慢、同輩以下には偉そうだったり、おちょくり 冷やかし そして、コミュニティにずかずかはいり、関係を壊す。女にうえており、他人のものはおれのもの

478:名無しさん@ピンキー
07/07/03 10:39:48 0
家庭教師のおねいさま

479:名無しさん@ピンキー
07/07/03 12:31:07 O
アメリカの白魔術

480:名無しさん@ピンキー
07/08/01 03:32:08 0
病いへずうつうつとして春くるる

481:名無しさん@ピンキー
07/08/01 03:36:13 0
ねそべつて書いて居る手紙を鶏に覗かれる

482:名無しさん@ピンキー
07/08/01 03:40:14 0
一つの湯呑を置いてむせてゐる

483:名無しさん@ピンキー
07/08/01 04:27:54 O
石川啄木

484:名無しさん@ピンキー
07/08/01 15:02:26 O
シリカを豊富にフレッシュボトリング

485:名無しさん@ピンキー
07/08/01 23:33:06 O
太陽の塔

お前らみたいなモテナイ主人公がある意味奮闘する話だ
しかし、先程読み終えたが最後は切なくて泣けた

486:名無しさん@ピンキー
07/08/02 04:03:07 O
石川啄木

487:名無しさん@ピンキー
07/08/02 04:10:08 O
一宿一飯思想の無頼派、種田山頭火

488:名無しさん@ピンキー
07/08/02 04:59:25 0
RemixとLOUDと週刊少年ジャンプは毎号買ってるよ

489:名無しさん@ピンキー
07/08/05 01:06:53 0
だれも 見てゐないのに
咲いてゐる 花と花
だれも きいてゐないのに
啼いてゐる 鳥と鳥

通りおくれた雲が 梢の
空たかく ながされて行く
青い青いあそこには 風が
さやさや すぎるのだらう

草の葉には 草の葉のかげ
うごかないそれの ふかみには
てんたうむしが ねむつてゐる

うたふやうな沈黙(しじま)に ひたり
私の胸は 溢れる泉! かたく
脈打つひびきが時を すすめる


490:名無しさん@ピンキー
07/08/05 01:09:01 0
今は 二月 たつたそれだけ
あたりには もう春がきこえてゐる
だけれども たつたそれだけ
昔むかしの 約束はもうのこらない

今は 二月 たつた一度だけ
夢のなかに ささやいて ひとはゐない
だけれども たつた一度だけ
そのひとは 私のために ほほゑんだ

さう! 花は またひらくであらう
さうして鳥は かはらずに啼いて
人びとは春のなかに笑みかはすであらう

今は 二月 雪の面(おも)につづいた
私の みだれた足跡……それだけ
たつたそれだけ―私には……


491:名無しさん@ピンキー
07/08/05 16:28:50 0
おんなの子あ〜したい、こ〜したい

492:名無しさん@ピンキー
07/08/05 20:05:44 O
ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する 島田紳助

493:名無しさん@ピンキー
07/08/06 00:31:22 0
危険思想

 危険思想とは常識を実行に移そうとする思想である。



494:名無しさん@ピンキー
07/08/06 00:33:13 0
 神

 あらゆる神の属性中、最も神の為に同情するのは神には自殺の出来ないことである。



495:名無しさん@ピンキー
07/08/06 00:39:57 0
民衆

 民衆は穏健なる保守主義者である。制度、思想、芸術、宗教、―何ものも民衆に愛される為には、

前時代の古色を帯びなければならぬ。所謂(いわゆる)民衆芸術家の民衆の為に愛されないのは必ずしも彼等の罪ばかりではない

496:名無しさん@ピンキー
07/08/06 00:44:11 0
機智

 機智とは三段論法を欠いた思想であり、

彼等の所謂(いわゆる)「思想」とは思想を欠いた三段論法である。


497:名無しさん@ピンキー
07/08/06 00:46:04 0
 人生の悲劇の第一幕は親子となったことにはじまっている

498:名無しさん@ピンキー
07/08/06 00:46:25 0
あらら、たまたまにいぼぼんできたまたま


ということである

499:名無しさん@ピンキー
07/08/06 01:02:29 0
そんなくだらん押韻の口上書はいらないということである

500:名無しさん@ピンキー
07/08/06 01:05:40 0
 徴候

 恋愛の徴候の一つは彼女は過去に何人の男を愛したか、或はどう言う男を愛したかを考え、その架空の何人かに漠然とした嫉妬(しっと)を感ずることである。

   又

 又恋愛の徴候の一つは彼女に似た顔を発見することに極度に鋭敏になることである。



501:名無しさん@ピンキー
07/08/06 01:23:53 0
青いソフトに


青いソフトにふる雪は
過ぎしその手か、ささやきか、
酒か、薄荷(はつか)か、いつのまに
消ゆる涙か、なつかしや。


 意氣なホテルの


意氣なホテルの煙突(けむだし)に
けふも粉雪のちりかかり、
青い灯(ひ)が點(つ)きや、わがこころ
何時(いつ)もちらちら泣きいだす。



502:名無しさん@ピンキー
07/08/06 03:33:01 0
チラチラ
ナイテマス

503:名無しさん@ピンキー
07/08/07 17:26:16 O
神は自殺できないんですか?芥川さん

504:名無しさん@ピンキー
07/08/08 08:02:01 0
Stretching ahead -
The straight road,
Loneliness.


505:名無しさん@ピンキー
07/08/08 08:05:08 0
A vague shape from behind -
Into the drizzle,
Disappearing.



506:名無しさん@ピンキー
07/08/08 08:07:02 0
What they are -
I don't know.
But they're all blooming.



507:名無しさん@ピンキー
07/08/08 08:16:05 0
Like this,
I am put here,
A winter night

508:名無しさん@ピンキー
07/08/08 15:08:39 O
古本屋のエロ本

509:名無しさん@ピンキー
07/08/08 15:41:21 0
北方三国志

関羽と張飛が死んだ・・・

510:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/08 20:20:46 0
たましひのたとえば秋のほたる哉

511:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/08 20:25:36 0
じゃんけんで負けて蛍に生まれたの

池田澄子


千年とひと春かけて鳥堕ちぬ
月夜野にだだだ・だだだと蝶湧きぬ
肛門をゆるめて淋し夏燕


『鹿々集』
攝津幸彦

512:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/08 20:35:44 0
「じゃあ、ここの世界が昭和61年だってことも知らないだろ」

『Aコース』

513:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/08 20:40:53 0
仮想現実世界に入り込み、リアルな感覚でゲームを楽しめるアトラクション
『バー茶ワールド』
高校生の智里は幼馴染の瑠香たちと余人で新作「Fコース」に挑戦した。
任務は深夜の美術館に侵入し、制限時間内に特別展示の絵画を盗み出すこと
敵の激しい攻撃をかわし、ようやく目的の絵を前にしたが


『ブックオフ即売直行』

514:名無しさん@ピンキー
07/08/08 21:32:54 O
短歌ならチョコレート革命が好き

515:名無しさん@ピンキー
07/08/08 21:51:02 O
>>508
いかくさいよそれ

516:名無しさん@ピンキー
07/08/08 22:12:53 O
上の方の英語の詩みたいのは誰の詩ですか〜?

517:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/08 22:27:13 0
>>514
とてもいいですよね。初期の俵町は。

518:名無しさん@ピンキー
07/08/08 23:00:31 0
おれの中の殺し屋



519:名無しさん@ピンキー
07/08/08 23:03:39 O
>>517

ですね、かぜのてのひらもスチ

520:名無しさん@ピンキー
07/08/08 23:16:34 O
ぼーいずびー

521:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/09 22:56:12 0
>>519
あの第二歌集は好きじゃない♪

522:名無しさん@ピンキー
07/08/10 01:08:32 0
話は、昨年の朝日新聞の富岡多恵子の文芸時評から始まる。これもまた、
彼女が毎月、言葉について考えていく、というものだったのだけれど。
そこで彼女は、「優雅で感傷的な日本野球」に対して、
「おともだちにしかわからない内輪の言葉で書かれている」と批判している。
それに対して、高橋源一郎の反論があって、
そちらは「文学が…」に収録されている。
 いろいろな言葉(広い意味で)を自由に使う、というのは、
言葉での表現にとって理想である。高橋の場合、まず問題になるものとして、
「サザエさん」とか、「中島みゆきソングブック」といった名詞がある。
それぞれの言葉は、特殊な名詞なので、逆にかなりの情報量を持つことになる。
作者と読者が、それぞれについての共通するイメージを持っていれば、
よけいな表現が不要になって、便利でよい。でも、
わかんない人にはまったくわかんない。
ある特定のグループにしか通じないということが、
富岡にとって、もどかしいのだろう。
 高橋が指摘するのは、これまで多くの“純文学”と称される作品が、
内輪の言葉で書かれてきたということ。それは単語のみならず、
詩歌の作法なども同じだろう。だから、高橋の時評によると、
なぜか文学誌は閉ざされたイメージがする、ということになる。
だから、文学はマジョリティーを獲得できないことになる。
こうした批判をしながら、高橋は自由に言葉を使うことで、
自分の作品の対象となる読者を、限定してしまう、というジレンマに陥っているのではないか。多分、そういうことなんだろうな

523:名無しさん@ピンキー
07/08/10 19:11:00 O
高橋源一郎

つまずいたっていいじゃないか人間だもの

みつを

524:名無しさん@ピンキー
07/08/10 20:03:49 0
こゝろなきうたのしらべは
ひとふさのぶだうのごとし
なさけあるてにもつまれて
あたゝかきさけとなるらむ


525:名無しさん@ピンキー
07/08/10 20:07:53 0
秋は来(き)ぬ
  秋は来ぬ
一葉(ひとは)は花は露ありて
風の来て弾(ひ)く琴の音に
青き葡萄(ぶどう)は紫の
自然の酒とかはりけり

秋は来ぬ
  秋は来ぬ
おくれさきだつ秋草(あきぐさ)も
みな夕霜(ゆふじも)のおきどころ
笑ひの酒を悲みの
盃(さかづき)にこそつぐべけれ

秋は来ぬ
  秋は来ぬ
くさきも紅葉(もみぢ)するものを
たれかは秋に酔はざらめ
智恵(ちえ)あり顔のさみしさに
君笛を吹けわれはうたはむ


526:名無しさん@ピンキー
07/08/10 20:16:40 0
「何だ。お前、ふるえてるじゃないか」
「ふるえてやしません。ソビエット帝国主義の宣伝の狡猾(こうかつ)さが癪(しゃく)に触(さわ)っているだけです」
「アハハ。ソビエット帝国主義はよかったナ。この宣伝に欺されて
うっかりソビエットの治下に這入ったら最後、その国の労働者農民は、今のソビエットと同様に、運の尽きだからね。資本主義の国が人民から搾(しぼ)るものはお金だけ……ところがソビエット主義が人民から
搾(しぼ)り取るものは血から涙から魂のドン底までと云っていいんだからね」
「しかし支那人は直ぐにソビエット主義に共鳴するでしょう」
「ウン。非常な共鳴のし方だ。ドエライ勢で新疆方面に拡がっているが、
しかし支那人の考えている共産主義は、ホントウのソビエット主義とはすこし違うんだよ」
「ヘエ。ドンナ風に違うんですか」
「ホントの共産主義は要するに『他人のものは我が物。わが物は他人のもの』というんだろう」
「そうですね。まあそうですね」
「ところが支那人のは違うんだ。『他人の物は我が物。我が物は我が物』というんだから」
「アハハハハ」
「ワハッハッハッハッ」
「シッ……フイルムに残りますよ」
「……オヤ……。人間レコードが黙り込んだね。モウ済んだんじゃないかな」
「さあ、どうでしょうか。フイルムは三田尻まで大丈夫持ちますよ」

527:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/10 20:28:16 0
春の朝     ロバアト・ブラウニング

時は春、
日は朝(あした)、
朝(あした)は七時、
片岡(かたをか)に露みちて、
揚雲雀(あげひばり)なのりいで、
蝸牛枝(かたつむりえだ)に這(は)ひ、
神、そらに知ろしめす。
すべて世は事も無し。


528:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/10 20:39:33 0
春高樓の花の宴
  めぐる盃かげさして
  千代の松が枝わけいでし
  昔の光いま何處
 
  秋陣營の霜の色
  鳴き行く雁の数見せて
  植うる劔に照りそひし
  昔の光いまいづこ
 
  今荒城のよはの月
  替わらぬ光たがためぞ
  垣に殘るはただかつら
  松に歌ふはただあらし
 
  天上影は替らねど
  榮枯は移る世の姿
  寫さんとてか今もなほ
  鳴呼荒城のよはの月


529:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/10 21:19:21 0
海は荒海(あらうみ)、向ふは佐渡(さど)よ、
  すずめ啼け啼け、もう日はくれた。
  みんな呼べ呼べ、お星さま出たぞ。

  暮れりゃ砂山、汐鳴(しおなり)ばかり、
  すずめちりぢり、又風荒れる。
  みんなちりぢり、もう誰も見えぬ。

  かへろかへろよ。茱萸原(ぐみはら)わけて、
  すずめさよなら、さよならあした、
  海よさよなら、さよならあした。


530:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/10 21:31:38 0
ぼくらはみんな生きている
  生きているから歌うんだ
  ぼくらはみんな生きている
  生きているから悲しいんだ
  手のひらを太陽に すかしてみれば
  まっかに流れるぼくの血潮(ちしお)
  みみずだって おけらだって
  あめんぼだって
  みんなみんな生きているんだ
  友だちなんだ


531:名無しさん@ピンキー
07/08/10 21:49:07 0
美しき誤算のひとつわれのみが昂ぶりて逢い重ねしことも

532:名無しさん@ピンキー
07/08/10 22:45:33 O
おれは世界中のみんなを愛してる。
ほんとうだ。神様に誓ってもいい。
おれはみんなを愛してる、おまえたちみんなを!

533:名無しさん@ピンキー
07/08/11 00:32:35 O
完全自殺マニュアル
自殺のリスク

534:名無しさん@ピンキー
07/08/11 00:48:43 0
明るい生活と僕です
明るい思想と僕です
透明の悦楽と僕です
透明の礼節と僕です
新鮮な食慾と僕です
新鮮な恋愛と僕です

青い過去の憶ひ出は
みんなインキ瓶に詰めてすてました
   ★
力学は暗い
植物は重い
   ★
白い食器
花束と詩集
白い
白い
黄色い
   ★
白い住宅
白い
桃色の貴婦人
白い遠景
青い空

535:名無しさん@ピンキー
07/08/11 00:57:28 O
>>533
いい趣味してますね

536:名無しさん@ピンキー
07/08/11 00:59:47 O
>>531
>>531
>>531
>>531
>>531
>>531

537:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/11 18:05:48 0
船の上 風が強くてあなたのふく
笑うほどハタメクからだがとびそう
白い雲

538:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/11 18:19:00 0
抱きしめて
さらっても
いいんだよ
すぐに
笑ってる
私だけ
信じないでほしい


539:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/11 18:21:18 0
かくれんぼ

どこにかくれているの
僕の君
早く出てきて
僕の人生のどの段階であらわれるの

540:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/11 18:24:49 0
賛美と拒絶はよく似てる

賛美することで
拒絶できるから
あの人をほめて
あの人から逃げた



二重基準

そう思うけどそう思わないとも言える
好きだけど
興味ないとも言える

どっちも本当だけど
どっちかにしないと
話にならないから
杣場に応じていろいろ変える
どっちにしても
真意は同じ

541:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/11 18:29:06 0
以上
銀色夏生「詩集 小さな手紙」より

542:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/11 18:34:21 0
>>534
北園克衛ですねw馬鹿と常識人にはお奨めできないw

543:名無しさん@ピンキー
07/08/11 18:40:22 0
ひとはひと自分は自分

544:名無しさん@ピンキー
07/08/11 19:03:22 O
>>541
読んでみたくなりました

545:名無しさん@ピンキー
07/08/11 19:50:26 O
ノーブルレッド 今は消えないで

546:名無しさん@ピンキー
07/08/11 20:02:16 O
みえないくらいちいさなうそできみをきずつけたときのおおきなぼくのこころのかざあな

547:名無しさん@ピンキー
07/08/11 20:04:44 O
からだは黒くうめられてかぜのことばにみみをかたむけひそかに恋のこころでにじみでたくれないの空に羽ばたくために少し透明に

548:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/11 20:49:59 0
母さん、僕のあの帽子、どうしたんでせうね?
ええ、夏、碓氷から霧積へゆくみちで、
谷底へ落としたあの麦わら帽子ですよ。

母さん、あれは好きな帽子でしたよ、
僕はあのときずいぶんくやしかった、
だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。

母さん、あのとき、向こうから若い薬売りが来ましたっけね、
紺の脚絆に手甲をした。
そして拾はうとして、ずいぶん骨折ってくれましたっけね。
けれど、とうとう駄目だった、
なにしろ深い谷で、それに草が
背たけぐらい伸びていたんですもの。

母さん、ほんとにあの帽子どうなったでせう?
そのとき傍らに咲いていた車百合の花は
もうとうに枯れちゃったでせうね、そして、
秋には、灰色の霧があの丘をこめ、
あの帽子の下で毎晩きりぎりすが啼いたかも知れませんよ。

母さん、そして、きっと今頃は、今夜あたりは、
あの谷間に、静かに雪がつもっているでせう、
昔、つやつや光った、あの伊太利麦の帽子と、
その裏に僕が書いた
Y.S という頭文字を
埋めるように、静かに、寂しく。

549:名無しさん@ピンキー
07/08/12 03:32:32 O
西條やそ でつね

550:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/13 03:31:52 0
>>549
よくわかりましたね。上出来です。

551:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/13 03:33:11 0
つらかったことも
たのしかったことも
すべてのことが発酵してきて
こころのなかがすっぱいかんじ



by       k.m.pのぐるぐるなきもち箱。

552:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/13 04:41:44 0
こころをばなににたとへん
こころはあぢさゐの花
ももいろに咲く日はあれど
うすむらさきの思ひ出ばかりはせんなくて。

こころはまた夕闇の園生(そのふ)のふきあげ
音なき音のあゆむひびきに
こころはひとつによりて悲しめども
かなしめどもあるかひなしや
ああこのこころをばなににたとへん。

こころは二人の旅びと
されど道づれのたえて物言ふことなければ
わがこころはいつもかくさびしきなり

553:名無しさん@ピンキー
07/08/13 05:28:54 O
ケルアック

554:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/13 19:27:41 0
書斎の午後

われはこの国の女を好まず。

読みさしの舶来の本の
手ざはりあらき紙の上に、
あやまちて零(こぼ)したる葡萄酒(ぶだうしゆ)の
なかなかに浸(し)みてゆかぬかなしみ。

われはこの国の女を好まず。


555:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/13 19:32:39 0
  ココアのひと匙(さじ)

われは知る、テロリストの
かなしき心を―
言葉とおこなひとを分ちがたき
ただひとつの心を、
奪(うば)はれたる言葉のかはりに
おこなひをもて語らんとする心を、
われとわがからだを敵に擲(な)げつくる心を―
しかして、そは真面目にして熱心なる人の常に有(も)つかなしみなり。

はてしなき議論の後の
冷(さ)めたるココアのひと匙(さじ)を啜(すす)りて、
そのうすにがき舌触(したざは)りに
われは知る、テロリストの
かなしき、かなしき心を。


556:名無しさん@ピンキー
07/08/13 23:12:46 0
また夏が終わる もうさよならだね 時は2人を引き離していく  おもちゃの時計の針を戻しても 何も変わらない

557:名無しさん@ピンキー
07/08/14 03:07:03 O
良スレあげ

558:名無しさん@ピンキー
07/08/14 04:25:48 O
割り切れない というのは2の気性にはあいませんでした

559:名無しさん@ピンキー
07/08/14 04:27:15 O
個性的っていうよりは個人的

560:帽子の思い出
07/08/14 04:35:25 O
どこかのおやしきの クローゼットの棚に置かれたまるいおおきな箱の中で ぬくぬくと幸福にまどろんでるよ

気丈なばあさんだった

せいろうな山の空気と肥沃な大地の味がします

果肉のしっかりした干しあんずだったのですが、売れ行きはよくありませんでした

帽子はそれを 遠い町の農家から、二束三文で買いつけていました

561:名無しさん@ピンキー
07/08/14 04:39:37 O
>>556
なぜここでミスチルw

562:名無しさん@ピンキー
07/08/14 05:25:48 O
>>560
江國香織ですね 彼女の詩集が大好きです!

563:名無しさん@ピンキー
07/08/14 05:57:55 0
グミ
チョコレート
パイン

564:名無しさん@ピンキー
07/08/15 01:07:39 0
「動物たち」
私の父がゴリラに変身する。夜になると、私はよく父に会いに、
父が閉じこめられているモンキー・ハウスに忍び込む。
おみやげは頼まれた完熟のバナナ。「ねぇ、それほんとにゴリラの
ぬいぐるみじゃないの?」と私はもう一度ひそひそ声で訊く。
「それさぁ、ぬいぐるみにみえてしかたないんだけど」。
「もちろんぬいぐるみなんかじゃない」と父は吐き捨てるように言って
バナナの皮を後ろにポイと放り投げ、房からもう一本もぎ取る。
「お前な、わしが冗談でこんなところに閉じ込められてると思うか?
これみんなギャグにみえるか?」


565:名無しさん@ピンキー
07/08/15 01:09:20 0
「谷間」
奇妙な病が私の父を冒す。父は日々じわじわと、放漫なブロンド女性に
変身していくのだ。それも、ものすごくセクシーな女性に。
「覚悟しておいた方がいいわね、あなたと父さんとの関係にいろいろな
問題が生じてくるのを」と母が、芝刈り機の轟音が響く裏庭のテラスで
私と一緒にアイスティーを飲みながら、わずかに汗ばんだ額をハンカチで
ぽんぽん叩いて言う。

566:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/15 02:14:38 0
 八等官のコワリョーフはかなり早く眼を覚すと、
唇を【ブルルッ……】と鳴らした。自分でもこれはいったいどういう原因からか、
説明する訳にゆかなかったが、とに角、眼を覚すといつもやる癖であった。
コワリョーフは一つ伸びをすると、テーブルの上に立ててあった小さい鏡を取り寄せた。
昨夜、自分の鼻の頭に吹き出したにきびを見ようと思ったのである。
ところが、おっ魂消(たまげ)たことに、
鼻はなくて、その場所(あと)がまるですべすべののっぺらぼうになっているではないか! 
仰天したコワリョーフは水を持って来させて、タオルで眼を拭ったが、
確かに鼻がない! 手でさわって見たり、これは夢ではないかと、
我が身をつねってみたりしたが、どうも夢ではなさそうだ。
八等官コワリョーフは寝台からとび起きざま、武者ぶるいをしてみた―が、
やはり鼻はなかった!

567:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/15 02:17:57 0
一台の馬車が玄関前にとまって、扉(と)があいたと思うと、
中から礼服をつけた紳士が身をかがめて跳び下りるなり、
階段を駆けあがっていった。その紳士が他ならぬ自分自身の鼻であることに気がついた時の
コワリョーフの怖れと驚きとはそもいかばかりであったろう! 
この奇怪な光景を目撃すると、眼の前のものが残らず転倒してしまったように思われて、
彼はじっとその場に立っているのも覚束なく感じたが、
まるで熱病患者のようにブルブルふるえながらも、
自分の鼻が馬車へ戻って来るまで、どうしても待っていようと決心した。
二、三分たつと、はたして鼻は出て来た。
彼は立襟のついた金の縫い取りをした礼服に鞣皮(なめしかわ)のズボンをはいて、
腰には剣を吊っていた。羽毛(はね)のついた帽子から察すれば、
彼は五等官の位にあるものと断定することができる。
前後の様子から察して、彼はどこかへ挨拶に来たものらしい。
ちょっと左右を見まわしてから、馭者に、「馬車をこちらへ!」と叫んで、
乗り込むなり駆け去ってしまった。


568:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/15 02:22:00 0
「もし、貴下(あなた)、」と、コワリョーフは無理にも心を鞭打って、
「あの、もし貴下(あなた)……」
「何か御用で?」と、鼻が振りかえって答えた。
「わたくしには不思議でならないのですよ、
貴下(あなた)……どうも、その……。御自分の居どころはちゃんと御存じのはずです。
それなのに、意外なところでお目にかかるものでして、
いったいここはどこでしょう? お寺ではありませんか。
まあ、思ってもみて下さい……」
「どうも、おっしゃることが理解(のみこ)めません、
もっとはっきりおっしゃって下さい。」
【どう説明したものだろう?】と、コワリョーフはちょっと考えてから、
勇を鼓してこう切りだした。「もちろん、わたくしはその……。
それはそうと……。どうも、鼻なしで出歩くなんて、そうじゃありませんか、
これが、あのウォスクレセンスキイ橋あたりで皮剥ぎ蜜柑(みかん)を売っている女商人か何ぞなら、
鼻なしで坐っていても構わないでしょうがね。しかし万々のまちがいもなく今に知事の口にありつかれようとしている人間にとっては、
その……。いや、わたくしには何が何やらさっぱりわからないのですよ、貴下。
(こう言いながら、少佐は肩をすぼめた……)失礼ですけれど、
もしもこれを義務と名誉の法則に照らして考えますなら……あなた御自身よくおわかりのことでございましょうが……」
「いや、さっぱりわかりませんねえ。」と、鼻が答えた。「もっとよくわかるように説明して下さい。」


569:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/15 02:26:44 0
【もし、くっつかなかったら、どうしよう?】
 こう我と我が胸に問いかけた時、少佐の顔はさっと蒼ざめてしまった。
 名状し難い恐怖を覚えながら、彼はテーブルの傍へ走りよると、
うっかり鼻を斜めにくっつけたりしてはならぬと、鏡を引きよせた。
両手がブルブル震えた。彼は用心の上にも用心をしながら、鼻をそっと、
もとのところへ当てがった。けれど、南無三(なむさん)! 
鼻はくっつかないのだ!……彼はそれを口許へ持って行って、
自分の息でちょっと暖めてから、ふたたび、頬と頬との中間の、
つるつるしたところへ当てがった、が、鼻はどうしても喰っついていない。
【さあ、これさ! ちゃんと喰っつかないのか、馬鹿野郎!】と、
彼は躍起になってぼやいたが、鼻は木石のように無情(つれな)く、
まるでコルクみたいな奇妙な音をたててはテーブルの上へおっこちるのだった。
少佐の顔はひきつるように歪んだ。【どうしてもくっつかないのかなあ!】と、
彼はあわてて口走った。けれど、何度それを本来(もと)の場所へ当てがってみても、依然として、その躍起の努力も水泡に帰した。


570:名無しさん@ピンキー
07/08/15 21:27:57 O
寺山修司

571:名無しさん@ピンキー
07/08/15 22:21:33 0
そりゃあ谷崎先生さ。

572:名無しさん@ピンキー
07/08/16 01:51:52 O
ヒルマのヒナタの中このまま朽ちてもいい
マヒルのヒナタの中このまま朽ちてもいい

573:名無しさん@ピンキー
07/08/17 08:38:23 O
日本の現代作家の小説で、プロットレス・バレエのように、筋書きなどないに等しい、流れるようなシンプルかつ斬新な小説が読みたいです。普通のラノベや携帯小説の鼻白む物語展開が嫌いです。

574:名無しさん@ピンキー
07/08/19 03:00:11 0
アントニオ・タブッキの『島とクジラと女をめぐる断片』
ミシェル・トゥルニエの『海辺のフィアンセたち』
ボルヘスの『創造者』コクトーの『ポトマック』

575:名無しさん@ピンキー
07/08/19 04:00:30 O
>>570
今のゆとり世代のひとは知らないのかもね。真の天才に限って影に潜んでる真実。

576:名無しさん@ピンキー
07/08/19 19:02:11 0
こういう状況というものをちょっと考えていただきたいわけなんですけれども、従来型




の演劇には、こういう不確実さというものは無かったわけですね。登場人物についてはちゃんとプロフィールが決まっていて、登場人物がいっ


たい誰なのか分からない、などという作品は見られないわけ

です。性格なども、会話などを通じて明らかになっていく、
普通は一貫したパーソナリティを読者の側で描き出すことが


出来ますね。プロットもきちんと決まっています。喜劇であ
れば誰かと誰かがくっつくとか、最終的に、結婚してハッピ
ーエンドで終わるという。悲劇であれば終局的には主人公は
死んでしまうわけです。それで、どうして死ぬか分からない
なんてことはなくて、ちゃんと原因は劇の中で語られている
わけですね。その、予定された結末に向かって、全てがつじ
つまが合うように、因果関係の網の目に取り込まれつつ、演
劇というものは進展していくわけです。ところがこの作品に

はそう言うものが無い。

577:名無しさん@ピンキー
07/08/19 21:43:25 O
>>575
読解力のないヴァカも多いですからね

578:名無しさん@ピンキー
07/08/19 23:30:07 O
>>1ノルウェイの森は童貞が読む本じゃないだろう

579:名無しさん@ピンキー
07/08/20 02:24:57 0
 ポエジーは認識、救済、力、放棄である。世界を変えうる作用として
の詩的行為は、本質的に革命的なものであり、また、精神的運動なるが
ゆえに内的解放の一方法でもある。ポエジーはこの世界を啓示し、さら
にもうひとつの世界を創造する。
(…)
 われわれが詩にポエジーの存在を問う時、しばしば、ポエジーと詩が
勝手に混同されているのではなかろうか?
(…)
 詩なしでもポエジーは存在する。風景、人物、事実などはしばしば詩
的であり、それらは詩であることなく、ポエジーでありうる。…詩はひ
とつの作品である。ポエジーは人の手になるものーー絵画、歌、悲劇ー
ーのなかに極限され、集中し、そして孤立する。詩的なるものが、まだ
形を持たない状態におけるポエジーであるのに対し、詩は創作であり、
頭をもたげたポエジーである。ポエジーは詩のなかでのみ孤立し、完全
に発現されうるのである。もし人が詩を、そこにいかなる内容をもつめ
こむことのできるひとつの形式と考えるのをやめるならば、詩に対し、
ポエジーの存在を問うことは許される。詩は文学形式ではなくてポエジ
ーと人間の出会いの場である。詩はポエジーを包含し、それを刺激する。
あるいは発射する言語の有機体である。
(オクタビオ・パス『弓と竪琴』

580:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/22 01:59:34 0
>>579
そうだね、詩人ギルドだね。
>>578
そうだね、ラノベだね。

581:名無しさん@ピンキー
07/08/22 12:38:27 0
>>566
ゴーゴリの鼻か〜
なんといってもその風刺性は一歩間違えたらギャグなんだけど
その巧みな文章がいちおーシュール系小噺にしてるよね


582:名無しさん@ピンキー
07/08/22 18:03:00 O
ふたりエッチ全巻

583:名無しさん@ピンキー
07/08/22 19:56:39 O
↑やめてくれあれ読んでるとむかついてくるから

584:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/23 01:04:17 0
>>581
正解でごわす。シュールでごわす。

585:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/23 01:05:31 0
 山から里の方へ遊びにいった猿(さる)が一本の赤い蝋燭(ろうそく)を
拾いました。
赤い蝋燭は沢山(たくさん)あるものではありません。
それで猿は赤い蝋燭を花火だと思い込んでしまいました。
 猿は拾った赤い蝋燭を大事に山へ持って帰りました。
 山では大へんな騒(さわぎ)になりました。
何しろ花火などというものは、鹿(しか)にしても猪(しし)にしても
兎(うさぎ)にしても、亀(かめ)にしても、鼬(いたち)にしても、
狸(たぬき)にしても、狐(きつね)にしても、まだ一度も見たことがありません。その花火を猿が拾って来たというのであります。
「ほう、すばらしい」
「これは、すてきなものだ」


586:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/23 01:06:49 0
鹿や猪や兎や亀や鼬や狸や狐が押合いへしあいして赤い蝋燭を
覗(のぞ)きました。
すると猿が、
「危(あぶな)い危い。そんなに近よってはいけない。爆発するから」といいました。
 みんなは驚いて後込(しりごみ)しました。
 そこで猿は花火というものが、どんなに大きな音をして飛出(とびだ)すか、
そしてどんなに美しく空にひろがるか、みんなに話して聞かせました。

そんなに美しいものなら見たいものだとみんなは思いました。
「それなら、今晩山の頂上(てっぺん)に行ってあそこで打上げて見よう」と
猿がいいました。みんなは大へん喜びました。
夜の空に星をふりまくようにぱあっとひろがる花火を
眼(め)に浮べてみんなはうっとりしました。


587:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/08/23 01:08:19 0
 さて夜になりました。みんなは胸をおどらせて山の頂上(てっぺん)
にやって行きました。猿はもう赤い蝋燭を木の枝にくくりつけて
みんなの来るのを待っていました。
 いよいよこれから花火を打上げることになりました。
しかし困ったことが出来ました。と申(もう)しますのは、
誰も花火に火をつけようとしなかったからです。
みんな花火を見ることは好きでしたが火をつけにいくことは、
好きでなかったのであります。
 これでは花火はあがりません。そこでくじをひいて、火をつけに行くものを
決めることになりました。第一にあたったものは亀でありました。
 亀は元気を出して花火の方へやって行きました。
だがうまく火をつけることが出来たでしょうか。
いえ、いえ。亀は花火のそばまで来ると
首が自然に引込(ひっこ)んでしまって出て来なかったのでありました。


588:名無しさん@ピンキー
07/08/23 02:19:55 0
今日、夕焼けを見ていて思った。
いちばんきれいな時は、ほんの一瞬。
1分ほどの間だ。かがやくばかりに美しい。
あまりの美しさに、ぼうっとなって、心がときはなたれた。
そして思った。
どんなものも、頂点は一瞬だと。
山のてっぺんは、点だし、
恋の頂点も一瞬だ。
ああここだと分かるほど。
きれいなもの、おいしいもの、強いもの、早いものも。
ボールを投げると弧をえがいて落ちてくる、あのてっぺん。
あのような自然の形(カーブ)が、すべてのものにあると思う。
だから、例えば、
つねにてっぺんが絶えまなくつづくような観点からものを
みていれば、てっぺんがつづくのだと思う。
人についてならば、
若々しい美しさの頂点がすぎて、やさしさの頂点やたくま
しさや強さや深さの頂点が、あとから絶えまなくやってく
るということ。順番は人それぞれとして。
恋でいうなら、緊張の頂点、憧れ、情熱などがすぎると、
思いやりや理解やなれあいのすばらしさなどがくると思う。
それで、
夕焼けの美しさは一瞬のようだけど、そのあとにぼんやり
淡くひろがるオレンジや、灰色にとけていく青や、目のさ
めるような深い青や、くらがりにほのかにしのぶ夕焼けの
なごりなど、それぞれが、ある種の頂点でもあるなぁと、
思ったのです。
(『春の野原 満天の星の下』、角川文庫、1992,p.98)

589:名無しさん@ピンキー
07/08/23 16:26:38 0
中年童貞

590:名無しさん@ピンキー
07/08/24 23:26:48 0
○児童向けはスッキリ感が大切だと思う。
(ちなみに赤木かんこさんは、「児童文学は主人公が成長しない(子どもはすぐに成長できないから、話の中でもむしろ成長してはいけない)」「YAは一つの話を通して主人公が成長する」と分類していました)
○児童文学も、昔ながらのものはあまり読まれない。どちらかというと、YA向けを書いている作家が書く児童向けのものをよく読んでいる。


591:名無しさん@ピンキー
07/08/24 23:30:57 0
「キャッチャー・イン・ザ・ライ」では主人公(ホールデンだっけ?)が
物語を通して特に成長するわけではないから、読む前と読んだ後での彼に対する
読者のイメージが変化しない、ゆえに再読した時においてのブレが少なくてすむ、
ということらしいのだが、そういった点で言えば本作も一緒。
作中時間は動いてはいるし、人間関係は多少は変化するものの、
これといって派手な変化が(ストーリーという点でも、人間関係という点でも)
ほとんどない。だから、この面白さと言うのが単純に作者の描写に起因するものであり、
それは1回読んでも失われるものではないので、何回読んでも面白いのだろう、
と思う(この話は、ちょうど今読んでいる「小説のストラテジー」にある
「記述の運動性」と関係が深い)。


592:名無しさん@ピンキー
07/08/25 13:12:54 0
趙麗華

593:名無しさん@ピンキー
07/08/25 13:43:52 0
URLリンク(ameblo.jp)

594:名無しさん@ピンキー
07/08/25 14:16:49 0
たてじわがなくなるほど多角形に広げられた小陰唇

595:名無しさん@ピンキー
07/08/25 15:22:24 0
冷戦は帝国主義と表裏一体をなす資本主義と社会主義と対立構造であった。
社会主義はソ連を発展させ、資本主義諸国にも労働運動による労働条件の向
上や社会保障制度の充実などの影響を与えた。にもかかわらずソ連が崩
壊してしまったのは非民主的政治体制で政治が硬直化し、統制的指令的経済制
度で労働者の勤労意欲が減退し、生産手段の真の意味での社会的所有が実現しな
かったからだ。冷戦終結後の世界は帝国主義の武力行使を背景にもつグローバル資本主
義が台頭し、世界を席巻している。多国籍企業が世界中で跋扈しているため、労
働階級や発展途上国が犠牲になり、貧困の拡大や環境破壊も進んでいる。
グローバル資本主義は、多国籍独占資本の利益のために、民


主主義的諸権利を解体し、人類を破滅に導く。


596:名無しさん@ピンキー
07/08/25 15:27:33 0
社会主義は1990年前後に崩壊したが、それに寄生していた大江氏のような精神的幼児や、さらにそれに依拠していた朝日=岩波的メディアは、まだ生き残っている。
彼らが退場し、その子孫である団塊の世代が一線から退いたとき初めて、人類史上最大の脇道だった社会主義を清算できるのだろう。


597:名無しさん@ピンキー
07/08/25 15:55:33 O
大江は保守離別からリベラリズムにささいなことで転向した。

598:名無しさん@ピンキー
07/08/25 16:41:49 0
たてじわがなくなるほど多角形に広げられた小陰唇

599:名無しさん@ピンキー
07/08/26 02:01:14 0
>>597

そんな殊勝気に言われてもね

600:名無しさん@ピンキー
07/08/26 02:45:16 0
夏草のように伸び放題のチン毛はそりましょう
限りなくパイパンに近く

601:童貞
07/08/26 04:30:00 O
日本昔話

602:名無しさん@ピンキー
07/08/27 01:48:34 0
>>601
へえー

なんかバトルロイヤル的にラノベとボーイズラブには未来はないらしい。
昔話に帰来してもう一度ピュアな物語へと回帰するでしょうね

603:名無しさん@ピンキー
07/08/27 14:00:53 0
インテリの僕は、「イノック・アーデン」や、ミルトンの「失楽園」を読みます

604:名無しさん@ピンキー
07/08/27 14:03:20 0
フランス通の私はフランス文庫が好き

605:名無しさん@ピンキー
07/08/27 15:12:41 0
>>604
おもしろいこといいますね
フランス書院でしょ、正確には

606:名無しさん@ピンキー
07/08/27 15:17:14 0
10代にして黄昏世代の馬鹿は、ラノベを読むしか能がない

607:名無しさん@ピンキー
07/08/27 15:20:14 0
30代だけど西尾維新は読む

608:名無しさん@ピンキー
07/08/27 16:53:08 O
ライトノベルwwwwもう売り上げが落ちてるらしいよ

609:名無しさん@ピンキー
07/08/27 18:06:43 O
>>600
で?

610:馬鹿天才
07/08/27 18:12:23 O
>>608
これからは詩・ポエムの時代です

611:名無しさん@ピンキー
07/08/28 11:01:20 O
おまえら何冊ぐらいの小説持ってる?

612:名無しさん@ピンキー
07/08/28 11:13:26 0
500冊くらいかな

613:名無しさん@ピンキー
07/08/28 11:38:11 O
なかなかやるじゃないですか。まあ、それぐらい持ってて普通ですね。漫画も含めて1000くらいは読んでないと、読解力や想像力が飛躍しません。

614:名無しさん@ピンキー
07/08/28 12:28:03 0
まあ700冊くらいかな>>611

615:名無しさん@ピンキー
07/08/28 13:04:15 0
>>614
持っている小説の作家名を教えてください。

616:名無しさん@ピンキー
07/08/29 00:03:42 0
>>615
サド・銀色夏生・宮沢賢治・バロウズ・三島・村上春樹・村上龍・大江・安部公房・
寺山修司・筒井康隆・高橋源一郎・泉鏡花・夏目漱石・ゲーテ・ジョイス・ベケット・
アンデルセン・ペロー・五木寛之・中上健次・夢野久作・坂口安吾・太宰治・谷崎・
マゾッホ・セリーヌ・ドストエフスキー・トルストイ・キルケゴール・プルースト・サルトル
・コクトー・アポリネール・よしもとばなな・狗飼恭子・川上弘美・江國・金原ひとみ・わたやりさ
・ヘンリーミラー・ケルアック・ブルトン・ナタリーサロート・ヴァージニアウルフ・ゴンブロヴィッチ・
赤川次郎・内田康夫・シドニーシェルダン・星新一

つか書くの面倒、これでもまだ本棚の半分弱。

617:名無しさん@ピンキー
07/08/29 02:46:31 0
>>616
おまえは読む必要ないよ。

書く練習でもしてろ。


618:名無しさん@ピンキー
07/08/29 03:37:37 O
禿印乙

619:名無しさん@ピンキー
07/08/31 22:10:57 O
有斐閣判例六法
仕事で読む

620:名無しさん@ピンキー
07/09/03 02:31:43 O
富士日記 よりも 放浪記。これ以上の日記文学は存在しません。

621:弧高の鬼才 ◆W7.CkkM01U
07/09/03 03:07:46 0
>>620
いやいや和泉式部日記に、更級日記。
高野悦子の「二十歳の原点」がある。

電車男も日記型だがいまいち。

622:名無しさん@ピンキー
07/09/03 10:24:36 O
>>621ハゲドウ

623:名無しさん@ピンキー
07/09/05 04:23:37 0
そらにはちりのやうに小鳥がとび
かげろふや青いギリシヤ文字は
せはしく野はらの雪に燃えます
パツセン大街道のひのきからは
凍つたしづくが燦々(さんさん)と降り
銀河ステーシヨンの遠方シグナルも
けさはまつ赤(か)に澱んでゐます
川はどんどん氷(ザエ)を流してゐるのに
みんなは生(なま)ゴムの長靴をはき
狐や犬の毛皮を着て
陶器の露店をひやかしたり
ぶらさがつた章魚(たこ)を品さだめしたりする
あのにぎやかな土沢の冬の市日(いちび)です
(はんの木とまばゆい雲のアルコホル
 あすこにやどりぎの黄金のゴールが
 さめざめとしてひかつてもいい)
あゝ Josef Pasternack の指揮する
この冬の銀河軽便鉄道は
幾重のあえかな氷をくぐり
(でんしんばしらの赤い碍子と松の森)
にせものの金のメタルをぶらさげて
茶いろの瞳をりんと張り
つめたく青らむ天椀の下
うららかな雪の台地を急ぐもの
(窓のガラスの氷の羊歯は だんだん白い湯気にかはる)
パツセン大街道のひのきからしづくは燃えていちめんに降り
はねあがる青い枝や紅玉やトパースまたいろいろのスペクトルや
もうまるで市場のやうな盛んな取引です



次ページ
最新レス表示
スレッドの検索
類似スレ一覧
話題のニュース
おまかせリスト
▼オプションを表示
暇つぶし2ch

4805日前に更新/234 KB
担当:undef