【神々の】ガロア生誕 ..
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530:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/16 14:30:49.74
命題 214
p を Ω(>>82)の標数(>>214)と異なる素数とする。
K を体(>>82)とする。
a ∈ K とし、X^p - a は K において根を持たないとする。
このとき、X^p - a は K[X] において既約である。

証明
>>516より、Ω は 1 の原始 n 乗根(>>520) ζ を持つ。
X^p - a の Ω における根の一つを α とする。
α は K に含まれないから α ≠ 0 である。
よって、α、αζ、...、αζ^(p-1) は X^p - a の相異なる根である。
X^p - a = g(X)h(X) とする。
ここで、g(X) と h(X) は K[X] のモニックな多項式で、1 ≦ deg g(X) < p とする。
g(X) の根は αζ^i の形であるから g(X) の定数項を b とすると、
b = ±(α^kζ^m) である。ここで、k = deg g(X) である。
この両辺を p 乗する。α^p = a、ζ^p = 1 であるから、
p が奇素数であれば b^p = ±a^k である。
p = 2 なら b^p = a^k である。
p が奇素数で b^p = -a^k のとき (-b)^p = -b^p = a^k
よって、どの場合でも c^p = a^k となる c ∈ K がある。

Γ = K^* (>>522)とおき、Γ^p = {x^p; x ∈ Γ} とおく。
Γ^p は Γ の部分群である。
π:Γ → Γ/Γ^p を標準的な準同型とする。
即ち、π(x) = x (mod Γ^p) である。
α = π(a) とおく。
X^p - a は K において根を持たないから α ≠ 1 である。
一方、α^p = π(a^p) = 1
よって、群 Γ/Γ^p の元として α の位数は p である。
しかし、c^p = a^k より α^k = 1 である。
1 ≦ k < p であるから、これは矛盾である。
証明終

531:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/16 16:52:56.94
定義 215
A を可換環とする。
a ∈ A^* (522)と b ∈ A に対して写像 λ:A → A を λ(x) = ax + b で定義する。
この写像を φ(a, b) と書く。
φ(a, b) = φ(1, b)φ(a, 0) である。
φ(a, 0) と φ(1, b) はそれぞれ全単射であるから φ(a, b) も全単射である。
φ(a, b)(0) = b
φ(a, b)(1) = a + b
よって、a = φ(a, b)(1) - φ(a, b)(0)
よって、a と b は写像 φ(a, b) により一意に決まる。

(a, b)、(c, d) ∈ (A^*)×A のとき
φ(a, b)φ(c, d)(x) = a(cx + d) + b = acx + ad + b
よって、φ(a, b)φ(c, d) = φ(ac, ad + b) である。
よって、φ(a, b)φ(a^(-1), -(a^(-1))b) = φ(1, 0)
φ(1, 0) は A の恒等写像であるから φ(a^(-1), -(a^(-1))b) は φ(a, b) の逆写像である。

以上から {φ(a, b); (a, b) ∈ (A^*)×A} は集合 A 上の対称群 Sym(A) の部分群である。
この群を A 上の一次の一般affine群と言い、Aff(1, A) と書く。

532:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/16 17:11:46.72
>>531
Aff(1, A) の元を A 上の一次のaffine変換と言う。

533:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/16 17:29:16.40
A を可換環とする。
>>531の記号で (a, b)、(c, d) ∈ (A^*)×A のとき
φ(a, b)φ(c, d) = φ(ac, ad + b) であった。
よって、φ(a, b) に a を対応させる写像 f:Aff(1, A) → A^* は準同型である。
f の核は N = {φ(1, b); b ∈ A} である。
よって、N は Aff(1, A) の正規部分群である。
f は全射であるから Aff(1, A)/N は A^* に同型である。
よって |Aff(1, A)/N| = |A^*| (>>180)
よって、|Aff(1, A)| = |N||A^*|
一方、|N| = |A| であるから |Aff(1, A)| = |A||A^*| である。

b, c ∈ A のとき φ(1, b)φ(1, c) = φ(1, b + c)
よって、b ∈ A に φ(1, b) ∈ N を対応させる写像は A の加法群から N への準同型である。
この写像は単射であるから N は A の加法群に同型である。

H = {φ(a, 0); a ∈ A^*} とおく。
a ∈ A^* に φ(a, 0) を対応させる写像は単射準同型である。
よって、H は A^* に同型である。
(a, b) ∈ (A^*)×A のとき φ(a, b) = φ(1, b)φ(a, 0) であるから
Aff(1, A) = NH である。
明らかに N ∩ H = {1} である。

534:検便のナウシカ ◆UVkh7uHFoI
11/11/16 19:13:55.71
リンク貼ってくれてるから読むのに助かる

535:132人目の素数さん
11/11/16 19:15:50.80
じゃあ俺はハルヒ

536:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/16 20:15:51.88
定義 216
G を群とし、N をその正規部分群、H をその部分群とする。
G = NH、N ∩ H = {1} となるとき G を N と H の半直積と言う。

537:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/16 21:14:44.77
命題 217
G を群とし、N をその正規部分群、H をその部分群とする。
以下の条件は互いに同値である。

(1) G は N と H の半直積(>>536)である。
(2) G = HN、N ∩ H = {1}
(3) G の任意の元 g は g = nh、n ∈ N、h ∈ H と一意に書ける。
(4) G の任意の元 g は g = hn、h ∈ H、n ∈ N と一意に書ける。
(5) 標準単射 ι:H → G と標準全射 π:G → G/N の合成は H と G/N の同型である。
(6) 準同型 μ:G → H で H 上で恒等写像になり、Ker(μ) = N となるものがある。

証明
(1) ⇔ (2):HN = NH より明らか。
(1) ⇒ (3):
G = NH だから g = nh、n ∈ N、h ∈ H と書ける。
nh = mk、n、m ∈ N、h、k ∈ H とする。
m^(-1)n = kh^(-1) ∈ N ∩ H = {1}
よって、n = m、h = k

(3) ⇒ (1):
G = NH である。
g ∈ N ∩ H とする。
g = g1 = 1g
g ∈ N、g ∈ H だから一意性より g = 1 である。
よって、N ∩ H = {1}

(2) ⇔ (4):上と同様

(続く)

538:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/16 21:15:40.73
>>537の続き

2) ⇒ 5)
λ = πι とおく。
λ(H) = HN/N = G/N である。
Ker(λ) = H ∩ N = {1}
よって、λ:H → G/N は同型である。

5) ⇒ 6)
λ = πι とおく。
λ:H → G/N は同型である。
μ = λ^(-1)π とおく。
h ∈ H のとき μ(h) = λ^(-1)π(h) = λ^(-1)λ(h) = h
任意の g ∈ G に対して μ(g) = λ^(-1)π(g)
λ^(-1) は同型だから μ(g) = 1 と π(g) = 1 は同値である。
よって、Ker(μ) = N

6) ⇒ 1)
任意の g ∈ G に対して μ(g) = h とおく。
h ∈ H である。
μ(gh^(-1)) = μ(g)μ(h^(-1)) = hh^(-1) = 1
よって、gh^(-1) ∈ N である。
よって、g ∈ Nh ∈ NH
よって、G = NH
h ∈ N ∩ H とする。
h = μ(h) = 1
よって N ∩ H = {1}
証明終

539:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/16 21:20:37.17
A を可換環とする。
>>533より Aff(1, A) (>>531)は N = {φ(1, b); b ∈ A} と
H = {φ(a, 0); a ∈ A^*} の半直積(>>536)である。

540:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/16 22:17:21.63
命題 218
L/K を有限(>>87)なGalois拡大(>>251)とする。
E と F を L/K の中間体(>>309)とする。
以下の条件が成り立つとする。

1) E/K はGalois拡大である。

2) L = EF (>>132)

3) E ∩ F = K

G = G(L/K) (>>251)、N = Aut(L/E) (>>123)、H = Aut(L/F) とおく。
>>485より、N は G の正規部分群である。
このとき G は N と H の半直積(>>536)である。

証明
>>505より、η ∈ H = G(EF/F) に η|E ∈ G(E/(E ∩ F)) = G(E/K) を対応させる写像は同型である。
一方、>>488より、σ ∈ G に σ|E ∈ G(E/K) を対応させる写像は全射準同型であり、
その核は N である。

上記から任意の σ ∈ G に対して σ|E = η|E となる η ∈ H が一意に存在する。
η^(-1)σ|E は E の恒等写像であるから η^(-1)σ ∈ N である。
よって、σ ∈ HN である。
τ ∈ N ∩ H とすると τ は E と F の元を固定する。
L = EF だから τ = 1 である。
よって、N ∩ H = {1} である。
よって、>>537の (2) より G は N と H の半直積である。
証明終

541:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/16 22:19:16.66
>>540は L/K が有限でなくても成り立つ(>>506参照)。

542:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/16 22:44:48.37
命題 219
n ≧ 1 を Ω(>>82)の標数(>>214)で割れない整数とする。
K を体(>>82)とする。
a ∈ K とし、X^n - a の K 上の最小分解体(>>149) を L とする。
このとき L/K はGalois拡大(>>251)である。
G をそのGalois群(>>251)とする。
このとき、G は Aff(1, Z/nZ) (>>531)の部分群に同型である。
ここで Z は有理整数環である。

証明
>>516より、Ω は 1 の原始 n 乗根(>>520) ζ を含む。
X^n - a の Ω における根の一つを α とする。
a = 0 の場合は G = {1} であり、本命題は自明であるから a ≠ 0 と仮定する。
よって、α ≠ 0 である。
よって、α、αζ、...、αζ^(n-1) は X^n - a の相異なる根である。
よって、X^n - a は分離的(>>193)である。
よって、>>450より L/K はGalois拡大(>>251)である。
L = K(α、αζ、...、αζ^(n-1)) であるが α ≠ 0 より、ζ = (αζ)/α ∈ L である。
よって、L = K(α、ζ) である。

(続く)

543:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/16 22:45:35.49
>>542の続き

任意の σ ∈ G に対して σ(ζ) は 1 の原始 n 乗根であるから σ(ζ) = ζ^b、b ∈ Z と書ける。
このとき b は n と素である。
ζ^b = ζ^e なら b ≡ e であるから b (mod n) は σ により一意に決まる。
このとき、b (mod n) ∈ (Z/nZ)^* (>>522)である。

一方、σ(α) は X^n - a の根であるから σ(α) = αζ^c、c ∈ Z と書ける。
上と同じ理由により c (mod n) は σ により一意に決まる。

よって、σ ∈ G に対して (b mod n、c mod n) ∈ (Z/nZ)^*×(Z/nZ) が定まる。
よって、φ(σ) = (b mod n、c mod n) と定義することにより
写像 φ:G → (Z/nZ)^*×(Z/nZ) が得られる。
L = K(α、ζ) であるから任意の σ ∈ G は σ(α) と σ(ζ) で決まる。
よって、φ は単射である。

σ、τ ∈ G とし、φ(σ) = (b mod n、c mod n)、φ(τ) = (d mod n、e mod n) とする。
στ(ζ) = σ(ζ^d) = ζ^(bd)
στ(α) = σ(αζ^e) = (αζ^c)ζ^(be) = αζ^(be + c)
よって、φ(στ) = (bd mod n、be + c mod n)
よって、>>531より φ は G から Aff(1, Z/nZ) への単射準同型と見なせる。
証明終

544:132人目の素数さん
11/11/16 22:48:06.19
くまーさんって、血の通った人間なのだろうか。
淡々と書き込んでる様子を想像できない。

545:猫 ◆MuKUnGPXAY
11/11/16 23:22:50.01
>>544
アンタ等みたいに大脳が腐ってるよりもよっぽどマシ。




546:132人目の素数さん
11/11/16 23:53:27.90
ガロア支援してやろう

547:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 00:42:51.78
命題 220
p を Ω(>>82)の標数(>>214)と異なる素数とする。
>>516より、Ω は 1 の原始 n 乗根(>>520) ζ を含む。
K を体(>>82)とする。
[K(ζ) : K] = p - 1 とする。
a ∈ K とし、X^p - a は K において根を持たないとする。
X^n - a の K 上の最小分解体(>>149) を L とする。
このとき L/K はGalois拡大(>>251)であり、
そのGalois群(>>251) G は Aff(1, Z/pZ) (>>531)に同型である。
ここで Z は有理整数環である。

証明
X^n - a の Ω における根を α とする。
α は K に含まれないから α ≠ 0 である。
>>542の証明と同様に L/K はGalois拡大であり、L = K(α、ζ) である。

>>530より、X^p - a は K[X] において既約である。
よって、[K(α) : K] = p である。
よって、[K(α) : K] > [K(ζ) : K] である。
よって、[K(α、ζ) : K(ζ)] > 1 である。
一方、>>525より、[K(α、ζ) : K(ζ)] は p の約数である。
よって、[K(α、ζ) : K(ζ)] = p である。
よって、>>88より、[K(α、ζ) : K] = [K(α、ζ) : K(ζ)][K(ζ) : K] = p(p-1)
一方、>>542より、G は Aff(1, Z/pZ) の部分群に同型である。
>>533より、|Aff(1, Z/pZ)| = p(p-1) であるから G は Aff(1, Z/pZ) に同型である。
証明終

548:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 00:48:06.62
>>547の条件の一つである [K(ζ) : K] = p - 1 は K が有理数体の場合に成り立つ。
このことは代数的整数論003の162で証明されている。

549:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 01:39:18.53
n ≧ 1 を Ω(>>82)の標数(>>214)で割れない整数とする。
K を体(>>82)とする。
a ∈ K とし、X^n - a の K 上の最小分解体(>>149) を L とする。
>>542より、L/K はGalois拡大(>>251)である。
G をそのGalois群(>>251)とする。
>>516より、Ω は 1 の原始 n 乗根(>>520) ζ を持つ。
X^n - a の Ω における根の一つを α とする。
>>542の証明で示したように L = K(α、ζ) である。
>>523より、K(ζ)/K Galois拡大であり、 そのGalois群は (Z/nZ)^* の部分群に同型である。
L = K(α、ζ) = K(ζ)(α) であるから>>525より、L/K(ζ) は巡回拡大(>>491)である。
N = G(L/K(ζ)) とおくと>>488より G/N は G(K(ζ)/K) (>>251)に同型である。
よって、N と G/N はともにabel群である。
よって、G は可解群(定義は次に述べる)である。

550:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 02:07:27.31
定義 221
G を群とする。
G の部分群の列 G = G_0 ⊃ G_1 ⊃ ... ⊃ G_n = {1} があり、
各 G_i(i = 1、...、n) は G_(i-1) の正規部分群であり、G_(i-1)/G_i がabel群であるとき
G を可解群と言う。

551:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 02:24:45.42
奇数位数の有限群は可解群である(Feit-Thompson 1963)。
Feit-Thompsonのこの論文は255ページと長大である。

552:132人目の素数さん
11/11/17 02:27:37.60
>>551
その大結果の証明は今だに
簡略化されていないの?

553:猫 ◆MuKUnGPXAY
11/11/17 02:27:42.17
有限群論という範疇の中でソコまでの主張が成立するのは素晴らしい事。




554:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 07:50:57.76
定義 222
G ≠ {1} を群とする。
G が G と {1} 以外の正規部分群を持たないとき G を単純群と言う。

555:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 07:52:26.63
定義 223
G を群とする。
G の部分群の列 G = G_0 ⊃ G_1 ⊃ ... ⊃ G_n = {1} があり、
各 G_i(i = 1、...、n) は G_(i-1) の正規部分群であり、G_(i-1)/G_i が単純群(>>554) であるとき
この列を G の組成列(composition series)と言う。
各 G_(i-1)/G_i をこの組成列の組成因子(composition factor)または因子と呼ぶ。
n をこの組成列の長さと呼ぶ。

556:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 08:16:16.69
命題 224
G を群とする。
N を G の正規部分群とし、H を G の部分群とする。
このとき、HN は G の部分群であり、N は HN の正規部分群である。
さらに、H ∩ N は H の正規部分群であり、H/(H ∩ N) は HN/N に同型である。

証明
HN = NH、(HN)(HN) = HHNN = HN
よって、HN は G の部分群である。
N ⊂ HN であるから N は HN の正規部分群である。
π:G → G/N を標準的な準同型とする。
π を H に制限した写像 π|H:H → G/N を考える。
π|H の像は HN/N である。
π|H の核は H ∩ N である。
よって、H/(H ∩ N) は HN/N に同型である。
証明終

557:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 08:48:02.63
命題 225
G を群とする。
G が長さ n の組成列(>>555)を持てば、G の任意の真正規部分群 N は、
長さ ≦ n - 1 の組成列を持つ。

証明
n に関する帰納法を使う。
n = 1 の場合は自明である。
n ≧ 2 とする。
G = G_0 ⊃ G_1 ⊃ ... ⊃ G_n = {1} を組成列とする。
>>556より、NG_1/G_1 は N/(N ∩ G_1) と同型である。
NG_1 = G_1 の場合、即ち N ⊂ G_1 の場合は帰納法の仮定より、
N は長さ ≦ n - 1 の組成列を持つ。
NG_1 ≠ G_1 の場合とする。
G ⊃ NG_1 ⊃ G であり、NG_1 は G の正規部分群であるから NG_1 = G である。
>>556より、N/(N ∩ G_1) は G/G_1 に同型であるから N/(N ∩ G_1) は単純群(>>554)である。
N ∩ G_1 = G_1 とすると N ⊃ G_1 となり、N = G または N = G_1 となって仮定に反する。
よって、N ∩ G_1 ≠ G_1 である。
よって、N ∩ G_1 は帰納法の仮定より長さ ≦ n - 2 の組成列を持つ。
よって、N は 長さ ≦ n - 1 の組成列を持つ。
証明終

558:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 10:13:11.38
命題 226
G を群とする。
H_1 ⊃ H_2 を G の部分群とし、H_2 は H_1 の正規部分群とする。
(H_1)/(H_2) は単純群であるとする。
N を G の正規部分群とする。
このとき、(H_1)N/(H_2)N は単純群であるか (H_1)N = (H_2)N である。

証明
標準準同型:(H_1)N → (H_1)N/(H_2)N を H_1 に制限することにより、
準同型 f:H_1 → (H_1)N/(H_2)N が得られる。
f は全射である。
f(H_2) = {1} であるから f は全射準同型 g:(H_1)/(H_2) → (H_1)N/(H_2)N を誘導する。
(H_1)/(H_2) は単純群であるから Ker(g) = {1} または Ker(g) = (H_1)/(H_2) である。
よって、(H_1)N/(H_2)N は (H_1)/(H_2) に同型であるから {1} である。
よって、(H_1)N/(H_2)N は単純群であるか (H_1)N = (H_2)N である。
証明終

559:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 10:56:44.27
命題 227
G を群とする。
H_1 ⊃ H_2 を G の部分群とし、H_2 は H_1 の正規部分群とする。
N を G の正規部分群とする。
このとき、全射準同型 g:(H_1)/(H_2) → (H_1)N/(H_2)N が存在する。

証明
>>558で証明されている。

560:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 11:07:13.60
命題 228
G を可解群(>>550)とする。
N を G の任意の正規部分群とする。
このとき、G/N は可解群である。

証明
G の部分群の列 G = G_0 ⊃ G_1 ⊃ ... ⊃ G_n = {1} があり、
各 G_i(i = 1、...、n) は G_(i-1) の正規部分群であり、G_(i-1)/G_i はabel群である。
列 G = (G_0)N ⊃ (G_1)N ⊃ ... ⊃ (G_n)N = N を考える。
>>559より、各 i に対して 全射準同型 (G_(i-1))/(G_i) → (G_(i-1))N/(G_i)N が存在する。
よって、各 (G_(i-1))N/(G_i)N はabel群である。
よって、G/N は可解群である。
証明終

561:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 11:47:55.43
命題 229(Jordan-Hoelderの定理)
G を群とする。
G = G_0 ⊃ G_1 ⊃ ... ⊃ G_n = {1} を組成列とする。
このとき、G の任意の組成列の長さは n であり、その組成因子の列は、
順序を別にして列 (G_(i-1)/G_i)、i = 1、...、n と同型である。

証明
n に関する帰納法を使う。
n = 1 の場合は自明である。
n ≧ 2 とする。
G = H_0 ⊃ H_1 ⊃ H_2 ... ⊃ H_m = 0 を別の組成列とする。
G_1 = H_1 なら帰納法の仮定から成り立つ。
よって、G_1 ≠ H_1 とする。
H_0 ⊃ (G_1)(H_1) ⊃ H_1 であるが (G_1)(H_1) ≠ H_1 であるから H_0 = (G_1)(H_1) である。
よって、>>556より G_1/(G_1 ∩ H_1) は H_0/H_1 と同型である。
同様に H_1/(G_1 ∩ H_1) は G_0/G_1 と同型である。

>>557より、G_1 ∩ H_1 は組成列を持つ。
よって、G_1 ⊃ G_1 ∩ H_1 ⊃ ... となる組成列がある。
帰納法の仮定からこの組成列の長さは n - 1 であり、
その組成因子の列は順序を別にして列 (G_(i-1)/G_i)、i = 2、...、n と同型である。
H_1 ⊃ G_1 ∩ H_1 ⊃ ... は長さは n - 1 の組成列である。
よって、帰納法の仮定から n - 1 = m -1 であり、よって n = m である。
その組成因子の列は順序を別にして列 (H_(i-1)/H_i)、i = 2、...、n と同型である。
よって、本命題が成り立つ(図を描いてみれば良くわかる)。
証明終

562:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 12:32:47.98
命題 230
有限群は組成列(>>555)を持つ。

証明
G を有限群とする。
G の位数 n に関する帰納法を使う。
n = 1 の場合は自明である。
n ≧ 2 とする。
G の正規部分群で G と異なるもの全体を Σ とする。
{1} ∈ Σ であるから Σ は空でない。
N を Σ の中で位数最大のものとする。
G/N は単純群である。
N の位数 ≦ n - 1 であるから帰納法の仮定から N は組成列を持つ。
よって、G は組成列を持つ。
証明終

563:132人目の素数さん
11/11/17 12:36:15.32
支援

564:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 12:49:54.74
命題 231
有限群が可解(>>550)であるためにはその任意の組成列(>>555)の各組成因子(>>555)が
素数位数を持つことであることが必要十分である。

証明
Jordan-Hoelderの定理(>>561)と、abel群が単純群(>>554)であれば、その位数は素数であることと、
逆に素数位数の群はabel群であることから本命題は直ちに得られる。
証明終

565:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 13:10:18.69
命題 232
可解群(>>550)の部分群は可解である。

証明
G を可解群とし、H をその部分群とする。
G の部分群の列 G = G_0 ⊃ G_1 ⊃ ... ⊃ G_n = {1} があり、
各 G_i(i = 1、...、n) は G_(i-1) の正規部分群であり、G_(i-1)/G_i はabel群である。
各 i に対して、π_i:G_(i-1) → G_(i-1)/G_i を標準的な準同型とする。
π_i は準同型 λ_i:H ∩ G_(i-1) → G_(i-1)/G_i を引き起こす。
この核は H ∩ G_i である。
よって、(H ∩ G_(i-1))/(H ∩ G_i) は G_(i-1)/G_i の部分群に同型であるからabel群である。
よって、H_i = H ∩ G_i、i = 0、1、...、n とおけば、
H = H_0 ⊃ H_1 ⊃ ... ⊃ H_n = {1} となり、
各 H_i(i = 1、...、n) は H_(i-1) の正規部分群であり、H_(i-1)/H_i はabel群である。
よって、H は可解群である。
証明終

566:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 13:15:08.74
命題 233
G を群とする。
N を G の正規部分群とする。
N と G/N が可解(>>550)であれば G も可解である。

証明
可解群の定義(>>550)から明らかである。

567:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 13:26:49.05
命題 234
G_1、...G_n を群とする。
G = (G_1)×...×(G_n) を直積とする。
このとき、G が可解(>>550)であるためには各 G_i が可解であることが必要十分である。

証明
必要性:
G が可解であるとする。
各 i に対して π_i:G → G_i を射影とする。
π_i の核を N_i とする。
G/N_i と G_i は同型であるから>>560より、G_i は可解である。

十分性:
各 G_i が可解であるとする。
n に関する帰納法を使う。
n = 1 の場合は自明である。
n ≧ 2 とする。
G/G_n は (G_1)×...×(G_(n-1)) に同型であるから帰納法の仮定より可解である。
よって、>>566より、G は可解である。
証明終

568:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 13:40:59.69
>>293の修正

定義 126
L/K を代数的拡大(>>90)とする。
L ⊂ E となる体(>>82) E で E/K が正規拡大(>>163)となるようなもの全体の集合を Ψ とする。
K~ を K の代数的閉包(>>128)とすると、K~ ∈ Ψ であるから Ψ は空でない。
N = ∩{E; E ∈ Ψ} は体であり、N ∈ Ψ である。
即ち N は Ψ の最小元である。
N を L/K の正規閉包(normal closure)という。

569:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 13:46:39.76
定義 235
L/K を分離代数的(>>248)な拡大(>>82)とする。
N を L/K の正規閉包(>>568)とする。
>>324より N/K はGalois拡大(>>251)である。
このとき、N/K を L/K のGalois閉包と呼ぶ。

570:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 14:28:37.12
命題 236
L/K をGalois拡大(>>251)とする。
σ: K → Ω (>>82) を任意の埋め込み(>>121)とする。
このとき、σ(L)/σ(K) はGalois拡大であり、G(L/K) (>>251)と G(σ(L)/σ(K)) は同型である。

証明
ほとんど自明であろう。

571:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 14:38:50.38
命題 237
K ⊂ M ⊂ L を体(>>82)の拡大の列とする。
M/K と L/M はそれぞれ有限(>>87)なGalois拡大(>>251)であるとする。
>>284より、L/K は分離代数的(>>248)である。
N を L/K のGalois閉包(>>569)とする。
G(M/K)(>>251) と G(L/M) はそれぞれ可解(>>550)であるとする。
このとき、G(N/K) は可解である。

証明
G = G(N/K) とおく。
>>306より、N は {σ(L):σ ∈ E(L/K) (>>262)} の合成体(>>291)である。
>>166より、任意の σ ∈ E(L/K) に対して σ(M) = M である。
よって、>>570より σ(L)/M はGalois拡大であり、G(σ(L)/M) は G(L/M) に同型である。
よって、G(σ(L)/M) は可解である。
>>507より G(N/M) は Γ = Π{G(σ(L)/M): σ ∈ E(L/K)} の部分群に同型である。
>>567より、Γ は可解である。
よって、>>565より G(N/M) は可解である。
M/K はGalois拡大であるから>>473より G(N/M) は G の正規部分群である。
>>488より G/G(N/M) は G(M/K) に同型であるから可解である。
よって、>>566より G は可解である。
証明終

572:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 15:51:58.09
定義 238
L/K をGalois拡大(>>251)とする。
そのGalois群(>>251)が可解(>>550)なとき L/K を可解なGalois拡大と言う。

573:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 15:55:58.74
定義 239
L/K を拡大(>>251)とする。
可解(>>572)なGalois拡大 E/K があり L ⊂ E となるとき L/K を準可解拡大と言う。

574:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 15:59:50.83
>>573の修正

定義 239
L/K を分離代数的(>>248)な拡大(>>82)とする。
可解(>>572)なGalois拡大 E/K があり L ⊂ E となるとき L/K を準可解拡大と言う。

575:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 16:10:41.76
命題 240
L/K を分離代数的(>>248)な拡大(>>82)とする。
L/K が準可解拡大(>>574)であるためには L/K のGalois閉包(>>569)が
可解(>>572)であることが必要十分である。

証明
必要性
L/K が準可解拡大であるとする。
L ⊂ E となる可解(>>572)なGalois拡大 E/K がある。
L/K のGalois閉包を M とすると M ⊂ E である。
>>488より G(M/K) は G(E/K)/G(E/M) に同型である。
よって、>>560より G(M/K) は可解(>>550)である。

十分性:
自明である。
証明終

576:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 16:20:30.84
命題 241
L/K を準可解拡大(>>574)とする。
M を L/K の中間体(>>309)とする。
このとき、M/K と L/M はそれぞれ準可解拡大である。

証明
L ⊂ E となる可解(>>572)なGalois拡大 E/K がある。
M/K が準可解拡大であることは明らかである。
G(E/M) は G(E/K) の部分群であるから>>565より可解(>>550)である。
よって、L/M は準可解拡大である。
証明終

577:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 16:37:36.82
命題 242
L/K を有限(>>87)な準可解拡大(>>574)とする。
任意の拡大(>>82) F/K に対して LF/F は準可解拡大である。

証明
E を L/K のGalois閉包(>>569)とする。
>>575より、E/K は可解(>>572)である。
>>325より E/K は有限であるから>>505より G(EF/F) は G(E/(E∩F)) と同型である。
G(E/(E∩F)) は G(E/K) の部分群であるから>>565より可解(>>550)である。
よって、EF/F は可解(>>572)である。
LF ⊂ EF であるから LF/F は準可解拡大である。
証明終

578:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 16:39:05.38
>>577は L/K が有限でなくても成り立つ(>>506参照)。

579:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 17:19:12.27
命題 243
L/K を拡大(>>82)とする。
M を L/K の中間体(>>309)とする。
M/K と L/M はそれぞれ有限(>>87)な準可解拡大であるとする。
このとき、L/K は準可解拡大である。

証明
>>138より、L/K は有限である。
F を M/K のGalois閉包(>>569)とする。
>>325より、F/K は有限である。
>>575より、F/K は可解(>>572)である。
L/M は有限な準可解拡大であるから、>>577より、FL/F は準可解拡大である。
>>138より、FL/F は有限である。
E/F を FL/F のGalois閉包(>>569)とする。
>>325より、E/F は有限である。
>>575より、E/F は可解(>>572)である。
よって、>>571より E/K は準可解拡大である。
L は E/K の中間体だから L/K は準可解拡大である。
証明終

580:132人目の素数さん
11/11/17 17:20:21.15
>>Kummer
頭の悪さの秘訣を教えて下さい。
貴方の頭の悪さは世界屈指だと思うので、是非とも参考にしたいです。

581:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 17:23:55.86
命題 244
有限(>>87)な準可解拡大(>>574)全体の集合は正則(>>136)である。

証明
>>138に注意すれば、>>576>>577>>579より明らかである。

582:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 17:44:02.27
定義 245
n ≧ 1 を Ω(>>82)の標数(>>214)で割れない整数とする。
L/K を拡大(>>82)とする。
L = K(α)、α^n ∈ K となる α ∈ L があるとき L/K を正則な単冪根拡大(>>512)と呼ぶ。

583:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 17:45:56.23
定義 246
K = K_0 ⊂ K_1 ⊂ ...⊂ K_n = L を体(>>82)の増大列とする。
各 K_i/K_(i-1)、i = 1、...、n が正則(>>582)な単冪根拡大(>>512)であるとき
L/K を正則(>>582)な冪根拡大(>>513)と呼ぶ。

584:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 17:52:05.78
命題 247
正則(>>582)な単冪根拡大(>>512)は準可解拡大(>>574)である。

証明
>>549より明らかである。

585:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 17:53:54.90
>>583の修正

定義 246
K = K_0 ⊂ K_1 ⊂ ...⊂ K_n = L を体(>>82)の増大列とする。
各 K_i/K_(i-1)、i = 1、...、n が正則(>>582)な単冪根拡大(>>512)であるとき
L/K を正則な冪根拡大(>>513)と呼ぶ。

586:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 17:56:14.93
命題 248
正則(>>585)な冪根拡大(>>512)は準可解拡大(>>574)である。

証明
>>584>>581より明らかである。

587:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 18:15:33.54
命題 249
K を体(>>82)とする。
f(X) ∈ K[X] を分離的(>>193)な多項式とする。
L を f(X) の K 上の最小分解体とする。
>>450より、L/K はGalois拡大(>>251)である。
L ⊂ E となる正則(>>585)な冪根拡大(>>513) E/K があるとする。
このとき L/K は可解(>>572)である。

証明
>>586より、E/K は準可解拡大(>>574)である。
よって、>>581より L/K も準可解拡大である。
L/K はGalois拡大であるから>>575より可解(>>572)である。
証明終

588:132人目の素数さん
11/11/17 18:31:06.75
くまさんは黙々とやってるな。

589:132人目の素数さん
11/11/17 18:51:13.87
>>数学嫌い
Kummer氏の邪魔をしない方がいい。
氏は望まれている。

590:132人目の素数さん
11/11/17 19:11:47.82
>>589
この馬鹿熊の多数の大間違いに気が付かないとか知障か
こいつは嘘デタラメばかり書いているんだよ

591:132人目の素数さん
11/11/17 19:12:08.85
>>Kummer
おい、間違い訂正して謝罪しろ

592:132人目の素数さん
11/11/17 19:19:59.32
>>589
自演乙

593:仙石60
11/11/17 21:33:12.65
>>Kummer
謝罪したほうがいいのでは

594:仙石60サポータ
11/11/17 23:03:13.02
↑ こいつは仙石のにせもの かたり

595:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 23:25:17.62
ここで線型代数の復習をする。

K を抽象体(>>197)とし、V を K 上の有限次元の線型空間とする。
u:V → V を K-線型写像とする。
End(V) を K-線型写像 V → V 全体のなす K-線型環(>>97)とする。
K[X] を K 上の1変数多項式環とする。
K-準同型 φ:K[X] → End(V) で φ(X) = u となるものが一意に定まる。
よって、φ により V は K[X]-加群と見なされる。
即ち f(X) ∈ K[X] と x ∈ V に対して f(X)x = φ(f)(x) = f(u)(x) と定義する。
X(x) = u(x) である。
V の次元を n とする。
V の K 上の基底を e_1、...、e_n とすると V は K[X]-加群として e_1、...、e_n で生成される。
よって、V は K[X]-加群として有限生成である。

任意の x ∈ V に対して x、u(x)、u^2(x)、...、u^n(x) は一次従属であるから
f(u) = 0 となる f(X) ∈ K[X]、f(X) ≠ 0 がある。
よって、V は K[X]-加群として捩れ加群(定義は次に述べる)である。

596:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 23:28:32.88
定義 250
A を整域、M を A-加群とする。
x ∈ M が捩れ元であるとは、A の元 a ≠ 0 があり
ax = 0 となることである。

M のすべての元が捩れ元であるとき、M を捩れ加群(torsion module)という。

597:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/17 23:33:10.90
>>596
代数的整数論000の652から引用

598:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/18 01:23:43.01
定義 251
整域 A において、そのイデアルが常に単項となるとき A を 単項イデアル整域と呼ぶ。

599:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/18 01:28:36.68
定義 252
A を整域とする。
A の元 a ≠ 0 は a で生成されるイデアル aA が素イデアルのとき素元と言う。

600:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/18 01:34:00.22
定義 253
A を必ずしも可換でない環とし、M を A-加群とする。
x ∈ M に対して、ann(x) = {a ∈ A; ax = 0 } とおく。
これは A の左イデアルである。

Ann(M) = {a ∈ A; aM = 0 } とおく。
これは A の両側イデアルである。

601:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/18 01:39:59.96
定義 254
A をNoether可換環とし、M を A-加群とする。
p を A の素イデアルとする。
ある x ∈ M があり p = ann(x) (>>600) となるとき
p を M の随伴素因子(associated prime ideal)という
M の随伴素因子全体を Ass(M) と書く。

602:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/18 01:44:29.20
>>601の修正

定義 254
A をネーター可換環とし、M を A-加群とする。
p を A の素イデアルとする。
ある x ∈ M があり p = ann(x) (>>600) となるとき
p を M の随伴素イデアル(associated prime ideal)という
M の随伴イデアル全体を Ass(M) と書く。

603:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/18 01:50:37.02

>>595において K を代数的閉体とする。
K[X]-加群としての V の随伴素イデアル(>>602)とは (X - λ) の形のイデアルである。
ここで V の元 0 ≠ x ∈ V があり、(u - λ)(x) = 0
即ち u(x) = λx となる。
よって λ は u の固有値である。
Ass(V) とは u の固有値の集合と見なせる。

604:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/18 11:13:10.07
命題 255
A を 単項イデアル整域(>>598)とする。
p を A の素元(>>599)とする。
このとき、pA は極大イデアルである。

証明
pA が極大イデアルでないとする。
pA ⊂ aA となるイデアル aA で、pA ≠ aA、aA ≠ A となるものがある。
よって、p = ab となる b ∈ A がある。
よって、ab ∈ pA である。
pA は素イデアルで a ∈ pA ではないから b ∈ pA
よって、b = pc となる c ∈ A がある。
よって、p = ab = pac
p ≠ 0 だから 1 = ac
よって、aA = A となって仮定に反する。
証明終

605:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/18 11:25:46.90
定義 256
A を整域とする。
a ≠ 0 を A の非可逆元とする。
A の非可逆元 b、c があり a = bc となるとき a は可約という。
A の元は可約でないとき既約という。

606:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/18 12:13:50.39
命題 257
単項イデアル整域(>>598)においては素元(>>599)と既約元(>>605)は一致する。

証明
単項イデアル整域においては、既約元とは 0 でない極大イデアルを生成する元のことである。
任意の可換環において極大イデアルは素イデアルであるから、本命題は>>604より明らかである。
証明終

607:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/18 12:33:51.79
>>605の修正

定義 256
A を整域とする。
a ≠ 0 を A の非可逆元とする。
A の非可逆元 b、c があり a = bc となるとき a は可約という。
A の非可逆元は可約でないとき既約という。

608:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/18 12:48:30.12
命題 258
単項イデアル整域(>>598) A においては任意の 0 でない真イデアルは有限個(≧1)の素イデアルの積になる。
即ち、A の任意の 0 でない非可逆元は有限個の素元(>>599)の積になる。

証明
A において 0 でない真イデアルで有限個の素イデアルの積にならないものがあるとする。
A はNoether環だからそのようなイデアルの中で極大なものがある。
そのイデアルを I とする。
I は単項イデアルだから I = aA と書ける。
I は素イデアルでないから>>606より a は可約(>>605)である。
よって、A の非可逆元 b、c があり a = bc となる。
よって、 I = (bA)(cA) である。
I ⊂ bA、I ≠ bA だから bA は有限個の素イデアルの積になる。
同様に cA は有限個の素イデアルの積になる。
よって、I は有限個の素イデアルの積になり仮定に反する。
証明終

609:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/18 13:03:05.83
命題 259(素元分解の一意性)
単項イデアル整域(>>598) A においては任意の 0 でない真イデアルは
有限個(≧1)の素イデアルの積として一意に表される。
即ち、A の任意の 0 でない非可逆元は素元(>>599)の積として可逆元の違いを除いて一意に表される。

証明
a を A の任意の 0 でない非可逆元とする。
>>608より、a = (p_1)...(p_n) となる素元 p_1、...、p_n がある。
a = (q_1)...(q_m) となる素元 q_1、...、q_n があるとする。
(q_1)...(q_m) は p_1 で割れ、p_1 は素元だから q_1、...、q_n のどれかが p_1 でわれる。
q_1 が p_1 で割れると仮定してよい。
>>606より、q_1 は既約だから q_1 = ε(p_1) となる。ここで ε は可逆元である。
よって、素元分解は可逆元の違いを除いて一意である。
証明終

610:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/18 13:08:51.63
命題 260
A を 単項イデアル整域(>>598)とし、M を A-加群とする。
x ∈ M, x ≠ 0 とする。
p を A の素元(>>599)とし、px = 0 とする。
このとき、pA ∈ Ass(M) (>>602)である。

証明
x ≠ 0 だから ann(x) ≠ A である。
p ∈ ann(x) (>>600) だから pA ⊂ ann(x) である。
>>604より、pA は極大イデアルであるから pA = ann(x) である。
pA は素イデアルだから、pA ∈ Ass(M) である。
証明終

611:仙石60
11/11/18 13:15:34.64
>>Kummer
うるせぇ、さもないと沈めるぞ!

612:132人目の素数さん
11/11/18 13:17:55.21
ああ、こりゃ、こりゃ。

613:132人目の素数さん
11/11/18 13:22:42.51

XVUソTSキ芋[解迩寄・約サ[デ^ハヒ\]FGテdワsムtlエヘQcッL鰯解JIKH|Zォ}tロ^ムsvxリメルレロワンィzモ^ヤヨモmユヨラリBCDE褪踉銓頸鶯ルKLMNOPQRSTUVYロe©®™


614:Kummer ◆SgHZJkrsn08e
11/11/18 13:25:07.85
命題 261
A を 単項イデアル整域(>>598)とし、M を A-加群とする。
x ∈ M, x ≠ 0 とする。
このとき、ann(x) を含む素イデアル pA で pA ∈ Ass(M) (>>602)となるものがある。

証明
ann(x) = aA とする。
x ≠ 0 だから aA ≠ A である。
>>608より、a = (p_1)...(p_n) となる素元 p_1、...、p_n がある。
n = 1 なら>>610より aA ∈ Ass(M) である。
n ≧ 2 とする。
(p_2)...(p_n)x = 0 とすると (p_2)...(p_n) が a で割れることになって矛盾。
よって、(p_2)...(p_n)x ≠ 0 である。
よって、>>610より (p_1)A ∈ Ass(M) である。
ann(x) = aA ⊂ (p_1)A である。
証明終


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