戦国ちょっと悪い話43 ..
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16/04/07 22:54:17.38 p5esZawi.net
この時、加藤清正が座の中央に進み出た
「道犬の今の言葉、理が有るに似て非ざる物なり!
大御所も前々のようならば大阪に下向すると言うだろう。だが、庚子の兵乱(関ヶ原〉以後、天下の権勢は
皆関東に帰した。である以上、以前を以って見るべきではない!
殊に我が君(秀頼〉は未だ帝都の土を踏まれておらず、その上外の世界で天下の武士と交わりが無いため、
人はみな、君を懶惰の将軍と言っている。今度の大御所からの招きにも上洛なければ、いよいよ以って
比興の君と評価され、そうなれば一体誰が志を当家に寄せるだろうか?
一方で関東の両将軍は常に天下の大小名に御入魂の事を心にかけられている為、先君の鴻恩深き
大小名も、今は皆関東に帰伏して大阪の廃亡を心にかける者はいません。
今回は、仮にお招きがなくても、久方御対面が無い事に寄せて、御上洛あるべきなのです。
それを幸いにもお招きがあったのですから、速やかに御上洛有るのが当然です!
清正は不肖では有りますが、御供仕ります。その折、藤堂高虎は有馬の湯治からの帰路、天満の屋敷に
滞在していると聞いていますので、彼もお召しあって扈従を仰せ付けるべきです。高虎は先君の御恩を
山よりも高く蒙った者ですから、違背することは無いでしょう。仮に辞退するようなことに成っても、
私が共々に申し勧めます。
もし今、今回上洛しなければ、御難題を仰せかけられ、その禍目の当たりに来るでしょう。ただ一日も早く
御上洛のご返答あってしかるべきです!」
しかし大寄合は両論に別れ結論を出せなかった。清正は居丈高になって言い放った
「道犬は元は浅井家の臣!今は淀の方様に従って当城に在りといえども先君の御代では部屋住み同然にて
評定の席などで見る人物ではなかった!それなのに、いかに当城に人物が無いと言って、このような
重要な評議に、歴々を差し置いて彼のような者が加わっているのはどういうことか!?
その上発言も一々道理に叶っていない。
この清正は人々もご存知のように先君お取り立ての者であるが、既に御門葉にも列しており、どうして
おため悪しき事を申すであろうか?
道犬のような輩の評定は皆以ってこのようだから、それ故に関東の心象を悪くし、そして当家の御難儀と
なっているのだ!
そもそも今日の評議に片桐兄弟が座していないのは不審の第一である!」
そう荒々しく言うと、秀頼も「清正の言葉然り」として、直に片桐を召した。
(慶元記)


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