戦国ちょっといい話43 ..
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195:人間七七四年
16/01/20 03:18:16.12 8QvfyOqv.net
ある日のことだが、かつて豊臣秀吉は数多の金銀の蟹を作らせ、それを
庭の泉水、あるいはそのほとりに放って楽しみとした。
しばらくすると秀吉は、「見飽きた」と思って、近習の者に、「何ぞ一用を
言い出した者にはこれを与えよう」と、言った。
これに皆々は大いに喜び、「臣はこれを紙押さえにします!」とか、「臣は
金の茶釜の蓋さえもないので、せめてこれをその蓋のつまみにします!」
とか、あるいは何と言い、こうと言い、各々1個ずつを賜った。
その中で曽呂利新左衛門がどのように乞うたかというと、「臣は人の相撲は
既に見飽きたので、この蟹を集めて相撲を致さんと存じます」とのことだった。
これに秀吉は、「相撲となれば5個や10個ではその興も薄かろう。ことごとく
持って行くがよい」と言って、残りの蟹を全て新左衛門に与えたということだ。
その頓才は実に驚くべきものであり、また感ずべきものである。
―『常山紀談(異本に拠る)』


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