目の前で見た人の死の ..
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68:続き
06/01/20 13:26:47 u3Led35O0
それから5日後、複数の泣き声で目が覚めた。
慌てて起きると、もう祖父の意識がないとのこと。
祖父の布団の周りを、伯父や叔母、従兄弟たちが取り囲んで、泣きながら祖父に
声をかけていた。
祖父の顔は、もう全部紫色になっていて、半開きの口からかすかに呼吸している
ようだった。
そしてついに、その呼吸が止まった。
号泣する親戚の声に混じって、ずっと祖父の手首に手をやっていた父が、こう
告げるのが聞こえてきた。
「8時21分、父永眠」
父の頬を静かに涙が伝っていくのと、布団に泣き伏す親戚の姿、そして祖父の死に
顔を見つめながら、オレはただ震えていた。
―死ぬのって、こんなに苦しくて恐ろしいものなのか、と。

大人になった今、末期癌の苦痛は筆舌に絶するものだと知った。
それでも暴れることもなく、意識を失うまで会話を続けていた祖父は、物凄い
精神力の持ち主だったんだな、と思う。
オレも寿命を全うする時は、祖父に恥じない死に方をしたい。


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