【純粋】愛は面影の中 ..
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63:高城涼子 34歳 著述家 ◆3hoyN3.pmOxR
14/03/13 21:42:55.62
>>51の続き

【音楽家東瑠利子、華麗なる愛】第二部 ■第十回■
夏休みも終わりに近づいた8月の末であった。
瑠利子は昼下がりの散策を楽しんでいた。
暑い日差しの下で飲む冷たいサイダーが爽やかであった。

すると瑠利子はあるところからの視線に気づいた。
そこに目を向けると苦しそうな顔をして瑠利子を見つめる少女がいた。
不思議に思ってそこへ歩み寄ると少女は言った。

「喉が渇いて…でもお金がなくて…」

少女は貧しさから脱げ出すために炎天下で造花を売っていた。
しかし、道行く人は誰も彼女に見向きもしなかった。
このままでは今夜もご飯を食べることができない…
少女はサイダーを買うこともできず、暑い日差しの中で
今後のことを考えながら呆然と立ち尽くしていたのであった。

瑠利子は少女から話を聞くと、一筋の涙を流した。
そして、財布から1万円札を10枚取り出すと、少女の手に握らせた。
彼女は驚いて返そうとしたが、瑠利子は言った。

「気にしなくていいのよ。このお金で冷たいサイダーをたくさん飲んでね」

少女は両手で顔を覆うと泣きじゃくった。
二人のやり取りを聞いていた通行人たちも感動して泣いた。

そこにはまさしく愛があった…

(第十一回に続く)


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