サッカー日本代表は世界に目を向け大きく前進した。では日本の野球は?/石田雄太の閃球眼 at MNEWSPLUS
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1:ほニーテール ★
18/07/18 16:31:17.54 CAP_USER9.net
プロの世界にはどうやって勝つかが世に問われるチームがある。たとえばプロ野球界において、ジャイアンツはそういうチームだった。だから他球団から節操なく四番バッターを集めて勝とうとした時代、世の共感は得られなかった。伝統と実績を誇ったジャイアンツは、どんな手を使っても勝てばいいというチームではないからだ。
 サッカー・ワールドカップのロシア大会で日本代表が2大会ぶりの決勝トーナメント進出を決めた。その1次リーグH組の最終戦、世界ランキング61位の日本は同8位のポーランドとボルゴラードで戦い、勝つか引き分ければ決勝トーナメントへ自力で進むことができた。
 しかしながらこの試合で日本はポーランドに先制点を許し、その時点で同組のセネガル対コロンビアの結果次第で決勝トーナメント進出が左右されるという他力本願の状況に陥ってしまった。西野朗監督は、他会場で同時進行の試合を戦うセネガルが後半29分、リードを奪われたと知って、このまま日本が0対1で負けてもセネガルが同じように0対1で負ければフェアプレーポイントの差で日本が勝ち上がれると考え、驚くべき勝負手を繰り出すこととなる。
 それがあのボール回しだ。
 日本はポーランド戦の終盤、1点ビハインドのまま自陣でのボール回しに終始し、同点に追いつこうという姿勢を示さなかったのだ。同点に追いつこうと攻め上がることでファウルを取られることと、カウンターをくらって追加点を与えてしまうこと(得失点差でセネガルを下回る)の2つのリスクを避けるためだった。
 この戦術は物議を醸した。
 スタンドからは退屈な試合に対するブーイングが響き、日本サッカーの将来を考えたとき、こんな戦い方でよかったのかといった類の批判の声が一斉に上がった。同時に、ワールドカップで勝ち上がることを最優先に考えればこれは当然の戦術であり、セネガルが追いつけば史上最大の愚策となったかもしれないリスクを冒した監督の覚悟は相当なものだった、という擁護の声も少なくなかった。
 何が正々堂々で、何が卑怯なのか、スポーツではスポーツマンシップに則ったフェアプレーの定義そのものが曖昧だ。ルールを守ることは大前提ながら、ルールを守りさえすれば何でもアリだという考え方は是非ではなく好き嫌いで語られてしまう。ただし冒頭の、勝ち方が問われるチームがある、という考え方に立つならば、ルールを守ればいいというものではなくなる。つまりはサッカーの日本代表はまだその域にはなかったということなのかもしれない。もしワールドカップで5度の優勝を誇るブラジルがあの戦い方をすれば、それは非難されて然るべきだったろう。
 さらに言えば、“ドーハの悲劇”に涙した25年前の日本代表なら、こんな戦い方は思いもよらなかったはずだ。四半世紀の時を経て、サッカーの日本代表は決勝トーナメントへ進むために、まだ見ぬベスト8の景色を知らんがために、なりふり構わずボール回しをした。あの戦術を思いつき、実行に移すことができたのは、勝てないチームから、どう勝つかが問われるチームへ成長するための過渡期だったからなのではないか。ドーハで美しく勝ちにいって敗れたサッカー日本代表は、ボルゴラードでなりふり構わず勝ちにいって、勝ったのである。


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