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2:ウ授に、トロくて超スローモーなゆえにこれまた周りに迷惑かけまくりの、博士課程の菱沼さん。大のネズミ嫌いなのに獣医学部に進んでしまった親友の二階堂、几帳面すぎて教授をもビビらせる先輩の小夜ちゃんなどなど。こんな強烈キャラたちが巻き起こす騒動に振り回されながら、ハムテルが獣医として独り立ちしようとするまでの6年間が描かれます。実は連載期間も同じく6年間でマンガのなかの時間とリンクしていたため、読者は同級生のような感覚でハムテルと一緒に獣医学部の学園生活を楽しむことができました。 ●動物たちの描写がリアルで“動物あるある”満載  動物たちの姿がリアルに描かれているのも、この作品の魅力です。多くのマンガの動物たちは親しみやすくデフォルメされているものですが、『動物のお医者さん』ではシベリアン・ハスキーブームを生んだハムテルの飼い犬チョビをはじめ、毛並みや表情、しぐさまでもリアルに生き生きと描かれています。動物に親しんでいる人なら「そうそう!」「こういうことする!」と、うれしくなってしまうほど、あるあるが満載なのです。  作品中には実にたくさんの動物たちが出てきます。西根家で飼っている猫のミケやオンドリのヒヨちゃん、付属家畜病院の外来にやってくる動物たち、牧場実習でお世話するヒツジ、菱沼さんの実家の牛など、それぞれをリアルに描く佐々木倫子先生の観察眼とデッサン力には惚れ惚れとしてしまいます。  そして動物たちの声が言葉として吹き出し外に書き込まれているのも、作品の妙。動物同士で世間話をしていたり、飼い主に遠慮したり威張ってみせたり……人間と変わらず感情豊かにに生きていることが実感できます。コミカルな描写のなかで少しずつ、動物たちと暮らすということが分かってくるのです。  『動物のお医者さん』では獣医学部の日常も丁寧に描かれています。それは、普通は部外者には知り得ないエピソードばかり。ネズミやひよこの飼育箱に敷く木屑を確保するために講座ごとの争奪戦があったり、超音波検査のための毛刈りに苦労したり、牛の難産を救助する練習をしたり、獣医国家試験の準備で語呂合わせを暗記したり。何度も読み返すうちに「通勤にブドウレンコン」「みたくない こざるのおしりはまっかっか」など、意味は分からなくても覚えてしまった語呂合わせまであります。  “動物の命を守る”獣医になることがどれだけ大変か(もちろん、マンガに描かれている以上にハードでシビアな生活でしょうが)を垣間見ることができ、同時に、動物を飼うことは“命を預かる”ことなのだと改めて心します。  物語は、ハムテルが親友の二階堂と一緒に開業することを決めたところで終わりますが、できることなら、その後どんな獣医さんになったかの後日譚を読んでみたいものです。佐々木倫子先生、執筆を切にお願いします。 https://magmix.jp/wp-content/uploads/2021/10/210713-dobutsu-01.jpg




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