【芸能】ピエール瀧容 ..
[2ch|▼Menu]
84:名無しさん@恐縮です
19/03/21 08:11:44.75 /0dL0ZI/0.net
レストラン 「ピエール」
都の西北、世田谷。裕福層が暮らす閑静な街だ。
そんな街の路地裏で、今日も小さな店に灯りがともる。
店の名は「ピエール」。
「いらっしゃいませ」
暖簾をくぐると、店のシェフ、瀧正則さん(62)がコックコート姿で出迎えてくれた。
「実は、僕も昔はミュージシャンだったんですよ」
シェフはワインを注ぎながら、笑顔で語りだす。
「あの頃は夢がありましたね。自分の音楽で世界中を幸せにするんだって」
聞けば、彼は逮捕歴を持つバリバリの「ジャンキー」だったそうだ。
薬物はコカイン。多忙を極める中で薬物三昧の毎日を過ごしていた。
そんな彼に転機が訪れたのは、51歳の頃。
業界では薬物使用が疑われていが、ついにマトリに逮捕されたのだ。
逮捕と同時に話題となり、マスコミにも追いかけられたという。
「それがボタンの掛け違えの始まりでした」
遠い目をする彼。手に持ったコカイン吸引用のウォン紙幣がかすかに震える。
吸引を急ぐあまり生じた一瞬の油断。「一見普通」に見えたため気づかれなかった30年間。
ついには「ジャンキー」と決めつけられ、彼は芸能人としての未来を失った。
「だけど、おかげで気づくことができました。名誉や地位なんかよりも大事なものがあるって」
芸能界から身を引いた彼が見つけた幸せ。それは一人でも多くの人を笑顔にすること。
そう思って夫婦で始めたのがこの店だという。
「僕にとっては、この店もラリッた成果なんですよ」
音楽に未練はないのか。そう尋ねた私に前菜を出しながら彼は言った。
「だって、この店の料理の隠し味は全部コカインなんですから」
伸ばしかけたフォークが止まる。そんな私をいたずらっぽい目で眺めながら、シェフはワイングラスわりのウォン紙幣にワインを注いでくれた。
(2029年3月21日)


次ページ
続きを表示
1を表示
最新レス表示
スレッドの検索
類似スレ一覧
話題のニュース
おまかせリスト
▼オプションを表示
暇つぶし2ch

1883日前に更新/143 KB
担当:undef