（プロメテウスの罠）イノシシ膨張：７　大繁殖は幻か

（プロメテウスの罠）イノシシ膨張：７　大繁殖は幻か at NEWS

1: タイガースープレックス(宮崎県)
13/08/16 07:10:45.14 3DK9la+T0● BE:725256375-PLT(63670) ポイント特典
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　今年２月、住民の帰還が想定されている避難指示解除準備区域を中心に、イノブタ捕獲作戦が行われた。
　遺伝子を解析し、イノブタの繁殖を科学的に裏付けるためだ。
　調査地域は田村市、南相馬市、川内村、楢葉町、飯舘村、広野町の６市町村。住民の避難で、無人となった農地が広がる地域だ。
地元の猟友会が協力して罠（わな）をしかけ、２カ月で７４頭を捕獲した。
　事前に県獣医師会会長の森沢道明はこう警告していた。
　「イノブタは繁殖力が強く、体格も大きい。農業再開の妨げになるほど繁殖する恐れがある」
　県は調査をもっと早くやるつもりだった。しかし昨年４月になっても予算化できず、やっと１２月補正予算で認められた。国の復興予算
の一環、ということだった。捕獲された７４頭は、外見はイノシシだった。採取した肉を研究施設にもちこんだ。群れで捕獲されたものは
代表の１頭に絞り、計６２頭のＤＮＡを評価した。その結果、広野町や楢葉町でつかまえた１１頭に母親側から受け継いだブタ遺伝子が確認された。
　これをどう評価するか。
　専門家による検討会議が開かれたのは４月２６日のことだ。会議は思わぬ方向に進んだ。調査結果の紙にはこんな言葉が並んでいた。
　「同タイプの遺伝子を持つイノシシは震災前から確認されている」
　「震災後に逃走した家畜ブタとの交雑で生まれた可能性は低い」
　要は震災後にイノブタが増えた実態はない、という結論だ。しかもブタとの交雑で生まれても、自然環境の中では繁殖率が高くなることはない。
だから今回のイノブタ大繁殖説に根拠はない―。幻でも見たのではないか、と言わんばかりの報告だった。
　検討会議の委員の一人で、東京の野生動物保護管理事務所社長、羽澄俊裕（はずみとしひろ）（５８）が発言した。
　「これでは住民が安心するとは思えない。イノブタかどうかの確認に力を入れるのはいいが、それより野生動物の被害にどう対処するのかを考えるべきだ」
　イノブタであろうがなかろうが、震災後、イノシシの出没が増えているのは間違いない。避難住民が帰還したとき、人の領域がイノシシに占拠されて
いたらどうするのか。それがもっとも懸念される問題だ、という指摘だった。（前田史郎）

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