ペルソナ４の主人公は無駄な勇気ｶｺｲｲ5回目

ペルソナ４の主人公は ..

166:名無したんはエロカワイイ
08/09/04 00:31:05 FPuAsJHl0
冷蔵庫の中に、草。それはあくまでも植物であって、食物ではないというのに。
野菜ではなく、ハーブでもなく、恐らくは野生の、草。
食べてみようか？
その衝動は、濃い緑色に誘われたのか、危険が冒険心を呼んだのか？
番長はよく冷えた緑の葉を口に含んだ。
健康な歯でもしゃもしゃと租借する。苦いえぐ味が口いっぱいに広がる。
やっぱり食べ物じゃなかった。
やるせない思いをかみ締め、番長は問う。
「菜々子、冷蔵庫になんか、草、が入ってるんだけど？」
菜々子は、幼い女の子に特有の、鈴を転がすような声で笑う。
「お兄ちゃん。それ、猫草だよー」
なぜか急に猫が寄り付くようになった堂島家の謎は、番長の心の中に。
「あのね、お父さんにきいたの。けだまをはきだすんだよ、猫草」
部屋に戻ると吐き気に襲われた。
慌ててゴミ箱を抱え込む。
腹の底から逆流してきたのは、もちろん毛玉ではなかった。
ゴミ箱の中から番長を見上げる、アマテラス、ツクヨミ、スサノオの三貴神。
可愛らしい幼神の姿に、番長は己の寛容さが試されているのだと悟った。
子育ての日々が始まる。

次ページ

続きを表示

1を表示