【毎日新聞・吉井理記】安田浩一さん「沖縄や福島だけではなく反原発運動にも『反日』といった物言いがなされる」 at SEIJINEWSPLUS
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1:(^ェ^) ★
18/02/16 18:02:50.12 CAP_USER9.net
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 考えている。沖縄と福島について、である。先日、政府要人が、沖縄で相次ぐ米軍機事故を巡って発した「それで何人が死んだんだ」との言葉がニュースになった。福島でも、かつて同じような言葉が投げられた。「原発事故の死者はいない」などと。為政者の言葉の背後にあるものは何か。【吉井理記】
 唐突だが、「棚原隆子ちゃん事件」をご存じだろうか。
 初耳の読者も多いのではないか。恥ずかしながら、記者も近年まで知らなかった。でも沖縄では、米軍基地がもたらした悲惨な事件として語り継がれてきた。
 1965年6月11日、沖縄・読谷村。米軍輸送機からパラシュートで投下されたトレーラーが、自宅の庭で遊んでいた小学5年、棚原隆子さん(当時11歳)に落下、圧死させた事故だ。昨年、沖縄で相次いだ米軍ヘリの部品落下事故で、この悲劇を思い出した県民も多かったはずだ。
 隆子さんを知る人が永田町にいた。沖縄選出の参院議員、糸数慶子さん(70)である。「小学校や保育園へのヘリの部品落下を知って、私も真っ先に隆子ちゃん事件を思い出しました。一つ間違えば、子供たちの命が危うかったのですから」
 当時高校生だった糸数さんの家は、読谷村で雑貨店を経営していた。「隆子ちゃんの家は隣の地区なんですが、歩いて行ける距離で、お母さんも隆子ちゃんもよく買い物に来てくれて。彼女の顔はパッと思い浮かぶ。今、思い出しても涙が出ます」。事故を報じた毎日新聞の同年6月12日付朝刊の記事は、米軍師団長が棚原さん宅を訪ねたが「家族が半狂乱のため、面会できずに帰った」と結ばれている。
(略)
 ◇原発事故、基地問題対応に投影
 もう一つ、気になることがあった。米軍普天間飛行場の辺野古へ移設の是非が問われた4日の沖縄・名護市長選、移設反対を掲げた前市長陣営を「反日」などと中傷する言説がインターネットなどで飛び交った。自民党の山田宏参院議員はツイッターで「親中反米反日勢力」とまで記した。
 米軍の事件・事故を起こしたのは、中国ではない。沖縄県民の生活や生命を脅かす事件・事故を「反日」というならともかく、「悲惨な事件をなくすため、基地を減らしたい」(糸数さん)という訴えが「反日」らしい。山田議員の事務所にツイッター投稿の趣旨について取材を申し込んだが、多忙であることを理由に応じなかった。
 「先月も沖縄で米海兵隊ヘリの部品が落下した保育園の園長に会ってきました。被害を訴える保育園には今も『反日』だの『非国民』だのという迷惑電話やメールが来ているそうです。実は福島も同じで、原発に反対する被災者らに『反日』という言葉が投げつけられている。今の日本は、被害者を『敵』とする風潮が生まれているんです」と首を振るのは、沖縄、福島で取材を重ねてきたジャーナリスト、安田浩一さん(53)だ。
 おさらいすると、沖縄の米軍基地の大半を占める海兵隊は、もとは本土に駐留していた。しかし米軍の事件・事故が相次ぎ、本土の反基地感情が高まった57年以降、米施政下の沖縄に移った。
 当時の本土の空気感を示す国会議事録を見つけた。例えば54年8月2日の参院文部委員会。後に佐藤栄作内閣の文相を務める自由党(自民党の前身)の剱木(けんのき)亨弘(としひろ)氏が、大阪市立大などを接収して駐留する海兵隊について述べていた。
 「海兵隊駐留後は演習で騒がしいし、風紀上の事件も発生し、女子学生は毎日心配して登下校している。市内の小学校の授業にも影響が出ている」ことなどを理由に海兵隊の移駐を求めた。こうした自民党の先達も「反日」なのか。
 「沖縄や福島だけではありません。反原発運動にも『反日』といった物言いがなされる。国や政府に逆らうのは『敵』なのでしょう。理由は判然としない。ただ言えるのは、街頭での差別デモは、法整備が進んで確かに力を失いました。でも、同じように沖縄や福島、隣国や在日外国人、弱者を差別する言葉は日常生活で交わされるラインに近づきつつある。それを後押ししているのが文化人や政治家の暴言です。これは罪深い。彼らの言葉が、差別や被害者の命を『何人死んだんだ』と切り捨てる冷酷さを正当化させることになりかねません」(安田さん)
 二つの地域に向けられる為政者の視線にこそ用心したい。犠牲となる「10人」には、だれだってなりたくない。


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