ラ イ ジ ン グ  ..
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129:名無しさん@実況で競馬板アウト
06/10/13 21:49:30 o0wfrPXLO
スタート直後に歓声で場内が沸いたあと、少しどよめく。大外18番枠に入ったライジングヘリオスのスタートがいつもほど良くなかったのだ。とはいえ、ひどい出遅れでもないのでファンは安心しきっていた。
レースは平均ペースで進んだ。そして最終コーナー。
包まれるのを避けて一番外を回るライジングヘリオスと横山典弘。しかし、ここでノリにとって二つの誤算があった。
一つは馬場の内側が荒れてたため、各馬が内を避けた分、予想以上に外を回されたこと。
そしてもう一つの最大の誤算は、その荒れた内ラチ沿いを走る馬が一頭だけいたこと。その馬こそがレッドロードスルーだった!

「クッ…!届くか!?」
直線で出し抜けを図る武豊を猛追する横山典弘。大歓声が起こる中、一完歩ごとに差を詰めるライジングヘリオスだったが、僅かにクビ差及ばず。
ゴールの瞬間に歓声が悲鳴に変わった。ライジングヘリオス三冠への挑戦は皐月賞であっさりと終了したからである。
ゴール後の両騎手は対照的だった。ムチを天にかざして喜ぶ武豊に対し、横山典弘は呆然としていて、インタビューも上の空だった。

しかし、河内師が「よう乗った、ユタカ!!」と言ったように、レッドの勝利は武豊の好騎乗であるところが大きいことは、ほとんどの者がわかっていた。
そして、最後にヘリオスが見せた末脚は確実に超G1級であるということも…


第六章「宿命の対決」   (了)


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