【明城学院】シンジとアスカの学生生活【LAS】
at EVA
[前50を表示]
250:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/06/30 02:15:30.30
試験会場到着、8:20。試験開始40分前。ここまでは予定通り。
雪は雨に変わろうとしていた。
1000人は入るんじゃないかという大きな講堂が僕の戦場、決戦の地。
単身敵地に乗り込む気分で勢い込んで鞄を開ける。
最後の駆け込みとばかりに参考書を出す。
最初は英語。僕にとっての大きな山場だ。
最初の小さな奇跡はその直後に起こった。
左手前方のドアから勢いよく飛びこんできた女の子が1人。
僕はその瞬間、その子に目が釘付けになる。
あの子だ。駅で僕が助けた女の子。やっぱりあの子も受験生だったんだ。
彼女は黒板の前で受験票と座席表を睨めっこした後、まっすぐこっちに向かってきた。
さっきよりも明らかに緊張した面持ちで、なんと通路を挟んで僕の斜め前に座る。
こんなのってあるんだろうか。運命?
これから大事な大事な試験前だというのに、妙にドキドキしてしまう。
焦りか緊張からか、バサバサと派手な音を立てて
筆記用具やら参考書やらを鞄から取り出す彼女。
その拍子に机の上に置いた受験票がふっ、と通路に舞う。
通路は雪や雨で湿っている。濡らしちゃ可哀想だな、とか思う前に
反射的に僕はその受験票をキャッチしていた。
受験番号2501、名前、惣流・アスカ・ラングレー。
瞬間的に目に焼き付いたその名前に、僕の心はなんとなく懐かしい響きを感じ取る。
なんでだろう?さっきも初めて会った気がしなかった。
251:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/06/30 02:16:39.66
>>250
「あ、ありがとうござ…」彼女がこちらを振り向いて、そのまま表情が固まる。
「…なんであんたがそこにいるのよ?さては、あたしのことつけてきて…」
「違うよ、僕もここ受けるんだよ」僕は慌ててそう言う。
「ふーん…そうなんだ…で、いつまであたしの受験票握りしめてるわけ?」
「あ…、ごめん」反射的に出た言葉に彼女は反応する。
「謝ることないじゃない。またお礼を言わなきゃね。ありがとう」
受験票を手渡してそれでおしまい、と思った瞬間、彼女の手が僕の受験票に伸びてきて。
あっ、と思ったら彼女は僕の受験票を手にとっていた。
「へー、あんた、碇シンジっていうんだ…ま、せいぜい頑張んなさい」
この女、随分高飛車だよな…ちょっと可愛いからって、と少しむっとしたんだけれど、
「碇…シン…ジ…?どこかで聞いたことがある気がするわね…」
その独り言を僕は聞き逃さない。
やっぱり、僕と彼女はどこかで会っているのかもしれない。
あるいはそれが前世の邂逅であったとしても。そんな気がした。
試験開始、15分前。
252:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/06/30 02:19:01.62
>>251
彼女はドイツ語受験だった。
そう言えばこの学校は、外国語は英語の他に、中国語、ドイツ語、
フランス語での受験が可能で、実際僕がいた席から通路を挟んで向こう側は、
英語以外の受験者の席だったようだ。
ざっと見たところ、中国語受験者が10人、ドイツ語が彼女を入れて3人、
フランス語が5人。人数的に、やる意味があるのかと思えるほど少ない。
まあ、これがいわゆる「グローバル化を目指す」っていうことなんだろう。
肝心の試験は…可もなく不可もなく、といったところ。
自信があるわけじゃないけれど、かといって絶望するような出来でもない。
つまり、合否はこれからの4科目で決まる。
次は数学だ。インターバルは30分。
最後の追い込みを、と参考書を開いてみたが、何か気になる。
何か、って具体的に言えば、彼女だ。斜め前に座る彼女の姿を目で追っている自分がいる。
くそっ、この大事な時に、と自分の弱さを叱咤しようとして、気がついた。
彼女も参考書を開いてはいるけれど、あれは…どうみても国語のものだ。
次は数学の筈で、国語は午後イチの筈なのに…。
彼女、惣流さんは、イライラした様子で何かブツブツ呟きながら、
参考書に書き込んでは消しゴムでそれを消し、また何か書いては消し、というのを繰り返していた。
そのうち消しゴムがこっちに飛んでくるんじゃないかと思ったその瞬間に、
本当に消しゴムが飛んできた。これも小さな奇跡かもしれない。
253:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/06/30 02:22:59.96
>>252
「…また厄介になったわね、悪かったわ」明らかに焦りと緊張が入り交じった表情で、
彼女は僕から消しゴムを受け取った。
「あの…次は数学だよ。国語じゃない筈…なんだ…けど…」と僕。なんでびびってんだw
「はん?知ってるわよそんなこと!」「ご、ごめん」
「だからすぐに謝るなっちゅーの、イライラすんじゃない」「…ご、ごめん」
呆れた表情で僕を見下ろす彼女。何かを言おうとして、はーっと息を吐き、
「国語、苦手なのよ…」と呟く。
「…そうなの?」
「だってあたし、去年までドイツにいたのよ。そりゃ家の中では日本語も使っていたけど、
試験とはまた違うじゃない。特に古文!なんなのよこれ、こんなの生きていてこれから先に役に立つの?
これで飯が食えるの?なんとか物語とかかんとか物語とか、わけわかんないわよ!」
半ば八つ当たり気味に感情をぶつけられた僕だけど、不思議と嫌な感じはしなかった。
どうしてだろう?
「…確かにそうかもね。でも昔の人達の生活というか、
心の持ちようを知るっていうのも、大切なんじゃないかな…」と僕は言う。
若干、好きな分野にケチを付けられたのにムッとしたというのもあるけれど。
「何よそれ、あんたが何言ってるのかわけわかんないわよ」と惣流氏。
「例えばさ、伊勢物語っていうのがあって、これは在原業平って人の物語だって
言われてるんだけど…」「アリワラノナリヒラ?」「そう、在原業平」
僕は数学の参考書の空いたスペースに漢字で在原業平と書き付ける。
数学と何千年前の歌人のミスマッチ。
254:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/06/30 02:23:53.42
>>253
「この在原業平とされる人が、ある日恋に落ちる。相手は身分の高い、
それこそ将来帝の妃となることを約束されたような、高貴な女性と。
2人は燃えるような恋に落ち、駆け落ちをするんだ」
「へー、ロミオとジュリエットみたいじゃん」
「2人は隠れ家を見つけて、そこで束の間の幸せを味わうのだけど、
それはみつかってしまう。ある日男が帰ってくると、女はいない。
連れ戻されてるわけ。それに嘆き悲しんでいるうちに一年が経ち、
男はその隠れ家から見える月を見て、こう歌を詠む。
月やあらぬ 春や昔の 春ならぬ 我が身ひとつは 元の身にして
一年経って、月や春はもう昔の春じゃないけれど、僕はあの時から時間が止まったままだ、
っていう歌だと思うんだけど、そういう悲しい美しい物語が、
昔の日本にはたくさんあったんだよ…」
「1年も引きずってる男もどうかと思うけど…でもなかなかロマンチックじゃない、
そういうことが書いてあるんだ。」感心したように彼女は言う。
「え、ま、まあね…違ってるかも知れないけど…」と僕。
「教師って、そういうのをもっと分かりやすく教えなさいよね…、
何よあの助動詞だとかいうのとかさ、そんなものばかりクドクドクドクドやりやがって…」
「ちょっとすいません、静かにしてくれませんか?」
僕達のやり取りは前にいたお下げ髪の女の子の苦情によって断ち切られる。
「あ、すいません…」
僕と彼女のこの言葉が完全にハモっていたことを、僕は覚えていない。
だって、今日最大の奇跡は、この後に起こったんだから。
255:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/06/30 02:26:22.54
ごめん、10年ぶりにちょっと思いついたので投下してみました。
…書いてみたら思ってたより長くなってしまった(´・ω・`)
明日続き上げて、おしまいです。お目汚し失礼しました。
256:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/06/30 02:36:20.28
乙です。新たな神がまた舞い降りた。このスレすげえな。(・ω・)
257:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/06/30 02:46:02.09
>>255
乙です。素晴らしいSSをどうもありがとうございます。
お下げ髪の女の子ってもしや?w
続き楽しみに待ってます!
258:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/06/30 03:19:10.10
上手の一言
259:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/06/30 04:28:08.02
すげぇ…プロ?
260:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/06/30 09:59:34.08
おつー
まったり書いていってね
261:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/06/30 22:51:38.20
>>254
その奇跡は、国語の試験の時に起きた。
現代文の大問を2つ終えてページをめくった時にそこにあったのは、
僕がさっき言っていた伊勢物語の1章。
それを見た瞬間、思わず「えっ」と声が漏れる。
少しの間を置いて、前後左右の席からも「えっ」とか「あら」とか「おっ」
とかいう声が漏れる。聞いてたのかな、このへんの人達w
惣流さんはどうだろう?と思って、試験官の隙を見て斜め前に目をやる。
まだそこまで行っていないのか、彼女の背中は動くことはない。
僕が半分くらいの時間で試験を終えて、見直しをしようかと言う頃、
唐突に「嘘っ!」という声が響く。彼女の声だ。周りが驚いて一斉に彼女を見る。
試験官もいぶかしげに彼女を窺う。その視線に気づいた彼女は「…すいません」と
そばに来ていた試験官に謝り、再び問題用紙に目を落とす。
その背中に動揺とか焦りとかは窺えない。僕が安心して自分の答案用紙に目を移そうと
した時に、彼女の左手の親指がぐっと上がっていることに気がついた。
GJ!とか言ってるんだろうか。思わず僕は微笑んでしまった。
国語の試験が終わり、答案用紙が回収された後、
僕は前後左右の人達からお礼を言われることになる。
前の席の女の子からは「ごめんなさい、さっきはあんな事言って…」と言われ、
後ろの席のジャージ姿の兄ちゃんからは「ほんま助かったわぁ、
これで受かってたらあんさんのこと、センセと呼ばせてもらうで!」とか言われ。
肝心の惣流さんは「ダンケ。別にこれがなくてもあたしの合格は動かないだろうけど…
でも礼だけは言っとくわ」と。さっきからこの感じ、妙に懐かしい。なんでだろう?
262:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/06/30 22:52:50.81
>>261
社会と理科も滞りなく終わり、僕はとりあえず全力は尽くしたという充実感と
達成感を胸に、学校を後にした。
校門を出て、駅に向かって歩き出すと、後ろからトントン、と肩を叩かれる。
振り向くとそこには人差し指。頬に突き刺さる。
「まさか、こんなのに引っかかるなんて、あんた、バカ?」
そこにいたのは、惣流さん。
「な、なんだよ、いきなり人の肩叩いておいて」と言いながらも顔が赤くなっているのが分かる僕。
「嘘よ、さっきはありがとう。ちゃんとお礼言わなくちゃって思ってね…」と惣流さん。
「ははは、いいよ別にそんなの。でもあれは驚いたよね…」と僕。
「本当よ、あたし大声出しちゃったもの。あんたがあの時あんなこと話してなければ、
あたしは『在原業平』なんて漢字書けなかったし、歌の意味だって分かんなくて、
鉛筆ルーレットに賭ける羽目になってたわよ」2人で笑う。
この空気感がなんか心地よい。このままずっと続けばいいのに、とふと思う。
「えっと…惣流さん、だっけ」僕は言う。
「受かってるといいね…」「もちろんよ、当たり前じゃない。あたしにとって、ここはただの滑り止めよ」
即答されてしまい、僕の言葉の続きは喉から先に出ることなく、暗闇に還っていく。
263:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/06/30 22:53:51.20
>>262
「でも…今は滑り止めって感じでも、ないかもね」ぼそっと呟く声。
「え…」僕は思わず立ち止まる。
「いや、なんでもないわ。ほら、行くわよシンジ」
いきなり名前を呼ばれて僕は更にびっくりする。
「あれ?あたし今なんて言った?」2歩ばかり先に進んで急停車する惣流さん。
「シンジ、って言ったよ」と僕。なんで顔真っ赤なんだ///
「あんた、なんで顔真っ赤にしてんのよ」という彼女の顔も真っ赤だ。
結局、無言のまま、歩行再開。時間は無情にも断固として歩みを止めない。
「…シンジ…妙にしっくり来るのよね…、
ひょっとして私たち、前世で出会っていたりしたのかもしれないわね」
駅に着く直前、彼女はそう言った。
「え?」僕が思っていたことと同じことを言われて、ドギマギする。
この受験という日に、僕はひょっとしたらもっともっと大きくて大切なものに出逢ったのかもしれない。
階段を上り、10分待ってようやく到着する急行に乗るその時に「…そうかもね」と呟く僕。
びっくりしたように僕を見る彼女。
その思いが伝わったのか、お互いに電車の中では一言も話せず仕舞いで終わってしまった。
264:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/06/30 23:01:25.72
>>263
「あたしのこと、アスカで良いわよ」電車を降りて、別れ際の言葉に、僕は反応できない。
「受かってるといいね、一緒に」さっき言えなかった続きを、僕は言うのが精一杯。
「きっと受かってるわよ、あたしの予感は当たるんだから」そう言って手を振るアスカ。
「じゃあね、シンジ。また合格発表の日に会いましょ」
「そうだね、惣流さん」「惣流さんじゃない、アスカでいいって言ったじゃない!」「…ごめん」
「…まったく、もう、でもそれってシンジらしいわよ」
軽やかな笑い声と共に、別の路線に乗り換えていくアスカの後ろ姿に、僕は声を掛ける。
「ありがとう、アスカ」
聞こえないはずだと思ったのに、アスカは振り返った。
「一緒に通えたらいいわね、バカシンジ」
なんでバカ呼ばわりされなきゃいけないのか、良く分からなかったけど、
なんだか心が温まるような気がした。
265:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/06/30 23:04:42.59
>>256-260
予想だにせぬご厚意に感謝します。
投下するのはいつも恥ずかしいものですが、読んで頂けるだけでもありがたく、今後のモチベーションにもなります。
やや長くなり、ご迷惑おかけしました。
万事順調なら、そのうち合格発表&入寮編でも投下します。
お目汚し失礼しました。
266:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/06/30 23:48:21.44
乙です。
続き楽しみw
267:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/01 00:12:15.05
職人さん乙です。
トウジもイインチョもいるのイイネ。
268:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/01 00:56:54.83
乙です。小説形式で質の高い作品ありがとう
SS創作が活発なスレはいいですね
269:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/01 08:13:19.43
乙です。合格+入寮編まじ期待w。
質の高いの見て感動する→比べて凹む→でもモチベーションはあがる
→妄想捗る→規制に巻き込まれる(今ここ)
これ携帯です。
PCからガラケに移して投下しんどいので火曜までに投下なかったらお察し。
270:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/01 08:22:28.47
あ、>>243=>>269ね。
高校生LASはいい。実にいい。
271:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/01 13:28:27.51
いかん、レベルが高すぎて投下する気にならんとですたい。
読み専になろ
272:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/01 13:39:35.74
>>271
そんなこと言わず投下を。
みんなもきっと待ってる。
てか少なくとも俺は待ってるw
273:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/01 20:54:08.14
最近質の高いエヴァSSが少ないからな〜〜
ホンマに助かるわぁ センセと呼ばせてもらいます
274:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/03 06:47:17.36
投下はなかったか・・・
275:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/03 09:43:18.43
職人さんだって常日頃SS考えてるわけでもないだろうしな
276:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/03 11:23:03.35
昨日はeonet規制に巻き込まれのままで投下できず。
規制終わるか、なんとかできたら投下。
もうやだこのプロバイダ。
277:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/03 11:32:05.25
>>276
携帯から投下すれば良いよ。
278:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/03 16:59:40.12
アスカの家では、給湯器が故障してお風呂に入れないようです。
アスカ「スンズ!ぺっこお風呂貸してけらい!」
シンジ「え?なして?」
アスカ「アダシんちの給湯器ぼっこれでお風呂さ入られねおん…」
シンジ「んだってが?なんたらや…んでほれ、まんず上がらいや」
シンジは快くアスカを家に上げました。
279:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/03 17:01:04.98
アスカ「はぁ〜、全ぐやんたぐなるじゃ〜、こっただ暑い日さ給湯器ぼっこれるなんて」
シンジ「タオルそごさ置いどぐがら、勝手に使ってけらい」
アスカ「ありがど、んだばお風呂借りっがらね」
シンジ「ゆっくり入ってけらいね」
アスカ「スンズ…覗いだら殺すがらな?」ジロッ…
シンジ「覗がねでば!///」
280:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/03 17:03:01.24
シンジ「風呂上がりさアイスでも食わせっかな…」ガチャ
シンジ「お、あるある…スイカバーでも食わせればいがべ…」
281:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/03 17:04:16.17
アスカ「ふ〜、さっぱどしたぁ〜」ガラッ
シンジ「ぶーーーーっ!///」
シンジ「なんつーかっこで出はって来んのや!///」
アスカ「は?別にいがべじゃ、裸で無ぇんだおん」
シンジ「んだども、バスタオル巻いだだげなんて、オラ刺激強すぎっちゃあ!///」
アスカ「あんだバガぁ?何こんぐれぇで狼狽えでんのよ…」
シンジ「しゃねべじゃ…オラこったの免疫無ぇおん…」
アスカ「なんじょっても良いけど、アダシ喉渇いだんだけんど?」
シンジ「ああ、アイス食うが?」
アスカ「食う食う♪」
282:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/03 17:05:27.51
アスカ「〜♪」ペロペロ
シンジ「んめが?」
アスカ「んめ♪」
シンジ「いがったな」ニコッ
アスカ「うん♪」ハラリ…
シンジ「ぶーーーーっ!!///」
アスカ「ん?」
シンジ「ア、ア、アスガ…///」
アスカ「!?///」カァーッ
アスカ「この…エッチ!!スケベ!!バガ変態!!信じらんねぇ!!」ドカァッ!
シンジ「ぐはっ!!」バタッ…
シンジ「なしてこうなんの…?」ピクピク
東北弁でやってみた
283:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/03 17:47:01.61
乙です
もしやエヴァキャラで昔話SSを以前書いてた人?w
284:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/03 17:52:04.33
>>283
そうです、お久しぶりです。
スレ汚し失礼しました(*_ _)ペコリ
285:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/03 19:13:31.98
方言エヴァSSと言えば貴方しかいないわなww
286:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/03 21:58:16.72
ああ、あのSSのシリーズはえがったな
287:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/03 23:58:01.63
よし、携帯に送ったから出先から帰ったら投下します。
288:243
13/07/04 01:48:58.81
惣流・アスカ・ラングレーは率直に言ってよくもてる。
下駄箱にラブレターが詰まってるのは珍しい光景ではない。
アスカがそれらをゴミ箱に叩きこむのもいつものことだ。
シンジは今朝もその光景を横目で見ている。
ひどいな、と思う反面、正直なところホッとしている自分もいる。
もしもアスカが誰かと付き合ったら?
自分はもうアスカと一緒にはいられない?
普段アスカといる自分を誰かに置き換えて想像してみると胸に痛みが走る。
そんな日が来なければいい。なぜそう思うのか、今のシンジにはまだわからない。
(でもアスカに好きな人ができたらこの関係は終わってしまうんだろうな)
シンジはぼんやりとそう思う。アスカに好意を伝えようとする人の存在は嫌でもシ
ンジにその事を想像させていた。
喜怒哀楽が激しくって、口もいいとは言えなくて、でもよけいなおせっかいも焼い
たりしたり。
カッとなったら手も足も出るし、あんまり素直じゃなかったり、でも本当は優しく
て笑うととてもかわいくて。
そんなアスカのいる日常がこの短い期間で当たり前になっていた。夫婦だカップル
だとからかわれるのは恥ずかしいがけして嫌な訳ではない。
もしも終わってしまうなら………そのことを想像すると胸がざわざわする。
(僕とアスカはなんなんだろう)
シンジはこのところよくそのことを考えていた。まだ答えは出なかった。
289:243
13/07/04 01:50:44.84
学院ではシンジとアスカを指して「校内最速成立カップル」と呼ぶ人も多い。
もうこいつら付き合ってるだろう。入学式の時にはすでに付き合ってたらしい。い
や、合格発表の時からだろう。
元から付き合ってたんじゃないか?いや、出会いは受験の日らしい。いやいや、実
は幼馴染。昔出会ってて実は運命の再開。実は既に高校生夫婦。
まだ法的に無理だろ。じゃあ婚約者なんだろ。
碇シンジと惣流・アスカ・ラングレーの二人の関係の噂は様々な憶測と尾ひれをつ
いた状態で広がっている。
最も有力な説とされているのが入学式と同時に付き合い始めた、である。そこでつ
いたあだ名が「最速成立カップル」だ。
本人たちは頑なに否定しているのだが、説得力は皆無だ。なにしろ一緒にいる時間
が長すぎる。息が合いすぎている。
学校の行き帰り、食事、休日の外出。さっと思いつくだけでも一緒にいないのが逆
に不自然なくらいほぼ常に一緒にいる。
もしもこの噂がなかったら、アスカに対するアプローチはもっと多くなっていただ
ろう。
「告白とか正直うざったいからさ、噂は噂で役には立ってるわよね」
噂を否定はするくせに、アスカはそう言って笑う。
290:243
13/07/04 01:55:10.65
「なにボケーっとしてんのよ、バカシンジ」
今日の二人の昼食は学食だ。明城の学食は安く、メニューが豊富なことが売りであ
る。
「あ、ごめん。ちょっと考え事してたんだ」
「すぐ謝らないの。んー……ここのハンバーグも悪くないんだけど、やっぱこないだ
シンジが作ったやつのが上ね」
今日のアスカはハンバーグ定食だ。シンジは無難に日替わりA定食。今日のおかず
は白身魚のフライとコロッケ。
「今度の日曜にでもまた作んなさいよ」
寮では日祭祝日では食事は出ない。各自外食なり自炊なりをすることになってい
る。
アスカの休日の食事はシンジの料理をつまみ食いしたことがきっかけでシンジが作
ることになっていた。
一人分も二人分も手間は変わらないからと言うのはシンジの弁。
ひいき目でなくてもシンジの料理の腕はいい。なによりもなんだか優しくて懐かし
い味がするとはアスカが友人に語った言葉だ。
ちなみに本人には伝えていない。
「気に入ってくれてたんだ?」
嬉しい。アスカが喜んでくれることが単純にそう思えた。嬉しそうに目を輝かせる
シンジの笑顔にアスカの心拍数が上がる。
「な、なににやついてんのよ、バカ」
頬を膨らませてそっぽを向いたアスカの顔は赤い。
(なんつー顔して笑うのよ、バカ。なんかまともに見れないじゃない)
「じゃ、日曜はハンバーグだね。ソースはなにがいい?」
「んー……買い出し付き合うからその時に決める」
動悸も赤面も収まらない。気取られないように横を向いたまま、アスカは答えた。
291:243
13/07/04 01:58:38.78
さすがにシンジとアスカも男女別々の教科の時は行動を共にはしない。そういう時
のシンジはケンスケと一緒にいることが多かった。
一方のアスカも一人と言う訳ではない。
「ねえ、アスカって碇君とはやっぱり付き合ってるのよね?」
1-Aクラス委員長、洞木ヒカリ。うっすらと残るソバカスとお下げの髪が印象的な
アスカの友人だ。
シンジと口を聞いていなかった期間のアスカに話しかけてきた唯一の人物である。
なにしろ当時のアスカは、不機嫌が人の形をとってるとさえ表現できるほどのもの
だったので、進んで話しかける者がいなかったのだ。
選ばれたばかりのクラス委員長としての責任感か、生来の性格かはわからない。ヒ
カリはアスカを放っておくことができなかった。
あの時のシンジがケンスケに多少なりとも救われていたように、アスカにもまたそ
ういう友人がいたということだ。
「は、はあ?やめてよね、ヒカリまでそういうこと言うの。いつも言ってるでしょ。
なんとなーく一緒にいるってだけよ」
二人一組になって柔軟体操をこなしつつの会話だ。位置の関係でヒカリからはアス
カの顔は見えない。
292:243
13/07/04 02:01:23.27
「それそれ。なんとなーくであんなにいつも一緒にいるものなの?息もぴったりじゃ
ない」
ヒカリは追及を続けた。
「うーん…………」
答えようとしても具体的に何と言えばいいのか自分でもわからない。
少し内気で内罰的なところがあるけども、いざという時はしっかりしてる。優しく
て繊細で料理が上手で。
わがままを言ったら文句を言いながらも結局手伝ってくれるけど、たまに素直じゃ
なかったり。でも誰よりも笑った顔がまぶしくて。
『気に入ってくれてたんだ?』
先ほどの食堂でのシンジの笑顔が鮮明に蘇る。
「だあああああああああああああああああああっっっ!!!!」
思わず叫んでしまった。まさか自分の記憶に不意打ちをされるとは思わなかった。
「惣流。柔軟体操にそこまで気合入れんでいいぞ」
体育教師の声と級友の笑い声にアスカは作り笑いを浮かべるしかなかった。
「ご、ごめんね、アスカ」
申し訳なさそうなヒカリの声を聞きながら
(もぉぉぉぉっ!バカシンジのせいなんだからね!)
罰として日曜のハンバーグの材料費はシンジの一人持ちにさせよう。アスカは理不
尽にもそう考えていた。
293:243
13/07/04 02:03:35.78
続きはまた日曜辺りでも。
おやすみなさい。
はよプロバ規制終わらないかな。携帯投下やりづらいw
294:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/04 04:11:31.09
>>293
乙です!
295:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/04 15:29:07.20
イイヨイイヨー!
296:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/05 03:15:45.31
かわええのー
297:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/05 11:39:01.36
いいもんだ
298:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/06 00:26:15.56
いいのー!!
是非職人様には貞本最終回1ページ目のキャッチコピー
『僕はきっと、君を忘れない』
ってとこまで書ききってもらいたい。
299:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/06 00:37:21.65
上手いですわ
300:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/07 11:48:25.09
キャワワ><
301:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/07 14:51:20.08
授業が終わり着替えを済ませたアスカは、更衣室のいすに座り込んで考えていた。
そもそもあの質問でなぜ「シンジのいいところ」が浮かんでくるのか。
(ヒカリはなんで一緒にいるかって聞いただけじゃないの)
一緒のいる理由でそれってこれじゃまるで……これ以上考えるとまた叫んでしまいそうだ。
アスカは思考からそのことを追いだそうと頭を左右に振る。
「アスカ、早く戻らないと次の授業始まっちゃうわよ」
ヒカリの声にアスカは慌てて立ち上がった。
302:243 上一個名前いれわすれ
13/07/07 14:53:21.46
帰りの下駄箱にもまたアスカへのラブレター。名前を確認する様子すらなくごみ箱へ。
シンジは常々思っていた疑問を今日に限って口にしてしまった。
「ねえ、アスカ。何でいつもごみ箱直行なの?出した人ちょっとかわいそうじゃない?」
答えはこうだ。
「上っ面だけ見て惚れただの腫れただの言われても嬉しくないわよ。こいつらにあたしの何がわかってるっての?」
苛立ちの混ざった声にシンジはそれ以上は何も聞くことができなかった。
(そういえば僕はアスカの何をわかっているんだろう?)
そしてその疑問に答えを出すことも、またできなかった。
わきあがった疑問はシンジの心の中に暗い影を投げかけてきている。
(僕とアスカはなんなんだろう……)
この日何度目かの自身への問いかけ。シンジは己の問いに対する答えを探すための思考に没頭し始めていた。
303:243
13/07/07 14:54:26.50
(シンジのやつ、どういうつもりであんなこと聞いたんだろ)
本当の自分を知りもしないくせに好きだなどと言ってくる相手のことなんかどうでもいいと思ってるのは本当だ。
そんな相手のことなんか知りたくもないから手紙も読まないし、名前も知らないままでいい。
ではシンジはどうだろうか?自分のことを知っていてくれてるのだろうか。
ちらりと、シンジを横目で見る。学校出てからというもの、シンジは何かをずっと考えている。
(あんなこと聞いて……あたしに誰かからのラブレター読めってことなの?)
あり得ないことではあるが、それで自分が誰かと付き合うということになったらシンジはどんな顔をするのだろう。
(そうなったら当たり前だけどこんな風に一緒にはいられないのよね)
胸の奥にチクリと痛みが走り、なんだか嫌な気持ちになってくる。
ふと体育の授業中にヒカリと話したことを思い出した。
(なんとなーく一緒にいる、か。……あたしとシンジってなんなのかしら)
この日の二人はその後寮に帰るまでの間一言も話さなかった。
304:243
13/07/07 14:55:33.33
翌朝になってもシンジとアスカは挨拶程度しか交わしていない。
昨夜も今朝もいつものように隣に座っているのに口をきいてない二人。険悪な訳でもないのでケンカしている様子もない。
調味料を渡したり、相手の飲み物を取りにいったりなど、むしろ黙っていても通じ合ってるようにさえ見える。
それだけにいつも騒がしく食事を取ってる二人が静かなのは違和感があった。注意深いものが見れば何かを探り合ってるように見えたかもしれない。
二人とも時々相手の目を盗むように横顔をちらちらと見る。気付かれそうになると目を逸らし考え込んでるような表情。
何度かそれを繰り返しながら、朝食を終えた二人は学校へ向かうため、いつものように連れ立って食堂を出て行った。
305:243
13/07/07 14:57:25.72
(なにやってんだ、あいつら)
相田ケンスケの日課の一つはシンジとアスカの動向チェックだ。
時に壁を殴りたい衝動に駆られつつも、そのようなことを日課にしているのには訳がある。
彼の趣味は写真や動画などの映像を撮ることだ。将来そういう趣味を生かした仕事に就きたいと漠然と考えてもいる。
そのためにはいい機材が欲しい。だが資金がない。そこでバイトだ。
ケンスケは校内の人気ある生徒の隠し撮りをしていた。彼の「商品」の中でも主力商品となっているのがシンジとアスカだ。
日独クォーター、青い瞳に金髪。日本人離れしたスタイルに勉強もスポーツも優秀とくれば人気が出ない方がおかしい。
性格のきつさもほどよいエッセンスと捉えられているようだ。
そしてシンジ。一見地味に見えるこの少年は二、三年生を中心に密かに人気が高まっている。
繊細で優しげな中性的な少年。寮生からの情報で料理の腕も知れている。噂では音楽も得意らしい。
柔らかな頬笑みは癒し系男子として評判だ。アスカほどではなくても充分にケンスケの収入源となっている。
この二人は基本的に一緒に行動しており、観察することは2つの「商品」を同時に仕入れることができる機会を増やすようなものと言う訳だ。
ついでに言うと最も売れ行きのいい表情は二人一緒の時の笑顔であるという理由もある。
さてそんなケンスケの貴重な収入源の様子が昨日からおかしいのだ。
(ケンカじゃないみたいだなあ、でもなんにしてもよくないな。あんなしけた表情されてたら売り物にならない)
これならケンカでもしてくれてた方が表情的にはおいしい。とばっちりは御免蒙りたいところではあるが。
(新しいレンズまでもう少しなんだよな)
早いとこいつもの二人に戻ってほしいと願いつつ、ケンスケは朝食をかき込んだ。
306:243
13/07/07 14:58:32.20
翌朝も下駄箱のラブレターをアスカは、一読すらせずに玄関備え付けのゴミ箱に放り込む。
いつもよりほんの少し苛立たしげに見えたのは気のせいなのだろうか。
シンジはそんなアスカを複雑な気持ちで見ながら自分の下駄箱を開けた。
一瞬目を見開いてから、下駄箱を閉じる。
もう一度開ける。ため息をついてそれが見間違いではない事を確認した。
『碇シンジくんへ』
かわいらしい文字で書かれた宛名とハートマーク型のシールで封印されたそれは、紛うことなくラブレターだった。
(どうしよう)
シンジは困惑したまま動けなくなっていた。
「シンジー?」
教室に向かおうとしたもののシンジが動かない事に気付いたアスカの声でシンジは我に返る。
「うん、今行くよ」
咄嗟に制服のポケットにそれを押しこむと、シンジはアスカの元に駆け寄った。
アスカの視線が少しシンジのポケットに移った。
「ねえ、バカシンジ……」
「え?」
「なんでもない」
今何を隠したの?その一言をアスカは言葉にする事ができなかった。
307:243
13/07/07 15:02:35.78
今日の分終わり。
続き多分火曜か水曜。
次か次の次完結予定。
携帯まじやりづらい(;´д`)
308:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/07 15:49:48.60
>>307
見事乙!
規制はキツいですな…
309:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/07 22:29:23.96
乙ー
投稿間隔とか気にせずまったり書いていってね
310:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/08 00:59:39.20
かなりの2chではハイレベル作品が並ぶ良スレですね
投下間隔はゆっくりでも構わないので今後もお願いします
なんかまとめサイトが欲しくなりますね。
311:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/09 03:55:13.43
まとめサイトあるとうれしいなw
しかしやっぱり職人ごとに解釈違うのは面白いね。
基本的なとこだけでも転生派と記憶と事象改変派いるしw
312:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/09 16:51:01.68
どの解釈でも「いい」ってのがいいよな
これじゃなきゃだめだ!!みたいな縛りが無い
313:243
13/07/09 22:46:29.96
予告してましたけど、今出先なので深夜か明日朝投下いきます。
申し訳ない。
314:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/09 23:26:52.88
待ってました!
慌てないでね お気をつけてお帰りください。
315:243
13/07/10 02:08:31.93
碇シンジはとにかく困っていた。そして焦っていた。
アスカには知られたくない。反射的に隠してしまったばつの悪さもある。
そのアスカはと言うと時々こちらを見ている。困惑と寂しさが混ざった表情だがシンジはそこまで気がつく余裕がない。
(アスカに気付かれないように早く読まないと)
シンジは立ち上がるとケンスケに向かいトイレに行ってくるとだけ告げて教室を出て行った。
「もうすぐホームルームだぜ」
ケンスケの声に軽く手をあげて答えるとシンジは軽く駈け出していた。
それを見たアスカは一瞬何か言いたげに立ち上がろうとしたが、どうしても声をかけることができなかった。
トイレにはいるとまっすぐ個室へ。ポケットの中の手紙を取り出す。
内容はいたってシンプルだった。惣流さんとのことは知っています。でも、あなたが好きです。昼休みに校舎裏に来てほしい。とだけ書かれている。
予想はしていたがやはりドキッとする。
(惣流さんのことは知ってます、か……)
先ほどとは違い皺にならないように、上着の内ポケットに手紙を仕舞い込んでシンジはため息をついた。
(アスカのこと……僕達のこと……なんなのか知ってるなら僕が教えてほしいくらいだよ)
チャイムの音が聞こえる。ホームルームがそろそろ始まるだろう。担任が来る前に戻らなければ。
(遅れると伊吹先生めんどくさいからな)
シンジは来た時と同じように駆け足で教室へと戻っていった。
316:243
13/07/10 02:10:10.06
ホームルームには間に合ったが、その後午前中の授業をシンジは上の空のまま過ごしていた。
どうしても頭から離れない一文。
『惣流さんのことは知っています』
自分が手紙とはいえ異性に告白されたことよりも、その一文で頭がいっぱいになっていた。
アスカとの関係。一言で言うと心地よくてそこにいるのが当たり前のように感じる関係。
アスカをつい目で追ってしまった。アスカの席はシンジから見て2列左側の斜め後ろに当たる。
(あれ、アスカどうしたんだろ……?)
目が合ってしまう。目が合うということはアスカもこちらを見ていたということだ。
黒板を見ているなら目が合うはずはない。
(なんだか様子が変?)
視線に少し違和感を覚えた。だがアスカもこちらの視線にも気がついたのだろう。
ベーッと舌を出してシンジをからかってくる。
そんなふざけた様子に少し心が癒される。
(気のせいだったのかな。おっと、怒られる前に前を向こう)
シンジは笑いをこらえながら前を向いた。同時にふっとアスカの表情が翳る。
アスカはシンジの背中を寂しげに見つめていた。シンジがアスカの変化に気付くことはなかった。
317:243
13/07/10 02:11:40.61
(シンジ……何で何も言ってくれないんだろう)
シンジが自分に隠しごとをしている。恐らくはラブレター。
(どうして隠すのよ。やましいことでもあるっての?)
少し前のアスカならきっと笑い飛ばしていただろう。
『シンジにラブレター?ないない』
あるいは
『バカシンジに告白?物好きがいるものね〜』
別にシンジのことを本気で軽んじているわけではない。正直もててもおかしくないとは内心思っている。
ただシンジと自分の関係が崩れることは恐らくないという確信にも似た思い込みがあっただけだ。
そう、確信はあった。昨日までは。
アスカは気付いてしまっていた。この関係はひどく曖昧で、曖昧がゆえにひどく脆いという可能性を秘めていることに。
男女の友情というものは、この世界には確かにあるのかもしれない。
だが自分たちの関係は友情なのか。違う気がする。うまく表現はできないが友情などでは断じてない。
それになにより
(友達だといつまでも隣にはいられないじゃんね)
――――惣流・アスカ・ラングレーは、この日初めて自分が恋をしていることに気が付いた。
318:243
13/07/10 02:13:39.60
「アスカ、先に食堂行っててもらえるかな?もし待ち切れなかったら先に食べちゃっていいから」
それだけを告げるとシンジは教室を出て行った。
アスカの心臓がドクンと跳ね上がる。
何の用事なのよ?そう言おうとしたが声が出ない。
いや、聞かなくても解ってる。恐らく手紙の主のところだ。
行かないで。声にならない。頭が真っ白になっていく。
(いや……いや……待ってよ、シンジ……あたしを一人にしないで)
もうシンジの姿は見えなくなっていた。ふらっと立ち上がるとアスカはシンジを探すために力なく廊下に出て行った。
普段のアスカなら必ずしもシンジの返事がOKだとは限らないことにも気付いただろう。
どこのだれかもわからない相手に自分が負けるはずはないとも思っただろう。
だが今のアスカは普段のアスカではない。生まれて初めて恋を自覚したばかりだ。
自分に戸惑いさえ覚えてる状態なので冷静さなど一欠けらもない。
(どうしよう……どうしよう……)
このままではシンジがいなくなってしまうかもしれない。シンジの隣りを誰ともわからない人間にとられてしまうかもしれない。
(探さないと……だけど探して見つかって……あたしどうすればいいの……)
普段の強気なアスカの姿はそこにはなかった。今のアスカは初めて知る自分の心に戸惑うだけの少女だ。
ふらふらと、教室を出ていくアスカの足取りには力はなかった。
319:243
13/07/10 02:15:14.22
特に考えもなく、屋上へ向かったアスカだがそこいたのはシンジではなく、二年生だと思われるカップルだった。
楽しそうに二人で弁当を食べている姿が昨日までの自分たちを連想させた。そして自分が顔も知らない女の子の姿に変換されていく。
いたたまれなくなって屋上を飛び出してしまった。上から探せばよかったのかと気付くがもう遅い。
あの場所に戻りたくない気持ちの方が強かった。
(でも高いところからなら見つかるかな……)
早くしないとシンジがいなくなる。頭の中はそのことでいっぱいだった。
アスカがもしも少しでも冷静だったなら、自分の想像に欠けている部分に気付いたかもしれない。
居心地のいい居場所だったのが恋に変わっていたことに気付いた。その日のうちにその関係が揺らいでしまうかもしれない恐ろしさ。
それがアスカから思考の柔軟さや冷静さを全て奪い取っていた。だがそもそも自覚のきっかけになったのが、関係を揺るがすかもしれない他者だったのだから難しいところだ。
(いた………シンジ!)
三階の窓からたまたま校舎裏に消えていくシンジらしき姿を見つけることができた。
叫べば届いたかもしれない。だが声はかけられなかった。
アスカはシンジを求めて校舎裏へ駈け出して行く。階段を数段ずつ飛ばして駆け下り、廊下を駆け抜ける。
何度か他の生徒にぶつかりそうになりながらの猛ダッシュ。
校舎裏への角までたどり着いた時……アスカはなぜか隠れてしまった。
何を言えばいいのか、どうすればいいのかが解らなかったからだ。
そっと角から顔を出して様子を窺ってみた。
(うそっ……)
アスカが見たものは、シンジより少し背の低いくらいだろうか?黒髪ショートカットの女生徒がシンジの胸に顔を埋めている場面だった。
頭が真っ白になっていく。足元が崩れそうになるのを必死にこらえてよろよろとその場を立ち去る。
気がつくと寮の自室にいた。どうやって戻ったのか覚えていない。
(シンジと知らない子が抱き合ってた……)
その光景とシンジの笑顔が交互にフラッシュバックしてきた。アスカは枕に顔を埋めると声をあげて泣いた。
320:243
13/07/10 02:20:04.27
今回はここまで。
次回早ければ金曜、遅ければ月曜。
多分次回完結。
嫌なシーンで切ってごめん。
ではおやすみなさい。
321:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/10 04:22:35.33
乙です!
322:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/10 10:00:01.43
おっつー
作品が増えてうれしい限り
このまま、雑談とか交えながらまったりやっていきたいもんだの
323:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/10 20:45:45.41
これが新しいLASの形か…
324:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/11 02:04:17.15
新しくはないだろ。昔からある某スレでは認めない人いるけどね
小説形式台本形式面白ければいいです
応援してるので職人様続きまってますね!
325:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/11 02:29:45.85
職人の皆様、乙であります!
いや〜しかし最後に最高のステージを用意してくれたね貞本さんは
大学までエスカレーター式ってのがまた嬉しいじゃないの
326:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/11 21:35:27.80
そろそろシンジ、アスカは夏休みの計画を立ててる頃かな
327:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/12 18:09:28.92
シンジ「ねぇアスカ、僕達付き合ってるみたいなもんだよね?」
アスカ「はぁ?あんたバカぁ?」
シンジ「ご、ごめん…冗談だよ…」
アスカ「ますますウルトラバカね、あたしはとっくにそのつもりだったっちゅーの」
シンジ「ええっ!?///」
アスカ「なに驚いてんのよ?ホントバカね///」
終わり
328:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/12 18:24:58.91
乙!
こういうのもいいなw
329:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/12 19:06:54.60
>>326
箱根の温泉とか
>>328
いつも「夫婦」喧嘩と冷やかされているので「恋人」じゃ物足りないアスカさん
330:329
13/07/12 19:08:23.31
>>328じゃなくて>>327宛てだった。メンゴ!
331:名無しが氏んでも代わりはいるもの
13/07/12 19:22:44.23
>>327
アスカ「ちょっとシンジ!あたしたちいつも夫婦夫婦ってからかわれてるけど」
シンジ「た、確かに…」
アスカ「あたしはすんごく嬉しいんだからね!」
シンジ「ぶーーーーっ!!///」
アスカ「な〜に吹き出してんのよ、ホントバカなんだから」
シンジ「だ、だって…」
アスカ「だってもへったくれも無いわよ!あんた責任取ってあたしをお嫁に貰わなきゃ許さないんだからね!///」
シンジ「ええっ!?わ、わかったよ…嫁に貰うよ…///」
アスカ「よ〜し…///」ニヘラ
終わり
332:243
13/07/12 20:21:56.61
「委員長、アスカ知らない?」
昼休みが終る頃になってもアスカは教室に戻ってこなかった。
「知らないわよ。一緒にご飯食べてたんじゃないの?」
「それがさ、食堂に来なかったんだよ。保健室も行ってみたんだけどいなかったんだ」
アスカの席にはカバンはあるのでまだ学校にいるはずだ。シンジはそう判断した。
だがアスカは結局午後の授業にも一度も顔を見せることはなかった。
「携帯も出ないや……」
「碇くん、ほんとに何も聞いてないの?」
「うん……」
「寮の方にもかけてみろよ。もしかしたら何か連絡があるかもしれないぜ?」
ヒカリやケンスケも心配そうだ。
「うん。そうする。その間に委員長の方からもアスカにかけてみてくれないかな?」
「俺もう一回誰かが惣流を見てないか聞いてくるよ」
ケンスケが走っていく。本当にいい友人だとシンジは思う。
「もしもし、碇ですけども……」
友人に感謝しながらシンジは寮に連絡を取る。
一方ヒカリは一向に携帯に出ないアスカに不安を募らせていた。
「だめ、出ないわ。アスカどうしちゃったんだろう。もしかして何か事件とか事故に巻き込まれたんじゃ」
「はい、はい、そうですか。わかりました。ありがとうございます」
シンジの電話は終わったようだ。
「碇くん、寮の方はどうだったの?」
「それが……昼休み頃に戻ってきてそのままらしいんだ」
「そう……でも電話には出ないのよね。ってちょっと待ってね。メールだわ」
携帯を覗き込んだヒカリの顔は少し困惑している。
333:243
13/07/12 20:25:29.47
「アスカから。うーん……、碇くん、アスカ明日学校休むって言ってる。あと、鞄を私に届けてほしいって」
「僕が持っていくからいいよ。アスカと話をしなきゃいけないし」
「だめ。あなたにだけは頼まないでほしいって言ってるの。ねえ。なにかあったの?」
シンジはラブレターのことを一瞬だけ浮かべたが、慌てて打ち消した。
まずアスカに知られてはいないはずだ。
それに仮に知っていたとしてもアスカが嫉妬なんてしてくれるはずもない。シンジはそう思っていた。
「わかんないよ……」
寂しそうに俯くシンジに、ヒカリはそれ以上追及する気にはなれなかった。
334:243
13/07/12 20:27:08.20
「じゃあ、私アスカにカバン届けてくるわね。話も聞けるようなら聞いてくる」
「うん、お願いするよ。それから……僕からもアスカに話があるからって、それだけ伝えといてもらえるかな?」
真剣な眼差し。一瞬ヒカリでもドキッとするものがある。ケンスケがその場にいた
らいい商品になるといったことだろう。
「わかったわ」
「それじゃケンスケが戻るのを待ってから僕も寮に帰るよ。ごめんね、ありがとう」
これも委員長として、またアスカの友達としての役目だからと笑って委員長は出て行った。
夕暮れの教室にはシンジだけが残されていた。
「ありがと」
カバンをアスカに届けに来たヒカリは言葉を失った。それほどまでにアスカの状態はひどかった。
元気がなかったのは確かだが、昼間とはあまりに違いすぎた。
ヒカリはアスカのこんな様子を今まで見た事がなかった。
泣きはらしたのだろうか。目は腫れぼったく、充血している。
髪はぐしゃぐしゃになっており、学校で会った時より少しやつれたようにさえ見える。
声もいつもの元気は全くなく、声は少し枯れているように思えた。
「ごめん、明日休む。風邪ひいてるとでも言っといて」
さぼり宣言を咎める気にはならなかった。と、いうか本当に調子が悪そうなのだ。
「ねえ、アスカ。よかったらなにがあったのか話して?碇くんもすごく心配してたし」
碇くんの部分でびくっと肩が震える。
「碇くんのことでなにかあったのね?」
「ごめん、ヒカリ。今は話したくない。でもシンジは何も悪くないの。悪くないの……」
今にも泣きそうな親友を見るとヒカリもそれ以上はなにも聞くことができなかった。
「何も力にはなれないかもしれない。でも私はアスカの味方だからね?」
そう声をかけるしかなかった。アスカは力なくうなづくだけだった。
335:243
13/07/12 20:31:03.60
ヒカリが帰り際に言った一言が怖い。
『あのね、伝えるかどうか迷ったんだけど……碇くんがアスカと話がしたいって言ってた。すごく真剣な顔してた。落ち着いたらでいいの、話を聞いてあげて』
今のアスカには死刑の執行をシンジが告げに来る。そのようにしか聞こえなかった。
アスカは強がってはいるものの内面は脆い部分がある。自分の心に向き合うのが実は苦手であり、他人に触れられるのも苦手だ。
中学二年生までは特にそうだった。だが、ある時から少しだけそんな弱い自分を受け入れることができた気がした。
そして今年。碇シンジという不思議な少年と仲良くなった。本当に不思議な少年だった。
奇妙な懐かしさと安心感があった。
自分の良いところも悪いところも全てを恐らく受け入れるだろう。いつの間にかアスカはそう感じていた。
いや、感じていたというのは実は正確ではない。魂が告げたと言った方がいい。魂に刻まれた何かが浮かび上がってきて理解した。
魂だなんていささか非科学的と思いつつも、それが一番しっくりくる表現だとアスカは思う。
だから一緒にいるのが当たり前だった。当たり前すぎて自分の気持ちにも気付かなかった。
気付いてしまったその日に全てが崩れ去ろうとしている。
人は他者とかかわることで生きる。その範囲がその人にとっての世界と置き換えてもいい。
今、アスカは世界の中心が崩壊するのと同義のショックを受けていた。
336:243
13/07/12 20:32:28.31
(アスカ……どうしちゃったんだろう)
夕食時にも降りてこない。電話もメールも反応がない。
(どうしてもアスカには伝えておかないといけないのに……)
ヒカリからアスカの状態は聞いていたのでなおさら不安も募る。
いっそ女子棟の方に訊ねて行こうかとも思ったが時間が時間だ。さすがにまずい。
『お腹空いてない?話もしたいけどそれよりアスカが心配だよ。僕は部屋にいるから空メールでもいいから見たら返してほしいな』
シンジはもう一度だけアスカにメールを入れておき、部屋に戻ることにした。
しかし、翌朝になってもアスカからの返信はなかった。
『おはよう。なんか……ごめん。学校行ってくるよ。ちゃんとご飯食べてね」
一人で朝食を済ませるとメールを送信。シンジは後ろ髪を引かれる気持ちのまま学校へ向かった。
アスカからの返信はやはりなかった。
337:243
13/07/12 20:34:55.96
(……シンジが心配してくれてる)
もう自分にそんな資格はないのに。
(でももうシンジは……)
この優しさも、あの笑顔ももう自分の隣から消えてしまうのだ。
また涙が出た。アスカはシンジを想って泣いた。
「ひどい顔ね……」
ふと鏡を見たアスカは、そこに映る自分の姿に思わず声に出して呟いてしまった。
着替える気力もなかったので昨日から制服も何もかもそのままだった。
泣いたおかげで少しだけ落ち着くことができた。
「お腹空いたな……」
時計を見ればもう昼だった。丸一日何も食べてないことに気付いた。
「食堂に何かあるかしら……」
何もなければコンビニにでも行こう。のろのろと体を起こし、そのまま食堂へ向かう。
時間的に他の生徒に会う心配はないというのがありがたい。
「ん……いい匂い……」
食堂から何か作っているらしい匂いがする。誰かいるのだろうか?
(寮監さんの昼ご飯とか……賄いさんの仕込みか何かかしら?)
できれば分けてもらおう。食堂についたアスカは声をかけた。
「すいません、何か作ってるなら食べさせてもらっていいですか?」
338:243
13/07/12 20:42:36.62
「うん。ちょっとだけ待ってね。もうできるから」
そう言って厨房から顔を出したのは、本来そこにいるはずがないシンジだった。
アスカの顔は凍りついた。よりによってこんな姿をシンジに見られてしまった。
身を翻して逃げる……はずだった。
足がうまく動かない。力が抜ける。丸一日何も食べてないのも効いていた。
反転しようとしたところで、へたり込んでしまう。
(シンジにこんなかっこ見られた。シンジの話も聞かされちゃう。なんで動けないの
よ……)
「アスカ!」
シンジが慌てて駆け寄ってきた。ぺたりと床に座り込んでしまっているアスカに手を貸そうとするのだが
「いやっ、何も聞きたくない!」
差し出された手を振り払い耳を覆い、子供のように首をイヤイヤと横に振る。
携帯を取り出したシンジはメール画面に文字を打ち、アスカに見せる。
『今は何も言わないから、ご飯だけ食べてよ』
見上げたシンジの顔は、アスカを慈しむように優しく微笑んでいた。
シンジの手を取って立ち上がり、席に着く。
「なんであんたがここにいんのよ……」
精一杯の強がった振り。
「ほんとは作るだけ作って学校に戻るつもりだったんだ。もうちょっとだけ待ってて」
シンジは一度厨房に戻ると今度は濡れたハンカチを持ってきた。
「あと……これで目を冷やすといいよ。ほんと……ごめん」
「何か謝るようなことあんの?」
困ったような顔で笑うシンジにずきりと胸が痛む。やはりこの場から逃げたい。
「今は何も話さない。そういう約束したでしょ?じゃ僕ご飯の仕上げしてくるね。とは言っても本当に簡単なものなんだけど」
シンジの優しさが心に痛い。
「ていうか、もうすぐ昼休み終わっちゃうわよ。いいの?」
「多分委員長とケンスケがうまいこと言っといてくれると思う」
(あたしのためにそこまでしてくれるんだ……)
厨房から聞こえるシンジの声はいつもよりも優しく聞こえる。
その優しささえ今は怖い。
339:243
13/07/12 20:44:03.12
サルっちゃいそだからいったんここで切ります。
なんか長く
次ページ最新レス表示スレッドの検索類似スレ一覧話題のニュースおまかせリスト▼オプションを表示暇つぶし2ch
3970日前に更新/197 KB
担当:undef