【食糧問題】アンモニアを作り出すハーバー・ボッシュ法は21世紀の食料・エネルギー問題の救世主にもなるのか?[01/26] at SCIENCEPLUS
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1:しじみ ★
19/01/26 14:08:13.96 CAP_USER.net
ハーバー・ボッシュ法とは鉄を主体とした触媒上で水素と窒素を反応させ、アンモニアを生産する方法です。1906年に開発されたこの方法は、1世紀以上が経過した現在でも肥料生産をはじめとするさまざまな工業プロセスに使用されており、21世紀の課題である食料とエネルギーの問題についても、救世主となり得るとされています。
The future is green: the future is ammonia… | World Fertilizer
URLリンク(www.worldfertilizer.com)
ヨーロッパの肥料産業団体であるFertilizers Europeは、「Feeding Life 2030」という報告書の中で増加する世界の人口を養う食料を効率的に生産する問題と気候変動への取り組み、そしてエネルギーを生産および輸送する新しい方法について述べています。
小麦をはじめとする農作物を育てるためには、窒素分を含む肥料を十分に供給することが重要です。ハーバー・ボッシュ法は窒素化合物であるアンモニアを工業的に、大規模に生産することが可能であり、世界中の人口を養うために必要不可欠な技術となっています。Fertilizers Europeによると、窒素肥料によって生産された食料は世界人口のうち50%を養っているそうです。
2019年の時点で世界の人口はおよそ75億人ですが、国連の試算によると2030年には世界の人口は86億人にまで増加するとのこと。10年強でおよそ10億人もの人口が増えることになり、今日と比べて10億人もの飢えた人々が生まれるおそれがあるとされています。そのため、ハーバー・ボッシュ法による肥料生産は世界の人口を養うために必要不可欠です。
by Danilo Ugaddan
しかし、ハーバー・ボッシュ法は大量のエネルギーを消費する手法でもあります。世界で消費されているエネルギーの2%はハーバー・ボッシュ法の反応に使用されており、世界の二酸化炭素排出量のうち1%を占めているとのこと。世界の国々では、2100年までに発生する気温の上昇を2度以下に抑えようという目標が設定されていますが、そのためには人間が排出する二酸化炭素量を6000億トン以下に抑える必要があります。
肥料製造企業もこの取り組みには積極的であり、近年は有害な物質の排出量を40%削減したとFertilizers Europeは述べています。引き続き農家や生産者と共に肥料使用の最適化と収穫量増加に焦点を当てていくそうですが、地球温暖化を本気で食い止めようとすれば、窒素肥料の製造と生産に根本的な変更が必要だということも認めています。
by Anton Atanasov
そんな中、アンモニアを「風力や太陽光などの再生可能エネルギーを利用して生産した電力を保存する燃料電池」として利用する方法が、オーストラリアのモナッシュ大学で研究を行う化学者のDouglas MacFarlane氏によって考案されました。再生可能エネルギーによって作った電気を用いて窒素ガスと水を反応させ、ガス化したアンモニアを発生させることで、電気エネルギーをアンモニアとして保存することが可能になるとのこと。
ガス化したアンモニアは簡単に冷やして液化することができ、液体燃料としての輸送も簡単だそうで、MacFarlane氏は「液体のアンモニアは液体のエネルギーのようなものです」と語っています。オーストラリア政府は100億ドル(約1兆1000億円)規模の風力・太陽光発電施設を西オーストラリアに建設する計画を持っており、このプロジェクトで生産される9000MW(メガワット)ともいわれるエネルギーの一部が、アンモニアに変換される予定だそうです。
液状のアンモニアは肥料として使用できるだけでなく、再び電気を生産するために使用することも可能であるため、エネルギー輸送市場で液化天然ガスに代わる新たな選択肢となり得ます。Fertilizers Europeは日本において2030年までに80万台の水素燃料電池車が実用化される予測があると述べ、燃料電池車に使用する水素を作り出すためにアンモニア燃料が使用される可能性があると述べました。
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