【天文学】群馬県の小嶋さん、ヘリウム激変星が起こした矮新星アウトバーストを発見[05/23] at SCIENCEPLUS
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18/05/23 19:14:51.32 CAP_USER.net
群馬県の小嶋正さんが5月19日、うしかい座の激変星が7等級も増光している様子を発見した。
10年以上にわたり研究者たちが待っていた現象がついに観測されたものだ。
【2018年5月23日 VSOLJニュース】
著者:磯貝桂介さん(京都大学)
待ち焦がれる時間は、いつだって長く感じるものです。
待ち遠しいものは世の中に色々とありますが、天体現象もそんなものの一つではないでしょうか。
いつか矮新星アウトバーストを起こすかもしれないと思われながら早13年、ついに増光している姿が発見されました。
激変星とは、白色矮星を主星にもつ近接連星系のことで、
連星の軌道周期(公転周期)は数時間程度です。伴星はロッシュローブを満たしているため、
伴星から主星へとガスが流れ込んでいきます。すると、主星の周りには降着円盤と呼ばれるガス円盤が形成されます。
この円盤が突発的に増光する現象を「矮新星アウトバースト」と呼びます。
通常、激変星の伴星は晩期型の主系列星など低温の星ですが、中には変わった伴星を持つ天体もあります。
その一つがヘリウム激変星(りょうけん座AM型星)です。
伴星表面の水素は様々な理由からはがれ落ちており、伴星はヘリウムが豊富な高密度天体となっています。
一部のヘリウム激変星は進化の末、最終的にIa型超新星や、その亜種「.Ia型超新星」になると考えられていることから、
天文学における最重要天体の一つです。しかし、近年まで発見数が少なかったため、観測的な研究はあまり進んでいません。
ヘリウム激変星の大きな特徴の一つが、極端に短い軌道周期です。
周期が2時間未満の激変星は、重力波放射によって角運動量を失うので次第に連星間距離が縮み、周期は短くなっていきます。
しかし、伴星から主星へとガスが流れ込むと、角運動量保存則により逆に軌道周期は長くなります。
基本的にこの2つの効果によって軌道周期は変化していき、結果として通常の激変星の軌道周期は、
最も短い天体でも80分程度になります。しかし、ヘリウム激変星は伴星が高密度であるために重力波放射の効果が強く、
通常の激変星よりも短い軌道周期をとることが可能です。
そんなヘリウム激変星の中でも最も極端な天体、かに座HM星の軌道周期は、なんとたった5分です。
この天体は重力波放射によって少しずつ近づいており、最終的に合体すると考えられています。
もしかしたら合体とともに超新星爆発を起こすかもしれません。非常に待ち遠しいですが、遠い未来の話です。
そのような珍しい連星の仲間、うしかい座方向のSDSS J141118.31+481257.6(以降J1411)は、
2005年にスローン・デジタル・スカイサーベイ(SDSS)によって発見されました。
SDSSが撮影したスペクトルから、J1411は水素を失った激変星であることわかりました。
軌道周期は46分で、先ほど例にあげた天体に比べると長く感じますが、
通常の激変星の最短周期80分に比べ、非常に短い周期を持っています。
こうして発見されたJ1411ですが、過去の写真乾板などの資料を漁っても増光現象は見つからず、
この特異な激変星が激変するのを、世界の研究者たちは待ち焦がれていました。
それから13年経った2018年5月19日、群馬県の小嶋正さんは、19.7等だったJ1411が12.4等まで増光しているのを発見しました。
これはまさしく、待望の矮新星アウトバーストです。
赤経 14h11m18.32s
赤緯 +48°12′57.5″(2000年分点)
うしかい座の激変星の観測画像
URLリンク(www.astroarts.co.jp)
うしかい座の激変星の位置。
URLリンク(www.astroarts.co.jp)
アストロアーツ
URLリンク(www.astroarts.co.jp)
続く)


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