「泉こなたを自殺させ ..
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2:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/28 02:25:19 5BezqtfS
         / /         |    ヽ   /      , ´
 楽 楽 は 弋´  /     ___| \  〉-/_,. -‐     /
 し  し  ぁ   .> /   /―-ヽ__Y^y      /
 い い は  (_ /   /-―- ./ /   爪     /
  l !! っ  (/   /´ // /`/  /://:::|`―< ヽ
 よ    は   \ /  //_∠__/  /://::::,' |l \〉 .ハ
  l     っ /⌒ 7 /ィ≠''''ニミヽ/:://::::/ /l l:| |‖ |
!!      |   //_イ/ /  ', }}::::::〃::::/./:/ヽl:| | l| |
         弋 //::::  /  / / ::::/::::::/厶〈 ハ | | ‖
         /⌒,/:::::::  l   /.::::::::::::::::/,イΞミ〈// 人_人||人_ノ
ヽ/⌒ヽ(⌒Y  /:::::::::::ヽ _ー::::::::::::::::::::::::: / } |l<
   | .|| | |l  |       ::::::::::::::::::::: / / / jj::::::} は は あ
   ヽ|| | |l ∧   ト⌒\   ::::::::: し _〃:<  は は っ
     ヽ从ハ | ヽ   |  \ ` 、 ′ ヽ..::::::::::/  ) ぁ. は は
   _ /ヘ| \ ヽ   `ヽ、__フ   :::::::/<   l   は は
         |   \   _)/      / / ヽ !! は は
            l:::>  __,   -‐ ´ /_ノ     は は
            l:/ =ニ二三≠イ //  `ヽ


3:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/28 07:33:36 Y4LAZGso
             \、
           ___>` ー---|`ー -- 、
         ,ィ´ ァ:.: : : : : : : :.:.:.:|: : : : : : : \
        / / : /:.: /: :.,イ: :./|:.!: \: .: : : : :<⌒ヽ
         /:/: :/: :./___/ !: / .|:.|l: .:__ヽ: :.\:.:ヽ\ \
         /イ: :/: :./´:./` |/  |:.||ヽ: :`ヽ: : :.ヽ: :} \{
          /: :.': :.:i: :./  |   Y  \: :|: : : :.∨ /
         .': : { : : |:./ /・\  /・\ ヽ!:.:: :.|:.:|ィ´
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         |;イ: ! :./`|   (_人_)   .ム : : |:/: |
           |:|.:V:l`ri^i.  \   |  .rvィヘ : |: : :|
           |:|: : :l: :〉、`ー-、..\_|-‐' /:.:.:V: : : |
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           |:|: : :l{.  /   /:.:l ./|   |: :/  |:l:.:. :.:.|
           |:|: : :l| /   ∧:.:|/:.l  |:/  .!:l: : :.:.|

  ─┐||┌─┐ l ─  ‐┼‐   ‐┼‐ヽ l  ノ │ .|  |   ‐┼‐ ‐┼‐
        日  フ 口  メ   __|__  フ |┬   |  |   ‐┼‐  d
  (__   .六  ↑ .田  (___  (丿 ) ↑.ノ│  ノ  ヽ__ノ (丿\ ノ

4:JEDI_tkms1984
09/01/28 21:17:39 lOWelDwo
 前スレが埋まってしまいましたので、その続きをこちらに投下します。

5:閻しき貴女よ27
09/01/28 21:18:47 lOWelDwo
「これ以上引き留めるわけにはいかない。風邪をひいたらいけないしね」
そうじろうが一歩前に出てくる。
「さあ、もうそろそろ帰ったほうがいい。風が強くなってきた」
「はい、あの……おじ様……本当にありがとうございました」
みゆきが恭しく頭を下げる。
「お礼を言うのは俺のほうだよ。こなたのこと、憶えていてくれてありがとう」
ひどく悲しげに彼は言った。
別れ際、つかさは何気なく振り返った。
そうじろうが力なく手を振って見送ってくれている。
つかさはペコリと頭を下げた。


 凍えるような冷たい風が吹きつけたが、3人の心はどこか温かかった。
まるで自分たちひとりひとりの中に、こなたの魂が等しく宿っているような。
奇妙な昂揚感があった。
「こなた…………」
かがみが天を仰ぐ。
冬特有の曇天の中、雲の隙間をスリットにして陽光が差し込んでいる。
自然が作り出す雄大な美にかがみは目を奪われた。
小さい頃、あの雲の隙間から差し込む光のカーテンは天使が降りて来るための道だと母親に教えられた。
つかさは目を輝かせてその話を信じていたが、かがみは半信半疑だった。
後になって、可哀そうな少年と犬がルーベンスの画を前に息絶えた時、アルプスの少女によく似た天使が光とともに降りてくるという
アニメのワンシーンを観てようやく彼女も信じるようになったほどだ。
あれが本当に天使の通り道なら。
こなたはあの一筋の光をつたって降りてきたのだろうか。
「ありがと……それと……ごめんなさい……………」
4年越しにかがみは謝罪と感謝の言葉を口にした。
ありふれた陳腐な表現ではあったが、今ならこの想いもこなたに伝わる。
かがみは思った。


しばらく宙を歩いているような感覚にみゆきは酔った。
現実を受け止めはしたが、まだ受け容れられる段階ではなかった。
自分はずっと逃げていたのかもしれないと考える。
親元から学校に通っていたつかさは毎年、墓前で手を合わせていた。
自分はどうだっただろうか。
学業に忙しいという理由で、追悼は遠く離れた寮からですませていた。
言い訳としては成り立たないでもないが、それこそが逃げだとみゆきは思いなおす。
忙しいと言っても年末年始は欠かさず帰省していたではないか。
その折に墓参りに行くこともできたし、今日のように直接こなたの家に行くことだってできたハズだ。
それをしなかったのは―。
できるハズのことを何ひとつしなかったのは―。
意識的にか無意識的にかは関係なく、そうすることを避けていたのだと思い至る。
こなたを蔑ろにしてきた自責の念がある。
だがそれを自覚したくなかったのだ。
みゆきがどこまでも冷徹でこなたの死に些かの憐憫の情も抱かない性格だったら、かがみたちの手前、表面上は悼む振りをして、
形式だけの追悼をすればよかった。
しかし心根の優しい彼女にそれはできない。
そうじろうに真実を聞かされた今でも、こなたを自殺に追い込んだ責任は自分にもあると思っている。
実際は短命に耐えきれず、自ら死を選んだというのに。
その最期を楽しいものにしてやれなかった、という別の想いがみゆきをやはり苦しめる。
(………………)
不意に見上げた空、雲の隙間に光を見たみゆきは、
「こなたさん…………」
性ではなく名で呼んだ。
自分にとって特別な存在であると意識できるように、彼女は敢えて名で呼んだ。




6:閻しき貴女よ28
09/01/28 21:19:41 lOWelDwo
姉と違って不可思議なものでもすんなり受け容れるつかさは、多少の逡巡こそしたがこなたからの手紙を心に受け取った。
罪の意識がどうこうよりも、4年ぶりにこなたに再会できた感動が大きかった。
彼女は生きている、傍にいてくれた。
そう実感できただけで幸せだった。
もちろん自分が冷たく突き放してしまった悔いは、この先どうやっても拭いきれるものではない。
もしあの時、こなたの寿命が2年にも満たないことを知っていれば、決してあんな辛辣な言葉は投げなかったハズだ。
その意味での後悔はある。
冷静に考えれば事実を今日まで知らなかったのだから、つかさは何も後ろめたさを感じる必要はない。
突き放したとはいえ悪意からではなく、こなたのためを想っての発言であるから恥じることもない。
(こなちゃんは……幸せだったのかな…………)
ふとそんな考えがよぎる。
たった18年の生涯の中で、幸せとは何かに気づく暇さえなくこなたは逝った。
知ったのは己の短命だけだ。
何のために彼女は生まれたのだろう。
何のために彼女の母は彼女を産んだのだろう。
何のためにそうじろうだけが残されたのだろう。
(……こなちゃん…………)
実りのある人生をこなたが送れたとは思えない。
付き合いは陵桜に入ってからのわずか3年間だけだったが、彼女の人生に華を添えた憶えは一度もなかった。
ましてやあんな最期を迎えられては、仮につかさがどれだけこなたを慕っても痼が残ったに違いない。
見た目に反して健康であることだけが取り柄の彼女は今、自分が重い病に冒された経験がないことを疎みに思った。
自分も余命数年と宣告されるくらいの病に罹ればいいのに。
そうすればせめてこなたと同じ気持ちになれるか、そうでなくともこなたに近づくことができるのに。
こなたは独りで逝った。
自分たちだけがこの地上に取り残されたような気がして、つかさは天を仰いだ。
あの光を昇っていけば、こなたの居る場所にたどり着けるのだろうか。
「ごめんね…こなちゃん…………私たちだけ生きて…………」
この声が届くことを信じてつかさは呟いた。
もう一度だけ天を仰ぐ。
(あ…れ…………?)
雲の隙間からは依然として光が注いでいる。
が、つかさは確かに見た。
一筋の光が上からではなく、下から伸びる瞬間を―。
(なんだろう?)
しばらく考えたが、彼女には分からなかった。


 慈悲深い少女たちの後ろ姿を見送ったそうじろうは、久しぶりに他人と会話した喜びに酔った。
これまで彼が接してきたのは担当編集者か、忘れた頃にやってくるゆきやゆいくらいだった。
どちらも望ましい客ではない。
生活がかかっているから編集者とは厭でも顔を合わせなければならない。
ゆきは今や数少ない身内のひとりだが、だからといって明るい話題で気を紛らしてくれるわけではない。
彼女を見ると、どうしてもゆたかを思い出す。
互いに慰め合うつもりで訪ねてきている素振りこそするが、そうじろうは分かっていた。
ゆきは遠回しに自分を責めているのだ。
陵桜学園に通う際に通学時間の関係で泉家に住んでいたゆたかは、大学生になっても引き続いて留まった。
たまたまゆたかが選んだ大学がここから近かったからだ。
病弱な彼女は通学に長時間かけるとそれだけで体調を崩しかねない。
ゆきや彼女の夫とも相談した結果、卒業まで面倒をみることになったのだ。
娘が世話になっているということで小早川からは月5万程度の入金があった。
衣食住をこれで充ててほしいとの事だったが、家計を預かるそうじろうはこれでは足りないと知っていた。
小柄な分、衣服にはほとんどお金は使わずに済んだ。
買い替えても特にブランド志向ではないから安くつく。
学費に関してはこの5万円とは別に小早川が出しているから―当たり前だが―その点の心配もなかったが。
ゆたかはとかく医療費がかかる。
すぐに熱を出して寝込んだり吐き気を催したりと、病に臥せることが多いのだ。
デリケートなゆたかの症状は市販の解熱剤や鎮痛剤では効果が薄い。

7:閻しき貴女よ29
09/01/28 21:20:47 lOWelDwo
結局、頼るのは医院ということになるのだが、診察代やら薬代やらがかさんでしまう。
彼女の場合は食費より医療費のほうが高いのだ。
ゆきも夫も―ゆたかにかかる費用の詳細を知らない。
毎月5万程度を振り込んで、あとは面倒を見てくれとなかば投げ出した形でゆたかを預けてきた。
それを引き受けたそうじろうには管理する義務が生まれる。
しかしゆたかは病死した。
「勝手な話だよな……」
居間の柱に背を預けて彼は呟いた。
ゆたか死亡の報せを聞くや、彼女の父親は鬼の形相で泉家の戸を叩いた。
この人殺し、と近所にも聞こえるくらいの大声を張り上げもした。
そうじろうがついていながら、なぜゆたかは病院にも行けずに亡くなったのだ、と烈(はげ)しく罵った。
病院をたらい回しにされた事実を伝えても、彼はそれもお前が悪いと言を曲げない。
もっと早く手を打っていれば引受先の病院が見つかったかもしれないのに。
すぐに救急車を呼ばなかったお前の怠慢が引き起こした悲劇だ、とも。
挙句には、
『娘が自殺したから、うちのゆたかが憎くなって殺した』
とまで喚くようになった。
普段、ほとんど交誼のなかった男が娘を奪われた原因をそうじろうただ1人に押し付けた恰好だ。
「自分はゆーちゃんの面倒なんてこれっぽっちも見なかったくせにな……」
たった5万円出しただけで責任一切をなすりつけるやり方が気に入らなかった。
悪口雑言をまくし立てるゆたかの父親に、これまでかかった医療費を請求してやろうかとも思った。
「ゆきにしても―」
直情的な彼とは逆に、ゆきはやけに大人しかった。
ゆたかを喪ったショックが大きかったのかとそうじろうは最初思ったが、どうもそうではないらしい。
彼女は彼女で、夫とは違う方法で自分を責めようとしているのだと後になって気付く。
表向き、こなたに先立たれた自分を労わるような言葉をかけてはくれるが、二言目にはゆたかが、ゆたかがと呟く。
あんたの所為でゆたかは死んだ、という意味のメッセージを巧みに濁して叩きつけてくる。
こうなると兄妹はもはや他人も同然だ。
いい加減うんざりしていたが、ゆたかの死の間際に傍にいたのは誰あろう自分なのでそこは言い返せない。
居候を引き受けてもいるから責任は悉く自分にあるという自覚も持っていた。
(………………)
だが、この2人から代わる代わるに責め苦を受け、そうじろうの心は一時も休まることはなかった。
だからこそ、昔と変わらない表情でこなたに逢いに来てくれたかがみたちを見た時、彼は久しぶりに心から喜べた。
「………………」
彼はふぅっと息を吐くと、抽斗(ひきだし)から真新しい原稿用紙を取り出した。
パソコンを使うようになってからはすっかり役目を終えた罫紙だ。
「もうすぐ行くからな……」
愛用の万年筆を手に、ペン先を滑らせる。
はらり、と一枚の紙がそうじろうの目の前に落ちてきた。


『だめだよ おとうさん』


急いで書いたらしく、字と字がつながっている。
「おいおい……ルール違反じゃなかったのか?」
そうじろうは口の端を歪めて笑った。
「お前たちがいなくなってな、残された俺はずっと寂しかったんだよ。なんていうかな、生きる甲斐がないんだよ。
何のために生きてるか分からないんだ。分かるだろ……いや、分からないか…………」
筆を収め、目を閉じて深呼吸する。
「黙ってたって俺も歳をとるさ。放っておいてもいずれはお前たちのところに逝く。でもな、待てないんだ。
30年先か40年先か分からない。たった独りでそんな永い間を生きていくことに意味がないんだよ。
お前たちがいない世界で生きようなんて思えないんだよ」
再び便箋が落ちてきた。
目を開け、それを確認した彼はまた自分を嘲る。

8:閻しき貴女よ30
09/01/28 21:23:24 lOWelDwo


『そんなの誰のためにもならないわ おねがい そう君、考えなおして』


(今度はかなたか―)
自分の呟きがこなたにもかなたにも届いているのだと彼は知った。
「かがみちゃんたちが来てくれたおかげで、俺は久しぶりにお前たちに逢えた―。
こなたの手紙を読んだ時、急にお前たちに逢いたくなったんだよ……今まで我慢してたのかもしれないな。
意味もない生に縋りついて寂しい想いをする必要はないんだってやっと分かったよ」
彼はふらりと立ち上がり、亡きかなたの遺品である鏡台に手を伸ばす。
カミソリが入っていた。
「ようやく決心がついた……あの娘たちに感謝しないといけないな……」
ぎらりと銀色に光る刃先を首筋にあてがう。
彼は虚ろな眼を下に向けた。
テーブルの真ん中に不自然に置いた1枚の原稿用紙。
罫線を無視してそこにはたった1行、



『 もうしわけございませんでした 』



謝罪の言葉が丁寧な字体で書かれてある。
何に対して、誰に対して謝っているのか、書いた本人も分かっていない。
死ぬ前に何か書き残そうとしたのは、彼が生粋の作家だからだろうか。
しかし気の利いた文面は思い浮かばず、結局は誰にでも書けそうなこの一文のみが残った。
「情けないよな…………」
全てを諦観しきったそうじろうが吐くからこそ、この言葉は残酷なほどの皮肉を持って打ち響く。
「お前たちと同じ”逝き方”ができないのは残念だが―同じところには逝けるからな…………」
瞳に様々な感情を宿らせて、彼は一気に刃を滑らせた。
血液が放物線を描いて勢いよく噴き出す。
同時に白い紙がひらひらと舞い降りたが、赤とも黒ともつかない血溜まりの中に落ち、彼の遺書ともども深い闇の中に沈んだ。
真っ白だった2枚の紙が血を吸って赤く染まり、やがて黒に変わった。









   終





9:JEDI_tkms1984
09/01/28 21:30:51 lOWelDwo
 以上で終わりです。
こなたというより、そうじろう自殺SSのようになってしまいました。
いじめを苦に……といういつもの手が使えないのでやや苦労しました。

改めてスレを立てて下さった方に感謝を。
そしてお読み下さりありがとうございました。

10:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/28 22:03:46 cWdB2Vj0
授業中、突然背中から鋭い痛みがはしった。
コンパスの針で背中を刺されたのだ。
あまりの痛さにこなたは声をあげた。

こなた「痛っ!」

先生「こら、泉。五月蝿いぞ。」

こなた「先生、さっき背中を刺されて・・」

こなたの悲痛な叫びを先生は遮り、説教をした。
周りではクスクスと笑いが起こり、立たされたこなたは目に涙を浮かべている。

先生「お前はいつもすぐに嘘をつくからな。第一クラスにそんなやつはおらん」
こなた「本当です!わたし嘘つきません!」

先生「五月蝿いなぁ。もういい。泉、廊下で頭を冷やしてこい!」

これ以上何を言っても無駄と悟ったこなたは、
「はい」と呟き、廊下にでて、その足で屋上へ向かった。

11:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/28 23:00:54 WbzzPf8O
>>9
今回のお話、凄く素敵でした
綺麗にまとまっていてそれでいて切ないというか…
とにかく乙です

12:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/29 01:27:06 JlVr+kMA
>>9
乙です。熱い感情が瞳に込み上げてきました。
本当にこちらの心に訴えかけてくる文章を書かれますね。
今後も期待してます。

13:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/29 02:27:48 ITsUp2RE
>>9
乙。

つかさが空へ伸びる光を見たのとそうじろうが自殺したのは同時刻と考えていいのだろうか?



14:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/29 12:51:19 T1xgCJrI
まとめのJEDIさんのSS、なんかおかしくない?

15:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/29 17:50:40 9dtSQWd5
何処が?

16:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/29 20:53:52 dgogIhp9


17:JEDI_tkms1984
09/01/29 23:24:50 Xf6qWPRq
 お読みいただきありがとうございます。
早くもwikiに上げて下さったことにも感謝しつつレスを。

>>11

いじめネタが唯一の十八番である僕にとっては、投下に勇気のいるSSでした。
自殺にも様々な動機がある。
書いていて今さらながらにそう思ったものです。

>>12

本来、感動物というのは苦手なのですが今回は敢えてそれに挑戦。
読み手の心を打ったとあればこれは成功ですね。
次回も頑張ります。

>>13

お察しのとおり、昇る光はそうじろうが天に召された時のものです。
つかさだけは最初から他の2人と区別して書いています。




18:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/30 01:58:19 3cYEqOsj
>>10
久々に小ネタみたわ

19:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/30 06:58:16 SCCVVs45
なんとなく引っ張ってみる
>>10

こなたが階段を一段一段と踏みしめる度に、辺りにはこつり、こつりと無機質な音が響き渡る。
屋上へと至る踊り場は普段から人気がないせいか、陰鬱な空気で淀んでいた。
ましてや今は授業中。それなりに出来た生徒が多いこの学校では、授業を抜けてまで出歩く輩など無きに等しい。
その中休みの喧騒などとは程遠い静かに張った空気が、同じく沈み切っていたこなたの心を余計に暗へと手招いたのだろう。
こなたは誘われるように屋上へと注ぐ日差しの下に身を晒すと、一歩、二歩と屋上フェンスに歩み寄って行った。

「いっそ、飛び降りてしまおうかな」

こなたの自嘲めいた呟きが、屋上を吹き抜けていく風のなかに溶けては消えた。
遺言めいた呟きを聴き取ってくれる者など、この場にはいない。
むしろ、こなたが通っている教室で呟いてみせたとしても、クラスメイト達は揃って聴こえないフリを決め込むのだろう。
いや、どちらかというと嘲笑を浴びせ掛けてくるに違いない。
そうなのだ、既にそれだけの地盤が固められており、ひっくり返しようがないほどにこなたの立場は追いやられているのだ。
その事実はこなた自身にも良くわかっていたので、先の独白のせいで尚更、空虚な情趣に身を委ねるだけの結果となった。
けれども、ただ一つだけ。
ギシリと、まるで返事をするかのように軋んでくれたフェンスに対し、こなたは妙な親近感を抱いたのだ。
だから撫でた。
人通りの少ない場所で、来る日も来る日も雨と風に吹かれ、塗装が剥げ落ち、
忘れさられたように補修も施されず、しかし落下事故を防ぐ為だけに今この瞬間もその身を保ち、くたびれてしまった赤茶の網を。
そして、何度も何度も自分を見送り、最期を看取ってくれていたこのフェンスを。
こなたは、優しく撫でた。
冷たさを孕んだ風は、相も変わらずこなたと、そしてフェンスを攫っていく。
長居をしていると身体の芯から冷え切ってしまいそうだというのに、こなたはその場を一向に離れようとはしなかった。
何故なら、こなたの中にはある感情が芽生え始めており、それが元でこの場を離れるに離れられないでいたからである。

怨みだ。

理由はわからない。なぜ、私がこういった状況にあるのか。その説明は付けられない。
だけども、私の中には歴とした記憶があるのだ。
信じていた人達から騙され、裏切られ、欺かれ、叩き落とされてきた記憶が。
どうしてなのかはわからないが、実体験としてこの身に刻まれているのだ。
それこそ、この赤茶けたフェンスで囲まれた場所から、遥か眼下で構えているコンクリート目掛けて飛び降りた記憶だって……。

「いっそ、飛び降りてしまおうかな」

こなたの呟きが、再び風の中へと溶けていった。
しかしその声音には一度目の時よりも多くの迷いの念が含まれていた。
どうしてこなたが思い悩んでいるのか。それは、選ぶべき二つの結末を前にしているからである。

ひとつ、このまま飛び降りて終わりとするか。
ひとつ、やはり飛び降りるのは止めとするか。

だが、この選択は最早、単純にこなたが飛び降りるか否かの問題ではなくなってしまっている。
こなたには、もし自分が後者の道を選んでしまえば、自分自身が復讐鬼に成り果ててしまうという確信があるのだ。
この寒空の下に居るというのに熱く煮え滾るほどに身体を逸らせたてる復讐心。これはどうにも消せそうにない。
そうなれば自身が生きている限り、この残虐な感情を他者へとぶつけてしまうことになるのは避けようがない。
それはあまりにも非道だ、と。
だからこそ、こなたは迷っているのだ。
何度も叩き落とされてきた自分だからこそ、その道を選んではならないのだと言い聞かせているのだ。
けれども選ばないということは認められない。
こなたは様々な思惑によって震えそうになる身体をきつく抱きとめ、心地の悪い思惟に耽り。

やがては、その意を決めた。

20:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/30 12:01:01 n4U3CuOE
>>14
俺も可笑しいと思う。
2でいきなり27からのスタートになってる…。
こなたからの手紙の部分とかが書かれた中間がごっそり抜けてる…。
もう一度補完宜しく。

21:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/30 13:24:25 RAbuFiyG
このスレの奴頭いかれてるだろ
お前らが自殺しろよ


22:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/30 15:49:28 agHV51Qw
閻しき貴女直しといた。
指摘サンクス
>>19
中尉?

23:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/30 17:18:41 UO4jyptX
>>19
続き! 続き!

24:JEDI_tkms1984
09/01/30 20:38:46 NL7Pvt8W
 「閻しき貴女よ」wikiにあげてくださりありがとうございます。
さしでがましいお願いではありますが再度、1の方の本文追加をお願いできませんでしょうか。
59行目あたりから本文が一気に飛んでしまっているようです。
自分で編集できればよいのですが拒否リストに入っているなので、どなたかお願い致します。

25:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/30 21:23:32 linG0q1F
あれ?
>>22が直したって言ってるけど直ってないの?

26:JEDI_tkms1984
09/01/30 22:02:11 NL7Pvt8W
 >>22の方に修正戴いた部分とはまた別のところでして。
お手数おかけする申し出で恐縮です。

27:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/30 22:24:09 Wbz83GXN
修正完了。何かおかしなところあったら指摘下さいな。
今回不完全だったなら、次は全て1から編集しなおします。

28:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/30 22:32:18 oANFHcdy
>>19
俺の20倍は文才ある

29:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/30 22:44:44 j/afOMpm
>>19
>>10のは中学生時代の設定で考えたんだけど、
ここまで引っ張れるなんてすごい


30:JEDI_tkms1984
09/01/30 22:51:50 NL7Pvt8W
>>27

 ありがとうございます。
お陰様で本文全て収まりました。
お手数おかけしました。

31:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/31 07:47:53 9rAraIwg
>>19

「あ……おかえり。その、大丈夫?」

昼休みが訪れ、色めきだった教室の敷居を跨ぐなり、つかさが労いの句を掛けてきた。
その内情を包み隠そうともしない表情からは、彼女の純真さが窺えそうでもあるが。

「大丈夫、いつものことだから」

こなたは教室内の誰ともなくを睨むように見回し、それから笑顔を作った。
尤も、これが本心から来る笑顔でないことくらいは説明するまでもないだろう。
こなた自身もそれを理解したうえで笑い掛けてみせたのだ。
一体全体、今回は誰が首謀者、或いは共謀者なのか。
少なくとも今までのパターンから考えるに、仲間ヅラをした人間達がこうやって心配気なフリをしておき、
最後の最後で本性を表しては私をどん底へと突き落とす。
これが主たる手立てだったはずだ。
このような仕打ちを幾度となく繰り返されれば、その可能性を持っている相手を信用なんてできるはずもない。
ましてや、誰が首謀者なのかが現時点では不明。
つかさか、かがみか、みゆきか、それとも……私自身の家族や、それ以外の身近な人物か。
いずれにせよ、私の方から不審な動きをみせる訳にもいかない。
下手な動きを悟られてしまえば、きっと相手は私の虚を衝くような策を以って追い込みを掛けてくるに違いない。
故に、私が記憶を持っているというアドバンテージを失う訳にはいかない。
現時点では、敵がいることが判っているだけでも遥かに有利なのだから。
そのような要素が複雑に絡まっていたので、こなたは笑顔を作ったのだ。
すべては先を見据えた計算の上で、である。
そう、こなたは決めたのだ。
自身が辿るべき結末は、あの時点で飛び降りることではないと言い聞かせたのだ。

「よろしければ、中庭にでも参りませんか?」

みゆきがこなたの席から運んできた弁当を手渡し、同時に提案を投げかけてきた。
彼女の隣には今し方、隣のクラスからやってきたばかりである柊かがみが、心配気な面持ちで眺めている。
みゆきの提案は、こなたの事を考えた上での気遣いなのだろう。
こなたにしてもこれを断る理由は特に無い。敵意を感じる教室内より、外の方が落ち着けるというのもその理由のうちの一つだ。

「うん」

だから乗った。
その際、如何にもなと思える沈鬱とした表情を作ることを、こなたは忘れはしなかった。

32:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/31 07:49:20 9rAraIwg
季節がら、抜けている空からの日差しがあっても、身が竦みそうなほどの寒さは払えない。
こんな状態だというのに、わざわざ風が吹き抜ける中庭まで出向くとは酔狂なものだな。
と、こなたは思いつつ、気温を恨むように空を睨んだ。

「あんたさ、誰にやられたのよ?」

手頃な場所に腰掛けるなり、かがみが切り出してきた。
彼女の語調からは、こなたに対する心配を通り越し、見えない誰かに対する仄かな怒りが見受けられる。
当のこなたはというと溜息を交じえつつ、いつも通りの返答をすることとした。

「あれはきっと、私の気のせいだったんだと思う」

下手な波風は立てたくない。
その一心で、こなたは現在に至るまでの様々な出来事をも隠し続けてきていた。
いや、波風を立てたくないというよりも、下手に誰かを信用したところで意味がない。
ましてや後々には痛烈な裏切りが待っているだけだ。
という諦観に基づいた、一種の自己防衛ゆえの行動なのである。
しかし、こなたのような”経験”が無いかがみは、食い下がろうとはしなかった。

「そんなにあたしが信用できないの?」

今度の怒りは、釈然としないこなたに向けられているようにさえ思えた。
しかし、こなたにとってはかがみの『信用』という言葉がどうにも滑稽に思えてならなかった。
それこそ、信用を失わせる行為を度々繰り返してきた相手が口にしていれば、滑稽さにもより拍車がかかるというものだ。
等々の自分を縛っている事情は当然、こなたは表沙汰にしない。こなたは相反する感情を抑えこみ、辛辣そうな面持ちで述べた。

「信用はしているよ。かがみ達とは付き合い長いんだしさ。でも、あれは私の気のせいだったんだから仕方がないよ」
「でも、つかさの話じゃ、あんたが授業中に声をあげたって……」
「知っているでしょ、私の中学の頃の話。私ね、昨日遅寝だったから授業中にウトウトしちゃって。
 お陰で、授業中に寝ぼけたまま昔の夢を思い出してて……これってフラッシュバックってやつなのかな?
 そんなことより、ほらほら、先にお昼を食べようよ、ね?」

こなたが曖昧に笑うと、かがみは何か言いたげなまま押し黙った。

33:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/31 07:50:27 9rAraIwg
こなたが中学生の頃の話。
それを端的に言うなれば、こなたは虐められていた。
その理由は極めて有触れたもので、こなたにはどうしようもないものでもあった。

幼い頃に母親と死別し、授業参観には父親が来ている。
こなたの容姿は同世代に比べて遥かに幼く、体格も小さい。
母親の面影を思わせる髪。それが、周りの目を引いてしまうほどに長い。

虐めへと繋がった要因すべてを挙げていくならばキリがない。
そもそも、年齢的に幼く、精神的にも未熟な時期にある中学生にとっては、虐める為の理由なんてものは何だって構わないのだから。
一般的に考えてみても、家が貧乏だとか、声変わりが早いだとか、足が遅いだとか、名前が変だとか……。
それこそどうしようもない理由が元となって、難癖をつけられるのは御多分に漏れずだ。
ただ、その標的として選ばれたのが泉こなたであった。
周りにとってはそれだけのことに過ぎない。
むしろ、共通の敵を叩く事で、周りはその仲間意識をより強めることになり、
逆に自身が標的になる事を恐れるあまり、敵を潰すという行為がエスカレートしていくことは免れない。
いわば、虐められる人間は多数派の人間関係を円滑に進めていく為の人身御供だとも言える。
こうして一旦、虐めが始まってしまえば、それを解決するのは至難の業だ。
例え教師なりの協力を得て力任せに止めさせたとしても、表面的な部位が消え失せてしまうだけで、
内面的な部位は何ら解決してはおらず、むしろ”他者へと縋った”という事実は余計に実行犯らの悪心を刺激してしまう。
だから大抵の場合は本人だけで抱え込んでしまう。
加えて、こなたは父親にだけには心配をかけたくないと切に願っていた。
自身が虐められているという事実が露呈してしまうことを大いに恐れた。
やがて、何も対策をとらなかったことが災いし、こなたに課せられる行為は苛烈を極めていき……。

結果、現在のこなたがある。

少しでも偏差値の高い学校へと進学すれば、濁った連中とは手を切れるに違いない。
少しでも早い段階で仲間を作っておけば、自身の身を守れるに違いない。
少しでも明るく振る舞えれば、少しでも口数を増やせれば、少しでも……。
そのような希望的観測と自己実現の努力の末、陵桜学園へと進学し、こなたはかがみ達と知り合ったのだ。
こなたが俗にいうオタクなのも、インドアな趣味が多いのも、すべては鬱々とした中学時代によって象られた性格である。

34:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/31 07:51:55 9rAraIwg

「ごちそうさまでした」

味など感じられない昼食は、早々に切り上げとなった。
食事の途中で、誰ひとりとして「寒い」などと零さなかったのは、各々なりの思惑があってのことなのだろう。

「それじゃ、教室に戻る?」

つかさが遠慮がちにも同意を求めるように見回す。
その視線を受けたみゆきやかがみは、同様にこなたの方を窺った。
判断は当事者に委ねる、という呈であろう。

「そうだね、そうしよっか」

こなたは明るく振る舞う。
それにつられるように、三人も遠慮がちではあるが微笑んだ。

とてもぎこちない笑みだった。

35:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/31 07:53:21 9rAraIwg
「あ、みゆきとつかさは先に戻っててよ。ついでで悪いけど、あたし達の弁当箱を頼むわね」

教室へ戻る途中で、かがみがこなたの腕をとった。
それから声を顰めて続ける。

「ちょっとだけでも言いから、話を聞かせて」

仕草だけで、かがみの意志が固いものであることが、こなたには分かった。
そのため、こなたは静かに頷き、つかさ、みゆきの両名へ向けて「じゃあ、後でね」と伝えるほかなかった。
二人と別れると、かがみはこなたを人通りが少ない場所へと先導していき、
やがて辺りに人影が無いことを確かめると真に迫った貌でこなたへと向き直った。
思わず、こなたは身構える。
『ここで本性を現すのか?』
という疑念によって、言い知れない緊張感に襲われた。
だが、かがみの言葉はそれとは相容れない、優しい口調のもとに紡ぎ出された。

「その、夢だっけ? なんでもいいけど、どういう風なことをされたのか教えてよ」

何を目的としているのだろう。
こなたは不審に思いながらも、その問いに答える。

「えっと、コンパスで背中を刺される夢だけど」
「コンパスで? 授業中に?」
「うん……」
「ちょっと背中を見せて」
「えっ?」

こなたは迷った。
せっかく夢であると誤魔化したのに、その証拠を気取られるのは如何なものか。
とはいえここで断るのも却って怪しいというもの。
幸い、季節がら着込んでいるので制服にまで出血は届いていないだろうし、コンパスの針ならば衣服の傷も目立たないはず。
こなたはそう考え、かがみに背中を見せた。

「何もないわね」
「だから夢だって言ったじゃん。アレは勘違いだって」
「ちょっとセーラーを脱いでみて」

一瞬、校舎全体が沈黙したかに思われた。
真顔でかがみが口にした指示を理解することに追われ、こなたは混乱したからだ。
数瞬の後、ようやく意図を理解したこなたは口早に繕った。

「やっ、やだよ、こんな所で脱ぐなんて。恥ずかしいし、それにホラ、制服に傷も無かったんだし、だいたいアレは夢なんだし」

こなたは提案を拒む理由として明言しなかったが、ここで自分が脱げばそれを元に何らかの事態へと発展してしまう―例えば。
私が脱いだ直後にかがみが、「なにやってんのよ、こなたー!」という具合でギャラリーを呼び寄せるのではないか、という懸念。
それが考えられたからこそ、先の返答は忌むべく事態を避ける為の事前対策として宣ったのだ。
現に、それに似た体験は中学生の頃に味わわされたこともあった。
人間、経験を積まされれば、自然と危険を回避するように体は順応していくものらしい。と、こなたは自認した。

「だから、ね?」
「でも、コンパスで刺されたんなら傷も小さいだろうし、脱がなきゃわかんないじゃないの」
「だからアレは夢だって。寝ぼけてただけだって。それとも……私のことが信用できない?」

かがみの言葉をそっくりそのまま返す。
すると、かがみは何も言えずに黙り込んでしまった。ただ、

「わかったわ」

普段とは一線を画し、こなたが言い知れぬ不安を感じるほどの低い声で静かに呟いてみせると、
「教室へ戻りましょ」と打って変わっての優しい声でこなたの手を引いたのだった。

36:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/31 07:56:04 9rAraIwg

二回目となる不定期更新はこれで終了です
一応オチまで考えているつもりだけど、誰かが引き継いでくれるのであれば任せます
あんまり時間が取れそうにないので

37:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/31 10:14:23 DRiPtHoc
乙。こなたのこの鬱々とした感情が爆発したらすごいことになりそう
運動神経は学校内トップレベルだし、合気道系の武術も心得ているし
その気になれば破壊神になれる

38:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/31 12:03:02 Nkvwu8gQ
(U≡ω≡.)

39:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/31 12:28:15 s2jWAGJi
>>36
俺の20倍どころか50倍は文才ある


40:JEDI_tkms1984
09/01/31 12:32:35 AVQ3Esa5
>>36

 非常に続きが楽しみな作品です。
こういう役どころはやはりかがみが適任なのでしょうか。
こなたの気持ちはすごくよく分かります。

41:名無しさん@お腹いっぱい。
09/01/31 16:07:11 D6becI/C
>>36
俺の50倍どころか100倍は文才ある


しっかしアレだ、中尉氏でもJEDI氏でもないのか
まだまだ居るもんだな、凄い人

42:名無しさん@お腹いっぱい。
09/02/01 00:56:55 PWFE4DjP
クオリティがパネェwwwwwwwwww

43:名無しさん@お腹いっぱい。
09/02/01 12:58:28 QxI3SJf9
>>36
続きよろ!

44:名無しさん@お腹いっぱい。
09/02/01 14:50:27 1F+BjJRO
>>32
「しかし、こなたのような”経験”が無いかがみは、食い下がろうとはしなかった。」って、もしかして「引き下がろうとしなかった」の間違い?
野暮かも知れないけどせっかく面白いので指摘しておく。

45:グレゴリー
09/02/01 16:40:18 oJBe68Xx
>>9
自ら死を選択するのも人間性のなせる技で尊いものだという哲学が
垣間見れた作品でした。
ハートフルな作品をありがとう。

今、私が書いている作品は、憎悪と汚らわしさとグロに満ち溢れていますが
そういう作品しかかけない私はひたすら羨望するばかりでございます。
風俗に金をかけるのはもったいないんで、オナホールを買ったものの、締りが
きつすぎてチン○がヒリヒリしながらも、これで1ヶ月を過ごさなければならない
のか!という怒りもまた、作品に憎悪を追加するエッセンスとなっている
自分が情けないのでございます。

46:グレゴリー
09/02/01 18:11:28 oJBe68Xx
私が風俗嫌いになった理由は、ある日、風俗嬢がぶちきれて口論になった
からであります。そのビッチいわく、「自分は人形じゃない!人間として
扱って欲しい」俺はぶちきれましたよ!
テメエは人形だろうがボケが!腐ったビッチのくせに金を払っている俺に
人間扱いして欲しいとか抜かしてんじゃねーよカスが!
あんまり揉めると、裏から怖いお兄さんが出てきそうなので、自分が折れましたが
、中国女のインチキマッサージに引っかかったときもぶちきれましたワイ。
高い金払ってヌキ無しなんですよ?俺はその中国女の目の前でチン○を出して
自分でしごいてやりましたわい。そしたら、そのビッチチャイナガールいわく
「すぐにトイレットペーパー持ってくるから、今、出しちゃだめアル。ここで
ぶちまけたらダメアル。ちょっとイクのを我慢するアル」
私は射精して、逃げるように店を脱出しましたワイ。
男の性欲をおもちゃにして、俺の少ない稼ぎから搾り取ろうとするゴミどもの
蔓延に私は怒りを感じてます。この狂った世の中に少しでも抵抗を見せたたい!
私のこの熱い思いが作品に投影されています。
私に対して嫌悪を抱かれる方は私の作品を無視していただくようにお願いします。



47:グレゴリー
09/02/02 00:15:30 DFPWaKf5
それでは、ひっそりと投稿します。
前半部分ができあがったので。後半はまた後日に。
グロくて汚らわしい作品ですが、そういうのが苦手な方は
スルーしてください

48:ヴァレンシュタイン.デイ
09/02/02 00:16:04 DFPWaKf5
「ヴァレンシュタイン.デイ」

2月14日。それは世にも不可思議な日だった。
こなたは一度、みゆきにこの日の由来を聞いたことがある。

「17世紀に神聖ローマ帝国、つまり今のドイツ、チェコ、オーストリアなどの中欧で起きた30年戦争と呼ばれる宗教戦争なのですが、
その戦争で活躍した傭兵隊長でヴァレンシュタインという人物が由来です。
というのも、とある戦いでヴァレンシュタインは敵軍に勝利したのですが、それは武力によってではなく、なんと敵軍を買収して
勝利を収めたのですよ。それ以来、彼にちなんで愛する人をプレゼントなどの金品によって買収..いや、振り向かせる
という習慣ができたのです」

歩く生け字引のようなみゆきの説明にこなたは感心した。
なるほど。だから、ヴァレンシュタインデイにはチョコレートによって任意の相手を買収、いや、振り向かせるのか。
こなたは買収という言葉に一抹の魅力を感じた。

こなたは改めてみゆきを見つめた。なぜ、このような人が自分のような人間と仲良くしてくれるのだろう?
非の打ち所のない美しさだった。
彼女を見つめるだけでこなたの目頭は熱くなる。みゆきと親しくしているだけで自分が特別な人間になれたような気がする。
思いを秘めながらも、こなたはそれを遂げられずにいた。
どうあがいても自分はみゆきにふさわしい人間にはなれない。だが、こなたの心に芽生えた黒々とした陰謀は
すでに彼女のすべてを覆いつくそうとしていたのだった。

買収....そう、買収だ。こなたの特性として、一度定めた目標に対しては恐るべき知性と集中力、そして執念をもって
整然と取り掛かることができた。
2月14日のヴァレンシュタインデイ、その日だけは、買収という行為が容認される。
こなたはヴァレンシュタインデイにすべてを賭けるつもりだった。


メイドカフェの舞台でハルヒダンスを踊りながら、こなたは客を品定めしていた。性欲をもてあまし、金をもってそうで
そして単身で来ている者。あんまりキモイのはかんべんだ。
踊り終えると、こなたは狙いを定めた客のほうへ向かう。気が弱そうなメガネだが、身なりもスーツ姿でしっかりとしており
清潔そうな青年だった。こなたはその青年にそっと耳打ちをすると、青年は顔を真っ赤にして驚愕の視線でこなたを見つめた。
やがて、彼はうなずくと、こなたと共に奥のトイレへと消えていった。
ヴァレンシュタインデイまでに買収のための資金を作る必要がある。こなたはそう自分に言い聞かせて
服ごしにごそごそと触られたり、口の中に勢い良く射出されたザーメンを我慢したのだった。


49:ヴァレンシュタイン.デイ2
09/02/02 00:17:35 DFPWaKf5
そしてついに2月14日が訪れた。
椅子に座って手を頭の後ろに組みながら、かがみがため息をつく

「なんでこの日って、なんかこう、男女ともいかにも色めき立っているのかねえ」

こなたは机の上に上半身を寝そべらせて、両手であごを支えながら笑顔を作っていた。

「いいんじゃないの〜、かがみは男に渡す予定でもあんの?」

かがみはいつものオーバーリアクションで顔を真っ赤にして否定した

「そんなのあるわけないじゃない!あんたこそどうなのよ」

しかし、こなたはにんまりとすると、下からごそごそと大きな袋を取り出した。
かがみ、つかさ、みゆきの目の前で、その大きな袋をドスンと机の上に置く。
かがみはびっくりして言った。

「あんた、もしかして、バレンタインデイのチョコを作ってきたの?」

こなたは袋をごそごそとしながら答えた。

「うん。”ヴァレンシュタインデイ”のためにね、昨日、一生懸命みんなの分を作ってきたんだよ」

”バレンタインデイ”のイントロネーションが少しおかしかったのが一瞬気になったが、かがみは
驚きのまなざしをこなたに投げた。
こなたはごそごそとしていた手を止めると、袋の中から小さな箱を取り出してかがみの前に突き出した。
その箱には丁寧にも「かがみ」 と書いてあった。

「あ、ありがとう」

あっけにとられながらもかがみは突き出された箱を受け取り、一応、礼を言う。
こなたはまた袋の中を探って、今度は 「つかさ」 と書かれた箱を取り出してつかさに渡した。

「こなちゃん、もしかして一つ一つ、別々に作ったの?」

かがみと自分の箱の形と包装が違うのに気がついたつかさがたずねた。

「当たり前じゃん!みんなのために一つ一つ、それぞれのキャラに合わせて作ったんだよ」

つかさとかがみはポカーンとしてこなたを見つめた。彼女たちにとって
泉こなたという友人は、おおよそそういうこととは無縁な性格のはずだった。
ふと、教室の隣の廊下を歩いていく人物に気がついたこなたは、席を立つと片手にチョコレートの箱を
もって走っていった。

50:ヴァレンシュタイン.デイ3
09/02/02 00:20:06 DFPWaKf5
帰り道、4人はいつもどうり並んで歩いていた。
ふと、かがみが思いついたようにこなたに話しかけた。

「ねえ、そういえばあんたさ、みゆきにチョコを渡した?」

つかさとみゆきはハッとした顔になった。

「そういえばゆきちゃん、チョコを貰ってなかったよね」

つかさの言葉に、みゆきは笑顔で返した

「そういえばそうですねえ。でも、お気になさらずに。私も今、気がついた次第ですので」

こなたは大仰にあわてて見せた。

「ごめーん。マジでごめん!みゆきさんの分、作るの忘れちゃった!!」

かがみはハアーとため息交じりに悪態をつきはじめる。
しかし、こなたは熱っぽい目でみゆきを見つめていた。
みゆきはこなたと目を見合わせると、所在無げにもぞもぞとしていたが

「はい、なんでしょう?」と顔を赤らめながらこなたに問いただす。

「みゆきさん。この埋め合わせは絶対にするからさ!ね、許してくれる?」

こなたは真摯な目でみゆきを見つめている。
後ろからその風景を眺めながら、つかさとかがみは特に不思議なものは感じなかった。
こなたは時々、面白半分に大げさなリアクションをするからだ。
みゆきはにっこりと微笑んだ。

「お気になさらないでください。そのお気持ちだけで十分ですよ」

こなたは頬を紅潮させた。やはりみゆきは最高だ。そして、計画は始動した。
かがみが後ろでなにやら話していたが、こなたの耳には入っていなかった。
ただ、みゆきだけを見つめてた。


//////////////////////////////////////////////////////////////////

家に帰り着くと、丁度、おなかがすいていた。
ふと、こなたに貰ったチョコを思い出すと、包装を開けてみる。
大きな筒のような形をしたチョコだった。
木の幹をイメージしたのだろうか?そういう風な意匠が凝らしてあった。
以外と器用なこなたに感心しながら、そのチョコを口に運んでみる。
中は空洞みたいだ。大きさの割りには軽かった。
そして、チョコをひと齧りしてみた。

ふと、感触に違和感を感じた。
割れて空洞があらわになったチョコを調べてみると、空洞の中に
ぎっしりと丸まった1万円札が入っていた。
震える手でその1万円札を数えてみる。
かつて自分が手にしたことのないほどの大金だった。
彼女は、振るえながら独り言を言った。

「私に....一体、何をしろっていうの?」

こなたの指示書は箱を調べてみるとすぐに見つかった...
こうして、2月14日、買収の日は過ぎ去った。

//////////////////////////////////////////////////////////////////

51:ヴァレンシュタイン.デイ4
09/02/02 00:22:51 DFPWaKf5
翌日、また、いつものとおり、かがみはB組の3人の元へやってきた。
机を囲んで談笑している、つかさとみゆき、こなたの元へ歩み寄っていく。
しかしかがみは明らかにおかしい様子に気がついた。
なにやらみゆきの様子がおかしい。
椅子に座りうなだれるみゆきを、つかさとこなたが慰めているように見えた。

「ちょっと、どうしたの?」

心配そうに駆け寄ってくるかがみに気がついたつかさは、神妙な顔でかがみに説明した。

「お姉ちゃん。今日ね、ゆきちゃんの下駄箱の中にこんな手紙が」

つかさから手渡された手紙を読んでみる。
かがみの顔はみるみる青ざめていった。

「な...なにこれ」

その手紙はあまりにもおぞましく呪われたものだった。
かがみは文面を読んでいくうちに吐き気を催したくらいだ。
あまりにも力が入りすぎた筆跡は、ところどころインクが滲み、紙にペン先の穴すら開いている箇所があった。

....高良みゆきさん。僕はあなたを思うにあなたは非常に稀なほどのすばらしい
  肉質をお持ちでございます。僕はかつて肉親を食べておかげで
  病院に送られましたが、今やその事件は許されて学校に通わせてもらって
  ます。でも、おかげで僕はその人を見るだけで肉質と味が分かるのです。 
  僕は人を食べるのは悪いことだとずっと教えられたので高良さんを食べるつもり
  は全然ないのですが、僕は人を見ただけで肉質と味がわかるのです。
  つまり、おいしそうな人は僕にとって心が清くそして神聖な人物であるわけです。
  僕が愛する肉親を食べたのは、それは僕にとって大切で清くすばらしいかったからです。
  食べることによって僕はその人を永遠に僕の中に取り入れてずっと一緒になります。
  僕はだからと言って、高良さんを食べるつもりは全然ないのですが
  あなたは僕が食べたいと思えるほどすばらしい方だということを言いたいのです。
  僕はこれほどすばらしいあなたとお友達になりたい。だから、この手紙をしたためました。
  僕を怖がらないでください。僕は人を食べるのは悪いことだとずっと病院で治療を続けて
  きて、病院の先生も僕を大丈夫だと言ってくれてます。
  だから、安心してお友達になりましょう。返事を待っています。
 
 2年B組 グレゴリー


「これって、あのグレゴリー?」

かがみは震えながらたずねる。だが、あのグレゴリーであることは確かだった。
彼は中学3年のときに実の両親を食べた。
そして、精神病院に送られ治療を受けていた。治療は成人してからも続けられた。
だが、人権団体がグレゴリーの処遇について苦情を申し立てたのだ。
彼に立ち直らせるチャンスを与えるべきだ。
中学で終わった彼の学歴を、彼が望むのであればそれ以上与えるべきだと。
そして、私立稜桜学園に白羽の矢が立てられたのだった。

この学園は進学校であるので、生徒たちのモラルもある程度は保障できる。
そして、志のある人間には立ち直らせるチャンスを与えるという宣伝もできる。
なによりも、人権団体の圧力があった。

グレゴリーは、たゆまぬ努力の結果(ということになっている)
稜桜の入学試験に合格し、すでに成人男性でありながらも高校入学を果たしたのだった。
彼は失われた青春時代を取り戻そうとしていた。
生徒たちはそんな彼の姿に共感し、学友として彼を受け入れている....ということにされていた。


52:ヴァレンシュタイン.デイ5
09/02/02 00:26:33 DFPWaKf5
表向きにはそういう宣伝がなされていたが、すべての生徒が彼を恐れていることは明確だった。
彼のやったことは何をどうやっても消えてなくなることはない。
グレゴリーはカニバリズムを行ったのだ。

そして、グレゴリーはB組。 そう、つかさ、こなた、みゆき、と同じクラスなのだった。
今、B組にはグレゴリーの姿はない。彼はいつも、早朝に精神病の薬を飲むことになっているので、
朝は保健室にいる。


「すぐに黒井先生に知らせないと!こんな気持ち悪い手紙を、よりによってグレゴリーから受け取る
なんて!みゆきの身に何か起こってからでは遅いわよ」

だが、かがみの言葉をさえぎったのはよりによってこなただった。

「かがみ、そんなことをするなんてグレゴリーに悪いと思わない?」

「はあ?なにいってんの!あんた、グレゴリーがやったことを知ってるでしょ?彼は
 自分の両親を食べたのよ。そして、この手紙で、みゆきを...みゆきを食べたいって書いてる」

冷静さを失ったかがみに対して、こなたはあくまで冷静にかがみを諭す。

「グレゴリーは一言もみゆきさんを食べるなんて書いてないじゃない。
 人間を食べたことのある自分の経験から照らし合わせているだけで..
 それに、自分は治療を受けていて人間を食べることはないって明言してるでしょ!
 だから、だから...」

こなたはうつむいた。つかさとみゆき、そしてかがみはそんなこなたを怪訝そうな目で見つめている。
しかし、以外なことにこなたの肩を持ったのはつかさだった。

「そ、そうだよ。こなちゃんの言うとおり、黒井先生に言うのはやりすぎじゃないかな。
 グレゴリーさんにとっては真剣な手紙かも知れないし、偏見だけで危険だと決め付けるのは
 よくないよ。それに、グレゴリーさんはちゃんと治療を続けているし。
 だから、過去に行った事件だけで彼を判断するのは偏見じゃないかな?」

つかさの助け舟に勢いを得たこなたは力説する。

「そうだよ。グレゴリーは真剣な好意をみゆきさんに伝えたかっただけだとしたら?
 それに、生徒間のそういう問題を担任に知らせるなんて無粋な行為だよね。
 だから、私たちで協力しあって一応、様子を見てみようよ。
 ねえ、みゆきさんはどう思うの?」

みゆきはうつむいていた顔をあげると力なさげに答えた。

「え、ええ。確かに、黒井先生に知らせるのはグレゴリーさんがかわいそうな気がします。
 本来、こういう問題は担任が間に入るものでもありませんし」

こなたとつかさは顔を見合わせた。
かがみは心配そうな表情でみゆきを見つめていた。

53:ヴァレンシュタイン.デイ6
09/02/02 00:28:29 DFPWaKf5
グレゴリーの運用は、こなたにとって核兵器の運用のようなものだった。
素直に買収に応じた点は、やはりグレゴリーも金が欲しい
普通の人々だった。
こなたの指示と厳密な注意の元、彼がしたためた手紙は
こなたを含めた4人を驚愕させるに十分だった。
かがみはグレゴリーに対して絶対的な拒絶を示しているが、
その点に関してはこなたもかがみに大いに賛同している。
当たり前だ。グレゴリーは人間じゃない。こんな怪物に純粋な好意など
ひとかけらもあるはずがない。もしも、これが自分自身の指示で
なかったのなら、こなたは真っ先にかがみと共に、黒井先生や
親たちに相談し、グレゴリーを隔離してもらうように働きかけただろう。
だが、金の力はグレゴリーのような怪物さえも自分の意のままに操れる。
そして.....


「あ、あんたたち、ほんとうにそれでいいの?私は絶対に反対だけど。
 グレゴリーに何をされるか心配じゃないの?」

かがみは頑としてグレゴリーを拒絶している。つかさは姉と真っ向から対立した。

「お姉ちゃん。私たちがゆきちゃんのそばにいるから大丈夫だよ。
 それに、グレゴリーさんはこの学校のれっきとした生徒だよ。
 私とこなちゃんとゆきちゃんにとってはクラスメイトでもあるのよ。
 お姉ちゃんこそ、ちょっとひどいよ」

かがみは妹を見つめた。つかさ..あんたってどこまでお人よしなのよ...
つかさの優しさはよく知っている。だが、クールでシビアな自分に
対して、妹はちょっと警戒感が足りずに、不必要に他人を信用してしまう
傾向がある。
つかさとみゆきは優しく思いやりがありそれが魅力でもあった。
彼女たちがグレゴリーの肩を持つのは少しは理解できる。
だが、こなたの言動がどうもかがみは引っかかっていた。

こなたなら、絶対に自分と同じ考えにいたるはずだった。
どちらかというと、こなたは自分と同じく現実的で
シビアな思考を持っている。
優しさや思いやりに流されない冷淡な視線で物事を考えるたちだ。
だが、現実、自分だけが他の3人に反対していた。

かがみは飲み込めないものを感じ、授業のためB組を後にしたのだった。
授業が終わり再びB組にやってきたかがみは、グレゴリーを囲む3人を見つけた。

教室の端っこの机に座っているグレゴリーを、まるでみゆきの左右を護衛するように
つかさとこなたが位置し、みゆきは頭をうなだれたまま、グレゴリーと対面していた。

かがみはグレゴリーの顔を見つめる。だが、耐え切れなくなってすぐに視線を外してしまった。
とても直視できそうになかった。
本来、彼は一生を精神病院の病室に閉じ込められて過ごすべき男だった。

年齢は30くらいだろうか。
悪気はないのだろうが、左右の目の玉があべこべの方向を向いていて、頭髪は短く刈り込んでいる
ものの、ところどころにハゲが出来ており、薬の副作用なのか常に鼻からは鼻血がたれており、
口の周りによだれの跡のような黄色い粉がついている。



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